JP2006244618A - リール - Google Patents

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和男 平口
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輝男 芦川
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Abstract

【課題】 ハブに巻回される記録テープに影響を及ぼすことなく、フランジの面振れを安定させられるリールの提供を課題とする。
【解決手段】 記録テープTが巻回されるハブ62と、ハブ62と一体成形される上フランジ64と、ハブ62に溶着される下フランジ66と、を備えたリール60において、下フランジ66のハブ62との溶着部75よりも径方向内側に凸部73を形成するとともに、ハブ62の下フランジ66との溶着部65よりも径方向内側に、下フランジ66がハブ62に溶着される過程で凸部73が挿入される凹部63を形成し、下フランジ66をハブ62に溶着したときに、溶着部65、75以外では、凸部73のみがハブ62に当接する構成にするとともに、その当接部位を凹部63の径方向内面63Aのみとする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、主にコンピューター等の記録再生媒体として使用される磁気テープ等の記録テープが巻装されるリールに関する。
従来から、コンピューター等のデータ記録再生媒体として使用されている磁気テープ等の記録テープを単一のリールに巻装し、そのリールを樹脂製のケース内に回転可能に収容してなる記録テープカートリッジが知られている。この記録テープの先端(自由端)には、リーダーピンやリーダーテープ、リーダーブロックといったリーダー部材が設けられており、そのリーダー部材をドライブ装置側に設けられた引出手段が記録テープカートリッジの開口から引き出し、それに固着された記録テープをドライブ装置側の巻取リールに巻装させるようになっている。
このような記録テープカートリッジのリールは、樹脂材で成形され、記録テープが巻回される有底円筒状のリールハブを有しており、そのリールハブの上下には、それぞれ上フランジと下フランジが設けられている。この上下フランジは、どちらか一方がリールハブと一体成形され、他方がリールハブと溶着されるのが一般的である。その理由は、全て一体で成形すると、金型の構造上、リールハブにパーティングライン(PL)が形成され、製品機能上の問題が生じるからである。また、2次加工も必要となり、コスト的にも問題が生じるからである。
また、その上フランジ又は下フランジをリールハブに溶着するに当たっては、様々な技術が開発されている。例えば、溶着時に面の高さを精度よく出す方法としては、エネルギーダイレクター(ED)(以下「溶着しろ」という)を超音波振動によって溶かしたときに、リールハブと溶着する上フランジ又は下フランジに設けられた高さ規制部を、そのリールハブの高さ規制部に突き当てる方法や、超音波振動の発信・停止タイミングを制御して、高さをコントロールする方法等がある。
しかしながら、どちらの方法も面振れを安定させる(コントロールする)ことは難しかった。すなわち、溶着後の上下フランジの面振れを安定させることは1つの課題であり、従来から、リールの形状によって様々な工夫がなされてきた。ここで、一般に言えることは、上フランジ又は下フランジとリールハブの端面とのクリアランスがゼロになると、面振れを安定させることはできるが、上フランジ又は下フランジとリールハブの端面とは、溶着後も、ある程度のクリアランスを有するように構成されていることである。
その理由は、上記クリアランスがゼロであると、溶着しろ(ED)を溶かす超音波振動によって、その部位が溶着されてしまうおそれがあるからで、その溶着した部位に発生する溶けた樹脂材が、リールハブの外周面まで染み出して記録テープを傷つけるおそれがあるからである。また、これにより、溶着しろ(ED)を溶かすための超音波振動エネルギーの損失が起きるので、充分な溶着効果が得られない(溶着強度が低下する)という問題が発生するからである。
更に、上フランジ又は下フランジをリールハブに対してセンタリングすることは必要であるが、センタリングするために、上フランジ又は下フランジとリールハブとを当接させると、上記と同様に、その当接部位において、溶着しろ(ED)を溶かすための超音波振動エネルギーの損失が起き、充分な溶着効果が得られなくなる(溶着強度が低下する)という問題が発生する。しかも、その当接部位における樹脂材が溶けて、面振れをばらつかせる要因になるという問題もある。そのため、センタリングさせることも難しかった。
