以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明するデジタルテレビジョン放送受信装置11の外観と、このデジタルテレビジョン放送受信装置11を中心として構成されるネットワークシステムの一例を概略的に示している。
すなわち、デジタルテレビジョン放送受信装置11は、主として、薄型のキャビネット12と、このキャビネット12を起立させて支持する支持台13とから構成されている。そして、キャビネット12には、例えば液晶表示パネル等でなる平面パネル型の映像表示器14、スピーカ15、操作部16、リモートコントローラ17から送信される操作情報を受ける受光部18等が設置されている。
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置11には、例えばSD(secure digital)メモリカード及びMMC(multimedia card)等の第1のメモリカード19が着脱可能となっており、この第1のメモリカード19に対して番組や写真等の情報の記録再生が行なわれるようになっている。
さらに、このデジタルテレビジョン放送受信装置11には、例えば契約情報等の記録された半導体メモリを内蔵する第2のメモリカード(ICカード)20が着脱可能となっており、この第2のメモリカード20に対して情報の記録再生が行なわれるようになっている。
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、第1のLAN(local area network)端子21、第2のLAN端子22、USB(universal serial bus)端子23及びi.Link端子24を備えている。
このうち、第1のLAN端子21は、LAN対応HDD(hard disk drive)専用ポートとして使用されるもので、接続されたNAS(network attached storage)であるLAN対応のHDD25に対して、イーサネット(登録商標)により情報の記録再生を行なうために使用される。
このように、LAN対応HDD専用ポートとしての第1のLAN端子21を設けることにより、他のネットワーク環境やネットワーク使用状況等に影響されることなく、HDD25に対してハイビジョン画質による番組の情報記録を安定して行なうことができる。
また、第2のLAN端子22は、イーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ26を介して、LAN対応のHDD27、PC(personal computer)28、HDD内臓のDVDレコーダ29等の機器を接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
なお、DVDレコーダ29については、第2のLAN端子22を介して通信されるデジタル情報が制御系のみの情報であるため、デジタルテレビジョン放送受信装置11との間でアナログの映像及び音声情報を伝送するために、専用のアナログ伝送路30を設ける必要がある。
さらに、この第2のLAN端子22は、ハブ26に接続されたブロードバンドルータ31を介して、例えばインターネット等のネットワーク32に接続し、そのネットワーク32を介してPC33や携帯電話34等と情報伝送を行なうために使用される。
また、上記USB端子23は、一般的なUSB対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ35を介して、携帯電話36、デジタルカメラ37、メモリカードに対するカードリーダ/ライタ38、HDD39、キーボード40等のUSB機器を接続し、これらのUSB機器と情報伝送を行なうために使用される。
さらに、上記i.Link端子24は、例えばAV−HDD41及びD(digital)−VHS(video home system)42、さらには、地上波デジタルチューナ(図示せず)等をシリアル接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
図2は、上記したデジタルテレビジョン放送受信装置11の主要な信号処理系を示している。すなわち、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ43で受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子44を介して衛星デジタル放送用のチューナ45に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
そして、このチューナ45で選局された放送信号は、PSK(phase shift keying)復調器46に供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、信号処理部47に出力される。
また、地上波放送受信用のアンテナ48で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子49を介して地上デジタル放送用のチューナ50に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
