JP2006243746A - 電子写真用カートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真用カートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高階調、高解像度の画像を得ることが出来るタンデム型フルカラー画像形成方法及び装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも感光体、トナー及び露光装置を備えたタンデム型フルカラー画像形成装置において、該トナーの体積平均粒径(Dv)が3〜8μmであり、粒径0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下であることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像形成方法及び画像形成装置に関する。更に詳しくは、プリンターや電子写真複写機に好適なタンデム型フルカラー画像形成方法及び装置に関する。
電子写真法を用いた複写機及びプリンターが急速に普及してきたのに従い、近年では高精細画像への要求が強くなってきている。高精細画像、特に階調性や解像力を向上させようとするには、像露光時のドット数を増やすことが考えられる。これには、ビーム径を絞り、出力パルス数を増やすことになるが、このような高密度記録になると、1ドットを露光するのに要する時間が短くなる。このような場合、従来の感光体では光応答性が不十分で、1ドットの再現性が劣化するため、階調性や解像力が向上することにならない。また、これを解決する方法として光エネルギー自体を大きくすることも考えられるが、これでは感光層に光疲労などの問題を生じる。
上述の課題を解決する方法として、CuKα特性X線(波長1.541Å)に対するX線回折のブラッグ角2θが27.2±0.2°に強いピークを示す結晶型のオキシチタニルフタロシアニンを感光層の光導電性物質として用いる方法があり、このオキシチタニルフタロシアニンを用いることによって、高感度、高γで十分な光応答性を示す感光体を実現でき、この感光体を用いる場合には、高密度記録で各ドットの露光時間が短い場合でも、十分なドット再現性が実現できる。
また、平均粒径が8μm以下の小粒径のトナーを併用することができるが、実際にはトナーが小粒径というだけでは上述の課題は必ずしも十分に解決されない。即ち、小粒径トナーであっても、トナーの粒径や粒度分布によっては、トナーの流動性が悪化したり、着色剤、帯電制御剤の不均一なトナーが混在することとなり、その場合、潜像上への付着が均一にならず、そのため潜像を忠実に再現出来ない場合があった。
特開平3−37678号公報
本発明は、従来の技術における上記課題を解決する為になされたものである。即ち本発明の目的は、細線再現性や階調性に優れる画像を得ることのできる現像方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の電子写真感光体とトナーとの組み合わせにより上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明の要旨は、少なくとも感光体、トナー及び露光装置を備えたタンデム型フルカラー画像形成装置において、該トナーの体積平均粒径(Dv)が3〜8μmであり、粒径0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下であることを特徴とする画像形成装置に存する。
本発明の別の要旨は、体積平均粒径(Dv)が3〜8μmであり、粒径0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下であるトナーと備えたタンデム型フルカラー画像形成装置用の電子写真用カートリッジに存する。
また、本発明の別な要旨は、少なくとも感光体、露光装置、及びトナーを備えたタンデム型フルカラー画像形成装置を用いた画像形成方法において、該感光体に対し、該露光装置によってデジタル像露光を行って、感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像の現像において、体積平均粒径(Dv)が3〜8μmであり、粒径0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下であるトナーを用いることを特徴とする画像形成方法に存する。
以上の様に本発明によれば、上述した特定のチタニルフタロシアニンを感光体に用いて、トナーの粒度分布と組み合わせる事により、高階調、高解像度の画像形成が達成された。
まず、本発明の画像形成方法及び、それに用いられる画像形成装置の概要を、フルカラー画像形成方法の一例である非磁性1成分系トナーを使用する電子写真記録装置について説明するが、この一例に限定されるものではない。図1は本発明に用いられる電子写真記録装置の一実施態様の要部構成の概略図であり、感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7を有している。
感光体1は、例えばアルミニウムなどの導電体により形成され、外周面に感光導電材料を塗布して感光層を形成したものである。感光体1の外周面に沿って帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及び、クリーニング装置6がそれぞれ配置されている。帯電装置2は、例えば周知のスコロトロン帯電器、ローラー帯電器などよりなり、感光体1の表面を所定電位に均一帯電する。なお、感光体は、帯電装置と共にカートリッジ(感光体カートリッジ)に備えられ、画像形成装置に組み込まれるのが好ましい。こうすることによって、感光体または帯電装置が劣化した場合に取り替えることが容易となる。
露光装置3は、感光体1の感光面にLED、レーザー光などで露光を行って感光体1の感光面に静電潜像を形成するものである。現像装置4は、アジテータ42、供給ローラー43、現像ローラー44、規制部材45からなり、その内部にトナーTを貯留している。また、必要に応じ、現像装置にはトナーを補給する補給装置(図示せず)を付帯させてもよく、補給装置にはボトル、カートリッジなどの容器からトナーを補給することができるものである。
供給ローラー43は導電性スポンジ等からなるもので、現像ローラー44に当接している。現像ローラー44は、感光体1と供給ローラー43との間に配置されている。現像ローラー44は、感光体1及び供給ローラー43に各々当接している。供給ローラー43及び現像ローラー44は、回転駆動機構によって回転される。供給ローラー43は、貯留されているトナーを担持して現像ローラー44に供給する。現像ローラー44は、供給ローラー43によって供給されるトナーを担持して感光体1の表面に接触させる。
現像ローラー44は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケルなどの金属ロール、又は金属ロールにシリコン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。現像ロール表面は、必要に応じ平滑加工したり、粗面加工したりしてもよい。なお、現像装置は、トナーを備えたトナーカートリッジとして画像形成装置に組み込まれるのが好ましい。こうすることによって、トナーの補給が容易となる。
規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラー44に当接し、ばね等によって現像ローラー44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)されており、必要に応じトナーとの摩擦帯電によりトナーに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテーター42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーを攪拌するとともに、トナーを供給ローラー43側に搬送する。アジテータは、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
転写装置5は、感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラー、転写ベルトなどよりなる。この転写装置5は、トナーの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、感光体1に形成されたトナー像を記録紙Pに転写するものである。なお、画像形成装置によっては、感光体上のトナー画像を直接記録紙Pに転写する場合と、中間転写ベルト(図示せず)等を介して記録紙Pに転写する場合とがある。
クリーニング装置6は、ウレタン等のブレード、ファーブラシなどのクリーニング部材からなり、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。画像形成装置によっては、クリーニング装置が設けられていない場合がある。
定着装置7は、上部定着部材71と下部定着部材72とからなり、上部又は下部の定着部材の内部には加熱装置73を有している。定着部材はステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、定着部材には離型性を向上させる為にシリコンオイル等の離型剤を供給してもよい。また、上部定着部材と下部定着部材にはバネ等により強制的に圧力を加わえる機構としてもよい。
用紙P上に転写されたトナーは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72の間を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
以上のように構成された電子写真現像装置では、次のようにして画像の記録が行われる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)は、帯電装置2によって所定の電位(例えば−600V)に帯電される。続いて、帯電されたのちの感光体1の感光面を記録すべき画像に応じて露光装置3によって露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を現像装置4で行う。
現像装置4は、供給ローラー43により供給されるトナーを現像ブレード45により薄層化されるとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電されて、現像ローラー44に担持し、搬送して感光体1の表面に接触させる。
現像ローラー44からいわゆる反転現像法により感光体1の表面に静電潜像に対応するトナー像が形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって用紙Pに転写される。この後、感光体1の感光面は転写されずに残留しているトナーがクリーニング装置6で除去される。記録紙P上の転写後トナーは定着装置7を通過させて熱定着することで、最終的な画像が得られる。
次に、非磁性1成分系トナーをフルカラーとして使用するタンデム方式電子写真記録装置の一例について説明する。図2はフルカラータンデム方式の主要構成の概略図であり、感光体1、帯電装置2、露光装置3、ブラック現像装置4k 、シアン現像装置4c 、イエロー現像装置4y 、マゼンタ現像装置4m 、転写装置5、及び定着装置7を有し、ここではクリーニング装置は省略した。カラー画像はマゼンタ、イエロー、シアン、及びブラックの各トナーを多層に重ねて所望する色に調整することでフルカラー画像を得ることができる。
タンデム方式の場合、カラー現像部がブラック現像部より前に位置する方がブラックトナーの逆転写などによる混色が少なくなりよいこと、及びブラック現像部がカラー現像部より後ろに位置する方がブラックだけの単色で画像形成する場合にカラートナーの感光体カブリによる混色が少なくなること、及びカラー現像部をショートパスして記録紙を搬送することでブラック画像形成の速度をアップすることができるので好ましい。
本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成に適用する場合には、この様なシアン、マゼンタ、イエローのカラー現像部が前の位置にあり、ブラック現像部がカラー現像部より後に位置するタンデム方式に好適である。なお、シアン、マゼンタ、イエローのカラー現像部の位置する順番は適時自由に変更することができる。
