JP2006232420A - エレベータの荷重補償方法及び荷重補償装置 - Google Patents

エレベータの荷重補償方法及び荷重補償装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 手間や労力をかけずに的確な補正量を取得し、常に最適な荷重補償を実現する。
【解決手段】 乗りかご3のかご室3aと支持フレーム3bとの間に設置された荷重センサ6と、予め先に無積載状態の荷重補償調整時に荷重センサ6から出力される第1の荷重信号を取り込んで記憶する手段12と、巻上機1に設けられた角速度センサ9の角速度から角加速度を演算し、この角加速度としきい値とからスタートショックを判定するスタートショック判定手段11と、前記第1の荷重信号とスタートショック判定後の無積載状態時に荷重センサ6の第2の荷重信号とを比較し、その信号変動値に応じた補正値を取得する補正値取得手段22と、取得された補正値を用いて第2の荷重信号を補正し、この補正済み荷重信号から荷重補償信号を演算する荷重補償演算手段23とを設けたエレベータの荷重補償装置である。
【選択図】図5

Description

本発明は、快適な乗心地を実現するためのエレベータの荷重補償方法及び荷重補償装置に関する。
エレベータは、快適な乗心地を実現する点から、乗客人数の変動にも拘らず、常に滑らかにスタート、ストップすることが求められている。特に、エレベータは、スタート時に不快な振動を起こさないこと、つまりアンバランス方向に走行させない、或いは走行方向と逆方向に飛び出さないように、適正な荷重補償を行って滑らかな運行を確保している例が多い。具体的には、スタート前に乗りかご内の荷重状態を把握し、つりあいおもりの重量とのアンバランス分に見合う荷重補償出力を巻上機のトルク指令値に加えてスタートすることにより、ショックの無い滑らかなスタートを実現している。
従って、最適な荷重補償を行うためには、乗りかごの荷重を正確に把握することが重要である。かご荷重を把握するには、かご室とかご支持フレームとの間に荷重センサを設置し、かご室の積載荷重の変化に伴って変化する距離を電圧に変換し、かご室の沈み量から荷重を計測する方式や直接受ける荷重を電圧変換する方式などがあるが、前者のかご室沈み量から荷重を計測する方式が比較的多く利用されている。
かご室の沈み量から荷重を計測する場合、かご室とかご支持フレームの間に荷重センサを設置するが、それ以外にもかご室の沈み量の変化を緩やかに吸収し、同時に防振効果を得るためにゴム材などの弾性体(以下、防振ゴムと呼ぶ)が介在されている。
ところで、防振ゴムは、常時かご室から圧縮を受けていることから徐々に永久たわみが発生するが、特にエレベータ設置当初に永久たわみが発生し易い。従って、適切に荷重補償を行うためには、設置当初だけでなく、その後も例えば2週間程度の期間を置いて、再度荷重センサの出力電圧と荷重補償出力との校正を繰り返し実施する必要がある。この校正作業は、荷重センサの出力電圧を調整する必要上、校正テスト用おもりを搬入して行うことになる。
また、従来、快適な乗心地を実現する技術としては、エレベータの振動解析装置が提案されている。この振動解析装置は、加速度センサを用いてエレベータの走行振動を測定し、パソコンに送信する。パソコンは、エレベータの走行速度と走行位置とに基づいて測定データの振動解析を行い、異常個所と異常の程度とを推定し、復旧に必要な支援情報を検索して表示する。作業員は、パソコンに表示される異常個所及び支援情報に基づいて復旧処理を行う(特許文献1)。
特開平10−226470号公報
しかし、防振ゴムの永久たわみの発生を考慮しつつセンサ出力電圧と荷重補償出力とを校正する場合、設置当初の段階だけでなく、その後も再度校正用おもりを搬入して校正作業を行うことから、校正作業時にエレベータのサービスを停止させる問題がある。また、校正テスト用おもりを搬送搬入し、おもりの重量を適宜に変えながら繰り返し調整作業を行うため、作業者の手間や労力の負担が大きいなどの問題がある。
また、後者の振動解析装置は、スタートショックを計測することが可能であるが、永久たわみを考慮しつつ荷重補償を行う場合には前者の補償方法と同様な校正作業を行う必要があるので、その校正作業の改善が望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、試行錯誤的な繰り返しによる校正作業を無くし、的確な補正量を取得し、常に最適な荷重補償を実現するエレベータの荷重補償方法及び荷重補償装置を提供することを目的とする。
