JP2006239774A - 球状鋳物砂 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウレタンバインダーを用いて鋳型を製造する際に、ガス欠陥が少なく、より高強度で、表面平滑性も良好な鋳型を製造できる鋳物砂を提供する。
【解決手段】平均粒径が0.03〜1.5mmである火炎溶融法にて製造された球状鋳物砂であって、ウレタンバインダーと共に用いられる球状鋳物砂。
【選択図】なし

Description

本発明は、球状鋳物砂、これを用いた鋳型やその製造方法及びこの鋳型により得られた鋳物に関する。
鋳造用鋳型(鋳型アセンブリーの各種粒状骨材製部材を含む)を製造する方法の一つとして、珪砂などの粒状骨材に、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を各々主成分とする有機溶剤溶液から成る粘結剤を混合し、得られた混合物を模型に充填し、第三級アミン類の触媒作用によるウレタン化反応により硬化させることによって所望の鋳型を得る、いわゆるコールドボックス法、あるいはウレタン自硬性造型法が広く知られ実施されている。これらの鋳型造型法は、いずれも室温での硬化が可能で、速硬性があり、しかも鋳造後、鋳型の崩壊に優れているので、鋳物からの分離が極めて容易であるなどの利点を備えていることから、省エネルギー、高生産性鋳型造型法として使用が拡大している。
コールドボックス法やウレタン自硬性造型法におけるガス欠陥を防止するために、強度を上げるバインダーを用いて添加量を減らす方法や、種々添加剤を用いて、ガス欠陥を防止する方法が開示されている(特許文献1)。また、コールドボックス法においては、可使時間を延長する方法が開示されている(特許文献2)。
一方、流動性に優れ、高強度かつ表面が平滑な鋳型を製造できる鋳物砂として、特許文献3には、特定の球状鋳物砂が開示されている。
特開2004-255451号 特開2004-358531号 特開2004-202577号
しかしながら、特に肉厚が薄い部分を持つ鋳型の場合、鋳物に鋳ぐるまれるため、ガスが外部に逃げることが出来ず、ガス欠陥が発生することが多かった。また、肉厚が薄い部分を持つ鋳型の場合、鋳込み後の破損(例えば中子折れ等)を防止するためにバインダー量を増やして鋳型強度を高めることが行われる。バインダーの増量はガス欠陥につながるため、ガス欠陥の問題は一層顕著となる。
また、コールドボックス法においては、フェノール樹脂成分とポリイソシアネート成分とを混合後、気体状のアミンを通気させることで鋳型を硬化させるが、アミンの通気前に、ウレタン化反応が徐々に進行して、硬化し始める恐れがある。従って、長時間サンドホッパー内に保存した鋳型組成物は、所望の鋳型強度が得られない場合があり、造型不良の発生や、サンドホッパー内の清掃が必要で、より可使時間の長い鋳型組成物が求められていた。
本発明は、コールドボックス法やウレタン自硬性造型法のようにウレタンバインダーを用いて鋳型を製造する際に、ガス欠陥が少なく、より高強度で変形や破損が無く、また表面平滑性も良好な鋳型を製造できる鋳物砂を提供することを課題とする。更にコールドボックス法においては、より可使時間の長い鋳物砂を提供することを課題とする。
本発明は、平均粒径が0.03〜1.5mmである火炎溶融法にて製造された球状鋳物砂であって、ウレタンバインダーと共に用いられる球状鋳物砂に関する。
また、本発明は、平均粒径が0.03〜1.5mm、吸水率が0.5重量%以下の球状鋳物砂であって、ウレタンバインダーと共に用いられる球状鋳物砂に関する。
また、本発明は、上記本発明の球状鋳物砂とウレタンバインダーとを混合する工程を有する鋳型の製造法に関する。
また、本発明は、上記本発明の球状鋳物砂とウレタンバインダーとを含有する鋳型、及び該鋳型より得られた鋳物に関する。
本発明によれば、ウレタンバインダーを用いた鋳造法の課題であるガス発生量を大幅に減らすことが出来、ガス欠陥の少ない鋳物を得ることが出来る。
また、薄肉部分を有する中子を作成する場合には、砂がよく充填された強度の高い中子を作ることが出来、これまでに無い複雑な形状の鋳物を製造することが出来る。
更に、ポリオール成分とイソシアネート成分を混合後の可使時間が長く、造型不良の低減や鋳型の生産性を高めることが出来る。
これにより、その鋳物を用いた部品の軽量化、高強度化、他の部品との一体化、放冷性などの価値を付与することが出来る。
本発明で用いられる球状鋳物砂は大きく2つの態様からなり、中子用として特に好適である。第1の態様は、平均粒径が0.03〜1.5mmである、火炎熔融法で製造された球状鋳物砂である。また、第2の態様は、平均粒径が0.03〜1.5mm、吸水率が0.5重量%以下である球状鋳物砂である。以下、これら2つを総称して「球状鋳物砂」ということがある。
