JP2006239753A - 電極成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コストを抑えるとともに、成形面と電極との間の摩擦抵抗を極力抑えて、焼き付きを防止して電極を目的形状に成形できる電極成形装置を提供することである。
【解決手段】 成形ローラ44に備えた成形面56には、少なくとも電極と接触する部位について、非晶質膜に相当するセラミックコーティング材48を形成した。セラミックコーティング材48は非晶質膜であるので、結晶粒界を持たずに非常に平滑な表面になることから、低摩擦係数であって摺動性に優れる。また、セラミックコーティング材48は非金属でもあるので、金属からなる電極と比べると遥かに熱を持ちにくく、高硬度・高耐熱性などの特性も有する。そのため、成形面56と電極との間に生ずる摩擦抵抗もほとんど無く、耐磨耗性に優れている。また、潤滑油の塗布を行う機械や潤滑油の維持管理などを行う必要がないので、コストを安く抑えることができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、目的形状からなる成形面を溶接用の電極に接触させることで、当該電極を目的形状に成形する電極成形装置に関する。
抵抗溶接(特にスポット溶接)では、重ね合わせた複数の被溶接材に対してその両側を電極で挟んで加圧しながら電流を流すことにより、多量にしかも効果的に溶接することができるため、自動車等の生産ライン等で多く使用されている。
ところが、被溶接材の両側から挟む電極は、溶接に伴って発生する熱や、被溶接材を挟んで行われる加圧、あるいは被溶接材との接触に伴って発生する磨耗などにより、当該電極の一部(主に先端部)が変形しやすい。この変形は、被溶接材と電極との接触状態が悪化するなどの影響があるため、結果として溶接不良の一因となっている。
従来では溶接不良を防止するため、打点数や変形量などに基づいて溶接電流を増やしたり、電極自体を成形する技術が知られている(例えば特許文献1を参照)。当該特許文献1に開示された技術によれば、成形面(型部材)と電極との間の接触抵抗によって熱するとともに、当該電極を成形面に押し付けることで成形を行う。このように電極を削らないで成形を行うため、当該電極の寿命を延ばすことが可能になる。
特開2004−82189号公報(第5−6頁,図3)
しかし、特許文献1の技術によって電極の寿命を延ばすことができたとしても、成形は単に電極を成形面に押し付けているに過ぎない。偏って変形した電極を単に成形面に押し付けたとしても、電極部材が完全に溶けているわけではないので偏在した電極部材を均すのは困難な場合があり、結果として成形面の通りには電極を成形することができない。
この問題に対しては、成形する際に成形面と電極とを相対的に回転させ、かつ押し付けることで均す方法が考えられる。ところが、成形面と、偏って変形した電極とでは相対的な回転を行う際に互いの周速度が一様ではない。よって、成形面と電極との間の摩擦抵抗が接触部分によって異なることから、成形を繰り返す間に成形面と電極が局部的に強い圧力で擦られて焼き付きを起こす。こうなると電極を正常な形状(成形面に見合う形状)に維持できなくなり、結果的には溶接品質の低下を招くという問題があった。
一方、被溶接部材の表面には、防錆等のために油脂類が塗布される場合がある。この場合には、油脂類が潤滑作用を果たすので、電極が成形面に接触しても上述した焼き付きの発生を少なく抑えることが可能となる。ところが、必ずしも油脂類が被溶接部材の表面に塗布されているとは限らず、塗布されていない場合には上述した問題が生じる。
この問題に対しては、溶接を行う前に被溶接部材の表面に油脂類を塗布する方法が考えられる。この方法によれば、確実に被溶接部材の表面に油脂類を塗布されることになるが、塗布を行う機械,溶接点の位置に応じた塗布および塗布量の制御,油脂類の維持管理などが必要となるので、コスト高となってしまう。
ところで、溶接を行う被溶接部材は一種類とは限らず、二種類以上の多種類となる場合がある。被溶接部材の種類や重ね枚数が多い場合とか厚板どうしを溶接する場合などでは、大きな投入エネルギーで溶接しなければならない。このように大きな投入エネルギーで溶接すると、電極先端温度が上昇して溶接部位周辺の油脂類が乾燥あるいは飛散するため、次点またはそれ以降の溶接は油脂類が塗布されていない被溶接部材と変わらない状況となる場合がある。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、コストを抑えながらも、成形面と電極との間の摩擦抵抗を極力抑えることにより、焼き付きを防止して電極を目的形状に成形できる電極成形装置を提供することを目的とする。