本発明に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含み、必要に応じ、帯電制御剤、ワックス、その他の添加剤を含むことが出来る。本発明に用いられるトナーを製造する方法としては、従来の混練/粉砕法により製造したトナーにおいて分級機の精度を上げる方法や、懸濁重合法、乳化重合/凝集法等の湿式重合法により製造する方法があるが、本発明のトナーを効率よく作成するには湿式重合法を用いた方が好ましい。更には、本発明のトナーの好適な粒度分布を達成するためには、乳化重合/凝集法が特に好ましい。乳化重合/凝集法であれば、トナーの円形度を適宜制御できる利点もある。
トナーに用いられる結着樹脂は従来公知のものを含む広い範囲から選択できる。好ましくは、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、又はこれらの樹脂のアクリル酸共重合体等のスチレン系ポリマー、飽和もしくは不飽和ポリエステル系ポリマー、エポキシ系ポリマーを挙げることができる。また、上記結着樹脂は単独で使用するに限らず2種以上併用することもできる。
着色剤は無機顔料または有機顔料、有機染料のいずれでも良く、またはこれらの組み合わせでも良い。これらの具体的な例としては、カーボンブラック、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染顔料など、公知の任意の染顔料を単独あるいは混合して用いることができる。フルカラートナーの場合にはイエローとしてベンジジンイエロー、モノアゾ系、縮合アゾ系染顔料、マゼンタとしてキナクリドン、モノアゾ系染顔料、シアンとしてフタロシアニンブルーをそれぞれ用いるのが好ましい。
これらの内、シアン着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、イエロー着色剤としてはC.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、マゼンタ着色剤としてはC.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド122が好ましく用いられる。着色剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して2〜25重量部の範囲が好ましい。
本発明に用いられるトナーには、帯電量、帯電安定性付与のため、帯電制御剤を添加しても良い。帯電制御剤としては、従来公知の化合物が使用される。例えば、ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、ナフトール系化合物、ナフトール系化合物の金属化合物、ニグロシン系染料、第4級アンモニウム塩及びこれらの混合物が挙げられる。帯電制御剤の添加量は結着樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量部の範囲が好ましい。
本発明に用いられるトナーには、定着ローラ等との離型性付与のため、ワックスを添加することが好ましい。ワックスとしては、離型性を有するものであればいかなるものも使用可能である。具体的には低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水添ひまし油カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸により得られる多価アルコールのカルボン酸エステル、または部分エステル;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が例示される。
これらのワックスの中で定着性を改善するためには、ワックスの融点は30℃以上が好ましく、40℃以上が更に好ましく、50℃以上が特に好ましい。また、100℃以下が好ましく、90℃以下が更に好ましく、80℃以下が特に好ましい。融点が低すぎると定着後にワックスが表面に露出しべたつきを生じやすく、融点が高すぎると低温での定着性が劣る。また更に、ワックスの化合物種としては、脂肪族カルボン酸と一価もしくは多価アルコールとから得られるエステル系ワックスが好ましく、エステル系ワックスの中でも炭素数が20〜100のものが更に好ましく、炭素数30〜60のものが特に好ましい。
一価アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステルのうち、特に好ましい化合物として、ベヘン酸ベヘニルとステアリン酸ステアリルが挙げられる。また、多価アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステルのうち、特に好ましい化合物としては、ペンタエリスリトールのステアリン酸エステル及びその部分エステル、グリセリンのモンタン酸エステル及びその部分エステルが挙げられる。
上記ワックスは単独で用いても良く混合して用いても良い。また、トナーを定着する定着温度により、ワックス化合物の融点を適宜選択することができる。ワックスの使用量は、通常、トナー中に0.1〜40重量%、好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは2〜35重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。次に、本発明に用いられるトナーの好ましい製造法として湿式重合法について説明する。
乳化重合/凝集法では、重合体一次粒子の分散液に着色剤分散液、帯電制御剤分散液、ワックス分散液等を混合し、温度、塩濃度、pH等を適宜制御することによってこれらを凝集しトナーを製造する。
上記乳化重合に用いる乳化剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤の中から選ばれる少なくともひとつの乳化剤が挙げられる。カチオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、等があげられる。また、アニオン界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等があげられる。さらに、ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖、等があげられる。これらの界面活性剤の内、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩が好ましい。
懸濁重合法では、重合性単量体に着色剤、帯電制御剤、ワックス等を混合し、ディスパーザー等の分散機を用いて分散処理を行い、この分散処理後の単量体組成物を水混和性媒体の中で適当な攪拌機を用いてトナー粒径に造粒し、その後重合性単量体を重合させてトナーを製造する。
懸濁安定剤を用いる場合には、重合後にトナーを酸洗浄する事により容易に除去できる、水中で中性又はアルカリ性を示すものを選ぶことが好ましい。さらに、粒度分布の狭いトナーが得られるものを選ぶことが好ましい。これらを満足する懸濁安定剤としては、リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用する事ができる。これらの懸濁安定剤は、ラジカル重合性単量体に対して1〜10重量部使用する事ができる。
乳化重合/凝集法及び懸濁重合法に用いられる重合開始剤としては、公知の重合開始剤を1種又は2種以上組み合わせて使用する事ができる。例えば、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ(2,4−ジメチル)バレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、又はレドックス系開始剤などを使用する事ができる。これらの内、乳化重合/凝集法ではレドックス系開始剤が好ましく、懸濁重合法ではアゾ系開始剤が好ましい。上記方法によりトナーを製造した後に、ポリマー乳化液、着色剤分散液、帯電制御剤分散液、ワックス分散液等を添加しトナー表面を被覆することにより、カプセル構造を持つトナーとしても良い。
次に、本発明の最も好ましいトナーの製造法である乳化重合/凝集法について、更に詳しく説明する。乳化重合/凝集法によりトナーを製造する場合、通常、重合工程、混合工程、凝集工程、洗浄・乾燥工程を有する。すなわち、乳化重合により得た重合体一次粒子を含む分散液に、着色剤、荷電制御剤、ワックス等の各分散液を混合し、この分散液中の一次粒子を凝集させて体積平均粒径3〜8μm程度の粒子凝集体とし、必要に応じて、これに樹脂微粒子等を付着させ、必要に応じて、粒子凝集体あるいは樹脂微粒子が付着した粒子凝集体を融着させ、こうして得られたトナー粒子をを洗浄、乾燥して製品のトナー粒子を得る。
重合体一次粒子
乳化重合/凝集法に用いられる重合体一次粒子としては、好ましくはガラス転移温度(Tg)が40〜80℃であり、平均粒径は通常0.02〜3μmのものである。この重合体一次粒子は、モノマーを乳化重合することにより得られる。
乳化重合をするに当たっては、逐次、ブレンステッド酸性基(以下、単に酸性基と称することがある)を有するモノマーもしくはブレンステッド塩基性基(以下、単に塩基性基と称することがある)を有するモノマー、及び、ブレンステッド酸性基又はブレンステッド塩基性基をいずれも有さないモノマー(以下、その他のモノマーと称することがある)とを添加する事により重合を進行させる。この際、モノマー同士は別々に加えても良いし、予め複数のモノマー混合しておいて添加しても良い。更に、モノマー添加中にモノマー組成を変更することも可能である。また、モノマーはそのまま添加しても良いし、予め水や乳化剤などと混合、調整した乳化液として添加することもできる。乳化剤としては、前記の界面活性剤から1種又は2種以上の併用系が選択される。
本発明で用いられるブレンステッド酸性基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、等のカルボキシル基を有するモノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有するモノマー、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有するモノマー等があげられる。
また、ブレンステッド塩基性基を有するモノマーとしては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、等の窒素含有複素環含有モノマー、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、等が挙げられる。
また、これら酸性基を有するモノマー及び塩基性基を有するモノマーは、それぞれ対イオンを伴って塩として存在していても良い。このような、ブレンステッド酸性基又はブレンステッド塩基性基を有するモノマーの重合体一次粒子を構成するモノマー混合物中の配合率は、好ましくは0.05重量%以上、更に好ましくは1重量%以上であり、また、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。ブレンステッド酸性基又はブレンステッド塩基性基を有するモノマーの内では、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。
その他のコモノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸エチルヘキシル、等の(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、アクリル酸アミドを挙げることができる。を挙げることができる。この中で、特にスチレン、ブチルアクリレート、等が特に好ましい。
更に、重合体一次粒子に架橋樹脂を用いる場合、上述のモノマーと共用される架橋剤としては、ラジカル重合性を有する多官能性モノマーが用いられ、例えばジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。また、反応性基をペンダントグループに有するモノマー、例えばグリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いることが可能である。
