JP2006241268A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は熱硬化性樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は、機械的、電気的、化学的性質が優れているために接着剤、塗料、電気絶縁材料、航空機用構造材料等に用いられている。
航空機用構造材料として、炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグが知られている。このプレプリグに用いられる樹脂には、通常、高い靭性が要求される。
航空機用構造材料として、炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグが知られている。このプレプリグに用いられる樹脂には、通常、高い靭性が要求される。
エポキシ樹脂の強靭化の方法として、(A)樹脂や硬化剤の改良、(B)改質剤の添加による改良が挙げられる。上記(A)は、マトリックス樹脂の骨格や分子鎖の靭性の向上を図るものである。上記(B)は、柔軟性を持つポリマー(例えば、ゴム、エラストマー)や、強靭な熱可塑性ポリマー(例えば、エンジニアリングプラスチック)を樹脂系に添加して強靭化する方法である。
これまでに、発明者らは、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、およびスチレンからなる三元共重合体をエポキシ樹脂に添加して靭性を改善する方法を報告している(特許文献1参照。)。また、特許文献2には、靭性の向上を目的とした、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、およびスチレンからなる三元共重合体、N−フェニルマレイミドおよびスチレンからなる二元共重合体の少なくとも1種を含有する熱硬化性樹脂組成物が記載されている。
しかしながら、特許文献1および2に記載の三元共重合体または二元共重合体の添加量が多いと、樹脂組成物の粘度が上昇し、プリプレグ等の成形体を製造することが困難になるという問題があった。
また、航空・宇宙材料や電気・電子材料等の先端技術のように、より高い性能を要求される用途においては、より優れた性能を有するエポキシ樹脂組成物が望まれている。
したがって、本発明は、低粘度で作業性に優れ、硬化物が優れた靭性を有する熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
エポキシ樹脂(A)と、
下記式(1)で表される構造を有するブロック共重合体(B)と
を含有する熱硬化性樹脂組成物を提供する。
エポキシ樹脂(A)と、
下記式(1)で表される構造を有するブロック共重合体(B)と
を含有する熱硬化性樹脂組成物を提供する。
式中、R1はフェニル基、置換フェニル基、シクロへキシル基および炭素数1〜6のアルキル基のいずれかであり、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、nは50〜1500の整数であり、mは5〜150の整数であり、kは1〜10の整数である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低粘度で作業性に優れ、硬化物が優れた靭性を有する。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、エポキシ樹脂(A)と、上記式(1)で表される構造を有するブロック共重合体(B)とを含有する熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、エポキシ樹脂(A)と、上記式(1)で表される構造を有するブロック共重合体(B)とを含有する熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の組成物に用いられるエポキシ樹脂(A)は、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であり、特に限定されない。具体的には、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂をはじめとして、臭素化エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の各種のエポキシ樹脂や、これらの変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記エポキシ樹脂(A)は、少なくとも1つの芳香環を有するのが、硬化物の機械的強度および耐熱性に優れる点から好ましい。特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、ジシクロペンタジエニル型エポキシ樹脂、トリグリシジルパラアミノフェノール、トリグリシジルメタアミノフェノールが、作業性、耐熱性および耐水性に優れることから好ましい。
上記エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択することができる。好ましくは100〜1000程度であり、より好ましくは100〜500程度である。エポキシ当量がこの範囲であると、後述するブロック共重合体(B)との混合が容易になり、より効果的にエポキシ樹脂の強靭化が可能となる。
次に、本発明の組成物に用いられる下記式(1)で表される構造を有するブロック共重合体(B)(以下、「ブロック共重合体(B)」という。)について説明する。
ブロック共重合体(B)は、N−置換マレイミド−スチレン交互共重合体骨格およびポリジメチルシロキサン骨格を有するブロック共重合体である。
ブロック共重合体(B)は、N−置換マレイミド−スチレン交互共重合体骨格およびポリジメチルシロキサン骨格を有するブロック共重合体である。
