JP2006243793A - 電力品質評価システムとその方法、およびプログラム - Google Patents

電力品質評価システムとその方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 電力品質補償装置を導入する場合の導入効果を、電力品質悪化現象の発生確率を考慮して、経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価可能とする。
【解決手段】 導入装置選択手段2により、導入評価対象となる電力品質補償装置を選択し、導入前関数作成手段3と導入後関数作成手段4により、電力品質補償装置の導入前後における電力品質の確率密度関数を作成する。判定値設定手段5により判定値を設定する。導入前電力品質評価手段6と導入後電力品質評価手段7により、確率密度関数と判定値を用いて、導入前後における電力品質の程度を評価する。補償効果算出手段8により、電力品質の評価結果に基づいて、電力品質補償装置を導入した場合の電力品質補償効果指標値を算出する。導入効果評価手段9により、電力品質補償効果に関する情報に基づき、電力品質補償装置の導入効果を経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力系統に生じる高調波、電圧変動、電圧不平衡、瞬時電圧低下等による電力品質を評価する電力品質評価技術に関するものであり、特に、評価対象電力系統に電力品質を改善するための電力品質補償装置を導入する場合の導入効果を評価する技術に関するものである。
近年、電力事業分野においては規制緩和が進められており、電力品質の向上はもちろんのこと、その多品質化も求められている。このため、電力分野に携わる電力需要家や売電事業者は、電力品質を柔軟かつ多面的に捉える必要に迫られている。一般に電力品質を判定する評価項目としては、高調波、電圧変動、電圧不平衡、瞬時電圧低下、停電といった電力品質を悪化させる現象が利用されている。そして、各評価項目に関する指標(例えば、高調波であれば総合ひずみ率)を所定の式から計算し、電力品質の程度を具体的に測定析する電力品質測定装置が実用化されている。
電力品質測定装置の従来例としては、様々なものが提案されているが、例えば、電力需要家と売電事業者との間における電力品質指標について明記されているものがある。さらに、電力品質を単に測定するだけではなく、測定したデータに基づいて電力品質を管理・運用するシステムも提案されている。このようなシステムの従来例として特許文献1がある。この特許文献1に記載された技術では、電力需要家に必要な電力品質を算定し、その電力需要家にとっての電力品質の基準値・最適値を求めることにより、電力需要家へのコンサルテーションやシステムインテグレーションに寄与することを図っている。
特開2002−247780
ところで、電力系統に生じる高調波、電圧変動、電圧不平衡、瞬時電圧低下等といった電力品質悪化現象の発生は、確率的な要素が大きい。そのため、電力系統の電力品質を評価するには、単純に電力品質の程度を計算するだけでは不十分であり、電力品質悪化の発生確率を計算し、これを判定要素として品質評価を行うことが重要である。
しかしながら、従来の電力品質測定装置では、電力需要家と売電事業者との間の電力品質指標を示しているにすぎなかった。また、特許文献1に記載のシステムにおいても、各電力需要家における電力品質の基準値・最適値を決めてはいるが、電力品質悪化現象の発生確率を判定要素に組み入れた品質評価は行われていなかった。つまり、従来技術においては、発生確率的な観点から電力品質の悪化を捉えることはなかった。このため、より高い精度で電力品質を評価することができるシステムの開発が望まれていた。
また、電力品質が悪化すれば、当然ながら経済的な損失も生じてくる。しかしながら、従来の電力品質測定装置は、物理的な側面から電力品質を評価しているに過ぎず、電力品質の悪化の程度と経済的な損害との相関関係を明確に示すまでには至っていなかった。そこで、従来から、経済的損失を考慮した電力品質評価システムの開発が望まれていた。
さらに、最近では、電力事業分野での規制緩和に加え、燃料電池や風力発電装置等、環境調和型の小型発電装置の開発も顕著である。このような状況の中、電力需要の小口化が進む傾向にある。これに伴って電力需要家の種別も細分化し、各電力需要家に要求される電力品質レベルは多様化の一途をたどっている。しかも、電力需要家は小規模の電源や電力貯蔵装置を持ち、複数種類の電力を利用することが予想される。そこで、電力需要家が要求するレベルは、電力需要家が持つ設備のうち、どれを利用するかによっても異なってくる。このため、電力品質の多品質化は益々進む傾向にあり、これに応じて電力品質をより柔軟に評価できるシステムの開発が望まれていた。
また、今日では、電力系統における電力品質を改善するためのUPS(無停電電源装置)等の、電力品質を改善するための各種の電力品質補償装置の導入が行われており、新たな電力品質補償装置を導入する場合の電力品質を評価できるシステムの開発が望まれていた。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、電力品質を改善するための電力品質補償装置を導入する場合の導入効果を、電力品質悪化現象の発生確率を考慮して、経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価可能な電力品質評価システムと方法、およびプログラムを提供することである。
本発明は、上記の目的を達成するために、電力品質補償装置の導入前後における電力品質の確率密度関数を作成して導入前後における電力品質の評価を行い、導入による電力品質補償効果を算出して導入効果を評価することにより、電力品質補償装置を導入する場合の導入効果を、電力品質悪化現象の発生確率を考慮して、経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価できるようにしたものである。
本発明の電力品質評価システムは、評価対象電力系統に電力品質を改善するための電力品質補償装置を導入する場合の導入効果を評価する電力品質評価システムにおいて、導入装置選択手段、導入前関数作成手段、導入後関数作成手段、判定値設定手段、導入前電力品質評価手段、導入後電力品質評価手段、補償効果算出手段、導入効果評価手段を備えたことを特徴としている。
ここで、導入装置選択手段は、予め登録された複数の電力品質補償装置の中から、導入評価対象となる電力品質補償装置を選択する手段である。導入前関数作成手段は、評価対象電力系統の電力品質補償装置の導入前における電力品質の確率密度関数を導入前確率密度関数として作成する手段であり、導入後関数作成手段は、評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入後における電力品質の確率密度関数を導入後確率密度関数として作成する手段である。判定値設定手段は、電力品質の程度を判定するための判定値を設定する手段である。
導入前電力品質評価手段は、導入前確率密度関数と判定値を用いて、評価対象電力系統の電力品質補償装置の導入前における電力品質の程度を評価する手段であり、導入後電力品質評価手段は、導入後確率密度関数と判定値を用いて、評価対象電力系統の電力品質補償装置の導入後における電力品質の程度を評価する手段である。電力品質補償効果算出手段は、電力品質補償装置の導入前における電力品質の評価結果と導入後における電力品質の評価結果に基づいて、当該電力品質補償装置を導入した場合の電力品質補償効果を示す指標値を算出する手段である。導入効果評価手段は、電力品質補償効果に関する情報に基づいて、当該電力品質補償装置の導入効果を経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価する手段である。
また、本発明の電力品質評価方法と電力品質評価プログラムは、電力品質評価システムの上記特徴を、異なる観点からそれぞれ把握したものである。
このような特徴を有する本発明によれば、電力品質補償装置の導入前後における確率密度関数を求め、導入前後の確率密度関数と判定値を用いて導入前後における電力品質の程度を評価し、この評価結果に基づき、電力品質補償装置を導入した場合の電力品質補償効果を示す指標値を算出することにより、電力品質補償装置の導入効果を、電力品質悪化現象の発生確率を考慮して電気的な側面から求めることができる。また、電力品質補償装置の導入効果における経済性の側面については、電力品質補償効果に基づき、電力品質補償装置を導入した場合の損害改善額やコストを求めることができる。したがって、電力品質補償装置の導入効果を経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価することができる。
なお、本発明において、「電力品質補償装置」は、電力品質を改善するために電力系統に導入可能な装置を示す用語であり、電力品質の悪化を防止あるいは低減するための各種の電力設備を含む広い概念である。また、「電力品質補償効果に関する情報」は、電力品質補償効果に関する各種の情報を意味しており、電力品質補償効果を示す指標値に限らず、電力品質の程度を示す値や電力品質評価結果を示す値等、電力品質補償効果の程度と何らかの相関関係を有する各種の関連情報およびその相関関係に関する情報を含む広い概念である。