好ましくはラジカル重合性の二官能性モノマーが好ましく、更に、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレートが好ましい。このような、多官能性モノマーのモノマー混合物中の配合率は、好ましくは0.005重量%以上、更に好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは0.3重量%以上であり、また、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
これらのモノマーは単独、または混合して用いられるが、その際、重合体のガラス転移温度が40〜80℃となることが好ましい。ガラス転移温度が80℃を越えると定着温度が高くなりすぎたり、OHP透明性の悪化が問題となることがあり、一方重合体のガラス転移温度が40℃未満の場合は、トナーの保存安定性が悪くなる場合がある。
重合開始剤は、モノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。乳化重合に際しては、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができるが、その様な連鎖移動剤の具体的な例としては、t―ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン、等があげられる。連鎖移動剤は単独または2種類以上の併用でもよく、重合性単量体に対して0〜5重量%用いられる。乳化重合は、上記のモノマー類を水と混合し、重合開始剤の存在下、重合するが、重合温度は通常50〜150℃、好ましくは60〜120℃、更に好ましくは70〜100℃である。
こうして得られた重合体一次粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm〜3μmの範囲であり、好ましくは0.05μm〜3μm、更に好ましくは0.1μm〜2μmであり、特に好ましくは0.1μm〜1μmである。なお、平均粒径は、例えばUPAを用いて測定することができる。粒径が0.02μm より小さくなると凝集速度の制御が困難となり好ましくない。また、3μmより大きいと凝集して得られるトナー粒径が大きくなりやすく、3〜8μmのトナーを製造するには不適当である。
着色剤
乳化重合/凝集法では、重合体一次粒子の分散液と着色剤粒子を混合し、混合分散液とした後、これを凝集させて粒子凝集体とするが、着色剤は、乳化剤(前述の界面活性剤)の存在下で水中に乳化させエマルジョンの状態で用いるのが好ましく、着色剤粒子の体積平均粒径としては、0.01〜3μmが好ましい。着色剤の使用量は、通常、重合体一次粒子100重量部に対して1〜25重量部、好ましくは3〜20重量部である。
ワックス
乳化重合/凝集法において、ワックスは、予め乳化剤(前記界面活性剤)の存在下に分散してエマルジョン化したワックス微粒子分散液としたものを用いるのが好ましい。ワックスは、凝集工程に存在させるが、これには、ワックス微粒子分散液を重合体一次粒子及び着色剤粒子と共凝集させる場合と、ワックス微粒子分散液の存在化にモノマーをシード乳化重合させてワックスを内包した重合体一次粒子を作成し、これと着色剤粒子を凝集させる場合とがある。このうち、ワックスをトナー中に均一に分散させるには、ワックス微粒子分散液を上記の重合体一次粒子の作成時、すなわちモノマーの重合時に存在させるのが好ましい。
ワックス微粒子の平均粒径は、0.01μm〜3μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2μm、特に0.3〜1.5μmのものが好適に用いられる。なお、平均粒径は、例えばホリバ社製LA−500を用いて測定することができる。ワックスエマルジョンの平均粒径が3μmよりも大きい場合には凝集時の粒径制御が困難となる傾向にあり、また、エマルジョンの平均粒径が0.01μmよりも小さい場合には、分散液を作製するのが困難である。
帯電制御剤
乳化重合/凝集法において帯電制御剤を含有させる方法として、重合体一次粒子を得る際に、帯電制御剤をワックスと同時にシードとして用いたり、帯電制御剤をモノマー又はワックスに溶解又は分散させて用いたり、重合体一次粒子及び着色剤と同時に帯電制御剤一次粒子を凝集させて粒子凝集体を形成したり、重合体一次粒子及び着色剤を凝集させて、ほぼトナーとして適当な粒径となった後に、帯電制御剤一次粒子を加えて凝集させることもできる。この場合帯電制御剤も乳化剤(前述の界面活性剤)を用いて水中で分散し、平均粒径0.01〜3μmのエマルション(帯電制御剤一次粒子)として使用することが好ましい。
混合工程
本発明の製造法の凝集工程においては、上述の、重合体一次粒子、着色剤粒子、必要に応じて荷電制御剤、ワックスなどの配合成分の粒子は、同時にあるいは逐次に混合して分散するが、予めそれぞれの成分の分散液、即ち、重合体一次粒子分散液、着色剤粒子分散液、必要に応じ荷電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を作製しておき、これらを混合して混合分散液を得ることが好ましい。また、ワックスは、重合体一次粒子に内包化されたもの、すなわち、ワックスをシードとして乳化重合した重合体一次粒子を用いることにより、トナーに含有させることが好ましく、この場合は、重合体一次粒子に内包化されたワックスと、内包化されていないワックス微粒子を併用して用いることができるが、更に好ましくは、実質的に全量のワックスを重合体一次粒子に内包化された形で用いるものである。
凝集工程
本発明の好ましい態様においては、上述の重合体一次粒子、着色剤一次粒子及び必要に応じて帯電制御剤微粒子、ワックス微粒子その他の内添剤をそれぞれ乳化して乳化液とし、これらを共凝集して粒子凝集体とする。凝集を行う各成分のうち、帯電制御剤分散液は、凝集工程の途中で添加してもよく、凝集工程後に添加してもよい。ここで凝集工程においては撹拌槽内で、1)加熱して凝集を行う方法、2)電解質を加えて凝集を行う方法とがある。
加熱して凝集を行う場合に、凝集温度としては具体的には、5℃〜Tgの温度範囲(但し、Tgは重合体一次粒子のガラス転移温度)であり、Tg−10℃〜Tg−5℃の範囲が好ましい。上記温度範囲であれば、電解質を用いることなく好ましいトナー粒径に凝集させることができる。また、加温して凝集を行う場合、凝集工程に引き続いて熟成工程を行う場合には、凝集工熱と熟成工程が連続的に行われその境界は曖昧となる場合があるが、Tg−20℃〜Tgの温度範囲に少なくとも30分間保持する工程があれば、これを凝集工程とみなす。凝集温度は所定の温度で通常少なくても30分保持することにより所望の粒径のトナー粒子とすることが好ましい。所定の温度までは一定速度で昇温しても良いし、ステップワイズに昇温しても良い。保持時間は、Tg−20℃〜Tgの範囲で30分以上8時間以下が好ましく、1時間以上4時間未満がさらに好ましい。このようにすることによって、小粒径であり、粒度分布のシャープなトナーを得ることができる。
混合分散液に電解質を添加して凝集を行う場合の電解質としては、有機の塩、無機塩のいずれでも良いが、1価あるいは2価以上の多価の金属塩が好ましく用いられる。具体的には、NaCl、KCl、LiCl、Na2SO4、K2SO4、Li2SO4、MgCl2、CaCl2、MgSO4、CaSO4、ZnSO4、Al2(SO4)3、Fe2(SO4)3、CH3COONa、C6H5SO3Na等が挙げられる。これらのうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が更に好ましい。
電解質の添加量は、電解質の種類によっても異なるが、通常は混合分散液の固形成分100重量部に対して、0.05〜25重量部が用いられる。好ましくは0.1〜15重量部、更に好ましくは0.1〜10重量部である。電解質添加量が上記範囲より著しく少ない場合には、凝集反応の進行が遅くなり凝集反応後も1μm以下の微粉が残ったり、得られた粒子凝集体の平均粒径が3μm以下となるなどの問題を生じる傾向にある。また、電解質添加量が上記範囲より著しく多い場合には、急速で制御の困難な凝集となりやすく、得られた粒子凝集体の中に25μm以上の粗粉が混じったり、凝集体の形状がいびつで不定形の物になるなどの問題を生じる傾向にある。
その他の配合成分
次に、本発明においては、上述の凝集処理後の粒子凝集体表面に、必要に応じて樹脂微粒子を被覆(付着又は固着)してトナー粒子を形成するのが好ましい。なお、上述した帯電制御剤を凝集処理後に加える場合には、粒子凝集体を含む分散液に帯電制御剤を加えた後、樹脂微粒子を加えるのが好ましい。
この樹脂微粒子は、乳化剤(前述の界面活性剤)により水または水を主体とする液中に分散したエマルションとして用いるが、トナーの最外層に用いる樹脂微粒子は、ワックスを含まないものが好ましい。樹脂微粒子としては、好ましくは体積平均粒径が0.02〜3μm、更に好ましくは0.05〜1.5μmであって、前述の重合体一次粒子に用いられるモノマーと同様なモノマーを重合して得られたもの等を用いることができる。粒子凝集体に樹脂微粒子を被覆してトナーを形成する場合、樹脂微粒子に用いられる樹脂は、架橋されているものが好ましい。
熟成工程
乳化重合/凝集法においては、凝集で得られた粒子凝集体(トナー粒子)の安定性を増すためにTg+20℃〜Tg+80℃(但し、Tgは重合体一次粒子のガラス転移温度)の範囲で凝集した粒子間の融着を起こす熟成工程を加えることが好ましい。また、この熟成工程では上記の温度範囲に1時間以上保持するのが好ましい。熟成工程を加えることにより、トナー粒子の形状も球状に近いものとすることができ、形状制御も可能になる。この熟成工程は、通常1時間から24時間であり、好ましくは1時間から10時間である。熟成工程前の粒子凝集体は、一次粒子の静電的あるいはその他の物理凝集による集合体であると考えられるが、熟成工程後は、粒子凝集体を構成する重合体一次粒子は、互いに融着しており、好ましくはほぼ球形となっている。なお、この様なトナーの製造方法によれば、一次粒子が凝集した状態の葡萄型、融着が半ばまで進んだジャガイモ型、更に融着が進んだ球状等、目的に応じて様々な形状のトナーを製造することができる。
洗浄・乾燥工程
上記の各工程を経ることにより得た粒子凝集体は、公知の方法に従って固液分離し、粒子凝集体を回収し、次いで、これを必要に応じて、洗浄した後、乾燥することにより目的とするトナー粒子を得ることができる。このようにして、体積平均粒径が3〜8μmと比較的小粒径のトナーを製造することができる。しかもこうして得られたトナーは、粒度分布がシャープで、高画質及び高速化を達成するための静電荷像現像用トナーとして適したものである。
本発明に用いられるトナーには、流動性や現像性を制御する為に公知の外添剤を添加しても良い。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、等の各種無機酸化粒子(必要に応じて疎水化処理する)、ビニル系重合体粒子等が使用できる。外添剤の添加量は、トナー粒子に対して0.05〜5重量部の範囲が好ましい。
本発明に用いられるトナーは、2成分現像剤、マグネタイト含有トナー等の磁性1成分現像剤、非磁性1成分現像剤に適用することができる。2成分現像剤として用いる場合には、トナーと混合して現像剤を形成するキャリアとしては、公知の鉄粉系、フェライト系、マグネタイト系キャリア等の磁性物質または、それらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性樹脂キャリアを用いる事ができる。
キャリアの被覆樹脂としては、一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が利用できるが、これらに限定されるものではない。キャリアの平均粒径は、特に制限はないが10〜200μmの平均粒径を有するものが好ましい。これらのキャリアは、トナー1重量部に対して5〜100重量部使用する事が好ましい。
トナーの粒子径を測定する方法としては、市販の粒子径測定装置を用いることができるが、典型的にはベックマン・コールター株式会社製の精密粒度分布測定装置コールター・カウンター マルチサイザーIIが用いられる。本発明に用いられるトナーは、体積平均粒径(Dv)が3〜8μmである。体積平均粒径は4〜8μmが好ましく、4〜7μmが更に好ましい。体積平均粒径が大きすぎると高解像度の画像形成に適さず、小さすぎると粉体としての取り扱いが困難となる。
