JP2006240434A - タイヤ粒子集合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高速走行であっても中空粒子の膨張を抑制するとともに、タイヤが受傷した際に中空粒子によりタイヤの内圧を確実に復活させることができるタイヤ粒子集合体を提供する。
【解決手段】 車輌に装着されるタイヤ1と、当該タイヤ1とリム2とによって区画されるタイヤ気室3に配置される複数の中空粒子4との集合体であるタイヤ粒子集合体100であって、複数の中空粒子4は、樹脂による連続相と独立気泡とからなる略球形状であり、タイヤ気室3の内圧が低下した場合に、再膨張開始温度(Ts2)に達することにより膨張し、複数の中空粒子4が封入又は充填され、タイヤ気室3におけるリム2に固定される微細な孔を有する多孔質材7aを備えることを要旨とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車輌に装着されるタイヤと、当該タイヤとリムとによって区画されるタイヤ気室に配置される複数の中空粒子との集合体であるタイヤ粒子集合体に関する。
従来、大気圧よりも高圧に保持された独立気泡を有する中空粒子(気泡含有粒子)が、タイヤとリムとによって区画されるタイヤ気室に充填されることにより、タイヤへの外傷を受けて穴が空いた部分(以下、受傷部)を封止して、タイヤ気室から噴出する高圧気体を堰き止める技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、タイヤが受傷した場合、各中空粒子は、受傷部に向かって移動し、当該受傷部を封止することにより、タイヤ気室から噴出する高圧気体を堰き止める。また、受傷部に向かって各中空粒子が移動することにより、中空粒子同士が摩擦を引き起こすため、当該中空粒子の温度が急激に上昇する。そのため、各中空粒子は、当該中空粒子の温度上昇により一気に膨張し、タイヤの内圧が受傷前の内圧に近い状態まで復活させることができる。
特開2003−118332号公報
しかしながら、上述した従来の技術では、高速走行において、通常走行のときよりも中空粒子の摩擦が多く発生し、各中空粒子の温度が上昇して中空粒子が膨張してしまうことが考えられる。
そのため、タイヤが受傷していないにも拘わらず、各中空粒子が膨張してしまうと、タイヤ気室の内圧が増大することにより、乗り心地などが悪化してしまうことは勿論、実際にタイヤが受傷した場合、各中空粒子が膨張する機能が失われているため、中空粒子によりタイヤの内圧が受傷前の内圧に近い状態まで復活させることができない。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、高速走行であっても中空粒子の膨張を抑制するとともに、タイヤが受傷した際に中空粒子によりタイヤの内圧を確実に復活させることができるタイヤ粒子集合体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の特徴は、車輌に装着されるタイヤ(タイヤ1)と、当該タイヤとリム(リム2)とによって区画されるタイヤ気室(タイヤ気室3)に配置される複数の中空粒子(中空粒子4)との集合体であるタイヤ粒子集合体(タイヤ粒子集合体100)であって、複数の中空粒子は、樹脂による連続相と独立気泡とからなる略球形状であり、タイヤ気室の内圧が低下した場合に、所定の温度(再膨張開始温度(Ts2))に達することにより膨張し、複数の中空粒子が封入又は充填され、タイヤ気室におけるリムに固定される微細な孔を有する多孔質材(多孔質材7a)を備えることを要旨とする。
なお、所定の温度(Ts2)とは、樹脂のガラス転移温度に相当する再膨張開始温度(Ts2)である。また、略球形状とは、製造上による影響のため長丸や楕円などの形状を含むものとする。
かかる特徴によれば、複数の中空粒子が多孔質材に封入又は充填されていることにより、高速走行であっても中空粒子同士の摩擦を最小限に抑えて、当該中空粒子の温度上昇を抑制することができる。このことにより、中空粒子の膨張を抑制することができ、実際にタイヤが受傷した際に、中空粒子によりタイヤの内圧を確実に復活させることができる。
タイヤが受傷した場合、当該タイヤの変形(すなわち、タイヤのインナーライナーと多孔質材とが接触すること)により多孔質材自体も変形する。その時の入力によって多孔質材に封入されている中空粒子が、摩擦するとともに発熱することで膨張する。このタイヤの変形、又は中空粒子の膨張によって多孔質材が壊れ、中空粒子がタイヤ内(タイヤ気室)に分散して受傷部を封止することにより、タイヤ気室から噴出する高圧気体を堰き止めることができ、さらにタイヤの内圧(すなわち、タイヤ気室の内圧)が受傷前の内圧に近い状態まで復活させることができる。
このように、複数の中空粒子が封入される多孔質材が備えられていることにより、高速走行であっても中空粒子の膨張を抑制し、タイヤが受傷した際に中空粒子によりタイヤの内圧を確実に復活させることができるため、受傷後における走行(ランフラット走行)が安全かつ確実に走行することができる。
また、本発明の特徴によれば、多孔質材の外周面を覆う外周層(外周層7b)を備えていてもよい。
