JP2006240973A - 不燃断熱性包被体及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐火不燃性と優れた断熱性を保持し且管や槽外表面に簡便に包被できる不燃断熱性包被体とその施工方法を提供する。
【解決手段】 シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくはゲル状物に、天然繊維、耐熱性合成繊維若しくはガラス繊維からなるチョップドストランドを20乃至60重量%で混練して発泡性素材となし、該発泡性素材を用いてその全体形状が所要の断面形状と長さの割型で、而も割型の対称的中央位置の長さ方向に嵌入凹溝が形成されるよう、少なくとも100℃以上の加熱により発泡倍率が2乃至20倍の不燃断熱層に発泡形成させてなる不燃断熱性包被体。
【選択図】 図2
【解決手段】 シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくはゲル状物に、天然繊維、耐熱性合成繊維若しくはガラス繊維からなるチョップドストランドを20乃至60重量%で混練して発泡性素材となし、該発泡性素材を用いてその全体形状が所要の断面形状と長さの割型で、而も割型の対称的中央位置の長さ方向に嵌入凹溝が形成されるよう、少なくとも100℃以上の加熱により発泡倍率が2乃至20倍の不燃断熱層に発泡形成させてなる不燃断熱性包被体。
【選択図】 図2
Description
本発明は加熱媒体や冷却媒体の輸送管や貯留槽の保温や保冷を初め水道管の凍結防止或いは合成樹脂配管の耐火被覆等には極めて好適な不燃断熱性包被体及びその施工方法に関する。
化学工業や食品工業或いは石油工業等においてはその生産工程毎における熱管理は極めて重要であって、これがためこれらプラント装置には加熱媒体や冷却媒体を輸送する輸送管や貯留槽等が多数配設されている。
そしてかかる輸送管や貯留槽内の加熱媒体や冷却媒体は、所定の工程において所定の温度に保持させるうえから、その外表面には熱エネルギーの逸散漏出を防止するための断熱手段が施されている。
そしてかかる輸送管や貯留槽内の加熱媒体や冷却媒体は、所定の工程において所定の温度に保持させるうえから、その外表面には熱エネルギーの逸散漏出を防止するための断熱手段が施されている。
この現状における断熱手段としては、ガラス繊維不織布からなるガラスウールやロックウール等の細幅マット状物で螺回包被し、若しくはポリエチレンやポリウレタン等の発泡シート状物で螺回包被させたうえ、更にその外表面を金属板材からなる外被カバーにより包被固定させることが主に用いられている。
更に水道管の凍結防止に際しても、麻織物からなる細幅シート状物や発泡ポリエチレンや発泡ポリウレタン細幅シートを螺回包被させる手段が用いられている。
更に水道管の凍結防止に際しても、麻織物からなる細幅シート状物や発泡ポリエチレンや発泡ポリウレタン細幅シートを螺回包被させる手段が用いられている。
然るにガラスウールからなる細幅マット状物では、螺回包被作業時にガラス繊維片による皮膚突刺等による著しい作業困難が伴うばかりか、十分高密度に織成されたものでないと保温性や保冷性が発揮されず、且高密度の織成に伴い著しいコストアップも招来される結果となっている。更にロックウールによる細幅マット状物では断熱性に劣るとともに、多重で且螺回包被作業時に多量の繊維片が剥落散乱する問題をも内在している。
加えてプラント装置の如く輸送管長が極めて長いものでは螺回包被による施工では多大な作業労力と時間が強いられることとなるばかりか、ポリエチレンやポリウレタン等の発泡シート状物では十分な厚さを以って螺回包被し若しくは包着させぬと保温性や保冷性が保持されず、且一旦火災に遭遇した場合には猛烈な火陥と煤煙及び有害ガスをも発生することから、近年においては耐火不燃性とともに断熱性に優れ且安価で施工の容易な包被体若しくは包被材が強く要求されるに至っている。
更に近年に至っては中水道の発達や汚水処理方法の変更等に伴い比較的古い建物や施設等の内外面にはポリ塩化ビニルやポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂素材からなる配水管が多量且多岐に亘って配設されてなるものの、一旦火災が発生したりすると多量の火陥や煤煙或いは有害ガスの発生ばかりか配水管内の中水や汚水が漏出し水災被害も著しく拡大される結果となることから、これら配水管にも耐火不燃性の包被体による保護が強く要請されている。
かかる問題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、火山灰やシラス等自然噴出無機物や石炭灰や鋳造廃砂等無機質廃棄物等をアルカリ剤で溶解してなる珪酸ナトリウムを、その分子量が略4,000以上に多分子量化させたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくはゲル状物が、100℃以上の加熱によりその水分蒸散に伴う発泡の生成と且加熱融着性とにより発泡構造を有する酸化珪素態の無機質発泡構造体を形成すること、並びにチョップドストランドの配合により構造強度が著しく高められること、及び鉄若しくは非鉄金属板との加熱発泡により無機質発泡構造体と一体的に強固に融着固化しえることを究明し本発明に至った。
