JP2006241340A - 樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 剛性が高く、耐チッピング性および熱成形性に優れた自動車用アンダーカバーを提供する。
【解決手段】 下記のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)を含む樹脂組成物からなる自動車用アンダーカバー。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)は、
プロピレン単独重合体部分(A1)95〜60重量%と、プロピレン−エチレン共重合体部分(A2)5〜40重量%からなり、
前記単独重合体部分(A1)の固有粘度[η]pが2dl/g以上5dl/g以下であり、
前記共重合体部分(A2)に含有されるエチレンの含量が20〜50重量%であり、前記共重合体部分(A2)の固有粘度[η]epが2dl/g以上8dl/g以下の
プロピレン−エチレンブロック共重合体である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガラス繊維を含有する樹脂組成物およびその成形体に関するものである。
さらに詳細には、引張強度、曲げ強度および衝撃強度に優れ、さらに、疲労強度に優れるガラス繊維を含有する樹脂組成物およびその成形体に関するものである。
従来から、剛性や耐衝撃性等の機械的強度に優れる樹脂組成物として、ポリプロピレンとガラス繊維を含有したガラス繊維強化ポリプロピレン組成物が知られている。
例えば、特開平8−127697号公報には、ガラス繊維強化ポリプロピレン組成物の機械的物性の向上させ、着色を少なくすることを目的として、ポリプロピレンに1,2−ポリブタジエンと不飽和カルボン酸またはその誘導体を順次グラフトし、未反応の無水マレイン酸を残存させない製造方法によって得られる変性ポリプロピレンに、ガラス繊維を配合してなるガラス繊維強化ポリプロピレン組成物が記載されている。
また、特開2004−197068号公報には、剛性、衝撃強度や耐久性の改良を目的として、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体でグラフト変性された変性ポリオレフィン樹脂と繊維とを含有し、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体のグラフト量が0.30重量%以上であるポリオレフィン系樹脂組成物であって、その樹脂組成物において、繊維の重量平均繊維長が2mm以上であるポリオレフィン系樹脂組成物が記載されている。
特開平8−127697号公報 特開2004−197068号公報
しかし、上記の公報等に記載されているポリポリオレフィン樹脂組成物およびその成形体の引張強度、曲げ強度および衝撃強度、さらに、疲労強度については、さらなる改良が望まれていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、引張強度、曲げ強度および衝撃強度に優れ、さらに、疲労強度に優れるガラス繊維を含有する樹脂組成物およびその成形体を提供することにある。
本発明者等は、かかる実状に鑑み、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
ポリプロピレン系樹脂(A)49.9〜98.9重量%と、
下記のガラス繊維(B)1〜50重量%と、
下記の無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)0.1〜20重量%とを溶融混練してなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物に含有されるガラス繊維の繊維長が150〜1000μmである樹脂組成物およびその成形体に係るものである。
ガラス繊維(B)は、繊維径が6〜16μmであり、繊維長が1〜4mmのガラス繊維である。
無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)は、
メルトフローレイトが20〜500g/10分であり、
グラフトした無水マレイン酸とグラフとしていない無水マレイン酸とを含有し、
グラフトした無水マレイン酸の重量とグラフとしていない無水マレイン酸の重量の合計を100重量%として、グラフとしていない無水マレイン酸の重量割合が45重量%以下の無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂である。
本発明によれば、引張強度、曲げ強度および衝撃強度に優れ、さらに、疲労強度に優れるガラス繊維を含有する樹脂組成物およびその成形体を得ることができる。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂(A)としては、結晶性ポリプロピレンホモポリマー、少なくとも一つの重合工程で得られる結晶性プロピレンホモポリマー部分と、少なくとも一つの他の重合工程で、エチレンおよびα−オレフィン(例えば、ブテン−1、ヘキセン−1等)からなる群から選ばれる少なくとも一種のα−オレフィンとプロピレンとを共重合して得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分とを有する結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体が挙げられる。また、上記の結晶性プロピレンホモポリマーと結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体との混合物であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂(A)の製造方法としては、公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって、製造する方法が挙げられる。重合触媒としては、例えば、チーグラー触媒やメタロセン触媒が挙げられ、重合方法としては、例えば、スラリー重合法や気相重合法が挙げられる。