また、本発明の特徴によれば、外周層は、熱により多孔質材が変形した層であってもよい。また、本発明の特徴によれば、外周層は、ゴム膜であってもよい。また、本発明の特徴によれば、外周層は、樹脂であってもよい。
また、本発明の特徴によれば、所定の温度(Ts2)が、90〜200℃であってもよい。なお、所定の温度(Ts2)は、110℃〜200℃がより好ましく、130℃〜200℃がさらに好ましく、160℃〜200℃が最も好ましい。
また、本発明の特徴によれば、中空粒子の内部にある気体が、窒素、空気、炭素数2〜8の直鎖状あるいは分岐状の脂肪族炭化水素及びそのフルオロ化物、炭素数2〜8の脂環式炭化水素及びそのフルオロ化物、そして下記一般式(I):
−O−R・・・(I)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の気体であってもよい。
また、本発明の特徴によれば、中空粒子の連続相が、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体の少なくとも1種からなっていてもよい。
また、本発明の特徴によれば、中空粒子の連続相が、アクリロニトリル系重合体からなり、該アクリロニトリル系重合体が、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体及びアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メタクリル酸3元共重合体の少なくとも1種であってもよい。
また、本発明の特徴によれば、タイヤ圧力センサー(タイヤ圧力センサー14)によるタイヤ気室の圧力の直接測定方式に基づいて、タイヤ気室における内圧の低下を警報する第1タイヤ圧力低下警報機能を備えていてもよい。
また、本発明の特徴によれば、車輪速度センサー(車輪速度センサー15)により検知される車輪速度に基づいて、タイヤ気室における内圧低下を警報する第2タイヤ圧力低下警報機能を備えていてもよい。
また、本発明の特徴によれば、多孔質材の内部での平均嵩比重が中空粒子の平均真比重よりも大きく、中空粒子と混在して多孔質材に封入又は充填される多数の発泡体を備えていてもよい。
また、本発明の特徴によれば、発泡体において、直径が1〜15mmの略球体形状又は1辺が1〜15mmの立方体形状であり、平均嵩比重が0.06〜0.3(g/cc)であり、独立気泡又は連通気泡を有するものであってもよい。
本発明によれば、高速走行であっても中空粒子の膨張を抑制するとともに、タイヤが受傷した際に中空粒子によりタイヤの内圧を確実に復活させることができるタイヤ粒子集合体を提供することができる。
(タイヤ粒子集合体の構成)
次に、本発明に係るタイヤ粒子集合体の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
図1は、本実施形態におけるタイヤ粒子集合体100を示すトレッド幅方向断面図である。図1に示すように、タイヤ粒子集合体100は、車輌に装着されるタイヤ1と、当該タイヤ1とリム2とによって区画されたタイヤ気室3に配置される複数の中空粒子4と、当該中空粒子4が封入又は充填される多孔質材7aと、当該多孔質材7aの外周面を覆う外周層7bとの集合体である。なお、多孔質材7a及び外周層7b(以下、これらの総称を粒子分散抑制部材7とする)の詳細については、後述する。
タイヤ1は、ビードコア5a及びビードフィラー5bを含む1対のビード部5を有している。具体的には、ビード部5を構成するビードコア5aには、スチールコードなどが用いられる。
タイヤ1は、ビードコア5aの周りでトレッド幅方向内側からトレッド幅方向外側に折り返されたカーカス層6を有している。カーカス層6のタイヤ径方向内側には、チューブに相当する気密性の高いゴム層であるインナーライナー8が設けられている。
カーカス層6のタイヤ径方向外側には、ベルト層9が配置されている。具体的には、ベルト層9は、カーカス層6のタイヤ径方向外側に位置する第1ベルト層9aと、当該第1ベルト層9aのタイヤ径方向外側に位置する第2ベルト層9bとによって構成されている。
さらに、ベルト層9のタイヤ径方向外側には、路面と接するトレッド部10が配置されている。
リム2は、タイヤ気室3に気体を充填するためのバルブ12を有している。また、中空粒子4は、タイヤ1とリム2とによって区画されたタイヤ気室3、具体的には多孔質材7aの内部に封入又は充填されている。なお、中空粒子4の詳細については、後述する。
ここで、タイヤ1は、各種自動車用タイヤ、トラックやバス用のタイヤ等、例えば乗用車用のタイヤなどの一般に従うタイヤであれば、特に構造を限定する必要はない。
ところで、タイヤ気室3の内圧が低下しながら走行する(いわゆる、パンク状態で走行する)と、後述する中空粒子4の機構により内圧が復活するため、状況によっては運転者がパンクしたことに気が付かない場合がある。この時、タイヤ1は外傷を受けてパンクしているため、そのまま走行を続けるとタイヤ1が故障してしまう恐れがあり大変危険である。
