JP2006237692A - 受信方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 処理量の増加を抑えながらも、データの伝送特性の悪化を抑制したい。
【解決手段】 RF部12は、複数のブロックによって構成された信号であって、かつ複数のブロックのそれぞれに対して複数のキャリアが使用された信号を複数のアンテナ10にてそれぞれ受信する。測定部24は、受信した信号の品質を測定する。処理部16は、測定部24が測定した品質をもとに、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を変更しながら、複数のアンテナ10にて受信した信号に対して、アダプティブアレイ信号処理を実行する。複数のブロックのそれぞれには、優先度が付与されている。処理部16は、品質が悪化した場合に、優先度の低いブロックよりも優先度の高いブロックに対して、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を少なくする。
【選択図】 図2
【解決手段】 RF部12は、複数のブロックによって構成された信号であって、かつ複数のブロックのそれぞれに対して複数のキャリアが使用された信号を複数のアンテナ10にてそれぞれ受信する。測定部24は、受信した信号の品質を測定する。処理部16は、測定部24が測定した品質をもとに、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を変更しながら、複数のアンテナ10にて受信した信号に対して、アダプティブアレイ信号処理を実行する。複数のブロックのそれぞれには、優先度が付与されている。処理部16は、品質が悪化した場合に、優先度の低いブロックよりも優先度の高いブロックに対して、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を少なくする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、受信技術に関し、特に複数のアンテナによって信号を受信する受信方法および装置に関する。
放送されている番組を受信する受信装置は、所定の番組を選局し、選局した番組を出力する。また、放送されいている番組には、映像のデータや音声のデータが含まれる。番組を搬送する電波に対して、電界強度が弱くなる場合、マルチパスによるフェージングの影響が大きくなる場合、または高速移動によるドップラーシフトの影響が大きくなる場合に、一般的に、受信のための環境が悪くなる。受信のための環境が悪くなると、受信装置によって受信された信号に含まれる誤りが増加する傾向にある。誤りが増加すると、映像データや音声データに深刻な影響を与える場合もある。影響は、映像データのストリームや音声データのストリームにおいて、誤りの発生する位置に依存するが、例えば、再生された映像において、ブロック状のノイズが発生したり、映像が静止するといった現象が生じる。そのため、再生された映像への深刻な影響が見られるような電波の環境において、フレーム内予測符号化画像やフレーム間順方向予測画像をフィルタリングし、フィルタリングした画像を表示する技術が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−69915号公報
これまでの受信装置のように、画像を補正すれば、再生された映像の悪化を低減できる。しかしながら、画像の補正によって処理量が増加すれば、消費電力も向上する。特に、受信装置がバッテリー駆動である場合には、低い消費電力が望まれる。また、画像の補正によって受信処理の遅延が増加する。その結果、許容遅延時間が規定されている場合には、これを満たさなくなる可能性がある。また、許容遅延時間が規定されていなくても、遅延の増加によって、バッファが増加する。そのため、回路規模が増大する場合もある。
本発明者はこうした状況下、以下の課題を認識するに至った。これまでの受信装置では電波の環境の悪い環境下において、すべての映像データ等の誤りを低減することが目的とされていた。一方、映像データに含まれる画像が、フレーム内予測符号化画像やフレーム間順方向予測画像である場合、すなわち性質の異なった画像を含んでいる場合、どの部分に誤りが含まれているかによって、再生される映像に及ぼされる影響が異なる。そのため、他の画像にも影響を及ぼす可能性の高い画像に対して、誤りを低減することが要求される。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、処理量の増加を抑えながらも、データの伝送特性の悪化を抑制する受信技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の受信装置は、複数のブロックによって構成された信号であって、かつ複数のブロックのそれぞれに対して複数のキャリアが使用された信号を複数のアンテナにてそれぞれ受信する受信部と、受信部において受信した信号の品質を測定する測定部と、測定部が測定した品質をもとに、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を変更しながら、受信部において複数のアンテナにて受信した信号に対して、アダプティブアレイ信号処理を実行する処理部とを備える。受信部において受信した信号を構成する複数のブロックのそれぞれには、優先度が付与されており、処理部は、優先度にもとづいてアダプティブアレイ信号処理を行い、ウエイトを計算する。
この態様によると、優先度をもとにアダプティブアレイ信号処理を実行するので、優先度の高いブロックと優先度の低いブロックに対して、異なったアダプティブアレイ信号処理を実行を実行でき、処理量の増加を抑えつつ、品質の悪化を抑制できる。
処理部は、品質が悪化した場合に、優先度の低いブロックよりも優先度の高いブロックに対して、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を少なくしながら、アダプティブアレイ信号処理を実行してもよい。この場合、品質が悪化すると、優先度が高いブロックに対して、ウエイトを共通化すべきキャリアの数を少なくしつつ、優先度が低いブロックに対して、優先度が高いブロックよりもウエイトを共通化すべきキャリアの数を少なくしないので、処理量の増加を抑えつつ、品質の悪化を抑制できる。
