JP2006245834A - Ip網の通信装置 - Google Patents

Ip網の通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006245834A
JP2006245834A JP2005056748A JP2005056748A JP2006245834A JP 2006245834 A JP2006245834 A JP 2006245834A JP 2005056748 A JP2005056748 A JP 2005056748A JP 2005056748 A JP2005056748 A JP 2005056748A JP 2006245834 A JP2006245834 A JP 2006245834A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
datagram
user traffic
discard
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005056748A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Takamichi
透 高道
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2005056748A priority Critical patent/JP2006245834A/ja
Priority to US11/362,001 priority patent/US20060198376A1/en
Publication of JP2006245834A publication Critical patent/JP2006245834A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L47/00Traffic control in data switching networks
    • H04L47/10Flow control; Congestion control
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L47/00Traffic control in data switching networks
    • H04L47/10Flow control; Congestion control
    • H04L47/32Flow control; Congestion control by discarding or delaying data units, e.g. packets or frames
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W28/00Network traffic management; Network resource management
    • H04W28/02Traffic management, e.g. flow control or congestion control
    • H04W28/0231Traffic management, e.g. flow control or congestion control based on communication conditions
    • H04W28/0236Traffic management, e.g. flow control or congestion control based on communication conditions radio quality, e.g. interference, losses or delay
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W8/00Network data management
    • H04W8/02Processing of mobility data, e.g. registration information at HLR [Home Location Register] or VLR [Visitor Location Register]; Transfer of mobility data, e.g. between HLR, VLR or external networks
    • H04W8/04Registration at HLR or HSS [Home Subscriber Server]

Abstract

【課題】無線回線品質劣化にともなうパケット再送によるユーザ課金額の抑制をおこなうことができる伝送システムを提供することにある。
【解決手段】通信装置20において、ユーザトラヒック系列を受信した際に、それがUDPトラヒックかTCPトラヒックかを示すトラヒックタイプT(k)を生成するパケット種別識別回路26と、該ユーザトラヒック系列の無線回線区間での紛失率L(k)を一定周期毎に算出する紛失率算出回路29と、L(k)とT(k)とから該ユーザトラヒック系列を廃棄するか否かを決定する廃棄判定回路27と、廃棄判定回路27からの信号にしたがい該ユーザトラヒック系列を廃棄するとともに廃棄判定回路27からの信号受信中に到着したパケット数をユーザトラヒック系列毎に計数する機能を持つ廃棄回路28とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明はIP網の通信装置に関し、たとえばパケット伝送システムの無線装置における遅延高優先のQoS(Quality of Service)クラスのトラヒック廃棄制御方法とその実現回路に関する。
従来からパケット伝送システムについて様々な開発がされ、たとえば特許文献1では、ネットワーク資源を有効利用するため、通信接続開始時に通信品質要求プロトコルパケットを廃棄する手段を有する発明を開示している。
また近年、従来からの音声通話を中心とした回線交換網を、データ通信網と統合する通信網が整備されている。一例に、インターネットを代表例とするIP(Internet Protocol)網がある。
図5に示すように、IP網ではOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルのネットワーク層にIPデータグラムを用い、IPデータグラム中のペイロード領域にOSI参照モデルのトランスポート層であるUDP(User Datagram Protocol)データグラムやTCP(Transmission Control Protocol)セグメントを格納して転送する。UDPデータグラムを用いるか、TCPセグメントを用いるかは、上位のアプリケーションが要求する通信品質により異なる。
UDPは、送受信端末間のトランスポート層での再送制御を行わないプロトコルのためパケット紛失が発生する可能性があるものの、リアルタイム性に優れるので、音声通信(VoIP:Voice over IP)やTV電話、画像通信などリアルタイム性を要求するトラヒックに適する。
なお、音声通信やTV電話のデータは、UDPデータグラムに直接格納するのではなく、図5(a)のようにIETF(Internet Engineering Task Force)で標準化されたリアルタイム・データ転送プロトコル(RTP:Real−Time Traffic Protocol)でカプセル化後、UDPデータグラムにカプセル化する方法が多く用いられる。
RTPは、ヘッダ領域にRTPパケットの順序を示すシーケンス番号を含むため、対向の通信装置での順序制御が可能になる。
一方、TCPは、送受信端末間のトランスポート層での再送制御機能を有するプロトコルであり、再送制御によりパケット紛失が低減される特徴がある。ただしリアルタイム性は劣るため、ファイルダウンロードなどリアルタイム性への要求が高くないデータ通信に適する。