本発明は耐火不燃性と優れた断熱性を保持し、且管や槽外表面に簡便に包被施工しえる不燃断熱性包被体及びその施工方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために本発明が用いた技術的手段は、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくはその水分率を20乃至45重量%割合まで脱水濃縮させてなるシロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物に、発泡形成される不燃性断熱層の強靭性を高めるうえから、天然繊維や耐熱性合成繊維若しくはガラス繊維素材からなり細繊度で且繊維長の短かいチョップドストランドを20乃至60重量%割合で配合混練させた発泡性素材を用いる。
そして該発泡性素材をその全体形状が所要の断面形状と長さを有し、且割型で而も該割型の対称的中央位置の長さ方向に管や槽の外面に嵌入包被できる嵌入凹溝が形成されるよう、発泡性素材を少なくとも100℃以上の温度を以って加熱し且その発泡倍率が2乃至20倍に発泡成形させてなる不燃断熱性包被体に存するものである。
更には鉄若しくは非鉄金属板素材からなる外部保護層が、加熱発泡されて形成される不燃断熱層と一体的に融着固着されてなる不燃断熱性包被体、及び発泡性素材がシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくはゲル状物のみからなり、且加熱発泡が600乃至850℃の高温度で加熱され不燃断熱層のガラス化を図り不燃断熱層の発泡構造強度を強化させてなる不燃断熱性包被体に存する。
更には鉄若しくは非鉄金属板素材からなる外部保護層が、加熱発泡されて形成される不燃断熱層と一体的に融着固着されてなる不燃断熱性包被体、及び発泡性素材がシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくはゲル状物のみからなり、且加熱発泡が600乃至850℃の高温度で加熱され不燃断熱層のガラス化を図り不燃断熱層の発泡構造強度を強化させてなる不燃断熱性包被体に存する。
加えてかかる不燃断熱性包被体を簡便且強固に管や槽外面に包被させるため、不燃断熱性包被体を形成する割型相互の接合部位及び連接端縁部位に、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を塗着含浸させたうえ、100乃至850℃の範囲の温度で加熱してシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液の加熱発泡と加熱融着性により、管若しくは槽と不燃断熱性包被体とを強固に連接包被させる不燃断熱性包被体の施工方法に存する。
本発明は上述の如く発泡性素材がシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくはゲル状物に、天然繊維若しくは耐熱性合成繊維若しくはガラス繊維からなる細繊度で且繊維長の短かなチョップドストランドが20乃至60重量%割合で混練されてなるため、発泡性素材中にチョップドストランドが均質に分散混練され、且この発泡性素材を所要の断面形状と長さの割型形状に2乃至20倍に加熱発泡されて不燃断熱層が形成されるため、該不燃断熱層を形成する発泡構造中にチョップドストランドが絡合し且立体網状に混入された状態となって発泡構造が著しく強靭化される。
そして本発明は所要の断面形状と長さの割型に形成され且その対称的中央位置の長さ方向には、保温若しくは保冷する管や槽の外面に嵌入包被できる嵌入凹溝が形成されてなるから、管や槽を挟んで相互の割型の陥入凹溝に嵌入させるのみで極めて簡便に包被ができる。
而も割型の外表面形状にあわせて鉄若しくは非鉄金属板素材で形成された外部保護層に、発泡性素材を注入のうえ加熱発泡させることにより不燃断熱層と一体的に且強固に融着固着された本発明品が形成される。
而も割型の外表面形状にあわせて鉄若しくは非鉄金属板素材で形成された外部保護層に、発泡性素材を注入のうえ加熱発泡させることにより不燃断熱層と一体的に且強固に融着固着された本発明品が形成される。
そしてかかる本発明品の管若しくは槽の包被に際しては、割型相互の接合部位及び連接端縁部位にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を塗着させることにより、接合部位や連接端縁部位間に含浸され且100乃至850℃の加熱をなすことで、塗着されたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液の加熱発泡と且加熱融着性とにより接合間隙や連接間隙が閉塞され接合されて一体的に強固に連接包被がなされる。
シロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物にガラス繊維からなるチョップドストランドを20乃至60重量%割合で混練して発泡性素材となしたうえ、該発泡性素材を少なくとも100℃以上の温度で2乃至20倍の発泡倍率に加熱発泡させ、且その全体形状が所要の断面形状と長さの割型で而も該割型の対称的中央位置の長さ方向に、管若しくは槽外面に嵌入包被できる嵌入凹溝を形成させた不燃断熱性包被体。
以下に本発明実施例を図とともに詳細に説明すれば、図1は本発明に用いる発泡性素材1の説明図であって、本発明は不燃性と優れた断熱性に加えて包被に係る施工性が要請される。
そこで本発明は加熱により容易に無機質発泡構造を生成しえる原料としてシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1A若しくはシロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物1Bを用いる。
そこで本発明は加熱により容易に無機質発泡構造を生成しえる原料としてシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1A若しくはシロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物1Bを用いる。
このシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Aは、火山灰やシラス等の自然噴出無機物や石炭灰若しくは鋳造廃砂等無機質産廃物中に多量に含有されてなる酸化珪素を、水産化ナトリウムの如きアルカリ剤により溶解させた珪酸ナトリウム所謂水ガラスとなしたうえ、その水分蒸散に伴う発泡構造を生成しえるようシラノール基の縮合作用により分子量を略4,000乃至8,000程度に多分子量化させることで作成されるもので、その組成はシロキサン及びシラノール塩からなる固形分が略20乃至25重量%に水分が略75乃至80重量%からなるもので且100℃以上の加熱による水分蒸散に伴い発泡構造を生成するものである。
而して本発明は加熱媒体や冷却媒体の輸送管や貯留槽の保温や保冷を初め、水道管の凍結防止及び中水道や下水道等の合成樹脂配管の耐火保護等に使用するものであることから、その割型の断面形状や厚さ或いは長さも多様なものが要請される。これがためにはシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Aの如く、水溶液状のものでは注入成形の如き成形法に制約される。
これがため該シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Aの水分率を20乃至45重量%まで脱水濃縮してシロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物1Bとしてシート状物やフィルム状物若しくはペレット状物に塑性加工を施すことにより、圧縮成形や射出成形、吹込成形等多様な成形手段が使用できることも考慮すべきである。
これがため該シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Aの水分率を20乃至45重量%まで脱水濃縮してシロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物1Bとしてシート状物やフィルム状物若しくはペレット状物に塑性加工を施すことにより、圧縮成形や射出成形、吹込成形等多様な成形手段が使用できることも考慮すべきである。
而してシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1A若しくはシロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物1Bのみを加熱発泡させて不燃断熱層2を形成させることも可能であるが、かかる不燃断熱層2は一般的加熱発泡では屈撓性に劣り僅かな衝撃力や加圧の付加で破損や損壊が惹起される。そこで実用使用に供するうえからはシロキサン及びシラノール塩多分子用溶液1Aの性状を活用して、600乃至850℃の高温度で加熱発泡させて酸化珪素態の不燃断熱層2のガラス化を図ることにより、発泡構造強度を向上させたものが使用可能となるものの、反面加熱温度を600乃至850℃の高温度に維持させ加熱発泡をなすためには膨大な熱エネルギーを要するため熱エネルギーコストが莫大なものとなる。
そこでシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1A若しくはシロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物1Bに対して、天然繊維や耐熱性合成繊維若しくはガラス繊維からならなるチョップドストランドICが20乃至60重量%割合で配合され混練させて発泡性素材1として用いる。