(1)課題を解決するための手段(以下では単に「解決手段」と呼ぶ。)1は、目的形状からなる成形面を備えた成形部材を有し、当該成形面を溶接用の電極に接触させて当該電極を前記目的形状に成形する電極成形装置であって、前記成形面のうちで少なくとも前記電極と接触する部位には非晶質膜を形成したことを要旨とする。
解決手段1によれば、成形部材の成形面には、少なくとも電極と接触する部位について非晶質(アモルファス)膜を形成する。この非晶質膜に適した素材には、例えば炭素(カーボン),チタン,窒素,クロム等が該当する。中でも炭素は、ダイヤモンド,グラファイト,グラッシーカーボン等の結晶構造が知られている。非晶質膜は結晶粒界を持たないために非常に平滑な表面になり、炭素で非晶質膜を形成した場合にはダイヤモンド等と同様に高硬度・高耐熱性などの特性を受け継ぐ。このように非常に平滑な表面になることから、他の部材(すなわち電極)との間に生ずる摩擦抵抗もほとんど無い。このことは、成形面と偏って変形した電極との間で互いの周速度が一様でない場合でも同様である。したがって、成形面と電極とを相対的に回転させている状態で加圧すれば回転鍛造のように電極を成形することができ、双方間に摩擦抵抗がほとんど無いので電極の焼き付きを防止することができる。
(2)解決手段2は、解決手段1に記載した電極成形装置であって、セラミックコーティング材によって非晶質膜を形成することを要旨とする。
解決手段2によれば、セラミックコーティング材を用いて非晶質膜を形成する。セラミックコーティング材は非金属であるので、金属からなる電極と比べて遥かに熱を持ちにくい。セラミックコーティング材は強い圧力で電極と接触しても、熱がこもらず焼き付きが発生しにくい。したがって、電極の焼き付きをより確実に防止することができる。
(3)解決手段3は、解決手段1または2に記載した電極成形装置であって、非晶質膜に存在する気孔に潤滑剤を含浸させることを要旨とする。
例えばPVD法などによって形成する非晶質膜は、非常に平滑な表面になるものの、気孔が少なからず生じる。解決手段3によれば、気孔に潤滑剤(例えば油)を含浸させる。含浸した潤滑剤は、成形面と電極とを接触させる際に潤滑作用が働くので、成形面と電極との間の摩擦抵抗をさらに低くする。したがって、成形の際に成形面と電極との間の摩擦抵抗がさらに少なくなるので、電極の焼き付きをより確実に防止することができる。
本発明によれば、成形面に非晶質膜を形成したことにより、成形面と電極との間の摩擦抵抗がほとんど無くなるので、焼き付きを防止して電極を成形することができる。
本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
まず図1には、スポット溶接を行うためのスポット溶接設備の構成例を模式的に表す。このスポット溶接設備は、溶接制御装置10,スポット溶接装置14,ロボット制御装置26および電極成形装置28などを備える。
被溶接部材を溶接するためのスポット溶接装置14は、ロボット制御装置26で移動(例えば矢印D2方向の移動)が制御されるアーム12に取り付けられ、溶接制御装置10によって溶接動作を制御される。当該スポット溶接装置14は、溶接トランス16,加圧機構18および電極22,24などを備える。同軸上に対向して設けられた電極22,24は、一方または双方の電極(本例では電極22のみ)が図面の上下方向に移動できるように構成されている。加圧機構18は、被溶接部材と電極22,24との間に相対的な圧力を加えられるように構成されており、例えばエアシリンダやサーボモータなどを用いる。アーム12および電極22の移動を制御すれば被溶接部材を電極22,24で挟むことができ、加圧機構18による加圧を制御すれば被溶接部材と電極22,24との間を加圧することができる。挟んだ状態で溶接トランス16から供給される電流を電極22,24に流せば、被溶接部材の挟んだ部位を溶接できる。
上述した電極22,24の形状を成形する電極成形装置28は、成形ヘッド30,モータ32および成形制御装置34などを備える。成形ヘッド30は脚部36の上端に取り付けられ、モータ32が設けられている。成形ヘッド30は、図2に表すようにモータ32のほかに成形機構38を備える。この成形機構38を用いた電極22,24の成形動作は、上述した成形制御装置34によって制御される。当該成形機構38の構成例について、図3,図4を参照しながら説明する。なお、図3には図4に示すIII−III線断面図(垂直断面図)を表し、図4には図3に示すIV−IV線断面図(水平断面図)を表す。