IPデータグラムのヘッダ領域には、IPv4(Internet Protocol Version 4)ならば、格納されているトランスポート層などのプロトコル種別を示すProtocol領域が定義されており、Protocol領域の値からUDPデータグラムとTCPセグメントなどの、どのようなプロトコルデータがペイロード領域に格納されているか、IPデータグラム毎に識別可能である。IPv6(Internet Protocol Version 6)でも同様にIPデータグラム毎に識別可能である。
IP網内のルータ装置などでは、ユーザトラヒック系列が要求する通信品質(QoS)毎に、優先制御を行う。ここで、ユーザトラヒック系列とは、送信元と受信先が同一で、該ユーザパケット内に格納されている上位のアプリケーション層レベルでも連続した内容を持つユーザパケット群を指す。
QoSには遅延、廃棄、帯域などの要素があり、例えば、UDPのユーザトラヒック系列は遅延を短くしたいという要求が多く、ルータ装置から優先して出力する遅延高優先制御を行うことが多い。TCPは遅延に対する要求はそれ程高くないため、遅延低優先制御を行うことが多い。
遅延に関する優先制御の一例として、ルータ装置内に遅延高優先クラスと遅延低優先クラス別にバッファを配備し、IPデータグラム毎に、IPv4ならば該IPデータグラムのヘッダ領域のTOS(Type of Service)領域に記された優先度、あるいはProtocol領域に記されたプロトコル種別から、その遅延優先クラスにあわせたバッファに該IPデータグラムを書き込む。そして、ルータ装置の出力側では、該遅延高優先クラスのバッファにIPデータグラムが蓄積されている間は遅延低優先クラスのバッファからのIPデータグラムの読みだしは停止し、遅延高優先クラスのIPデータグラムを優先的に出力する。これを完全優先制御と呼ぶ。
帯域も考慮した優先制御の一例として、予め、遅延高優先クラスのバッファと遅延低優先クラスのバッファから読み出すIPデータグラム数の比率を定め、遅延高優先クラスの読み出し比率を多くするWRR(Weighted Round Robin)法がある。
ここでは遅延高優先クラスと遅延低優先クラスの2種類のQoSを記したが、3種類以上のQoSにすることも可能である。
このようなIP網において、近年、無線LAN(Local Area Network)をはじめとする無線アクセスシステムの高速・広帯域化に伴い、無線アクセスシステムを該IP網のユーザ・網インタフェース(UNI:User−Network Interface)までのアクセス手段に用いる場合が増えている。ユーザ無線端末から、IP網を通って対向端末までUDPトラヒックやTCPトラヒックを格納したIPデータグラムを転送する。
特開平11−239172号公報
特許文献1に記載の従来技術ではVoIPについての検討はされておらず、また、図5を参照して説明した従来技術には以下のような問題点があった。
第1の問題点は、無線アクセスシステムをIP網のアクセス手段に用いる場合に、IP網内を、上位のアプリケーション層では意味を成さないUDPトラヒック系列が転送される場合があることである。ここで、アプリケーション層で意味を成さないとは、該ユーザトラヒック系列をアプリケーション層にて動作させた場合に、音声や画像やファイルデータとして十分な品質を保てず、アプリケーション層では該ユーザトラヒック系列を使用できないことを意味する。
その理由は、無線アクセスシステムはマルチパスフェージングなど伝送路品質が劣化する要因が多く、ビット誤りによって、無線回線区間の再送(ARQ:Automatic Repeat Request)処理や誤り訂正処理を行っても、有線系のアクセスシステムに比べてパケット紛失が発生する確率が高いためである。
特に、UDPはトランスポート層での再送制御を行わず、パケットが紛失しても再送手段が無い。VoIPではパケット紛失率が劣化すると、対向端末では音声の途切れや雑音として聞こえ、アプリケーションとして使用に耐えられないことがある。画像通信でも画面のちらつきやノイズとなり、画像アプリケーションの使用に耐えられないことがある。
このように、アプリケーション層では意味を成さないUDPトラヒックがIP網内に転送されると、実効上の網帯域利用率が低下する。一つのユーザトラヒック系列あたりの伝送路品質劣化期間が短くても、多数のユーザを収容するIP網では、アプリケーション層では意味をなさないUDPトラヒックが複数ユーザより入力されるので実効上の網帯域利用率の低下は無視できない。
また、一般にUDPを遅延高優先クラス、TCPを遅延低優先クラスとする優先制御を行うため、IP網内のUDPトラヒックの割合が大きいと、TCPトラヒックのスループットが低下する現象が起こる。
近年、VoIPなどの普及によりUDPトラヒックが増加しており、それとともにTCPトラヒックのスループットが低下する可能性があるが、アプリケーション層で意味を成さないUDPトラヒックのためにTCPトラヒックのスループットが低下することは、該IP網の伝送効率向上を阻害することになる。
第2の問題点は、無線アクセスシステムをIP網のアクセス手段に用いる場合にIPデータグラム量への従量課金を採用すると、無線回線品質が劣化中のユーザの課金額が増加する場合があることである。
その理由は第1の問題点と同様に、無線回線区間でのIPデータグラム紛失により、該TCPタイムアウトになることがあるためである。タイムアウトになると、ユーザは、対向端末に一度正しく伝送されたTCPセグメントも含めて該TCPトラヒックを再度通信することになり、送信パケット数が増加する。送受信端末間のEnd−to―EndのIPデータグラム転送量に対し従量課金を行う場合、無線回線品質が劣化中のユーザは課金額が増加する。UDPトラヒックでも、アプリケーション層での品質劣化をユーザが認識して再度通信を試みることが多く、ユーザにとって不利となる。
また、無線回線区間のIPデータグラム量に従量課金を行う場合も、TCPによる再送のほか無線回線区間のARQによる再送により再送データグラム数が増え、課金額が増加する。
本発明の目的は、無線アクセスシステムをアクセス手段に用いるIP網において、アプリケーション層では意味を成さないユーザトラヒックのIP網内への流入の抑制、ならびに従量課金において、無線回線品質劣化にともなうパケット再送によるユーザ課金額の抑制をおこなうことができる伝送システムを提供することにある。
本発明は上記の目的を達成するため、無線アクセスシステムをアクセス手段に用いるIP網における、ユーザ端末からの無線信号を受信する通信装置であって、受信したIPデータグラムのユーザトラヒック系列を識別して、そのトランスポート層のプロトコル種別を示すトラヒックタイプを出力するパケット種別識別回路と、該ユーザトラヒック系列の無線回線区間でのIPデータグラム紛失率を一定周期毎に算出する紛失率算出回路と、紛失率から該ユーザトラヒック系列を廃棄するか否かを決定する廃棄判定回路と、廃棄判定回路からの信号にしたがって該ユーザトラヒック系列を廃棄するとともに廃棄判定回路からの信号受信中に到着したIPデータグラム数をユーザトラヒック系列毎に計数する機能を持つ廃棄回路とを備えている。該計数結果はEMS(Element Management System)端末やNMS(Network Management System)端末より読み出し可能とする。
[作用]