そのため、タイヤ1(図1においては、バルブ12の近傍)には、運転者にパンクしたことを警報(報知)する機能として、タイヤ圧力センサー14が設けられている。このタイヤ圧力センサー14は、タイヤ気室3の内圧の直接測定方式に基づいて、タイヤ気室3における内圧の低下を警報するものである。
具体的には、図2に示すように、タイヤ圧力センサー14は、タイヤ気室3の内圧の直接測定方式に基づいて、タイヤ気室3における内圧が低下(いわゆる、パンク)したことを検知した場合、車輌50の受信部50aに、パンクしたことに関するデータを送信する。
車輌50の受信部50aが、パンクしたことに関するデータを受信したことにより、警報部50bを介して運転者に警報(報知)することができる。
なお、本実施形態において、パンクしたことを運転者に警報(報知)する機能として、タイヤ圧力センサー14のみに限定されるものではなく、車輪速度センサー15が用いられてもよい。
例えば、図2に示すように、アンチロックブレーキシステムにおける車輪速度センサー15は、検知した車輪速度に基づいて、パンクしたことを検知した場合、警報部50bを介して運転者に警報(報知)する。なお、アンチロックブレーキシステムにおける車輪速度センサー15に限定されるものではなく、アンチロックブレーキシステムにおける車輪速度センサーとは別の車輪速度センサーが用いられてもよい。
ここで、本実施形態において、タイヤ圧力センサー14が用いられて運転者に警報する機能は、第1タイヤ圧力低下警報機能を構成し、アンチロックブレーキシステムにおける車輪速度センサー15が用いられて運転者に警報する機能は、第2タイヤ圧力低下警報機能を構成する。
(粒子分散抑制部材の構成)
次に、上述した粒子分散抑制部材7を構成する多孔質材7aについて説明する。多孔質材7aは、微細な孔を有するものである。この多孔質材7aは、後述する中空粒子4が封入又は充填され、タイヤ周方向に沿ってタイヤ気室3におけるリム2に固定されている。
具体的には、この多孔質材7aは、リム2の幅方向の略中央に設けられ、リム2の径方向内側に凹んでいるドロップ部2aに固定される。このドロップ部2aは、タイヤ1をリム2に組み付けやすくするためのものである。なお、本発明を一部の特殊リムに適用する際には、ドロップ部2aに固定されない場合もある。
このように、多孔質材7aがドロップ部2aに沿って配置されていることにより、タイヤ1が大きな入力を受けた場合であっても、当該多孔質材7aが、インナーライナー8と接触することなく、大きな衝撃を受けることがない。
ここで、多孔質材7aの内部には、上述したように中空粒子4が封入又は充填されているため、多孔質材7に設けられている微細な孔から中空粒子4が噴出してしまうことが考えられる。そこで、この多孔質材7aには、当該多孔質材7aの外周面を覆う外周層7bが配置されている。この外周層7bは、熱により多孔質材7aが変形した層である。すなわち、外周層7bは、多孔質材7に設けられている微細な孔を塞ぐ層である。このように、粒子分散抑制部材7(多孔質材7a及び外周層7b)が、中空粒子4を封入又は充填する容器となる。
この多孔質材7aを粒子分散抑制部材7に用いることにより、当該多孔質材7aを覆う外周層7bを最低限の厚さに抑えることができ、当該粒子分散抑制部材7は、タイヤ1が受傷して歪み、インナーライナー8と接触したときに破れやすくすることができる。
なお、必ずしも外周層7bは、熱により多孔質材7aが変形した層である必要はない。例えば、外周層7bは、天然ゴムやブチルゴム加硫物などのゴム弾性体であるゴム膜であってもよい。また、外周層7bは、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタンなどの樹脂であってもよい。
ここで、例えば粒子分散抑制部材7をリム2に固定する際に、粒子分散抑制部材7の一部が損傷していることに気付かずに固定した場合を想定してみる。通常走行において、中空粒子4が損傷箇所からタイヤ気室3に分散して、中空粒子4同士の摩擦により当該中空粒子4が膨張してしまい、中空粒子4が膨張する機能が失われてしまうことが考えられる。
そのため、粒子分散抑制部材7の内部をタイヤ周方向に沿って複数に仕切ることが好ましい。このことにより、上述した損傷による中空粒子4の分散を最小限に抑えることができ、実際にタイヤ1が受傷した場合に、タイヤ気室3の内圧が受傷前の内圧に近い状態まで復活させることが可能となる。
なお、タイヤ1、リム2及び粒子分散抑制部材7を組み付けた後に、粒子分散抑制部材7の内部に中空粒子4を封入又は充填することも可能であるが、その組み込み作業の簡素化を図るためには、予め中空粒子4を封入又は充填した粒子分散抑制部材7をリム組みと同時に装着することが好ましい。
また、この発明を適応するにあたり、特殊なタイヤやリムを用意する必要ななく、市販のタイヤやリムをそのまま転用することが可能である。さらに、予め中空粒子4が封入又は充填された粒子分散抑制部材7を、リム2のドロップ部2aに取り付けるには、機械的に固定するか、あるいは接着剤などを用いて取り付けることが可能である。
