JP2006244042A - エンジン制御パラメータの適合方法及び適合装置 - Google Patents

エンジン制御パラメータの適合方法及び適合装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 エンジン制御パラメータの適合方法において、全体の計測点数を増加させなくても、境界上に配置する計測点の個数を適度に増加させて適合精度を向上させる。
【解決手段】 実験計画法(DOE)のスペースフィリング (Space Filling)を使用して、隣接する2つの計測点間の最小距離を最大化するように所定数の計測点を均等に配置する。この後、計測対象となる複数の制御パラメータのうちの少なくとも1つの制御パラメータに関して計測点の位置を当該制御パラメータの中心値から境界方向へ所定の拡張倍率で拡張して、最終的に境界に配置しようとする個数分の計測点を境界を越えさせた状態にする。この後、この拡張により境界を越えた計測点を境界上に再配置する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、エンジンの制御パラメータの適合工程で、複数の制御パラメータを計測する計測点を実験計画法(DOE)で配置するようにしたエンジン制御パラメータの適合方法及び適合装置に関する発明である。
近年の高性能エンジンは、出力向上、排気エミッション低減、燃費節減等を実現するために、可変バルブタイミング機構や排気環流システム等の様々な機能を搭載しているため、適合すべき制御パラメータが点火時期と噴射時期のみではなく、バルブタイミングや排気環流率等も適合する必要があり、適合すべき制御パラメータの数が増加する傾向にある。従って、適合対象となる全ての制御パラメータの全ての測定点の組み合わせについて適合度を評価する“全点測定”を行うようにしたのでは、適合工数が非常に多くなってしまい、生産性向上の要求を満たすことができない。
これを具体的に説明すると、例えば、適合すべき制御パラメータの数が6個の場合、1つの制御パラメータの測定点が6点であれば、全点測定では、66 =46656通りの条件でエンジンを運転して、トルク、排気エミッション、燃費等を測定して適合度を評価する必要があるが、このような膨大な数の条件の適合度を評価するには、膨大な時間がかかり、現実には適合不可能である。
この問題を解決するために、特許文献1(特開2004−263680号公報)に示すように、実験計画法(DOE)を用いて所定数の計測点を配置し、各計測点の計測データに基づいてエンジンの特性をモデル化し、このモデルを使用してエンジン性能を最適にする制御パラメータの適合値を算出することが提案されている。
特開2004−263680号公報(第2頁〜第5頁等)
一般に、制御パラメータの適合値は、モデル精度に依存し、モデル精度は計測点の配置と密接な関係がある。従って、適合精度を確保しながら適合時間を短くするためには、最適な計測点の配置を行う必要がある。
しかし、適合対象となるエンジン特性は複雑であり、最初からはモデルの最終近似形が分からないため、DOEとしては、スペースフィリング (Space Filling)を使用することが考えられる。このスペースフィリングの原理は、図2(3パラメータ10水準の場合)に示すように、各制御パラメータの動作可能範囲を所定の水準数(=計測点数)で均等分割し、計測点のランダムな組み合わせにて隣接する2つの計測点間の最小距離を最大化するように計測点を均等に配置するものである。
このスペースフィリングの原理上、境界(制御パラメータの動作可能範囲の限界)の計測点の配置が少ないため、図9(a)に示すように、境界付近のモデル誤差が大きくなるという欠点がある。つまり、図3(a),(b)に示すように、計測データは誤差を含んでいるため、境界に計測点がないと、計測データに基づいて作成するモデルの精度が悪くなる。従って、モデル精度を保証するためには、計測点をかなり増加させる必要があり、そのために、計測点を増加させれば、計測に相当の時間がかかってしまうという欠点が生じる(図4参照)。