本発明の球状鋳物砂の形状である球状とは、球形度0.88以上、好ましくは0.90以上のものをいう。本発明の効果を発現する観点から、球形度が0.95以上の鋳物砂が好ましい。球状であるか否かについては、たとえば、後述の実施例に記載するように、鋳物砂を光学顕微鏡やデジタルスコープ(たとえば、キーエンス社製、VH-8000型)等で観察し、判定することができる。
本発明の球状鋳物砂の主成分は、従来公知の耐火物及び耐火物原料を火炎溶融法にて球状化したものが用いられ、特に限定されない。これら耐火物及び耐火物原料の中で、耐火性や入手のしやすさなどの観点から、SiO2を主成分としたもの、Al23及びSiO2を主成分としたもの、MgO及びSiO2を主成分としたものが好ましい。それらの中でも特にAl23及びSiO2を主成分としたものが好ましい。
ここで「主成分」とは、上記成分が合計量で鋳物砂全体の全成分中に60重量%以上含有されていることをいう。主成分の含有量としては、耐火性の向上という観点から、これら成分の合計量は、球状鋳物砂の全成分中、好ましくは85〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%である。
なお、本発明の球状鋳物砂に主成分以外の成分として含まれ得るものとしては、たとえば、Fe23、TiO2、K2O、Na2O等の金属酸化物が挙げられる。これらは、出発原料に由来するものである。
Fe23とTiO2が含まれる場合、それらの含有量としてはそれぞれ5重量%以下が好ましい。また、Fe23の含有量は2.5重量%以下がより好ましく、2重量%以下がさらに好ましい。K2OとNa2Oが含まれる場合、それらの含有量としては合計量として3重量%以下が好ましく、より好ましくは1重量%以下である。
また、Al23及びSiO2を主成分とする場合、Al23/SiO2重量比率は1〜15であることが好ましい。耐火性および鋳物砂の再生効率の向上の観点から、1.2〜12が好ましく、1.5〜9がより好ましい。また、このAl23及びSiO2、若しくはSiO2のみが主成分である場合、主成分以外の成分としてCaOとMgOが含まれ得る。その場合、球状鋳物砂の耐火性の向上の観点から、それらの含有量としては合計量として5重量%以下が好ましい。
また、MgO及びSiO2を主成分とする場合、MgO/SiO2の重量比率は0.1〜10が好ましい。球状化のし易さ及び耐蝕性、耐火性及び鋳物砂の再生効率の向上の観点から、0.2〜9が好ましく、0.3〜5がより好ましい。
また、このMgO及びSiO2が主成分である場合、主成分以外の成分としてAl23が含まれうる。これは原料に由来するが、球状鋳物砂の耐蝕性向上の観点から含有量として10重量%以下が好ましい。
可使時間の短縮を防ぐ観点から、本発明の鋳物砂の酸消費量(ml/50g)の範囲としては、好ましくは10(ml/50g)以下、より好ましくは5(ml/50g)以下である。尚、酸消費量の測定方法は、JACT試験法S−4に記載された方法で乾燥砂50gを0.1mol/L塩酸水溶液で攪拌した後、砂を除去し、反応液を0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH7まで逆滴定した値である。
また更に同様に可使時間の短縮を防ぐ観点から、本発明の鋳物砂は、該鋳物砂1g当りの溶出アルカリ量が1μmol/g以下、更に0.8μmol/g以下であることが好ましい。
溶出アルカリ量とは、鋳物砂から水抽出された強アルカリ成分の量であり、以下の通りに測定される。鋳物砂50gに水50mlを加え15分間攪拌し、15分間静置した後、デカンテーションして得られた水層を溶出液とする。溶出液を25ml採取し、pHを測定しながら、0.1mol/L塩酸水溶液にて中和滴定を行い滴定曲線を得た後、変曲点を中和点とし滴定量(ml)とその時のpHを読み取る。
中和点のうちpHが7以上、即ちアルカリ領域での中和点での滴定量から、下記式により、溶出アルカリ量を求める。pH7以上の中和点が二点以上ある場合はpH7以上で最もpHが低い中和点を選択し、pH7以上の中和点がない場合は、0(μmol/g)とする。
溶出アルカリ量(μmol/g)=
中和点における滴定量(ml)×0.1×50/25/50×1000
前記の酸消費量は鋳物砂中の溶出アルカリ分と共に、酸が砂表面と反応した量も含めた値となる。特に、火炎溶融法にて製造された砂においては、砂表面の官能基が多いと推察され、酸消費量が高くても可使時間が長い例があった。そこで、可使時間に大きく影響を及ぼす溶出アルカリ量を測定することが好ましい。特に、溶出アルカリ成分の中ではCa分の影響が大きく、これを低減することが好ましい。
上記酸消費量、溶出アルカリ量を少なくする観点から、鋳物砂組成中のNa2O、K2Oの含有量としては、それぞれ好ましくは0.8重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更に好ましくは0.3重量%以下である。また、CaOの含有量としては、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。鋳物砂中の主成分がSiO2及び/又はAl23である場合、MgOの含有量としては、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。これらの含有量にすることで、酸消費量及び溶出アルカリ量を下げ、可使時間の短縮を防ぐことが出来る。