また、微細な粒子を測定するには、例えば、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000が好適に用いられる。本発明においては、フロー式粒子像分析装置による0.6μm〜1.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下であるトナーを用いる。これは、微細な粒子が一定量より少ないことを意味しているが、0.6μm〜2.12μmの粒子の数は10%以下が好ましく、5%以下が更に好ましく、3%以下が特に好ましい。また、該微粒子の下限は特になく、全く存在しないのが最も好ましいが、それは製造上困難であり通常0.05%以上であり、好ましくは0.1%以上である。また、微粉が少ないトナーの他の指標としては、次のようなものが挙げられる。
1)トナー中に、その体積平均粒径の40%以下の粒径のものが、9.0個数%以下であることが好ましく、8.0個数%以下であることが更に好ましい。
2)トナー中に、その体積平均粒径の55%以下の粒径のものが、5.0体積%以下であることが好ましく、4.0体積%以下であることが更に好ましい。
3)トナー中に、その体積平均粒径の55%以下の粒径のものが、20個数%以下であることが好ましく、16個数%以下であることが更に好ましい。
また、トナーの粒度分布としてはシャープなもののほうが帯電性が均一となり易い。具体的には、本発明の画像形成方法及び装置においては、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との関係が、1.0≦Dv/Dn≦1.3であるものが用いられる。Dv/Dnの値としては、1.25以下が好ましく、1.20以下が更に好ましい。また、Dv/Dnの下限値は1であるが、これば、全ての粒径が等しいことを意味し、製造上困難であるので、1.03以上が好ましく、1.05以上が更に好ましい。
また、トナーの形状としては、出来るだけ球形に近いものが好ましい。具体的には、トナーの形状を定量化する方法として、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000にてトナーを測定し、下式(I)より求められた値の50%における累積粒度値に相当する円形度を50%円形度と定義したときに、50%円形度が0.9〜1の範囲のものが好ましい。
(I)円形度=粒子投影面積と同じ面積の円の周長/粒子投影像の周長
トナーの50%円形度、トナー粒子の凹凸の度合いを示し、トナーが完全な球形の場合1となる。表面形状が複雑になるほど円形度の値は小さくなる。球形に近いほど、粒子固体内での帯電量の局在化が起こりにくく、現像性が均一になりやすい。従って、トナーの50%は、0.92以上が更に好ましく、0.95以上が特に好ましい。また、完全な球を作ることは製造上困難であるので、好ましくは0.995以下であり、更に好ましくは0.99以下である。
次に本発明で用いられる感光体を説明する。本発明に用いられる感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層を有する。感光層は好ましくは電荷発生層と電荷移動層が積層された積層型である。電荷発生層と電荷移動層は、導電性支持体上に電荷発生層、電荷移動層の順に設けられる場合と、電荷移動層、電荷発生層の順に設けられる場合とがある。このうち、電荷発生層の上に電荷移動層が積層された構成をとるのが好ましい。また、これらの他に、接着層、ブロッキング層等の中間層や、保護層など、電気特性、機械特性の改良のための層を設けても良い。支持体上に電荷発生層、電荷移動層の順に設けられた感光体の場合には、中間層は、通常、支持体と電荷発生層の間に、また保護層は、通常、電荷移動層の上に設けられる。
導電性支持体としては周知の電子写真感光体に採用されているものがいずれも使用できる。具体的には例えばアルミニウム、ステンレス、銅等の金属ドラム、シートあるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物が挙げられる。更に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布して導電処理したプラスチックフィルム、ブラスチックドラム、紙、紙管等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性となったプラスチックのシートやドラムが挙げられる。また、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物で導電処理したプラスチックフィルムやベルトが挙げられる。小型、高速の電子写真装置に用いられる場合には、導電性支持体はドラム状のものが好ましく、その場合のドラム内径としては通常10〜40mm、好ましくは13〜35mm、更に好ましくは16〜30mmである。また、小型の装置の場合は特に、13〜25mmが好ましい。カラー電子写真装置の場合であって、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーに対し、それぞれ感光体を用いる場合には、上記の小径ドラムが特に有利である。
導電性支持体と電荷発生層の間には、必要に応じてブロッキング層が設けられるが、ブロッキング層としては、アルマイト層または樹脂による下引き層(中間層ともいう)あるいはこれらを併用したものが用いられる。
アルマイト層を設ける場合は、導電性支持体としてアルミニウム基体を用い、まず、これを酸、アルカリ、有機溶剤、界面活性剤、エマルジョン、電解などの各種脱脂洗浄方法により脱脂処理されることが好ましい。次いで、例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中で、好ましくは硫酸浴中で陽極酸化処理が施され、陽極酸化被膜(アルマイト層)が形成される。陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常1〜20μm、好ましくは1〜7μmである。
得られた陽極酸化被覆は、そのまま使用することもできるが、多孔質であるため耐候性に乏しく、腐食等が生じやすいため好ましくはそれらの孔を封じる処理、すなわち封孔処理を施こすのがよい。そしてかかる封孔処理としては上記の様にして形成された陽極酸化被膜に例えば主成分としてフッ化ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる低温封孔処理、或いは例えば主成分として酢酸ニッケルを含有する水溶液中に浸漬させる高温封孔処理等が施される。以上のようにして形成されたアルマイト層は、水への浸漬、水流、水の噴射による洗浄、ブラシ状、フォーム状、布状のこすり材によっる物理的接触による洗浄、あるいはこれらの併用によって洗浄処理が施され、次いで、風乾、加熱乾燥等の乾燥処理が施される。
導電性支持体上に下引き層を設ける場合には、バインダー樹脂としては、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ガゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸、ポリアミド樹脂等の樹脂材料を用いることが出来る。なかでも、支持基体との接着性に優れ、電荷発生層塗布液に用いられる溶媒に対する溶解性の小さなポリアミド樹脂が好ましい。
電荷発生層は、少なくともバインダーポリマー、及び電荷発生剤を含んでおり、本発明においては、電荷発生剤としてオキシチタニウムフタロシアニンが用いられる。これに、必要に応じ有機光導電性化合物、色素、電子吸引性化合物等を含んでいても良い。電荷発生層に用いられるバインダーとしては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエステル、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、けい素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの内、ビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアセタール類がが好ましい。電荷発生剤であるオキシチタニウムフタロシアニンとバインダーポリマーとの割合は、特に制限はないが、一般には、オキシチタニウムフタロシアニン100重量部に対し、5〜500重量部、好ましくは20〜300重量部のバインダーポリマーを使用する。
本発明の特徴の一つは、電荷発生剤として、特定の結晶型オキシチタニウムフタロシアニンを用いることにある。本発明に用いられる結晶型オキシチタニウムフタロシアニンは、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3゜に明瞭な回折ピークを示すものである。なお、X線回折は、一般的なブラッグーブレンターノの集中法で測定される。また通常回折強度はcpsで表示される。
この結晶型オキシチタニウムフタロシアニンは、例えば特開昭62−67094号公報の第2図(同公報ではII型と称されている)、特開平2−8256号公報の第1図、特開昭64−17066号公報の第1図、特開昭63−20365号公報の第1図、電子写真学会誌第92巻(1990年発行)第3号第250〜258頁(同刊行物ではY型と称されている)に示されたている。本明細書では、本発明に用いられる結晶型オキシチタニウムフタロシアニンを、学術発表での呼称に従いY型と呼ぶこととする。Y型は、ブラッグーブレンターノの集中法によれば27.3°に最大回折ピークを示すことが特徴であることから、α型、β型と区別される。例えば、特開平3−128973号公報、特開平3−269064号公報に記載の結晶型も結晶性は異なるが、結晶型はY型であると考えられる。また、Y型は27.3°以外のピークは、その結晶性により、ピーク強度比が変化したり、ピークがブロードになって、ピークトップ位置がずれたりことがありえるが(これは、結晶が強固ではないことを示している)、典型的には7.4゜、9.7゜、24.2゜にピークを示す。また、最近、結晶の配向性を極力排除した、透過法によるX線回折が行われるようになり、試料ホルダーとしてキャピラリーを使用し、1.2085Åによる透過法X線回折においては、Y型はブラッグ角(2θ±0.2)21.3°、18.9°、7.6°、5.8°にピークを示す。これはCuKα線による27.3゜、24.2゜、9.7゜、7.4゜にそれぞれ対応している。なお、高解像度のX線回折では、9.7゜に相当するピークは2本あるいはそれ以上に分解される。
本発明においては、感度を調節する等の目的で、Y型オキシチタニウムフタロシアニン以外の電荷発生剤を混合して用いても良いが、混合する場合には、電荷発生物質がα型オキシチタニウムフタロシアニン、β型オキシチタニウムフタロシアニン等のチタン含有フタロシアニン系化合物とのみ混合するのであれば、電荷発生剤中のY型オキシチタニウムフタロシアニンの割合は通常30重量%以上であり、50%重量以上が好ましく、70重量%以上が更に好ましい。また、チタン含有フタロシアニン系化合物以外の電荷発生剤とも混合するのであれば、電荷発生剤中のY型オキシチタニウムフタロシアニンの割合は通常40重量%以上であり、60%重量以上が好ましく、80重量%以上が更に好ましい。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。電荷発生層から電荷キャリアーが注入される。電荷移動層は、キャリアーの注入効率と移動効率の高いキャリアー移動媒体(電荷移動剤)を含有する。
電荷移動層は、少なくともバインダー及び電荷移動剤を含んでおり、これに、必要に応じ、酸化防止剤、増感剤、可塑剤、流動性付与剤、架橋剤等の各種添加剤が含まれていても良い。電荷移動剤としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセンのような複素環化合物や縮合多環芳香族化合物を側鎖に有する高分子化合物、低分子化合物としては、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、カルバゾール等の複素環化合物、トリフェニルメタンのようなトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミンのようなトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン化合物などが挙げられ、特に、置換アミノ基やアルコキシ基のような電気供与性基、あるいはこれらの置換基を有する芳香族環基が置換した電子供与性の大きい化合物が挙げられる。
また、その他に、下記式(II)、式(III)、式(IV)、又は式(V)、式(VI)で表される原子団を有する化合物も好ましく用いられる。
好ましい電解移動剤の具体例を以下に示す。