なお、上フランジ又は下フランジをリールハブに対してセンタリングさせるために、溶着装置側の形状を工夫したものは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、リールの形状を工夫することによって、上記問題点を解決しつつセンタリングできるようにしたものは、未だ提案されていないのが現状である。
また、上フランジ又は下フランジとリールハブとを互いに相溶性のない樹脂材で成形した場合には、リールハブに対して上フランジ又は下フランジをかしめる等して接合する方法が採用されるが、この場合は、強固な接合にならず、かつ、接合後の面振れの精度は一般的に低いものとなっていた。
特開平11−25649号公報
そこで、本発明は、ハブに巻回される記録テープに影響を及ぼすことなく、フランジの面振れを安定させられるリールを得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のリールは、記録テープが巻回されるハブと、前記ハブと一体成形される第1フランジと、前記ハブに溶着される第2フランジと、を備えたリールにおいて、前記第2フランジの前記ハブとの溶着部よりも径方向内側に凸部を形成するとともに、前記ハブの前記第2フランジとの溶着部よりも径方向内側に、該第2フランジが該ハブに溶着される過程で前記凸部が挿入される凹部を形成し、前記第2フランジを前記ハブに溶着したときに、前記溶着部以外では、前記凸部のみが前記ハブに当接する構成にするとともに、その当接部位を前記凹部の径方向内面又は外面のみとしたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、溶着時における超音波振動エネルギーの損失が起きることはなく、かつセンタリングも好適にできる。したがって、ハブに溶着される第2フランジの面振れを好適に抑止することができる(面振れを安定させることができる)。
そして、請求項2に記載のリールは、請求項1に記載のリールにおいて、前記凸部が、先端に行くに従って内径が小又は大とされた環状に形成され、その先端におけるエッジのみが、前記凹部の径方向内面又は外面に当接することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、凹部の径方向内面又は外面と凸部との当接部位は線接触となるため、ハブに溶着される第2フランジのセンタリングが好適にでき、ハブに溶着される第2フランジの面振れを好適に抑止することができる。
また、請求項3に記載のリールは、請求項1又は請求項2に記載のリールにおいて、前記溶着部の溶着しろが、高さにして50%〜90%溶けたときに、前記凸部が、前記凹部の径方向内面又は外面に当接することを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、溶着部の溶着しろが、高さにして50%〜90%溶けるまでは、凸部が凹部に当接しないので、溶着時における超音波振動エネルギーの損失が起きることはなく、充分な溶着強度を得ることができる。
また、請求項4に記載のリールは、請求項3に記載のリールにおいて、前記凸部が当接する前記凹部の径方向内面又は外面と前記溶着しろの中心との距離が、3mm〜15mmであることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、ハブに溶着される第2フランジの面振れを好適に抑止することができる。
以上のように、本発明によれば、ハブに巻回される記録テープに影響を及ぼすことなく、フランジの面振れを安定させられるリールを提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図1、図2で示す矢印A方向を記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向とし、それを記録テープカートリッジ10の前方向(前側)とする。そして、矢印A方向と直交する矢印B方向を右方向(右側)とする。
まず最初に、記録テープカートリッジ10について説明する。図1、図2で示すように、記録テープカートリッジ10は、樹脂製の上ケース20と下ケース40とが、互いにその周壁24、44を突き合わせるとともに、超音波溶着等により接合されてなる略矩形箱状に形成されており、その内部には、情報記録再生媒体である磁気テープ等の記録テープTを巻装した単一のリール60が回転可能に収容されている。