上記式(1)中、R1はフェニル基、置換フェニル基、シクロへキシル基および炭素数1〜6のアルキル基のいずれかである。
上記置換フェニル基は、炭素数4以下のアルキル基、シアノ基、メトキシ基およびハロゲンからなる群から選択される少なくとも1種の置換基で置換されたフェニル基である。
上記炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
R1は、特に耐熱性および相溶性に優れる点から、フェニル基および置換フェニル基が好ましい。
上記置換フェニル基は、炭素数4以下のアルキル基、シアノ基、メトキシ基およびハロゲンからなる群から選択される少なくとも1種の置換基で置換されたフェニル基である。
上記炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
R1は、特に耐熱性および相溶性に優れる点から、フェニル基および置換フェニル基が好ましい。
上記式(1)中、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
nは50〜1500の整数であり、200〜1000の整数が好ましい。
mは5〜150の整数であり、10〜140の整数が好ましい。
kは1〜10の整数であり、2〜9の整数が好ましい。
n、mおよびkが上記の範囲であると、上記エポキシ樹脂(A)との相溶性に優れる。
nは50〜1500の整数であり、200〜1000の整数が好ましい。
mは5〜150の整数であり、10〜140の整数が好ましい。
kは1〜10の整数であり、2〜9の整数が好ましい。
n、mおよびkが上記の範囲であると、上記エポキシ樹脂(A)との相溶性に優れる。
ブロック共重合体(B)のガラス転移温度(Tg)は、170〜240℃であるのが好ましく、200〜230℃であるのがより好ましい。ガラス転移温度がこの範囲であると、系全体のTgに影響を与えず、高Tg材料が得られるため、特に航空機用材料に好適である。
ブロック共重合体(B)の製造方法は、特に限定されない。例えば、目的とするブロック共重合体(B)に応じた量のN−置換マレイミドおよびスチレンを、適当な溶媒に溶解して混合し、ポリジメチルシロキサンブロック鎖を含む高分子アゾ開始剤を用いて、50〜150℃程度の反応温度で重合する方法等が挙げられる。必要に応じて、ドデカンチオール、チオフェノール、テトラメチルチウラムジスルフィド、四塩化炭素等の連鎖移動剤を併用してもよい。
上記N−置換マレイミドとしては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−トリルマレイミド、N−メチルマレイミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリジメチルシロキサン骨格を含む高分子アゾ開始剤としては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
上記式(2)中、R2、R3、R4、R5およびmは、式(1)と同様である。また、jは3〜12の整数であり、5〜10の整数が好ましい。
重合の際に用いる上記溶媒は、特に限定されない。例えば、アセトン、トルエン、ベンゼン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、ジオキサン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記のようにして得られるブロック共重合体(B)中の各成分のモル比は、合成時における各成分の仕込みモル比によって調整でき、仕込みモル比とほぼ同様となる。また、重合に用いられるN−置換マレイミドとスチレンのモル比(N−置換マレイミド/スチレン)は、1/1程度が好ましい。
また、上記高分子アゾ開始剤の使用量は、通常、N−置換マレイミド、スチレンおよび開始剤の合計の0.05〜5.0モル%程度であり、0.1〜0.5モル%程度が好ましい。
また、上記高分子アゾ開始剤の使用量は、通常、N−置換マレイミド、スチレンおよび開始剤の合計の0.05〜5.0モル%程度であり、0.1〜0.5モル%程度が好ましい。
ブロック共重合体(B)の重量平均分子量は、特に限定はないが、50,000〜700,000程度が好ましい。重量平均分子量が上記範囲であると、得られるエポキシ樹脂組成物の硬化物の靭性や耐熱性に優れる。特に、これらの特性に加えて、得られるエポキシ樹脂組成物の粘度が適度で取り扱い性に優れる点から、重量平均分子量は70,000〜660,000程度がより好ましく、160,000〜660,000程度が更に好ましい。
ブロック共重合体(B)の分子量は、合成時に添加する連鎖移動剤の量または重合反応に用いる溶媒によって調整することができる。例えば、重合反応溶媒としてトルエンを用いると、広い分子量分布を持つ低分子量の化合物が得られる。また、溶媒としてアセトンを用いると、分子量分布が小さく、トルエンに比して大きな分子量の化合物が得られる。
ブロック重合体(B)の含有量は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して1〜20質量部が好ましい。この範囲であると、硬化物の靭性に優れ、他の物性とのバランスにも優れる。これらの特性により優れる点から、3〜15質量部がより好ましく、5〜10質量部が更に好ましい。
ブロック共重合体(B)は、従来のN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、およびスチレンからなる三元共重合体、または、N−フェニルマレイミドおよびスチレンからなる二元共重合体に比べて、少量で高い靭性を付与できる。また、低温(−100〜−30℃程度)での物性の低下を抑制できる。これらは、ブロック共重合体(B)が、エンジニアリングプラスチックに近いTgを有するN−フェニルマレイミド−スチレン骨格と、ゴム成分に近いTgを有するポリジメチルシロキサン骨格とを有するからであると考えられる。