また、本発明の球状鋳物砂の熱膨張率は0.2%以下が好ましい。ウレタンバインダーは、硬化時に加熱する必要が無いため、より寸法精度の鋳型、特に中子を製造できるが、更にこのような熱膨張率の鋳物砂の使用により、鋳造時の寸法精度も向上させられるため好ましい。球状鋳物砂の熱膨張率は、鋳物砂の組成、結晶構造、非晶質成分の割合、等を調整することにより制御できる。
尚、ここで、鋳物砂の熱膨張率は、JACT試験法M-2に従って測定した1000℃における急熱膨張の最大値を熱膨張率とする。
本発明の球状鋳物砂の平均粒径(mm)は0.03〜1.5mmの範囲であることが好ましい。0.03mm以上であれば、鋳型の製造に多くのバインダーを必要とせず、鋳物砂として再生するのが容易となるため好ましい。1.5mm以下であれば、空隙率が小さくなり、鋳型強度の向上に繋がるため好ましく、また、火炎溶融法により球状鋳物砂を製造する場合、高い球形度の鋳物砂を得る観点から好ましい。球状鋳物砂の再生効率を高める観点から、0.07〜1mmが好ましく、0.07〜0.5mmがより好ましく、0.07〜0.35mmが更に好ましい。一方、鋳型強度を高める観点から、0.05〜1mmが好ましい。再生効率と鋳型強度の両者を高める観点から、0.07〜1mmが好ましく、0.07〜0.5mmがより好ましく、0.07〜0.35mmが更に好ましい。
また、ガス硬化法であるいわゆるコールドボックス法では、3級アミンの通気により硬化反応がおきるため、通気性の観点から、本発明の球状鋳物砂の平均粒径は0.1mm〜1.5mmが好ましい。通気性と鋳型強度の両者を高める観点からは、0.1mm〜0.5mmが好ましく、より好ましくは0.1mm〜0.3mmが好ましい。
本発明の鋳物砂は、従来公知の鋳物砂と比較して、可使時間の延長効果がある。即ち、通常の鋳物砂においては、鋳物砂とポリオール成分、イソシアネート成分を混練後、放置した後ガッシングを行うと強度低下が見られるが、本発明の鋳物砂を用いるとその強度低下の割合が小さく、場合によっては強度上昇する。
また、本発明の球状鋳物砂を用いた鋳型、特に中子は、鋳物砂が球形であるため、充填性が良好で、鋳型の表面を平滑に出来、鋳物の表面を平滑にすることが出来る。その観点から、平均粒径は0.03〜1mmが好ましく、0.03〜0.35mmがより好ましく、0.03〜0.15mmが更に好ましく、0.03〜0.1mmが特に好ましい。
本発明において、球状鋳物砂の平均粒径は以下のようにして求めることができる。すなわち、球状鋳物砂粒子の粒子投影断面からの球形度=1の場合は直径(mm)を測定し、一方、球形度<1の場合は球状鋳物砂粒子の長軸径(mm)と短軸径(mm)を測定して(長軸径+短軸径)/2を求め、任意の100個の球状鋳物砂粒子につき、それぞれ得られた値を平均して平均粒径(mm)とする。長軸径と短軸径は、以下のように定義される。粒子を平面上に安定させ、その粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最小となる粒子の幅を短軸径といい、一方、この平行線に直角な方向の2本の平行線で粒子をはさむときの距離を長軸径という。
なお、球状鋳物砂粒子の長軸径と短軸径は、光学顕微鏡又はデジタルスコープ(例えば、キーエンス社製、VH-8000型)により該粒子の像(写真)を得、得られた像を画像解析することにより求めることができる。また、球形度は、得られた像を画像解析することにより、該粒子の粒子投影断面の面積及び該断面の周囲長を求め、次いで、〔粒子投影断面の面積(mm2)と同じ面積の真円の円周長(mm)〕/〔粒子投影断面の周囲長(mm)〕を計算し、任意の50個の球状鋳物砂粒子につき、それぞれ得られた値を平均して求める。
本発明の球状鋳物砂としては、流動性の向上の観点、鋳型表面の平滑性の観点から、その球形度が、0.95以上であるものが好ましく、0.98以上であるものがより好ましく、0.99以上であるものが更に好ましい。
また、本発明の第1の態様の球状鋳物砂の吸水率(重量%)としては、鋳型の製造の際に使用する樹脂の鋳物砂内部への吸収による樹脂使用量の増加の抑制や、鋳型強度の向上等の観点から、1重量%以下が好ましく、0.5重量%以下、0.3重量%以下がより好ましく、0.2重量%以下がさらに好ましく、0.1重量%以下が特に好ましい。吸水率はJIS A1109細骨材の吸水率測定方法に従って測定することができる。また、粘結剤で被覆されたRCSや、鋳込み後の粘結剤残分が残留している場合は、熱処理(例えば1000℃以上)等、適切な方法によって、それら成分を取り除いた後に吸水率を測定する。