以上のように、中空粒子4が粒子分散抑制部材7の内部に封入又は充填されていることにより、通常走行は勿論のこと、高速走行であっても中空粒子4同士の摩擦を最小限に抑えて、当該中空粒子4の温度上昇を抑制することができる。このことにより、後述する中空粒子4の膨張を抑制することができ、実際にタイヤが受傷した際に中空粒子4によりタイヤの内圧を確実に復活させることができる。
本実施形態において、粒子分散抑制部材7が多孔質材7a及び外周層7bによって構成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば粒子分散抑制部材7が多孔質材7aのみで構成されていてもよい。すなわち、多孔質材7aのみで中空粒子4を封入又は充填する容器となることが可能である。この場合、多孔質材7aに設けられている微細な孔を中空粒子4自体で封止し、走行中に中空粒子4が多孔質材7aから噴出することがない。
(中空粒子の構成)
次に、上述した中空粒子4の構成について説明する。
中空粒子4は、略球形状の樹脂による連続相で囲まれた独立気泡を有する。例えば粒径が10μm〜500μm程度の範囲で粒径分布を持った中空体、あるいは独立気泡による小部屋の多数を含む海綿状構造体である。
すなわち、中空粒子4は、外部と連通せずに密閉された独立気泡を内包する粒子であり、独立気泡の数は単数であってもよく、複数であってもよい。
本実施形態では、この『中空粒子群の独立気泡内部』を略称して『中空部』と表現する。また、この中空粒子4が独立気泡を有することは、中空粒子4が独立気泡を密閉状態で内包するための『樹脂製の殻』を有することを指す。さらに、上記の樹脂による連続相とは、この『樹脂製の殻を構成する成分組成上の連続相』を指す。なお、この樹脂製の殻の組成については後述する。
この中空粒子4の複数個(多数個)である中空粒子群は、粒子分散抑制部材7(多孔質材7a)の内部に封入又は充填されることによって、通常の使用条件下ではタイヤの『使用内圧』を部分的に担うとともに、タイヤ1が外傷を受けた(以下、受傷)時には、タイヤ気室3の失った内圧を復活(回復)させる機能を発現する源となる。この『内圧復活機能』については後述する。
ここで、『使用内圧』とは、『自動車メーカーが各車輌毎に指定した、装着位置ごとのタイヤ気室圧力値(ゲージ圧力値)』を指す。
さて、従来のタイヤ1は、タイヤ気室3の内圧が大気圧まで低下した状態で走行すると、荷重によりタイヤ1が大きく撓み、タイヤ1のトレッド部10における端部(サイド部)が路面に接地するか、インナーライナー8同士が接触するため、摩擦と繰り返し屈曲変形とによる発熱によって、タイヤ1の骨格であるカーカス層6が疲労し、サイド部の摩耗傷が最終的にタイヤ気室3内まで貫通することで破損に到る。
そこで、本実施形態では、外傷によってタイヤ気室3の気体が漏れ出た際に、その後の走行に必要な最低限のタイヤ気室3の内圧を適正に与え、失った内圧を復活させることを主目的としている。
以下において、主目的の1つである外傷によってタイヤ気室3の気体が漏れ出た際に、その後の走行に必要な最低限のタイヤ気室3の内圧を適正に与え、失った内圧を復活させることについて説明する。よって、本実施形態では、タイヤ1とリム2とによって区画されたタイヤ気室3を圧力容器と捉えている。
すなわち、パンクにより傷ついてしまったタイヤ気室3の受傷部を、粒子分散抑制部材7に封入又は充填された中空粒子群により暫定的に封止した上で、中空粒子4を機能させて失った圧力を復活することによって、この目的を達成しようとするものである。
タイヤ気室3の内圧が大気圧にまで低下したとしても、早期に失った内圧を復活させる機能(後述する内圧復活機能)を発揮させることによって、圧力容器として機能させることが肝要である。
より具体的には、中空粒子群が粒子分散抑制部材7に封入又は充填されたタイヤ粒子集合体100では、タイヤ1が受傷すると、タイヤ気室3の高圧気体がタイヤ1の外側に漏れ出る結果、タイヤ気室3の内圧は大気圧と同程度の内圧にまで低下する。そして、このタイヤ気室3の内圧低下の過程において、以下のことがタイヤ気室3で起こっている。
図3に示すように、まず、タイヤ1が受傷してタイヤ気室3の内圧が低下し始めると、タイヤ1が変形する(撓む)。このタイヤ1の変形(すなわち、タイヤ1のインナーライナー8と粒子分散抑制部材7とが接触すること)により粒子分散抑制部材7自体も変形する。その時の入力によって粒子分散抑制部材7に封入されている中空粒子4が、摩擦するとともに発熱する。
中空粒子が発熱した結果、中空粒子4の再膨張開始温度(Ts2:樹脂のガラス転移温度に相当する)を超えると、中空粒子4の殻は軟化し始める。このとき、中空粒子4の中空部内圧力が使用内圧に準じた高い圧力を持たせることに加え、中空粒子4の温度の上昇によりさらに中空部内圧力が上昇しているために、中空粒子4が体積膨張する。すなわち、タイヤ1が受傷した場合に、再膨張開始温度(Ts2)に達することにより中空粒子4が膨張する。
このタイヤ1の変形、又は中空粒子4の膨張によって粒子分散抑制部材7が壊れ、中空粒子4がタイヤ1内(タイヤ気室3)に分散して受傷部を封止することにより、タイヤ気室3から噴出する高圧気体を堰き止め、タイヤの内圧(すなわち、タイヤ気室の内圧)が受傷前の内圧に近い状態まで復活させることができる。このタイヤ気室3の内圧を復活させることを、『内圧復活機能』とする。