パケット種別識別回路で、受信したIPデータグラムのヘッダ領域からユーザトラヒック系列を識別してその系列番号k(kは該通信装置で処理可能なユーザトラヒック系列の最大数以下の正の任意整数)を出力するとともに、UDPトラヒックであるかTCPトラヒックであるかを示すトラヒックタイプT(k)を出力する。紛失率算出回路では、パケット識別回路が出力するユーザトラヒック系列番号kと、無線回線区間の無線ヘッダを利用してユーザ端末から転送されるシーケンス番号SQN(k)(SQN:Sequence Number)とから、無線回線区間のIPデータグラム紛失率L(k)をユーザトラヒック系列毎に、かつ一定周期Tmax毎に算出する。ここで、TmaxはIPデータグラム紛失率L(k)を算出する周期とし、これは予め定めて設定しておく。なお、SQN(k)はユーザトラヒック系列k別にIPデータグラム毎に1ずつインクリメントされる番号である。廃棄判定回路では、ユーザトラヒック系列kが到着するたびにその紛失率L(k)が予め定めた閾値よりも劣化しているか否か判定し、劣化時は該トラヒックタイプT(k)がUDPならば廃棄指示信号D(k)=“01”を出力し、閾値よりも紛失率L(k)が劣化していなければD(k)=“00”を出力する。該トラヒックタイプT(k)がTCPでかつ紛失率L(k)が予め定めた閾値よりも劣化している場合はD(k)=“10”を出力し、閾値よりも紛失率L(k)が劣化していない場合は信号D(k)=“00”を出力する。廃棄回路では、ユーザトラヒック系列毎に信号D(k)にしたがってD(k)=“01”ならば該IPデータグラムを廃棄、D(k)=“00”もしくは“10”ならば通過処理を行う。
これによって、一定の単位時間Tmax毎に算出するUDPトラヒック紛失率L(k)が予め定めた閾値よりも劣化しているときに、該UDPトラヒックを廃棄することになり、アプリケーション層では意味を成さないUDPトラヒック系列のIP網内の転送を抑圧可能である。L(k)が閾値未満に改善したならばIPデータグラムの廃棄はただちに解除になり、IP網への送信を再開する。
また、廃棄回路で、信号D(k)=“01”受信中に廃棄するIPデータグラム数、あるいは信号D(k)=“10”受信中に通過させたIPデータグラム数をユーザトラヒック系列別に計数し、EMS端末やNMS端末で読み出し、該読み出した計数結果を課金処理に反映させてD(k)=“01”もしくは“10”受信時のIPデータグラム数分の減額処理を行うことで、無線回線品質劣化に伴いユーザが被る課金の不利を低減可能である。
本発明によれば、無線アクセスシステムをアクセス手段に用いるIP網において、アプリケーション層では意味を成さないユーザトラヒックのIP網内への流入を低減するという効果を有する。
これにより、IP網内を転送される無駄なトラヒック量が抑制され、網帯域の実効上の利用率が低下するのを防ぐことができる。その結果、各ユーザのスループットが向上する。無線回線品質が劣化中のユーザはIPデータグラムが廃棄され、廃棄区間ではVoIPが無音声になったり画像通信も画像が途切れるが、元々音声の途切れやノイズが頻発したり、画像の乱れが大きくアプリケーション層では意味がないと推測される区間に限り廃棄するため、実質的にデメリットは無い。逆に、該ユーザも、他のユーザの廃棄制御により網効率が向上するので、無線回線品質が良好な時にはスループットの向上が期待できるメリットがある。
特に近年、VoIPや画像伝送などの、遅延高優先のUDPトラヒックが増加しているが、遅延高優先クラスのトラヒック量が増加すると、ルータ装置などが行う優先制御によって遅延低優先クラスのスループットが増加せず、TCPのレート制御やタイムアウト機能とも相まって特にTCPトラヒックのスループットが増加しなくなる。本発明により、IP網内への無駄なトラヒックの流入を抑制し、IP網内のトラヒック総量、特にUDPトラヒック比率を低減することができる。これによってTCPトラヒックを送受信するユーザのスループットが改善される。通信網事業者にとっても、IP網のルータ装置の増設や伝送回線の広帯域化といった設備投資を実施しなくても、網のスループットを向上できるという効果を有する。
また、無線回線品質劣化中のIPデータグラム数を計数することで、従量課金において、無線回線品質劣化中の課金額の調整をおこなうことができるという効果を有する。これによって、ユーザは通信費の抑制が期待できるというメリットがあるほか、通信網事業者にとっても、サービス規約に含めることで契約ユーザを集めやすくなるメリットを有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例による、無線回線品質劣化時の遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列を廃棄する通信装置の構成を示すブロック図である。
図1において本発明の一実施例の通信装置20は、受信アンテナ21と、復調回路22と、復号化回路23と、再送合成回路24と、PDU終端回路25と、パケット種別識別回路26と、紛失率算出回路29と、廃棄判定回路27と、廃棄回路28とを有する構成である。
PDU終端回路25は、無線回線の無線ヘッダ中の空き領域を用いて対向の無線端末10から送付されるシーケンス番号SQN(k)(kは該通信装置20で処理可能なユーザトラヒック系列の最大数以下の正の任意整数)を紛失率算出回路29に出力する構成とし、パケット種別識別回路26は、IPデータグラム毎にそのユーザトラヒック系列番号kを紛失率算出回路29と廃棄判定回路27と廃棄回路28に出力し、また、トラヒックタイプT(k)を廃棄判定回路27に出力し、IPデータグラムを廃棄回路28に出力する構成とする。廃棄判定回路27は廃棄指示信号D(k)を廃棄回路28に出力する構成とする。
該通信装置20はユーザ側端末である通信装置10からの無線信号を受信し、復調したIPデータグラムをIP網30に送出する。IP網30には通信装置31が接続され、通信装置10と通信装置31の間でユーザトラヒック系列の送受信を行うものとする。ユーザトラヒック系列の送信方向は通信装置10から通信装置31とし、これを上り方向と呼ぶ。
通信装置10は、上位レイヤ処理部11と、トランスポートレイヤ処理部12と、IP処理部13と、PDU生成回路14と、再送制御回路15と、符号化回路16と、変調回路17と、送信アンテナ18とを有する構成である。また、図1には記していないが、通信装置20は送信手段、通信装置10は受信手段を有し、通信装置20から通信装置10へも通信できるものとする。この方向を下り方向とする。
以上詳細に実施例の構成を述べたが、図1の上位レイヤ処理部11、トランスポートレイヤ処理部12、IP処理部13、PDU生成回路14、再送制御回路15、変調回路17、復調回路22、復号化回路23、再送合成回路24、PDU終端回路25の詳細な構成は、無線LANをはじめとする無線アクセスシステムの種別毎に定まるものであり、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、その詳細な構成は省略する。
[動作の説明]
次に図1の動作を、図2、図3を参照しながら詳細に説明する。
通信装置10は無線アクセス機能を有する従来からのユーザ端末である。
上位レイヤ処理部11はVoIPやTV電話やWWW(World−Wide Web)などのアプリケーション層の機能を有する。該上位レイヤ処理部11が出力するアプリケーションデータは、トランスポートレイヤ処理部12に入力され、リアルタイム性を要求するアプリケーションは遅延高優先クラスとしてRTPにカプセル化後、UDPデータグラムにカプセル化する。一方、リアルタイム性をそれほど要求しないアプリケーションはTCPセグメントにカプセル化する。また、TCPのレート制御や再送制御も該トランスポートレイヤ処理部12で行う。その出力に、IP処理部13にてアプリケーション毎および宛先毎にIPヘッダを付加し、IPデータグラムにカプセル化する。該IP処理部13が出力するユーザトラヒック系列は、PDU生成回路14に入力される。
PDU生成回路14は、入力信号を無線伝送用のPDU(Protocol Data Unit)に整形する。PDUサイズやフォーマットは、無線LAN(Local Area Network)やその他の無線アクセス方式毎に定義される。その出力は再送制御回路15に入力される。