また、ポリプロピレン系樹脂(A)には、一般に市販されている上記のポリプロピレン系樹脂を用いることができる。
本発明で用いられるガラス繊維(B)としては、公知のガラス繊維が挙げられ、ガラス繊維に用いられるガラスの種類としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス等が挙げられ、好ましくは、Eガラスである。
ガラス繊維(B)としては、収束剤で表面処理されたものを用いても良い。収束剤の種類としては、無水マレイン酸をポリオレフィン分子中に導入した無水マレイン酸変性ポリオレフィン系収束剤、芳香族ウレタン系収束剤、脂肪族ウレタン系収束剤、アクリル系収束剤及びエポキシ系収束剤等が挙げられ、好ましくは、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系収束剤である。さらに好ましくは、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系収束剤である。
また、収束性能を高めるため、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系収束剤とウレタン系収束剤とを併用して用いてもよく、曲げ強度や疲労強度等の強度や、耐加水分解性低下を防止するという観点から、好ましくは、無水マレイン酸変性ポリオレフィン収束剤の重量が、略半分以上である収束剤である。
ガラス繊維(B)として、好ましくは、シランカップリング剤で表面処理されているガラス繊維である。シランカップリング剤は、樹脂と反応する有機官能基を有し、有機官能基としては、例えば、アミノ基、エポキシ基、メタクリル基、ビニル基、メルカプト基等が挙げられ、好ましくは、アミノ基、エポキシ基であり、さらに好ましくは、樹脂組成物の疲労強度等が優れるということから、アミノ基である。
ガラス繊維(B)としては、一般に、市販のガラス繊維を使用できる。
ガラス繊維(B)の繊維径は6〜16μmであり、好ましくは9〜14μmである。繊維径が6μm未満の場合、樹脂組成物の製造時や成形時に繊維が破損し、成形品の耐疲労性が低下することがあり、繊維径が16μmを超えた場合、成形品の外観が悪くなることがある。
ガラス繊維の繊維径とは、ガラス繊維の直径を表す。測定方法は、樹脂組成物をるつぼに入れ、550℃の電気炉で1時間燃やし、樹脂成分と残存ガラス繊維を分離し、残存ガラス繊維を顕微鏡で写真を撮り、写真上でガラス繊維径を測定することによって繊維径が求められる。
ガラス繊維(B)の繊維長は1〜4mmであり、好ましくは2〜3.5mmである。1mm未満の場合、強度が得られないことがあり、4mmを超えた場合、成形品表面の外観が低下することがある。
繊維長とは、ガラス繊維の長さを表す。測定方法は、ガラス繊維を顕微鏡で写真を撮り、写真上でガラス繊維長を測定することによって、繊維長が求められる。
本発明で用いられる無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)は、メルトフローレイトが20〜500g/10分であり、グラフトした無水マレイン酸とグラフトしていない無水マレイン酸とを含有し、グラフトした無水マレイン酸の重量とグラフトしていない無水マレイン酸の重量の合計を100重量%として、グラフトしていない無水マレイン酸の重量割合が45重量%以下の無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂である。
無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)のメルトフローレイトは20〜500g/10分であり、好ましくは30〜250g/10分である。メルトフローレイトが20g/10分未満の場合、ガラス表面への接触が不足して機械的強度が低くなることがあり、500g/10分を超えた場合、界面強度が低くなり機械的強度が低下することがある。
無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)は、グラフトした無水マレイン酸とグラフトしていない無水マレイン酸とを含有する無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂である。
グラフトした無水マレイン酸の重量とグラフトしていない無水マレイン酸の重量の合計を100重量%として、グラフトしていない無水マレイン酸の重量割合は45重量%以下であり、好ましくは40重量%以下である。45重量%を超えると機械的強度が低下することがある。
また、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)の無水マレイン酸のグラフト量およびグラフトしていない無水マレイン酸の量は、上記樹脂(C)をプレス製膜して赤外分光分析法で定量する方法と、グラフトしていない無水マレイン酸を除去するために、一度、ホットキシレンに溶解した後、大量のメタノール中に再沈処理した後、ろ過、回収して得られる樹脂を、プレス製膜して赤外分光分析法での定量することによって求められる。無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂の無水マレイン酸のグラフト量として、好ましくは、0.2重量%以上である。ただし、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)の全量を100重量%とする。