本発明によれば、電力品質を改善するための電力品質補償装置を導入する場合の導入効果を、電力品質悪化現象の発生確率を考慮して、経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価可能な電力品質評価システムと方法、およびプログラムを提供することができる。
以下には、本発明に係る電力品質評価システムの実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
[システム構成]
図1は、本発明を適用した典型的な実施形態に係る電力品質評価システムの構成を示す構成図である。この図1に示すように、電力品質評価システム1は、導入装置選択手段2、導入前関数作成手段3、導入後関数作成手段4、判定値設定手段5、導入前電力品質評価手段6、導入後電力品質評価手段7、補償効果算出手段8、導入効果評価手段9、を備えており、インタフェース装置10を通じてユーザからの指示を受け取ると共に、ユーザに対して処理結果や処理途中のデータを出力する。
電力品質評価システム1はまた、各手段2〜9により利用するデータベースとして、補償装置情報データベース11、電力品質計算値データベース12、導入前電力品質標準値データベース13、導入後電力品質標準値データベース14、判定値データベース15、機器・負荷情報データベース16、評価結果データベース17、を備えている。以下には、各手段2〜9とその利用先の各データベース11〜17について順次説明する。
導入装置選択手段2は、電力品質補償装置に関する情報が予め蓄積・保存された補償装置情報データベース11を利用する。すなわち、導入装置選択手段2は、補償装置情報データベース11に予め登録された複数の電力品質補償装置の中から、導入評価対象となる電力品質補償装置を選択する。
なお、「電力品質補償装置」は、前述した通り、電力品質を改善するために電力系統に導入可能な装置であり、電力品質の悪化を防止あるいは低減するための各種の電力設備を含むが、具体的には、電力品質の種類に共通する装置や、電力品質の種類に特有な装置等がある。例えば、高調波に対しては、電力用フィルタ(LCフイルタ)、アクティブフィルタ等、電圧変動に対しては、SVC(静止型無効電力補償装置)、UPS(無停電電源システム)等、瞬時電圧低下に対しては、UPS等がある。また、電圧不平衡に対しては、送電線のねん架や分岐線の相間の均一化等により不平衡電圧の発生を防止している。
導入前関数作成手段3は、測定データから計算された電力品質値の計算値データを保存する電力品質計算値データベース12と、電力品質補償装置導入前の電力品質値の標準値データを保存する導入前電力品質標準値データベース13を利用する。すなわち、導入前関数作成手段3は、測定データを用いて計算した電力品質値の計算値データ、あるいは、導入前電力品質標準値データベース13に予め用意された電力品質値の標準値データを用いて、電力品質補償装置の導入前における電力品質の確率密度関数を導入前確率密度関数として作成する。
導入後関数作成手段4は、電力品質補償装置導入後の電力品質値の標準値データを保存する導入後電力品質標準値データベース14を利用する。すなわち、導入後関数作成手段4は、導入後電力品質標準値データベース14に予め用意された電力品質値の標準値データを用いて、電力品質補償装置の導入後における電力品質の確率密度関数を導入後確率密度関数として作成する。
判定値設定手段5は、電力品質の程度を判定するための判定値を保存する判定値データベース15を利用する。すなわち、判定値設定手段5は、判定値データベース15に予め用意された判定値の中から、要求される電力品質の程度に応じた判定値を選択して設定するか、あるいは、任意の判定値を設定する。
導入前電力品質評価手段6は、導入前関数作成手段3で作成された導入前確率密度関数と、判定値設定手段5で設定された判定値を用いて、電力品質補償装置の導入前における電力品質の程度を評価する。導入後電力品質評価手段7は、導入後関数作成手段4で作成された導入後確率密度関数と、判定値設定手段5で設定された判定値を用いて、電力品質補償装置の導入後における電力品質の程度を評価する。
補償効果算出手段8は、導入前電力品質評価手段6および導入後電力品質評価手段7で得られた電力品質補償装置の導入前後における電力品質の各評価結果に基づいて、電力品質補償装置を導入した場合の電力品質補償効果を示す指標値を算出する。
導入効果評価手段9は、補償装置情報データベース11、電力品質補償装置以外の機器や負荷に関する情報が予め蓄積・保存された機器・負荷情報データベース16、および電力品質補償装置を導入した場合の評価結果に関する情報を保存する評価結果データベース17を利用する。
すなわち、導入効果評価手段9は、電力品質補償効果に関する情報に基づき、補償装置情報データベース11および機器・負荷情報データベース16に保存された電力品質補償装置およびそれ以外の機器や負荷に関する情報を用いて、電力品質補償装置の導入効果を経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価し、評価結果を評価結果データベース17に保存する。
なお、「電力品質補償効果に関する情報」は、前述した通り、電力品質補償効果に関する各種の情報を意味しており、補償効果算出手段8により算出される「電力品質補償効果を示す指標値」に限らず、電力品質の程度を示す値や電力品質評価結果を示す値等、電力品質補償効果の程度と何らかの相関関係を有する各種の関連情報およびその相関関係に関する情報を含む広い概念である。この「電力品質補償効果に関する情報」は、基本的には、本実施形態の電力品質評価システム1内で得られる情報を示している。
なお、図1中においては、簡略化の観点から「データベース」を「DB」と略して示しているが、他の図面および以降の説明においても、同様に「データベース」を適宜「DB」と略称している。
なお、このような電力品質評価システム1は、具体的には、コンピュータのメインメモリとそれに記憶された電力品質補償用として特化されたプログラム、そのプログラムによって制御されるCPU、等により実現される。また、インタフェース装置10は、キーボードやマウス等の入力装置、ディスプレイやプリンタ等の出力装置等により実現される。
[電力品質評価処理の概要]
図2は、以上のような構成を有する本実施形態の電力品質評価システム1による電力品質評価処理(S100)の一例を示すフローチャートである。以下には、このフローチャートを参照しながら、本実施形態による電力品質評価処理の概要について説明する。
まず、図2に示すように、インタフェース装置10を通じて、評価対象となる電力系統のリスト表示を行い、ユーザから評価対象となる電力系統の指定が与えられた場合(S111のYES)には、導入装置選択手段2により、導入装置選択処理として、補償装置情報データベース11に予め登録された複数の電力品質補償装置の中から、導入評価対象となる電力品質補償装置を選択する(S120)。
具体的には、評価対象となる電力系統に関連付けられた複数の電力品質補償装置の情報を、インタフェース装置10を通じてリスト表示し、ユーザから評価対象となる電力品質補償装置の指定が与えられた場合に、その指定された電力品質補償装置を導入評価対象として選択する。なお、選択された電力品質補償装置の情報は、導入後関数作成手段4に送られる。
次に、導入前関数作成手段3により、導入前関数作成処理として、測定データを用いて計算した電力品質値の計算値データ、あるいは、導入前電力品質標準値データベース13に予め用意された電力品質値の標準値データを用いて、電力品質補償装置の導入前における電力品質の確率密度関数を導入前確率密度関数として作成する(S130)。具体的には、計算値データあるいは標準値データとして得られる電力品質補償装置導入前の電力品質値を集計し、その集計結果を用いて電力品質補償装置導入前の電力品質確率密度関数を作成する。
次に、導入後関数作成手段4により、導入後関数作成処理として、導入後電力品質標準値データベース14に予め用意された電力品質値の標準値データを用いて、電力品質補償装置の導入後における電力品質の確率密度関数を導入後確率密度関数として作成する(S140)。具体的には、標準値データとして得られる電力品質補償装置導入後の電力品質値を集計し、その集計結果を用いて電力品質補償装置導入前の電力品質確率密度関数を作成する。
次に、判定値設定手段5により、判定値設定処理として、判定値データベース15に予め用意された判定値の中から、要求される電力品質の程度に応じた判定値を選択して設定するか、あるいは、任意の判定値を設定する(S150)。具体的には、評価対象となる電力系統に要求される電力品質の程度またはそれに応じた判定値の候補を、インタフェース装置10を通じてリスト表示し、ユーザから電力品質の程度または判定値の指定が与えられた場合に、その指定された電力品質の程度に応じた判定値、リスト中の判定値あるいは任意の判定値が指定された場合には、その判定値自身を、使用する判定値として設定する。