また、ブロック共重合体(B)は、そのシロキサン部位とエポキシ樹脂との極性が異なるので、エポキシ樹脂中でミセルを形成し易くなるため、靭性を付与するのに十分な量を添加した場合でも組成物の粘度上昇を抑制できると考えられる。
更に、ポリジメチルシロキサン骨格を有するので、難燃性を付与することができる。
また、ブロック共重合体(B)は、そのシロキサン部位とエポキシ樹脂との極性が異なるので、エポキシ樹脂中でミセルを形成し易くなるため、靭性を付与するのに十分な量を添加した場合でも組成物の粘度上昇を抑制できると考えられる。
更に、ポリジメチルシロキサン骨格を有するので、難燃性を付与することができる。
本発明の組成物は、上述した各成分の他に、硬化剤を含有することが好ましい。
硬化剤としては、一般的にエポキシ樹脂に用いられる公知の硬化剤を用いることができる。具体的には、例えば、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、チオール系化合物、イミダゾール、3フッ化ホウ素−アミン錯体、グアニジン誘導体、ヒドラジン誘導体、アミノ安息香酸エステル類等が挙げられる。中でも、アミン系化合物、酸無水物系化合物等が好ましい。
硬化剤としては、一般的にエポキシ樹脂に用いられる公知の硬化剤を用いることができる。具体的には、例えば、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、チオール系化合物、イミダゾール、3フッ化ホウ素−アミン錯体、グアニジン誘導体、ヒドラジン誘導体、アミノ安息香酸エステル類等が挙げられる。中でも、アミン系化合物、酸無水物系化合物等が好ましい。
アミン系化合物としては、具体的には、例えば、メタキシリレンジアミン(MXDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3−BAC)、ノルボルナンジアミン(NBDA)、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン(IPDA)、ジシアンジアミド、ジメチルベンジルアミン、ケチミン化合物等のアミン系化合物、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド骨格のポリアミン、下記式(3)で表される化合物等が挙げられる。中でも、メタキシリレンジアミン(MXDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3−BAC)、ノルボルナンジアミン(NBDA)、ジアミノジフェニルスルフォン等が、作業性が良く、硬化性も高いという点から好ましい。また、下記式(3)、(4)で表される化合物およびジアミノジフェニルスルフォンの各種変性体は、芳香核を骨格内に有し、かつ、耐熱性が高く、可使時間が長いため好適であり、例えば、プリプレグ用途等に好適に用いられる。
酸無水物系化合物としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。中でも、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が、室温で液状であり、作業性が良く、硬化性も高いという点から好ましい。
フェノール系化合物としては、具体的には、例えば、ビスフェノール類、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類と芳香族ジメチロールとの重縮合物、またはビスメトキシメチルビフェニルとナフトール類もしくはフェノール類との縮合物等、ビフェノール類およびこれらの変性物等が挙げられる。
チオール系硬化剤としては、具体的には、例えば、ブタンジチオール類、炭素数5〜10のジチオール類、芳香族チオール類、エピキュアQX40(ジャパンエポキシレジン社製)等のポリチオール等のチオール化合物が挙げられる。
アミノ安息香酸エステル類としては、具体的には、例えば、トリメチレングリコール−p−アミノベンゾエート、ネオペンチルグリコール−p−アミノベンゾエート等が挙げられる。
硬化剤の使用量は、組成物中のエポキシ基1当量に対して0.6〜1.2当量が好ましく、0.7〜1.0当量がより好ましい。
本発明の組成物は、更に、硬化触媒を含有するのが好ましい。
硬化触媒としては、一般的にエポキシ樹脂に用いられる公知の硬化触媒を用いることができる。具体的には、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第三級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物、第四級ホスホニウム塩、3−フッ化ホウ素−アミン錯体、3−塩化ホウ素−アミン錯体等が挙げられる。中でも触媒作用が強い点から、3−フッ化ホウ素−アミン錯体等が好ましい。
硬化触媒としては、一般的にエポキシ樹脂に用いられる公知の硬化触媒を用いることができる。具体的には、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第三級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物、第四級ホスホニウム塩、3−フッ化ホウ素−アミン錯体、3−塩化ホウ素−アミン錯体等が挙げられる。中でも触媒作用が強い点から、3−フッ化ホウ素−アミン錯体等が好ましい。
硬化触媒の含有量は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜0.5質量部がより好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損わない範囲で、充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤等の各種添加剤等を含有することができる。
