JP2006242403A - 冷媒サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 利用側熱交換器の容量を確保すると共に、被空調空間を円滑に除湿暖房することができる冷媒サイクル装置を提供する。
【解決手段】 室内ガスクーラ2及びエバポレータ9(第1及び第2の利用側熱交換器)を出た冷媒と室外熱交換器5(熱源側熱交換器)を出た冷媒とを熱交換させる内部熱交換器3を備えると共に、コンプレッサ1から吐出された冷媒を室内ガスクーラ2に流して放熱させ、放熱した冷媒を減圧した後、室外熱交換器5に流して吸熱させ、コンプレッサ1に戻す暖房モードと、コンプレッサ1から吐出された冷媒を室外熱交換器5に流して放熱させ、放熱した冷媒を減圧した後、エバポレータ9に流して吸熱させ、コンプレッサ1に戻す冷房モードとを実行可能であり、この冷房モードにおける内部熱交換器3での冷媒の熱交換量を、暖房モードにおける熱交換量よりも大きくした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、被空調空間と熱交換可能に配置された利用側熱交換器にて冷媒を放熱若しくは吸熱させて、被空調空間の空調を行う冷媒サイクル装置に関するものである。
従来、この種冷媒サイクル装置、例えば、自動車の車室内の空調及び除湿を行うカーエアコンは、図11に示すようにコンプレッサ204と、被空調空間である車室内と熱交換可能に設置された利用側熱交換器201と、室外に設置された熱源側熱交換器203と、流量調整弁211、212、213等から冷媒回路が構成される。
前記利用側熱交換器201は、図12に示すように一方に車室内の足下Fo、正面Fa、フロントガラス等のガラス面Deの3方向に指向する吹出口200Aが形成され(図11では図示せず)、車室内と熱交換可能に設けられた収納室200内に設置される。この収納室200の利用側熱交換器201を挟んで吹出口200Aと反対側には車室内の空気を利用側熱交換器201に送風し、当該利用側熱交換器201にて冷媒と熱交換した空気を吹出口200Aから車室内に送風するための送風機210が設置されている。
当該利用側熱交換器201は、コンプレッサ204で圧縮された冷媒を放熱させるための室内ガスクーラ202と、流量調整弁212にて減圧された冷媒を吸熱させるためのエバポレータ209とから構成され、室内ガスクーラ202が収納室200内の吹出口200A側、エバポレータ209が送風機210側に配置される。また、収納室200の室内ガスクーラ202の背面(エバポレータ209側)には可動式の仕切部材205が設置され、当該仕切部材205は、収納室200内上下方向の略中心に設けられた軸211を中心として、半転可能とされている。
そして、図12で示すように仕切部材205が室内ガスクーラ202の背面に位置する場合、当該仕切部材205にて、室内ガスクーラ202に送風機210からの送風が遮断されるため、室内ガスクーラ202にて冷媒は殆ど放熱しない。また、図12に破線で示すように仕切部材205が室内ガスクーラ202の上側に位置する場合、仕切部材205にて室内ガスクーラ202への送風が遮断されないので、室内ガスクーラ202にて冷媒と送風機210から送風される空気とが熱交換する。そして、冷媒の放熱により加熱された空気が吹出口200Aから車室内に送風される。
ここで、図11及び図12に示す従来のカーエアコンの動作を説明する。先ず、車室内を暖房する暖房モードについて説明する。この場合、仕切部材205を図11に破線で示すように室内ガスクーラ202の上側に位置させると共に、流量調整弁211にて減圧が行われるように、当該流量調整弁211を絞る。更に、流量調整弁212を全閉すると共に、流量調整弁213を全開として、エバポレータ209への冷媒流通を阻止する。
先ず、コンプレッサ204にて圧縮された冷媒が室内ガスクーラ202に流入し、周囲の空気と熱交換して放熱する。このとき、室内ガスクーラ202にて冷媒と熱交換して加熱された空気は送風機210により吹出口200Aを介して車室内に送風される。これにより、車室内が暖房される。
一方、室内ガスクーラ202にて放熱した冷媒は、流量調整弁211で減圧された後、熱源側熱交換器203に入り、そこで吸熱して、蒸発した後、流量調整弁213を経てコンプレッサ204に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
次に、室内を冷房する冷房モードについて説明する。この場合、仕切部材205を図12に示すように室内ガスクーラ202の背面側に位置させる。また、流量調整弁211を全開とし、流量調整弁212を減圧可能に絞ると共に、流量調整弁213を全閉とする。そして、コンプレッサ204にて圧縮された冷媒は室内ガスクーラ202に流入する。ここで、当該冷房モードでは、仕切部材205が室内ガスクーラ202の背面に位置して、送風機210からの送風が遮断されるため、室内ガスクーラ202にて冷媒は殆ど放熱すること無く、熱源側熱交換器203に流入する。
熱源側熱交換器203に入った冷媒は周囲の空気と熱交換して放熱した後、流量調整弁212で減圧され、エバポレータ209にて吸熱して、蒸発する。このとき、冷媒と熱交換して冷却された空気は送風機210により吹出口200Aを介して車室内に送風される。これにより、車室内が冷却される。他方、エバポレータ209にて吸熱して、蒸発した冷媒はコンプレッサ204に吸い込まれるサイクルを繰り返す(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−19443号公報