再送制御回路15は、下り方向の回線で通信装置20から送付されるPDU毎のACK/NACK(Acknowledgement/Non−Acknowledgement)情報に基づき、PDUの再送(ARQ)処理を行う。その出力は符号化回路16に入力され、誤り訂正符号化処理やパンクチャ処理を行う。更にその出力は変調回路17に入力され、無線フレーム生成やその無線ヘッダ領域付加などのベースバンド処理と、RF処理などの無線変調処理を行う。無線フレームや無線ヘッダのフォーマットは無線アクセス方式によって決まる。そして、送信アンテナ18より送信する。
通信装置20は、受信アンテナ21で通信装置10からの信号を受信する。復調回路22、復号化回路23、再送合成回路24、PDU終端回路25は無線アクセス方式毎に定まる従来からの無線受信機能であり、復調回路22でRF信号をベースバンド信号に復調する。その出力を復号化回路23に入力し、デパンクチャ処理や誤り訂正復号処理を行う。
復号化回路23はPDUを出力する他、PDU毎に正しく復号できたか否かを示すACK/NACK情報も出力する。これらは再送合成回路24に入力されてメモリに保持され、正しく復号できなかったPDUが通信装置10より再送されて正しく受信できたならば、すでにメモリに保持してあるPDUと置き換える再送合成処理(ARQ)を行い、正しく再生したデータをPDU終端回路25に転送する。PDU終端回路25では、PDUを終端してIPデータグラムを取り出し、パケット種別識別回路26に転送する。
なお、復号化回路23が出力するACK/NACK情報は、下り方向の回線を通じて通信装置10の再送制御回路15に通知されて再送制御に使用する。
再送処理に伴い、通信装置20で受信したユーザトラヒック系列内でIPデータグラム順序の並び変わりが起こりうるが、特にUDPトラヒックでは順序の並び変わりがないことが望ましく、PDU終端回路25で、同一ユーザトラヒック系列内でIPデータグラム順序を入れ替えて元に戻す順序制御を行う。
そのため、通信装置10のPDU生成回路14で、ユーザトラヒック系列別にIPデータグラムに順に1ずつインクリメントするシーケンス番号SQNを付加し、これを無線ヘッダを用いて送出する。
PDU終端回路25では、無線ヘッダよりSQN値を抽出し、該SQN順になるように同一ユーザトラヒック系列のIPデータグラムを並べ替える。そして、ユーザトラヒック系列kのシーケンス番号をSQN(k)として紛失率算出回路29に出力する。
通信装置10のPDU生成回路14ではシーケンス番号SQN(k)の付加を行い、通信装置2のPDU終端回路25はSQN(k)の出力を行う。該SQN(k)値は該通信装置10と通信装置20との間でのみ使用し、PDU終端回路25よりIPデータグラムには並走出力せず、IP網30にも出力しない。
SQN(k)の最大値をSQNmax(k)とし、最大値までカウントアップしたならば0に戻し循環させる。最大値SQNmax(k)は、全ユーザトラヒック系列で統一しても良く、あるいは、ユーザトラヒック系列毎に異なる値でも良い。
パケット種別識別回路26は、IPデータグラムが入力される度に、IPv4ならば該IPヘッダの宛先情報(Destination Address)や、発信元情報(Source Address)、TOS(Type of Service)領域、Protocol領域の情報からユーザトラヒック系列を特定する。IPv6でも該IPヘッダから特定可能である。k番目のユーザトラヒック系列の場合は、紛失率算出回路29および廃棄判定回路27、廃棄回路28に対し該ユーザトラヒック系列番号kを出力する。
なお、ユーザトラヒック系列番号は、ユーザトラヒック系列毎に割り当てる番号であり、該ユーザトラヒック系列の通信開始時に通信装置20側で自動割りあてを行うか、プロビジョニング設定する。
また、パケット種別識別回路26は、IPヘッダ領域を用いて、IPv4ならばProtocol領域から、IPv6ならばTraffic Class領域やFlow Label領域からトランスポート層プロトコルを識別し、UDPならば廃棄判定回路27にトラヒックタイプT(k)=‘1’を出力し、TCPならばT(k)=‘0’を出力する。このとき、UDPであっても後述の紛失率L(k)劣化時に廃棄したくないユーザトラヒック系列ならばT(k)=‘0’を出力するようパケット種別識回路26にプロビジョニング設定しても良く、逆に、TCPであっても紛失率L(k)劣化時に廃棄してもよいユーザトラヒック系列ならばT(k)=‘1’を出力するよう設定しておいても良い。パケット種別識別回路26はIPデータグラムを廃棄回路28に出力する。
紛失率算出回路29は、ユーザトラヒック系列別に無線回線区間でのIPデータグラム紛失率L(k)を一定の単位時間Tmax毎に算出する。その動作の一例を図2に示す。
図2は一つのユーザトラヒック系列kの紛失率算出方法を示す処理フローであり、該通信装置20で複数のユーザトラヒック系列を扱うには、図2の処理フローをユーザトラヒック系列数分配備する。紛失率は単位時間Tmax毎に算出する。ここで、単位時間Tmaxは、IPデータグラム紛失率L(k)を一定周期毎に算出し廃棄やマーキングを行うための時間間隔を表し、この値は予め定めて設定しておく。Tmax値は1秒以上の長周期にしても良いが、通過/廃棄/マーキングの判定をきめ細かく行うためには短い値のほうが望ましく、少ないIPデータグラム数から該ユーザトラヒック系列kがアプリケーション層で意味を持たないほど紛失していると判定可能であるならば、IPデータグラム長の数倍程度の短周期にしても良い。
前回の単位時間終了時のSQN(k)値をSQN_O(k)、今回の単位時間内のIPデータグラム紛失数の累積値をDPSUM(k)個、直前に到着したIPデータグラムのSQN値をSQN_P(k)とする。
まず、SQN_O(k)=‘0’、DPSUM(k)=‘0’、SQN_P(k)=‘0’に設定する(図2のA1)。
次に、パケット種別識別回路26からのユーザトラヒック系列番号から、k番目のユーザトラヒック系列の到着を検出したならば(図2のA2のY)、当該単位時間Tmax内でのユーザトラヒック系列kのIPデータグラム紛失累積数DPSUM(k)を、
DPSUM(k)=DPSUM(k)+SQN(k)−SQN_P(k)−1
で算出する(図2のA3)。
SQN(k)−SQN_P(k)−1によって、直前のIPデータグラム受信時から今回までの間のIPデータグラムの紛失数が求まり、その累積和がDPSUM(k)である。ただし、SQN(k)は有限ビット長で定義されるため、最大値SQNmax(k)に達したならば‘0’に戻る。その際の紛失数はSQN(k)+SQNmax(k)−SQN_P(k)−1のため、上式でもその考慮が必要になり、
DPSUM(k)=DPSUM(k)+SQN(k)+SQNmax(k)−SQN_P(k)−1
となる。
なお、SQNmax(k)は、予め紛失率算出回路29に設定しておく。
次に、SQN_P(k)値をSQN(k)値に更新し(図2のA4)、次のIPデータグラム到着時に今回のSQN(k)値をSQN_P(k)値として用いる。
そして、単位時間Tmaxが経過したか否かを調べ(図2のA5)、経過していなければ(図2のA5のN)、ユーザトラヒック系列kのIPデータグラムの検出に戻る(図2のA2)。
図2のA2でユーザトラヒック系列kのIPデータグラムが到着していなければ(図2のA2のN)、単位時間Tmaxが経過したか否か調べる(図2のA5)。単位時間Tmaxが経過したならば(図2のA5のY)、該ユーザトラヒック系列kのIPデータグラム紛失率L(k)を
L(k)=DPSUM(k)÷(SQN(k)−SQN_O(k))
で算出する(図2のA7)。