リール60は、円筒状のリールハブ62と、リールハブ62の上端外周から径方向に張出した上フランジ64とが樹脂材により一体成形され、上フランジ64と略同形状の下フランジ66がリールハブ62の下端に超音波溶着等により接合されている。そして、リールハブ62の外周面に記録テープTが巻装されている。なお、下フランジ66のリールハブ62への溶着方法については後述する。
また、リールハブ62の下フランジ66側は、中央に透孔68Aが穿設された底壁68により閉塞され、その底壁68の下面外周部に、リール60を回転駆動するためのリールギア70が環状に刻設されている。そして、そのリールギア70の径方向内側には、透孔68Aよりも若干大きめな透孔72Aが穿設された環状金属板のリールプレート72が、インサート成形等により取り付けられている。また、下ケース40の中央には円形状の開孔50が穿設され、リール60の下面に環状に設けられたリールギア70、リールプレート72等が、その開孔50から露出するようになっている。
したがって、このリール60は、リールプレート72がドライブ装置の回転シャフト(図示省略)に設けられたマグネット(図示省略)で吸着され、リールギア70がその回転シャフトに設けられた駆動ギア(図示省略)に噛合されることにより、回転駆動される。なお、リールギア70の径方向外側の下フランジ66には環状溝74が設けられており、不使用時(記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填されないとき)には、開孔50の周縁部に立設されたリブ54が、その環状溝74に嵌入されることで、防塵が図れるようになっている。
また、上ケース20の天板22内面と、下ケース40の底板42内面には、それぞれ内壁としての遊動規制壁26、46が、開孔50と同軸的な円筒状に部分的に立設されており、それらの各端部が周壁24、44と連設されることで、リール60の設置空間と、それより外側の空間とを仕切っている。つまり、遊動規制壁26、46の内部にリール60が収容される収容空間が形成され、リール60は、その遊動規制壁26、46によってガタつかないように保持されている。
また、リールハブ62の内側に臨む底壁68の上面外周部にもリールギア76が環状に刻設されており、そのリールハブ62の内側に挿設する制動部材80の制動ギア86と噛合するようになっている。この制動部材80は、記録テープカートリッジ10の不使用時に、リール60の回転を防止するために設けられるものであって、下面外周部に制動ギア86が環状に刻設された円板状に形成されている。
制動部材80の上面には、平面視略U字状の柱状凸部(以下、U字状凸部という)84が開放側を対向させて立設されており、上ケース20の天板22の内面中央に2本並んで突設された係止ピン34が、それぞれそのU字状凸部84の内面に挿入されることによって、制動部材80の回転が阻止されるようになっている。
そして、上ケース20の天板22の内面中央で係止ピン34の外側には環状突起36が突設され、かつ、制動部材80の上面でU字状凸部84の外側には環状溝82が設けられており、コイルばね78は、その環状突起36の内側(又は外側)に一端が嵌入され、環状溝82内に他端が嵌入されて、上ケース20と制動部材80との間で保持されるようになっている。
したがって、そのコイルばね78によって制動部材80が下方に向かって付勢され、その制動ギア86がリールギア76に噛合することにより、不使用時において、リール60が不用意に回転しないようになっている。また、制動部材80の下面中央には、透孔68Aに挿通可能な略円柱状突起88が突設されている。
したがって、記録テープカートリッジ10の使用時にあっては、ドライブ装置の回転シャフト中央に設けられた係合部材(図示省略)により、コイルばね78の付勢力に抗して、突起88を介して制動部材80が押し上げられ、制動ギア86がリールギア76から離間して両者の噛合が解除されるようになっており、これによって、リール60が回転可能となるように構成されている。
また、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向前側の1つの隅角部である右前隅角部における周壁24、44の一部がそれぞれ斜めに切り欠かれて開口12が形成されている。この開口12はリール60に巻装された記録テープTを外部に引き出すためのものであり、記録テープカートリッジ10の不使用時には、記録テープTの先端(自由端)部分に取り付けられた略矩形状のリーダーブロック90が、その隅角部に係止保持されて開口12を閉塞するようになっている。