一方、本発明の第2の態様の球状鋳物砂の吸水率は0.5重量%以下である。鋳型の製造の際に使用する樹脂の鋳物砂内部への吸収による樹脂使用量の増加の抑制や、鋳型強度の向上等の観点から、0.3重量%以下が好ましく、0.2重量%以下がより好ましく、0.1重量%以下がさらに好ましい。
なお、球状鋳物砂の吸水率は、火炎溶融法により該砂を調製した場合、該方法以外の焼成方法により調製した砂と比べて、同じ球形度であれば、通常、吸水率は低くなる。
また、可使時間向上の観点からも、球形度は0.95以上が好ましく、0.97以上がより好ましく、0.98以上がさらに好ましく、0.99以上が特に好ましい。吸水率は、1重量%以下が好ましく、0.5重量%以下、0.3重量%以下がより好ましく、0.2重量%以下がさらに好ましく、0.1重量%以下が特に好ましい。
本発明の球状鋳物砂をウレタンバインダーに用いることにより、ウレタンバインダー特有の課題である可使時間延長効果がある理由の詳細は現在のところ不明であるが以下のように推察される。
ウレタンバインダーにおいては、前述の通り、フェノール樹脂成分とポリイソシアネート成分とを混合後、気体状のアミンを通気させることで鋳型を硬化させるが、アミンの通気前に、ウレタン化反応が徐々に進行して、硬化し始める恐れがある。
特に、ポリイソシアネート成分は反応活性が高く、ウレタン化反応以外に空気中の水分とも反応する。また、砂表面の不純物等でイソシアネートの反応が促進される可能性も考えられる。
本発明の球状鋳物砂は、吸水率が低いこと、あるいは火炎溶融法により製造されているため球形度が高いことから、鋳物砂の表面積が小さいためバインダーと鋳物砂表面、特に不純物との接触が相対的に少ないこと、また、同一添加量の場合、バインダーの膜厚が厚くなり、相対的に空気中の水分と接触する割合が少なくなっていることが関与して、ウレタンバインダー特有の成分であるイソシアネートがアミン通気前に反応するのを抑制していると推察される。
また、従来公知の鋳物砂と比べ、低添加量でバインダーの膜厚を厚くすることが出来るため、ガス欠陥を発生すること無しに上記効果を得ることが出来ると推察される。
本発明の球状鋳物砂は、中子等の鋳型の製造にあたり、単独で、若しくは珪砂等の従来公知の鋳物砂や耐火性骨材、更には従来公知の添加剤等を適宜混合して使用する。前記のような公知の鋳物砂に本発明の球状鋳物砂を徐々に添加していけば、添加量に応じて本発明の所望の効果を発揮するようになるが、前記混合物からなる鋳物砂中に、前記所定の球形度を有する本発明の球状鋳物砂が好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上含まれると、その効果は顕著になる。
尚、前記混合物からなる鋳物砂には、0.01mm以下の微粉が含まれていてもよいが、強度向上の観点から0.01mm以下の微粉は前記混合物からなる鋳物砂中0.1重量%以下が好ましく、0.05重量%以下がより好ましい。
前記の通り、本発明の第1の態様の球状鋳物砂は火炎溶融法により製造される。一方、本発明の第2の態様の球状鋳物砂は、たとえば、造粒して焼結する方法、電融アトマイズ法等の公知の方法により製造することが可能であるが、中でも、本発明の第1の態様の球状鋳物砂と同様に火炎溶融法により製造するのが好適である。火炎溶融法による、本発明の球状鋳物砂の製造方法としては、特開2004-202577号に示されるような火炎溶融法が挙げられる。
即ち、例えば平均粒径が0.05〜2mmの耐火物粉末粒子を出発原料とし、当該粉末粒子を酸素等のキャリアガスに分散させ、下記火炎中で溶融して球状化する。用いる火炎はプロパン、ブタン、メタン、天然液化ガス、LPG、重油、灯油、軽油、微粉炭等の燃料を酸素と燃焼させることによって発生させたものや、N2不活性ガス等を電離させて生じるプラズマジェット火炎などが使用できる。
また、可使時間向上の観点から、火炎溶融法による処理前、及び/又は処理後に、洗浄・乾燥することが好ましい。洗浄には、水のほか、酸・アルカリ水溶液、各種活性剤溶液等が用いることが出来る。
本発明の球状鋳物砂は、ウレタンバインダーと共に用いられる。ウレタンバインダーとは、ポリオール化合物(特にフェノール樹脂)とポリイソシアネート化合物を粘結剤として用い、それらの重付加反応を利用して鋳型を硬化させるバインダーである。
ウレタンバインダーにおけるポリオール化合物としては、従来公知のフェノール樹脂、脂肪族ポリオールが挙げられ、特に限定されるものではない。具体的には、フェノール類とアルデヒド類(好ましくは、ホルムアルデヒド)とを付加・縮合反応せしめることにより得られる、溶剤に可溶なベンジルエーテル型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、オルソクレゾール変性フェノール樹脂及びこれらの変性フェノール樹脂、並びにこれらの混合物が挙げられる。