SQN(k)−SQN_O(k)は当該単位時間Tmax中に通信装置10から送出されたユーザトラヒック系列kのIPデータグラム数を示し、無線回線区間で紛失したIPデータグラム数DPSUM(k)との比率から、単位時間Tmax内の紛失率L(k)が求まる。
そして、SQN_O(k)=SQN(k)、DPSUM(k)=0に更新し(図2のA8)、次の単位時間Tmaxの処理に移る(図2のA2)。
単位時間Tmax毎にユーザトラヒック系列別に算出した紛失率L(k)は、廃棄判定回路27に入力する。そして、トラヒックタイプT(k)とから、ユーザトラヒック系列別に廃棄指示信号D(k)を生成する。廃棄判定回路27の動作の一例を図3に示す。
図3は、あるユーザトラヒック系列kの廃棄指示信号D(k)の生成方法を示す処理フローであり、該通信装置20で複数のユーザトラヒック系列を扱うには、図3の処理フローをユーザトラヒック系列数分配備する。
動作開始後(図3のA9)、パケット種別識別回路26からのユーザトラヒック系列番号からk番目のユーザトラヒック系列の到着を検出し(図3のA10のY)、該IPデータグラムのトラヒックタイプT(k)を調べる(図3のA11)。T(k)=‘1’ならば(図3のA11のY)、該ユーザトラヒック系列kの紛失率L(k)が閾値TH1(k)以上ならば(図3のA12のY)、廃棄指示信号D(k)=“01”を出力し(図3のA13)、閾値TH1(k)未満ならば(図3のA12のN)、廃棄指示信号D(k)=“00”を出力する(図3のA14)。そして、次のIPデータグラムの到着待ち状態に戻る(図3のA10)。
一方、図3のA11でトラヒックタイプT(k)=‘0’ならば(図3のA11のN)、該ユーザトラヒック系列kの紛失率L(k)が閾値TH0(k)以上ならば(図3のA15のY)、廃棄指示信号D(k)=“10”を出力し(図3のA16)、紛失率L(k)が閾値TH0(k)未満ならば(図3のA15のN)、廃棄指示信号D(k)=“00”を出力する(図3のA14)。そして、次のIPデータグラムの到着待ち状態に戻る(図3のA10)。
図3のA10で、ユーザトラヒック系列kのIPデータグラムが到着していなければ(図3のA10のN)、次のIPデータグラムの到着待ち状態に戻る。
なお、閾値TH1(k)とTH0(k)はユーザトラヒック系列別に予めプロビジョニング設定しておく値であり、アプリケーション別に最適な値とすることが望ましいが、TH1(k)とTH0(k)を同じ値としても良い。
次に、図1の廃棄回路28の動作の一例を説明する。
廃棄回路28は廃棄指示信号D(k)を受け取り、D(k)=“01”ならばパケット種別識別回路26から入力されるユーザトラヒック系列番号kのIPデータグラムを廃棄する。D(k)=“00”もしくは“10”ならば、廃棄せずにIP網30に出力する。
廃棄指示信号D(k)はユーザトラヒック系列番号kのIPデータグラムにのみ有効とし、他のユーザトラヒック系列jならばそのユーザトラヒック系列の廃棄指示信号D(j)にしたがう。
D(k)=“01”の間はIPデータグラムを廃棄するため、無線回線品質が劣化中のユーザはVoIPが無音声になったり画像通信も画像が途切れるが、L(k)≧TH1(k)となって音声の途切れやノイズが頻発したり、画像の乱れが大きくアプリケーション層では意味がないと推測される区間に限って廃棄し、L(k)<TH1(k)に復旧後はD(k)=“00”となり廃棄されなくなるため、実質的にデメリットは無い。逆に、該ユーザも、他のユーザに対する廃棄制御によって網効率が向上するので、無線回線品質が良好な時にはスループットの向上が期待できるメリットがある。
なお、D(k)=“10”の場合は、IP網30が輻輳時に優先的に廃棄されてよいようにIPv4ならばIPヘッダ領域のTOS領域に、IPv6ならばIPヘッダ領域のTraffic Class領域やFlow Label領域にマーキングを行っても良い。
また、廃棄回路28はユーザトラヒック系列毎に計数カウンタを持ち、D(k)=“01”または“10”の時に到着した該ユーザトラヒック系列別のIPデータグラム数を計数し、該計数結果はEMS端末やNMS端末より読み出し可能とする。
本実施例による無線回線品質劣化時のユーザトラヒック系列の廃棄やマーキングの実施・未実施、および閾値TH1(k)、TH0(k)は予めユーザとの間でサービス契約として規定することが望ましい。同様に、通信システムを課金とともにユーザに提供する場合には、課金額の変更の実施・未実施やその金額は、予めユーザとの間でサービス契約として規定しておくことが望ましい。
なお、本実施例のパケット種別識別回路26、紛失率算出回路29、廃棄判定回路27、廃棄回路28によるトラヒック廃棄制御は、無線回線以外のアクセス手段にも適用可能である。たとえば銅線などを用いた伝送路環境で、雑音や反射によるIPデータグラム紛失が多い場合にも適用可能である。
[発明の他の実施の形態]
図1の実施例では、通信装置10のPDU生成回路14で付加したシーケンス番号SQNを用いるが、通信装置10のPDU生成回路14でSQNを付加しなくても、トランスポート層以上のプロトコルにて既に付加されているシーケンス番号を利用しても良い。本発明の他の実施例として、その基本的構成は上記の通りであるが、RTPヘッダのシーケンス番号とTCPヘッダのシーケンス番号を用いるものである。その構成を図4に示す。
図4において本発明の他の実施例の通信装置50は、受信アンテナ21と、復調回路22と、復号化回路23と、再送合成回路24と、PDU終端回路55と、パケット種別識別回路56と、紛失率算出回路29と、廃棄判定回路27と、廃棄回路28とを有する構成である。
パケット種別識別回路26は、IPデータグラム毎にそのユーザトラヒック系列番号kを紛失率算出回路29と廃棄判定回路27と廃棄回路28に出力し、また、トラヒックタイプT(k)を廃棄判定回路27に出力し、IPデータグラムを廃棄回路28に出力する構成とする。
さらに、IPデータグラム中のプロトコルがUDPにカプセル化されたRTP、もしくはTCPの場合に、該RTPヘッダもしくはTCPヘッダ中のシーケンス番号を読み取り、SQN(k)として紛失率算出回路29に出力する構成とする。
また、廃棄判定回路27は廃棄指示信号D(k)を廃棄回路28に出力する構成とする。
該通信装置50はユーザ側端末である通信装置40からの無線信号を受信し、復調したIPデータグラムをIP網30に送出する。IP網30には通信装置31が接続されており、ユーザ端末である通信装置40と通信装置31間でユーザトラヒック系列の送受信を行う。ユーザトラヒック系列の送信方向は通信装置40から通信装置31とする。
通信装置40は、上位レイヤ処理部11と、トランスポートレイヤ処理部12と、IP処理部13と、PDU生成回路44と、再送制御回路15と、符号化回路16と、変調回路17と、送信アンテナ18とを有する構成である。
また、図4には記していないが、下り方向でも通信装置50は送信手段、通信装置40は受信手段を有し、通信装置50から通信装置40へ通信可能とする。
次に図4の動作を説明する。
通信装置40は無線アクセス機能を有する従来からのユーザ端末である。上位レイヤ処理部11、トランスポートレイヤ処理部12、IP処理部13、再送制御回路15、符号化回路16、変調回路17、送信アンテナ18は構成・機能とも図1と等しいものでありその説明は省略する。
PDU生成回路44は、入力信号を無線伝送用のPDU(Protocol Data Unit)に整形する点は図1のPDU生成回路14と同じであるが、図1のPDU生成回路14が持つユーザトラヒック系列別のIPデータグラムへのシーケンス番号SQNの付加機能は持たない。
通信装置50のうち、受信アンテナ21、復調回路22、復号化回路23、再送合成回路24、パケット種別識別回路26、紛失率算出回路29、廃棄判定回路27、廃棄回路28は構成・機能とも図1、図2および図3のものと等しいものでありその説明は省略する。