0.2wt%未満の場合、曲げ強度や疲労強度が低くなることがある。
無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)は、有機過酸化物の存在下で無水マレイン酸とポリプロピレンを反応させることによって製造できる。具体的な製造方法としては、混練機を用いて溶融混練する溶融混練法や溶媒にポリプロピレンを溶解させた状態で反応させる溶液法が挙げられる。生産性が高く、コストを下げることができるという観点から、溶融混練法が好ましく、さらに好ましくは、溶融混練方法のなかでも生産性が高い連続押出しによる溶融混練法である。
本発明の樹脂組成物は、
ポリプロピレン系樹脂(A)49.9〜98.9重量%と、
ガラス繊維(B)1〜50重量%と、
無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)0.1〜20重量%とを溶融混練してなる樹脂組成物である。
ポリプロピレン系樹脂(A)の含有量として、好ましくは55〜95重量%である。ポリプロピレン系樹脂(A)が49.9重量%未満であると加工時の流動性が低下し、成形品の外観が悪化することがあり、98.9重量%を超えると機械的強度が不足することがある。
ガラス繊維(B)の含有量として、好ましくは5〜45重量%である。ガラス繊維(B)が1重量%未満であると機械的強度が不足する場合があり、50重量%を超えると流動性が低下し、成形品外観が悪化する場合がある。
無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)の含有量として、好ましくは0.5〜15重量%である。無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)が0.1重量%未満であると、ガラス繊維表面のシランカップリング剤とのカップリング反応が不足し機械的強度が低下することがあり、20重量%を超えるとガス焼けや揮発成分での金型汚染による成形品表面の外観不良や、さらには金型表面に錆が発生することがある。
本発明の樹脂組成物に含有されるガラス繊維の繊維長は、150〜1000mmである。好ましくは200〜800μmである。繊維長が150μm未満であると、曲げ強度や疲労強度などの機械的特性が低下する場合があり、該繊維長が1000μmを超えると金型内での流動性の低下や成形品の外観が悪くなる場合がある。
本発明の樹脂組成物に含有されるガラス繊維の繊維長とは、下記方法で測定された数平均繊維長を表す。測定方法は、溶融混練後の樹脂組成物をるつぼに入れ550℃の電気炉で1時間燃やし、樹脂成分と残存ガラス繊維を分離し、残存ガラス繊維をプレパラート上に落とし、更にエチルアルコールを滴下して分散させ、顕微鏡を通して、それの写真を撮り、写真上でガラス繊維長を測定することによって、数平均の繊維長が求められる。
本発明の樹脂組成物の製造方法としては、ポリプロピレン系樹脂(A)と、ガラス繊維(B)と、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)とを溶融混練する方法が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂(A)と、ガラス繊維(B)と、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)とを溶融混練する方法は、押出機等を用いて溶融混練する方法であって、一般に行われている混練方法が挙げられる。
フィード方法は、材料を一括で投入する方法、材料の一部をサイドフィードする方法、予備混練物をフィードする方法が挙げられ、好ましくは、ポリプロピレン系樹脂(A)を無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)とで予め溶融混練して、そののちにガラス繊維(B)を追加して溶融混練する方法である。
具体的には、
(1)単軸もしくは二軸混練機を用いてポリプロピレン系樹脂(A)を無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)とで予め溶融混練して冷却固化しペレット化したのち、別工程でガラス繊維(B)をブレンドして単軸もしくは二軸混練機に一括フィードする方法、
(2)ポリプロピレン系樹脂(A)を無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)とで予め溶融混練して冷却固化しペレット化したものを複数のフィード口を持つ混練機を用い、上流側のフィード口からフィードし溶融させ、下流のフィード口からガラス繊維(B)、若しくはポリプロピレン系樹脂(A)とガラス繊維(B)をそれぞれ任意のフィード口から個別に若しくは一緒にフィードして溶融混練する方法、
(3)同じく複数のフィード口を持つ混練機を用いて、上流側のフィード口からポリプロピレン系樹脂(A)と無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)をフィードして溶融混練し、下流のフィード口からガラス繊維(B)、若しくはポリプロピレン系樹脂(A)とガラス繊維(B)をそれぞれ任意のフィード口から個別に若しくは一緒にフィードして溶融混練する方法