尚、境界にも計測点を配置するDOEとして、オプチマル(Optimal)という手法があるが、この手法は、本来、計測対象となるモデルの最終近似形が分かっているものに使用するため、最初からモデルの最終近似形が分からないエンジン特性の計測点の配置には適していない。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、全体の計測点数を増加させなくても、境界上に配置する計測点の個数を適度に増加させることができ、モデル精度向上の要求と適合時間(計測時間)短縮化の要求とを共に満たすことができるエンジン制御パラメータの適合方法及び適合装置をを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、エンジンの複数の制御パラメータを所定数の計測点で計測してエンジンの特性をモデル化し、このモデルを使用してエンジン性能を最適にする前記制御パラメータの適合値を算出するものにおいて、図5に示すように、所定数の計測点を実験計画法(DOE)のスペースフィリング (Space Filling)を使用して配置した後、前記複数の制御パラメータのうちの少なくとも1つの制御パラメータに関して前記計測点の位置を当該制御パラメータの中心値から境界方向へ拡張し、この拡張により前記所定数の計測点のうち境界を越えたものを境界上に再配置するようにしたものである。
このようにすれば、スペースフィリングによるDOE作成で境界(制御パラメータの動作可能範囲の限界)への計測点の配置が少なくても、その後、計測点の境界方向への拡張と、境界を越えた計測点の境界上への再配置とを行うことで、全体の計測点数を増加させなくても、境界上に配置する計測点の個数を適度に増加させることができる。これにより、全体の計測点数を増加させなくても、境界付近のモデル誤差を目標レベルに収めることが可能となり、モデル精度向上の要求と適合時間(計測時間)短縮化の要求とを共に満たすことができる。
この場合、計測点の位置を境界方向へ拡張する際に、計測点の分布の分散が最小となる拡張倍率で各計測点の位置を境界方向へ拡張するようにすると良い。これにより、拡張した空間内に所定数の計測点を均等に配置することができ、スペースフィリングの利点を維持できる。但し、本発明は、拡張倍率を上記以外の方法で決定しても良く、例えば、拡張倍率を予め設定した一定倍率としても良い。
また、第2の発明は、計測対象となる所定数(N個)の計測点よりも少ない個数(M個)の計測点を実験計画法のスペースフィリング (Space Filling)を使用して配置し、残りの個数(N−M個)の計測点を境界上に配置するようにしたものである。このようにすれば、スペースフィリングによって所定数(N個)の計測点よりも少ないM個の計測点を配置したときに、境界(制御パラメータの動作可能範囲の限界)への計測点の配置が少なくても、その後、残りの個数(N−M個)の計測点を境界上に配置することで、全体の計測点数を増加させなくても、境界上に任意の個数の計測点を配置することができ、モデル精度向上の要求と適合時間(計測時間)短縮化の要求とを共に満たすことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した2つの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図9に基づいて説明する。まず、エンジン制御パラメータ適合装置の構成を図1に基づいて説明する。適合するエンジン11(内燃機関)をベンチ12上に取り付け、このエンジン11のクランク軸を動力計13に連結する。適合作業中は、エンジン11に装着された後述する各種のアクチュエータを電子制御ユニット(ECU)14によって制御する。この電子制御ユニット14は、通信ボックス16を介して適合制御用コンピュータ17に接続され、適合作業中は、この適合制御用コンピュータ17から通信ボックス16を介して電子制御ユニット14に制御信号を送信することで、電子制御ユニット14内の各制御パラメータのマップ定数等を変更する。適合作業中のエンジン11のスロットル開度は、スロットルコントロール装置15によって調整される。
適合作業中は、動力計制御盤18によって動力計13とスロットルコントロール装置15を制御してエンジン負荷を制御すると共に、動力計13で計測したエンジントルクを適合制御用コンピュータ17に送信する。エンジン11には、クーラント(冷却水)の温度を調整するクーラント温度調整装置19と、エンジンオイルの温度を調整するオイル温度調整装置20と、燃料の温度を調整する燃費計測機能付きの燃料温度調整装置21を接続し、適合作業中は、これら各温度調整装置21によってクーラント温度、エンジンオイル温度、燃料温度が一定条件に自動調整される。適合作業中にエンジン11から排出される排出ガスは、排出ガス分析計22で分析され、排出ガス中のNOx、CO、HC等のエミッションの測定結果が適合制御用コンピュータ17に送信される。