これらの、フェノール樹脂は、低粘度化、後述するポリイソシアネート成分との相溶性、鋳物砂へのコーティング性、鋳型物性等の観点から、一般に、溶剤に溶解せしめられ、その濃度が、約30〜80重量%程度とされた溶液の状態で、用いることが好ましい。
ウレタンバインダーにおけるポリイソシアネート化合物としては、上記のポリオール化合物の活性水素と重付加反応することにより鋳物砂間に化学的な結合を形成せしめ得る、イソシアネート基を、分子内に2以上有する化合物であり、その具体例としては、芳香族、脂肪族或いは脂環式のポリイソシアネート、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下、ポリメリックMDIと呼称する。)、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの他、これらポリイソシアネート化合物をポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオールと反応させて得られるイソシアネート基を2以上有するプレポリマー等、従来より公知の各種のポリイソシアネートを挙げることが出来、これらは、単独で用いても、或いは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのポリイソシアネート化合物においても、上記のポリオール化合物と同様の理由から、溶剤を溶媒として用い、この有機溶媒に、濃度が、約40〜90重量%程度となるように溶解された溶液として用いることが好ましい。
上記のポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物に用いられる溶剤としては、ポリイソシアネート化合物には非反応性で、且つ溶解対象である溶質(フェノール樹脂又はポリイソシアネート)に対して良溶媒であれば、特に制限されず有機溶剤、無機系溶剤など従来公知の溶剤を用いることが出来る。
有機溶剤においては、一般に、フェノール樹脂を溶解するための極性溶剤と、フェノール樹脂の分離が生じない程度の量のポリイソシアネート化合物を溶解するための非極性溶剤とが組み合わされて用いるのが好ましい。
フェノール樹脂を溶解するための極性溶剤としては、ジカルボン酸メチルエステル混合物(デュポン社製;商品名:DBE;グルタル酸ジメチルとアジピン酸ジメチルとコハク酸ジメチルとの混合物)等のジカルボン酸アルキルエステル、菜種油メチルエステル等の植物油のメチルエステル、オレイン酸エチル、パルミチン酸エチル、これらの混合物等の脂肪酸モノエステル等のエステル類の他、例えば、イソホロン等のケトン類、イソプロピルエーテル等のエーテル類、フルフリルアルコール等が挙げられる。
フェノール樹脂の分離が生じない程度の量のポリイソシアネート化合物を溶解するための非極性溶剤としては、例えば、パラフィン類、ナフテン類、アルキルベンゼン類等の石油系炭化水素類、具体例としては、イプゾール150(出光石油社製;石油系溶剤)、ハイゾール(昭和シェル石油社製;石油系溶剤)等を例示することが出来る。
無機系溶剤においては、アルキルケイ酸エステル及びその加水分解物が挙げられ、例えばメチルシリケート、エチルシリケート、プロピルシリケート、ブチルシリケートなど、ケイ酸エステルの加水分解生成物、などが挙げられる。これらは、強度向上、ガス発生低減、崩壊性向上などの観点から、単独で若しくは有機溶剤と併用して用いられる。
ウレタンバインダーは、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の重量比が、ポリオール化合物:ポリイソシアネート化合物=100:110〜100:160の範囲で使用することが好ましく、ポリオール化合物:ポリイソシアネート化合物=100:120〜100:155の範囲が更に好適である。
ウレタンバインダーの主成分はポリオール化合物とポリイソシアネート化合物であり、溶剤を含む場合もある。ウレタンバインダーの使用量(溶剤を含む場合は、溶剤を含めた量とする)は、鋳型強度の点から、本発明の球状鋳物砂を含む鋳物砂100重量部に対して0.3〜3重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜2.2重量部で、より好ましくは0.3〜1.7重量部である。
本発明で使用できるウレタンバインダーの硬化用触媒は、第三級アミン化合物が好適であり、例示すると、コールドボックス造型法においては、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルn-プロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン等の易気化性化合物をガス状、又はエアロゾル状としたものが、ウレタン自硬性造型法においては、4-フェニルプロピルピリジン、エチルモルホリン、N-メチルイミダゾール等をそのまま、もしくは有機溶剤により適宜希釈したものが好適に使用できる。又、かかるウレタン自硬性造型法用硬化触媒は、ウレタンバインダーのポリオール化合物成分に予め添加、混合しておくことも出来る。硬化用触媒の使用量は、コールドボックス造型法においても、ウレタン自硬性造型法においても、前記ポリオール化合物の使用量100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましい。