また、ニトリルゴム、カルボキシ変性ニトリルゴム等のゴム成分、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、その他ポリフェニレンスルフィド、ナイロン等の熱可塑性樹脂を添加してもよい。
また、ニトリルゴム、カルボキシ変性ニトリルゴム等のゴム成分、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、その他ポリフェニレンスルフィド、ナイロン等の熱可塑性樹脂を添加してもよい。
充填剤としては、各種形状の有機または無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグレシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物が挙げられる。充填剤の含有量は、硬化物の物性の点で、全組成物中の10質量%以下であるのが好ましい。
反応遅延剤としては、具体的には、例えば、アルコール系等の化合物が挙げられる。
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系等の化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
顔料としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、カーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
可塑剤としては、具体的には、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。可塑剤の含有量は、作業性の観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して、30質量部以下であるのが好ましい。
揺変性付与剤としては、具体的には、例えば、エアロジル(日本エアロジル(株)製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)等が挙げられる。
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、一般的に、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
帯電防止剤としては、一般的に、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練する方法を用いることができる。
上述したように、本発明の組成物は、低粘度で作業性に優れ、硬化物が優れた靭性を有する。
本発明の組成物の用途は、本発明の組成物が有する特性を活かして広範な用途に用いられる。具体的には、例えば、接着剤、塗料、電気絶縁材料、航空機用構造材料、シーリング材等が挙げられる。特に、航空機用構造材料のプリプレグのマトリックス樹脂として好適に用いられる。
本発明の組成物の用途は、本発明の組成物が有する特性を活かして広範な用途に用いられる。具体的には、例えば、接着剤、塗料、電気絶縁材料、航空機用構造材料、シーリング材等が挙げられる。特に、航空機用構造材料のプリプレグのマトリックス樹脂として好適に用いられる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ブロック共重合体(B)の合成>
下記第1表に示す量(モル)で、スチレン(関東化学社製)と、N−フェニルマレイミド(日本触媒社製)をアセトン/トルエン=1/1の混合溶媒600mlに溶解し、第1表に示す量(g)の開始剤(下記式(5)で表される化合物、VPS−0501、和光純薬工業社製)を添加した。分子量調整の為に、連鎖移動剤としてドデカンチオール(東京化成工業社製)を第1表に示す量(mol%)加え、窒素気流下、65℃で8時間反応させた。その後、メタノール/THFで再沈殿をし、下記式(6)で表される、白色の化合物B1〜B5を得た。
得られた化合物B1〜B5の収率、ユニットモル比(r/(q×s))、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ガラス転移温度(Tg)を第1表に示す。なお、ユニットモル比(r/(q×s))は、下記式(6)で表されるブロック共重合体中のN−置換マレイミド−スチレン交互共重合体単位数(r)と、ブロック共重合体中の全ジメチルシロキサン単位数(q×s)との比を表し、1H−NMRにより芳香族水素とジメチルシロキサン水素との比から求められた。
。また、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(ポリスチレン換算)により測定され、ガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC)により測定された。
<ブロック共重合体(B)の合成>
下記第1表に示す量(モル)で、スチレン(関東化学社製)と、N−フェニルマレイミド(日本触媒社製)をアセトン/トルエン=1/1の混合溶媒600mlに溶解し、第1表に示す量(g)の開始剤(下記式(5)で表される化合物、VPS−0501、和光純薬工業社製)を添加した。分子量調整の為に、連鎖移動剤としてドデカンチオール(東京化成工業社製)を第1表に示す量(mol%)加え、窒素気流下、65℃で8時間反応させた。その後、メタノール/THFで再沈殿をし、下記式(6)で表される、白色の化合物B1〜B5を得た。
得られた化合物B1〜B5の収率、ユニットモル比(r/(q×s))、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ガラス転移温度(Tg)を第1表に示す。なお、ユニットモル比(r/(q×s))は、下記式(6)で表されるブロック共重合体中のN−置換マレイミド−スチレン交互共重合体単位数(r)と、ブロック共重合体中の全ジメチルシロキサン単位数(q×s)との比を表し、1H−NMRにより芳香族水素とジメチルシロキサン水素との比から求められた。