次に、導入前電力品質評価手段6により、導入前電力品質評価処理として、導入前関数作成手段3で作成された導入前確率密度関数と、判定値設定手段5で設定された判定値を用いて、電力品質補償装置の導入前における電力品質の程度を評価する(S160)。次に、導入後電力品質評価手段7により、導入後電力品質評価処理として、導入後関数作成手段4で作成された導入後確率密度関数と、判定値設定手段5で設定された判定値を用いて、電力品質補償装置の導入後における電力品質の程度を評価する(S170)。
次に、補償効果算出手段8により、補償効果算出処理として、導入前電力品質評価手段6および導入後電力品質評価手段7で得られた電力品質補償装置の導入前後における電力品質の各評価結果に基づいて、電力品質補償装置を導入した場合の電力品質補償効果を示す指標値を算出する(S180)。この場合、算出された電力品質補償効果は、インタフェース装置10を通じて表示され、ユーザに対して導入評価対象となる電力品質補償装置を変更するか否かの確認が行われる。
このような確認に対して、他の電力品質補償装置の導入についての電力品質評価を希望する場合に、ユーザから、電力品質補償装置の変更指示が与えられた場合(S112のYES)には、導入装置選択処理(S120)に戻る。また、ユーザから、電力品質補償装置の変更指示が与えられない場合(S112のNO)には、導入効果評価手段9による導入効果評価処理(S190)に進む。
導入効果評価手段9は、導入効果評価処理として、電力品質補償効果に関する情報に基づき、補償装置情報データベース11および機器・負荷情報データベース16に保存された電力品質補償装置およびそれ以外の機器や負荷に関する情報を用いて、電力品質補償装置の導入効果を経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価し、評価結果を評価結果データベース17に保存する(S190)。また、この場合、得られた導入効果評価結果は、インタフェース装置10を通じて表示され、ユーザに対して評価対象となる電力系統を変更するか否かの確認が行われる。
このような確認に対して、他の電力系統についての電力品質評価を希望する場合に、ユーザから、電力系統の変更指示が与えられた場合(S113のYES)には、インタフェース装置10を通じて、ユーザに対して評価対象となる電力系統のリスト表示を行い、ユーザからの評価対象となる電力系統の指定の有無を確認する(S111)。そして、ユーザから評価対象となる電力系統の指定が与えられた場合(S111のYES)には、導入装置選択処理(S120)に進む。
[電力品質評価処理の基本的な特徴]
以下には、上記のような本実施形態の電力品質評価システム1とそれによる電力品質評価処理(S100)の基本的な特徴として、電力品質の具体的な評価項目、導入前と導入後の関数作成処理、導入前と導入後の電力品質評価処理、補償効果算出処理の詳細、およびこれらの処理で取り扱う具体的なデータや指標値、計算式等について、順次説明する。
[電力品質の評価項目・指標・計算式]
図3は、本実施形態に係る電力品質品質評価システム1が評価対象とする電力品質の代表的な評価項目とその指標および計算式を示す図である。この図3に示すように、本実施形態における電力品質の具体的な評価項目は、高調波、電圧変動、電圧不平衡、瞬時電圧低下、停電時間であり、各項目の指標および計算式は次の通りである。
高調波の代表的な指標としては、実効値に対する高調波分のみの実効値の比率を示す総合ひずみ率があり、計算式は以下の式(1)で表される。高調波分が小さい程、総合ひずみ率は小さくなり、電力品質は高くなる。高調波分が全くない場合には、総合ひずみ率は零となる。
電圧変動の指標としては、基準電圧当たりの電圧変動の大きさを示す電圧変動率があり、計算式は以下の式(2)で表される。電圧変動が小さい程、電圧変動率の絶対値は小さくなり、電力品質は高くなる。電圧変動が全くない場合には、電圧変動率は零となる。また、電圧変動がプラス側であると、電圧変動率はプラスになり、電圧変動がマイナス側であると、電圧変動率はマイナスとなる。
電圧不平衡の指標としては、正相電圧の絶対値に対する逆相電圧の絶対値の比率を示す電圧不平衡率があり、計算式は以下の式(3)で表される。逆相電圧が小さい程、電圧不平衡率は小さくなり、電力品質は高くなる。逆相電圧が全くない場合には、電圧変動率は零となる。
瞬時電圧低下(瞬低とも呼ばれる)の指標としては、基準電圧当たりの電圧低下量を示す電圧低下率や瞬時電圧低下の継続時間がある。ここでは、電圧低下率を考えるものとし、計算式は以下の式(4)で表される。電圧低下量が小さい程、電圧低下率は小さくなり、電力品質は高くなる。電圧低下量が全くない場合には、電圧低下率は零となる。
総合ひずみ率=高調波分のみの実効値÷実効値 …(1)
電圧変動率=電圧変動(の大きさ)÷基準電圧 …(2)
電圧不平衡率=|逆相電圧|÷|正相電圧| …(3)
電圧低下率=電圧低下量÷基準電圧 …(4)
[導入前関数作成処理]
前述したように、導入前関数作成手段3による導入前関数作成処理(S130)においては、測定データを用いて計算した電力品質値の計算値データ、あるいは、導入前電力品質標準値データベース13に予め用意された電力品質値の標準値データを用いて、導入前確率密度関数を作成する。
図4は、導入前関数作成処理(S130)において、測定データを用いて電力品質値を計算する電力品質計算処理を実現するための電力品質評価システム外部を含めた構成を示す構成図であり、図5は、図4に示す構成における導入前関数作成手段3による導入前関数作成処理(S130)の一例を示すフローチャートである。なお、図4においては、図面の簡略化の観点から、電力品質評価システム1の構成のうち、導入前関数作成手段3とそのデータベース12,13のみを示し、他の構成については記載を省略している。
図5に示すように、導入前関数作成手段3は、予め設定された設定内容あるいはユーザからの指示に基づき、電力品質計算が必要な場合(S1310のYES)には、測定データを用いて電力品質値を計算する電力品質計算処理(S1320)を行う。この電力品質計算処理(S1320)において、導入前関数作成手段3はまず、電気量の読み込みを行う(S1321)。
すなわち、図4に示す電力系統301に設置されたCT、PT等の計器用変圧器302から得られる電力系統の電圧、電流等の電気量の測定データは、AD変換装置303によりアナログデータからデジタルデータに変換された後、本実施形態の導入前関数作成手段3により読み込まれる。
この場合、デジタルデータに変換された電気量の測定データは、電気量データベース304に蓄えられた後、この電気量データベース304から読み込まれるか、あるいは、AD変換装置303から導入前関数作成手段3により電力品質評価システム1内に直接読み込まれる。なお、このように電気量の測定データを取得する技術は、電力系統の監視制御の分野で周知である。
図5に示すように、導入前関数作成手段3は次に、読み込まれた電気量の測定データを用いて、総合ひずみ率、電圧変動率、電圧不平衡率、電圧低下率等の電力品質値を計算する(S1322)。導入前関数作成手段3は、計算した電力品質値を、電力品質値の計算値データとして電力品質計算値データベース12に保存した(S1323)後、計算値データの電力品質値集計処理(S1330)を行う。すなわち、この計算値データの電力品質値集計処理において、導入前関数作成手段3は、電力品質計算値データベース12に保存した電力品質値の計算値データを集計する(S1330)。
これに対して、導入前電力品質標準値データベース13に予め用意された電力品質値の標準値データを用いる場合(S1310のNO)には、導入前関数作成手段3は、上記のような電力品質計算処理(S1320)を省略して、標準値データの電力品質値集計処理(S1340)を行う。すなわち、この標準値データの電力品質値集計処理において、導入前関数作成手段3は、導入前電力品質標準値データベース13に保存した電力品質値の標準値データを集計する(S1340)。
導入前関数作成手段3は、計算値データの電力品質値集計処理(S1330)または標準値データの電力品質値集計処理(S1340)の集計結果を用いて確率密度関数適用処理を行い、電力品質補償装置導入前の電力品質確率密度関数を作成する(S1350)。
[導入後関数作成処理]
前述したように、導入後関数作成手段4による導入後関数作成処理(S140)においては、導入後電力品質標準値データベース14に予め用意された電力品質値の標準値データを用いて、導入後確率密度関数を作成する。
図6は、導入後関数作成手段4による導入後関数作成処理(S140)の一例を示すフローチャートである。この図6に示すように、導入後関数作成処理(S140)において、導入後関数作成手段4は、標準値データの電力品質値集計処理として、導入後電力品質標準値データベース14に保存した電力品質値の標準値データを集計した(S1410)後、この集計結果を用いて確率密度関数適用処理を行い、電力品質補償装置導入後の電力品質確率密度関数を作成する(S1420)。
