JP2006234133A - ホースの締結構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ホース20をニップル10に挿入し、ホースの外周をホースクランプ30で緊締し締結するホースの締結構造において、ホース20は、ゴム、熱可塑性エラストマーまたは軟質合成樹脂で形成され、ニップル10は、ホースを挿入する筒状部11と、ニップルを取付部材に固定するフランジ13から構成されるとともに、ニップル10は、硬質合成樹脂で形成され、ホースクランプ30の締結部分より先端側のホース内面とニップルの筒状部11の外面との間に空間を設け、空間24と連通する隙間40をニップルのフランジ13とホース先端面の間に設けることを特徴とするホースの締結構造である。
【選択図】 図1
Description
例えば、従来、自動車用燃料タンクの構造としては、金属製のものが用いられていたが、近年車両の軽量化や、錆が発生しないこと、所望の形状に成形しやすいことなどによって熱可塑性合成樹脂製のものが用いられるようになってきた。そのため合成樹脂製の燃料タンクにニップルを取り付ける場合は、溶着や接着が容易であり、ホースクランプで締め付けることができる強度を有しているため、硬質合成樹脂製のニップルが使用されている。
このとき、ニップル110の筒状部111の先端部112には、外周面に凸条が設けてホースの抜け止めを図ってもよい。
上記のように、燃料タンク1にガソリン等の燃料を注入する場合は、ガソリンの蒸気がニップル110の筒状部111を透過する。フィラーホース120は、ガソリン等の燃料を透過しない材料で形成されているため、透過したガソリンの蒸気の蒸気はフィラーホース120とニップル110の筒状部111の間に溜まることとなる。
このため、フランジ113や燃料タンク1の表面の汚染を防止し、ホース120を確実にニップルに締結することができるホースの締結構造が必要とされていた。
ホースは、ゴム、熱可塑性エラストマーまたは軟質合成樹脂で形成され、ニップルは、ホースを挿入する筒状部と、ニップルを取付部材に固定するフランジから構成されるとともに、ニップルは、硬質合成樹脂で形成され、ホースクランプの締結部分より先端側のホース内面とニップルの筒状部の外面との間に空間を設け、空間と連通する隙間をニップルのフランジとホース先端面の間に設けることを特徴とするホースの締結構造である。
ニップルは、ホースを挿入する筒状部と、ニップルを取付部材に固定するフランジから構成されるとともに、ニップルは、硬質合成樹脂で形成されるため、フランジと取付部材を確実に固着して、フランジの固着部分から燃料等の液体や気体の漏洩を防止することができる。筒状部が硬質合成樹脂で形成されるため、ホースの挿入後にホースクランプで締め付けることができる。
そのため、ニップルの筒状部を透過したガソリンの蒸気等による抽出物がフランジの表面に流出することがなく、フランジの表面を汚染することがない。
そのため、ニップルの筒状部を透過したガソリンの蒸気等がホース内の可塑剤等を抽出することがなく、フランジの表面に流出することがなく、フランジや燃料タンク等の表面を汚染することがない。
以下、本発明の実施の形態を、自動車用燃料タンクに固着されたニップルに、燃料タンクに燃料を注入するフィラーホースを例にとり、図1〜図4に基づき説明する。
燃料タンク1の上面にニップル10が固着されている。ニップル10は、円盤状のフランジ13と円筒状の筒状部11から一体に形成されている。フランジ13は、下面が燃料タンク1の上面と熱溶着または接着により強固に固着されている。フランジ13の中央部は、筒状部11の内径と同じ大きさで、燃料タンク1に設けられた燃料注入用の孔と同じ大きさの孔が設けられている。
図1は、フィラーホース20の先端をニップル10に取付けた部分の断面形状を示すものである。
フィラーホース20の先端付近の外周には、ホースクランプ30の締め付け部分において、ホースクランプ30を挟むように先端側と中心側に、2本のクランプ用リブ22、23が形成されている。クランプ用リブ22とクランプ用リブ23の間隔は、ホースクランプ30の幅よりも若干大きく設けられており、その間には、ホースクランプ30が装着される。
これによって、フィラーホース20の先端凹部24により形成された空間と、フィラーホース20の先端の端面とフランジ13の間の隙間40と直接連通させることができる。
そのため、筒状部11を透過したガソリンの蒸気等による抽出物がフランジ13の表面に流出することがなく、フランジ13や燃料タンク1の表面を汚染することがない。
フィラーホース20の内面は、第1の実施の形態と比べて、凹部が設けられていなく、他の部分と同じ肉厚であり、筒状部11に密着している。フィラーホース20の先端に先端凸状部が形成されていなく、先端面はフラットな同一平面状をなしている。
このため、フィラーホース20を筒状部11に挿入した場合は、この凹溝14においてフィラーホース20と筒状部11の間に空間が形成される。この凹溝14はフランジ13との接続部分付近まで形成されているので、この空間はフィラーホース20の先端とフランジ13の間の隙間40を経由して外部と連通している。
なお、ニップル10の凹溝14と凸部15は、いずれもニップル10を射出成形等で成形するときに同時に形成することができ、成形が容易であり、手間がかからない。
フィラーホース20の先端において、フィラーホース20の内面が外周先端から内周面方向に斜面状に切り欠かれて形成されている。この斜面により、フィラーホース20の内面と筒状部11の外面の間に空間が形成される。この斜面は、ホースの先端からクランプ用リブが形成されている部分の内面付近まで形成されることが好ましい。
この凹部24を経由して上記空間が外部と連通することができる。