受信部において受信した信号は、音声データに対応したブロックあるいは映像データに対応したブロックを含んでおり、かつ音声データに対応したブロックの優先度が映像データに対応したブロックの優先度以上になるように規定されていてもよい。この場合、音声データについては、品質が悪化しても、ウエイトを共通化すべきキャリアの数を少なくするので、品質の悪化を抑制できる。
受信部において受信した信号を構成する複数のブロックは、映像データに対応したブロックを含んでおり、かつ映像データは、複数のフレームのうちのひとつを符号化する際に、他のフレームを使用する第1符号化、あるいは複数のフレームのうちのひとつを符号化する際に、他のフレームを使用しない第2符号化に対応しており、第2符号化に対応したブロックの優先度が第1符号化に対応したブロックの優先度以上になるように規定されていてもよい。この場合、第2符号化に対応したブロックは、第1符号化に対応したブロックを復号する際にも使用されるので、品質が悪化したときに、第2符号化に対応したブロックに対して、ウエイトを共通化すべきキャリアの数を少なくすることによって、品質の悪化を抑制できる。
「複数のフレームのうちのひとつを符号化する際に、他のフレームを使用する第1符号化」の一例は、フレーム間順方向予測符号化、フレーム間双方向予測符号化であり、「複数のフレームのうちのひとつを符号化する際に、他のフレームを使用しない第2符号化」の一例は、フレーム内予測符号化である。
受信部において受信した信号に含まれる第1符号化に対応したブロックのうち、第2符号化に対応したブロックに近接しているブロックほど、優先度が高くなるように設定されていてもよい。この場合、第1符号化に対応したブロックのうち、第2符号化に対応したブロックに近接しているブロックは、第2符号化に対応したその他のブロックを復号する際にも使用されるので、品質が悪化したときに、第1符号化に対応したブロックのうち、第2符号化に対応したブロックに近接しているブロックに対して、ウエイトを共通化すべきキャリアの数を少なくすることによって、品質の悪化を抑制できる。
処理部は、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数として、複数種類のキャリアの数を規定しており、品質が悪化するにしたがって、少ない値のキャリアの数を選択しつつ、アダプティブアレイ信号処理を実行してもよい。この場合、複数種類のキャリアの数を予め規定しているので、処理を簡易にできる。
受信部が既に受信した信号を構成する複数のブロックに対して、優先度ごとのブロックのデータ量を集計する集計部と、集計部において集計したデータ量をもとに、高い優先度のブロックが受信されるべきタイミングを推定する推定部とをさらに備えてもよい。処理部は、推定部において推定したタイミングを使用しつつ、優先度の高いブロックに対して、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を変更してもよい。この場合、優先度の高いブロックが受信されるべきタイミングを推定するので、高い優先度のブロックが受信されるべきタイミングが、別途、知らされない場合であっても、高い優先度のブロックが受信されるべきタイミングを抽出できる。
本発明の別の態様は、受信方法である。この方法は、複数のブロックによって構成された信号であって、かつ複数のブロックのそれぞれに対して複数のキャリアが使用された信号を複数のアンテナにてそれぞれ受信し、受信した信号の品質をもとに、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を変更しながら、複数のアンテナにて受信した信号に対して、アダプティブアレイ信号処理を実行する受信方法であって、受信した信号を構成する複数のブロックのそれぞれには、優先度が付与されており、優先度にもとづいてアダプティブアレイ信号処理を行い、ウエイトを計算する。
本発明のさらに別の態様も、受信方法である。この方法は、複数のブロックによって構成された信号であって、かつ複数のブロックのそれぞれに対して複数のキャリアが使用された信号を複数のアンテナにてそれぞれ受信するステップと、受信した信号の品質を測定するステップと、測定した品質をもとに、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を変更しながら、複数のアンテナにて受信した信号に対して、アダプティブアレイ信号処理を実行するステップとを備える。受信するステップにおいて受信した信号を構成する複数のブロックのそれぞれには、優先度が付与されており、アダプティブアレイ信号処理を実行するステップは、優先度にもとづいてアダプティブアレイ信号処理を行い、ウエイトを計算する。
アダプティブアレイ信号処理を実行するステップは、品質が悪化した場合に、優先度の低いブロックよりも優先度の高いブロックに対して、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を少なくしながら、アダプティブアレイ信号処理を実行してもよい。受信するステップにおいて受信した信号は、音声データに対応したブロックあるいは映像データに対応したブロックを含んでおり、かつ音声データに対応したブロックの優先度が映像データに対応したブロックの優先度以上になるように規定されていてもよい。受信するステップにおいて受信した信号を構成する複数のブロックは、映像データに対応したブロックを含んでおり、かつ映像データは、複数のフレームのうちのひとつを符号化する際に、他のフレームを使用する第1符号化、あるいは複数のフレームのうちのひとつを符号化する際に、他のフレームを使用しない第2符号化に対応しており、第2符号化に対応したブロックの優先度が第1符号化に対応したブロックの優先度以上になるように規定されていてもよい。