そして、このチューナ50で選局された放送信号は、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)復調器51に供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、上記信号処理部47に出力される。
また、上記地上波放送受信用のアンテナ48で受信した地上アナログテレビジョン放送信号は、入力端子49を介して地上アナログ放送用のチューナ52に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。そして、このチューナ52で選局された放送信号は、アナログ復調器53に供給されて、アナログの映像信号及び音声信号に復調された後、上記信号処理部47に出力される。
さらに、上記信号処理部47には、複数(図示の場合は4つ)の入力端子54a,54b,54c,54dが接続されている。これら入力端子54a〜54dは、それぞれ、アナログの映像信号及び音声信号を、デジタルテレビジョン放送受信装置11の外部から入力可能とするものである。
ここで、上記信号処理部47は、PSK復調器46及びOFDM復調器51からそれぞれ供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施している。
また、この信号処理部47は、上記アナログ復調器53及び各入力端子54a〜54dからそれぞれ供給されたアナログの映像信号及び音声信号を選択的にデジタル化し、そのデジタル化された映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施している。
この信号処理部47が行なうデジタル信号処理としては、例えば、映像信号に対するMPEGデコード処理、このMPEGデコード処理に伴なって発生するモスキートノイズを削減するMPEGノイズリダクション処理、映像信号にOSD(on screen display)信号を重畳する処理、映像信号に対するスケーリング処理、音声信号に対するデコード処理等がある。
そして、信号処理部47から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部55に供給される。この映像処理部55は、入力されたデジタルの映像信号を、前記映像表示器14で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、映像表示器14に出力して映像表示させるとともに、出力端子56を介して外部に導出させる。
また、信号処理部47から出力されたデジタルの音声信号は、音声処理部57に供給される。この音声処理部57は、入力されたデジタルの音声信号を、前記スピーカ15で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ15に出力して音声再生させるとともに、出力端子58を介して外部に導出させる。
ここで、このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部59によって統括的に制御されている。この制御部59は、CPU(central processing unit)等を内蔵しており、前記操作部16からの操作情報を受け、または、リモートコントローラ17から送出された操作情報を、前記受光部18を介して受信し、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
この場合、制御部59は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)60と、該CPUに作業エリアを提供するRAM(random access memory)61と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ62とを利用している。
また、この制御部59は、カードI/F(Interface)63を介して、前記第1のメモリカード19が装着可能なカードホルダ64に接続されている。これによって、制御部59は、カードホルダ64に装着された第1のメモリカード19と、カードI/F63を介して情報伝送を行なうことができる。
さらに、上記制御部59は、カードI/F65を介して前記第2のメモリカード20が装着可能なカードホルダ66に接続されている。これによって、制御部59は、カードホルダ66に装着された第2のメモリカード20と、カードI/F65を介して情報伝送を行なうことができる。
また、上記制御部59は、通信I/F67を介して第1のLAN端子21に接続されている。これにより、制御部59は、第1のLAN端子21に接続されたLAN対応のHDD25と、通信I/F67を介して情報伝送を行なうことができる。この場合、制御部59は、DHCP(dynamic host configuration protocol)サーバ機能を有し、第1のLAN端子21に接続されたLAN対応のHDD25にIP(internet protocol)アドレスを割り当てて制御している。
さらに、上記制御部59は、通信I/F68を介して第2のLAN端子22に接続されている。これにより、制御部59は、第2のLAN端子22に接続された各機器(図1参照)と、通信I/F68を介して情報伝送を行なうことができる。
また、上記制御部59は、USB I/F69を介して前記USB端子23に接続されている。これにより、制御部59は、USB端子23に接続された各機器(図1参照)と、USB I/F69を介して情報伝送を行なうことができる。