また、内圧復活機能を確実に実現させるためには、内圧復活機能が実現する前に、受傷部を確実に封止する事が肝要である。すなわち、受傷部の封止が不完全であると、復活したはずの内圧が、受傷部から漏洩してしまう結果、内圧復活機能により得られた内圧がその後の走行に一時的にしか貢献できないために、タイヤ1の受傷後の走行性能を保証できなくなるおそれがあるからである。
タイヤ気室3に分散した中空粒子4は、中空構造による低比重かつ弾力性に富んだ粒子であるために、タイヤ1が外傷を受けた受傷部からタイヤ気室3の気体が漏洩し始めると、このタイヤ気室3の気体の漏洩による流れに乗って即座に受傷部に密集し、受傷部(傷口)を瞬時に封止する。このように、中空粒子4による受傷部の封止機能は、本実施形態の内圧復活機能を支える必須機能である。
以上のように、タイヤ1とリム2とにより区画されたタイヤ気室3に中空粒子4が分散されると、受傷後の内圧低下に伴うタイヤ気室3の容積の減少とタイヤ1の撓み量の増大により、タイヤ気室3の温度上昇に伴う中空粒子4の温度上昇によって、中空粒子4の膨張による内圧復活を果たし、受傷後における安全走行を実現することできる。
さて、中空粒子4はその原料である『膨張性樹脂粒子』を加熱膨張することにより得られ、この膨張性樹脂粒子には膨張開始温度(Ts1)が存在する。更に、加熱膨張によって得られた中空粒子4が再度加熱されると、中空粒子4は更なる膨張を開始し、ここに中空粒子の再膨張開始温度(Ts2)が存在する。
発明者らは、これまで多くの膨張性樹脂粒子から中空粒子4を製造し検討を重ねてきた結果、膨張開始温度(Ts1)を耐熱耐久性の指標としてきたが、耐熱耐久性の指標としては再膨張開始温度(Ts2)が適切であることを見出すに到った。
まず、膨張性樹脂粒子を膨張(加熱膨張)させる場合における膨張挙動を観察した。膨張性樹脂粒子は膨張する前の段階にあるため、中空粒子4の状態と比較して、粒径が極端に小さく、樹脂製の殻部の厚さが極端に厚い。よって、マイクロカプセルとしての剛性が高い状態にある。したがって、加熱膨張の過程で樹脂製の殻部の連続相がガラス転移点を越えても、更なる加熱により殻部がある程度柔らかくなるまでは、内部ガスの膨張力が殻部の剛性にうち勝つことが出来ない。よって、膨張開始温度(Ts1)は実際の殻部のガラス転移点よりも高い値を示す。
一方で、中空粒子4を再度膨張(再加熱膨張)させる場合では、中空粒子4の殻部の厚さが極端に薄く、中空体としての剛性が低い状態にある。したがって、加熱膨張の過程で殻部の連続相がガラス転移点を越えると同時に膨張を開始するため、再膨張開始温度(Ts2)は、膨張開始温度(Ts1)より低い位置づけとなる。
本実施形態では、膨張性樹脂粒子の膨張特性を活用するのではなく、いったん膨張させた中空粒子4の更なる膨張特性を活用するものであるため、耐熱性(耐久性)を議論するには、従来の膨張開始温度(Ts1)ではなく、再膨張開始温度(Ts2)を指標とすべきである。
また、中空粒子4の再膨張開始温度(Ts2)が90℃〜200℃であることが肝要である。なぜなら、中空粒子4の再膨張開始温度(Ts2)が90℃よりも低いと、高速走行において中空粒子4が膨張を開始する場合があるからである。
一方、中空粒子4の再膨張開始温度(Ts2)が200℃を超えると、受傷後におけるランフラット走行において、中空粒子4の摩擦発熱に起因する急激な温度上昇が起こっても、再膨張開始温度(Ts2)に達することが出来ない場合があり、よって目的とする『内圧復活機能』を十分に発現させることが出来なくなる場合がある。
このため、再膨張開始温度(Ts2)の範囲は90℃〜200℃であり、好ましくは110℃〜200℃、更に好ましくは130℃〜200℃であり、もっとも好ましくは160〜200℃の範囲である。
以上のように、上述した上限値および下限値に従う際、再膨張開始温度(Ts2)を有する中空粒子4が粒子分散抑制部材7に封入又は充填されることにより、内圧復活機能を確実に発現させるとともに、高速走行での耐熱耐久性をさらに向上させることで、通常走行時の『内圧復活機能保持』が達成される。
次に、中空粒子4の中空部にある気体としては、窒素、空気、炭素数2〜8の直鎖状あるいは分岐状の脂肪族炭化水素及びそのフルオロ化物、炭素数2〜8の脂環式炭化水素及びそのフルオロ化物、そして次の一般式(I):
1−O−R2 …(I)
(式中のR1およびR2は、それぞれ独立に炭素数が1〜5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の気体であることが好ましい。
また、タイヤ気室3に充填される気体は空気でも良いが、中空粒子4中の気体がフルオロ化物でない場合には、安全性の面から酸素を含まない気体、たとえば窒素や不活性ガス等であってもよい。
なお、独立気泡を有する中空粒子4を得る方法は特に限定されないが、発泡剤を用いて『膨張性樹脂粒子』を得、これを加熱膨張させる方法が一般的である。この発泡剤としては、高圧圧縮ガス及び液化ガスなどの蒸気圧を活用する手法、熱分解によって気体を発生する熱分解性発泡剤を活用する手法などを挙げることができる。特に、熱分解性発泡剤には窒素を発生させる特徴のあるものが多く、これらによる発泡によって得られる膨張性樹脂粒子の反応を適宜制御することによって得た粒子は気泡内に主に窒素を有するものとなる。