PDU終端回路55は、再送合成回路24からPDUを受け取り、それを終端してIPデータグラムを取り出しパケット種別識別回路56に転送する点は図1のPDU終端回路25と同等の機能であるが、図1のPDU終端回路25が持つ、ユーザトラヒック系列別のシーケンス番号SQN(k)の取り出しと紛失率算出回路29への転送機能は持たない。
パケット種別識別回路56は、IPデータグラムが入力される度に、IPv4ならば該IPヘッダの宛先情報(Destination Address)や発信元情報(Source Address)、TOS領域、Protocol領域の情報からユーザトラヒック系列を特定する。IPv6でも該IPヘッダから特定可能である。k番目のユーザトラヒック系列ならば、紛失率算出回路29および廃棄判定回路27、廃棄回路28に対し該ユーザトラヒック系列番号kを出力する。また、IPヘッダ領域からトランスポート層プロトコルを識別し、UDPならば廃棄判定回路27にトラヒックタイプT(k)=‘1’を出力し、TCPならばT(k)=‘0’を出力する。このとき、UDPであっても後述の紛失率L(k)劣化時に廃棄したくないユーザトラヒック系列ならば、T(k)=‘0’を出力するようパケット種別識回路26に設定しておいても良く、逆に、TCPであっても紛失率L(k)劣化時に廃棄してもよいユーザトラヒック系列ならばT(k)=‘1’を出力するよう設定しておいても良い。また、IPデータグラムを廃棄回路28に出力する。
これらのパケット種別識別回路56の機能は図1のパケット種別識別回路26と同等のものである。図4のパケット種別識別回路56では更に、トランスポート層プロトコルがUDPでカプセル化されたRTP、もしくはTCPであるか否かを識別する。これもIPヘッダから識別可能である。UDPでカプセル化されたRTP、もしくはTCPならば、それぞれのヘッダ領域にあるシーケンス番号を読み取り、シーケンス番号SQN(k)として紛失率算出回路29に出力する。
図6はRTPのパケットフォーマットであり、32ビットを1ワードとして、RTPヘッダ領域の1ワード目に16ビットのシーケンス番号領域があり、該シーケンス番号は0から216−1の間で循環する。
一方、図7はTCPセグメントのフォーマットであり、32ビットを1ワードとして、TCPヘッダの2ワード目に32ビットのシーケンス番号領域があり、該シーケンス番号は0から232−1の間で循環する。
図6のRTPのシーケンス番号は、ユーザトラヒック系列別にRTPパケット毎に1ずつインクリメントする番号である。図7のTCPのシーケンス番号も、ユーザトラヒック系列別にTCPセグメント毎に1ずつインクリメントする番号であり、トランスポート層での順序制御のために通信装置40と通信装置31間のEnd−to−Endで転送される。それぞれSQN(k)値として紛失率算出回路29にてIPデータグラム紛失率L(k)の算出に用いることができる。
なお、RTPならばSQNmax(k)=216−1、TCPならばSQNmax(k)=232−1に設定しておく。
このように、本実施例は、RTPやTCPなど元々シーケンス番号を含んでいるトランスポート層プロトコルに限定されるが、無線回線区間でPDU生成回路44とPDU終端回路55間でシーケンス番号SQN(k)を転送する必要がなく、無線回線区間でのSQN(k)付加にともなうヘッダ領域の増加を防ぎ、高効率化が図れるという効果が得られる。
本実施例による無線回線品質劣化時のユーザトラヒック系列の廃棄やマーキングの実施・未実施、および閾値TH1(k)、TH0(k)は予めユーザとの間でサービス契約として規定することが望ましい。同様に、通信システムを課金とともにユーザに提供する場合には、課金額の変更の実施・未実施やその金額は、予めユーザとの間でサービス契約として規定しておくことが望ましい。
なお、本実施例のパケット種別識別回路56、紛失率算出回路29、廃棄判定回路27、廃棄回路28によるトラヒック廃棄制御は、無線回線以外のアクセス手段にも適用可能である。たとえば銅線などを用いた伝送路環境で、雑音や反射によるIPデータグラム紛失が多い場合にも適用可能である。
本発明の一実施例による遅延高優先トラヒック廃棄機能を有する通信装置の構成を示すブロック図である。 図1の紛失率算出回路における、ユーザトラヒック系列kの紛失率L(k)を算出する処理フローの一例を示すフローチャートである。 図1の廃棄判定回路における、ユーザトラヒック系列kの廃棄もしくは通過を判定する処理フローの一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施例による遅延高優先トラヒック廃棄機能を有する通信装置の、第二の構成例を示すブロック図である。 (a)および(b)はIP網のUDPトラヒックおよびTCPトラヒックのプロトコルスタックを説明する図である。 RTPのパケットフォーマットを説明する図である。 TCPセグメントのフォーマットを説明する図である。
符号の説明
10、40 通信装置
11 上位レイヤ処理部
12 トランスポートレイヤ処理部
13 IP処理部
14、44 PDU生成回路
15 再送制御回路
16 符号化回路
17 変調回路
18 送信アンテナ
20、50 通信装置
21 受信アンテナ
22 復調回路
23 復号化回路
24 再送合成回路
25、55 PDU終端回路
26、56 パケット種別識別回路
27 廃棄判定回路
28 廃棄回路
29 紛失率算出回路
30 IP網
31 通信装置

Claims (8)

  1. 無線回線をアクセス手段に用いるIP網に配備され、ユーザ側無線端末からの無線信号を復調し、該復調したIPデータグラムをIP網に転送する通信装置において、
    ユーザ側無線端末より受信したIPデータグラムのIPヘッダ領域から、そのユーザトラヒック系列番号kを判別して出力するとともに、該IPデータグラムに格納されているトランスポート層のプロトコルを判別してUDPならばトラヒックタイプT(k)=‘1’、TCPならばT(k)=‘0’を出力するパケット種別識別回路と、
    ユーザ端末から無線ヘッダを用いて送信され、同一ユーザトラヒック系列のIPデータグラム毎に1ずつインクリメントされるシーケンス番号SQN(k)を用いて、該ユーザトラヒック系列kのIPデータグラム紛失率L(k)を一定周期毎に算出し出力する紛失率算出回路と、
    該紛失率算出回路が出力するL(k)とパケット種別識別回路が出力するT(k)を用いて、該入力ユーザトラヒック系列kがUDPを用いたトラヒック(T(k)=‘1’)の際に、紛失率L(k)が予め定めた閾値TH1(k)以上ならば信号D(k)=“01”を出力し、閾値TH1(k)未満ならば信号D(k)=“00”を出力する廃棄判定回路と、
    該廃棄判定回路からの信号D(k)が“00”ならば該ユーザトラヒック系列kのIPデータグラムは通過させるものの、D(k)が“01”ならば廃棄する廃棄回路と
    を備えることを特徴とするIP網の通信装置。
  2. 前記廃棄回路において、前記信号D(k)=“01”を受け取って廃棄したIPデータグラム数を、ユーザトラヒック系列別に計数し、該計数結果を外部より読み出すことができる構成とすることを特徴とする請求項1に記載のIP網の通信装置。
  3. 前記廃棄判定回路において、前記入力ユーザトラヒック系列kがTCPを用いたトラヒック(T(k)=‘0’)の際に、紛失率L(k)が予め定めた閾値TH0(k)以上ならば信号D(k)=“00”を出力し、閾値TH0(k)未満ならば信号D(k)=“10”を出力し、
    前記廃棄回路において、該廃棄判定回路からの信号D(k)が“10”ならば該ユーザトラヒック系列kのIPデータグラムはそのまま通過させるか、あるいはそのIPヘッダ領域にマーキングを行ったうえで通過させ、該そのまま通過かマーキングを行うかを予め設定しておくことを特徴とする請求項1に記載のIP網の通信装置。