ここで、近年では地球環境問題に対処するため、この種のカーエアコン等の冷媒サイクルにおいても、従来のフロンを用いずに自然冷媒であるCO2(二酸化炭素)を冷媒として用い、高圧側を超臨界圧力として運転することが試みられている。二酸化炭素冷媒を用いて高圧側を超臨界圧力とした場合、室内暖房能力は室内ガスクーラ出口温度に影響される。暖房時は室内温度が低いときは、この出口温度も低下し能力向上が期待できるが、冷房時は熱源側熱交換器であるガスクーラは室外の高温外気と熱交換しなければならない。このため、出口温度を下げることができず、冷房能力を出すことが困難であった。
上記問題を解決するため、冷媒回路上に、放熱して、減圧される前の高圧側冷媒と吸熱して、コンプレッサに吸い込まれる前の低圧冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を設ける試みがなされている。係る内部熱交換器により、冷房モードにおいて、室内ガスクーラにて放熱した冷媒を低圧側の冷媒と熱交換させて、更に放熱させることができるようになり、熱源側熱交換器であるガスクーラの温度を下げることが可能となり、所望の冷房能力を得ることができるようになった。
しかしながら、従来の内部熱交換器では、暖房モードと冷房モードの両モードとも冷媒は同じ経路を通過するため、内部熱交換器における冷媒の熱交換量を冷房モードに最適なものとした場合には、暖房モードでは、内部熱交換器における熱交換で、低圧側の冷媒がより高温となって、コンプレッサにて圧縮された冷媒の吐出温度が異常上昇する問題が生じていた。これにより、コンプレッサ内のオイルが劣化したり、コンプレッサや周辺機器に悪影響を及ぼす不都合が生じていた。また、冷媒回路の高圧側に配置される機器の材料も係る高温に対応したものを選択しなければならず、材料の選択にも支障をきたす恐れがあった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、暖房モード及び冷房モードにおける内部熱交換器の熱交換量を最適とすることができる冷媒サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明の冷媒サイクル装置は、被空調空間と熱交換可能に配置された利用側熱交換器と、被空調空間外に配置された熱源側熱交換器と、冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサとを備え、冷媒として二酸化炭素を用いると共に、高圧側が超臨界圧力と成り得るものであって、利用側熱交換器を出た冷媒と熱源側熱交換器を出た冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を備えると共に、コンプレッサから吐出された冷媒を利用側熱交換器に流して放熱させ、この利用側熱交換器にて放熱した冷媒を減圧した後、熱源側熱交換器に流して吸熱させ、コンプレッサに戻す暖房モードと、コンプレッサから吐出された冷媒を熱源側熱交換器に流して放熱させ、この熱源側熱交換器にて放熱した冷媒を減圧した後、利用側熱交換器に流して吸熱させ、コンプレッサに戻す冷房モードとを実行可能であり、この冷房モードにおける内部熱交換器での冷媒の熱交換量を、暖房モードにおける熱交換量よりも大きくしたものである。
請求項2の発明は、上記発明において内部熱交換器は、相互に熱交換可能とされ、且つ、それぞれの間の熱交換能力が異なる少なくとも3つの冷媒流路を一体に備え、利用側熱交換器を出た冷媒と熱源側熱交換器を出た冷媒のうちの少なくとも一方を、暖房モードと冷房モードにおいて異なる冷媒流路に流すことにより、それらの間の熱交換量を変更するものである。
本発明の冷媒サイクル装置によれば、冷媒として二酸化炭素を用いて、高圧側を超臨界圧力とすることで、暖房モードでは、利用側熱交換器において、二酸化炭素冷媒は凝縮することなく、超臨界状態を維持したまま放熱するため、周囲の空気をより高温に加熱することができるようになる。
また、利用側熱交換器を出た冷媒と熱源側熱交換器を出た冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を備えることで、冷房モードでは、熱源側熱交換器出口温度を下げることができるようになる。
特に、冷房モードにおける前記内部熱交換器での冷媒の熱交換量を、前記暖房モードにおける熱交換量よりも大きくすることで、冷房モードにおいて冷媒をより効果的に過冷却して、利用側熱交換器における冷房能力を向上させながら、暖房モードにおけるコンプレッサの吐出冷媒温度の上昇を抑えることができるようになる。
更に、請求項2の如く、内部熱交換器は、相互に熱交換可能とされ、且つ、それぞれの間の熱交換能力が異なる少なくとも3つの冷媒流路を一体に備え、利用側熱交換器を出た冷媒と熱源側熱交換器を出た冷媒のうちの少なくとも一方を、暖房モードと冷房モードにおいて異なる冷媒流路に流すことにより、それらの間の熱交換量を変更することで、内部熱交換器の設置スペースを最小限に抑えることが可能となる。これにより、冷媒サイクル装置のコンパクト化を図ることができるようになる。