即ちかかる場合のチョップドストランド1Cには強靭で十分に柔軟なうえ、その繊維長も比較的短いものが好適であって、柔軟性を保持させるうえからはその単繊維の繊度においては略0.5乃至5.0デニール程度のもので、且その繊維長としては略5乃至35mm程度のものがシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Aやゲル状物1Bとの分散混練性と且成形時の成形性のうえから望まれる。天然繊維の具体的なものとしては綿繊維や麻繊維が好ましく、且耐熱性合成繊維としては耐熱性に優れる炭素繊維やポリアラミド繊維等が挙げられる。
即ちかかる場合のチョップドストランド1Cには強靭で十分に柔軟なうえ、その繊維長も比較的短いものが好適であって、柔軟性を保持させるうえからはその単繊維の繊度においては略0.5乃至5.0デニール程度のもので、且その繊維長としては略5乃至35mm程度のものがシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Aやゲル状物1Bとの分散混練性と且成形時の成形性のうえから望まれる。天然繊維の具体的なものとしては綿繊維や麻繊維が好ましく、且耐熱性合成繊維としては耐熱性に優れる炭素繊維やポリアラミド繊維等が挙げられる。
更にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1A若しくはゲル状物1Bに対するチョップドストランド1Cの配合混練割合を20乃至60重量%割合とする所以は、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1A若しくはゲル状物1Bが成形に際して2乃至20倍の発泡倍率で加熱発泡されるものである。
多くの試作結果より不燃断熱層2の厚さが十分に厚い場合では、チョップドストランド1Cの混練割合は容積割合からは略1.0乃至6.0%容積割合で十分であるが、不燃断熱層2の厚さが略15mm以下の場合では容積割合のうえから略30乃至40%容積割合の混練のものが屈撓性のうえからも望まれる。
多くの試作結果より不燃断熱層2の厚さが十分に厚い場合では、チョップドストランド1Cの混練割合は容積割合からは略1.0乃至6.0%容積割合で十分であるが、不燃断熱層2の厚さが略15mm以下の場合では容積割合のうえから略30乃至40%容積割合の混練のものが屈撓性のうえからも望まれる。
してみるとチョップドストランド1Cが20重量%で配合混練された場合における2倍発泡時には、該チョップドストランド1Cの形成される不燃断熱層2における容積割合は賂11.0%に相当し、且20倍発泡時にはその容積割合としては略1.2%に相当する。更にチョップドストランド1Cが60重量%で配合混練されてなる場合には、2倍発泡時には略43.0%の容積割合となり、且20倍発泡時には略6.1%の容積割合となることによる。
かくして形成された発泡性素材1を用いて、少なくとも100℃以上の温度で加熱発泡させ2乃至20倍の発泡倍率を以って本発明品3が成形されるもので、図2には本発明品3の見取図が示されている。
即ち本発明品3は全体形状が所要の断面形状と長さを有する割型3A、3Aよりなり、且この割型3A、3Aの対称的中央位置の長さ方向には、管若しくは槽5の外面に嵌入包被できるよう嵌入凹溝2A、2Aを有した不燃断熱層2で形成された構成からなるものである。
即ち本発明品3は全体形状が所要の断面形状と長さを有する割型3A、3Aよりなり、且この割型3A、3Aの対称的中央位置の長さ方向には、管若しくは槽5の外面に嵌入包被できるよう嵌入凹溝2A、2Aを有した不燃断熱層2で形成された構成からなるものである。
当然に嵌入凹溝2A、2Aの曲率半径は包被対象となる管若しくは槽5の外径に合せて決定され、且不燃断熱層2の厚さは管若しくは槽5の径によっても異なるが、高い保温効果や保冷効果が要請される場合には略40乃至80mm程度が望ましく、更に水道管の凍結防止の場合においては管径も小さく略10乃至30mmの厚さで十分に効果が期待できる。
加えて割型3A13Aの長さも特段の制約は無く、且本発明品3を形成する不燃断熱層2は発泡性素材1が2乃至20倍に加熱発泡されて形成されるものであって、その2倍発泡におけるかさ比重は略0.65、20倍発泡におけるかさ比重は略0.06と極めて軽量であるから十分に長い物でも取扱いが可能であり、且管や槽5への包被作業も格段に能率的になしえることとなるが、他方において輸送や保管等の流通面を考慮すると、せいぜい1.8乃至3.6m程度が好都合となる。
ところで従来からも加熱媒体や冷却媒体の輸送管や貯留槽に断熱材を包被させたうえ、雨水の浸透防止や飛来物の衝突或いは外部衝撃より断熱材を保護するために鉄若しくは非鉄金属板を加工してなる保護体で保護がなされる。
而して本発明品3は発泡性素材1を加熱発泡させて成形がなされるものであって、該発泡性素材1を形成するシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1A若しくはゲル状物1Bは、加熱に伴い発泡性と且加熱融着性が創出され、鉄若しくは非鉄金属と強固に融着固着する性質を保持している。
