JP2006240594A - 浮体式鋼管運搬装置及び浮体式鋼管運搬方法 - Google Patents

浮体式鋼管運搬装置及び浮体式鋼管運搬方法 Download PDF

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Abstract

【課題】搬送作業効率の良い、コスト面で優れ、作業が容易になる鋼管の搬送装置及び方法を提供する。
【解決手段】鋼管に浮力を与えるための構成であって、可撓性部材を材料とする風船体により構成し、前記風船体は、膨張時にその外面が鋼管内面に密着する栓体と、膨張時の外径が鋼管外径より大きい係止体とにより構成したことを特徴とする、浮体式鋼管運搬装置。また、浮体式鋼管運搬装置を鋼管の両端に取り付けて、鋼管内部に気体を密封し、鋼管内部に密封した気体の浮力により水面上に鋼管を浮上させ、鋼管を曳船により曳航することを特徴とする、浮体式鋼管運搬方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋼管を水上運搬する際に使用する装置及び方法に関するものである。
従来の鋼管杭打設工事においては、図7に示すように、打設用の鋼管運搬は台船上に載置して固定する台船を使用した運搬方法が一般的であり、特に大型の鋼管を運搬する際には大型台船船団を形成して運搬する必要があった。
前記した従来の鋼管の運搬方法にあっては、次のような問題点がある。
<1> 鋼管打設船団ごとに、大型台船の確保及び大型曳船が必要となる。また、台船に載置した全ての鋼管の打設が完了するまで、運搬台船を現場に待船させなければならなく、運搬コストの増大、工事区域の輻湊が生じる。
<2> 大規模な港湾での桟橋基礎杭工事では大型の台船を複数台必要とするが、国内の現有台船は少なく大型台船を確保することが困難である。台船運搬方法による従来方式では、10000トン積大型台船を2、3隻必要とするが、国内の現有台船は5、6隻と少なく、大型台船を確保することが困難である。
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋼管、特に長さが数10m級あるいは100mを超える長尺の大型鋼管を、台船を使用せずに搬送する装置及び方法を提供するところにある。
また、搬送作業効率の良い、コスト面で優れ、作業が容易になる鋼管の搬送装置及び方法を提供するところにある。
上記のような問題を解決するために、本願の第1発明に係る浮体式鋼管運搬装置は、鋼管に浮力を与えるための構成であって、可撓性部材を材料とする風船体により構成し、前記風船体は、膨張時にその外面が鋼管内面に密着する栓体と、膨張時の外径が鋼管外径より大きい係止体とにより構成したことを特徴とするものである。
本願の第2発明に係る浮体式鋼管運搬装置は、鋼管に浮力を与えるための構成であって、可撓性部材を材料とする風船体と、鋼管内で膨張した風船体の前後に位置し、鋼管内部に取り付けた、風船体を係止するストッパーとにより構成し、前記風船体は、膨張時にその外面が鋼管内面に密着することを特徴とするものである。
本願の第3発明に係る浮体式鋼管運搬装置は、鋼管に浮力を与えるための構成であって、少なくとも径が鋼管外径とほぼ一致する円盤状の可撓性部材を材料とする止水板と、内径が鋼管外径と等しい筒体で、止水板の一面に取り付け、可撓性部材を材料とする取付環体とにより構成したものである。
本願の第4発明に係る浮体式鋼管運搬装置は、鋼管に浮力を与えるための構成であって、鋼管端部を閉塞しうる大きさの可撓性部材を材料とする止水板と、可撓性部材を材料とする風船体とにより構成し、前記風船体は、膨張時にその外面が鋼管内面に密着することを特徴とするものである。
本願の第5発明に係る浮体式鋼管運搬方法は、本願の第1発明乃至第4発明の何れかに記載の浮体式鋼管運搬装置を鋼管の両端に取り付けて、鋼管内部に気体を密封し、鋼管内部に密封した気体の浮力により水面上に鋼管を浮上させ、鋼管を曳船により曳航することを特徴とするものである。
