JP2006241338A - 氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた氷雪路用重荷重タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 発熱性および耐疲労性を悪化させずに、タイヤトレッド表面の耐雪付着性を改善でき、それにより氷雪上性能を向上させる、氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】 天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムを主体としたジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が90m2/g以上のカーボンブラックとシリカの総量30〜70重量部、および超高分子量ポリエチレン3重量部未満を配合してなる氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムを主体としたジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が90m2/g以上のカーボンブラックとシリカの総量30〜70重量部、および超高分子量ポリエチレン3重量部未満を配合してなる氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物に関し、更に詳細には、特にトレッド表面の耐雪付着性を改善した氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物に関する。
氷雪路面において、タイヤトレッド表面に雪が付着していると、路面とトレッドが直接接することができないため、十分な摩擦係数が得られない。よって、かかる氷雪路面で使用されるタイヤ用トレッド部材には、雪が付着しにくいゴム組成物が求められている。従来、氷雪路面上における駆動性、制動性および操縦性などを改善するために、高融点のポリエチレン等の高分子化合物(以下の特許文献1)あるいは超高分子量ポリエチレン(以下の特許文献2)をトレッドゴムに配合する技術が知られ、また、耐摩耗性を低下させることなく、氷雪路上における駆動性、制動性および操縦性を改善するために、分子量50万以上で、平均粒径1〜500μmの超高分子量ポリエチレンと発泡ゴムとをトレッドゴムに配合する技術(以下の特許文献3)も知られている。また、タイヤトレッド部材ではないが、表面の低付着性を向上させるために、所定粒度の超高分子量ポリエチレンなどの低摩擦抵抗性粒子と、脂肪酸アミドおよび不飽和脂肪酸金属塩を配合したコンベアベルト用ゴム組成物(以下の特許文献4)についても知られている。
よって、本発明では、発熱性および耐疲労性を悪化させずに、タイヤトレッド表面の耐雪付着性を改善でき、それにより氷雪上性能を向上させる、氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明によれば、天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムを主体としたジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が90m2/g以上のカーボンブラックとシリカの総量30〜70重量部、および超高分子量ポリエチレン3重量部未満を配合してなる氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物、および当該ゴム組成物を用いた氷雪路用重荷重タイヤが提供される。
本発明では、天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムを主体としたジエン系ゴムからなる氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物に、所定量の超高分子量ポリエチレンを配合することで、発熱性および耐疲労性を悪化させずに、タイヤトレッド表面の耐雪付着性を改善でき、それによって氷雪上性能を改善することができることを見出したものである。
本発明の氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物は、天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムを主体としたジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が90m2/g以上のカーボンブラックとシリカの総量30〜70重量部、好ましくは40〜60重量部、および超高分子量ポリエチレン3重量部未満、好ましくは0.75〜2.75重量部を配合してなる氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物である。
本発明の氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物に配合する超高分子量ポリエチレンとしては、分子量50万〜400万で、かつ平均粒径1〜300μmの粉末が有効に用いられる。当該超高分子量ポリエチレンの分子量が50万未満ではゴム表面に析出した際の被膜形成能力が不十分となり、逆に400万を超えるとゴム中の分散性が悪化するので好ましくない。また、平均粒径1μm未満ではタイヤの氷雪上性能が十分でなく、逆に300μmを超えるとタイヤの耐摩耗性を悪化させるので好ましくない。当該超高分子量ポリエチレン粉末は、例えば、商品名ミペロンXM−220(三井化学製)またはハイゼックスミリオン340M(三井化学製)などとして入手可能である。
前記超高分子量ポリエチレン粉末は、本発明のゴム組成物におけるゴム成分100重量部に対し、3重量部未満、好ましくは0.75〜2.75重量部の配合量で用いられる。この配合量が3重量部を超えると、低歪疲労性が悪化するので、好ましくない。
本発明の氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物に配合するフィラーとしては、窒素吸着比表面積(N2SA)が90m2/g以上のカーボンブラックとシリカが併用して用いられ、本発明のゴム組成物におけるゴム成分100重量部に対し、それらの総量30〜70重量部、好ましくは40〜60重量部の配合量で用いられる。当該フィラーの配合比(シリカ/カーボンブラック)としては、5/95〜40/60の量比で用いられる。これらフィラーの総量が30重量部未満では所期の効果が発揮されず、逆に70重量部を超えるとゴムの発熱性が悪化するので好ましくない。また、特に、上記カーボンブラックフィラーとして、N2SAが90m2/g以上のものを使用するのは、耐摩耗性などの理由による。
本発明の氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物に用いられるゴム成分としては、天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムを主体としたジエン系ゴムが使用される。天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムを主体としたジエン系ゴムとは、ジエン系ゴム全体に対して天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムの占める割合が、これらゴム成分総量で60重量部以上であることを意味し、その他のジエン系ゴム成分としては、例えば、ポリイソブチレンゴム(IR)、各種スチレン‐ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル‐ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレン(CR)などが単独で、あるいは併用して配合されてよい。