而して本発明品3は発泡性素材1を加熱発泡させて成形がなされるものであって、該発泡性素材1を形成するシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1A若しくはゲル状物1Bは、加熱に伴い発泡性と且加熱融着性が創出され、鉄若しくは非鉄金属と強固に融着固着する性質を保持している。
これがため図3に示すように、割型3Aの外表面形状に適合するよう且耐熱性と熱伝導性の高い鉄若しくは非鉄金属板素材を用いて形成した外部保護層4を用いて、該外部保護層4内に発泡性素材1を注入させて所要の温度及び発泡倍率に加熱発泡させることにより、不燃断熱層2が外部保護層4と一体的に融着固着された本発明品30も形成することが出来る。
かかる場合に該外部保護層4は不燃断熱層2と一体的に融着固着されることにより極めて強固となることから、該外部保護層4の形成素材たる鉄若しくは非鉄金属板材としては可能な限り薄い物が採用出来、一般的な場合にはその厚さが0.1乃至1.0mm程度のもので十分実用に供しえる。
かかる場合に該外部保護層4は不燃断熱層2と一体的に融着固着されることにより極めて強固となることから、該外部保護層4の形成素材たる鉄若しくは非鉄金属板材としては可能な限り薄い物が採用出来、一般的な場合にはその厚さが0.1乃至1.0mm程度のもので十分実用に供しえる。
図4は本発明品3の施工説明図であって、本発明品3の包被施工に際しては管若しくは槽5の外面に本発明品3の割型3A、3A相互の嵌入凹溝2A、2Aを嵌入させて包着させるとともに、その長さの方向にも適宜数の本発明品3を連接包着させる。
そしてかかる包着に際して割型3A、3A相互の接合部位3B、3B並びに連接部位3C、3Cの不燃断熱層2の表面に、発泡性素材1に用いるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Aを塗着且含浸させ、而して100乃至850℃の温度で加熱することにより、該シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Aの加熱発泡及び加熱融着性により包着された接合部位3B、3B相互及び連接される相互の連接部位3C、3Cが一体的に包着接合されて強固な包被がなされることとなる。
そしてかかる包着に際して割型3A、3A相互の接合部位3B、3B並びに連接部位3C、3Cの不燃断熱層2の表面に、発泡性素材1に用いるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Aを塗着且含浸させ、而して100乃至850℃の温度で加熱することにより、該シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液1Aの加熱発泡及び加熱融着性により包着された接合部位3B、3B相互及び連接される相互の連接部位3C、3Cが一体的に包着接合されて強固な包被がなされることとなる。
以下に本発明品3の保温性試験及び耐火断熱試験結果を述べれば、保温性試験はその外径が22.2mm肉厚1.2mmの鉄パイプを長さ18mに連結し略水平に配位させたうえ、その一方側より80℃に加温した温水を他方側端に10l/分の流量で通水し、その他方側排出口より排出される温水温度を外気温14℃の中で測定し保温性を判断した。
試験に用いた試料は前記鉄パイプの外周面に、厚さ18mm発泡倍率10倍の不燃断熱層2からなる割型3A、3Aを連接包着させたものを用い、更に対照としてグラスウール24K相当品を厚さ18mmに圧縮して鉄パイプの外周面に螺回包着させたものを用いた。
保温性の測定に際しては、試料及び対照に15分間温水を10l/分の割合で流通させ鉄パイプとの温度差を無くしたうえ、60分間温水を流通させ20分毎に3回排出温水の温度を測定しその平均値を以って判断したもので、試料は72℃であったが対照は53℃であった。
試験に用いた試料は前記鉄パイプの外周面に、厚さ18mm発泡倍率10倍の不燃断熱層2からなる割型3A、3Aを連接包着させたものを用い、更に対照としてグラスウール24K相当品を厚さ18mmに圧縮して鉄パイプの外周面に螺回包着させたものを用いた。
保温性の測定に際しては、試料及び対照に15分間温水を10l/分の割合で流通させ鉄パイプとの温度差を無くしたうえ、60分間温水を流通させ20分毎に3回排出温水の温度を測定しその平均値を以って判断したもので、試料は72℃であったが対照は53℃であった。
次に耐火断熱性試験は、外径24mm肉厚2mmのポリ塩化ビニル管の外面に前記の厚さ18mm発泡倍率10倍の不燃断熱層2からなる割型3A、3Aを連接包着させたものを試料とし、更にポリ塩化ビニル管の外面に前記グラスウール24K相当品を厚さ18mmに圧縮して螺回包着させたものを対照とした。