この熱分解性発泡剤としては、特に限定されないがジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、パラトルエンスルフォニルヒドラジンおよびその誘導体、そしてオキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジンを好適に挙げることができる。
以下、高圧圧縮ガス及び液化ガスなどの蒸気圧を活用して中空粒子4となる『膨張性樹脂粒子』を得る手法を説明する。
中空粒子4を形成する樹脂による連続相を重合する際、炭素数2〜8の直鎖状あるいは分岐状の脂肪族炭化水素及びそのフルオロ化物、炭素数2〜8の脂環式炭化水素及びそのフルオロ化物、そして上述した一般式(I)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を発泡剤として高圧下で液化させ、反応溶媒中に分散させつつ、乳化重合させる手法である。
これにより、上記に示されるガス成分を液体状態の発泡剤として、上述した樹脂連続相にて封じ込めた『膨張性樹脂粒子』を得ることができ、これを加熱膨張させることによって、所望の中空粒子4を得ることができる。
また、『膨張性樹脂粒子』の表面に、シリカ粒子等のアンチブロッキング剤、カーボンブラック微粉、帯電防止剤、界面活性剤、油剤等をコーティングした上で加熱膨張させることにより、目的の中空粒子4を得ることができる。
本実施形態の効果をさらに高める工夫としては以下の手法が挙げられる。すなわち、上述の中空粒子4に加え、『膨張性樹脂粒子』を一部添加することである。これにより、タイヤ1の受傷後の本実施形態による内圧復活機能をさらに早期に実現させることができる。
しかしながら、共存する中空粒子4の耐久性を低下させる要因となるために以下の範囲での適用が好ましい。両者の相反する特性をうまく活用しうる範囲として、粒子分散抑制部材7に充填された全粒子重量に対する『膨張性樹脂粒子』の含有率を40mass%以下、さらには含有率を30mass%以下、20mass%以下、そして10mass%以下とすることが好ましい。
また、受傷によりタイヤ気室3の内圧が低下した状態において、中空粒子4によって必要最低限の内圧を付与するには、中空粒子4の中空部内に所定圧力で封入された気体が、粒子外部へ漏れでないこと、換言すると、中空粒子4の殻の部分に相当する樹脂による連続相が気体を透過し難い性質を有することが肝要である。
すなわち、連続相を構成する樹脂は、ガス透過性の低い材質によること、具体的には、アクリロニトリル系共重合体、アクリル系共重合体、塩化ビニリデン系共重合体のいずれか少なくとも1種から成ることが肝要である。これらの材質は、タイヤ変形による入力に対して中空粒子4としての柔軟性を有するため、本実施形態に特に有効である。
また、中空粒子4の連続相には、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれかを適用することが好ましい。さらに詳しくは、重合体を構成するモノマーが、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、メチルメタクリレート、メタクリル酸、塩化ビニリデンから選択される重合体であり、好ましくはアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メタクリル酸3元共重合体から選ばれた少なくとも1種がそれぞれ有利に適合する。これらの材料は、いずれもガス透過係数が小さくて気体が透過し難いために、中空粒子4の中空部内の気体が外部に漏れ難く、中空部内圧力を適切に保持することができる。
さらに、中空粒子4の連続相は、30℃におけるガス透過係数が300×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下、好ましくは30℃におけるガス透過係数が20×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下、さらに好ましくは30℃におけるガス透過係数が2×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下であることが推奨される。
なぜなら、通常のタイヤ1におけるインナーライナー8のガス透過係数は300×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下のレベルにあって、十分な内圧保持機能を有している実績を鑑み、粒子の連続相についても、30℃におけるガス透過係数を300×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下とした。ただし、このバス透過係数のレベルでは、3〜6カ月に1度程度の内圧補充が必要であるから、そのメンテナンス性の点からも、20×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下、さらに好ましくは2×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下とすることが推奨される。