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の冷媒サイクル装置の一実施例として、当該冷媒サイクル装置を車室内を空調するカーエアコンに適応した場合の冷媒回路図である。実施例のカーエアコンは少なくともエンジン駆動自動車又はハイブリッド自動車等に適用可能である。
図1において、20は本実施例の自動車の冷媒サイクル装置で、この冷媒サイクル装置20は、第1の利用側熱交換器としての室内ガスクーラ2及び第2の利用側熱交換器としてのエバポレータ9と、熱源側熱交換器としての室外熱交換器5、冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサ1等を備えている。即ち、当該冷媒サイクル装置20は、コンプレッサ1、室内ガスクーラ2、減圧手段としての第1の膨張弁4及び第2の膨張弁8、エバポレータ9及及び室外熱交換器5等を配管接続することにより冷媒回路が構成されている。上記室内ガスクーラ2及びエバポレータ9は、被空調空間としての車室内と熱交換可能に配置され、室外熱交換器5は、人が乗車しない車室外(被空調空間外)に配置されている。
本実施例のコンプレッサ1は、密閉容器内に第1及び第2の回転圧縮要素を備えた多段圧縮式ロータリコンプレッサで、冷媒として二酸化炭素(CO2)を使用している。従って、当該冷媒サイクル装置20の冷媒回路の高圧側は超臨界圧力と成り得る。
そして、コンプレッサ1の吐出側の配管22は、三方弁40に接続される。この三方弁40から出た一方の配管23は、室内ガスクーラ2に接続される。この室内ガスクーラ2は、コンプレッサ1から出た高温高圧の冷媒ガスと車室内の空気とを熱交換して車室内の暖房を行うためのものである。室内ガスクーラ2の出口には配管24の一端が接続され、当該配管24は途中で分岐し、分岐した一方の配管26は第2の膨張弁8に至る。
一方、配管24から分岐した他方の配管25は後述する内部熱交換器3の冷媒配管70の一端70Aに接続される。そして、冷媒配管70の他端70Bには配管27が接続される。配管27は第1の膨張弁4に接続され、第1の膨張弁4を出た配管28は配管29の途中部に接続される。
配管29の一端は室外熱交換器5の一端に接続され、他端は内部熱交換器3の冷媒配管71の内側に形成された冷媒流路72の他端72Bに接続される。室外熱交換器5の他端には配管30の一端が接続され、この配管30は、電磁弁42を通過して他端はレシーバタンク50に接続される。レシーバタンク50を出た配管31は内部熱交換器3の冷媒配管71の前記冷媒流路72の外周に形成された冷媒流路73の一端73Aに接続される。また、冷媒流路73の他端73Bから出た配管32はコンプレッサ1の入口に接続される。
一方、三方弁40から出た他方の配管33は、前記配管30の途中部に接続される。また、前記内部熱交換器3の冷媒流路72の一端72Aから出た配管は逆止弁41を通過した後、前記配管25の途中部に接続される。尚、逆止弁41は、冷媒を内部熱交換器3側から配管25側へ流通させ、配管25側から内部熱交換器3側に冷媒が流通するのを阻止する。
他方、前記配管24から分岐した一方の配管26は、第2の膨張弁8を経てエバポレータ9に接続される。エバポレータ9から出た配管34は、後述する定圧弁10を経て前記配管30の途中部に接続される。
また、室内ガスクーラ2とエバポレータ9とは図2に示すように一方に車室内の足下Fo、正面Fa、フロントガラス等のガラス面Deの三方向に指向する吹出口120Aが形成され、車室内と熱交換可能な収納室120に並設される。そして、室内ガスクーラ2が収納室120内の吹出口120A側に、エバポレータ9が吹出口120Aとは反対側には配置される。また、収納室120の室内ガスクーラ2及びエバポレータ9を挟んで吹出口120Aとは反対側には送風機60が設置され、当該送風機60は、車室内の空気を吸い込んで、これら室内ガスクーラ2とエバポレータ9に送風し、当該室内ガスクーラ2及びエバポレータ9と熱交換した空気を車室内に循環させて車室内の空調を行う。
また、前記室外熱交換器5の近傍には図示しない室外送風機が設けられている。当該室外熱交換器5は、後述する暖房モード及び除湿暖房モードでは、室外熱交換器5にて冷媒を吸熱させて、外部から汲み上げると共に、冷房モードではエバポレータ9で吸熱した車室内の熱を室外熱交換器5に搬送して外部に放出するためのものである。
前述した定圧弁10は、エバポレータ9における冷媒の蒸発温度を所定値以上、例えば、0℃以上に維持するためのものであり、本実施例の定圧弁10は、当該定圧弁10を通過させることで冷媒の圧力が3.5MPaとなる。これにより、本実施例のカーエアコンではエバポレータ9での冷媒の蒸発温度を0℃以上に維持することができ、エバポレータ9の凍結を防止することができるようになる。更に、エバポレータ9での冷媒の蒸発温度を0℃以上に維持することで、除湿暖房モードにおいて、室内ガスクーラ2による暖房に必要以上の悪影響を及ぼすことなく円滑な除湿暖房を実現することが可能となる。