さらに、上記制御部59は、i.Link I/F70を介してi.Link端子24に接続されている。これにより、制御部59は、i.Link端子24に接続された各機器(図1参照)と、i.Link I/F70を介して情報伝送を行なうことができる。
図3は、上記リモートコントローラ17の外観を示している。このリモートコントローラ17には、主として、電源キー17a、入力切換キー17b、衛星デジタル放送チャンネルのダイレクト選局キー17c、地上波放送チャンネルのダイレクト選局キー17d、クイックキー17e、カーソルキー17f、決定キー17g、番組表キー17h、ページ切換キー17i、faceネット(ナビゲーション)キー17j、戻るキー17k、終了キー17l、青,赤,緑,黄のカラーキー17m、チャンネルアップダウンキー17n、音量調整キー17o、メニューキー17p、番組説明キー17q等が設けられている。
ここで、上記信号処理部47が行なうMPEGノイズリダクション処理について説明する。このMPEGノイズリダクション処理は、図4に示すように、上記信号処理部47に内蔵されたMPEGノイズリダクション処理部71に、映像信号を供給することにより実行される。
この場合、MPEGノイズリダクション処理部71は、2つの制御端子C1,C2を備えている。そして、MPEGノイズリダクション処理部71は、制御端子C1に論理値0の制御信号が供給されたとき、ノイズリダクション処理を停止するオフ状態となり、入力された映像信号をそのまま出力するように動作する。
また、このMPEGノイズリダクション処理部71は、制御端子C1に論理値1の制御信号が供給されたとき、入力された映像信号に対してモスキートノイズのノイズリダクション処理を実行するオン状態となるように動作する。
さらに、このMPEGノイズリダクション処理部71は、制御端子C1に論理値1の制御信号が供給された、ノイズリダクション処理のオン状態において、制御端子C2に供給される制御信号により、ノイズリダクション処理を施す強さを「弱」、「中」、「強」の3段階に可変することができる。
この場合、制御端子C2に供給される制御信号としては、映像信号にどの程度の強さのノイズリダクション処理を施すかを設定するためのしきい値が用いられる。つまり、制御信号として3種類のしきい値を選択的に与えることにより、ノイズリダクション処理をかける強さを3段階に可変することができる。
そして、これらの各制御信号は、ユーザの設定操作に応じて制御部59で生成され、MPEGノイズリダクション処理部71の制御端子C1,C2にそれぞれ供給されるようになっている。
すなわち、このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、モスキートノイズに対するノイズリダクション処理をオンまたはオフ状態に設定すること、オン状態においてノイズリダクション処理を施す強さを設定することを、ユーザの操作によって実現することができるように構成されている。
具体的に言えば、上記リモートコントローラ17のクイックキー17eを操作することにより、映像表示器14の画面上に、図5に示すようなクイックメニュー画面が表示される。このクイックメニュー画面では、「外部機器登録」、「画面サイズ切換」、「オフタイマー」、「信号切換」、「映像設定」、「音声設定」、「データ放送機能」の7つの項目が選択肢として表示される。
このクイックメニュー画面において、リモートコントローラ17のカーソルキー17を操作して所望の項目を選択し、決定キー17gを操作することにより、選択された項目が決定される。この場合には、「映像設定」の項目が選択され決定される。
すると、映像表示器14の画面上に、図6に示すような映像設定画面が表示される。この映像設定画面では、「映像メニュー」、「映像調整」、「カラーイメージコントロール」、「ベースカラー調整」、「上下振幅調整」、「上下画面位置」、「ファインシネマ」の7つの項目が選択肢として表示される。この映像設定画面において、リモートコントローラ17のカーソルキー17を操作して「映像調整」の項目を選択し、決定キー17gを操作する。
これにより、図7に示すような映像調整画面が表示される。この映像調整画面では、「ユニカラー」、「明るさ」、「黒レベル」、「色の濃さ」、「色あい」、「画質」、「詳細調整」、「初期設定に戻す」の8つの項目が選択肢として表示される。この映像調整画面において、リモートコントローラ17のカーソルキー17を操作して「詳細調整」の項目を選択し、決定キー17gを操作する。
すると、図8に示すような詳細調整画面が表示される。この詳細調整画面では、「色温度」、「ダイナミックガンマ」、「MPEG NR(ノイズリダクション)」、「DNR」の4つの項目が選択肢として表示される。この詳細調整画面において、リモートコントローラ17のカーソルキー17を操作して「MPEG NR」の項目を選択し、決定キー17gを操作する。
これにより、図9に示すようなMPEG NR設定画面が表示される。このMPEG NR設定画面では、「オフ」、「弱」、「中」、「強」の4つの項目が選択肢として表示される。このMPEG NR設定画面において、リモートコントローラ17のカーソルキー17を操作していずれかの項目を選択し、決定キー17gを操作する。