本発明の浮体式鋼管運搬装置及び浮体式鋼管運搬方法は以上説明したようになり、少なくとも次のいずれか一つの効果を得ることができる。
<1> 例えば100m級の大型鋼管搬送の際に大型台船船団が不要となり、鋼管輸送費が低減する。
<2> 鋼管打設完了までの輸送船団待船料が不要となる。
<3> 大型台船船団の気象、海象による避泊地の確保が不要となる。また、避泊作業管理が不要となる。
<4> 工事区域に大型台船船団の係留設備及び係留エリアの確保が不要となる。
<5> 大型台船船団が不要なため、工事による海上交通の過密化が避けられる。
<6> 大型台船船団が不要なため、工事区域の船舶輻湊を避けることが出来る。
<7> 飛行場の埋め立て施工のための鋼管を搬送する場合には、鋼管打設作業は航空高度制限エリアの為に夜間作業となるが、鋼管輸送台船からの鋼管取込時に行う夜間転船作業が不要となり安全である。
<8> 鋼管打設能率に合わせた輸送工程が可能である。
<9>鋼管筏は鋼管打船に係留可能であり作業効率が良い。
<10>台船方式に比べ、鋼管の建て込みが容易になる。
<11>浮体式鋼管運搬方式は長尺の大型鋼管に限定することなく、全ての鋼管運搬に利用可能である。
<12>浮体式鋼管運搬用蓋は使用後も、鋼管から撤去、回収して繰り返し使用が可能であり、コスト面や環境面で優れるものとなる。
<13>浮体式鋼管運搬用蓋を風船体で構成した場合に、風船体から伸びた紐状体を鋼管に取り付けることで鋼管の搬送中も浮体式鋼管運搬用蓋が離脱することを防止可能にする。
以下図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<1> 浮体式鋼管運搬装置の概要
図2に浮体式鋼管運搬装置1の概略図を示す。
浮体式鋼管運搬装置1は搬送する中空状の鋼管4の両端部を浮体式鋼管運搬用蓋2により閉塞し内部に封入した気体の浮力により、水面に浮上させて搬送するものである。
また、浮体式鋼管運搬装置1は、浮体式鋼管運搬用蓋2に加えて、複数本の鋼管4を搬送する場合には、複数本の鋼管4を結び付ける鋼管連結固定枠3を、その構成要素とすることができる。
搬送する鋼管4の浮力が十分でない場合等にはフローター208を、浮体式鋼管運搬装置1の構成要素とすることもできる。
<2>浮体式鋼管運搬用蓋
浮体式鋼管運搬用蓋2は多様な形態での構成が可能である。
浮体式鋼管運搬用蓋2の各種形態として膨張収縮部材を利用したもの、耐水性部材を材料とする止水板を利用するもの、膨張収縮する部材と耐水性部材を材料とする止水板とを組み合わせたもの等の形態が挙げられる。
ここでは浮体式鋼管運搬用蓋2として、可撓性を有する膨張収縮部材を利用した浮体式鋼管運搬用蓋2の構成を説明する。
浮体式鋼管運搬用蓋2は浮体式鋼管運搬用蓋2本体のみ、または図3に示すように、浮体式鋼管運搬用蓋2本体と本体から延長した紐状体201により構成される。
紐状体201は運搬対象の鋼管4に形成した離脱防止金具41に取付けるためのものである。
浮体式鋼管運搬用蓋2の本体部は、膨張収縮可能な厚手の耐水性部材を材料とし、可撓性を有する風船体213により構成する。風船体213は膨張時に鋼管4内部に密接して、鋼管4端部を密封しうるように形成するものである。
ここで、膨張収縮可能な耐水性部材としてはゴム等が挙げられる。
風船体213には空気注入排出孔202が設けられており、運搬対象の鋼管4を密封する際には空気注入排出孔202に空気注入排出ホース211の一方端を取付け、空気注入排出ホース211他端をエアーコンプレッサー212と結び付けることで風船体213内に空気を注入するものである。
なお、風船体213に空気注入排出孔202を形成する代わりに、空気注入孔、空気排出孔を別々に形成することも可能である。
風船体213を使用した浮体式鋼管運搬用蓋2には紐状体201を設けることも可能である。