[電力品質計算値データベースの具体例]
図7は、導入前関数作成手段3による前述の電力品質計算処理(S1320)により得られた電力品質値の計算値データを保存した電力品質計算値データベース12の一例を示す図である。時系列に、電力品質値として、総合ひずみ率、電圧変動率、電圧不平衡率、電圧低下率をデータベース化した例を示したものである。なお、図7中において、符号「*」は、具体的な数値を示している。以降の各図面中においても、符号「*」の意味は同様である。
この図7に沿って説明すると、電力品質計算値データベース12の電力品質値(計算値データ)は、図3で示した電力品質の指標を、電気量の測定データから、前述の式(1)〜式(4)に従って計算した値である。
例えば、電力品質評価項目が高調波の場合、電力品質値は、式(1)に従って計算された総合ひずみ率である。また、電力品質評価項目が電圧変動の場合、電力品質値は、式(2)に従って計算された電圧変動率である。同様に、電力品質評価項目が電圧不平衡の場合、電力品質値は、式(3)に従って計算された電圧不平衡率である。同じく、電力品質評価項目が瞬時電圧低下の場合、電力品質値は、式(4)に従って計算された電圧低下率である。
[導入前電力品質標準値データベースの具体例]
図8は、導入前電力品質標準値データベース13の一例を示す図である。この図8に示すように、導入前電力品質標準値データベース13には、電力品質値の標準値データが予め蓄積・保存されている。なお、図8に示す導入前電力品質標準値データベース13は、図7の電力品質計算値データベース12と同様に、時系列に、電力品質値として、総合ひずみ率、電圧変動率、電圧不平衡率、電圧低下率をデータベース化したものである。
[導入後電力品質標準値データベースの具体例]
図9は、導入後電力品質標準値データベース14の一例を示す図である。この図9に示すように、導入後電力品質標準値データベース14には、複数の電力品質補償装置1〜nについて、電力品質補償装置毎に、電力品質値の標準値データが予め蓄積・保存されている。
なお、図9に示す導入後電力品質標準値データベース14は、図7の電力品質計算値データベース12および図8の導入前電力品質標準値データベース13と同様に、時系列に、電力品質値として、総合ひずみ率、電圧変動率、電圧不平衡率、電圧低下率をデータベース化したものである。
[電力品質値集計処理結果の具体例]
図10は、導入前関数作成手段3および導入後関数作成手段4による電力品質値集計処理結果の一例を示す図である。この例は、図7〜図9に示した電力品質値から、時刻tがある期間内である電力品質値を集計し、ヒストグラムにより表したものであり、縦軸が度数、横軸が電力品質値である。
前述の式(1)〜式(4)から明らかなように、電力品質値が零の場合に、電力品質は最も高くなり、電力品質値が零からプラス方向またはマイナス方向にいくにつれて、電力品質は低下する。図10の例は、電力品質値がプラスマイナス両方向に値を持っており、電力品質値を電圧変動率とした場合が当てはまる。通常、電力品質値が零の場合、すなわち、品質が最も高い場合が最も度数が大きく、品質が悪くなるにつれて度数は小さくなり、図10に示すような、中央部が高く周辺部が小さくなる形状をしている。このような分布は、確率分布として表現できる。
[確率密度関数の具体例]
図11は、導入前関数作成手段3および導入後関数作成手段4による確率密度関数適用処理により作成された電力品質確率密度関数の一例を示す図である。図10のように集計された電力品質値のヒストグラムを確率密度関数として正規分布に当てはめた例を示す図である。正規分布の確率密度関数は、以下の式(7)で表される。式(7)において、xは電力品質値、σは標準偏差である。式(5)は、電力品質値の平均値を求める式であり、wは度数を示す。また、標準偏差σは、式(6)で求められる。
Figure 2006243793
また、図12は、正規分布と標準偏差の関係を示す図である。この図12に示すように、正規分布が標準偏差±1に入る確率は68%、標準偏差±2に入る確率は95%、標準偏差±3に入る確率は99.73%である。なお、以降の説明においては、「標準偏差±1」〜「標準偏差±3」を「1σ」〜「3σ」と表現し、あるいは併記する。
[電力品質を示す尺度]
導入前電力品質評価手段6および導入後電力品質評価手段7における導入前後の各電力品質評価処理においては、電力品質の程度を判定するために、判定値設定手段5で設定した判定値を用いる。電力品質評価処理においては、判定値と正規分布との関係から、電力品質を示す尺度としてσ値を使用することができる。以下には、この点について説明する。
まず、σ値は、以下の式(8)で定義できる。
Figure 2006243793
また、図13と図14は、いずれも、判定値と正規分布の関係を示す図である。このうち、図13においては、一例として、判定値が「標準偏差±3(3σ)」である場合を示している。この図13に示すように、判定値の絶対値が比較的大きく、したがって、判定基準が比較的緩やかな場合に、プラス側とマイナス側の判定値に挟まれる領域に対して電力品質値のばらつきの方が小さく、その分布がプラス側とマイナス側の判定値の間に収まる場合には、σ値は大きな値となる。すなわち、図13の例においては、σ値は「3」となる。
これに対して、図14においては、一例として、判定値が「標準偏差±1(1σ)」である場合を示している。この図14に示すように、判定値の絶対値が比較的小さく、したがって、判定基準が比較的緩やかな場合に、プラス側とマイナス側の判定値に挟まれる領域に対して電力品質値のばらつきの方が大きく、その分布がプラス側とマイナス側の判定値の外側にはみ出す場合には、σ値は小さな値となる。すなわち、図14の例においては、σ値は「1」となる。
このように、σ値が大きい程、判定値に対して電力品質値のばらつきの方が小さくなり、電力品質の評価は高くなる。逆に、σ値が小さくなれば、判定値に対して電力品質値のばらつきの方が大きくなり、電力品質の評価は低くなる。したがって、σ値は電力品質を示す尺度として使用できる。
[電力品質評価処理]
導入前電力品質評価手段6および導入後電力品質評価手段7による電力品質評価処理においては、電力品質を示す尺度としてσ値を使用して電力品質補償装置の導入前後における電力品質の程度を評価する。すなわち、本実施形態において使用している「σ値」は、前述の式(8)に示すように、「正規分布の確率密度関数の標準偏差σ」と「判定値」により定義される値であるため、この「σ値を用いる」ことは、「確率密度関数と判定値を用いる」ことに相当する。
図15は、導入前電力品質評価手段6による、上記のようなσ値を用いた導入前電力品質評価処理(S160)の一例を示すフローチャートである。この図15に示すように、導入前電力品質評価手段6は、導入前電力品質評価処理(S160)において、まず、σ値計算処理として、前述の式(8)を用いて電力品質補償装置導入前のσ値を計算した(S1610)後、電力品質評価値計算処理として、計算したσ値を用いて電力品質補償装置導入前の電力品質評価値を計算する(S1620)。
なお、導入後電力品質評価手段7による導入後電力品質評価処理(S170)のフローチャートについては、図示していないが、導入前電力品質評価処理(S160)と同様に、σ値計算処理と電力品質評価値計算処理を順次行う。
また、図16は、以上のような導入前電力品質評価手段6または導入後電力品質評価手段7による導入前電力品質評価処理(S160)または導入後電力品質評価処理(S170)の処理結果として、電力品質評価値の算出例を示す図である。この図16に示すように、σ値の大きさによって電力品質を容易に評価することができる。すなわち、σ値が大きい程、電力品質は高いといえるので、図16に示すように、σ値の大きさによって電力品質の高い方から5段階の電力品質評価値「5」〜「1」で評価することができる。
[補償効果算出処理]
前述したように、電力品質評価処理においてσ値を計算し、計算したσ値からさらに電力品質評価値を計算する場合には、図17に示すように、σ値と電力品質評価値のいずれか一方で補償効果を示す指標値(補償効果指標値)を計算することができる。ここで、図17は、σ値と電力品質評価値のいずれか一方で補償効果指標値を計算する場合の、補償効果算出手段8による補償効果算出処理(S180)の一例を示すフローチャートである。
この図17に示すように、補償効果算出手段8は、補償効果算出処理(S180)において、予め設定された設定内容あるいはユーザからの指示に基づき、σ値による補償効果の評価を行う場合(S1810のYES)には、「σ値による補償効果計算処理」として、σ値を用いて補償効果指標値を計算し(S1820)、電力品質評価値による補償効果の評価を行う場合(S1810のNO)には、「電力品質評価値による補償効果計算処理」として、電力品質評価値を用いて補償効果指標値を計算する(S1830)。