ここで、本実施形態に従って、粒子分散抑制部材7(多孔質材7a)に中空粒子4が封入又は充填されるにあたり、タイヤ1が外傷を受けた際の受傷部の封止機能を高めるために、平均嵩比重が中空粒子4の平均真比重よりも大きい発泡体の多数を中空粒子群に混在させる手段が有効である。
具体的には、直径が1〜15mmの略球体形状または一辺が1〜15mmの立方体形状であり独立または連通気泡を有し、平均嵩比重が0.06〜0.3g/ccであり、かつ粒子の平均真比重よりも大きい嵩比重値である発泡体の多数を加えることにより、内圧復活機能させる期間(タイミング)が早まり、タイヤ1の受傷後の走行能力を増大させることが可能である。
すなわち、中空粒子4は略球形状であるために流動性が高く、タイヤ1の受傷時に、受傷部からタイヤ1の外側へ中空粒子4がタイヤ気室3の高圧気体とともに吹き出ようとして、受傷部の内面に集まることになる。
しかしながら、受傷部の内面からタイヤ外周面までの受傷経路は直線ではなく複雑に入り組んだ形状を呈するため、受傷部から入り込んだ中空粒子4は、経路の途上行く手を阻まれる結果、多数の中空粒子4が受傷部の内面に圧縮状態で集合することになり、受傷部が暫定的に封止される。ここで、暫定的に封止とは、中空粒子4そのものの漏洩はないが、中空粒子4の周囲の空隙11にある気体が徐々に漏洩する状態を指す。
その際、受傷部の外傷の形や大きさによっては、中空粒子4のみによる暫定的封止が不完全な場合がある。このような場合において、上述した発泡体の多数を加えておくことにより、次のように封止のレベルを向上させることができる。
すなわち、転動中のタイヤ気室3においては、速度に応じた遠心力が発生しており、その遠心力下において嵩比重の大きい発泡体は粒子分散抑制部材7におけるインナーライナー8側へ、そして真比重の小さい中空粒子4は、発泡体より回転中心に近い側へ夫々偏在する。
この状態においては、もし中空粒子4のみでは封止できない程の大きさの外傷を受けたとしても、粒子分散抑制部材7におけるインナーライナー8の近傍に、発泡体が多数偏在しているため、粒子分散抑制部材7が破れて発泡体がタイヤ1の外部へ吹き出ようとして、受傷部の内面にいち早く密着することによって、受傷部を封止することとなり、極めて有効である。
特に、発泡体が連通気泡を持つ熱可塑性ウレタンによる発泡体の場合、圧縮性が高く、タイヤの受傷の形状に密着しやすいことと、結果的に大きな受傷部を発泡体により極めて複雑かつ微細化できることによって、その複雑・微細化された気体の散逸流路を中空粒子4にて封止するに最も適した様態へ変化させることが出来るため、大変有効な手段となる。
以上のように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、以下の比較例及び実施例に係るタイヤ粒子集合体を用いて行った試験結果について説明する。なお、各タイヤ粒子集合体を構成するタイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
・ タイヤサイズ : 195/65R15
・ ホイールサイズ : 6.0J×15
・ 車輌種別 : FF車(排気量1.800cc)
・ 荷重条件 : 定積
以下において、比較例及び実施例に係るタイヤ粒子集合体を構成する中空粒子温度上昇、及び受傷後の内圧復活機能の効果について説明する。表1は、各タイヤ粒子集合体の構成、及び試験結果を示すものである。
Figure 2006240434
表1に示すように、比較例に係るタイヤ粒子集合体には、粒子分散抑制部材を備えられていない。また、実施例に係るタイヤ粒子集合体には、粒子分散抑制部材が備えられている。なお、各タイヤ粒子集合体は、粒子分散抑制部材以外については、同一の構造であるものとする。
<中空粒子の温度上昇>
各タイヤ粒子集合体を車輌に装着し、停止時での中空粒子の温度と、通常走行時での中空粒子の温度とを比較した。なお、○は上昇温度が小さいことを示し、×は上昇温度が大きいことを示す。
この結果、実施例に係るタイヤ粒子集合体は、比較例に係るタイヤ粒子集合体に比べ、通常走行時での温度上昇が小さいことが分かった。すなわち、粒子分散抑制部材が備えられているタイヤ粒子集合体は、通常走行時での中空粒子の温度上昇が小さいことが分かった。
<受傷後の内圧復活機能の効果>
各タイヤ粒子集合体を車輌に装着し、各タイヤのトレッド部に釘を貫通させて外傷を与え、強制的にパンクさせた後、速度90km/hで走行したときの内部復活機能の効果を評価した。なお、○は内部復活機能の効果が大きいことを示し、△は内部復活機能の効果が小さいことを示す。
この結果、実施例に係るタイヤ粒子集合体は、比較例に係るタイヤ粒子集合体に比べ、内部復活機能の効果が大きいことが分かった。すなわち、粒子分散抑制部材が備えられているタイヤ粒子集合体は、内部復活機能の効果が大きいことが分かった。