この適合システムで適合可能なエンジン11は、吸気ポート噴射エンジン、直噴エンジン、ディーゼルエンジン等のいずれの方式でも良い。適合対象となる制御パラメータは、例えば、エンジン負荷(吸入空気量)、エンジン回転速度、燃料噴射弁の噴射時期、点火プラグの点火時期、モータ等で駆動されるスロットルバルブの開度(スロットル開度)、スワールコントロールバルブの開度(SCV開度)、吸気バルブ及び排気バルブの可変バルブタイミング機構の進角値(VCT進角値)、排気環流制御バルブの開度(EGR開度)等である。これら各制御パラメータの影響が複雑に絡み合ってエンジン運転状態が変化するため、従来の全点測定では、適合が非常に複雑となり、適合時間が膨大になる。
そこで、本実施例1では、適合制御用コンピュータ17は、後述する図8のエンジン制御パラメータ適合プログラムを実行することで、実験計画法(DOE)を用いて所定数の計測点を配置し、各計測点の計測データに基づいてエンジンの特性をモデル化し、このモデルを使用してエンジン性能を最適にする制御パラメータの適合値を算出する。
この場合、適合対象となるエンジン11の特性は複雑であり、最初からはモデルの最終近似形が分からないため、DOEとして、スペースフィリング (Space Filling)を使用する。このスペースフィリングの原理は、図2に示すように、各制御パラメータの動作可能範囲を所定の水準数(=計測点数)で均等分割し、計測点のランダムな組み合わせにて隣接する2つの計測点間の最小距離を最大化するように計測点を均等に配置するものである。図2は、3パラメータ(x1,x2,x3)で10水準の場合のスペースフィリングによる計測点の配置例を示し、図2(a)は計測点のx1−x2の2次元座標を示し、(b)は計測点のx1−x3の2次元座標を示し、(c)は計測点のx2−x3の2次元座標を示し、(d)はx1−x2−x3の3次元座標空間における計測点の配置を示している。 このスペースフィリングの原理上、境界(制御パラメータの動作可能範囲の限界)の計測点の配置が少ないため、図9(a)に示すように、境界付近のモデル誤差が大きくなるという欠点がある。つまり、図3(a),(b)に示すように、計測データは誤差を含んでいるため、境界に計測点がないと、計測データに基づいて作成するモデルの精度が悪くなる。従って、モデル精度を保証するためには、計測点をかなり増加させる必要があり、そのために、計測点を増加させれば、計測時間が非常に長くなってしまうという欠点が生じる(図4参照)。
そこで、本実施例1では、図5に示すように、DOE作成工程(実験計画作成工程)と拡張工程と再配置工程とを順番に実行して所定数の計測点を配置することで、全体の計測点を増加させることなく、境界上に配置する計測点の個数を適度に増加させるようにしている。以下、各工程について説明する。
[DOE作成工程]
DOE作成工程では、計測対象となる所定数の計測点を通常のスペースフィリングを使用して境界内に配置する。図6(a)は、DOE作成工程で作成した計測点の配置例を示している。この配置例は、エンジン回転速度とエンジン負荷をパラメータとして、計測点数を100個とした場合の通常のスペースフィリングによる計測点の配置例であり、エンジン負荷の動作可能範囲が0.3〜1.0(下限の境界=0.3、上限の境界=1.0)であり、この境界の範囲内に100個の計測点が配置される。図7(a)に示すように、通常のスペースフィリングによる計測点の分布は、境界(制御パラメータの動作可能範囲の限界)への計測点の配置が少ないため、境界付近のモデル誤差が大きくなるという欠点がある。従って、境界上に配置する計測点の個数を増加させれば、モデル精度を効率良く向上させることが可能である。
[拡張工程]