紐状体201と鋼管4を結び付けることで風船体213が運搬対象の鋼管4から離脱することを防止可能にする。
この際、鋼管4に紐状体201を取り付けるための離脱防止金具41を形成することで紐状体201の鋼管4への取り付けが容易になる。
<3>鋼管
運搬対象となる鋼管4は、内部が空洞状のものである。
鋼管4内部の空洞は浮体式鋼管運搬用蓋2により鋼管4端部を密封後に鋼管4自体が浮上するのに十分な浮力の容積を有することが必要である。
ただし、十分な浮力を得られない場合でも、浮体式鋼管運搬用蓋2の係止体2132部分を大きく取ることや、フローター208を付加することで、十分な浮力を得られれば浮上させての運搬が可能となる。
また、鋼管4には離脱防止金具41を予め取付けておき、この離脱防止金具41と浮体式鋼管運搬用蓋2本体から伸びる紐状体201とを結び付けることで、鋼管4に取付けた浮体式鋼管運搬用蓋2が曳船により海面上などを運搬中に離脱することを防ぐことができる。
以下は、浮体式鋼管運搬用蓋2を風船体213で構成した場合についての実施例である。
<1> 鋼管のセット
図1に示すように、鋼管4の運搬方法は、運搬する複数の鋼管4を平行に水面上に浮かせて、鋼管4の長手方向を進行方向とし搬送するものである。
なお、搬送する鋼管4は1本であっても構わないものである。
搬送する際には、平行に配置した複数本の鋼管4を相互に結合することで、鋼管4の搬送時に各鋼管の個別の動きによる乱れがなくなり、搬送し易いものとなる。
連結する際には、平行に配置した複数本の鋼管4を鋼管連結固定枠3(ポンツーン)により相互に結合する。
尚、複数の鋼管4は平行に配置するものに限られず、牽引する状況や、異なる長さの鋼管を牽引する等の状況に応じて、複数の鋼管を三角形状に組み合わせることや、格子状、四角形状などに配置して搬送することも可能である。
実際の取り付けは、まず運搬対象となる鋼管4を相互に固定する枠である鋼管連結固定枠3を岸壁に配置する。
図2に示すように、3つの鋼管連結固定枠3を使用し、それぞれ、搬送する鋼管4の中心及び、両端部付近に位置するように配列する。
尚、使用する鋼管連結固定枠3の個数は3個に限定されるものではなく、搬送する水面状況や搬送物の重量、長さ、本数等を考慮に入れ必要に応じて、使用数を変更可能である。
各鋼管連結固定枠3の形状と大きさは連結を行う鋼管4の数に応じて形成するものであり、同時に搬送する鋼管4が相互に十分に結合できる強度及び長さを有するものであれば、どのような構成でも可能である。
<2>鋼管の連結
クレーンにより搬送する鋼管4を吊上げ、配列した3本の鋼管連結固定枠3の上に、クレーンで搬送対象の鋼管4の頭部、中央部、尻部がそれぞれ位置するように吊り下げ、各鋼管4を順に並べていく。
鋼管連結固定枠3上に鋼管4が並んだ状態で、鋼管連結固定枠3と鋼管4を連結し、結合状態が崩れないようする。
<3>浮体式鋼管運搬用蓋の装着
浮体式鋼管運搬用蓋2を鋼管連結固定枠3と結合した各鋼管4の両端部(鋼管の頭部と尻部)に挿入して取付ける。
なお、浮体式鋼管運搬用蓋2は全ての鋼管4に取り付ける必要性は無く、鋼管連結固定枠3に結合した鋼管4内部の気体による浮力や重量バランス、搬送する水面状況等を考慮して、取り付け箇所、個数を決定する。
浮体式鋼管運搬用蓋2取り付け時には各鋼管4の両端部に離脱防止金具41を形成し、該離脱防止金具41に浮体式鋼管運搬用蓋2の本体から伸びる紐状体201を搬送する水面の状況を考慮に入れ離脱を防止するために必要十分な強度で取り付けることで、搬送中の浮体式鋼管運搬用蓋2の鋼管4からの離脱を防ぐことができる。
<4>浮体式鋼管運搬用蓋内への空気充填
各鋼管4に取り付けた各浮体式鋼管運搬用蓋2を構成する風船体213の空気注入排出孔202に空気注入排出ホース211を接続すると共に、空気注入排出ホース211の他端をエアーコンプレッサー212に取り付ける。
エアーコンプレッサー212を起動し、空気を空気注入排出孔202から風船体213に注入していく。