尚、前記第1及び第2の膨張弁4、8は全閉及び絞り調整可能な電磁弁であり、後述するコントローラ80にて開度が制御されている。また、図中90は、コンプレッサ1の出口の冷媒温度を検出するための温度センサ、91はエバポレータ9における冷媒の蒸発温度を検出するための温度センサ、92は室外熱交換器5における冷媒温度を検出するための温度センサ、93は配管25を通過する冷媒温度を検出するための温度センサである。これらは、コントローラ80に接続されている。
前述したコントローラ80は、カーエアコンの制御を司る制御装置であり、前記定圧弁10、三方弁40、電磁弁42、第1及び第2の膨張弁4、8、送風機60、室外熱交換器5近傍に設けられた図示しない室外送風機及びコンプレッサ1の運転を制御している。コントローラ80の入力側には、上述する温度センサ90、91、92及び93、車室内の温度を検出するための図示しない車室内温度センサ、車室内の湿度を検出する車室内湿度センサ等が接続される。また、出力側には、上記定圧弁10、三方弁40、電磁弁42、第1及び第2の膨張弁4、8、送風機60、室外送風機及びコンプレッサ1が接続される。
そして、コントローラ80は、温度センサ90、91、92、93及び車室内温度センサが検出する車室内温度と設定温度に基づいてコンプレッサ1の周波数を制御し、車室内の温度制御を行うと共に、圧力センサ93aが検出する高圧圧力と温度センサ93に基づいて、第2の膨張弁8の開度を制御している。
即ち、暖房モードでは、コントローラ80は、温度センサ93により設定された運転圧力で運転を行うため、膨張弁4を制御して、所定の圧力を実現する。この状態で、車室内温度センサにて検出される車室内温度が設定温度より下がると、コンプレッサ1の周波数を上昇する。また、設定温度より車室内温度が上がると、コントローラ80は、コンプレッサ1の周波数を下げる。
一方、冷房モードにおいて、温度センサ91にて検出されるエバポレータ9にて冷媒が蒸発する温度が所定温度となるようにコンプレッサ1の周波数を制御すると共に、車室内温度センサにて検出される車室内温度が設定温度より上がると、コントローラ80は、コンプレッサ1の周波数を上昇し、設定温度より下がると、コンプレッサ1の周波数を下げる。
また、除湿暖房モードでは、各温度センサ90、91、92、93にて検出される冷媒温度によるコンプレッサ1の周波数制御に加えて、車室内湿度センサが検出する車室内の湿度が設定湿度より上昇すると、コントローラ80は、第2の膨張弁8の開度を増大させる。これにより、エバポレータ9に冷媒が多く流れるため、車室内の空気から水分をより凝結させて、取り除くことができる。また、設定湿度より車室内湿度が低下すると、コントローラ80は第2の膨張弁8は開度を縮小して、エバポレータ9に流れる冷媒量を減少させる。
ここで、前述した内部熱交換器3は、室内と熱交換可能に設置された利用側熱交換器としての室内ガスクーラ2又はエバポレータ9を出た冷媒と室外に設置された熱源側熱交換器としての室外熱交換器5を出た冷媒とを熱交換させるためのものであり、後述する冷房モードにおける当該内部熱交換器3での冷媒の熱交換量を、暖房モードにおける熱交換量より大きくしている。即ち、内部熱交換器3は相互に熱交換可能とされ、且つ、それぞれの間の熱交換能力が異なる少なくとも3つの冷媒流路を一体に備えて、利用側熱交換器(室内ガスクーラ2又はエバポレータ9)を出た冷媒と熱源側熱交換器(室外熱交換器5)を出た冷媒のうちの少なくとも一方を暖房モードと冷房モードにおいて異なる冷媒流路に流すことにより、それらの間の熱交換量を変更する構造とされている。
本実施例の内部熱交換器3は、図3に示すように冷媒流路72とその外周に形成された冷媒流路73とから成る二重管構造の冷媒配管71と、当該冷媒配管71に当接して(線接触して)設けられ、内部に冷媒流路が形成された冷媒配管70とから構成されている。
そして、冷媒配管70の一端70Aには前記配管25が接続され、他端70Bには配管27が接続される。また、冷媒配管71の内側の冷媒流路72の一端72Aは、前記逆止弁41に至る配管に接続され、他端72Bは配管29の他端が接続される。更に、冷媒配管71の冷媒流路72の外周に形成された冷媒流路73の一端73Aには前記配管30が接続され、他端73Bはコンプレッサ1に至る配管32が接続される。
以上の構成で次にカーエアコンの動作を説明する。尚、最初に自動車の車室内の暖房を行う暖房モードの例を図4、図7を参照して説明する。図4は暖房モードにおける冷媒の流れを示す図、図7はこの場合のモリエル線図をそれぞれ示している。図4の実線は冷媒の流れる配管を示し、破線は冷媒の流れない配管を示す。また、矢印は冷媒の流れを示す。暖房モードにおいて、コントローラ80は冷媒回路に設けられた前記電磁弁42を開き、第2の膨張弁8を全閉すると共に、第1の膨張弁4を絞って、第1の膨張弁4を通過する冷媒が所定の圧力に減圧されるように制御する。また、前記三方弁40を切り換えて冷媒が配管22から配管23に流れるように制御する。
コンプレッサ1が駆動されると、コンプレッサ1にて圧縮された冷媒が配管22に吐出される。このとき、冷媒は適切な超臨界圧力まで圧縮される(図7の実線のBの状態)。配管22に吐出された冷媒は、前記三方弁40を経て配管23から室内ガスクーラ2に流入する。そこで、冷媒は周囲の空気と熱交換して放熱する(図7実線のCの状態)。そして、冷媒から熱をもらって加熱された空気は、前記送風機60により吹出口120A側に送風され、車室内に吐出されて、車室内の暖房が行われる。また、当該室内ガスクーラ2において、二酸化炭素冷媒は凝縮することなく、超臨界状態を維持したまま放熱するため、熱交換能力が非常に高く、周囲の空気をより高温に加熱することができる。