成形機構38は電極22,24(特に先端部)を成形する機構であって、回転体42や成形ローラ44などを有する。回転体42はモータ32の動力を受けて一方向(または正逆方向)に回転可能になっている。この回転体42と成形ヘッド30との間には、回転体42を自在に回転させるため、上下二段に配置した多数個のベアリング40を介在させている。成形ローラ44は、回転軸46を中心として回転可能に構成されている(図3を参照)。本例の成形機構38では三つの成形ローラ44を回転体42に備えており、電極22,24の各先端部に対してほぼ均等に接触するように配置している(図4を参照)。
次に、成形ローラ44の構成例について図5を参照しながら説明する。当該図5の上側には成形ローラ44の縦断面図を表し、下側には上側の丸枠部分を拡大した状態を表す。成形ローラ44は、電極22,24(特に先端部)を成形する目的形状からなる成形面56を有する。当該成形面56のうちで少なくとも電極22,24と接触する部位には、セラミックコーティング材48をコーティングしている。
このセラミックコーティング材48はPVD法やCVD法などによって、数ミクロン程度の厚みからなる非晶質(アモルファス)膜となるようにコーティングされる。そのために結晶粒界を持たず、非常に平滑な表面になる。したがって、摩擦係数は極めて低く(通常は0.1以下)、摺動性に優れている。
また、セラミックコーティング材48は非金属でもあるので、金属からなる電極22,24と比べると遥かに熱を持ちにくい。特に炭素(カーボン)を素材とするDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)からなるセラミックコーティング材48であれば、非常に平滑な表面になるだけでなく、ダイヤモンド等と同様に高硬度(一例としてHV2500〜4500)や高耐熱性などの特性も有する。したがって、成形面56と電極22,24との間に生ずる摩擦抵抗もほとんど無く、耐磨耗性に優れている。
さらに、コーティング処理時における温度は比較的低温(例えば200℃以下)であるので、成形面56の機械加工精度が損なわれることが少ない。
一方、成形面56にコーティングされたセラミックコーティング材48には、気孔が少なからず生じる。このことを考慮して、コーティングする段階で気孔に潤滑剤(例えば油)が含浸するような措置を施す。気孔の発生位置は一般的にランダムであるため、セラミックコーティング材48の内部になったり、表面やその近傍になったりする。特に表面やその近傍に気孔が発生した場合には、含浸させた潤滑剤が電極22,24との接触時に潤滑作用が働く。そのため、成形面56と電極22,24との間の摩擦抵抗をさらに低くすることが可能になる。
上述したスポット溶接設備では、溶接対象となる被溶接部材の材質や厚み等によっても異なるが、所定点数(例えば数十点)の溶接を行うごとに電極22,24(特に先端部)の形状を成形する。この成形方法について、以下に簡単に説明する。
まず、ロボット制御装置26によるアーム12の移動制御および溶接制御装置10により電極22の移動制御を行って、電極22,24を成形位置(具体的には図3に示すように成形が可能な位置)に移動させる。電極22,24が成形位置にあると、図3に示すように成形ローラ44(具体的には図5に示す成形面56)と接触する。
ただし、単に電極22,24を三つの成形ローラ44にかかる各成形面56に接触させるのではなく、各成形面56に対して電極22,24を加圧機構18により加圧して圧力をかけながら接触させる(図3,図4を参照)。
電極成形装置28では、以下のようにして電極22,24の成形を行う。すなわちモータ32を駆動させると回転体42が回転し、各成形面56が電極22,24のまわりを接触しながら回るようになる。さらには加圧機構18によって電極22,24と各成形面56との間を加圧するので、電極22,24は回転鍛造が行われているような状態となる。このように回転体42を回転させる時間や回転速度等は、電極22,24の材質や使用頻度等に応じて異なり、予め設定された組み合わせの中から最適な組み合わせが選択される。これらの組み合わせは、溶接制御装置10、またはロボット制御装置26あるいは成形制御装置34のいずれに設定されていてもよい。
各成形面56は電極22,24のまわりを接触しながら回るが、成形ローラ44自体も回転するので各成形面56と電極22,24との間には最大でも転がり摩擦抵抗しか生じない。しかも各成形面56にはセラミックコーティング材48がコーティングされているので、摩擦抵抗がほとんど無い。仮に接触摩擦によって熱が生じたとしても、セラミックコーティング材48はダイヤモンド等と同様の高硬度・高耐熱性などの特性を有するので熱を帯びにくい。したがって、電極22,24は高精度で形状を成形することができ、しかも焼き付きも発生し難い。