また、図18は、以上のような補償効果算出手段8による補償効果算出処理(S180)の処理結果として、補償効果指標値の算出例を示す図である。この図18においては、一例として、電力品質補償装置の導入前において、σ値が「2」、電力品質評価値が「3」であり、また、導入後において、σ値が「3」、電力品質評価値が「4」である場合を示している。
この場合、補償効果指標値は、σ値で計算する場合には、以下の式(9)で、また、電力品質評価値で計算する場合には、以下の式(10)でそれぞれ計算できる。
(補償効果指標値)=(導入後σ値)−(導入前σ値) …(9)
(補償効果指標値)=(導入後の電力品質評価値)−(導入前の電力品質評価値)
…(10)
したがって、図18に示す例において、σ値で計算される補償効果指標値は、式(9)を用いて、電力品質補償装置導入後のσ値「3」から電力品質補償装置導入前のσ値「2」を引いて「1」となる。また、電力品質評価値で計算される補償効果指標値は、式(10)を用いて、電力品質補償装置導入後の電力品質評価値「4」から電力品質補償装置導入前の電力品質評価値「3」を引いて「1」となる。
[基本的な作用効果]
以上のような基本的な特徴を有する本実施形態の電力品質評価システムと電力品質評価処理によれば、次のような作用効果が得られる。
すなわち、電力品質補償装置の導入前後における確率密度関数を求め、導入前後の確率密度関数と判定値を用いて導入前後における電力品質の程度を評価し、この評価結果に基づき、電力品質補償装置を導入した場合の電力品質補償効果を示す補償効果指標値を算出することにより、電力品質補償装置の導入効果を、電力品質悪化現象の発生確率を考慮して電気的な側面から求めることができる。
また、電力品質補償装置の導入効果における経済性の側面については、電力品質補償効果を示す補償効果指標値に基づき、電力品質補償装置を導入した場合の損害改善額やコストを求めることができる。
したがって、本実施形態によれば、電力品質を改善するための電力品質補償装置を導入する場合の導入効果を、電力品質悪化現象の発生確率を考慮して、経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価することができる。また、このように、経済性の側面と電気的な側面の両方からの総合的な評価が実施できるので、信頼性の高い評価情報が提供できる。また、そのような2つの側面からの評価を、単一のシステムで実施できるため、経済性の側面と電気的な側面について個別のシステムで評価した場合に比べて、評価結果に関する情報をスピーディーに提供することができるという効果も得られる。
[電力品質評価処理の他の特徴]
以下には、上記のような本実施形態の電力品質評価システム1による電力品質評価処理(S100)の他の特徴として、判定値設定処理の詳細、導入効果評価手段9の構成とそれによる導入効果評価処理の詳細、およびこれらの処理で取り扱う具体的なデータや指標値、計算式等について、順次説明する。
[需要家の必要による判定値設定処理]
前述したように、判定値設定手段5による判定値設定処理(S150)においては、要求される電力品質の程度に応じた判定値を選択して設定するか、あるいは、任意の判定値を設定する。
図19は、判定値設定手段5による判定値設定処理(S150)の一例を示すフローチャートである。この図19に示すように、判定値設定処理(S150)において、判定値設定手段5は、まず、判定値を任意で設定するか否かを選択し(S1510)、その選択結果に応じて、任意の判定値設定処理(S1520)または需要家の電力品質要求度による判定値設定処理(S1530)を行う。
ここで、「需要家の電力品質要求度」は、需要家が必要とする電力品質の程度を意味している。すなわち、この図19に示すような判定値設定処理(S150)を行う場合に、判定値設定手段5の判定値データベース15には、評価対象となる全ての電力系統の需要家毎あるいは需要家の種別毎に、当該需要家あるいは当該需要家種別の電力品質要求度に応じた複数の判定値に関する情報が予め格納されている。
続いて、電力品質の程度と損害の関係を示す損害曲線を用いて、判定値の変更が可能であるか否かを選択し(S1540)、判定値の変更が可能である場合には、損害曲線による判定値変更処理(S1550)を行う。これらの処理により最終的に得られた判定値を電力品質評価処理(S160,S170)に用いる判定値として決定する。
以下には、このような図19に示す判定値設定処理(S150)を行うことにより得られる作用効果について説明する。
図20は、本実施形態で使用する確率密度関数と判定値の関係を示す図である。この図20に示すように、確率密度関数が同じであっても、判定値の大きさが異なると、電力品質の評価が異なる。なお、図20において、判定値「α」は、電力品質の判定基準が比較的厳しい場合に設定される判定値の一例であり、判定値「β」は、電力品質の判定基準が比較的緩やかな場合に設定される判定値の一例である。
この例において、判定値が「α」の場合は、2>σ値≧1であるから、図16に示すように、電力品質評価値は「2」となる。また、判定値が「β」の場合は、4>σ値≧3であるから、電力品質評価値は「4」となる。
このように、電力品質の判定基準が比較的厳しい場合、すなわち、判定値の絶対値が比較的小さい場合には、電力品質評価値は比較的小さくなり、電力品質の評価結果は比較的低くなる。また、電力品質の判定基準が比較的緩やかな場合、すなわち、判定値の絶対値が比較的大きい場合には、電力品質評価値は比較的大きくなり、電力品質の評価結果は比較的高くなる。
一方、評価対象である電力系統において要求される電力品質は、当該電力系統の需要家が必要とする電力品質の程度に応じて異なる。例えば、精密機械工場やコンピュータ使用工場のように、高品質な電力品質の電力を望む需要家に対しては、判定値を比較的厳しくする必要があり、それほど高品質な電力を必要としない一般需要家に対しては、判定値は比較的緩やかでもかまわない。
したがって、上述した需要家の電力品質要求度による判定値設定処理(S1530)を行うことにより、需要家毎あるいは需要家種別毎の電力品質要求度に応じた適切な判定値を容易に設定することができ、そのような適切な判定値を用いて、より高精度な電力品質評価を行うことが可能となる。
また、図21は、本実施形態で使用する損害曲線と確率密度関数の関係を示す図である。この図21に示すように、一般に、損害曲線で示される損害の値は、電力品質値が一定値を超えると急激に上昇する。したがって、このように、損害が急激に上昇するか否かの境界となるプラス側とマイナス側の電力品質値の間で判定値を設定することにより、損害が最小となるような電力品質に保つことができる。図21に示す例において、σ値が「3」となり、電力品質評価値が「4」となるような良好な電力品質であれば、損害がほとんど「0」となる確率は99.73%である。
したがって、上述した損害曲線による判定値変更処理(S1550)を行うことにより、電力品質の程度と損害の関係を用いて、損害が最小となるような電力品質を保持する適切な判定値を容易に設定することができ、そのような適切な判定値を用いて、損害が最小となるような電力品質評価を行うことが可能となる。
なお、図19に示す判定値設定処理(S150)の変形例としては、逆に、損害曲線による判定値の設定を行った後に、需要家の電力品質要求度による判定値の変更を行うことも可能である。また、別の変形例としては、需要家の電力品質要求度による判定値の設定のみを行ったり、逆に、損害曲線による判定値の設定のみを行うこと等も可能である。
[導入効果評価手段とそれによる導入効果評価処理]
図22は、導入効果評価手段9の構成の一例を示す構成図である。この図22に示すように、導入効果評価手段9は、電力品質補償装置の導入効果を経済性の側面から評価する経済性評価手段91と、電力品質補償装置の導入効果を電気的な側面から評価する電気的評価手段92と、経済性の側面と電気的な側面における各評価結果に基づいて、電力品質補償装置の導入効果の総合的な評価を行う総合評価手段93を有する。
このうち、経済性評価手段91は、損害曲線と補償効果指標値に基づいて電力品質補償装置を導入した場合の損害改善効果を示す指標値(損害改善効果指標値)と導入コストおよびランニングコストを算出し、これらの値の関係に応じて経済性を評価する手段である。また、電気的評価手段92は、電力品質補償装置を導入した場合のシミュレーションを実行してその結果を評価する手段である。また、総合評価手段93は、各電力品質補償装置について得られた経済性の評価結果と電気的な評価結果を合わせて出力、表示する手段である。
図23は、図22に示すような導入効果評価手段9による導入効果評価処理(S190)の一例を示すフローチャートである。
この図23に示すように、導入効果評価処理(S190)において、導入効果評価手段9は、まず、経済性評価手段91による経済性評価処理として、損害曲線と電力品質補償効果に基づいて電力品質補償装置を導入した場合の損害改善効果指標値と導入コストおよびランニングコストを算出し、これらの値の関係に応じて経済性を評価する(S1910)。