等が挙げられる。
混練温度は、好ましくは150〜300℃であり、さらに好ましくは160〜280℃である。また、溶融混練時にダイス直前の上流側で減圧脱気することが好ましい。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物からなる成形体であり、用途としては自動車部品等が挙げられる。具体的にはフロントエンドモジュール、ファンシュラウド、ラジエターやコンデンサーなどのクーリングファン、リザーブタンク、ウィンドウォッシャー液タンク等が挙げられる。
本発明の成形体の成形方法は、射出成形、押出成形、圧縮成形、中空成形等の一般に行われている成形方法が挙げられ、成形方法によって制約されることはない。
以下、実施例および比較例によって、本発明を説明する。実施例または比較例で、以下に示した試料を用いた。
(1)ポリプロピレン系樹脂
(PP−1)
230℃、21N荷重におけるメルトフローレイトが0.5g/10分、パウダー形状であるホモタイプのポリプロピレン
(PP−2)
住友化学株式会社製 ノーブレンW101 230℃、21N荷重におけるメルトフローレイトが8.5g/10分、ペレット形状であるホモタイプのポリプロピレン。
(2)無水マレイン酸
(MAH)
日本触媒社製 無水マレイン酸
(3)有機化酸化物
(PO−1)
化薬アクゾ社製 パーカドックス24
(PO−2)
三建化工社製 パーヘキサ25Bの8%濃度品(ポリプロピレンパウダー希釈品)
(4)Cast
共同薬品製 ステアリン酸カルシウム
(5)Irg1010
チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 Irganox1010
(6)Song6260
韓国松原社製 Songnox6260
(7)ガラス繊維
(GF)
日本電気硝子社製 チョップドストランド ESC03T−480H/PL、繊維径は10μmであり、繊維長は3mmであり、カップリング剤がアミノシラン系カップリング剤であり、収束剤が無水マレイン酸変性ポリオレフィン系収束剤に極少量のウレタン系収束剤を併用した収束剤であった。
実施例および比較例で用いた試料(樹脂組成物)の物性は、以下の方法に従って、測定した。
(1)比重
ASTM D792 に準拠し、1/8インチ厚さの試験片を使用して23℃における比重を測定した。
(2)MFR(単位:g/10分)
ASTM D1238 に準拠し、混練、造粒後のペレットを使用して、230℃、21N荷重におけるメルトフローレイトを測定した。
(3)引張強度(YS、単位:MPa)
ASTM D638 に準拠し、1/8インチ厚さの試験片を使用して23℃における引張り強度を測定した。
(4)曲げ強度(FS、単位:MPa)
ASTM D790 に準拠し、1/8インチ厚さの試験片を使用して23℃における曲げ強度を測定した。
(5)衝撃強度(Izod、KJ/m2
ASTM D256 に準拠し、1/8インチ厚さの試験片を使用して23℃におけるノッチ付きのIzod衝撃強度を測定した。
(6)疲労強度(単位:回)
ASTM D671−71T METHOD B に準拠し、1/8インチ厚さのTYPE A 試験片を使用して、23℃における繰り返し曲げ応力42MPaでの破断までの繰り返し回数を測定した。測定は、東洋精機(株)製繰り返し振動試験機B70型を使用し、繰り返し速度30Hzで行った。
無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂は、以下のとおりの方法によって、製造した。
〔MAH−PP−1の製造〕
温度コントロール可能なシリンダーバレル11個からなり、最上流側に第一原料フィード口と下流側のC5バレルに第二原料フィード口、C8バレルに第三原料フィード口を有し、且つ各原料投入口の下流側にニーディングディスクで構成される混練部を有する東芝機械製TEM50Aを用い、表1に示した配合割合の原料を第一原料フィード口から投入し、シリンダーC1〜C3を170℃、C4〜C7を200℃、C8〜C11を240℃として、スクリュー回転数240rpm、押出量40kg/hで溶融混練を行った。
得られた無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂は、230℃、21N荷重におけるメルトフローレイトが34g/10分、変性ポリプロピレン樹脂中のトータル無水マレイン量が0.29重量%、グラフト無水マレイン酸量が0.18重量%であり、変性ポリプロピレン樹脂中のトータル無水マレイン量に占める、ポリプロピレンにグラフトしていないフリーの無水マレイン酸の重量割合は37.9重量%であった。
〔MAH−PP−2の製造〕
MAH−PP−1と同様に、東芝機械製TEM50Aを用い、表1に示す配合割合の原料を第三原料フィード口から投入し、シリンダーC1〜C11を180℃として、スクリュー回転数240rpm、押出量40kg/hで溶融混練を行った。
得られた無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂は、230℃、21NにおけるMFRが19g/10分、変性ポリプロピレン樹脂中の全無水マレイン量が0.45重量%、ポリプロピレンの分子にグラフトされた無水マレイン酸が0.19重量%、変性ポリプロピレン樹脂中のトータル無水マレイン量に占める、ポリプロピレンにグラフトしていないフリーの無水マレイン酸の重量割合が57.8重量%であった。
〔トータルMAH量の測定方法〕