風船体213に空気を注入して膨張させると、風船体213の鋼管4内部に位置する部分の外面と鋼管4の内面とで鋼管4の管内が密閉され、栓体2131が形成される。また、風船体213の鋼管4の両端より外側の部分が鋼管外径より大きく膨張し係止体2132となって、浮体式鋼管運搬用蓋2が鋼管4の端部に装着される。
<5>フローターの取り付け
鋼管4の内部空洞部が大きなものでなく浮体式鋼管運搬用蓋2を取り付けただけでは浮力が十分に得られないものである場合には、フローター208を鋼管4や浮体式鋼管運搬装置1に取り付ける。
フローター208は浮力を付加する公知のものを使用でき、例えば、内部が空洞状の密封した容器などが挙げられる。
フローター208の取り付けにより浮力を加えることで、鋼管4の浮力を十分なものにする。
尚、フローター208は板厚による重心位置の変化及び重量等、3本セットの鋼管4の喫水を平均化するために使用することも可能である。これにより浮力が部分的にしか得られないような場合や、運搬に際してバランスが悪いような場合でも、バランスを矯正して運搬することが可能である。
<6>鋼管の海中投入、運搬及び起重機船への接舷
クレーンに吊枠をセットし、セットした鋼管(3本セット)に大回しで玉掛して、外れないように十分に固定する。
クレーンで鋼管4及び吊枠を吊上げて水中に投入し、玉掛を解除してクレーンから取り外す。
水中に投入された鋼管4及び吊枠から曳航ロープを取り、曳航ロープを取った曳船5で鋼管4を目的地まで運搬する。
鋼管4の設置場所に停泊した起重機船に運搬した鋼管4を接舷し係留索を取り、鋼管4を安定させる。
<7> 鋼管の建込み(玉掛作業)
鋼管4を連結している鋼管連結固定枠3を取り外し、鋼管4相互の連結を解除する。
そして、主クレーンで鋼管4頭部に玉掛し、補助クレーンで鋼管4尾部に玉掛する。
玉掛により鋼管4を安定させた状態で、鋼管4頭部と鋼管4尻部に取り付けた浮体式鋼管運搬用蓋2である風船体213から空気を抜く。
浮体式鋼管運搬用蓋2を取外す際は、空気注入排出ホース211から空気を抜くことにより、容易に取り外しが可能となる。
また、風船体213内に空気を浮体式鋼管運搬用蓋2が浮力により水面に浮上する程度に少し残すことにより、取外し後に浮体式鋼管運搬用蓋2が水面に浮上するため容易に回収可能である。
水面に浮上している浮体式鋼管運搬用蓋2を潜水士により、あるいはクレーン等により水面に浮いている浮体式鋼管運搬用蓋2を回収する。回収した浮体式鋼管運搬用蓋2は繰り返し使用することが可能である。
主クレーンと補助クレーンにより鋼管4を吊上げて鋼管連結固定枠3から横持ちする。
鋼管4を吊上げると共に、コラムロックを解除して鋼管4尾部の玉掛を解除する。
吊上げた鋼管を打設して施工する。
浮体式鋼管運搬用蓋の形態としては上述の構成以外にも以下の実施例の構成が挙げられる。
<風船体型>
図4に示すように、風船体213を利用した浮体式鋼管運搬用蓋2の別の構成として、風船体213全体を鋼管4内部に完全に挿入するとともに、風船体213の鋼管4内部挿入方向前後にストッパーを設ける構成とすることも可能である。
風船体213は厚手の耐水性膨張収縮部材で可撓性を有するものを材料とするものであり、膨張時に外面が鋼管内面とほぼ一致して密着するように構成する。
ここで、耐水性膨張収縮部材で可撓性を有するものの例としてはゴム等が挙げられる。
風船体213を鋼管4の両端に挿入し、空気を入れて膨らませると、鋼管の内面と風船体213の外面とで密封する。
鋼管4内部には浮力を減少させる、あるいは重量バランスを乱すことになる風船体213の一定以上の鋼管内部への移動防止のための内部移動防止ストッパー214を、風船体213を鋼管に挿入する前に形成する。
内部移動防止ストッパー214の例として、図4に示すように、鋼管4の内径に直径を合せた円盤の中央部をくり貫いたものの端部をL字型に形成し、L字型部を鋼管4内面に風船体の鋼管内部への移動圧力に耐えうるように強度十分に設置したものが挙げられる。