試験方法は都市ガスを用いたバーナー上部位800℃の温度域に試料及び対照を晒し、ポリ塩化ビニル管の変化を目視判断したもので、試料は20分間の高温度においても全く変化は無く、他方対照は2分経過時よりグラスウールの熔融とともにポリ塩化ビニル管は黒煙の発生とともに発火した。
試験方法は都市ガスを用いたバーナー上部位800℃の温度域に試料及び対照を晒し、ポリ塩化ビニル管の変化を目視判断したもので、試料は20分間の高温度においても全く変化は無く、他方対照は2分経過時よりグラスウールの熔融とともにポリ塩化ビニル管は黒煙の発生とともに発火した。
所要の断面形状と長さで、且その対称的中央位置長さ方向に管若しくは槽の外面と嵌入しえる嵌入凹溝が設けられた割型を用意することで、管や槽の保温や保冷若しくは凍結防止或いは合成樹脂管の耐火保護が即時になしえる。
1 発泡性素材
1A シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液
1B シロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物
1C チョップドストランド
2 不燃断熱層
2A 嵌入凹溝
3 本発明品
3A 本発明品の割型
3B 割型の接合部位
3C 割型の連接部位
30 外部保護層が形成された本発明品
4 外部保護層
5 管若しくは槽
1A シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液
1B シロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物
1C チョップドストランド
2 不燃断熱層
2A 嵌入凹溝
3 本発明品
3A 本発明品の割型
3B 割型の接合部位
3C 割型の連接部位
30 外部保護層が形成された本発明品
4 外部保護層
5 管若しくは槽
Claims (4)
- 不燃断熱層が、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくはシロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物に天然繊維若しくは耐熱性合成繊維或いはガラス繊維からなるチョップドストランドを20乃至60重量%割合に混練して発泡性素材となしたうえ、少なくとも100℃以上の温度により2乃至20倍の発泡倍率で加熱発泡されてなり且その全体形状が所要の断面形状と長さの割型で、而も該割型の対称的中央位置の長さ方向に管若しくは槽外面に嵌入包被できる嵌入凹溝が形成されてなることを特徴とする不燃断熱性包被体。
- 割型の外表面に、鉄若しくは非鉄金属板素材からなる外部保護層が不燃断熱層と一体的に融着固着形成されてなる、請求項1記載の不燃断熱性包被体。
- 不燃断熱層が、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくはシロキサン及びシラノール塩多分子量ゲル状物のみの発泡性素材で、且600乃至850℃の温度で加熱発泡されてなる請求項1若しくは請求項2記載の不燃断熱性包被体。
- 管若しくは槽外面に嵌入包被される割型相互の接合部位及び連接端縁部位に、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を塗着且含浸させたうえ、100乃至850℃の加熱により加熱発泡と加熱融着により管若しくは槽と不燃断熱性包被体とを強固に連接包被させる不燃断熱性包被体の施工方法。
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JP2006240973A true JP2006240973A (ja) | 2006-09-14 |
Family
ID=37047749
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005099667A Pending JP2006240973A (ja) | 2005-03-02 | 2005-03-02 | 不燃断熱性包被体及びその施工方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006240973A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105199484A (zh) * | 2015-10-13 | 2015-12-30 | 谢军 | 一种抗冻环保涂料及其制备方法 |
-
2005
- 2005-03-02 JP JP2005099667A patent/JP2006240973A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105199484A (zh) * | 2015-10-13 | 2015-12-30 | 谢军 | 一种抗冻环保涂料及其制备方法 |
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