更に、電荷移動層には必要に応じバインダーポリマーが用いられる。バインダーポリマーとしては、上記電荷移動剤との相溶性が良く、塗膜形成後にキャリアー移動媒体が結晶化したり、相分離することのないポリマーが好ましく、それらの例としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ブタジエン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロースエステル、セルロースエーテル、フェノキシ樹脂、けい素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
好ましいバインダー樹脂は、電荷移動剤の種類にもよるが、ポリカーボネートまたはポリアリレートを含むものが好ましい。
電荷移動剤が高分子化合物の場合は、特にバインダーポリマーを用いなくても良いが、可とう性の改良等で混合することも行われる。低分子化合物の場合は、成膜性のため、バインダーポリマーが用いられ、その使用量は、通常電荷移動剤100重量部に対し50〜1000重量部、好ましくは100〜500重量部の範囲である。電荷移動層にはこの他に、塗膜の機械的強度や、耐久性向上のための種々の添加剤を用いることができる。このような添加剤としては、周知の可塑剤や、種々の安定剤、流動性付与剤、架橋剤等が挙げられる。電荷移動層の膜厚は、一般に10〜60μm、好ましくは15〜45μm、更に好ましくは27〜40μmである。
上述した、下引き層、電荷発生層、電荷移動層は、用いるバインダーや配合成分に応じて適当な溶媒に溶解または分散し、スプレー塗布法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法により設けられる。浸漬塗布法の場合には、全固形分濃度が好ましくは25〜40%、粘度が好ましくは50〜300センチポアーズ、更に好ましくは100〜200センチポアーズの塗布液を調整する。塗布後の乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤外線乾燥機及び遠赤外線乾燥機等を用いることができる。
次に、感光体に潜像を形成するために露光を行う露光装置としては、デジタル露光を行う装置が用いられるが、上記のY型オキシチタニウムフタロシアニンの吸光度を考慮すると、500〜850nmのレーザー光を発する露光装置が好ましい。更に具体的には、532nm付近、635nm付近、650nm付近、780nm付近、830nm付近のレーザー光を発する露光装置が好ましい。
上述のトナー、及び感光体を用いて画像を形成する場合、Dvが3〜8μmで、且つ微粉の少ない(フロー式粒子像分析装置による0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下である)トナーを用いた場合に、潜像上へのトナーの付着均一性が良好になるので、高階調、高解像度の潜像を忠実に再現できるものである。
本発明の画像形成装置及び方法が上記の効果を発揮する理由は必ずしも明確ではないが、フロー式粒子像分析装置による0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下であるような微細粒子の少ないトナーの場合、トナー粒子固体間の帯電量分布が均一になりやすく、その結果、どの粒子も感光体上にほぼ均一な力で付着するので、ドット面積の小さい潜像を忠実に再現するものと考えられる。また更に、小粒径トナーに見られる、転写でトナー粒子にかかるクーロン力に比べて、トナー粒子の電子写真感光体への付着力(鏡像力やファンデルワールス力など)が大きくなり結果として転写残トナーが増加する傾向も解決できる。
しかも、上記のオキシチタニウムフタロシアニンを感光体の電荷発生物質として用いることで、感光体が高感度、高γとなり、この感光体は十分な光応答性を示すので、特に、600dpi以上とドット数が増えて各ドットの露光時間が短くなってもなお十分なトナー濃度で現像することができる。更に、より小型、高速、高解像度の画像形成装置に有効に適用できる。従って、本発明の画像形成方法は、600dpi以上、更には1200dpi以上の解像度を有する画像を形成する場合に特に有効であり、電子写真感光体の回転速度が1.5回/秒である場合に特に有効であり、また、電子写真感光体の内径が35mm以下のドラムである場合に特に有効である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものでない。以下の例で「部」とあるのは「重量部」を意味する。また、平均粒径、重量平均分子量、ガラス転移点(Tg)、50%円形度、及びワックスの融点は、それぞれ下記の方法により測定した。
体積平均粒径、個数平均粒径:ホリバ社製LA−500、日機装社製マイクロトラックUPA(ultra particle analyzer)、コールター社製コールターカウンターマルチサイザーII型(コールターカウンターと略)により測定した。
重量平均分子量(Mw):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した(装置:東ソー社製GPC装置 HLC−8020、カラム:Polymer Laboratory 社製 PL-gel Mixed-B 10μ、溶媒:THF、試料濃度:0.1wt%、検量線:標準ポリスチレン)。
ガラス転移温度(Tg):パーキンエルマー社製DSC7により測定した(30℃から100℃まで7分で昇温し、100℃から-20℃まで急冷し、-20℃から100℃まで12分で昇温し、2回目の昇温時に観察されたTgの値を用いた)。
0.6〜2.12μmの粒子数:シスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA-2000により測定した。
50%円形度:シスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA-2000にてトナーを測定し、下記式より求められた値の50%における累積粒度値に相当する円形度を用いた。
円形度=粒子投影面積と同じ面積の円の周長/粒子投影像の周長
実施例A1〜A3、比較例B1〜B3
[現像用トナーの製造−1(TA1)]
(ワックス分散液−1)
脱塩水68.33部、ペンタエリスリトールのステアリン酸エステル(ユニスターH−476、日本油脂製)とステアリン酸ステアリルを主体とするエステル混合物(ユニスターM9676、日本油脂製)7:3の混合物30部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオゲンSC、第一工業製薬製、有効成分66%)1.67部を混合し、90℃にて高圧剪断をかけ乳化し、エステルワックス微粒子の分散液を得た。LA-500で測定したエステルワックス微粒子の平均粒径は340nmであった。
(重合体一次粒子分散液−1)
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器(容積60リットル、内径400mm)にワックス分散液−1 28部、15%ネオゲンSC水溶液1.2部、脱塩水393部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、8%過酸化水素水溶液1.6部、8%アスコルビン酸水溶液1.6部を添加した。その後、下記のモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を重合開始から5時間かけて、開始剤水溶液を重合開始から6時間かけて添加し、さらに30分保持した。
(表1)
[モノマー類]
スチレン 79部(5530g)
アクリル酸ブチル 21部
アクリル酸 3部
ブロモトリクロロメタン 0.45部
2-メルカプトエタノール 0.01部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.9部
[乳化剤水溶液]
15%ネオゲンSC水溶液 1部
脱塩水 25部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 9部
8%アスコルビン酸水溶液 9部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体分散液を得た。重合体のTHF可溶分の重量平均分子量は127,000、UPAで測定した平均粒子径は220nm、Tgは不明瞭であった。
(樹脂微粒子分散液−1)
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器(容積60リットル、内径400mm)に15%ネオゲンSC水溶液5部、脱塩水372部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温して、8%過酸化水素水溶液1.6部、8%アスコルビン酸水溶液1.6部を添加した。その後、下記のモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を重合開始から5時間かけて、開始剤水溶液を重合開始から6時間かけて添加し、さらに30分保持した。
(表2)
[モノマー類]
スチレン 88部(6160g)
アクリル酸ブチル 12部
アクリル酸 2部
ブロモトリクロロメタン 0.5部
2-メルカプトエタノール 0.01部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.4部
[乳化剤水溶液]
15%ネオゲンSC水溶液 2.5部
脱塩水 24部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 9部
8%アスコルビン酸水溶液 9部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体分散液を得た。重合体のTHF可溶分の重量平均分子量は54,000、UPAで測定した平均粒子径は83nm、Tgは85℃であった。
(着色剤微粒子分散液−1)
ピグメントブルー15:3の水分散液(EP-700 Blue GA、大日精化製、固形分35%) UPAで測定した平均粒径は150nmであった。
(表3)
現像用トナーの製造−1
重合体一次粒子分散液−1 103部(2773g:固形分として)
樹脂微粒子分散液−1 5部(固形分として)
着色剤微粒子分散液−1 6.7部(固形分として)
15%ネオゲンSC水溶液 0.5部(固形分として)
上記の各成分を用いて、以下の手順によりトナーを製造した。反応器(容積60リットル、バッフル付きアンカー翼)に重合体一次粒子分散液と15%ネオゲンSC水溶液を仕込み、均一に混合してから着色剤微粒子分散液を添加し、均一に混合した。得られた混合分散液を攪拌しながら硫酸アルミニウム水溶液を滴下した(固形分として0.6部)。その後攪拌しながら25分かけて50℃に昇温して1時間保持し、さらに15分かけて60℃に昇温して1時間35分保持した。樹脂微粒子分散液、硫酸アルミニウム水溶液(固形分として0.07部)の順に添加し、5分かけて62℃に昇温して30分保持した。15%ネオゲンSC水溶液(固形分として3部)を添加してから50分かけて96℃に昇温して3時間保持した。その後冷却し、濾過、水洗し、乾燥することによりトナーを得た。
このトナー100部に対し、疎水性の表面処理をしたシリカを0.6部混合攪拌し、現像用トナー(TA1)を得た。
トナーの評価−1
現像用トナー(TA1)のコールターカウンターによる体積平均粒径は7.2μm、粒径の5μm以下の割合は2.5%、15μm以上の割合は0.8%、粒径0.6〜2.12μmの粒子数割合は0.39%、体積平均粒径の55%以下の粒径の割合は0.39体積%及び2.12個数%、体積平均粒径の40%以下の粒径の割合は1.37個数%であった。また、Dv/Dn=1.13であり、50%円形度は0.95であった。
[現像用トナーの製造−2(TA2)]
(ワックス分散液−2)
脱塩水68.33部、ベヘン酸ベヘニルを主体とするエステル混合物(ユニスターM-2222SL、日本油脂製)とステアリン酸ステアリルを主体とするエステル混合物(ユニスターM9676、日本油脂製)7:3の混合物30部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオゲンSC、第一工業製薬製、有効成分66%)1.67部を混合し、90℃にて高圧剪断をかけ乳化し、エステルワックス微粒子の分散液を得た。LA-500で測定したエステルワックス微粒子の平均粒径は340nmであった。