すなわち、その隅角部(開口12)近傍の上ケース20の天板22内面と、下ケース40の底板42内面には、それぞれリーダーブロック90の外形状に合致した嵌合壁28、48が突設され、更に、その上ケース20の天板22の前壁24A側が、その前壁24Aと平行に細長く切り欠かれて、前壁24Aの一部を板ばね状とした係止部25とされている。
したがって、リーダーブロック90は、その係止部25の弾性変形を利用して、平面視略円弧状に屈曲形成された先端部90Aが係止部25先端の突起(図示省略)に係止され、上面部90B及び下面部90Cがそれぞれ嵌合壁28、48に嵌合されることにより、右側面部90Dが外部に露出した状態で、上ケース20及び下ケース40に係止保持されて、開口12を閉塞するようになっている。なお、嵌合壁28、48の内側には、遊動規制壁26、46と一体の内壁26A、46Aが突設されており、開口12閉塞時には、その内壁26A、46Aにリーダーブロック90の左側面部が当接するようになっている。
また、リーダーブロック90の先端部90Aには、ドライブ装置側の引出部材(図示省略)が係合する平面視略U字状の凹部92が形成されており、開口12近傍の上ケース20と下ケース40には、その凹部92と平面視でほぼ同形状となる凹部32、52が、それぞれ凹部92と対応する位置に形成されている。
したがって、リーダーブロック90を引き出す際、ドライブ装置側の引出部材は、凹部32、52によって凹部92と容易に係合でき、その係合状態のままドライブ装置の巻取リール(図示省略)側へ移動させることにより、リーダーブロック90及び記録テープTを記録テープカートリッジ10から引き出すことができる。
そして、その係合状態のまま巻取リールのリールハブ(図示省略)に設けられている嵌入部にリーダーブロック90を嵌入させることにより、ドライブ装置側の巻取リールに記録テープTが巻装可能となる構成であり、リーダーブロック90の曲面状に形成された後面部90Eが、そのリールハブの外周面の一部となる構成である。
また、リーダーブロック90の左側面部の略中央にも平面視略U字状の凹部94が形成されており、弾性を有する合成樹脂製の固着ピン96が、記録テープTの先端部分を挟み込みながら、この凹部94に嵌合されることにより、記録テープTの先端にリーダーブロック90が固着されるようになっている。
また、下ケース40において、開口12近傍の右壁の内側には、内部に位置規制用穴56Aが形成された袋部56が突設され、左前隅角部の内側には、内部に長穴状の位置規制用穴58Aが形成された袋部58が遊動規制壁46とは離間して突設されている。これら位置規制用穴56A、58Aは、記録テープカートリッジ10がドライブ装置内に完全に装填された後、ピン等の位置決め部材(図示省略)が挿入する穴であり、矢印B方向に沿った一直線上に配置されている。
なお、下ケース40の底板42外面において、位置規制用穴56A、58Aの周囲は、他の部分よりも平滑に仕上げられた光沢面56B、58Bとされており、この光沢面56B、58Bがドライブ装置内における記録テープカートリッジ10の高さ方向の基準面とされている。
また、記録テープカートリッジ10への記録可・不可が設定されるライトプロテクト14が、上ケース20と下ケース40の各前壁24A、44Aの内側に設けられた円筒状の支持部23、43に、上下の軸部16が枢支されることにより、回転自在に設けられている。そして、上ケース20の前壁24Aには、そのライトプロテクト14を操作する操作部18と、記録可・不可を表示する表示部15を露出させる開孔30が穿設されている。その他、上ケース20の天板22外面には、ラベルエリア38が形成されている。
以上のような構成の記録テープカートリッジ10において、次に、その作用について説明する。この記録テープカートリッジ10は、不使用時(保管時や運搬時等)にあっては、開口12がリーダーブロック90によって閉塞されている。そして、記録テープカートリッジ10を使用する際には、前壁24A、44A側を先頭にして、矢印A方向に沿って、記録テープカートリッジ10をドライブ装置内へ装填する。
すると、記録テープカートリッジ10は、所定高さ下降して、袋部56、58に形成された位置規制用穴56A、58Aに、ドライブ装置の位置決め部材(図示省略)がそれぞれ挿入され、更に光沢面(基準面)56B、58Bによって高さ方向が規定されて、ドライブ装置内において、精度よく位置決めされる。