また、電極22,24と各成形面56との間を加圧すると回転鍛造のように電極22,24を成形することができ、双方間に摩擦抵抗がほとんど無いので電極22,24の焼き付きを防止できる。
〔実験例〕
各成形ローラ44の成形面56に対してセラミックコーティング材48をコーティングした場合の有効性を実証するために、上述したスポット溶接設備を用いて実験を行った。比較のために、コーティングせず潤滑油も塗布しない成形ローラと、潤滑油をしみこませたペーパータオルで表面を1回拭いた成形ローラとについても、同様に実験を行った。
この実験では、成形の状態を数値的に捉えるために、成形時に発生する振動の大きさを測定した。成形が正常に行われていれば、円周上を成形ローラ44が均等に回転するために成形時に発生する振動はきわめて小さい。これに対して、正常な状態から外れてくると、成形した電極の先端形状がいびつになり、その周囲を回転する成形ローラ44も均一な回転でなく、いびつな部分に衝突することで発生する振動が大きくなる。そこで、成形時に発生する振動を捉えて成形状態を数値(振動強度;単位は[m/s])で表現する。
図6には、縦軸を振動強度[m/s]とし、横軸を成形回数[回]として、各成形ローラの実験結果を表す。この実験結果から明らかなように、最も早く振動が大きくなるのがパターンA、すなわちコーティングせず潤滑油も塗布しない成形ローラを用いた場合である。本例では、10回前後の成形で電極22,24が使用不能になっている。
次いで振動が大きくなるのがパターンB、すなわち潤滑油を1回だけ塗布した成形ローラを用いた場合である。この場合でも、電極22,24は170回前後の成形で使用不能になっている。これは、潤滑油が存在するうちは油の潤滑性によって成形がうまく進展するが、潤滑油が切れたとたんに成形性が悪くなって振動が始まることを意味する。潤滑油を適時に塗布すれば電極22,24の寿命を伸ばせるが、従来技術で指摘したように潤滑油の塗布を行う機械や潤滑油の維持管理などが必要となるのでコスト高となる。
これに対して、セラミックコーティング材48でコーティングした成形ローラ44については、パターンCで表す。パターンCの変化から明らかなように、潤滑油が存在していないにもかかわらず、長期に安定して成形が進展している。本例では成形を500回行ったが、振動の変化がほとんどみられない。よって、さらに回数を増やして成形を行えることから、電極22,24の寿命を延ばすことができる。
なお、本例の実験に代えて、振動に伴って発生する騒音を測定する方法や、実際に測定した電極22,24の形状が所定形状(例えば真円など)からどの程度ずれているかを数値化する方法も取りうるが、いずれも同様の実験結果が得られる。
上述した実施の形態によれば、以下に表す各効果を得ることができる。
(1)成形ローラ44に備えた成形面56には、少なくとも電極22,24と接触する部位について、非晶質膜に相当するセラミックコーティング材48を形成した(図5を参照)。このセラミックコーティング材48は非晶質膜であるので、結晶粒界を持たずに非常に平滑な表面になることから、低摩擦係数であって摺動性に優れる。また、セラミックコーティング材48は非金属でもあるので、金属からなる電極22,24と比べると遥かに熱を持ちにくく、高硬度・高耐熱性などの特性も有する。そのため、成形面56と電極22,24との間に生ずる摩擦抵抗もほとんど無く、耐磨耗性に優れている。上述した実験結果からも明らかなように、成形回数を大幅に増やしても振動強度に変化が見られないので、電極22,24の寿命を延ばすことができる。また、潤滑油の塗布を行う機械や潤滑油の維持管理などを行う必要がないので、コストを安く抑えることができる。
なお、成形面56の形状いかんによっては、電極22,24の先端部だけでなく、先端部以外の部位も同様に成形することが可能になる。
(2)成形面56に形成する非晶質膜として、セラミックコーティング材48を用いた(図5を参照)。このセラミックコーティング材48は非金属であるので、金属からなる電極22,24と比べて遥かに熱を持ちにくい。そのため、セラミックコーティング材48は強い圧力で電極22,24と接触しても、熱がこもらず焼き付きが発生しにくい。したがって、電極22,24の焼き付きをより確実に防止することができる。