(重合体一次粒子分散液−2)
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器(容積60リットル、内径400mm)にワックス分散液−2 28部、15%ネオゲンSC水溶液1.2部、脱塩水393部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温して、8%過酸化水素水溶液1.6部、8%アスコルビン酸水溶液1.6部を添加した。その後、下記のモノマー類・乳化剤水溶液の混合物を重合開始から5時間かけて、開始剤水溶液を重合開始から6時間かけて添加し、さらに30分保持した。
(表4)
[モノマー類]
スチレン 79部
アクリル酸ブチル 21部
アクリル酸 3部
ブロモトリクロロメタン 0.45部
2-メルカプトエタノール 0.01部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.9部
[乳化剤水溶液]
15%ネオゲンSC水溶液 1部
脱塩水 25部
[開始剤水溶液]
8%過酸化水素水溶液 9部
8%アスコルビン酸水溶液 9部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体分散液を得た。重合体のTHF可溶分の重量平均分子量は148,000、UPAで測定した平均粒子径は207nm、Tgは55℃であった。
(樹脂微粒子分散液−2)
樹脂微粒子分散液−1と同じものを用いた。
(着色剤微粒子分散液−2)
ピグメントイエロー74 20部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル7部、脱塩水73部をサンドグラインダーミルにて分散し、着色剤微粒子分散液を得た。UPAで測定した平均粒径は211nmであった。
(帯電制御剤微粒子分散液−2)
4,4'-メチレンビス[2-[N-(4-クロロフェニル)アミド]-3-ヒドロキシナフタレン](下記構造の化合物CCA−1) 20部、アルキルナフタレンスルホン酸塩4部、脱塩水76部をサンドグラインダーミルにて分散し、帯電制御剤微粒子分散液を得た。UPAで測定した平均粒径は200nmであった。
(表5)
現像用トナーの製造−2
重合体一次粒子分散液−2 105部(固形分として)
樹脂微粒子分散液−1 5部(固形分として)
着色剤微粒子分散液−2 6.7部(固形分として)
帯電制御剤微粒子分散液−2 2部(固形分として)
上記の各成分を用いて、以下の手順によりトナーを製造した。反応器(容積1リットル、バッフル付きアンカー翼)に重合体一次粒子分散液と着色剤微粒子分散液を仕込み、均一に混合した。得られた混合分散液を攪拌しながら硫酸アルミニウム水溶液を滴下した(固形分として0.6部)。その後攪拌しながら25分かけて51℃に昇温して1時間保持し、さらに8分かけて59℃に昇温して40分保持した。帯電制御剤微粒子分散液、樹脂微粒子分散液、硫酸アルミニウム水溶液(固形分として0.07部)の順に添加し、15分かけて61℃に昇温して30分保持した。15%ネオゲンSC水溶液(固形分として3.8部)を添加してから30分かけて96℃に昇温して4時間保持した。その後冷却し、濾過、水洗し、乾燥することによりトナーを得た。このトナー100部に対し、疎水性の表面処理をしたシリカを0.6部混合攪拌し、現像用トナー(TA2)を得た。
トナーの評価−2
現像用トナー(TA2)のコールターカウンターによる体積平均粒径は7.5μm、粒径の5μm以下の割合は1.6%、15μm以上の割合は0.7%、粒径0.6〜2.12μmの粒子数割合は0.46%、体積平均粒径の55%以下の粒径の割合は0.26体積%及び2.8個数%、体積平均粒径の40%以下の粒径の割合は1.29個数%であった。また、Dv/Dn=1.14であり、50%円形度は0.96であった。
[現像用トナーの製造−3(TA3)]
(ワックス分散液−3)
ワックス分散液−2と同様にして製造したものを用いた。LA-500で測定したエステルワックス微粒子の平均粒径は340nmであった。
(重合体一次粒子分散液−3)
ワックス微粒子分散液−3を用いて、重合体一次粒子分散液−2と同様にして製造したものを用いた。重合体のTHF可溶分の重量平均分子量は119,000、UPAで測定した平均粒子径は189nm、Tgは57℃であっ(樹脂微粒子分散液−3)樹脂微粒子分散液−1と同じものを用いた。
(着色剤微粒子分散液−3)
ピグメントレッド238(下記式(A)の化合物)20部、アルキルベンゼンスルホン酸塩2.5部、脱塩水77.5部をサンドグラインダーミルにて分散し、着色剤微粒子分散液を得た。UPAで測定した平均粒径は181nmであった。
(表6)
(帯電制御剤微粒子分散液−3)
帯電制御剤微粒子分散液−2と同じものを用いた。
現像用トナーの製造−3
重合体一次粒子分散液−3 104部(固形分として)
樹脂微粒子分散液−1 6部(固形分として)
着色剤微粒子分散液−3 6.7部(固形分として)
帯電制御剤微粒子分散液−2 2部(固形分として)
15%ネオゲンSC水溶液 0.65部(固形分として)
上記の各成分を用いて、以下の手順によりトナーを製造した。反応器(容積1リットル、バッフル付きアンカー翼)に重合体一次粒子分散液と15%ネオゲンSC水溶液を仕込み、均一に混合してから着色剤微粒子分散液を添加し、均一に混合した。得られた混合分散液を攪拌しながら硫酸アルミニウム水溶液を滴下した(固形分として0.8部)。その後攪拌しながら15分かけて51℃に昇温して1時間保持し、さらに6分かけて59℃に昇温して20分保持した。帯電制御剤微粒子分散液、樹脂微粒子分散液、硫酸アルミニウム水溶液(固形分として0.09部)の順に添加し、59℃で20分保持した。15%ネオゲンSC水溶液(固形分として3.7部)を添加してから25分かけて95℃に昇温して、さらに15%ネオゲンSC水溶液(固形分として0.7部)を添加して、3.5時間保持した。その後冷却し、濾過、水洗し、乾燥することによりトナーを得た。
このトナー100部に対し、疎水性の表面処理をしたシリカを0.6部混合攪拌し、現像用トナー(TA3)を得た。
トナーの評価−3
現像用トナー(TA3)のコールターカウンターによる体積平均粒径は7.8μm、体積粒径の5μm以下の割合は2.1%、15μm以上の割合は2.1%、粒径0.6〜2.12μmの粒子数割合は0.80%、体積平均粒径の55%以下の粒径の割合は0.51体積%、体積平均粒径の40%以下の粒径の割合は1.85個数%であった。また、Dv/Dn=1.15であり、50%円形度は0.97であった。
(感光体の製造例−1)
(アルマイト層)
表面を鏡面仕上げした直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを脱脂剤、NC−#30(キザイ(株)製)の30g/l水溶液中で60℃、5分間脱脂洗浄を行なった。続いて水洗を行なった後、7%硝酸に25℃で1分間浸漬した。更に水洗後、180g/lの硫酸電解液中(溶存アルミニウム濃度7g/l)で1.2A/dm2の電流密度で陽極酸化を行ない、平均膜厚6μmの陽極化被膜を形成した。次いで水洗後、酢酸ニッケルを主成分とする高温封孔剤トップシールDX−500(奧野製薬工業(株)製)の10g/l水溶液に95℃で30分間浸漬し封孔処理を行なった。続いて水洗を行なった後、ポリエステル製スポンジを用いて被膜全面を3回、往復させてこすり洗浄を行なった。次いで水洗し乾燥した。
(下引き層)
酸化チタンとして石原産業(株)製、製品名TTO―55N(結晶型 ルチル一次粒径 0.03〜0.05μm)、混合アルコール(メタノール/1−プロパノール=70/30)をボールミルで16時間分散した。ここで得られた酸化チタン分散液を下記のポリアミド樹脂(PA−1)の混合アルコール(メタノール/1−プロパノール=70/30)溶液に加えた。最終的に酸化チタン/ナイロン比1/1(重量比)で固形分濃度16%の分散液を調製し、これを下引き層用分散液とした。
上記ドラム(アルミニウム製シリンダー)を、上記下引き層用分散液に浸漬塗布し、その乾燥膜厚が0.75μmになるように下引き層を設けた。
(電荷発生層)
・β型オキシチタニウムフタロシアニン(β型TiOPc)の製造フタロジニトリル97.5gをα−クロロナフタレン750ml中に加え、次に窒素雰囲気下で四塩化チタン22mlを滴下する。滴下後昇温し、撹拌しながら200〜220℃で3時間反応させた後、放冷し、100〜130℃で熱時濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄した。更に200mlのN−メチルピロリドンで熱懸洗処理(100℃、1時間)を3回行った。続いてメタノール300mlで室温にて懸洗しさらにメタノール500mlで1時間熱懸洗を3回行った。この様にして得られたオキシチタニウムフタロシアニンのX線回折によれば、ブラック角(2θ±0.2゜)で4゜から8゜には実質的なピークはなく、9.3゜、10.6゜、13.2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に明瞭な回折ピークがあり、この内、26.3゜のピークが最も強い。
・Y型オキシチタニウムフタロシアニン(Y型TiOPc)の製造上述の様に製造して得られたβ型オキシチタニウムフタロシアニンをサンドグラインドミルにて20時間磨砕処理を行い、続いて水400ml、オルソジクロロベンゼン40mlの懸濁液中に入れ、60℃で1時間加熱処理を行った。この様にして得られたオキシチタニウムフタロシアニンのX線回折(ブラッグ−ブレンターの集中法)によれば、ブラック角(2θ±0.2゜)で27.3゜に最大であって、鋭いピークを示した。
また、こうして得られたY型オキシチタニウムフタロシアニンを、試料ホルダとしてキャピラリーを用い、1.2085Åによる透過法X線回折を行ったところ、ブラッグ角(2θ±0.2°)21.3°(100)(但し、括弧内は21.3°のピーク強度を100としたときの相対強度)、18.9°(13)、14.1°(12)、11.8°(14)、11.1°(11)、9.2°(11)、7.6°(36)、7.4°(25)、5.8°(8)に回折ピークが観測された。なお、測定装置は、多連装検出器粉末X線回折装置で、装置の詳細は高エネルギー物理学研究所発行の、「放射光粉末回折実験ステーション(BL−4B)デザインレポート,(1995),KEK Report 94−11」に記載されている。測定条件は、ステップ角0.005°、4.5秒/ステップ、d値計算用波長=1.2085Åである。
・電荷発生層用塗布液の作製、および塗布上記製造例で得られたY型TiOPc 10部を、4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2 150重量部に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行った。また、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名デンカブチラール#6000C)の5% 1,2−ジメトキシエタン溶液100部及びフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名PKHH)の5% 1,2−ジメトキシエタン溶液100部を混合してバインダー溶液を作製した。先に作製した顔料分散液160重量部に、バインダー溶液100重量部、適量の1,2−ジメトキシエタンを加え最終的に固形分濃度4.0%の分散液を調製した。このようにして得られた分散液を、上記下引き層が塗布されたアルミニウムドラム上にさらに浸漬塗布により塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷移動層)
次いで、下記の電荷移動材料(TAPC)を45部、および下記構造式で示されるポリカーボネート樹脂(m:n=51:49、粘度平均分子量30,000)100部、4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール 16部、及びシリコーンオイル(信越シリコーン製、KF−96)0.03部をジオキサン170部、テトラヒドロフラン400部の混合溶媒に溶解させ、塗布液を作製した。これを、上記下引き層、電荷発生層が塗布されたアルミニウムドラム上にさらに浸漬塗布により、125℃で20分間乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷移動層を設けた。これを感光体「PC−A1」とする。