受信するステップにおいて受信した信号に含まれる第1符号化に対応したブロックのうち、第2符号化に対応したブロックに近接しているブロックほど、優先度が高くなるように設定されていてもよい。アダプティブアレイ信号処理を実行するステップは、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数として、複数種類のキャリアの数を規定しており、品質が悪化するにしたがって、少ない値のキャリアの数を選択しつつ、アダプティブアレイ信号処理を実行してもよい。受信するステップにおいて既に受信した信号を構成する複数のブロックに対して、優先度ごとのブロックのデータ量を集計するステップと、集計したデータ量をもとに、高い優先度のブロックが受信されるべきタイミングを推定するステップとをさらに備え、アダプティブアレイ信号処理を実行するステップは、推定したタイミングを使用しつつ、優先度の高いブロックに対して、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を変更してもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、処理量の増加を抑えながらも、データの伝送特性の悪化を抑制できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、地上デジタルテレビジョン規格のひとつであるISDB−T方式に対応した受信装置に関する。ISDB−T方式における映像データは、MPEG(Moving Picture Expert Group)−2に準拠しており、フレーム内予測符号化画像(以下、「Iピクチャ」という)、フレーム間順方向予測符号化画像(以下、「Pピクチャ」という)、フレーム間双方向予測符号化画像(以下、「Bピクチャ」という)を含む。本実施例では、画像の重要性に応じて、各ピクチャに優先度が付与されている。Iピクチャは、それ自体だけでも再生可能であるのに対し、PピクチャおよびBピクチャは、再生にIピクチャを必要とする。そのため、Iピクチャは、PピクチャやBピクチャよりも重要といえるので、本実施例では、PピクチャやBピクチャの優先度よりも、Iピクチャの優先度を高い値に設定する。
また、ISDB−T方式は、マルチキャリア変調のひとつであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を使用している。ここでは、「5617」のキャリアを使用する。本実施例に係る受信装置は、複数のアンテナによってアダプティブアレイ信号処理を実行しているが、理想的には、キャリアを単位にしてウエイトを導出すべきである。しかしながら、「5617」のキャリアに対してウエイトを導出する場合、一般的に、処理量が増加してしまうので、本実施例では、以下のような処理を実行する。受信装置は、「5617」のキャリアをふたつのグループに分ける。例えば、低周波数の部分と高周波数の部分に分ける。さらに、受信装置は、低周波数の部分のうちのひとつのキャリアからウエイトを導出し、これを低周波数の部分に属する複数のキャリアに使用する。また、受信装置は、高周波数の部分についても同様の処理を実行する。
伝搬の環境が悪化したときに、処理の増加を抑えつつ、再生された映像の品質の悪化を低減するために、本実施例では、以下のような処理を実行する。受信した信号の品質が悪化すると、高い優先度を設定したピクチャ、すなわちIピクチャに対して、「5617」のキャリアを分けるグループの数を多くする。これにより、ひとつのグループに含まれるキャリアの数が少なくなることによって、ウエイトの精度が高くなる。また、ウエイトの精度が高くなることによって、受信した信号の品質の悪化を低減できる。また、以上の処理をIピクチャに対して行ない、PピクチャとBピクチャについては、ふたつのグループによるアダプティブアレイ信号処理を実行するので、処理量の増加も抑制できる。
図1は、本発明の実施例に係るマルチキャリア信号のスペクトルを示す。図1は、OFDM変調方式での信号のスペクトルを示す。OFDM変調方式における複数のキャリアのひとつをサブキャリアと一般的に呼ぶが、ここではひとつのサブキャリアを「サブキャリア番号」によって指定するものとする。ここでは、サブキャリア番号「1」から「5617」までの5617のサブキャリアが規定されている。なお、ベースバンドの信号に対しても、サブキャリア番号を使用するものとする。それぞれのサブキャリアに対する変調方式には、QSPK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM等が使用される。また、これらの信号には、誤り訂正方式として、畳み込み符号化とリードソロモン符号化が適用されている。これらは、公知の技術であるので、説明を省略する。
図2は、本発明の実施例に係る受信装置100の構成を示す。受信装置100は、アンテナ10と総称される第1アンテナ10a、第2アンテナ10b、FFT(Fast Fourier Transform)部14と総称される第1FFT部14a、第2FFT部14b、処理部16、復調部18、復号部20、スクランブル解除部22、測定部24、推定部26、決定部28、映像・音声デコーダ30、出力部32を含む。以下、説明の明瞭化のため、映像の再生を中心に説明を行なう。
RF部12は、複数のブロックによって構成された信号であって、かつ複数のブロックのそれぞれに対して複数のサブキャリアが使用された信号を複数のアンテナ10にてそれぞれ受信する。ここで、ひとつのブロックは、映像に含まれるひとつあるいは複数のフレームに相当する。なお、ひとつのブロックに対しては、同一の符号化がなされているものとする。また、ブロックに対する符号化として複数の符号化が規定されている。ここで、複数の符号化は、フレーム内予測符号化、フレーム間順方向予測符号化、フレーム間双方向予測符号化に相当するが、これらは公知の技術であるので説明を省略する。
なお、フレーム内予測符号化は、複数のフレームのうちのひとつを符号化する際に、他のフレームを使用しないが、フレーム間順方向予測符号化、フレーム間双方向予測符号化は、複数のフレームのうちのひとつを符号化する際に、他のフレームを使用する。また、それぞれに対応した画像が、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャである。また、複数のブロックのそれぞれには、優先度が付与されている。ここでは、PピクチャおよびBピクチャの優先度よりも、Iピクチャの優先度が高くなるように規定されている。
RF部12は、受信した信号を無線周波数から、ベースバンドに周波数変換する。そのため、RF部12は、チューナの機能を備えており、チューナの受信周波数を所定の値に固定することによって、RF部12は、受信した信号から、視聴すべき放送局に対応したチャンネルの番組を選択する。なお、「番組」とは、放送されているプログラムを示すが、ここでは、その内容も含むものとする。すなわち、番組は、放送されている音声、放送されている映像、それらの組合せを示してもよいものとする。
FFT部14は、FFTを実行する。その結果、RF部12においてベースバンドに周波数変換された信号が、周波数領域の信号に変換される。ここで、周波数領域の信号は、図1のごとく、複数のサブキャリアの成分を含むので、図には、複数のサブキャリアに対応した複数の信号線が示されるべきである。しかしながらここでは、図を明瞭にするために、周波数領域の信号は、サブキャリア番号の順に並べられて、シリアル信号を形成しているものとする。そのため、ひとつの信号線が示される。