本発明の実施形態に係るタイヤ粒子集合体100を示すトレッド幅方向断面図(通常時)である。 本発明の実施形態に係るタイヤ気室の圧力の低下を警報する装置と車輌とを示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るタイヤ粒子集合体100を示すトレッド幅方向断面図(受傷時)である。
符号の説明
1…タイヤ、2…リム、3…タイヤ気室、4…中空粒子、5…ビード部、5a…ビードコア、5b…ビードフィラー、5c…ビードトゥ、6…カーカス層、7…粒子分散抑制部材、7a…多孔質材、7b…外周層、8…インナーライナー、9…ベルト層、9a…第1ベルト層、9b…第2ベルト層、10…トレッド部、11…中空粒子の周囲の空隙、12…バルブ、14…タイヤ圧力センサー、15…車輪速度センサー、50…車輌、50a…受信部、50b…警報部

Claims (13)

  1. 車輌に装着されるタイヤと、前記タイヤとリムとによって区画されるタイヤ気室に配置される複数の中空粒子との集合体であるタイヤ粒子集合体であって、
    前記複数の中空粒子は、樹脂による連続相と独立気泡とからなる略球形状であり、前記タイヤ気室の内圧が低下した場合に、所定の温度(Ts2)に達することにより膨張し、
    前記複数の中空粒子が封入又は充填され、前記タイヤ気室における前記リムに固定される微細な孔を有する多孔質材を備えることを特徴とするタイヤ粒子集合体。
  2. 前記多孔質材の外周面を覆う外周層を備えることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ粒子集合体。
  3. 前記外周層は、熱により前記多孔質材が変形した層であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ粒子集合体。
  4. 前記外周層は、ゴム膜であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ粒子集合体。
  5. 前記外周層は、樹脂であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ粒子集合体。
  6. 前記所定の温度(Ts2)は、90〜200℃であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のタイヤ粒子集合体。
  7. 前記中空粒子の内部にある気体は、窒素、空気、炭素数2〜8の直鎖状あるいは分岐状の脂肪族炭化水素及びそのフルオロ化物、炭素数2〜8の脂環式炭化水素及びそのフルオロ化物、そして下記一般式(I):
    −O−R・・・(I)
    (式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1〜5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の気体であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のタイヤ粒子集合体。
  8. 前記中空粒子の連続相は、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体の少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のタイヤ粒子集合体。
  9. 前記中空粒子の連続相は、アクリロニトリル系重合体からなり、該アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体およびアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メタクリル酸3元共重合体の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のタイヤ粒子集合体。
  10. タイヤ圧力センサーによる前記タイヤ気室の圧力の直接測定方式に基づいて、前記タイヤ気室における内圧の低下を警報する第1タイヤ圧力低下警報機能を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のタイヤ粒子集合体。
  11. 車輪速度センサーにより検知される車輪速度に基づいて、前記タイヤ気室における内圧低下を警報する第2タイヤ圧力低下警報機能を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のタイヤ粒子集合体。
  12. 前記多孔質材の内部での平均嵩比重が前記中空粒子の平均真比重よりも大きく、前記中空粒子と混在して前記多孔質材に封入又は充填される多数の発泡体を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載のタイヤ粒子集合体。
  13. 前記発泡体は、直径が1〜15mmの略球体形状又は1辺が1〜15mmの立方体形状であり、平均嵩比重が0.06〜0.3(g/cc)であり、独立気泡又は連通気泡を有するものであることを特徴とする請求項12に記載のタイヤ粒子集合体。
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