  4. 前記廃棄回路において、前記信号D(k)=“01”を受け取って廃棄したIPデータグラム数ならびに、D(k)=“00”および“10”を受け取って通過もしくはマーキングを行って通過させたIPデータグラム数をユーザトラヒック系列別に計数し、該計数結果を外部より読み出すことができる構成とすることを特徴とする請求項3に記載のIP網の通信装置。
  5. 無線回線をアクセス手段に用いるIP網に配備され、ユーザ側無線端末からの無線信号を復調し、該復調したIPデータグラムをIP網に転送する通信装置において、
    ユーザ側無線端末より受信したIPデータグラムのIPヘッダ領域から、そのユーザトラヒック系列番号kを判別して出力するとともに、該IPデータグラムに格納されているトランスポート層のプロトコルを判別してUDPならばトラヒックタイプT(k)=‘1’、TCPならばT(k)=‘0’を出力し、更に該IPデータグラムがRTPを用いているならば該RTPヘッダ中のシーケンス番号領域を読み、該シーケンス番号をSQN(k)として出力し、該IPデータグラムがTCPを用いているならば該TCPヘッダ中のシーケンス番号領域を読み、該シーケンス番号をSQN(k)として出力するパケット種別識別回路と、
    該パケット種別識別回路が出力するシーケンス番号SQN(k)を用いて、該ユーザトラヒック系列kのIPデータグラム紛失率L(k)を一定周期毎に算出し出力する、紛失率算出回路と、
    該紛失率算出回路が出力するL(k)とパケット種別識別回路が出力するT(k)を用いて、該入力ユーザトラヒック系列kがUDPを用いたトラヒック(T(k)=‘1’)の際に、紛失率L(k)が予め定めた閾値TH1(k)以上ならば信号D(k)=“01”を出力し、閾値TH1(k)未満ならば信号D(k)=“00”を出力する廃棄判定回路と、
    該廃棄判定回路からの信号D(k)が“00”ならば該ユーザトラヒック系列kのIPデータグラムは通過させるものの、D(k)が“01”ならば廃棄する廃棄回路を備えることを特徴とするIP網の通信装置。
  6. 前記廃棄回路において、前記信号D(k)=“01”を受け取って廃棄したIPデータグラム数を、ユーザトラヒック系列別に計数し、該計数結果を外部より読み出すことができる構成とすることを特徴とする請求項5に記載のIP網の通信装置。
  7. 前記廃棄判定回路において、前記入力ユーザトラヒック系列kがTCPを用いたトラヒック(T(k)=‘0’)の際に、紛失率L(k)が予め定めた閾値TH0(k)以上ならば信号D(k)=“00”を出力し、閾値TH0(k)未満ならば信号D(k)=“10”を出力し、
    前記廃棄回路において、該廃棄判定回路からの信号D(k)が“10”ならば該ユーザトラヒック系列kのIPデータグラムはそのまま通過させるか、あるいはそのIPヘッダ領域にマーキングを行ったうえで通過させ、該そのまま通過かマーキングを行うかを予め設定しておくことを特徴とする請求項5に記載のIP網の通信装置。
  8. 前記廃棄回路において、前記信号D(k)=“01”を受け取って廃棄したIPデータグラム数ならびに、D(k)=“00”および“10” を受け取って通過もしくはマーキングを行って通過させたIPデータグラム数をユーザトラヒック系列別に計数し、該計数結果を外部より読み出すことができる構成とすることを特徴とする請求項7に記載のIP網の通信装置。
JP2005056748A 2005-03-02 2005-03-02 Ip網の通信装置 Withdrawn JP2006245834A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005056748A JP2006245834A (ja) 2005-03-02 2005-03-02 Ip網の通信装置
US11/362,001 US20060198376A1 (en) 2005-03-02 2006-02-27 Communication device for IP network

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005056748A JP2006245834A (ja) 2005-03-02 2005-03-02 Ip網の通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006245834A true JP2006245834A (ja) 2006-09-14

Family

ID=36944076

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005056748A Withdrawn JP2006245834A (ja) 2005-03-02 2005-03-02 Ip網の通信装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20060198376A1 (ja)
JP (1) JP2006245834A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008288762A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Fujitsu Ltd 中継装置
WO2010027072A1 (ja) * 2008-09-08 2010-03-11 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 基地局装置、移動通信システム及び通信制御方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8351327B1 (en) 2006-08-28 2013-01-08 Juniper Networks, Inc. Intermediate network device applying application-layer quality of service to channels within a communication session
US8306015B2 (en) * 2007-11-22 2012-11-06 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Technique for identifying RTP based traffic in core routing switches
JP2016010088A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 株式会社日立製作所 ネットワーク制御装置
US10291750B1 (en) 2016-12-13 2019-05-14 Juniper Networks, Inc. Aggregating data sessions between autonomous systems
CN114513434A (zh) * 2020-11-16 2022-05-17 Oppo广东移动通信有限公司 数据监控方法、装置、存储介质及服务器
CN115150174B (zh) * 2022-07-06 2023-05-05 北京神州慧安科技有限公司 一种工业安全隔离交换方法和系统

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2278904A1 (en) * 1998-09-02 2000-03-02 Lucent Technologies Inc. Mobile terminal and base station in a packet radio services network
JP3087893B2 (ja) * 1998-12-21 2000-09-11 日本電気株式会社 移動通信システムにおける基地局