計測対象となる複数の制御パラメータのうちの少なくとも1つの制御パラメータに関して各計測点の位置を当該制御パラメータの中心値から境界方向へ拡張する。具体的には、拡張しようとする制御パラメータの中心値からの各計測点までの距離に所定の拡張倍率を乗算することで、各計測点の位置を当該制御パラメータの中心値から境界方向へ拡張して、最終的に境界に配置しようとする個数分の計測点を境界を越えさせた状態にする。図6(b)は、エンジン負荷に関して各計測点の位置をエンジン負荷の中心値(0.65)から境界方向へ拡張する例を示している。この際、エンジン負荷が中心値(0.65)よりも小さい計測点は、下限の境界の方向へ拡張し、エンジン負荷が中心値(0.65)よりも大きい計測点は、上限の境界の方向へ拡張する。
この場合、計測点の位置を境界方向へ拡張する際に、計測点の分布の分散が最小となる拡張倍率で各計測点の位置を境界方向へ拡張するようにすると良い。ここで、“分散”とは、制御パラメータの中心値からの各計測点までの距離を二乗した値を積算し、その積算値を計測点数で割り算した値であり、この分散の平方根が標準偏差となる。このように、計測点の分布の分散が最小となる拡張倍率で各計測点の位置を境界方向へ拡張すれば、拡張した空間内に所定数の計測点を均等に配置することができ、スペースフィリングの利点を維持できる。但し、本発明は、拡張倍率を上記以外の方法で決定しても良く、例えば、拡張倍率を予め設定した一定倍率としても良い。
[再配置工程]
この再配置工程では、上記拡張工程により拡張された所定数の計測点のうち境界を越えた計測点を境界上に再配置する。図6(c)は、エンジン負荷が上限の境界(1.0)と下限の境界(0.3)を越えた計測点を、それぞれ上限の境界(1.0)と下限の境界(0.3)に再配置した例を示している。この計測点の境界上への再配置により、図7(b)に示すように、境界上に配置する計測点を増加させることができる。
以上説明した本実施例1の計測点の配置とエンジン制御パラメータの適合は、適合制御用コンピュータ17によって図8のエンジン制御パラメータ適合プログラムに従って実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、DOE作成処理を実行して、例えば図6(a)に示すように、計測対象となる所定数の計測点を通常のスペースフィリングを使用して境界内に配置する。この際、図2に示すように、各制御パラメータの動作可能範囲を所定の水準数(=計測点数)で均等分割し、計測点のランダムな組み合わせにて隣接する2つの計測点間の最小距離を最大化するように計測点を均等に配置する。このステップ101の処理が特許請求の範囲でいう実験計画作成手段としての役割を果たす。
この後、ステップ102に進み、計測対象となる複数の制御パラメータのうちの少なくとも1つの制御パラメータに関して各計測点の位置を当該制御パラメータの中心値から境界方向へ拡張する。この際、拡張する制御パラメータの中心値からの各計測点までの距離に所定の拡張倍率を乗算することで、各計測点の位置を当該制御パラメータの中心値から境界方向へ拡張して、最終的に境界に配置しようとする個数分の計測点を境界を越えさせた状態にする。このステップ102の処理が特許請求の範囲でいう拡張手段としての役割を果たす。
この後、ステップ103に進み、上記拡張により境界を越えた計測点を境界上に再配置することで、境界上に配置する計測点を増加させる。このステップ103の処理が特許請求の範囲でいう再配置手段としての役割を果たす。
以上のようにして所定数の計測点の配置を決定した後、ステップ104に進み、各計測点の条件でエンジン11を運転して、各種のエンジン制御パラメータを計測する。この後、ステップ105に進み、各計測点の計測データに基づいてエンジン11の特性をモデル化し、次のステップ106で、モデル出力を検証用データ(モデル作成に使用していないデータ)と比較してモデル精度を検証する。
この後、ステップ107に進み、モデル精度が目標精度を満足しているか否かを判定し、モデル精度が目標精度を満足していなければ、精度が悪い領域の計測点を追加して、上述した処理を繰り返し、再モデル化してモデル精度を検証する。このような処理をモデル精度が目標精度を満足するまで繰り返した後、ステップ108に進み、目標精度を満足するモデルを用いてエンジン性能を最適にする制御パラメータの適合値を算出する。