本発明にかかる氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物には、更に、通常の加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、シランカップリング剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑剤、その他タイヤゴム用に配合されている各種配合剤を配合することができ、かかる配合剤は、一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫または架橋することができる。これら配合剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例および比較例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれら実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
試験サンプルの作製
以下の表1に示す各例の配合における加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練し、160℃に達したときに放出したマスターバッチに加硫促進剤と硫黄を8インチのオープンロールで混練してゴム組成物を得た。次いで、このゴム組成物を15cm×15cm×0.2cmの金型中で150℃、45分間プレス加硫して目的とする試験片(ゴムシート)を作製し、以下の物性試験に供した。
以下の表1に示す各例の配合における加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練し、160℃に達したときに放出したマスターバッチに加硫促進剤と硫黄を8インチのオープンロールで混練してゴム組成物を得た。次いで、このゴム組成物を15cm×15cm×0.2cmの金型中で150℃、45分間プレス加硫して目的とする試験片(ゴムシート)を作製し、以下の物性試験に供した。
物性試験方法
1)tanδ(60℃):東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪:10%、振幅:±2%、周波数:20Hzの条件で、60℃のtanδを測定した。比較例1の測定値を100として指数で評価した。数値が小さい程、tanδが小さく、発熱性が良好であることを示す。
2)定歪疲労性:ASTM D 430−59に準拠して、定歪疲労性を測定した。比較例1の測定値を100として指数で評価した。数値が大きい程、破断回数が大きく、耐疲労性が良好であることを示す。
1)tanδ(60℃):東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪:10%、振幅:±2%、周波数:20Hzの条件で、60℃のtanδを測定した。比較例1の測定値を100として指数で評価した。数値が小さい程、tanδが小さく、発熱性が良好であることを示す。
2)定歪疲労性:ASTM D 430−59に準拠して、定歪疲労性を測定した。比較例1の測定値を100として指数で評価した。数値が大きい程、破断回数が大きく、耐疲労性が良好であることを示す。
試験タイヤの作製
本件実施例および比較例における配合のゴム組成物を、キャップトレッドとして押出し、11R22.5サイズの試験タイヤを作製して、以下のタイヤ性能試験に供した。
本件実施例および比較例における配合のゴム組成物を、キャップトレッドとして押出し、11R22.5サイズの試験タイヤを作製して、以下のタイヤ性能試験に供した。
タイヤ性能試験法
3)氷雪上性能:所定のタイヤを装着した実車(6×2、20トン車)を用いて、雪上での走行にて、操縦安定性についてテストドライバーによる感応評価を行った。評価結果は、比較例1のタイヤを基準(△)として、多少の改善効果があるものを(○)、改善効果のあるものを(◎)とした。
3)氷雪上性能:所定のタイヤを装着した実車(6×2、20トン車)を用いて、雪上での走行にて、操縦安定性についてテストドライバーによる感応評価を行った。評価結果は、比較例1のタイヤを基準(△)として、多少の改善効果があるものを(○)、改善効果のあるものを(◎)とした。
以上の結果によると、比較例2のように、比較例1の基準組成に脂肪酸アミドを配合すると、氷雪上性能は向上するが発熱性が悪化し、また、比較例2のように、基準組成に不飽和脂肪酸金属塩を配合すると、氷雪上性能はあまり向上せず、発熱が悪化するのに対して、本発明のゴム組成物のように、超高分子量ポリエチレンを適切な配合量で配合したものは、発熱性および耐疲労性を悪化させずに、しかも氷雪上性能を向上させていることが分かる。なお、超高分子量ポリエチレンを規定量以上配合すると、氷雪上性能は改善されるが、定歪疲労性が悪化することを示している。
よって、本発明による氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物は、特に、これを氷雪路用重荷重タイヤに使用すれば、極めて有用である。
Claims (3)
- 天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムを主体としたジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が90m2/g以上のカーボンブラックとシリカの総量30〜70重量部、および超高分子量ポリエチレン3重量部未満を配合してなる氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 前記超高分子量ポリエチレンの粒子径が1〜300μmである、請求項1に記載の氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のゴム組成物を用いた氷雪路用重荷重タイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005059971A JP2006241338A (ja) | 2005-03-04 | 2005-03-04 | 氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた氷雪路用重荷重タイヤ |
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JP2008255156A (ja) * | 2007-04-02 | 2008-10-23 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤ |
JP2015096605A (ja) * | 2013-11-13 | 2015-05-21 | ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニーThe Goodyear Tire & Rubber Company | 熱可塑性樹脂/フィラー複合材料を含有するゴム部品を有する空気入りタイヤ |
WO2019017417A1 (ja) | 2017-07-19 | 2019-01-24 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
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- 2005-03-04 JP JP2005059971A patent/JP2006241338A/ja active Pending
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