この場合、例えば、「オフ」の項目が選択され決定されると、上記制御部59は、MPEGノイズリダクション処理部71の制御端子C1に論理値0の制御信号を供給し、ノイズリダクション処理をオフ状態とするように動作する。
また、「弱」、「中」、「強」のいずれかの項目が選択され決定されると、制御部59は、MPEGノイズリダクション処理部71の制御端子C1に論理値0の制御信号を供給してノイズリダクション処理をオン状態に設定するとともに、選択された項目に対応するしきい値をROM60から読み出し、制御端子C2に制御信号として供給する。これにより、モスキートノイズに対するノイズリダクション処理を施す強さを設定することができる。
なお、図5乃至図9に示したいずれの画面の表示状態においても、リモートコントローラ17の終了キー17lを操作することにより、クイックキー17eを操作する前の画面にダイレクトに戻ることが可能である。
図10は、上記したモスキートノイズに対するノイズリダクション処理の各種設定動作をまとめたフローチャートを示している。すなわち、リモートコントローラ17のクイックキー17eが操作されることにより、処理が開始(ステップS1)されると、制御部59は、ステップS2で、映像表示器14の画面上にクイックメニューを表示させる。
その後、制御部59は、クイックメニュー画面を頂点とする階層構造となされた各種のメニュー画面に分け入る操作が行なわれる中で、図5に示したクイックメニュー画面から図9に示したMPEG NR設定画面に至る所定の操作が行なわれることにより、ステップS3で、MPEG NR設定画面を表示させる。
次に、制御部59は、ステップS4で、MPEG NR設定画面に表示された各項目の中で、「オフ」の項目が選択され決定されたか、「弱」、「中」、「強」のいずれかの項目が選択され決定されたかを判別する。
そして、「オフ」の項目が選択決定されたと判断された場合、制御部59は、ステップS5で、MPEGノイズリダクション処理部71の制御端子C1に論理値0の制御信号を供給し、モスキートノイズに対するノイズリダクション処理をオフ状態に設定して、処理を終了(ステップS7)する。
また、上記ステップS4で「弱」、「中」、「強」のいずれかの項目が選択決定されたと判断された場合、制御部59は、ステップS6で、MPEGノイズリダクション処理部71の制御端子C1に論理値0の制御信号を供給するとともに、選択された項目に対応するしきい値を制御端子C2に供給し、モスキートノイズに対するノイズリダクション処理の強さを設定して、処理を終了(ステップS7)する。
上記した実施の形態によれば、信号処理部47にモスキートノイズに対するノイズリダクション処理を行なうMPEGノイズリダクション処理部71を内蔵させるようにしたので、MPEG方式による圧縮伸長処理が施された映像信号に発生するモスキートノイズに対処することが可能となる。
そして、モスキートノイズに対するノイズリダクション処理を施すか否か、施す場合のノイズリダクション処理の強さを、ユーザの操作によって設定することができるようにしたので、モスキートノイズに対して実用的なレベルで適切に対処することができるようになる。
すなわち、モスキートノイズに対するノイズリダクション処理は、強くかけすぎると映像の精細感を損なうことがあるので、表示画面を見ながらユーザがオフ状態や最適な強さを選択することができるようにしたことは、ユーザにとって極めて便利で実用性が高いものとなる。
また、MPEGノイズリダクション処理部71としては、その制御端子C1に論理値0の制御信号が供給され、ノイズリダクション処理をオフ状態に設定されたとしても、完全にノイズリダクション処理を停止するのではなく、ノイズリダクション処理を微弱に施すように構成してもよいものである。オフ状態でのノイズリダクション処理を施す強さは、例えばデジタルテレビジョン放送受信装置11の製造メーカが目指している映像の概念等に応じて決定されることになる。
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
11…デジタルテレビジョン放送受信装置、12…キャビネット、13…支持台、14…映像表示器、15…スピーカ、16…操作部、17…リモートコントローラ、18…受光部、19…第1のメモリカード、20…第2のメモリカード、21…第1のLAN端子、22…第2のLAN端子、23…USB端子、24…i.Link端子、25…HDD、26…ハブ、27…HDD、28…PC、29…DVDレコーダ、30…アナログ伝送路、31…ブロードバンドルータ、32…ネットワーク、33…PC、34…携帯電話、35…ハブ、36…携帯電話、37…デジタルカメラ、38…カードリーダ/ライタ、39…HDD、40…キーボード、41…AV−HDD、42…D−VHS、43…アンテナ、44…入力端子、45…チューナ、46…PSK復調器、47…信号処理部、48…アンテナ、49…入力端子、50…チューナ、51…OFDM復調器、52…チューナ、53…アナログ復調器、54a〜54d…入力端子、55…映像処理部、56…出力端子、57…音声処理部、58…出力端子、59…制御部、60…ROM、61…RAM、62…不揮発性メモリ、63…カードI/F、64…カードホルダ、65…カードI/F、66…カードホルダ、67…通信I/F、68…通信I/F、69…USB I/F、70…i.Link I/F、71…MPEGノイズリダクション処理部。