その後、ドライブ装置の引出部材がリーダーブロック90と係合して、そのリーダーブロック90をケースから引き出すが、上記の通り、記録テープカートリッジ10はドライブ装置内において精度よく位置決めされているので、引出部材は確実にリーダーブロック90の凹部92と係合できる。こうして、記録テープカートリッジ10から引き出されたリーダーブロック90はドライブ装置側の図示しない巻取リールのリールハブに収容される。
他方、ドライブ装置側の回転シャフトが上昇し、その中央に設けられた係合部材が突起88を介して制動部材80を押し上げ、制動ギア86とリールギア76との噛合を解除する。そして、マグネットがリールプレート72を吸着し、駆動ギアがリールギア70と噛合することにより、リール60を巻取リールと同期して回転駆動する。これにより、記録テープTは、巻取リールに巻き取られつつ順次記録テープカートリッジ10内から引き出され、所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッド等によって情報の記録や再生が行われる。
記録テープカートリッジ10をドライブ装置から排出する際には、まず、記録テープTがリール60に巻き戻される。そして、リーダーブロック90が係止部25に係止され、開口12を閉塞すると、回転シャフトが下降して、駆動ギアとリールギア70との噛合が解除され、係合部材による制動部材80の押圧が解除される。すると、コイルばね78の付勢力により、制動ギア86がリールギア76と噛合し、リール60の不用意な回転が防止される。
その後、記録テープカートリッジ10が上昇移動することにより、位置規制用穴56A、58Aから位置決め部材が抜き出され、記録テープカートリッジ10のドライブ装置に対する位置決め状態が解除される。そして、記録テープカートリッジ10は図示しないイジェクト機構によって、矢印A方向とは反対方向に移動させられることにより、ドライブ装置内から完全に排出される。
以上のような記録テープカートリッジ10において、次に、本発明に係るリール60について、図3乃至図5を基に詳細に説明する。このリール60は、上記したように、リールハブ62と上フランジ64が一体成形され、下フランジ66がリールハブ62に超音波溶着される構成になっている。したがって、リールハブ62と下フランジ66は、同じ樹脂材で成形されるか、互いに相溶性のある樹脂材、例えばポリスチレン(PS)とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)の組み合わせ等で成形される。
図3で示すように、リールハブ62は、その内径Rが例えば48mmとされ、リールギア70の径方向外側には、環状凹部63が所定の深さで形成されている。この環状凹部63の径方向内面63Aは、上方に行くに従って外径が大きくなる所定角度のテーパー面とされている。そして、その環状凹部63の径方向外側には、下フランジ66の溶着しろ(ED)71が溶着する溶着部としての被接合面65が環状に形成されており、その被接合面65の径方向外側には、先端が平面とされた所定高さの環状突起67が突設されている。
一方、下フランジ66の内周縁部には、凸部としての環状リブ73が上方に向かって所定の高さ(例えば0.5mm〜2.0mm程度)で突設されている。この環状リブ73は、先端(上端)に行くに従って内径が小さくなるように形成されており、その径方向内面の鉛直方向に対する傾斜角度θは、例えば5度とされている(径方向内面が5度のテーパー面とされている)。なお、環状溝74は、この環状リブ73の反対側の下面に形成されている。
また、下フランジ66の環状リブ73の径方向外側には、溶着部としての接合面75が環状に形成されており、その接合面75上に溶着しろ(ED)71(図4参照)が突設されている。そして、その接合面75よりも径方向外側には所定高さ下方に下がる段部77が形成され、その段部77よりも径方向外側が、記録テープTを支持する上面66Aとされている。なお、溶着しろ(ED)71は、図4で示すように、内周縁部(環状リブ73)に沿って、かつ所定間隔を隔てて複数個突設されており、その高さが、例えば0.4mmとされた断面視略三角形状とされている。
このような構成のリールハブ62及び下フランジ66において、次に、その溶着工程(溶着過程)について説明する。まず、図5(A)で示すように、リールハブ62に下フランジ66を被せる。なお、実際には、図示とは逆に、リールハブ62を逆さまにして下フランジ66を上から被せている。