(感光体の製造−2)
アルマイト層、下引き層、電荷発生層の製造までは、上記感光体の製造例−1と同様に製造した。
(電荷移動層)
次いで、構造式(D−2)の電荷移動材料を60部、下記構造式で示されるポリカーボネート樹脂100部、4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール6部、及びシリコーンオイル(信越シリコーン製、KF−96)0.03部をジオキサン170部、テトラヒドロフラン400部の混合溶媒に溶解させ、塗布液を作製した。これを、上記下引き層、電荷発生層が塗布されたアルミニウムドラム上にさらに浸漬塗布により、125℃で20分間乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷移動層を設けた。これを感光体「PC−A2」とする。
(感光体の製造例−3)
アルマイト層、下引き層、電荷発生層の製造までは、上記感光体の製造例−1と同様に製造した。
(電荷移動層)
構造式(B−5)の電荷移動材料を60部と、下記構造式で示されるポリエステル[(P−1)と(M−1)の7:3共重合体ポリエステル樹脂(粘度平均分子量33、000)]100部、4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール8部、及びレベリング剤としてシリコーンオイル(信越シリコーン製、KF−96)0.03部をジオキサン170部、テトラヒドロフラン400部の混合溶媒に溶解させ、塗布液を作製した。これを、上記下引き層、電荷発生層が塗布されたアルミニウムドラム上にさらに浸漬塗布により、125℃で20分間乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷移動層を設けた。これを感光体「PC−A3」とする。
(感光体の製造例−4)
アルマイト層は、上記感光体の製造例−1と同様に製造した。これに、下引き層を設けることなく、アルマイト層上に、上記感光体の製造例−1と同様に電荷発生層を設けた。
(電荷移動層)
構造式(B−5)の電荷移動材料を60部と、下記構造式で示されるポリカーボネート樹脂(m:n=51:49,粘度平均分子量31,400)100部、4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール 8部、及びシリコーンオイル(信越シリコーン製、KF−96)0.03部をジオキサン170部、テトラヒドロフラン400部の混合溶媒に溶解させ、塗布液を作製した。これを、上記下引き層、電荷発生層が塗布されたアルミニウムドラム上にさらに浸漬塗布により、125℃で20分間乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷移動層を設けた。これを感光体「PC−A4」とする。
(感光体の製造例−5)
感光体の製造例−4と同様にして、アルマイト層上に電荷発生層を設けた。
(電荷移動層)
構造式(A−13)の電荷移動材料を35部と(B−2)の電荷移動材料を35部、および下記構造式で示されるのポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学製、ユーピロンZ−400)100部、4−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール 8部、及びレベリング剤としてシリコーンオイル(信越シリコーン製、KF−96)0.03部をトルエン110部、テトラヒドロフラン450部の混合溶媒に溶解させ、塗布液を作製した。これを、上記下引き層、電荷発生層が塗布されたアルミニウムドラム上にさらに浸漬塗布により、125℃で20分間乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷移動層を設けた。これを感光体「PC−A5」とする。
(感光体の製造例−6)
(比較感光体:β型TiOPcを使用)
感光体の製造例−4において、オキシチタニウムフタロシアニンとしてY型の代りにβ型を用いた以外は感光体の製造例−4と同様に製造した。これを感光体「PC−B1」とする。
(感光体の製造例−7)
(比較感光体:β型TiOPcを使用)
感光体の製造例−6において、アルミニウム基体として、直径30mm、長さ243mmのものを用いた以外は、感光体製造例−6と同様に感光体を製造した。これを感光体「PC−B2」とする。
実施例A1Casio社製カラーレーザープリンターColor PageprestoN4−612IIの現像槽にシアントナー(TA1)を入れ、また、感光体(PC−A1:Y型オキシチタニウムフタロシアニンを使用)を装着し、600dpiの露光密度で、2ドットon、2ドットoffの縦方向及び横方向に細線画像を形成した。
比較例B1トナーとして、N4−612II純正のシアントナー(これを、トナー(TB1)とする;混練/粉砕法により製造)を用いた以外は、実施例A1と同様に細線画像を形成した。なお、TB1の体積平均粒径(Dv)は9.10μm、Dv/Dn=1.24、50%円形度は0.93、粒径0.6〜2.12μmの粒子数割合は4.8%であった。
実施例A1及び比較例B1で得た細線画像を、キーエンス社製デジタルミクロスコープで読み込み、三谷商事のウインループソフトウエアにて画像解析し、画像濃度を求めた。なお画像濃度の値は画像解析により上記ソフトウエアにより算出された生データであり、値が大きいほうが画像濃度が高いことを表している。図3は縦方向に描いた細線画像の画像解析結果をグラフで示したものであり、図4は横方向に描いた細線画像の画像解析結果をグラフで示したものである。図3(縦方向)では、TA1、TB1のいずれのトナーを用いた場合にも、ほぼ同等の山・谷形状をしており、解像度としてほぼ同等であるが、図4(横方向)では、TA1を用いた場合に、山・谷の形状が鮮明に再現されており、高解像度を示すことがわかった。
参考例Xerox社製レーザープリンターDocuprint P1202、感光体(PC−B2:β型オキシチタニウムフタロシアニンを使用)を装着し、現像槽にトナーTA1又はTB1を入れて、600dpiの露光密度で、2ドットon、2ドットoffの縦方向及び横方向に細線画像を形成した。画像解析は、上記実施例A1と同様に行い、図5(縦方向に描いた細線画像の画像解析結果)及び、図6(横方向に描いた細線画像の画像解析結果)を得た。これらの結果から、TA1、TB1のいずれのトナーを用いた場合にも、縦方向、横方向共、同様な解像度であることがわかる。
即ち、Y型オキシチタニウムフタロシアニンを含有する高感度の感光体を用いる場合には、粒径が小さく、且つ、粒度分布がシャープを用いた場合において、高解像度の画像が再現でき、高感度感光体のパフォーマンスが格別に発揮されることが示されている。
比較例B1実施例A1において、トナーとして上記シアントナー(TA1)に代えて、N4−612純正の混練/粉砕シアントナー(TB1)を用いた以外は、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を第1表に示す。なお、TB1の体積平均粒径(Dv)は9.10μm、Dv/Dn=1.24、50%円形度は0.93、粒径0.6〜2.12μmの粒子数割合は4.8%であった。
比較例B2比較例B1において、トナーとして上記シアントナー(TB1)に代えて、N4−612純正の混練/粉砕イエロートナー(TB2)を用いた以外は、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を第1表に示す。なお、TB2の体積平均粒径(Dv)は9.18μm、Dv/Dn=1.25、50%円形度は0.93、粒径0.6〜2.12μmの粒子数割合は13.7%であった。
比較例B3比較例B1において、トナーとして上記シアントナー(TB1)に代えて、N4−612純正の混練/粉砕マゼンタトナー(TB3)を用いた以外は、実施例1と同様に画像形成を行った。結果を第1表に示す。なお、TB3の体積平均粒径(Dv)は9.16μm、Dv/Dn=1.32、50%円形度は0.93、粒径0.6〜2.12μmの粒子数割合は15.8%であった。
実施例A2実施例A1において、トナーとして上記シアントナー(TA1)に代えて、イエロートナー(TA2)を用いた以外は、実施例A1と同様に画像形成を行うことにより、実施例A1と同等の解像度の画像が得られる。
実施例A3実施例A1において、トナーとして上記シアントナー(TA1)に代えて、マゼンタトナー(TA3)を用いた以外は、実施例A1と同様に画像形成を行うことにより、実施例A1と同等の解像度の画像が得られる。
実施例A5実施例A1において、感光体(PC−A1)に代えて、感光体(PC−A2)を用いた以外は、実施例A1と同様に画像形成を行うことにより、実施例A1と同等の解像度の画像が得られる。
実施例A6実施例A1において、感光体(PC−A1)に代えて、感光体(PC−A3)を用いた以外は、実施例A1と同様に画像形成を行うことにより、実施例A1と同等の解像度の画像が得られる。
実施例A7実施例A1において、感光体(PC−A1)に代えて、感光体(PC−A4)を用いた以外は、実施例A1と同様に画像形成を行うことにより、実施例A1と同等の解像度の画像が得られる。
実施例A8実施例A1において、感光体(PC−A1)に代えて、感光体(PC−A5)を用いた以外は、実施例A1と同様に画像形成を行うことにより、実施例A1と同等の解像度の画像が得られる。
実施例A9〜A14、比較例B4、B5
[現像用トナーの製造−4(TA4〜TA9)]
(着色剤分散液の作製)
i)着色剤分散液AC.I.ピグメントレッド48:2 50gに脱塩水150g、アルキルベンゼンスルホン酸塩7.6gを添加しサンドグラインダーミルで6時間分散処理して平均粒径0.20μmの着色剤分散液を得た。
ii)着色剤分散液BC.I.ピグメントブルー15:3 60gに、脱塩水130g、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル10gを添加しサンドグラインダーミルで6時間分散処理して平均粒径0.15μmの着色剤分散液Bを得た。
iii)着色剤分散液CC.I.ピグメントイエロー74 40gに、脱塩水146g、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル14gを添加しサンドグラインダーミルで6時間分散処理して平均粒径0.30μmの着色剤分散液Cを得た。
iv)着色剤分散液Dカーボンブラック(三菱化学製MA100)40gに、脱塩水146g、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル14gを添加しサンドグラインダーミルで6時間分散処理して平均粒径0.30μmの着色剤分散液Dを得た。
(ポリマー乳化液の合成)
反応器に固形分30%のエステルワックスエマルジョン2.2kg、脱塩水26kgを入れ90℃に昇温し、ドデシルベンゼンスルホン酸塩6g、スチレン5kg、n−ブチルアクリレート1.3kg、アクリル酸186g、ジビニルベンゼン25g、トリクロロブロロメタン31g、8%過酸化水素水溶液656g、8%アスコルビン酸水溶液656gを添加した。90℃7時間反応を継続しスチレンアクリルポリマーからなる乳化液(重合体一次粒子分散液)を得た。
(帯電制御剤分散液の作製)
4,4’−メチレンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレン〕(前記CCA−1)40gに脱塩水160g、分散剤としてアルキルナフタレンスルフォン酸塩8gを添加しサンドグラインダーミルで2時間分散処理して帯電制御剤分散液を得た。
(トナーの製造)
a)トナー(TA4)
ポリマー乳化液300gに着色剤分散液A19g、帯電制御剤分散液1.8gを混合攪拌した。攪拌を継続しながらこの中に0.5%Al2(SO4)3 79.4gを加え25℃から2時間かけて60℃に昇温し攪拌を継続した。ドデシルベンゼンスルホン酸塩2gを添加し98℃に昇温し6時間攪拌を継続した。得られた粒子を吸引濾過、水洗を繰り返し送風乾燥する事によりマゼンタトナー60gを得た。得られた粒子をコールターカウンターを用いて粒径を測定したところ、体積平均径は7.6μm、個数平均径6.7μmであった。体積平均粒径/個数平均粒径の値は、1.13であり粒度分布の優れたものであった。また、FPIA−2000を用いて円形度及び0.6〜2.12μmの粒子の個数割合を測定したところ、50%円形度は0.99であり、0.6〜2.12μmの粒子の個数割合は6%であった。トナー100部に対して、疎水性の表面処理をしたシリカを1部添加し混合攪拌し現像用トナーとした。(これをTA4とする)