JP3994614B2 (ja) * 2000-03-13 2007-10-24 株式会社日立製作所 パケット交換機、ネットワーク監視システム及びネットワーク監視方法
WO2002017574A1 (fr) * 2000-08-24 2002-02-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede et dispositif de transmission/reception
US6741562B1 (en) * 2000-12-15 2004-05-25 Tellabs San Jose, Inc. Apparatus and methods for managing packets in a broadband data stream
JP2002209234A (ja) * 2001-01-11 2002-07-26 Fujitsu Ltd 通信システム
JP3912091B2 (ja) * 2001-12-04 2007-05-09 ソニー株式会社 データ通信システム、データ送信装置、データ受信装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラム
JP2003283562A (ja) * 2002-03-27 2003-10-03 Mitsubishi Electric Corp データ送信装置、中継装置、データ送受信装置、データ通信方法
JP2004080603A (ja) * 2002-08-21 2004-03-11 Kddi Corp 相互接続網と無線装置との間に接続されるパケット制御装置
US7773517B2 (en) * 2004-11-19 2010-08-10 Research In Motion Limited Method and system for identifying degradation of a media service
WO2006075390A1 (ja) * 2005-01-14 2006-07-20 Fujitsu Limited 中継方法、中継装置、通信システム及びコンピュータプログラム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008288762A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Fujitsu Ltd 中継装置
WO2010027072A1 (ja) * 2008-09-08 2010-03-11 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 基地局装置、移動通信システム及び通信制御方法
JP5460602B2 (ja) * 2008-09-08 2014-04-02 株式会社Nttドコモ 基地局装置、移動通信システム及び通信制御方法
US8818326B2 (en) 2008-09-08 2014-08-26 Ntt Docomo, Inc. Base station apparatus, mobile communication system and communication control method

Also Published As

Publication number Publication date
US20060198376A1 (en) 2006-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11159423B2 (en) Techniques for efficient multipath transmission
US9049017B2 (en) Efficient TCP ACK prioritization in wireless networks
US7200116B2 (en) Communication device and method, and system
RU2409898C2 (ru) Гибкая схема сегментации для систем связи
KR100678223B1 (ko) 통신시스템의 패킷 전송 장치 및 방법
EP2449736B1 (en) Transmission of congestion control information across multiple packets
US6577596B1 (en) Method and apparatus for packet delay reduction using scheduling and header compression
US7706269B2 (en) Method, system and device for controlling a transmission window size
RU2649298C1 (ru) Устройство шлюза и способ управления им
EP3849160A1 (en) Method, device and system for realizing data transmission
JP2006245834A (ja) Ip網の通信装置
WO2005088917A1 (ja) 制御局装置、基地局装置、端末装置、パケット通信システム及びパケット通信方法
US20230345058A1 (en) Data packet transmission method and related device
JP5506591B2 (ja) 通信システム及び通信品質制御方法
JP2006262417A (ja) 通信速度制御方法及びその装置
EP2348730B1 (en) Method, device and system for video stream transmission
Le et al. Reliable user datagram protocol for airborne network
Bhat et al. MPTCP combining congestion window adaptation and packet scheduling for multi-homed device
Chandra et al. TCP performance for future IP-based wireless networks
Heuschkel et al. Udp++: Cross-layer optimizable transport protocol for managed wireless networks
CN102484820A (zh) 用于控制在尽力而为通信链路中提供服务的应用的参数的系统和方法
Engan et al. Selective truncating internetwork protocol: experiments with explicit framing
Tirouvengadam et al. Hybrid Mode Radio Link Control for Efficient Video Transmission over 4GLTE Network
Schüler et al. Performance improvements for TCP in mobile networks with high packet delay variations
Joo et al. Incorporation of QoS and Mitigated TCP/IP over Satellite Links

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091222

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20100419