そして、図5(B)で示すように、下フランジ66の接合面75に突設した溶着しろ(ED)71を、リールハブ62の被接合面65に当接させる。なお、このとき、環状リブ73が環状凹部63内に挿入されるが、下フランジ66は、その溶着しろ(ED)71以外で、リールハブ62に接触することはない。
その後、図示しないホーン(超音波発信器)を、下フランジ66の接合面75の反対側の下面である環状当接面79に当て、そのホーンによって下フランジ66に超音波振動を与える。すると、図5(C)で示すように、溶着しろ(ED)71が溶け始めるが、このときも下フランジ66は、その溶着しろ(ED)71以外で、リールハブ62に接触することはない。
したがって、溶着しろ(ED)71を溶融させるための超音波振動エネルギーの損失が起きることはなく、リールハブ62と下フランジ66の溶着強度を充分に得ることができる。また、このような構成としたことにより、他の意図していない部位が溶融することはないため、溶けた樹脂材がリールハブ62の外周面に染み出すような不具合はない。よって、記録テープTに悪影響を及ぼすような不具合がない。
その後、溶着しろ(ED)71が、その高さにして50%〜90%溶融することで(例えば、高さが0.4mmの場合、0.35mm程度溶けることにより)、図5(D)で示すように、リールハブ62に下フランジ66が溶着される。そして、この瞬間に、環状リブ73先端の径方向内側におけるエッジ73Aのみが、環状凹部63の径方向内面63Aに、その径方向でのみ当接する。
したがって、リールハブ62に対する下フランジ66のセンタリングが可能になるとともに、下フランジ66をリールハブ62で好適に抑えることが可能になる。つまり、溶着後における下フランジ66の面振れを好適に抑止することができる。なお、被接合面65の径方向外側に環状突起67が突設されていることにより、溶融した溶着しろ(ED)71のリールハブ62の外周面への染み出しも防止されている。
また、環状リブ73のエッジ73Aが当接する環状凹部63の内面63Aと溶着しろ(ED)71の中心との距離Lは、L=3mm〜15mmとすることが好ましい(図5(B)参照)。これによれば、下フランジ66の面振れを更に好適に抑止することができる。また、段部77により形成される環状突起67の先端面と下フランジ66の上面66Aとの溶着後のクリアランスCは、C=0.005mm以上とすることが好ましい(図5(D)参照)。これによれば、環状突起67が下フランジ66の上面66Aに溶着されるおそれがない。
次に、図6で示すリール100について説明する。このリール100は、記録テープTの巻量を低減できる低容量タイプのリールである。したがって、リール60と同等の機能を有する部分については、同じ符号を付して説明を省略する。
図6(A)で示すように、リール100は、リールハブ102の径がリール60のリールハブ62よりも大径とされ、記録テープTの巻量を低減できる構成とされている。すなわち、リール60のリールハブ62の内径が約48mmであるのに対し、リール100のリールハブ102の内径は約87.7mmとされている。そのため、以下の説明においては、低容量タイプのリール100を通常のリール60と区別するために「ハブ大リール100」とし、通常のリール60を「ハブ小リール60」とする。
ハブ大リール100は、ハブ小リール60のリールハブ62と、少なくとも内径が等しい円筒壁104を有している。すなわち、ハブ小リール60の内径も円筒壁104の内径も共に約48mmとされている。この円筒壁104は、ハブ小リール60のリールハブ62と同等の機能を有し、制動部材80やコイルばね78を内側に収容できる構成とされている。したがって、その高さもハブ小リール60のリールハブ62の高さと同じになっている。
また、ハブ大リール100のリールハブ102は、円筒壁104と環状連結部106によって連結されている。すなわち、この環状連結部106は、円筒壁104の外周面とリールハブ102の内周面とを一体に連結している。また、円筒壁104の外周面と環状連結部106の上下面との間には、補強リブ114、116がそれぞれ等間隔に、かつ上下同位置となるように、複数個配設されている。
これら補強リブ114、116は、上面側と下面側とでは、その大きさが異なっており、上面側の補強リブ114の方が下面側の補強リブ116よりも大きく形成されている。これら補強リブ114、116は、円筒壁104と環状連結部106との連結強度を向上させるようになっている。