一方、室内ガスクーラ2にて放熱した冷媒は、室内ガスクーラ2から出て配管24に入る。ここで、前述の如く第2の膨張弁8は完全に閉じられているため、配管24を流れる冷媒は配管26からエバポレータ9に流れることなく、全て配管25に流れ、一端70Aから冷媒配管70に入り、内部熱交換器3内を通過する。内部熱交換器3において、前記室内ガスクーラ2にて放熱し、減圧される前の当該高圧側の冷媒は、この冷媒配管70と交熱的に設けられた冷媒配管72の冷媒流路73を流れる室外熱交換器5を出た低圧側の冷媒と熱交換して、更に放熱する(図7実線のDの状態)。
内部熱交換器3にて放熱し、冷媒配管70の他端70Bから出た冷媒は、第1の膨張弁4に至る。冷媒は第1の膨張弁4における圧力低下で、気体/液体の二相混合体とされ(図7実線のEの状態)、この状態で室外熱交換器5に流入する。そこで冷媒は周囲の空気から吸熱して蒸発する(図7実線のFの状態)。その後、冷媒は配管30に入り、電磁弁42を介してレシーバタンク50に至る。そこで、冷媒は気液が分離され、ガス冷媒のみが配管31を経て、一端73Aから冷媒配管72の冷媒流路73に入り、内部熱交換器3を通過する。内部熱交換器3において、当該冷媒ガスは上述した室内ガスクーラ2にて放熱し、減圧される前の冷媒と熱交換して加熱される(図7実線のAの状態)。これにより、当該内部熱交換器3にてコンプレッサ1に吸い込まれる冷媒の過熱度をとることができ、コンプレッサ1に液冷媒が吸い込まれる液バックの発生を確実に回避することができる。そして、内部熱交換器3から出た冷媒は配管32を介してコンプレッサ1内に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
次に、車室内の冷房を行う冷房モードの例を図5、図8を参照して説明する。図5は冷房モードにおける冷媒の流れを示す図、図8はこの場合のモリエル線図をそれぞれ示している。図5の実線は冷媒の流れる配管を示し、破線は冷媒の流れない配管を示す。また、矢印は冷媒の流れを示す。冷房モードにおいて、コントローラ80は冷媒回路に設けられた前記電磁弁42を閉じると共に、前記三方弁40を切り換えて配管22からの冷媒が配管33に流れるように制御する。また、第2の膨張弁8を絞って、高圧圧力が所定の圧力を維持するように制御すると共に、第1の膨張弁4を全閉とする。
コンプレッサ1が駆動されると、コンプレッサ1にて圧縮された冷媒が配管22に吐出される。このとき、冷媒は適切な超臨界圧力まで圧縮される(図8のBの状態)。配管22に吐出された冷媒は、三方弁40を経て配管33から室外熱交換器5に流入する。そこで、冷媒は周囲の空気と熱交換して放熱する(図8のCの状態)。当該室外熱交換器5において、二酸化炭素冷媒は凝縮することなく、超臨界状態を維持したまま放熱する。
室外熱交換器5にて放熱した冷媒は、室外熱交換器5から出て配管29を経て、他端72Bから冷媒配管71の冷媒流路72に入り、内部熱交換器3を通過する。内部熱交換器3において、前記室外熱交換器5にて放熱し、減圧される前の高圧側の冷媒は、当該冷媒流路72の外周に形成された冷媒流路73を流れるエバポレータ9にて吸熱して、レシーバータンク50から出た低圧側の冷媒と熱交換して、更に放熱する(図8のDの状態)。
冷媒流路72の一端72Aから出た冷媒は、逆止弁41、配管25、配管26を経由して、第2の膨張弁8に至る。冷媒は第2の膨張弁8における圧力低下で、気体/液体の二相混合体とされ(図8のEの状態)、この状態でエバポレータ9に流入する。そこで、冷媒は周囲の空気から吸熱して蒸発する(図8のFの状態)。このとき、冷媒の吸熱により熱を奪われ、冷却された空気は、送風機60により吹出口120A側に送風され、車室内に吐出されて、車室内の冷房が行われる。ここで、上述の如く室外熱交換器5にて放熱した冷媒を内部熱交換器3にて更に放熱させることで、エバポレータ9に流入する冷媒温度を図8のDに示すように、より低温とし、冷媒の熱交換能力を一層向上することが可能となる。更に、内部熱交換器3において、室外熱交換器5にて放熱した高圧側の冷媒と、当該冷媒と熱交換するエバポレータ9にて蒸発した低圧側の冷媒とを対交流となるように流すことで、冷媒の熱交換能力をより一層向上することができる。
従って、エバポレータ9にて周囲の空気をより低温とすることが可能となるので、当該エバポレータ9における冷却能力の向上を図ることができる。
更に、内部熱交換器3では、前記暖房モードと当該冷房モードにおいて、高圧側の冷媒がそれぞれ異なる経路を流れる。即ち、暖房モードと冷房モードでは、両モードとも低圧側の冷媒は冷媒配管71内の冷媒流路72の外周に形成された冷媒流路73を通過させるものとしているが、高圧側の冷媒は暖房モードでは冷媒配管71に交熱的に設けられた冷媒配管70を通過させ、冷房モードでは冷媒配管71の冷媒流路73の内周に形成された冷媒流路72を通過させるものとしている。即ち、低圧側の冷媒が流れる冷媒流路73とより交熱的に配置された冷媒流路72を流れる冷媒の方が、冷媒配管70内の冷媒流路を流れる冷媒より熱交換量が大きくなる。