図3は、周波数領域の信号の構成を示す。ここで、図1に示したサブキャリア番号「1」から「5617」のひとつの組合せを「OFDMシンボル」というものとする。また、周波数領域における1OFDMシンボルを時間領域に変換した信号も1OFDMシンボルというものとする。「i」番目のOFDMシンボルでは、サブキャリア番号「1」から「5617」の順に、サブキャリア成分が並べられているものとする。また、「i」番目のOFDMシンボルの前に、「i−1」番目のOMDMシンボルが配置され、「i」番目のOFDMシンボルの後ろに、「i+1」番目のOMDMシンボルが配置されているものとする。
図2に戻る。処理部16は、ふたつのFFT部14から入力した信号に対して、アダプティブアレイ信号処理を実行する。すなわち、処理部16は、ふたつのFFT部14から入力した信号の特性をもとにして、それぞれの入力に応じたウエイトを適応的に設定する。さらに、処理部16では、そのウエイトが乗算された信号を合成する。ここで、処理部16は、サブキャリアを単位にしてウエイトの乗算および加算を実行する。そのため、処理部16から出力される信号も、図3の形式を有しているものとする。なお、詳細は後述するが、処理部16、受信した信号の品質をもとに、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を変更するものとする。当該変更のための指示は、決定部28から受けつける。
復調部18は、処理部16において合成された信号を復調する。前述のごとく、ISDB−T方式では、QPSK、16QAM、64QAM等が使用されているので、復調部18もそれに対応するような復調を実行する。復号部20は、復調された信号に対して、誤り訂正の復号を実行する。前述のごとく、ISDB−T方式では、畳み込み符号とリードソロモン符号が使用されているので、復号部20もそれらに対応するような復号を実行する。なお、復号部20では、図示しない送信装置でなされたインタリーブに応じて、デインタリーブが実行される。スクランブル解除部22は、復号した信号にかけられているスクランブルを解除する。
映像・音声デコーダ30は、スクランブルが解除された信号、すなわちIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャを復号し、映像を再生する。Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャの復号は、公知の技術であるので、説明を省略する。なお、本来、映像・音声デコーダ30でのIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャが、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャと呼ばれるべきであるが、ここでは、前述のごとく、RF部12において受信されたIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャ、およびそれらが変換された形態も、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャと呼ぶものとする。また、映像・音声デコーダ30は、音声データに対しても復号を実行する。出力部32は、復号された映像データおよび復号された音声データを再生する。出力部32は、ディスプレイ、スピーカ等を含む。
推定部26は、スクランブル解除部22から出力される複数のブロックのうち、Iピクチャの位置を推定する。ここで、処理部16は、信号の品質に応じて、優先度の高いブロック、すなわちIピクチャに対するウエイトの導出方法を変更する。そのため、前提としてIピクチャの位置の推定が必要になる。これは、ISDB−T方式において、Iピクチャ等の位置を示した情報が、図示しない送信装置から伝送されないためである。推定部26は、複数のブロックに対して、優先度ごとのブロックのデータ量を集計する。さらに、推定部26は、集計したデータ量をもとに、次にIピクチャが受信されるべきタイミングを推定する。なお、各ブロックの先頭部分には、当該ブロックに対する情報がヘッダとして付加されている。
推定部26の動作を図を使用しながら説明する。図4(a)−(b)は、推定部26によるIピクチャの位置の推定を説明するための図である。図4(a)は、通常の場合に相当する。ここで、複数のブロックが並んでいるが、図の左側から右側の順に、時間が経過しているものとする。すなわち、図の左側が過去のブロックに相当する。また、「I」は、Iピクチャに相当し、「P」は、Pピクチャに相当し、「B」は、Bピクチャに相当する。図4(a)では、時間の経過にしたがって、「I」、「B」、「B」、「P」、「B」、「B」、「P」のように配置されている。推定部26では、前回、検出されたヘッダ位置「Hb」をもとに、次に出現すべきIピクチャの位置「Hi」を推定する。なお、実際には完全に正確な位置の推定は困難であるので、本来の「Hi」の位置よりも前になるような位置「Hs」を「Hi」の位置として推定する。このような処理により、「Hs」までに配置されている「P」や「B」は、推定部26において破棄される。以下、このような破棄は、スキップと呼ばれる。
推定部26は、スキップ量Sを次のように導出する。
S = d+np×Up+nb×Ub−t・・・(1)
ここで、dは推定部26から処理部16の入力段までの間の処理中のデータ量、すなわちビット量である。これは事前に決まる量である。tは、「Hi」を前方にシフトさせる際のシフト量であり、マージンに相当する。npは、次のIピクチャまでに存在するPピクチャの数、すなわちPピクチャに対応した画像フレームの枚数を示す。また、nbは、次のIピクチャまでに存在するBピクチャの数、すなわちBピクチャに対応した画像フレームの枚数を示す。これらの枚数は、推定部26によってカウントされる。さらに、Upは、Pピクチャのビット数を示し、Ubは、Bピクチャのビット数を示し、以下のように示される。
Up = R×rp/Lp・・・(2)
Ub = R×rb/Lb・・・(3)
S = d+np×Up+nb×Ub−t・・・(1)