以上説明した本実施例1によれば、図5に示すように、所定数の計測点を実験計画法(DOE)のスペースフィリング (Space Filling)を使用して配置した後、複数の制御パラメータのうちの少なくとも1つの制御パラメータに関して計測点の位置を当該制御パラメータの中心値から境界方向へ拡張し、この拡張により境界を越えた計測点を境界上に再配置するようにしたので、スペースフィリングによるDOE作成で境界への計測点の配置が少なくても、その後、計測点の境界方向への拡張と、境界を越えた計測点の境界上への再配置とを行うことで、全体の計測点数を増加させなくても、境界上に配置する計測点の個数を適度に増加させることができる(全体の計測点数に対する境界上に配置する計測点の割合を適度に増加させることができる)。これにより、図9(b)に示すように、全体の計測点数を増加させなくても、境界付近のモデル誤差を目標レベルに収めることが可能となり、モデル精度向上の要求と適合時間(計測時間)短縮化の要求とを共に満たすことができる。
図10及び図11に示す本発明の実施例2においても、上記実施例1と同じく、エンジン11の複数の制御パラメータを所定数(N個)の計測点で計測してエンジン特性をモデル化し、このモデルを使用してエンジン性能を最適にする制御パラメータの適合値を算出する。本実施例2では、適合制御用コンピュータ17(実験計画作成手段)によって所定数(N個)の計測点の配置を上記実施例1と異なる方法で次のようにして決定する。
まず、所定数(N個)よりも少ない個数(M個)の計測点をDOEのスペースフィリングを使用して配置する。図10は、最終的に100個(N個)の計測点を配置し、そのうちの30個の計測点を境界に配置する例であり、まず、(a)に示すように、計測点の最終的な個数100個(N個)から境界に配置する個数(30個)を差し引いた70個(M個)の計測点を通常のスペースフィリングで配置する。この例でも、エンジン負荷の動作可能範囲が0.3〜1.0(下限の境界=0.3、上限の境界=1.0)であり、この境界の範囲内に70個(M個)の計測点が配置される。
次に、図10(b)に示すように、残りの30個(N−M個)の計測点を上下の境界にそれぞれ15個ずつ均等に配置する。この際、図11(a)、(b)に示すように、上下の境界に配置する計測点は、例えば可変バルブタイミング機構の進角値(VCT進角値)を動作可能範囲内でランダムに可変して設定する。
この後、図10(c)に示すように、最初にスペースフィリングで配置した70個(M個)の計測点の分布と、境界上に配置した残りの30個(N−M個)の計測点の分布とを合成して、合計100個(N個)の計測点の配置を決定する。
その他の処理は、前記実施例1と同じである。
以上説明した本実施例2の方法で計測点の配置を決定すれば、ペースフィリングによって所定数(N個)の計測点よりも少ないM個の計測点を配置したときに、境界(制御パラメータの動作可能範囲の限界)への計測点の配置が少なくても、その後、残りの個数(N−M個)の計測点を境界上に配置することで、全体の計測点数を増加させなくても、境界上に任意の個数の計測点を配置することができる。これにより、計測点数を増加させなくても、境界付近のモデル誤差を目標レベルに収めることが可能となり、モデル精度向上の要求と適合時間(計測時間)短縮化の要求とを共に満たすことができる。
図1は本発明の実施例1,2で使用するエンジン制御パラメータ適合装置の構成例を概略的に示す図である。 図2は3パラメータ(x1,x2,x3)で10水準の場合のスペースフィリングによる計測点の配置例を示す図であり、(a)は計測点のx1−x2の2次元座標を示し、(b)は計測点のx1−x3の2次元座標を示し、(c)は計測点のx2−x3の2次元座標を示し、(d)はx1−x2−x3の3次元座標空間における計測点の配置を示している。 図3(a)は境界に計測点がない場合のモデル誤差を説明する図であり、(b)は境界に計測点がある場合のモデル誤差を説明する図である。 図4はモデル誤差と計測時間(計測点数)との関係を説明する図である。 実施例1の計測点の配置方法を説明する工程図である。 図6(a)はDOE作成工程で作成した計測点の配置例を示す図、(b)はエンジン負荷に関して各計測点の位置をエンジン負荷の中心値(0.65)から境界方向へ拡張する例を示す図、(c)はエンジン負荷が上限の境界(1.0)と下限の境界(0.3)を越えた計測点を、それぞれ上限の境界(1.0)と下限の境界(0.3)に再配置した例を示す図である。 図7(a)は通常のスペースフィリングによる計測点の分布を示す図、(b)は実施例1の計測点の分布を示す図である。 