従って、冷房モードにおいて、室外熱交換器5にて放熱した後の高圧側冷媒を、当該内部熱交換器3においてより放熱させることが可能となる。また、前記暖房モードでは、内部熱交換器3において、室内ガスクーラ2にて放熱した後の高圧側冷媒の放熱量を抑えることが可能となる。
ここで、暖房モードと冷房モードの両モードにおいて、低圧側冷媒と高圧側冷媒の両方とも同じ経路に流した場合、例えば、両モードとも低圧側冷媒を冷媒配管71の冷媒流路73に流し、高圧側冷媒を冷媒配管71の内周に形成された冷媒流路72に流した場合について説明する。この場合、冷房モードでは、本実施例の図8の如く内部熱交換器3における熱交換量が大きくなるため、上述のエバポレータ9での冷媒の蒸発温度をより低くでき、冷却能力を向上することが可能となる。しかしながら、暖房モードでは、内部熱交換器3における熱交換で、図7に破線で示す如く低圧側の冷媒がより高温となって、コンプレッサ1にて圧縮された冷媒の吐出温度が異常上昇して、+170℃付近にまで達してしまう。これにより、コンプレッサ1内のオイルが劣化したり、周辺機器に悪影響を及ぼす不都合が生じる。また、冷媒回路の高圧側に配置される機器の材料も係る高温に対応したものを選択しなければならず、材料の選択にも支障をきたす恐れがあった。
他方、両モードとも低圧側冷媒を冷媒配管71の冷媒流路73に流し、高圧側冷媒を当該冷媒配管71に交熱的に設けられ、上記冷媒流路72より熱交換量が小さい冷媒配管70に流した場合には、暖房モードでは図7に実線で示すように高圧側の異常上昇を回避して、高圧側冷媒を所定の高温(例えば、+120℃)にすることができる。しかしながら、冷房モードにおいては、内部熱交換器3における熱交換量が小さくなることで、第2の膨張弁8前の温度が上昇するため、エバポレータ9入口のエンタルピー値を充分に下げることができず、冷却能力が低下する問題が生じる。
しかしながら、上述の如く冷房モードと暖房モードにおいて、異なる冷媒流路に高圧側の冷媒を流して、冷房モードにおける内部熱交換器3での熱交換量を暖房モードにおける熱交換量より大きくすることで、冷房モードにおいて室外熱交換器5から出た冷媒をより効果的に過冷却して、エバポレータ9における冷房能力を向上させながら、暖房モードにおけるコンプレッサ1の吐出冷媒温度の上昇を抑えることができるようになる。
また、内部熱交換器3を、二重管構造の冷媒配管71と当該冷媒配管71と交熱的に設けた冷媒配管70にて構成することで、それぞれの間の熱交換能力が異なる3つの冷媒通路を一体に備えることができるようになる。これにより、内部熱交換器3の設置スペースを最小限に抑えながら、冷媒サイクル装置20の性能の向上を図ることができるようになる。
一方、エバポレータ9にて蒸発した冷媒は、配管34に入り、定圧弁10を通過して、3.5MPaの定圧となった後、配管30からレシーバタンク50に流入する。そこで冷媒は気液が分離される。そして、レシーバータンク50にて分離されたガス冷媒のみが配管31を経て、一端73Aから冷媒配管71の冷媒流路73に入り、内部熱交換器3を通過する。内部熱交換器3において、冷媒ガスは上述した室外熱交換器5にて放熱し、減圧される前の冷媒と熱交換して加熱される(図8のAの状態)。これにより、低圧冷媒の過熱度をとることができる。そして、内部熱交換器3から出た冷媒は配管32を介してコンプレッサ1に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
次に、冬季等の車室内暖房時におけるガラスの曇りを解消するための除湿暖房モードの例を図6、図9を参照して説明する。図6は除湿暖房モードにおける冷媒の流れを示す図、図9はこの場合のモリエル線図をそれぞれ示している。図6の実線は冷媒の流れる配管を示し、破線は冷媒の流れない配管を示す。また、矢印は冷媒の流れを示す。除湿暖房モードにおいて、コントローラ80は電磁弁42を開くと共に、三方弁40を切り換えて冷媒が配管22から配管23に流れるように制御する。また、第1及び第2の膨張弁4、8を絞って、各膨張弁4、8を通過する冷媒が所定の圧力に減圧されるように制御する。
コンプレッサ1が駆動されると、コンプレッサ1にて圧縮された冷媒が配管22に吐出される。このとき、冷媒は適切な超臨界圧力まで圧縮される(図9のBの状態)。配管22に吐出された冷媒は、前記三方弁40を経て配管23から室内ガスクーラ2に流入する。そこで、冷媒は周囲の空気と熱交換して放熱する(図9のCの状態)。そして、冷媒から熱をもらって加熱された空気は、前記送風機60により吹出口120A側に送風され、車室内に吐出されて、車室内の暖房が行われる。また、当該室内ガスクーラ2において、二酸化炭素冷媒は凝縮することなく、超臨界状態を維持したまま放熱するため、熱交換能力が非常に高く、周囲の空気をより高温に加熱することができる。
一方、室内ガスクーラ2にて放熱した冷媒は、室内ガスクーラ2から出て配管24に入る。ここで、配管24を流れる冷媒は分流され、一方の冷媒が配管26を経て第2の膨張弁8に至る。この冷媒は第2の膨張弁8における圧力低下で、気体/液体の二相混合体とされ(図9のEの状態)、この状態でエバポレータ9に流入する。そこで、冷媒は周囲の空気から吸熱して蒸発する(図9のFの状態)。このとき、エバポレータ9では車室内の空気中の水分を露点以下とし、凝結除去することができる。これにより、車室内の空気中から水分が取り除かれて除湿される。除湿された空気は、送風機60により室内ガスクーラ2に送風され、前述の如く、室内ガスクーラ2を流れる冷媒と熱交換して加熱された後、吹出口120Aから車室内に吐出される。これにより、車室内の空気を暖房しながら、除湿して、ガラスの曇りを解消することができるようになる。