ここで、dは推定部26から処理部16の入力段までの間の処理中のデータ量、すなわちビット量である。これは事前に決まる量である。tは、「Hi」を前方にシフトさせる際のシフト量であり、マージンに相当する。npは、次のIピクチャまでに存在するPピクチャの数、すなわちPピクチャに対応した画像フレームの枚数を示す。また、nbは、次のIピクチャまでに存在するBピクチャの数、すなわちBピクチャに対応した画像フレームの枚数を示す。これらの枚数は、推定部26によってカウントされる。さらに、Upは、Pピクチャのビット数を示し、Ubは、Bピクチャのビット数を示し、以下のように示される。
Up = R×rp/Lp・・・(2)
Ub = R×rb/Lb・・・(3)
なお、Rは、平均のビットレートであり、変調方式、誤り訂正の符号化率によって決定される。これは、復号部20から取得可能である。Lpは、1秒間に含まれるPピクチャの数であり、Lbは、1秒間に含まれるBピクチャの数である。なお、これらの値は、予め規定されている。また、ri、rp、rbはIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのデータ量、すなわちビット量の比である。前述のごとく、推定部26がこれらを集計する。
1.0 = ri+rp+rb・・・(4)
推定部26は、Sだけ図示しないカウンタによってカウントしながら処理をスキップすることによって、位置Hbから位置Hsを検出する。さらに、推定部26は、図2の決定部28にHiの位置として、Hsの位置を通知する。
1.0 = ri+rp+rb・・・(4)
推定部26は、Sだけ図示しないカウンタによってカウントしながら処理をスキップすることによって、位置Hbから位置Hsを検出する。さらに、推定部26は、図2の決定部28にHiの位置として、Hsの位置を通知する。
図4(b)は、Sの予測値が実際より大きくなり、HsがHiを越してしまう場合を示す。これは、シーンチェンジなどにより、フレームごとの符号量が大きく変わる場合に相当する。このような場合、Iピクチャのヘッダが検出できず、次のピクチャのヘッダが検出される。この場合に、推定部26は、次のIピクチャの位置を推定し、スキップを実行する。
図2に戻る。測定部24は、映像・音声デコーダ30から出力された信号の品質を測定する。ここで、映像・音声デコーダ30から出力された信号は、再生された映像や音声に相当する。また、測定部24は、信号の品質として、誤り率を測定する。測定部24は、測定した誤り率を決定部28に通知する。
決定部28は、処理部16におけるアダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリア数を制御する。決定部28は、信号の品質が悪化した場合、すなわち誤り率がしきい値よりも悪くなった場合に、処理部16に対して、PピクチャやBピクチャよりも、Iピクチャに対して、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を少なくさせる。ここで、「アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきサブキャリアの数」について説明する。処理部16においてアダプティブアレイ信号処理の対象となるべき信号は、複数のサブキャリアを使用している。そのため、理想的には、サブキャリア単位にウエイトが導出されるようなアダプティブアレイ信号処理が望ましい。しかしながら、処理量の増大を抑制するために、処理部16は、複数のサブキャリアを低周波部分と高周波部分に分離する。全体のサブキャリア数は「5617」なので、サブキャリア番号「1」から「2809」の低周波部分と、サブキャリア番号「2810」から「5617」の高周波部分が定義される。なお、説明の便宜上、低周波部分を「グループ1」といい、高周波部分を「グループ2」という。
PピクチャやBピクチャに対して、処理部16は、グループ1に含まれるサブキャリアのうちのひとつに対して、ウエイト(以下、「第1ウエイト」という)を導出し、グループ2に含まれるサブキャリアのうちのひとつに対して、ウエイト(以下、「第2ウエイト」という)を導出する。さらに、処理部16は、グループ1に含まれるサブキャリアに対して、第1ウエイトを使用しながら、アダプティブアレイ信号処理を実行し、グループ2に含まれるサブキャリアに対して、第2ウエイトを使用しながら、アダプティブアレイ信号処理を実行する。また、決定部28は、誤り率に応じて、PピクチャやBピクチャでのグループの数を変更しない。このような場合において、前述の「アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきサブキャリアの数」は、「2」であり、「アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきサブキャリアの数」とは、ひとつのグループに含まれるサブキャリアの数である。また、グループ数が増加すれば、「アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきサブキャリアの数」は減少する。
決定部28は、測定部24において測定した誤り率の値をもとに、Iピクチャでのグループ数を変更する。図5は、決定部28に記憶されたしきい値のデータ構造を示す。図示のごとく、条件欄70、グループ数欄72が設けられる。条件欄70には、測定部24において測定した誤り率に対する条件が記入されている。ここで、ふたつのしきい値E1とE2が設けられており、両者は、E1>E2の関係にある。「誤り率がE1より大」きければ、グループ数は「1872」となる。また、「誤り率がE1以下」であり、かつ「E2より大」きければ、グループ数は「4」となる。さらに、「誤り率がE2以下」であれば、グループ数は「2」となる。なお、グループ数が「2」の場合、処理部16は、Iピクチャに対して、PピクチャやBピクチャと同一の処理を実行する。
図2に戻る。以上のように、決定部28は、グループ数として、複数種類のグループ数を規定しており、誤り率に応じてそれらのうちのひとつを使用する。すなわち、決定部28は、誤り率が悪化するにしたがって、グループ数が大きくなるように処理部16を制御する。これは、誤り率が悪化するにしたがって、少ない値のサブキャリアの数を選択することに相当する。なお、以上の処理において、Iピクチャの位置を認識しなければならないが、決定部28は、推定部26がおいて推定したIピクチャのタイミングを使用する。例えば、誤り率としきい値との比較によって、グループ数を「1872」に決定した場合、決定部28は、処理部16に対して、Iピクチャに対して「1872」のグループ数に対応した処理を実行させ、PピクチャとBピクチャに対して「2」のグループ数に対応した処理を実行させる。