内部移動防止ストッパー214は鋼管の径と同一のサイズである単一の円盤状のもの、あるいは複数の内部移動防止ストッパー214を鋼管内周方向に等間隔に設けて構成することも可能である。
尚、内部移動防止ストッパーは実施例1においても利用可能である。
また、風船体213の鋼管4端部からの取り外れを防ぐために、パイプ等から構成される離脱防止ストッパー215を設置する。
離脱防止ストッパー215の例として、図4に示すように、鋼管4内部に2本の伸縮可能なパイプを十字状に設置したもので、これにより膨張した風船体213の鋼管4端部からの離脱を防ぐものが挙げられる。
パイプは縮めた状態で、鋼管4内部に持ち込み、鋼管4内部で伸ばしてパイプの両端が鋼管内面に接した時点で伸縮を固定すると共に鋼管内面に十分固定する。
離脱防止ストッパー215は、風船体213が鋼管外部へ離脱することを防止可能な構成であれば、公知の離脱防止のための措置が利用可能である。
内部移動防止ストッパー214、離脱防止ストッパー215の片方あるいは双方共に設置しない構成も挙げることができる。
例えば、図4に示すように、風船体213に曳船5からの曳航ロープを取り付けて牽引するような構成では、風船体213が進行方向の鋼管4端部方向へ引張力が加わるため、鋼管4の進行方向端部の風船体213用の内部移動防止ストッパー214は設置しない構成も可能である。
また、曳航ロープを鋼管4に直接取り付けるような構成では、進行方向の鋼管4端部に取り付けた風船体213へは、水圧が鋼管4内部方向へ押すように働くので、内部移動防止ストッパー214のみを取り付け、離脱防止ストッパー215は設置しないことも可能である。
内部移動防止ストッパー214と、離脱防止ストッパー215の取り付け位置は、鋼管内部に密封した気体の浮力により、変更可能である。
鋼管の径が大きく、鋼管の内部を密封するための2つの浮体式鋼管運搬用蓋2同士をより近づけて設置することができるため、内部移動防止ストッパー214もそれに合せて、鋼管端部からより離れた位置に形成することも可能であり、その位置に合せて、離脱防止ストッパー215の取り付け位置も決定することが出来る。
実施例1と同様に、風船体213には空気注入排出孔202が設けられており、運搬対象の鋼管4を密封する際には空気注入排出孔202に空気注入排出ホース211の一方端を取付け、空気注入排出ホース211他端をエアーコンプレッサー212と結び付けることで風船体213内に空気を注入するものである。
風船体213に空気注入排出孔202を形成する代わりに、空気注入バルブ、空気排出バルブを別々に形成することも可能である。
風船体213は空気抜きのホースを開放することにより簡単に外すことが可能である。
<耐水性キャップ型>
図5に示すように、浮体式鋼管運搬用蓋2は鋼管の端部を覆うようにした耐水性の部材で可撓性を有するものでキャップ状に構成したものでも利用可能である。
耐水性の部材で可撓性を有するものとしてはゴム等が挙げられる。
耐水性キャップ型の浮体式鋼管運搬用蓋2は、止水板205と取付環体206から構成するものである。
止水板205は、径が鋼管外径とほぼ一致する円盤状の耐水性の部材で可撓性を有するものを材料とするものであり、水圧に抗するための強度が十分で無い場合には、補強用部材203を取り付けることも可能である。
取付環体206は、耐水性キャップ型の浮体式鋼管運搬用蓋2は径が鋼管外径とほぼ等しい内径を持つ筒体で止水板205の縁に取り付けた耐水性の部材で可撓性を有するものを材料とするものである。
耐水性キャップ型の浮体式鋼管運搬用蓋2の形成は、まず、止水板205と取付環体206を結合する。
止水板205の耐水圧強度が十分で無い場合には、補強用部材203を止水板205に取り付けられるが、補強用部材203の例としてベニヤ合板2031と桟木2032により構成することが可能である。