無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂を230℃の熱プレスにより5分間予熱の後、4.9MPaの圧力で5分間加圧し、25℃の冷プレスで5分間冷却して厚さ100μmのフイルムを作成した。この作成したフイルムの吸水を避けるために成形後直ちにバイオラット社製FTS−30型で赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm-1付近の吸収より無水マレイン酸量を定量した。
〔グラフトMAH量の測定方法〕
無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂1.0gをキシレン20mlに溶解した。サンプルの溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下してサンプルを再沈殿させて回収した。回収したサンプルを真空乾燥した後(80℃、8時間)、230℃の熱プレスにより5分間予熱の後、4.9MPaの圧力で5分間加圧し、25℃の冷プレスで5分間冷却して厚さ100μmのフイルムを作成した。この作成したフイルムの吸水を避けるために成形後直ちにバイオラット社製FTS−30型で赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm-1付近の吸収より無水マレイン酸量を定量した。
〔グラフトしていないMAH量の測定方法〕
トータル無水マレイン酸の量から無水マレイン酸のグラフト量を差し引いて、グラフトしていない無水マレイン酸の量を求め、全無水マレイン酸の量に占めるグラフトしていない無水マレイン酸の重量割合を計算で求めた。
〔MFRの測定方法〕
ASTM D1238 に準拠し、混練、造粒後のペレットを使用して、230℃、21N荷重におけるメルトフローレイトを測定した。
実施例1
MAH−PP−1及びMAH−PP−2の溶融混練に使用した東芝機械製TEM−50Aを用いて、表2に示した配合割合(重量%)の各成分を、第二原料フィード口及び第三原料フィード口から投入し、シリンダーバレルC1〜C11=200℃、スクリュー回転数=250rpm、吐出量=50kg/hの条件で溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た。得られたペレットを、シリンダー温度230℃、金型温度50℃に設定した東芝機械製IS100EN射出成型機にて、ASTMテストピースを作製し物性を測定した。また住友重機械社製住友−ネスタール サイキャップ110/50型射出成型機で、疲労性測定用試験片をシリンダー温度200℃、金型温度50℃の条件で作製し測定した。結果を表2に示した。
比較例1
表2に示した配合割合にした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表2に示した。
Figure 2006241340
Figure 2006241340
本発明の要件を満足する実施例1は、引張強度、曲げ強度および衝撃強度に優れ、さらに、疲労強度に優れるものであることが分かる。
これに対して、本発明の要件であるグラフトしていない無水マレイン酸の重量割合を満足しない比較例1は、引張強度、曲げ強度、衝撃強度および疲労強度が不充分であることが分かる。

Claims (4)

  1. ポリプロピレン系樹脂(A)49.9〜98.9重量%と、
    下記のガラス繊維(B)1〜50重量%と、
    下記の無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)0.1〜20重量%とを溶融混練してなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物に含有されるガラス繊維の繊維長が150〜1000μmである樹脂組成物。
    ガラス繊維(B)は、繊維径が6〜16μmであり、繊維長が1〜4mmのガラス繊維である。
    無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂(C)は、
    メルトフローレイトが20〜500g/10分であり、
    グラフトした無水マレイン酸とグラフトしていない無水マレイン酸とを含有し、
    グラフトした無水マレイン酸の重量とグラフトしていない無水マレイン酸の重量の合計を100重量%として、グラフトしていない無水マレイン酸の重量割合が45重量%以下の無水マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂である。
  2. ホットキシレンに溶解し、メタノール中に再沈処理した後に得られる無水マレイン酸グラフとポリプロピレン樹脂を、赤外分光分析方法で測定して求められる無水マレイン酸のグラフト量が、0.2重量%以上である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ガラス繊維(B)が、該ガラス繊維の表面がアミノ基を含むシランカップリング剤で表面処理され、且つ、集束剤を有するガラス繊維であって、該収束剤が、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを含有する樹脂であり、含有される無水マレイン酸変性ポリオレフィンの重量割合が、略半分以上である請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形体。
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