図8は実施例1のエンジン制御パラメータ適合プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 図9(a)は従来のスペースフィリングのモデル誤差を示す図、(b)は実施例1のモデル誤差を示す図である。 図10は実施例2の計測点の配置方法を説明する図であり、(a)は所定数(N個)よりも少ない個数(M個)の計測点をスペースフィリングを使用して配置する例を示し、(b)は残りの個数(N−M個)の計測点を上下の境界に配置する例を示し、(c)はこれらの計測点の分布を合成して所定数(N個)の計測点の配置を決定する例を示している。 図11(a)はエンジン負荷上限の境界に配置する計測点とVCT進角値との関係を示す図、(b)はエンジン負荷下限の境界に配置する計測点とVCT進角値との関係を示す図である。
符号の説明
11…エンジン、14…電子制御ユニット(ECU)、17…適合制御用コンピュータ(実験計画作成手段,拡張手段,再配置手段)

Claims (6)

  1. エンジンの複数の制御パラメータを所定数の計測点で計測してエンジンの特性をモデル化し、このモデルを使用してエンジン性能を最適にする前記制御パラメータの適合値を算出するエンジン制御パラメータの適合方法において、
    前記所定数の計測点を実験計画法のスペースフィリング (Space Filling)を使用して配置する実験計画作成工程と、
    前記複数の制御パラメータのうちの少なくとも1つの制御パラメータに関して前記計測点の位置を当該制御パラメータの中心値から境界方向へ拡張する拡張工程と、
    前記拡張工程により拡張された前記所定数の計測点のうち境界を越えたものを境界上に再配置する再配置工程と
    を含むことを特徴とするエンジン制御パラメータの適合方法。
  2. 前記拡張工程において、前記計測点の分布の分散が最小となる拡張倍率で各計測点の位置を境界方向へ拡張することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御パラメータの適合方法。
  3. エンジンの複数の制御パラメータを所定数(N個)の計測点で計測してエンジンの特性をモデル化し、このモデルを使用してエンジン性能を最適にする前記制御パラメータの適合値を算出するエンジン制御パラメータの適合方法において、
    前記所定数(N個)よりも少ない個数(M個)の計測点を実験計画法のスペースフィリング (Space Filling)を使用して配置し、残りの個数(N−M個)の計測点を境界上に配置することを特徴とするエンジン制御パラメータの適合方法。
  4. エンジンの複数の制御パラメータを所定数の計測点で計測してエンジンの特性をモデル化し、このモデルを使用してエンジン性能を最適にする前記制御パラメータの適合値を算出するエンジン制御パラメータの適合装置において、
    前記所定数の計測点を実験計画法のスペースフィリング (Space Filling)を使用して配置する実験計画作成手段と、
    前記複数の制御パラメータのうちの少なくとも1つの制御パラメータに関して前記計測点の位置を当該制御パラメータの中心値から境界方向へ拡張する拡張手段と、
    前記拡張工程により拡張された前記所定数の計測点のうち境界を越えたものを境界上に再配置する再配置手段と
    を含むことを特徴とするエンジン制御パラメータの適合装置。
  5. 前記拡張手段は、前記計測点の分布の分散が最小となる拡張倍率で当該計測点の位置を境界方向へ拡張することを特徴とすることを特徴とする請求項4に記載のエンジン制御パラメータの適合装置。
  6. エンジンの複数の制御パラメータを所定数(N個)の計測点で計測してエンジンの特性をモデル化し、このモデルを使用してエンジン性能を最適にする前記制御パラメータの適合値を算出するエンジン制御パラメータの適合装置において、
    前記所定数(N個)よりも少ない個数(M個)の計測点を実験計画法のスペースフィリング (Space Filling)を使用して配置し、残りの個数(N−M個)の計測点を境界上に配置する実験計画作成手段を備えていることを特徴とするエンジン制御パラメータの適合装置。
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