本発明の球状鋳物砂を用いた鋳造用鋳型の製造方法の一例として、本発明の球状鋳物砂に、ポリオール化合物を主成分とする有機溶剤溶液、及びポリイソシアネート化合物、又はポリイソシアネート化合物を主成分とする有機溶剤溶液とから成る粘結剤を添加し、攪拌混合し、得られた混合物を模型に充填し、次いで、該混合物を、ガス状、又はエアロゾル状第三級アミンを接触させることによって固化させる鋳造用鋳型の製造方法が挙げられる。
また、本発明の球状鋳物砂を用いた鋳造用鋳型の製造方法の他の例として、本発明の球状鋳物砂に、ポリオール化合物を主成分とする有機溶剤溶液と、ポリイソシアネート化合物、又はポリイソシアネート化合物を主成分とする有機溶剤溶液とからなる粘結剤、及び硬化触媒として液体状の第三級アミンを添加し、攪拌混合し、得られた混合物を模型に充填し、固化させる鋳造用鋳型の製造方法が挙げられる。
また、本発明の球状鋳物砂を用いた鋳型の製造においては、適宜従来公知の添加剤、即ちシランカップリング剤や、崩壊性向上剤、臭気低減剤、可使時間延長剤、しみ付き防止剤、強度向上剤等を使用できる。シランカップリング剤の量は、ウレタンバインダー100重量部に対して0.01〜10重量部含有させるのが崩壊性の観点から好ましい。
崩壊性向上剤の例としては、珪酸エステル、シリカゾル、オルガノハロホスフェート、亜リン酸エステル、アルカリ金属酸素酸塩や、鉄、銅、ニッケル、コバルト及び亜鉛の群から選ばれる1種の金属元素を有する少なくとも1種の金属酸化物、等が挙げられる。
臭気低減剤の例としては、フマル酸等のカルボン酸、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、無機酸化物等が挙げられる。
可使時間延長剤、方法の例としては、イソフタル酸クロライド等の酸クロライド、亜リン酸エステル、2,2’‐ジピリジル、1,10‐フェナントロリン及びそれらの置換アルキル誘導体、カテコールやピロガロール等の芳香族化合物、ホウ酸等のホウ素化合物、二価金属塩含有量が50ppm以下のバインダー組成物を用いる方法、エポキシ樹脂とアクリル化有機ポリイソシアナート、反応性不飽和アクリル単量体、重合体、及びそれらの混合物、及びヒドロペルオキシドから成る酸化剤を組み合わせる方法が挙げられる。
しみ付き防止剤の例としては、脂肪族モノイソシアネート、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオール等を反応させたウレタンプレポリマーや、ポリブタジエン及び、官能性ポリブタジエンやフェノール性水酸基を有する変性ポリブタジエン等が挙げられる。
強度向上剤の例としては、酸アミド、尿素誘導体等が挙げられる。
また、本発明の球状鋳物砂を用いた鋳型の製造においては、ウレタンバインダーの添加量を低減できる(即ち、ガス発生量を大幅に減らすことができる)ため、ウレタンバインダーの課題であるガス欠陥が大幅に削減されると共に、強度が高いため、複雑形状、特に薄肉部分を持つ中子等の鋳型を生産性高く製造できる。特に、肉厚が5mm以下、好ましくは4mm以下の薄肉部分を持つ鋳型、なかでも中子については、本発明の球状鋳物砂を用いることで、流動性が高く充填不良も防止できる。なお、ここで、5mm以下の薄肉部分を持つ鋳型とは、成形後の鋳型の最狭部分の厚みが5mm以下である鋳型を表す。
また、本発明の球状鋳物砂は球形度が高く、充填性が高いため、鋳型の表面が平滑になり、得られる鋳物の表面即ち鋳肌の平滑な鋳物が得られる。
即ち、本発明の球状鋳物砂を用いて得られた中子等の鋳型を用い、複雑形状で、後加工できない部分の鋳肌を平滑にすることが出来るため、流体が通過するような複雑な穴を有する鋳物部材に有用で、鋳物表面の粗さによる抵抗を低減でき、本部材を取り扱う装置の省エネルギー化、小型化を達成することが可能となる。
本発明の球状鋳物砂とウレタンバインダーとを含有する鋳型は、表面粗さRaが20μm以下が好ましく、更に1〜15μmであることが好ましい。Raは、後述の実施例のように、表面粗さ測定器により測定できる。
また、本発明の球状鋳物砂を用いた鋳型は、球状であるため鋳込み後には容易に崩壊し、複雑形状の鋳型でも容易に砂を除去できる。また、積層造型法や切削鋳型に用いると、未硬化部分、不要部分の砂が容易に除去できるため好適に使用できる。
本発明の球状鋳物砂は、造型後若しくは鋳込み後、ばらした砂を再利用することが出来る。その際には、従来公知の方法、焙焼処理や粒子間摩擦式などの機械的処理、水洗、酸洗、アルカリ洗浄、溶剤洗浄等の処理で再生処理を施すことが出来る。このような再生処理を行った鋳物砂、いわゆる再生砂を再度、本発明の鋳型造型に用いることも出来る。