導入効果評価手段9は次に、電気的評価手段92による電気的評価処理として、経済性評価処理(S1910)で用いた電力品質補償装置に関する情報(導入装置情報)と機器・負荷情報データベース16に保存された電力品質補償装置以外の機器や負荷に関する情報を用いて、電力品質補償装置を導入した場合のシミュレーションを実行し、その結果を評価する(S1920)。この場合、シミュレーションの評価結果は、評価結果データベース17に保存される。すなわち、この例において、評価結果データベース17には、電気的な評価結果のみが保存される。
続いて、総合評価手段93による総合評価処理として、各電力品質補償装置について得られた経済性の評価結果と電気的な評価結果を合わせて、インタフェース装置10を通じて出力、表示する(S1930)。図24は、このように出力、表示される総合的な評価結果の一例を示す図である。なお、図24中において、符号「####」は、具体的なファイルを示している。以降の各図面中においても、符号「####」の意味は同様である。
上述したような図22の導入効果評価手段9による図23の導入効果評価処理(S190)を行うことにより、電力品質補償装置を導入した場合の損害改善効果や導入コストおよびランニングコストを考慮して、高精度の経済性評価を実現できると共に、電力品質補償装置を導入した場合のシミュレーションを実行してその結果を評価することで、高精度の電気的評価を実現できる。したがって、電力品質を改善するための電力品質補償装置を導入する場合の導入効果を、経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的にかつより高精度に評価することができる。
[導入効果評価処理の詳細]
以下には、上述したような図22の導入効果評価手段9による図23の導入効果評価処理(S190)における経済性評価処理(S1910)と電気的評価処理(S1920)について、より詳細に説明する。
[経済性評価処理]
図25は、経済性評価手段91による経済性評価処理(S1910)の一例を示すフローチャートである。
この図25に示すように、経済性評価処理(S1910)において、経済性評価手段91はまず、電力品質補償装置の導入前と導入後の損害曲線を作成する導入前損害曲線作成処理(S1911)と導入後損害曲線作成処理(S1912)を行う。これらの損害曲線作成処理(S1911、S1912)においては、以下に示す式(11)により、電力品質値の関数として、導入前と導入後の損害曲線をそれぞれ作成する。なお、式(11)において、xは電力品質値を示している。
次に、電力品質補償装置の導入前の損害曲線と確率密度関数から導入前の損害指標値を計算する導入前損害指標値計算処理(S1913)、および、電力品質補償装置の導入後の損害曲線と確率密度関数から導入後の損害指標値を計算する導入後損害指標値計算処理(S1914)を行う。これらの損害指標値計算処理(S1913、S1914)においては、以下に示す式(12)により、電力品質確率密度・損害曲線を定義して、式(13)により電力品質損害指標値を計算する。
Figure 2006243793
図26は、電力品質確率密度・損害曲線と電力品質損害指標値の関係を示す図である。すなわち、一般的に、電力品質確率密度・損害曲線は、図26に示すように表すことができ、また、電力品質損害指標値は、式(13)で示される電力品質確率密度・損害曲線の積分値であるから、電力品質確率密度関数と損害曲線の関係によって電力品質損害指標値は変化する。
例えば、損害曲線が変化しない場合に、電力品質補償装置導入前の電力品質確率密度・損害曲線が図26で表されるとすると、電力品質補償装置導入後の電力品質確率密度・損害曲線は図27に示すようになり、したがって、電力品質補償装置導入後の電力品質損害指標値は小さくなる。
すなわち、図26、図27から明らかなように、損害曲線が変化しない場合には、電力品質が高い(=電力品質確率密度関数の広がりが小さくなる)ほど、電力品質損害指標値が小さくなり、電力品質が低い(=電力品質確率密度関数の広がりが大きくなる)ほど、電力品質損害指標値が大きくなる。これらから、電力品質損害指標値は電力品質の指標となることが分かる。
図28は、電力品質評価値と電力品質損害指標値の関係を示す図である。この図28に示すように、電力品質損害指標値が小さい程、電力品質評価値は高品質を示す値となる。
このような電力品質評価値と電力品質損害指標値の関係に基づき、経済性評価手段91は、損害改善効果算出処理として、以下の式(14)により損害改善効果指標値を計算する(S1915)。
(損害改善効果指標値)=(導入前の電力品質損害指標値)
−(導入後の電力品質損害指標値) …(14)
さらに、この損害改善効果算出処理(S1915)において、以下に示すような電力品質補償装置の導入コストやランニングコストを考慮した式(15)、式(16)を用いることにより、導入コストやランニングコストを考慮した損害改善効果指標値を計算することができる。
(損害改善効果指標値)=(導入前の電力品質損害指標値)
−(導入後の電力品質損害指標値+導入コスト)
…(15)
(損害改善効果指標値)=(導入前の電力品質損害指標値(1年あたり)×年数)
−(導入後の電力品質損害指標(1年あたり)×年数
+導入コスト+ランニングコスト(1年あたり)×年数)
…(16)
電力品質補償装置の導入コストが高くなれば、式(15)、式(16)の第2項が大きくなるため、損害改善効果指標値は小さくなる。また、電力品質補償装置のランニングコストが高くなれば、式(16)の第2項が大きくなるため、損害改善効果指標値は小さくなる。
以上のような図25の経済性評価処理(S1910)を行うことにより、電力品質補償装置を導入した場合の損害改善効果指標値を算出することができる。なお、一般的に、損害改善効果指標値は、損害改善額として算出される。
[経済性評価処理の計算例]
上記のような損害改善効果指標値の計算式(16)において、採算が合うためには、損害改善効果指標値がプラスになる必要がある。図29は、損害改善効果指標値をプラスにするための具体的な計算例(S19100)を示すフローチャートである。
この図29に示すように、まず、電力品質補償装置導入前の電力品質損害指標値(1年あたり)を計算する(S19101)。次に、電力品質補償装置ループとして、導入する電力品質補償装置の性能、数をパラメータにして導入パターンを決定し(S19102)、決定した導入パターンについて、以下の計算(S19103〜S19105)を行う。すなわち、電力品質補償装置導入後の電力品質損害指標値(1年あたり)を計算し(S19103)、電力品質補償装置の導入コストを計算し(S19104)、ランニングコスト(1年あたり)を計算する(S19105)。なお、「導入パターン」は、導入する電力品質補償装置の性能、数のパラメータにより定義される電力品質補償装置の導入パターンを意味している。
続いて、電力品質補償装置ループ内の年ループとして、年をパラメータにして(S19106)、以下の計算(S19107〜S19109)を行う。すなわち、上記の式(16)で損害改善効果指標値を計算して(S19107)、損害改善効果指標値がプラスか否かを判定し(S19108)、損害改善効果指標値がプラスである場合(S19108のYES)には、当該損害改善効果指標値がプラスとなる電力品質補償装置の導入パターンについてリストへの書き込み(または出力)を行う(S19109)。
そして、電力品質補償装置毎に、以上のような電力品質補償装置ループにより、損害改善効果指標値がプラスである導入パターンをリストへ追加した後、このリストに書き込まれた導入パターンを、損害改善効果指標値が大きい順に並び替え(S19110)、並び替えた後の導入パターンについて、リストへの書き込み(または出力)を行う(S19111)。
経済性評価手段91は、図29のフローチャートにおける損害改善効果指標値がプラスの導入パターンまたは、その損害改善効果指標値が大きい導入パターンを、経済性評価結果として総合評価手段93に出力する。
経済性評価手段91による経済性評価処理(S1910)において、以上のような図29の計算(S19100)を行うことにより、損害改善額と電力品質補償装置コストの関係に基づいて電力品質補償装置の導入パターンにおける採算性を高精度に評価することが可能となる。
[電気的評価手段とそれによる電気的評価処理]
図30は、電気的評価手段92の構成の一例を示す構成図である。この図30に示すように、電気的評価手段92は、シミュレーションの実行と実行結果の評価を行うために、シミュレーションデータ作成手段921、シミュレーション実行手段922、シミュレーション結果評価手段923を有する。
ここで、シミュレーションデータ作成手段921は、電気的な側面からの評価に必要な電力系統情報を設定してシミュレーション用の系統データを作成する手段である。また、シミュレーション実行手段922は、シミュレーション用の系統データを用いて、電力品質補償装置を導入した場合のシミュレーションを実行する手段である。シミュレーション結果評価手段923は、シミュレーションの実行結果に基づいて、電力品質補償装置を導入した場合の電力品質と運転状態について評価する手段である。
図31は、図30に示すような電気的評価手段92による電気的評価処理(S1920)の一例を示すフローチャートである。