。また、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(ポリスチレン換算)により測定され、ガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC)により測定された。
上記式(5)中、pは5〜10の整数であり、qは5〜145の整数である。また、上記式(6)中、qは式(5)のqと同様であり、rは210〜500の整数であり、sは1〜10の整数である。
<実施例1〜10および比較例1〜2>
下記第2表の各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、メチルエチルケトン200質量部に添加した。60℃で2時間混合して、減圧下60℃で脱溶剤し、第2表に示される各組成物を得た。
得られた各組成物について、下記に示す方法により、靭性および作業性を評価した。
結果を第2表に示す。
下記第2表の各成分を、第2表に示す組成(質量部)で、メチルエチルケトン200質量部に添加した。60℃で2時間混合して、減圧下60℃で脱溶剤し、第2表に示される各組成物を得た。
得られた各組成物について、下記に示す方法により、靭性および作業性を評価した。
結果を第2表に示す。
(靭性)
得られた各組成物を、室温から2℃/分で180℃まで昇温し、その後、180℃で2時間硬化させ、試験体を得た。この試験体を用いて、ASTM E399に準じて破壊靭性値(KIC)を測定した。
得られた各組成物を、室温から2℃/分で180℃まで昇温し、その後、180℃で2時間硬化させ、試験体を得た。この試験体を用いて、ASTM E399に準じて破壊靭性値(KIC)を測定した。
(作業性)
得られた各組成物を、ガラスモールド(15cm×15cm、スペーサ厚さ7mm)に流し込むときの流れ性を目視で観察した。
ガラスモールドの下すみまで充填できるときを「○」とし、ガラスモールドの下すみまで充填できないときを「×」とした。
得られた各組成物を、ガラスモールド(15cm×15cm、スペーサ厚さ7mm)に流し込むときの流れ性を目視で観察した。
ガラスモールドの下すみまで充填できるときを「○」とし、ガラスモールドの下すみまで充填できないときを「×」とした。
上記第2表に示す各成分は下記のとおりである。
・TGDDM(下記式(7)に示す化合物):ELM434、住友化学工業社製
・DCPDE(下記式(8)に示す化合物):HP7200、大日本インキ化学工業社製
・DGEBA(下記式(9)に示す化合物):YD128、東都化成社製
・NPEP(下記式(10)に示す化合物):HP4032、大日本インキ化学工業社製
・硬化剤(下記式(11)に示す化合物):4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、和歌山精化社製
・TGDDM(下記式(7)に示す化合物):ELM434、住友化学工業社製
・DCPDE(下記式(8)に示す化合物):HP7200、大日本インキ化学工業社製
・DGEBA(下記式(9)に示す化合物):YD128、東都化成社製
・NPEP(下記式(10)に示す化合物):HP4032、大日本インキ化学工業社製
・硬化剤(下記式(11)に示す化合物):4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、和歌山精化社製
・PMS(下記式(12)に示す化合物):スチレン(関東化学社製)0.1モルと、N−フェニルマレイミド(日本触媒社製)0.1モルをアセトン/トルエン=1/1の混合溶媒600mlに溶解し、AIBN(関東化学社製)を0.33g添加し、窒素気流下、65℃で8時間反応させた。その後、メタノールとTHFの混合溶媒で再沈殿をし、下記式(12)で表される、N−フェニルマレイミド−スチレン交互共重合体(PMS)を得た。式(12)中、tは550〜600の整数である。
得られた化合物(PMS)は、収率96%、重量平均分子量(Mw)397,000、分子量分布(Mw/Mn)2.4、ガラス転移温度(Tg)228℃であった。なお、重量平均分子量はGPC(ポリスチレン換算)により測定され、ガラス転移温度はDSCにより測定された。
得られた化合物(PMS)は、収率96%、重量平均分子量(Mw)397,000、分子量分布(Mw/Mn)2.4、ガラス転移温度(Tg)228℃であった。なお、重量平均分子量はGPC(ポリスチレン換算)により測定され、ガラス転移温度はDSCにより測定された。
第2表に示す結果から明らかなように、ブロック共重合体(B)を含有しない組成物(比較例1)は、作業性は良好であるが、硬化物の破壊靭性値が低かった。
ブロック共重合体(B)の代わりにPMSを含有する組成物(比較例2)は、比較例1に比べて、硬化物の破壊靭性値は向上したが、粘度が高く作業性が悪かった。
一方、実施例1〜10の組成物は、ブロック共重合体(B)未添加の組成物(比較例1)に対して、硬化物の破壊靭性値が56%〜139%向上した。また、作業性も良好だった。
ブロック共重合体(B)の代わりにPMSを含有する組成物(比較例2)は、比較例1に比べて、硬化物の破壊靭性値は向上したが、粘度が高く作業性が悪かった。
一方、実施例1〜10の組成物は、ブロック共重合体(B)未添加の組成物(比較例1)に対して、硬化物の破壊靭性値が56%〜139%向上した。また、作業性も良好だった。
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JP2005057175A JP2006241268A (ja) | 2005-03-02 | 2005-03-02 | 熱硬化性樹脂組成物 |
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