また、底壁68、円筒壁104、環状連結部106、リールハブ102、上フランジ108が樹脂材で一体成形されており、樹脂材で成形された下フランジ110がリールハブ102の下端部118に超音波溶着等により接合されるようになっている。この溶着方法は、ハブ小リール60のときと同様であり、以下、その説明をする。
環状連結部106の下面略中央には、環状凸部112が突設されており、その環状凸部112とリールハブ102の下端部118との間で構成される環状凹部120が、ハブ小リール60における環状凹部63に相当している。そして、リールハブ102の下端面が、溶着部としての被接合面122とされている。この被接合面122が、ハブ小リール60の被接合面65に相当している。したがって、その被接合面122の径方向外側には、環状突起67に相当する環状突起124が突設されている。
一方、下フランジ110の内周縁部には、凸部としての環状リブ126が上方に向かって所定の高さ(例えば0.5mm〜2.0mm程度)で突設されている。この環状リブ126がハブ小リール60の環状リブ73に相当する。また、その環状リブ126の径方向外側には、溶着部としての接合面128が環状に形成されている。
そして、その接合面128上には、ハブ小リール60と同様の溶着しろ(ED)130が所定間隔を隔てて複数個突設されている(図6(B)では溶融した溶着しろ(ED)130が示されている)。また、接合面128の径方向外側には、段部77に相当する段部132が形成されており、その段部132の径方向外側が、記録テープTを支持する上面110Aとされている。
したがって、このハブ大リール100の場合も、ハブ小リール60のときと同様に、下フランジ110の接合面128が、リールハブ102の被接合面122に、溶着しろ(ED)130を溶融しつつ溶着されて行く過程においては、下フランジ110が、リールハブ102及び環状凸部112に接触しない。
そして、リールハブ102の被接合面122に対する下フランジ110の接合面128の溶着が完了した瞬間(溶着しろ(ED)130が、高さにして50%〜90%溶融した瞬間)に、環状リブ126先端の径方向内側におけるエッジ126Aのみが、環状凹部120の径方向内面(環状凸部112の径方向外面)120Aに、その径方向でのみ当接する(図6(B)参照)。
これにより、ハブ大リール100でも、ハブ小リール60と同様な効果が得られる。すなわち、溶着しろ(ED)130を溶融させるための超音波振動エネルギーの損失が起きないので、リールハブ102と下フランジ110の溶着強度を充分に得ることができる。また、他の意図していない部位が溶融することもないので、溶けた樹脂材がリールハブ102の外周面に染み出すような不具合はなく、よって、記録テープTに悪影響を及ぼすような不具合がない。
更に、リールハブ102(環状凸部112)に対する下フランジ110のセンタリングが可能になるとともに、下フランジ110を環状凸部112で好適に抑えることが可能になる。つまり、溶着後における下フランジ110の面振れを好適に抑止することができる。なお、被接合面122の径方向外側に環状突起124が突設されていることにより、溶融した溶着しろ(ED)130のリールハブ102の外周面への染み出しも防止されている。
また、溶着しろ(ED)130を設ける位置は、上記と同様に、環状リブ126のエッジ126Aが当接する環状凹部120の内面(環状凸部112の外面)120Aと溶着しろ(ED)130の中心との距離Lが、L=3mm〜15mmとされた位置であることが好ましい。更に、段部132により形成される環状突起124の先端面と下フランジ110の上面110Aとの溶着後のクリアランスCも、C=0.005mm以上とされることが好ましい。
その他、ハブ大リール100の上フランジ108及び下フランジ110の外径は、ハブ小リール60の上フランジ64及び下フランジ66の外径と同一(共に約103mm)とされている。換言すれば、ハブ小リール60のリールハブ62に巻回される記録テープTの最大巻径と、ハブ大リール100のリールハブ102に巻回される記録テープTの最大巻径は同一とされている。
したがって、記録テープカートリッジ10において、ドライブ装置の引出部材がリーダーブロック90の凹部92に係合するパス角度が変動するような不具合はない。このため、ハブ大リール100を有する記録テープカートリッジ10でも、ハブ小リール60を有する記録テープカートリッジ10でも、同じドライブ装置で記録・再生することが可能となる。