この図31に示すように、電気的評価処理(S1920)においてはまず、シミュレーションデータ作成手段921によるシミュレーションデータ作成処理(S1921)として、例えば、図32に示すような、シミュレーションに必要な電力系統情報を設定する。ここで、電力品質補償装置のシミュレーションに必要なデータは、経済性評価手段91からの導入装置情報に基づいて、補償装置情報データベース11から取り出される。
また、電力品質補償装置に関するデータ以外のシミュレーションに必要な電力系統データの一部(例えば、図32に示す発電機、負荷に関するデータ)は、機器・負荷情報データベース16に予め蓄積・保存されている標準的なデータを取り出して使用することも可能であるが、さらに、外部のデータベースや各種のシステムから取得してもよい。
より詳細に説明すれば、シミュレーションデータ作成処理(S1921)においては、取得したデータを用いて、評価しようとする電力品質の種類に対して評価を行うために最適なシミュレーションデータが作成される。例えば、高調波を評価する場合は瞬時値ベースシミュレーション、電圧変動を評価する場合は実効値ベースシミュレーション、電圧不平衡を評価する場合は瞬時値ベースシミュレーション、瞬時電圧低下を評価する場合は実効値ベースシミュレーション、停電を評価する場合は実効値ベースシミュレーション用の各データがそれぞれ作成される。
次に、シミュレーション実行手段922によるシミュレーション実行処理(S1922)として、シミュレーションデータ作成手段921からのシミュレーションデータを用いて、実効値ベースのシミュレーション、あるいは、瞬時値ベースのシミュレーションが実行される。
次に、シミュレーション結果評価手段923によるシミュレーション結果評価処理(S1923)として、シミュレーション結果を用いて、前述の式(1)〜(4)に相当する電力品質評価値が算出される。このシミュレーション結果評価処理(S1923)においてはまた、評価対象の電力系統が正常に運用可能であるか否か(安定運用可能であるか否か)を示す評価が行われる。このようにして、シミュレーション結果から算出された電力品質評価値と運転状態評価結果は、シミュレーション波形と共に、評価結果データベース17に保存される。
図33は、評価結果データベース17の一例を示す図である。この図33に示す例では、電力品質補償装置を導入した場合のシミュレーション評価結果として、電力品質値、運転状態、シミュレーション波形データが評価結果データベース17に保存されている。なお、複数の電力品質補償装置について評価した場合には、電力品質補償装置毎のシミュレーション評価結果が、評価結果データベース17に蓄積・保存される。
[他の実施形態]
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な変形例が実施可能である。例えば、図面に示したシステム構成や装置構成は、一例にすぎず、具体的な構成は適宜選択可能である。また、図面に示したフローチャートは、一例にすぎず、具体的な処理手順や各処理の詳細は適宜選択可能である。
例えば、図2に示したフローチャートは、電力品質評価処理の一例にすぎず、図34〜図36に示すような変形例が可能である。ここで、図34に示す電力品質評価処理は、導入装置選択処理と判定値設定処理を行った後に、導入前に関する各処理と導入後に関する各処理を同時並行的に行うものであり、図35に示す電力品質評価処理は、図34中の判定値設定処理と導入装置選択処理の順序を逆にしたものである。また、図36に示す電力品質評価処理は、さらに、判定値設定処理を行った後に、導入前に関する各処理を行い、続いて、導入装置選択処理を行った後に、導入後に関する各処理を行うものである。
すなわち、本発明において、導入装置選択処理は、少なくとも、導入後に関する各処理を行う前の任意の段階で行えばよく、判定値設定処理は、少なくとも、導入前後の電力品質評価処理を行う前の任意の段階で行えばよい。
さらに、前述した実施形態においては、本発明の手法を、コンピュータのハードウェアとプログラムによりシステムおよび方法として実現する場合について説明したが、本発明の手法は、電力品質評価用として特化されたコンピュータプログラムのみの形態でも実現可能である。
本発明を適用した典型的な実施形態に係る電力品質評価システムの構成を示す構成図。 図1の電力品質評価システムによる電力品質評価処理の一例を示すフローチャート。 図1の電力品質品質評価システムが評価対象とする電力品質の代表的な評価項目とその指標および計算式を示す図。 図2の導入前関数作成処理において、測定データを用いて電力品質値を計算する電力品質計算処理を実現するための電力品質評価システム外部を含めた構成を示す構成図。 図1、図4の導入前関数作成手段による導入前関数作成処理の一例を示すフローチャート。 図1の導入後関数作成手段による導入後関数作成処理の一例を示すフローチャート。 図6の電力品質計算処理により得られた電力品質値の計算値データを保存した電力品質計算値データベースの一例を示す図。 図1の導入前電力品質標準値データベースの一例を示す図。 図1の導入後電力品質標準値データベースの一例を示す図。 図1の導入前関数作成手段および導入後関数作成手段による電力品質値集計処理結果の一例を示す図。 図1の導入前関数作成手段および導入後関数作成手段による確率密度関数適用処理により作成された電力品質確率密度関数の一例を示す図。 図1の電力品質品質評価システムで用いる正規分布と標準偏差の関係を示す図。 図1の電力品質品質評価システムで用いる判定値と正規分布の関係を示す図。 図1の電力品質品質評価システムで用いる判定値と正規分布の関係を、図13とは異なる判定値について示す図。 図1の導入前電力品質評価手段による導入前電力品質評価処理の一例を示すフローチャート。 図1の導入前電力品質評価手段または導入後電力品質評価手段による導入前電力品質評価処理または導入後電力品質評価処理の処理結果として、電力品質評価値の算出例を示す図。 図1の補償効果算出手段による補償効果算出処理の一例を示すフローチャート。 図1の補償効果算出手段による補償効果算出処理の処理結果として、補償効果指標値の算出例を示す図。 図1の判定値設定手段による判定値設定処理の一例を示すフローチャート。 図1の電力品質品質評価システムで用いる確率密度関数と判定値の関係を示す図。 図1の電力品質品質評価システムで用いる損害曲線と確率密度関数の関係を示す図。 図1に示す導入効果評価手段の詳細な構成の一例を示す構成図。 図22の導入効果評価手段による導入効果評価処理の一例を示すフローチャート。 図22の総合評価手段による総合評価処理において出力、表示される総合的な評価結果の一例を示す図。 図22の経済性評価手段による経済性評価処理の一例を示すフローチャート。 図1の電力品質品質評価システムで用いる電力品質確率密度・損害曲線と電力品質損害指標値の関係を示す図。 図1の電力品質品質評価システムで用いる電力品質確率密度・損害曲線と電力品質損害指標値の関係を、図26とは異なる電力品質損害指標値について示す図。 図1の電力品質品質評価システムで用いる電力品質評価値と電力品質損害指標値の関係を示す図。 図22の経済性評価手段による経済性評価処理において、損害改善効果指標値をプラスにするための具体的な計算例を示すフローチャート。 図22の電気的評価手段の詳細な構成の一例を示す構成図。 図30の電気的評価手段による電気的評価処理の一例を示すフローチャート。 図30のシミュレーションデータ作成手段によるシミュレータ作成処理において作成される電力系統情報の一例を示す図。 図1の評価結果データベースの一例を示す図。 図1の電力品質評価システムによる電力品質評価処理の別の一例を示すフローチャート。 図1の電力品質評価システムによる電力品質評価処理の別の一例を示すフローチャート。 図1の電力品質評価システムによる電力品質評価処理の別の一例を示すフローチャート。
符号の説明
1…電力品質評価システム
2…導入装置選択手段
3…導入前関数作成手段
4…導入後関数作成手段
5…判定値設定手段
6…導入前電力品質評価手段
7…導入後電力品質評価手段
8…補償効果算出手段
9…導入効果評価手段
91…経済性評価手段
92…電気的評価手段
921…シミュレーションデータ作成手段
922…シミュレーション実行手段
923…シミュレーション結果評価手段
93…総合評価手段
10…インタフェース装置
11…補償装置情報データベース
12…電力品質計算値データベース
13…導入前電力品質標準値データベース
14…導入後電力品質標準値データベース
15…判定値データベース
16…機器・負荷情報データベース
17…評価結果データベース

Claims (11)

  1. 評価対象電力系統に電力品質を改善するための電力品質補償装置を導入する場合の導入効果を評価する電力品質評価システムにおいて、
    予め登録された複数の電力品質補償装置の中から、導入評価対象となる電力品質補償装置を選択する導入装置選択手段と、