このため、第1の実施の形態と同様に、燃料タンク1から発生したガソリン等の蒸気が、ニップル10の筒状部11を透過した場合でも、斜面により形成された空間から凹部24により形成された隙間40を経由して外部に放出される。したがって、透過したガソリンの蒸気等が筒状部11とフィラーホース20の間で溜まることがなく、フィラーホース20から可塑剤や配合剤を抽出することがない。したがって、フランジ13や燃料タンク1の表面を汚染することがない。
なお、フィラーホース20の先端の内面に形成された斜面状に切り欠きと、先端に形成された凹部24は、フィラーホース20を型成形する場合は、成形時に同時に形成することができ、成形が容易であり、手間がかからない
フィラーホース20を押出成形する場合は、ホースの先端内面をテーパー状に切り取り、先端の一部を半円状に切り取るのみで形成することができ、加工が容易である。
フィラーホース20の先端において、フィラーホース20の先端が全周に亘り切り欠かれているか、あるいは長手方向に部分的に複数の短冊状に外周先端から切り欠かれて形成されている。
このため、第1の実施の形態と同様に、燃料タンク1から発生したガソリン等の蒸気が、ニップル10の筒状部11を透過した場合でも、この切りかかれた部分からガソリン等の蒸気が、外部に放出される。したがって、透過したガソリンの蒸気等が筒状部11とフィラーホース20の間で溜まることがなく、フィラーホース20から可塑剤や配合剤を抽出することがない。したがって、フランジ13や燃料タンク1の表面を汚染することがない。
ニップル10を形成する材料は、合成樹脂製の燃料タンク1との溶着または接着性と耐燃料油性、強度等を考慮して選択される。さらに、ニップル10は、ホースクランプ30で締め付けられるときに、変形しないように強度の大きい硬質合成樹脂が使用される。たとえば、燃料タンク1が高密度ポリエチレンで形成されている場合は、ニップル10は、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアルコール、ポリアセタール、ポリアミド等の熱可塑性合成樹脂を使用することができる。
フィラーホース20を形成する材料は、耐燃料油性、柔軟性等を考慮して合成ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂から選択される。例えば、合成ゴムではNBR等を使用することができ、熱可塑性エラストマーと軟質合成樹脂の場合には表面にフッ素ゴムの薄膜を設けてもよい。
10 ニップル
11 筒状部
13 フランジ
14 凹溝部
15 凸部
20 フィラーホース(ホース)
22、23 クランプ用リブ
24 先端凹部
30 ホースクランプ
Claims (10)
- ホースをニップルに挿入し、該ホースの外周をホースクランプで緊締し締結するホースの締結構造において、
上記ホースは、ゴム、熱可塑性エラストマーまたは軟質合成樹脂で形成され、上記ニップルは、上記ホースを挿入する筒状部と、上記ニップルを取付部材に固定するフランジから構成されるとともに、上記ニップルは、硬質合成樹脂で形成され、
上記ホースクランプの締結部分より先端側のホース内面と上記ニップルの筒状部の外面との間に空間を設け、該空間と連通する隙間を上記ニップルのフランジとホース先端面の間に設けることを特徴とするホースの締結構造。 - 上記空間は、上記ホースクランプの締結部分より先端側のホース内面の全周または一部が凹部となり形成された請求項1に記載のホースの締結構造。
- 上記空間は、上記ニップルの筒状部の外面に設けられ、上記フランジとの連続部分付近から上記ホースクランプの締結部分まで長手方向に伸びる複数の凹溝により形成された請求項1に記載のホースの締結構造。
- 上記空間は、上記ホース先端の内面が外周先端から内周面方向に斜面状に切り欠かれて形成された請求項1に記載のホースの締結構造。
- 上記空間は、上記ホース先端の上記ホースクランプの緊締位置付近まで、全周が切り欠いて、または一部が複数の長手方向に短冊状に切り欠いて形成された請求項1に記載のホースの締結構造。
- 上記ニップルのフランジとホースの間に設けられ、上記空間と連通する隙間は、上記ニップルの上記筒状部との連続部分付近のフランジの上面に複数の凸部を形成し、該凸部に上記ホースの先端が当接することによりホースの先端とフランジの間に形成される請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のホースの締結構造。
- 上記ニップルのフランジとホースの間に設けられ、上記空間と連通する隙間は、上記ホースの先端に複数の凸状部を形成し、上記ホースの先端の凸状部が上記ニップルのフランジの上面に当接して、上記凸状部以外のホースの先端部分とフランジとの間で形成される請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のホースの締結構造。
- 上記ニップルのフランジとホースの間に設けられ、上記空間と連通する隙間は、上記ホースの先端に複数の凹部を形成し、上記ホースの先端を上記ニップルのフランジの上面に当接して、上記凹部の部分とフランジとの間で形成される請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のホースの締結構造。
- 上記ホースは、上記ホースクランプの締め付け部分においてホースの外周に、上記ホースクランプを挟むように先端側と中心側にリブを形成した請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のホースの締結構造。
- 上記ホースは、自動車用燃料タンクに燃料を供給するフィラーホースであり、上記ニップルは、自動車用燃料タンクにフィラーホースを取付けるニップルである請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のホースの締結構造。
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