以上、説明したように、本発明では、下フランジ66(110)をリールハブ62(102)に溶着したとき(溶着が完了した瞬間)に、接合面75(128)及び被接合面65(122)以外では、環状リブ73(126)のエッジ73A(126A)のみがリールハブ62(102)に当接する構成にし、かつ、その当接部位を環状凹部63(120)の径方向内面63A(120A)のみとしている。
そして、溶着しろ(ED)71(130)が、高さにして50%〜90%溶けるまでは、環状リブ73(126)が環状凹部63(120)に当接しないようにし、更には、環状リブ73(126)のエッジ73A(126A)が当接する環状凹部63(120)の径方向内面63A(120A)と溶着しろ(ED)71(130)の中心との距離Lを、L=3mm〜15mmとしている。
したがって、溶着時における超音波振動エネルギーの損失が起きることはなく、充分な溶着強度を得ることができる。また、リールハブ62(102)に対して下フランジ66(110)は線接触となるため、センタリングも好適にできる。そして、リールハブ62(102)に溶着される下フランジ66(110)の面振れを好適に抑止することができる(面振れを安定させることができる)。
なお、上記実施例では、リールハブ62(102)と上フランジ64(108)が一体成形され、下フランジ66(110)がリールハブ62(102)に溶着されるリール60(100)について説明したが、リールハブ62(102)と下フランジ66(110)が一体成形され、上フランジ64(108)が溶着されるリール(図示省略)の場合であっても同様である。
また、上記実施例では、環状リブ73(126)を先端に行くに従って内径が小さくなるように形成し、その径方向内側のエッジ73A(126A)を環状凹部63(120)の径方向内面63A(120A)に当接させる構成にしたが、環状リブ73(126)を先端に行くに従って内径が大きくなるように形成し、その径方向外側のエッジを環状凹部63(120)の径方向外面に当接させる構成にしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
記録テープカートリッジの上方から見た概略分解斜視図 記録テープカートリッジの下方から見た概略分解斜視図 リールの一部拡大概略側断面図 下フランジの概略斜視図 リールハブに対する下フランジの溶着過程を示す説明図 (A)低容量タイプのリールの概略側断面図、(B)低容量タイプのリールの一部拡大概略側断面図
符号の説明
10 記録テープカートリッジ
60 リール
62 リールハブ
63 環状凹部
63A 内面
64 上フランジ(第1フランジ)
65 被接合面(溶着部)
66 下フランジ(第2フランジ)
67 環状突起
68 底壁
71 溶着しろ
73 環状リブ(凸部)
73A エッジ
74 環状溝
75 接合面(溶着部)
77 段部
80 制動部材
90 リーダーブロック

Claims (4)

  1. 記録テープが巻回されるハブと、
    前記ハブと一体成形される第1フランジと、前記ハブに溶着される第2フランジと、
    を備えたリールにおいて、
    前記第2フランジの前記ハブとの溶着部よりも径方向内側に凸部を形成するとともに、
    前記ハブの前記第2フランジとの溶着部よりも径方向内側に、該第2フランジが該ハブに溶着される過程で前記凸部が挿入される凹部を形成し、
    前記第2フランジを前記ハブに溶着したときに、前記溶着部以外では、前記凸部のみが前記ハブに当接する構成にするとともに、その当接部位を前記凹部の径方向内面又は外面のみとしたことを特徴とするリール。
  2. 前記凸部が、先端に行くに従って内径が小又は大とされた環状に形成され、その先端におけるエッジのみが、前記凹部の径方向内面又は外面に当接することを特徴とする請求項1に記載のリール。
  3. 前記溶着部の溶着しろが、高さにして50%〜90%溶けたときに、前記凸部が、前記凹部の径方向内面又は外面に当接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリール。
  4. 前記凸部が当接する前記凹部の径方向内面又は外面と前記溶着しろの中心との距離が、3mm〜15mmであることを特徴とする請求項3に記載のリール。
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