b)トナー(TA5)
上記トナー(TA4)で使用した着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Bを使用する以外は、トナー(TA4)と同様に製造したところ、体積平均径7.3μm、個数平均径6.3μmのシアントナーを57g得る事ができた。尚、体積平均径/個数平均径の値は、1.16であった。また、50%円形度は0.99、0.6〜2.12μmの粒子の個数割合は4%であった。トナー(TA4)と同様に外添処理を実施し現像用トナーとした(これをTA5とする)。
c)トナー(TA6)
上記トナー(TA4)で使用した着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Cでを使用する以外は、トナー(TA4)と同様に製造したところ、体積平均径7.5μm、個数平均径6.3μmのイエロートナーを57g得る事ができた。尚、体積平均径/個数平均径の値は、1.19であった。また、50%円形度は0.99、0.6〜2.12μmの粒子の個数割合は3%であった。トナー(TA4)と同様に外添処理を実施し現像用トナーとした(これをTA6とする)。
d)トナー(TA7)
上記トナー(TA4)で使用した着色剤分散液Aの代わりに着色剤分散液Dを使用する以外はトナー(TA4)と同様に製造したところ、体積平均径7.5μm、個数平均径6.2μmのブラックトナーを57g得る事ができた。尚、体積平均径/個数平均径の値は、1.21であった。また、50%円形度は0.98、0.6〜2.12μmの粒子の個数割合は4%であった。トナー(TA4)と同様に外添処理を実施し現像用トナーとした(これをTA7とする)。
e)トナー(TA8)
上記トナー(TA4)の製造において、Al2 (SO4 )3 の量を50gに変更する以外はトナー(TA4)と同様に製造したところ、体積平均径7.5μm、個数平均径5.3μmのマゼンタナトーを60gを得る事ができた。また、50%円形度は0.99、0.6〜2.12μmの粒子の個数割合は7%であった。トナー(TA4)と同様に外添処理を実施し現像用トナーとした(これをTA8とする)。
f)トナー(TA9)
上記トナー(TA4)の製造において、25℃から60℃への昇温時間を2時間から30分に変更する以外はトナー(TA4)と同様に製造したところ、体積平均粒径7.5μm、個数平均粒径6.2μmのマゼンタトナーを60g得ることができた。尚、体積平均径/個数平均径の値は、1.21であった。また50%円形度は0.98、0.6〜2.12μmの粒子の個数割合は16%であった。トナー(TA4)と同様に外添処理を実施し現像用トナーを得た(これをTA9とする)。
g)トナー(TB4)
(比較用トナー)
ポリエステル樹脂(Tg=60℃、Sp=135℃、1%架橋)94部にフタロシアニンブルー15:3を40%含有する前記ポリエステル樹脂のマスターバッチ10部、帯電制御剤として4,4’−メチレンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレン〕(前記CCA−1)、1部を溶融混練りした後、粉砕、分級した。尚、得られたトナーの体積平均径は7.8μm、個数平均径は5.8μmであった。また、体積平均径/個数平均径の値は、1.34であった。このトナー100部に疎水性の表面処理をしたシリカを1部添加して混合攪拌し比較現像用トナーとした(これをTB4とする)。
(評価法)
以上の様にして得られたトナー(TA4〜TA9)及び感光体(PC−A1、PC−B 1)をCASIO社製Color PageprestoN4−612IIに搭載し、600dpiの露光密度にて画像形成して、以下の項目について評価した。結果を第2表に示す。
・階調性
画像濃度が網点の面積率で10段階の濃度を判別できる様な画像モードを有したプリントローラーを接続し、プリント画像が何段階まで判別できるかを評価した。判別できる段階が大きいほど、高階調性であることを示す。
・解像度−1プリント画像として、1mmあたり6本、9本、12本の等間隔の縦線を描くように露光し、画像形成して、1mmあたり何本の縦線かで判別できるかを目視により評価した。本数が多いほど高精細であることを示す。
・解像度−2
プリント画像上に直径50μmの孤立ドットの再現性により評価した。
A:再現性極めて良好
B:良好C:解像力不充分
本発明に用いられる画像形成装置の一例の概略図である。 本発明に用いられるタンデム型フルカラー画像形成装置の一例の主要構成部の概略図である。 実施例A1及び比較例B1において、縦方向に描いた細線画像の画像解析結果をグラフに示したものである。 実施例A1及び比較例B1において、横方向に描いた細線画像の画像解析結果をグラフに示したものである。 参考例において、縦方向に描いた細線画像の画像解析結果をグラフに示したものである。 参考例において、横方向に描いた細線画像の画像解析結果をグラフに示したものである。
符号の説明
1 感光体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像槽
4k ブラック現像槽
4y イエロー現像槽
4c シアン現像槽
4m マゼンタ現像槽
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材
72 下部定着部材
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙

Claims (24)

  1. 少なくとも感光体、トナー及び露光装置を備えたタンデム型フルカラー画像形成装置において、該トナーの体積平均粒径(Dv)が3〜8μmであり、粒径0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 体積平均粒径(Dv)が3〜8μmであり、粒径0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下であるトナーを備えたトナーカートリッジを備えた感光体カートリッジとを有する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 体積平均粒径(Dv)が3〜8μmであり、粒径0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下であるトナーと備えたタンデム型フルカラー画像形成装置用の電子写真用カートリッジ。
  4. 体積平均粒径(Dv)が3〜8μmであり、粒径0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下であるトナーを備えたカートリッジを搭載した請求項1に記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  5. 感光体が、導電性支持体上に電荷発生層と電荷移動層をこの順に積層したものである請求項1、2又は4のいずれかに記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  6. トナーが少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤を含み、湿式重合法により製造されることを特徴とする請求項1、2、4又は5のいずれかに記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  7. ワックスがトナー中に1〜40%含まれる請求項6に記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  8. ワックスの融点が30〜100℃である請求項7に記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  9. ワックスが、炭素数10〜30の脂肪酸アルキルエステルを含有する請求項6乃至8のいずれかに記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  10. ワックスが、炭素数15〜50の多価アルコールの脂肪酸エステルを含有する請求項6乃至8のいずれかに記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  11. トナーが少なくとも重合体一次粒子及び着色剤粒子を凝集させて粒子凝集体とする工程を経て得られる請求項6乃至10のいずれかに記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  12. トナーが、粒子凝集体にワックスを含有しない樹脂微粒子を付着させる工程を経て得られる請求項11に記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  13. 粒子凝集体を、Tg+20〜Tg+80の温度範囲(但し、Tgは重合体一次粒子のガラス転移温度)に1時間以上保持する工程を経て得られる請求項11または12に記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  14. 重合体一次粒子が、乳化分散させたワックス微粒子の存在下に単量体を重合して得られるものである請求項11乃至13のいずれかに記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  15. 電荷移動層のバインダー樹脂がポリカーボネートを含む請求項5乃至13のいずれかに記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  16. 電荷移動層のバインダー樹脂がポリアリレートを含む請求項5乃至13のいずれかに記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  17. 感光体が導電性基体と電荷発生層の間に中間層を有する請求項5乃至16のいずれかに記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  18. 中間層としてアルマイト層を有する請求項17に記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  19. 中間層として下引き層を有し、該下引き層のバインダー樹脂がポリアミドを含む請求項17又は18に記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  20. 露光装置が、500〜850nmの範囲のレーザー光を発するものである請求項1、2、4乃至19のいずれかに記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  21. トナー中の粒径0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の5%以下である請求項1、2、4乃至20のいずれかに記載のタンデム型フルカラー画像形成装置。
  22. 少なくとも感光体、露光装置、及びトナーを備えたタンデム型フルカラー画像形成装置を用いた画像形成方法において、該感光体に対し、該露光装置によってデジタル像露光を行って、感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像の現像において、体積平均粒径(Dv)が3〜8μmであり、粒径0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値(個数)が全粒子数の15%以下であるトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  23. 感光体が、導電性支持体上に電荷発生層と電荷移動層をこの順に積層したものである請求項22に記載の画像形成方法。
  24. 露光装置によって、記録ドット密度が600ドット/インチ以上のデジタル像露光を行うことを特徴とする請求項22又は23に記載の画像形成方法。
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JP2015219392A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

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