    前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入前における電力品質の確率密度関数を導入前確率密度関数として作成する導入前関数作成手段と、
    前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入後における電力品質の確率密度関数を導入後確率密度関数として作成する導入後関数作成手段と、
    電力品質の程度を判定するための判定値を設定する判定値設定手段と、
    前記導入前確率密度関数と前記判定値を用いて、前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入前における電力品質の程度を評価する導入前電力品質評価手段と、
    前記導入後確率密度関数と前記判定値を用いて、前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入後における電力品質の程度を評価する導入後電力品質評価手段と、
    前記電力品質補償装置の導入前における電力品質の評価結果と導入後における電力品質の評価結果に基づいて、当該電力品質補償装置を導入した場合の電力品質補償効果を示す指標値を算出する補償効果算出手段と、
    前記電力品質補償効果に関する情報に基づいて、当該電力品質補償装置の導入効果を経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価する導入効果評価手段
    を備えたことを特徴とする電力品質評価システム。
  2. 前記判定値設定手段は、前記評価対象電力系統の需要家が要求する電力品質の程度に応じて、前記判定値を設定するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力品質評価システム。
  3. 前記判定値設定手段は、電力品質の程度と損害の関係を示す損害曲線に応じて、前記判定値を設定するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力品質評価システム。
  4. 前記導入効果評価手段は、
    前記電力品質補償装置の導入効果を経済性の側面から評価する経済性評価手段と、
    前記電力品質補償装置の導入効果を電気的な側面から評価する電気的評価手段と、
    前記経済性の側面からの評価結果と前記電気的な側面からの評価結果に基づいて、前記電力品質補償装置の導入効果の総合的な評価を行う総合評価手段を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電力品質評価システム。
  5. 前記経済性評価手段は、電力品質の程度と損害の関係を示す損害曲線と、前記電力品質補償装置を導入した場合の前記電力品質補償効果に基づいて、当該電力品質補償装置を導入した場合の損害改善効果を示す指標値を算出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の電力品質評価システム。
  6. 前記経済性評価手段は、前記電力品質補償装置を導入した場合の導入コストを算出し、算出された導入コストに基づいて前記損害改善効果を示す指標値を算出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の電力品質評価システム。
  7. 前記経済性評価手段は、前記電力品質補償装置を導入した場合のランニングコストを算出し、算出されたランニングコストに基づいて前記損害改善効果を示す指標値を算出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の電力品質評価システム。
  8. 前記経済性評価手段は、前記電力品質補償装置を導入した場合の前記損害改善額と、前記導入コスト、および前記ランニングコストの関係に応じて、当該電力品質補償装置の導入計画の経済性を算出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の電力品質評価システム。
  9. 前記電気的評価手段は、
    電気的な側面からの評価に必要な電力系統情報を設定してシミュレーション用の系統データを作成するシミュレーションデータ作成手段と、
    前記シミュレーション用の系統データを用いて、前記電力品質補償装置を導入した場合のシミュレーションを実行するシミュレーション実行手段と、
    前記シミュレーションの実行結果に基づいて、前記電力品質補償装置を導入した場合の電力品質と運転状態について評価するシミュレーション結果評価手段を有する
    ことを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれか1項に記載の電力品質評価システム。
  10. 評価対象電力系統に電力品質を改善するための電力品質補償装置を導入する場合の導入効果を評価する電力品質評価方法において、
    コンピュータとそれを制御するソフトウェアにより実現される導入装置選択手段、導入前関数作成手段、導入後関数作成手段、判定値設定手段、導入前電力品質評価手段、導入後電力品質評価手段、補償効果算出手段、導入効果評価手段を用いて、
    前記導入装置選択手段により、予め登録された複数の電力品質補償装置の中から、導入評価対象となる電力品質補償装置を選択する導入装置選択処理と、
    前記導入前関数作成手段により、前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入前における電力品質の確率密度関数を導入前確率密度関数として作成する導入前関数作成処理と、
    前記導入後関数作成手段により、前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入後における電力品質の確率密度関数を導入後確率密度関数として作成する導入後関数作成処理と、
    前記判定値設定手段により、電力品質の程度を判定するための判定値を設定する判定値設定処理と、
    前記導入前電力品質評価手段により、前記導入前確率密度関数と前記判定値を用いて、前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入前における電力品質の程度を評価する導入前電力品質評価処理と、
    前記導入後電力品質評価手段により、前記導入後確率密度関数と前記判定値を用いて、前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入後における電力品質の程度を評価する導入後電力品質評価処理と、
    前記補償効果算出手段により、前記電力品質補償装置の導入前における電力品質の評価結果と導入後における電力品質の評価結果に基づいて、当該電力品質補償装置を導入した場合の電力品質補償効果を示す指標値を算出する補償効果算出処理と、
    前記導入効果評価手段により、前記電力品質補償効果に関する情報に基づいて、当該電力品質補償装置の導入効果を経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価する導入効果評価処理
    を行うことを特徴とする電力品質評価方法。
  11. コンピュータを利用して、評価対象電力系統に電力品質を改善するための電力品質補償装置を導入する場合の導入効果を評価する電力品質評価プログラムにおいて、
    予め登録された複数の電力品質補償装置の中から、導入評価対象となる電力品質補償装置を選択する導入装置選択手段と、
    前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入前における電力品質の確率密度関数を導入前確率密度関数として作成する導入前関数作成手段と、
    前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入後における電力品質の確率密度関数を導入後確率密度関数として作成する導入後関数作成手段と、
    電力品質の程度を判定するための判定値を設定する判定値設定手段と、
    前記導入前確率密度関数と前記判定値を用いて、前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入前における電力品質の程度を評価する導入前電力品質評価手段と、
    前記導入後確率密度関数と前記判定値を用いて、前記評価対象電力系統の前記電力品質補償装置の導入後における電力品質の程度を評価する導入後電力品質評価手段と、
    前記電力品質補償装置の導入前における電力品質の評価結果と導入後における電力品質の評価結果に基づいて、当該電力品質補償装置を導入した場合の電力品質補償効果を示す指標値を算出する補償効果算出手段と、
    前記電力品質補償効果に関する情報に基づいて、当該電力品質補償装置の導入効果を経済性の側面と電気的な側面の両方から総合的に評価する導入効果評価手段
    を前記コンピュータにより実現させることを特徴とする電力品質評価プログラム。
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