一方、エバポレータ9にて蒸発した冷媒は、配管34入り、定圧弁10を通過した後、配管30に入る。
他方、配管24にて分流された他方の冷媒は、配管25から冷媒配管70に入り、内部熱交換器3内を通過する。内部熱交換器3において、室内ガスクーラ2にて放熱し、減圧される前の当該高圧側の冷媒は、冷媒配管70と交熱的に設けられた冷媒配管71の冷媒流路73を流れる低圧側の冷媒と熱交換して、更に放熱する(図9のDの状態)。
内部熱交換器3にて放熱し、冷媒配管70の他端70Bから出た冷媒は、第1の膨張弁4に至る。冷媒は第1の膨張弁4における圧力低下で、気体/液体の二相混合体とされ(図9のE’の状態)、この状態で室外熱交換器5に流入する。そこで、冷媒は周囲の空気から吸熱して蒸発する。その後、冷媒は配管30に入り、電磁弁42を経て、当該配管30の途中部に接続された配管34からの冷媒と合流する(図9のGの状態)。
合流した冷媒は、レシーバータンク50に流入し、そこで気液が分離され、ガス冷媒のみが配管31を経て、一端73Aから冷媒配管71の冷媒流路73に入り、内部熱交換器3を通過する。内部熱交換器3において、当該冷媒ガスは上述した室内ガスクーラ2にて放熱し、減圧される前の高圧側冷媒と熱交換して加熱される(図9のAの状態)。これにより、コンプレッサ1に吸い込まれる冷媒の過熱度をとることができるようになり、液バックの発生を確実に回避することができるようになる。その後、冷媒は配管32を介して、コンプレッサ1に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
以上の如く、暖房モードでは、エバポレータ9に冷媒を流すことなく、室外熱交換器5にて蒸発させることができ、冷房モードでは、室内ガスクーラ2に冷媒を流すことなく、室外熱交換器5にて放熱させることができるようになる。これにより、従来のように仕切部材にて送風機60から送風される空気の向きを切り換えることなく、冷房及び暖房の両運転を行うことができるようになる。
即ち、従来では図12に示すように、収納室200に可動式の仕切部材205を設けて、車室内を暖房するときは、仕切部材205を図12の破線で示すように室内ガスクーラ202の上側に位置させると共に、エバポレータ209への冷媒流通を阻止していた。これにより、車室内と熱交換可能に設けられた収納室200内の空気は室内ガスクーラ202にて冷媒と熱交換して加熱され、係る加熱空気を送風機210にて車室内に送風するだけで、車室内を暖房することができる。
しかしながら、車室内を冷房する場合にも、冷媒は当該室内ガスクーラ202を通過するため、仕切部材205を図12に実線で示すように室内ガスクーラ202の背面側に位置させて、室内ガスクーラ202への送風機210による送風を遮断しなければならなかった。従って、仕切部材205を設置するためのスペースを確保しなければならず、特に、本実施例のように冷媒サイクル装置をカーエアコンに用いる場合、冷媒サイクル装置は自動車の限られたスペースに設置しなければならないので、その分、利用側熱交換器201の容量を小さくしなければならなかった。
これにより、空調能力の低下を招いていた。特に、高圧側圧力が超臨界圧力となる二酸化炭素を冷媒として用いた場合、冷媒はガス状態を維持したまま放熱するため、室内ガスクーラ202において温度効果が発生し、この温度効果を十分に配慮した対向流型の熱交換器を設置することが効率向上につながる特性を有するが、係る容量の縮小により、二酸化炭素冷媒の特性を充分に発揮させることができなかった。
そこで、本発明の如く暖房モードでは、エバポレータ9に冷媒を流すことなく、室外熱交換器5にて蒸発させて、冷房モードでは、室内ガスクーラ2に冷媒を流すことなく、室外熱交換器5にて放熱させることで、仕切部材205を設けることなく車室内の冷暖房を行うことができるようになる。従って、その分、利用側熱交換器である室内ガスクーラ2及びエバポレータ9の容量を拡大でき、空調能力の向上を図ることができるようになる。特に、室内ガスクーラ2の放熱面積を拡大することで、室内ガスクーラ2における二酸化炭素冷媒の特性を充分に発揮させることが可能となり、暖房能力の向上を図ることができるようになる。
加えて、除湿暖房モードにおいて、室内ガスクーラ2にて放熱した冷媒を分流し、一方を第2の膨張弁8にて減圧してエバポレータ9に流して吸熱させ、他方を第1の膨張弁4にて減圧して室外熱交換器5に流して吸熱させることで、室内ガスクーラ2に搬送する熱量を室外熱交換器5にて外部から汲み上げながら、エバポレータ9では車室内の空気中の水分を露点以下として、凝結除去することができる。
更に、定圧弁10にてエバポレータ9にて蒸発した後の冷媒を所定の定圧(3.5MPa)とすることで、外気温度が氷点下以下の場合、室外熱交換器5が3.5MPa以下で蒸発した場合においても、冷媒の蒸発温度を所定値以上に維持することができるようになる。即ち、定圧弁10を設けずに、エバポレータ9にて蒸発した後の冷媒の圧力をなりいきとした場合、低圧側の圧力が低下して、冷媒回路を流れる冷媒が全体的に低圧へと移行して、エバポレータ9において冷媒が凍結してしまう恐れがある。