再生砂の場合の、球状鋳物砂の球形度及び吸水率の測定方法は、バインダー種に応じて適宜バインダー成分を取り除いた後、測定する。例えば、有機質バインダーの場合、1000℃、1時間にて有機分を除去した後、球形度及び吸水率を測定する。無機質バインダーの場合は水洗、酸洗、アルカリ洗浄などの方法を取る。
特に、本発明の球状鋳物砂を用いて得られた中子は、球形度が高い砂を用いているため、通気性が良く、消失模型鋳造法、フルモールド法、Vプロセス、吸引鋳造等、鋳型に通気性が要求される分野の鋳造方法にも好適に使用でき、更に、かかる中子はガス発生量を少なくすることができるため、特にガス欠陥やヤニ欠陥が生じやすい金型鋳造法、例えば低圧鋳造や高圧鋳造、ダイキャスト用の中子にも好適に使用できる。
本発明の中子は鋳物として最も複雑な構造を有し、かつ鋳肌表面の美しさ、寸法精度が要求されるものに使用できる。特に気体や液体などの流体が通過する面を有する部品や、これまでのいくつかの部品を組合せ一体化した部品に好適に用いられる。
具体的には、水道や油圧のバルブや配管部品、フィン部分が複雑なモーター部品(ケーシング)、平滑性が要求されるポンプ部品(インペラーなど)やエンジン部品(フレーム)、駆動伝達装置の部品、金型、工作機械部品、建築部材などが挙げられる。
本発明の中子等の鋳型を用いることにより、表面粗さRaが10mm以下である鋳物を得ることが可能であり、鋳物の組成として、鋳鋼、鋳鉄、アルミニウム、銅、マグネシウムおよびこれらの合金等の鋳型用途に好適に使用される。本発明は、ウレタンバインダーの添加量を低減できるため、鋳型からのガス発生量が少なく出来ることから、ガス欠陥にシビアな銅、アルミ、マグネシウムなどに好適である。
以下に、実施例及び比較例で用いた鋳物砂を示す。それぞれの組成及び物性を表1に示す。
*球状鋳物砂(1);
火炎溶融法により得られた、組成が、Al23:63.8重量%、SiO2:30.2重量%、Fe23:1.3重量%、TiO2:2.9重量%、CaO:0.3重量%、MgO:0.1重量%、Na2O:0.1重量%、K2O:0.1重量%(組成はすべてJIS R 2212にて測定、以下同様)で、平均粒径が0.15mm、球形度0.98、吸水率0.02重量%、酸消費量1.3ml/50gの球状鋳物砂。
*球状鋳物砂(2)〜(5);
球状鋳物砂(1)と組成及び物性が異なる、火炎溶融法により得られた球状鋳物砂。
*従来鋳物砂(1);
造粒焼成法により得られたムライト砂であり、Al23/SiO2重量比率が2.7となるよう水酸化アルミニウムとカオリンを混合し、スプレードライヤーを用いて平均粒径0.2mmの球状にした粉末粒子(Al23とSiO2を合計量で96重量%含有)を電気炉中にて1500℃で1時間焼成することにより得た。Al23とSiO2の合計含有量は97重量%、Al23/SiO2重量比率は2.7、平均粒径は0.18mm、球形度は0.89、吸水率は1.2重量%、酸消費量1.6ml/50g、粒子密度は2.7g/cm3であった。
*従来鋳物砂(2);珪砂(アルバニー7号)。平均粒径0.18mm、球形度0.88、吸水率0.80重量%、酸消費量1.3ml/50g
Figure 2006239774
<実施例1〜4及び比較例1〜3>
表1に示す鋳物砂を表2のように用い、これと表2のウレタンバインダーを用いて鋳型用混練砂を調製し、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
<評価>
(1)抗折強度
表2に示す鋳物砂を100重量部、ポリオール化合物の有機溶剤溶液〔商品名「ISOCURE パートI」、保土谷アシュランド(株)製〕を表2に示す量、及びポリイソシアネート化合物の有機溶剤溶液〔商品名「ISOCURE パートII」、保土谷アシュランド(株)製〕を表2に示す量、室温にてミキサーにて混合して鋳型用混練砂を調製した後、厚さ10mm×幅30mm×長さ80mmの型に充填し、トリエチルアミンをポリオール化合物有機溶剤溶液に対し5重量%注入、気化させ、40秒間通気し硬化させ、抜型した。24時間後に、曲げ強さ(抗折強度)を、島津製作所製 強度試験機AG-5000Dで測定した。
(2)鋳込み時の評価
上記(1)と同様に調製した鋳型用混練砂とトリエチルアミンを表2のように用いて図1の形状の中子を作成し、図2の形状の鋳物用の鋳型(主型)に設置して、鋳鉄溶湯(FC250)を鋳込み、ガス欠陥と鋳込み後の中子折れの有無を評価した。
得られた鋳物を、中心部を通るように縦方向に切断加工し、切断加工面のガス欠陥(ピンホール欠陥)の個数を、液体浸透探傷法(カラーチェック)により赤色斑点の個数として測定した。鋳込み後の中子折れは、切断加工面の中子部分の形状を観察し、折れ(変形した場合も含む)の有無を確認した。