次に、グループ数に応じた、処理の違いを説明する。図6(a)−(b)は、処理部16におけるアダプティブアレイ信号処理を説明するための図である。図6(a)は、グループ数「2」の場合である。横軸が周波数を示し、図1と同様にサブキャリア番号が示されている。前述のごとく、第1グループと第2グループのそれぞれに対して、第1ウエイトと第2ウエイトが計算される。誤り率が小さければ、このような処理によっても受信性能は映像等の再生に関して問題とならない。しかしながら、市街地等において反射波が多くなると、マルチパスにもとづく周波数選択性フェージング現象によって、サブキャリアを単位にして特性が大きく変わる。このような場合、第1ウエイトと第2ウエイトによる処理では、受信性能が悪化する可能性がある。そのため、決定部28は、グループ数が多くなるように制御する。
図6(b)は、グループ数「1872」の場合である。図示のごとく、4つのサブキャリアをひとつのグループとして、「1872」のグループが形成される。なお、ひとつのグループにおける両端のサブキャリアは、隣接したグループと共通に使用される。この場合、処理部16は、「1872」のウエイトを導出する。グループ数「2」に対応するように、処理部16がふたつのウエイト計算回路を有している場合、グループ数が「1872」であれば、処理部16は、図示しないふたつのウエイト計算回路を時分割しながら使用する。すなわち、処理部16は、ひとつのウエイト計算回路を「936」回使用する。
グループ数「1872」での処理に関連し、ISDB−T方式でのパイロット信号の配置を説明する。図7は、処理部16において処理すべきパイロット信号の配置を示す。図の横軸は、周波数を示しており、また図では、左側から右側に、サブキャリア番号「x」から「x+12」までを代表して示す。図の縦軸は、時間を示しており、図では、上側から下側に、「yシンボル」から「y+4」シンボルを代表して示す。なお、シンボルは、前述のOFDMシンボルに相当する。図中の「P」がパイロット信号であり、「O」がパイロット信号以外の信号を示す。3つのサブキャリアのうちのひとつに対して、パイロット信号が配置されている。また、そのようなサブキャリアに対しても、4シンボルに一回の間隔によって、パイロット信号が配置されている。ひとつのグループである「グループz」では、サブキャリア「x」と「x+3」に配置されたパイロット信号を使用しながら、ウエイトが計算される。このとき、ふたつのパイロット信号を交互に使用しながら、グループに対してひとつのウエイトが計算されてもよい。また、ふたつのパイロット信号を使用することによってそれぞれのサブキャリアに対応したウエイトを導出し、それら以外のサブキャリアについて内挿補間が実行されてもよい。また、ふたつのサブキャリアのうちの一方だけを使用しながら、ウエイトを導出してもよい。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた受信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図8は、処理部16の構成を示す。処理部16は、合成部52、受信ウエイトベクトル計算部54、参照信号生成部56を含む。また、合成部52は、乗算部58と総称される第1乗算部58a、第2乗算部58b、加算部60を含む。
乗算部58は、受信ウエイトベクトル計算部54からの受信ウエイトベクトルによって、周波数領域の信号を重み付けし、加算部60は乗算部58の出力を加算する。これまでのウエイトが受信ウエイトベクトルに相当する。ここで、周波数領域の信号は、サブキャリア番号の順に配置されているので、受信ウエイトベクトル計算部54からの受信ウエイトベクトルもそれに対応するように配置されている。すなわち、ひとつの乗算部58は、サブキャリア番号の順に配置された受信ウエイトベクトルを逐次入力する。なお、前述のごとく、ひとつのグループ内において、受信ウエイトベクトルが同一であってもよい。また、加算部60は、サブキャリア単位で、乗算結果を加算する。その結果、加算された信号も、図3のごとく、サブキャリア番号の順にシリアルに並べられている。
参照信号生成部56は、パイロット信号、その他の既知信号を参照信号として出力する。受信ウエイトベクトル計算部54は、FFT部14からの周波数領域の信号、加算部60によって加算した信号、参照信号にもとづいて、受信ウエイトベクトルを導出する。前述のごとく、受信ウエイトベクトルの導出は、グループの中のひとつのパイロット信号に対して実行される。図7のように、パイロット信号を配置するサブキャリアは、時間と共に変化するので、これに追従しながら、受信ウエイトベクトルが計算されてもよい。また、グループの数「2」に対応して、受信ウエイトベクトル計算部54には、図示しないふたつのウエイト計算回路が含まれるものとする。受信ウエイトベクトルの導出方法は、任意のものでよく、そのひとつはLMS(Least Mean Squeare)アルゴリズムによる導出である。また、MRC(最大比合成)アルゴリズムによる導出であってもよい。受信ウエイトベクトルの導出は、公知の技術を使用すればよいので、ここでは説明を省略する。なお、受信ウエイトベクトル計算部54は、前述のごとく、内挿補間を実行してもよい。
以上の構成による受信装置100の動作を説明する。図9は、受信装置100による受信処理の手順を示すフローチャートである。決定部28は、処理部16に対するグループ数を「2」に設定する(S10)。測定部24は、誤り率を測定する(S12)。誤り率がE1より大きければ(S14のY)、決定部28は、グループ数を「1872」に設定する(S16)。一方、誤り率がE1より大きくなく(S14のN)、E2より大きければ(S18のY)、決定部28は、グループ数を「4」に設定する(S20)。誤り率がE2より大きくなければ(S18のN)、決定部28は、グループ数を「2」に設定する(S22)。推定部26は、Iピクチャの位置を推定する(S24)。処理部16は、推定されたIピクチャに対して、決定部28において設定されたグループ数にてアダプティブアレイ信号処理を実行する(S26)。
これまで、測定部は、信号の品質として誤り率を測定していた。この変形例として、測定部24が、信号の品質としてEVM(Error Vector Magnitude)を測定する場合を説明する。なお、測定部24は、EVMにもとづいて、MER(Modulation Error Rate)を導出してもよい。この場合、測定部24には、復調部18からの信号が入力されてもよい。