しかしながら、エバポレータ9にて蒸発した後の冷媒を定圧弁10を通過させて、所定の定圧(3.5MPa)とすることで、エバポレータ9における蒸発温度を所定値、例えば、0℃以上に維持することができるようになる係る冷媒が凍結する不都合を未然に回避することができるようになる。
以上詳述した如く、本発明により効率的に暖房しながら除湿できる冷媒サイクル装置20を提供することができ、冷媒サイクル装置20全体の性能をより一層向上させることができるようになる。
尚、本実施例では内部熱交換器3として、二重管構造の冷媒配管71と当該冷媒配管71と交熱的に設けられた冷媒配管70とから構成し、冷媒配管71内の冷媒流路72とその外周に設けられた冷媒流路73と、冷媒配管70内の冷媒流路の3つの流路を一体に備えた構造としたが、内部熱交換器は実施例の構造に限らず、相互に熱交換可能で、且つ、それぞれの間の熱交換能力が異なる少なくとも3つの冷媒流路を備えたものであれば、構わない。
即ち、図10に示すように同じ放熱面積の2つのマイクロチューブ型熱交換器170、171と、これらより放熱面積が小さい(即ち、熱交換能力が小さい)マイクロチューブ型熱交換器172を相互に熱交換可能に設置し、例えば、低圧側の冷媒をマイクロチューブ型熱交換器171に形成された冷媒流路に流し、暖房モードでは、室内ガスクーラ2にて放熱した高圧側の冷媒をマイクロチューブ型熱交換器172に流して、前記マイクロチューブ型熱交換器171を流れる低圧側の冷媒と熱交換させると共に、冷房モードでは、室外熱交換器5にて放熱した高圧側の冷媒をマクロチューブ型熱交換器170に流して、前記マイクロチューブ型熱交換器171を流れる低圧側の冷媒と熱交換させるものとしても良い。
また、本実施例では、内部熱交換器3において暖房モードと冷房モードで、高圧側冷媒が流れる冷媒流路を変更するものとしたが、高圧側の流路を変更することなく、低圧側の流路を変更するものとしても構わない。また、高圧側と低圧側の両冷媒の流路を変更することで、冷房モードにおける内部熱交換器での冷媒の熱交換量を、暖房モードにおける熱交換量よりも大きくした場合にも本発明は有効である。
また、本実施例では、本発明の冷媒サイクル装置をカーエアコンに適応するものとしたが、これに限らず、室内を空調する空気調和機に適応するものとしても構わない。
本発明の冷媒サイクル装置の一実施例のカーエアコンの冷媒回路図である。 図1のカーエアコンの内部熱交換器の斜視図である。 図1のカーエアコンの利用側熱交換器の配置図である。 図1のカーエアコンの暖房モードにおける冷媒の流れを示す図である。 図1のカーエアコンの冷房モードにおける冷媒の流れを示す図である。 図1のカーエアコンの除湿暖房モードにおける冷媒の流れを示す図である。 図1のカーエアコンの暖房モードにおけるモリエル線図である。 図1のカーエアコンの冷房モードにおけるモリエル線図である。 図1のカーエアコンの除湿暖房モードにおけるモリエル線図である。 他の実施例の内部熱交換器の斜視図である。 従来のカーエアコンの冷媒回路図である。 図11のカーエアコンの利用側熱交換器の配置図である。
符号の説明
1 コンプレッサ
2 室内ガスクーラ
3 内部熱交換器
4 第1の膨張弁
5 室外熱交換器
8 第2の膨張弁
9 エバポレータ
10 定圧弁
20 冷媒サイクル装置
40 四方弁
41 逆止弁
42 電磁弁
50 レシーバタンク
60 送風機
70、71 冷媒配管
72、73 冷媒流路
80 コントローラ
120 収納室

Claims (2)

  1. 被空調空間と熱交換可能に配置された利用側熱交換器と、前記被空調空間外に配置された熱源側熱交換器と、冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサとを備え、冷媒として二酸化炭素を用いると共に、高圧側が超臨界圧力と成り得る冷媒サイクル装置において、
    前記利用側熱交換器を出た冷媒と前記熱源側熱交換器を出た冷媒とを熱交換させる内部熱交換器を備えると共に、
    前記コンプレッサから吐出された冷媒を前記利用側熱交換器に流して放熱させ、この利用側熱交換器にて放熱した冷媒を減圧した後、前記熱源側熱交換器に流して吸熱させ、前記コンプレッサに戻す暖房モードと、
    前記コンプレッサから吐出された冷媒を前記熱源側熱交換器に流して放熱させ、この熱源側熱交換器にて放熱した冷媒を減圧した後、前記利用側熱交換器に流して吸熱させ、前記コンプレッサに戻す冷房モードとを実行可能であり、
    該冷房モードにおける前記内部熱交換器での冷媒の熱交換量を、前記暖房モードにおける熱交換量よりも大きくしたことを特徴とする冷媒サイクル装置。
  2. 前記内部熱交換器は、相互に熱交換可能とされ、且つ、それぞれの間の熱交換能力が異なる少なくとも3つの冷媒流路を一体に備え、前記利用側熱交換器を出た冷媒と前記熱源側熱交換器を出た冷媒のうちの少なくとも一方を、前記暖房モードと冷房モードにおいて異なる前記冷媒流路に流すことにより、それらの間の熱交換量を変更することを特徴とする請求項1の冷媒サイクル装置。
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