なお、主型は、中子と同じ鋳型用混練砂を用い、ウレタンバインダーと同じ添加量のフェノールウレタンバインダーを用いた自硬性鋳型により作製した。このフェノールウレタンバインダーは、ポリオール化合物の有機溶剤溶液〔商品名「PEPSET パートR」、保土谷アシュランド(株)製〕、ポリイソシアネート化合物の有機溶剤溶液〔商品名「PEPSET パートM」、保土谷アシュランド(株)製〕及び硬化触媒〔商品名「PEPSET パートK」、保土谷アシュランド(株)製〕からなるものである。
結果を表2に示すが、ガス欠陥の評価は、◎がガス欠陥が見られない、○がガス欠陥が1〜4箇所ある、×がガス欠陥が5箇所以上あることを意味する。
Figure 2006239774
表2中、ウレタンバインダー添加量は、鋳物砂100重量部に対する量である。
また、実施例2と比較例1で得られた鋳物砂を用いて作製した鋳型の表面と、該鋳型を用いて作製した鋳物の表面の平滑性を、表面粗さ測定器(小坂研究所製、サーフコーダSE-30H)により表面粗さ〔中心線平均粗さ:Ra(μm)〕として測定した。Raが小さい程、表面平滑性に優れる。結果を下記表3に示す。表3に示されるように、実施例2の鋳物砂を用いた場合、比較例1の鋳物砂を用いた場合と比べ、表面平滑性に優れた鋳型が得られ、それを用いて作製した鋳物の表面も平滑性に優れることが分かる。
Figure 2006239774
<実施例5〜9及び比較例4〜5>
表1の鋳物砂を用いて、下記の方法により可使時間の評価を行った。結果を表4に示す。
<可使時間の評価>
表1の鋳物砂を100重量部、ポリオール化合物の有機溶剤溶液〔商品名「ISOCURE パートI」、保土谷アシュランド(株)製〕を0.8重量部、及びポリイソシアネート化合物の有機溶剤溶液〔商品名「ISOCURE パートII」、保土谷アシュランド(株)製〕を0.8重量部、20℃にてミキサーにて混合して鋳型用混練砂を調製した。混練直後及び、混練2時間後(ポリカップに大気開放にて保存)に、それぞれ厚さ22mm×幅22mm×長さ180mmの型に充填し、トリエチルアミンを砂に対して0.14重量%注入、気化させ、30秒間通気し硬化させ、抜型した。抜型10分後に、曲げ強さ(抗折強度)を、GF抗折力試験機(支点間距離150mm)にて測定した。なお、強度低下率(%)は、〔(混練2時間後の抗折強度)/(混練直後の抗折強度)〕×100で求めた。
Figure 2006239774
<実施例10及び比較例6〜7>
表1の鋳物砂を用いて、下記の方法により自硬性鋳型法における鋳型強度の評価を行った。結果を表5に示す。
<自硬性鋳型強度の評価>
表1の鋳物砂(一部)を100重量部、ポリオール化合物の有機溶剤溶液「パラセット パートR」、〔神戸理化(株)製〕を0.6重量部、及びポリイソシアネート化合物の有機溶剤溶液〔商品名「パラセット パートM」、神戸理化(株)製〕を0.6重量部、硬化触媒「パラセット パートK」神戸理化(株)製を0.03重量部、25℃にてミキサーにて混合して鋳型用混練砂を調製し、自硬性鋳型造型法に従ってφ50mm×50mm鋳型を作成し、混練終了後30分及び1日後(24時間後)の圧縮強度試験機を用いて圧縮強度を測定した。
Figure 2006239774
実施例及び比較例で用いた中子の概略図
実施例及び比較例で製造した鋳物の概略図

Claims (13)

  1. 平均粒径が0.03〜1.5mmである火炎溶融法にて製造された球状鋳物砂であって、ウレタンバインダーと共に用いられる球状鋳物砂。
  2. 平均粒径が0.03〜1.5mm、吸水率が0.5重量%以下の球状鋳物砂であって、ウレタンバインダーと共に用いられる球状鋳物砂。
  3. Al23及びSiO2を主成分として含有してなり、Al23/SiO2重量比率が1〜15の球状鋳物砂である請求項1又は2記載の球状鋳物砂。
  4. 溶出アルカリ量が1μmol/g以下である請求項1〜3の何れか1項記載の球状鋳物砂。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載の球状鋳物砂とウレタンバインダーとを混合する工程を有する鋳型の製造法。
  6. 球状鋳物砂100重量部に対して、ウレタンバインダーを0.3〜2.2重量部混合する請求項5記載の鋳型の製造法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項記載の球状鋳物砂とウレタンバインダーとを含有する鋳型。
  8. 表面粗さRaが20μm以下である請求項7記載の鋳型。
  9. 肉厚が5mm以下の部分を有する請求項7又は8記載の鋳型。
  10. 鋳型が中子である請求項7〜9の何れか1項記載の鋳型。
  11. 球状鋳物砂100重量部に対して、ウレタンバインダーを0.3〜2.2重量部含有する請求項7〜10の何れか1項記載の鋳型。
  12. 請求項7〜11の何れか1項記載の鋳型より得られた鋳物。
  13. 表面粗さRaが10μm以下である請求項12記載の鋳物。
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