図10は、変形例に係るEVMの概要を示す。ここではIQ座標平面でのQPSKシンボル点を示す。図中の黒丸印が本来のQPSKシンボル点を示し、X印が受信した信号の受信シンボル点を示す。図示のごとく、伝送路での雑音や干渉波によって、受信した信号の受信シンボル点が本来のシフトQPSKシンボル点からずれている。図において矢印で示したずれが、EVMに相当する。なお、EVMは、例えば、Wayne Music,Broadcom Corp.による”Statistical Analysis of Noise Measure Accuracy”(IEEE P802.15 Wireless Personal Area Networks,2001年3月8日)に開示されている。
推定部26は、EVMを次のように計算する。図10での本来のQPSKシンボル点の座標を(di,dq)とし、受信シンボル点を(yi,yq)とすれば、EVMは次のように示される。
EVM = (yi−di)2+(yq−dq)2・・・(5)
なお、EVMの計算に関する詳細は、前述の文献に記載されているので、ここでの説明を省略する。
EVM = (yi−di)2+(yq−dq)2・・・(5)
なお、EVMの計算に関する詳細は、前述の文献に記載されているので、ここでの説明を省略する。
本発明の実施例によれば、誤り率が悪化すると、Iピクチャに対して、受信ウエイトベクトルを共通化すべきサブキャリアの数を少なくしつつ、PピクチャおよびBピクチャに対して、Iピクチャよりも受信ウエイトベクトルを共通化すべきサブキャリアの数を少なくしないので、処理量の増加を抑えつつ、Iピクチャに対するアダプティブアレイ信号処理の精度を向上できる。また、Iピクチャに対するアダプティブアレイ信号処理の精度を向上させるので、品質の悪化を抑制できる。また、誤り率が悪化しても、PピクチャおよびBピクチャについて、ふたつのグループによる処理が実行されるので、Iピクチャに対する処理遅延が大きくなっても、全体としての処理遅延の増加を抑制できる。また、グループの数が多くなっても、ウエイト計算回路を時分割によって使用するので、回路規模の増加を抑制できる。
また、Iピクチャは、PピクチャやBピクチャを復号する際にも使用されるので、誤り率が悪化したときに、Iピクチャに対するアダプティブアレイ信号処理の精度を向上させることによって、効率的に品質の悪化を抑制できる。また、グループの数について複数種類を予め規定しておき、実際はこれを選択することによって、処理を簡易にできる。また、Iピクチャが受信されるべきタイミングが、別途、知らされない場合であっても、Iピクチャが受信されるべきタイミングを抽出できる。また、ISDB−T方式に適用できる。また、電波の環境が悪化しても、Iピクチャの再生に成功する可能性の悪化を防止できる。また、少なくともIピクチャをユーザに提示できる。また、電波の環境の悪化に応じて、映像の品質が急激に悪化していた場合であっても、これを徐々に悪化するようにできる。また、映像の品質が徐々に悪化するので、ユーザは、視聴する位置を変えるなど、対策を講じることができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、受信装置100は、デジタルテレビジョン放送の番組を受信している。しかしながらこれに限らず例えば、100は、ラジオ放送の番組を受信してもよい。本変形例によれば、受信装置100は、ラジオ放送を受信する場合にも適用可能になる。つまり、放送されている番組であって、かつ複数の優先度のいずれかが規定されたブロックを受信する場合であればよい。
本発明の実施例において、受信装置100は、Iピクチャ等に付与された優先度を使用しながら、アダプティブアレイ信号処理を実行していた。しかしながらこれに限らず例えば、優先度は音声データに対して付与されていてもよい。この場合、音声データに対応したブロックの優先度が、映像データに対応したブロックの優先度以上になるように規定されていてもよい。すなわち、音声データの優先度が一番高く、これにIピクチャの優先度が続く。また、PピクチャとBピクチャの優先度が一番低く規定される。その際、同一の誤り率に対しても、音声データでのグループの数が、それ以外でのグループの数以上になるように設定される。本変形例によれば、音声データについては、品質が悪化しても、ウエイトを共通化すべきサブキャリアの数を少なくするので、品質の悪化を抑制できる。つまり、複数の優先度が設定され、それに応じて、共通化すべきサブキャリアの数が制御されればよい。
本発明の実施例において、受信装置100は、Iピクチャ等に付与された優先度を使用しながら、アダプティブアレイ信号処理を実行していた。しかしながらこれに限らず例えば、Pピクチャのうち、Iピクチャに近接しているブロックに対して、高い優先度を設定してもよい。このようなブロックには、Iピクチャの次の高さの優先度が付与される。本変形例によれば、Pピクチャのうち、Iピクチャから離れているブロックは、Iピクチャに近接しているブロックを使用しながら再生されるので、Iピクチャに近接しているブロックのアダプティブアレイ信号処理の精度を向上させることによって、効率的に品質を向上できる。つまり、複数の優先度が設定され、それに応じて、共通化すべきサブキャリアの数が制御されればよい。
本発明の実施例において、推定部26は、PピクチャとBピクチャをスキップさせる。しかしながらこれに限らず例えば、Iピクチャをスキップさせてもよい。本変形例によれば、スキップさせる量の設定に対する自由度を向上させられる。つまり、再生に必要なIピクチャの位置を推定できればよい。
本発明の実施例において、決定部28は、誤り率としきい値との比較にもとづいて、Iピクチャに対するグループの数を決定していた。しかしながらこれに限らず、誤り率としきい値との比較にもとづいて、(1)Iピクチャに対するグループの数を増加させる動作、(2)IピクチャおよびPピクチャに対するグループの数を増加させる動作、(3)IピクチャおよびPピクチャに対するグループの数を増加させない動作を選択してもよい。本変形例によれば、制御を任意に設定できる。つまり、優先度に応じて、グループの数が変更されればよい。
本発明の実施例において、決定部28は、少なくともひとつのしきい値を設け、複数の動作の段階を規定していた。しかしながらこれに限らず例えば、誤り率に応じて、ひとつのグループに含まれるサブキャリアの数を増減させてもよい。本変形例によれば、アダプティブアレイ信号処理の動作を詳細に設定できる。つまり、共通化すべきサブキャリアの数が制御されればよい。