(3)非晶質膜に相当するセラミックコーティング材48に存在する気孔54に潤滑剤を含浸させた(図5を参照)。気孔54に含浸させた潤滑剤は、成形面56と電極22,24とが接触する際に潤滑作用として働くので、成形面56と電極22,24との間の摩擦抵抗をさらに低くする。よって、電極22,24の焼き付きをより確実に防止できる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することができる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
(1)上述した実施の形態では、成形面56に形成する非晶質膜としてセラミックコーティング材48を用いた(図5を参照)。この形態に代えて、チタン,窒素,クロム等を素材とするセラミックコーティング材を用いてもよく、炭素,チタン,窒素,クロム等を素材とする他のコーティング材を用いてもよい。非晶質膜であれば結晶粒界を持たないので非常に平滑な表面になり、低摩擦係数であって摺動性に優れる。また、炭素を素材とするセラミックコーティング材48には及ばないものの、電極22,24と比べると遥かに熱を持ちにくく、相応の硬度や耐熱性などを有する。さらに、潤滑油の塗布を行う機械や潤滑油の維持管理などを行う必要がないので、コストを安く抑えられる。
(2)上述した実施の形態では、成形面56は三つの成形ローラ44(複数の部材)にそれぞれ形成した(図3〜図5を参照)。この形態に代えて、当該三つの成形ローラ44のうちで少なくとも一つの成形ローラ44に形成してもよく、所定形状を電極周囲に回転させてできる一つの立体形状(例えばお椀のような形状)に形成してもよい。どのような形状で成形面56を形成したとしても、当該成形面56に非晶質膜を形成することにより、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
(3)上述した実施の形態では、加圧機構18によって三つの成形ローラ44(すなわち各成形面56)と電極22,24との間を加圧する構成とした(図1を参照)。この形態に代えて、各成形面56と電極22,24との間に相対的な圧力が掛かるように加圧する他の構成としてもよい。例えば、電極成形装置28にシリンダやソレノイド等を備えることによって成形ローラ44を電極22,24に押し付けるように加圧する構成や、ロボット制御装置26によるアーム12の移動制御および溶接制御装置10により電極22の移動制御を行うことによって電極22,24を成形ローラ44に押し付けるように加圧する構成などが該当する。いずれの構成にせよ、各成形面56と電極22,24との間に相対的な圧力が掛かれば、電極22,24を成形面56の形状に成形することができる。
(4)上述した実施の形態では、単一膜でセラミックコーティング材48を成形面56に形成した(図5を参照)。この形態に代えて、複合膜または多層膜からなるコーティング材を成形面56に形成してもよい。さらには、蒸発源ごとに異なる素材を用いて、複数の素材からなるコーティング材で成形面56をコーティングしてもよい。複数の蒸発源を組み合わせることで形成された複合膜または多層膜からなる非晶質膜は、各素材の特性が顕れるので、成形面56と電極22,24との間の摩擦抵抗をより少なくし、電極22,24の焼き付きを防止しながら成形を行うことができる。
スポット溶接設備の構成例を模式的に表す図である。 電極成形装置の構成例を表す平面図である。 成形機構の構成例を表す垂直断面図である。 成形機構の構成例を表す水平断面図である。 成形ローラの構成例を表す垂直断面図である。 スポット溶接と成形とを繰り返し場合における成形回数と振動との関係を説明する図である。
符号の説明
14 スポット溶接装置
18 加圧機構
22,24 電極
28 電極成形装置
32 モータ
34 成形制御装置
38 成形機構
44 成形ローラ(成形部材)
48 セラミックコーティング材(非晶質膜)
50 ローラ本体
54 気孔
56 成形面

Claims (3)

  1. 目的形状からなる成形面を備えた成形部材を有し、当該成形面を溶接用の電極に接触させて当該電極を前記目的形状に成形する電極成形装置であって、
    前記成形面のうちで少なくとも前記電極と接触する部位には非晶質膜を形成した電極成形装置。
  2. 請求項1に記載した電極成形装置であって、
    セラミックコーティング材によって非晶質膜を形成した電極成形装置。
  3. 請求項1または2に記載した電極成形装置であって、
    非晶質膜に存在する気孔に潤滑剤を含浸させた電極成形装置。
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