ベニヤ合板2031を鋼管4内径に合せて形成し、止水板205の鋼管4内部側に取り付ける。
ベニヤ合板2031の表面と裏面のそれぞれからベニヤ合板2031と別の木製補強材である桟木2032を格子状に、あるいは、桟木2032をベニヤ合板2031表面は横方向のみと裏面は縦方向のみ等の形で取り付けて、ベニヤ合板2031を補強する。
そして、ベニヤ合板2031と桟木2032と止水板205を結合するためのボルト止め2033を曳船から伸びた、牽引用のロープ等に取り付ける。
補強用部材203の選択や、木製補強材の取り付けの組み合わせ方は、他の周知の補強形式が利用可能である。
キャップ型に構成された浮体式鋼管搬送用蓋2を、鋼管4端部を覆うように取り付け、取付環体206上からビニールバンド204で締め付ける。
ビニールバンド204で締め付けることで、鋼管4の外面と取付環体206との間が密封される。
耐水性キャップ型の浮体式鋼管運搬用蓋2を取り外す場合には、ビニールバンド204を切断することで、簡単に取り外すことが可能である。
ここで、ビニールバンド204は使い捨てタイプのものを使用するが、これ以外にも公知の方法で鋼管4の外面と取付環体206との間を密封可能である。
尚、補強用部材203の取り付けは、浮体式鋼管運搬用蓋2の鋼管4への取り付け前に行うことも可能である。
<風船体と止水板との組み合わせ型>
図6に示すように、止水板205に風船体213を取り付けることでも浮体式鋼管運搬用蓋2を構成することが可能である。
止水板205は鋼管4端部を塞ぎえる大きさであれば形状は多様に構成可能である。
風船体213は、伸縮する膨張部材を材料とする厚手の耐水性膨張収縮部材で可撓性を有するものにより構成し、膨張時の外径が鋼管4内径とほぼ一致して密着するものである。
ここで、耐水性膨張収縮部材で可撓性を有するものとしてはゴム等が挙げられる。
止水板205と風船体213を接合面は、搬送する鋼管4の内径に一致するように結合する。
鋼管4の内径に合せて円筒状に形成し、円筒端部を鍔状に形成した止水板支持部材207の鍔部を止水板205に取り付ける。
止水板支持部材207の円筒外面部を鋼管4の内面に沿って鋼管4に嵌合することで、浮体式鋼管搬送用蓋2が離脱しにくいものとなる。
止水板支持部材207は鋼管4の径と同一のサイズである単一の円形状のもの、あるいは複数の止水板支持部材207を周方向に等間隔に設けて構成することも可能である。
尚、止水板支持部材207を有さない構成でも十分に鋼管4を支持しうるものであれば、止水板支持部材207を取り付けない構成も可能である。
止水板205には風船体213に空気を注入、あるいは風船体213の空気を排出するための空気注入排出孔202が設けられており、運搬対象の鋼管4を密封する際には空気注入排出孔202に空気注入排出ホース211の一方端を取付け、空気注入排出ホース211他端をエアーコンプレッサー212と結び付けることで風船体213内に空気を注入するものである。
なお、止水板205に空気注入排出孔202を形成する代わりに、空気注入バルブ、空気排出バルブを別々に形成することも可能である。
風船体213と止水板205との組み合わせ型の浮体式鋼管搬送用蓋2の取り付けは、まず、止水板支持部材207を鋼管4の端部の縁に取り付ける。
浮体式鋼管搬送用蓋2の風船体213部分を鋼管内に挿入して、あらかじめ鋼管4の内面と密着するように構成した止水板支持部材207を鋼管4に嵌める。
風船体213の空気注入排出孔202に空気注入排出ホース211の一方端を取り付け、他端をエアーコンプレッサー212と結び付けることで風船体213に空気を注入する。
図6(a)に示すように、風船体213が空気の注入により膨張した際に、内圧により止水板支持部材207が鋼管内面に押し付けられ浮体式鋼管搬送用蓋2が外れにくくなり、風船体213自体も鋼管4内面に押し付けられることで、鋼管4内面に密着すると共に、鋼管4の端部が密封される。