本発明の実施例において、FFT部14と処理部16が接続されている。しかしながらこれに限らず例えば、FFT部14と処理部16との間にメモリが備えられてもよい。この場合、FFT部14から出力された信号は、メモリに格納される。本変形例によれば、処理部16での処理遅延が大きくなる場合であっても、対応できる。つまり、アダプティブアレイ信号処理における遅延時間に応じて、処理対象の信号の遅延が調節されればよい。さらに、メモリでなく、HDD(ハードディスク)を備えてもよい。HDDに信号を格納することによって、大容量の信号にも対応できる。また、復調に失敗した後でも、オフラインによって復調処理を実行できる。また、現在、DVDレコーダなどにおいて実現されている「追っかけ再生」機能を使用すれば、リアルタイムの放送に徐々に追いつくことができる。
本発明の実施例において、Iピクチャの位置が通知されないので、推定部26がIピクチャの位置を推定している。しかしながらこれに限らず例えば、Iピクチャの位置が通知されてもよい。ISDB−T方式のフレーム構造には、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)と呼ばれる制御信号を付加すべき領域が存在する。この領域では、変調方式として、誤り耐性の強いものが使用される。このような領域に映像・音声の属性情報、例えばIピクチャの位置に関する情報を付加してもよい。例えば、受信装置100では、TMCCのような制御信号から、当該フレームが重要なフレームであるかを判定する。例えば、前述のようにIピクチャであれば、重要なフレームと判断する。さらに、重要なフレームに対しては、高い優先度を対応づける。本変形例によれば、受信装置100は、Iピクチャの位置の推定を省略できる。
10 アンテナ、 12 RF部、 14 FFT部、 16 処理部、 18 復調部、 20 復号部、 22 スクランブル解除部、 24 測定部、 26 推定部、 28 決定部、 30 映像・音声デコーダ、 32 出力部、 100 受信装置。
Claims (8)
- 複数のブロックによって構成された信号であって、かつ複数のブロックのそれぞれに対して複数のキャリアが使用された信号を複数のアンテナにてそれぞれ受信する受信部と、
前記受信部において受信した信号の品質を測定する測定部と、
前記測定部が測定した品質をもとに、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を変更しながら、前記受信部において複数のアンテナにて受信した信号に対して、アダプティブアレイ信号処理を実行する処理部とを備え、
前記受信部において受信した信号を構成する複数のブロックのそれぞれには、優先度が付与されており、
前記処理部は、優先度にもとづいてアダプティブアレイ信号処理を行い、ウエイトを計算することを特徴とする受信装置。 - 前記処理部は、品質が悪化した場合に、優先度の低いブロックよりも優先度の高いブロックに対して、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を少なくしながら、アダプティブアレイ信号処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
- 前記受信部において受信した信号は、音声データに対応したブロックあるいは映像データに対応したブロックを含んでおり、かつ音声データに対応したブロックの優先度が映像データに対応したブロックの優先度以上になるように規定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
- 前記受信部において受信した信号を構成する複数のブロックは、映像データに対応したブロックを含んでおり、かつ映像データは、複数のフレームのうちのひとつを符号化する際に、他のフレームを使用する第1符号化、あるいは複数のフレームのうちのひとつを符号化する際に、他のフレームを使用しない第2符号化に対応しており、第2符号化に対応したブロックの優先度が第1符号化に対応したブロックの優先度以上になるように規定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の受信装置。
- 前記受信部において受信した信号に含まれる第1符号化に対応したブロックのうち、第2符号化に対応したブロックに近接しているブロックほど、優先度が高くなるように設定されていることを特徴とする請求項4に記載の受信装置。
- 前記処理部は、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数として、複数種類のキャリアの数を規定しており、品質が悪化するにしたがって、少ない値のキャリアの数を選択しつつ、アダプティブアレイ信号処理を実行することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の受信装置。
- 前記受信部が既に受信した信号を構成する複数のブロックに対して、優先度ごとのブロックのデータ量を集計する集計部と、
前記集計部において集計したデータ量をもとに、高い優先度のブロックが受信されるべきタイミングを推定する推定部とをさらに備え、
前記処理部は、前記推定部において推定したタイミングを使用しつつ、優先度の高いブロックに対して、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を変更することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の受信装置。 - 複数のブロックによって構成された信号であって、かつ複数のブロックのそれぞれに対して複数のキャリアが使用された信号を複数のアンテナにてそれぞれ受信し、受信した信号の品質をもとに、アダプティブアレイ信号処理でのウエイトを共通化すべきキャリアの数を変更しながら、複数のアンテナにて受信した信号に対して、アダプティブアレイ信号処理を実行する受信方法であって、
受信した信号を構成する複数のブロックのそれぞれには、優先度が付与されており、優先度にもとづいてアダプティブアレイ信号処理を行い、ウエイトを計算することを特徴とする受信方法。
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2005
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