尚、風船体213は膨張した際に、風船体213の軸方向中央部が鋼管内面に密着しうるような十分に柔らかい部材を使用する必要がある。
図6(b)に示すように、風船体213の内圧により止水板205が受ける水圧に抗する。
また、風船体213の内圧により止水板支持部材207を鋼管4内面に押し付け、風船体213自体も鋼管4内面に密着するため、止水板205の離脱を防ぐと共に、鋼管4端部を密閉するものとなる。
図6(c)に示すように、取外し時は、鋼管打設船で鋼管の両端を相吊し、鋼管4を玉掛した状態で、空気注入排出孔202に繋いだ空気抜きのための空気注入排出ホース211を開放し風船体213の空気を抜くことにより、浮体式鋼管運搬用蓋2の取外しが可能となる。
空気を抜く際には、浮体式鋼管運搬用蓋2の中に浮体式鋼管運搬用蓋2が水面に浮く程度の空気を残すことで、取外し後に浮体式鋼管運搬用蓋2が水に浮くため、回収が容易となる。
本発明の浮体式鋼管運搬用蓋の実施例の(a)側面図及び(b)平面図 本発明の浮体式鋼管運搬用蓋を鋼管に取り付けた実施例の平面図 本発明の浮体式鋼管運搬用蓋の空気注入時の説明図 浮体式鋼管運搬用蓋の実施例2の説明図 浮体式鋼管運搬用蓋の実施例3の説明図 浮体式鋼管運搬用蓋の実施例4の説明図(a)空気注入時の説明図 (b)搬送時の説明図 (c)浮体式鋼管運搬用蓋取り外し時の説明図 従来の基礎杭台船による運搬の平面図及び側面図
符号の説明
1 浮体式鋼管運搬装置
2 浮体式鋼管運搬用蓋
201 紐状体
202 空気注入排出孔
203 補強用部材
2031 ベニヤ合板
2032 桟木
2033 ボルト止め
204 ビニールバンド
205 止水板
206 取付環体
207 止水板支持部材
208 フローター
209 バルブ
210 ジョイント
211 空気注入排出ホース
212 エアーコンプレッサー
213 風船体
2131 栓体
2132 係止体
214 内部移動防止ストッパー
215 離脱防止ストッパー
3 鋼管連結固定枠
4 鋼管
41 離脱防止金具
5 曳船
a 台船
b 主曳船
c 副曳船
d 警戒船

Claims (5)

  1. 鋼管に浮力を与えるための構成であって、
    可撓性部材を材料とする風船体により構成し、
    前記風船体は、膨張時にその外面が鋼管内面に密着する栓体と、膨張時の外径が鋼管外径より大きい係止体とにより構成したことを特徴とする、
    浮体式鋼管運搬装置。
  2. 鋼管に浮力を与えるための構成であって、
    可撓性部材を材料とする風船体と、
    鋼管内で膨張した風船体の前後に位置し、鋼管内部に取り付けた、風船体を係止するストッパーとにより構成し、
    前記風船体は、膨張時にその外面が鋼管内面に密着することを特徴とする、
    浮体式鋼管運搬装置。
  3. 鋼管に浮力を与えるための構成であって、
    少なくとも径が鋼管外径とほぼ一致する円盤状の可撓性部材を材料とする止水板と、
    内径が鋼管外径と等しい筒体で、止水板の一面に取り付け、可撓性部材を材料とする取付環体とにより構成した、
    浮体式鋼管運搬装置。
  4. 鋼管に浮力を与えるための構成であって、
    鋼管端部を閉塞しうる大きさの可撓性部材を材料とする止水板と、
    可撓性部材を材料とする風船体とにより構成し、
    前記風船体は、膨張時にその外面が鋼管内面に密着することを特徴とする、
    浮体式鋼管運搬装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の浮体式鋼管運搬装置を鋼管の両端に取り付けて、鋼管内部に気体を密封し、
    鋼管内部に密封した気体の浮力により水面上に鋼管を浮上させ、
    鋼管を曳船により曳航することを特徴とする、
    浮体式鋼管運搬方法。
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