(1) 上記課題を解決するために、本発明は、乗りかごを昇降する巻上機の角速度信号からエレベータのスタートショックを判定し、予め記憶される無積載状態の荷重補償調整時に荷重センサから出力される第1の荷重信号と前記スタートショック判定後の無積載状態に前記荷重センサから出力される第2の荷重信号とから補正値を取得し、この取得された補正値を用いて前記第2の荷重信号を補正し、この補正済みの荷重信号に基づいて荷重補償出力を得、前記巻上機のトルク指令に反映させるエレベータの荷重補償方法である。
この発明は、以上のようなエレベータの荷重補償方法とすることにより、荷重補償調整時に荷重センサから出力される第1の荷重信号と前記スタートショック判定後の無積載状態時に前記荷重センサから出力される第2の荷重信号とから防振ゴムの永久たわみを含む零調点変動に伴う荷重センサの荷重変動値を取り出すので、この荷重変動値を補正値として第2の荷重信号を補正し、この補正された第2の荷重信号から荷重補償量を得るようにすれば、従来のように校正テスト用おもりを搬入したり、思考錯誤を繰り返すことなくスタットショックのない状態に調整することが可能である。
さらに、前記補正済みの荷重信号から得られた荷重補償出力に基づいてエレベータをスタートさせ、そのスタート時のかごショック状態から前記補正値の妥当性を確認すれば、適正な補正値のもとに荷重補償量を出力することができ、スタットショックのない最適な運行状態を生成できる。
(2) 本発明に係るエレベータの荷重補償装置は、乗りかごのかご室とかご支持フレームとの間に設置された荷重センサと、予め先に無積載状態の荷重補償調整時に前記荷重センサから出力される第1の荷重信号を取り込んで記憶する手段と、乗りかごを昇降する巻上機に設けられた角速度センサの角速度信号から角加速度を演算し、この演算により得られる角加速度としきい値とからスタートショックを判定するスタートショック判定手段と、前記第1の荷重信号と前記スタートショック判定後の無積載状態時に前記荷重センサから出力される第2の荷重信号とを比較し、その信号変動値に応じた補正値を取得する補正値取得手段と、この取得された補正値を用いて第2の荷重信号を補正し、この補正済み荷重信号から荷重補償信号を演算する荷重補償演算手段とを設けた構成である。
この発明は以上のような構成とすることにより、前記(1)と同様に第1の荷重信号とスタートショック判定後の無積載状態時に荷重センサから出力される第2の荷重信号とから防振ゴムの永久たわみを含む零調点変動に伴う荷重センサの荷重変動値を補正値として取り出し、この補正値を用いて第2の荷重信号を補正し、この補正された第2の荷重信号から荷重補償量を得るようにすれば、防振ゴムの永久たわみを含む零調点変動に伴う荷重センサの荷重変動値により生じるスタートショックを無くすことが可能である。
なお、前記(2)の校正に新たに、所定期間経過ごとに自動的に起動をかけて新たな前記補正値を取得させる処理を実行させる起動手段を設ければ、所定期間経過ごとに自動的に新たな補正値を取得し、作業員に手間や労力をかけずに最適な荷重補償を実現することができる。
また、前述する構成に新たに、外部通信装置から送信されてくる起動指示を受けたときに起動をかけて新たな補正値を取得する処理を実行させる通信手段を設ければ、遠隔地から自動的に新たな補正値を取得し、作業員に手間や労力をかけずに最適な荷重補償を実現することができる。
本発明によれば、試行錯誤的な繰り返しによる校正作業を無くし、的確な補正量を取得し、常に最適な荷重補償を実現できるエレベータの荷重補償方法及び荷重補償装置を提供できる。
以下、本発明に係るエレベータの荷重補償方法の一実施形態を説明するに先立ち、防振ゴムに永久たわみが発生した場合の荷重センサ出力電圧と荷重補償量との関係について図面を参照して説明する。
図1は未調整状態の荷重センサの出力電圧と荷重補償量との関係を説明する図である。通常、かご室の沈み量である距離と荷重センサの出力電圧とが図1(a)に示すように比例関係にあると仮定すれば、例えば距離が1mm変化した時に荷重センサの出力電圧が0.4V、距離が2mm変化して時には荷重センサの出力電圧が0.8Vとなる。そして、未調整時、当該荷重センサの出力電圧と荷重補償量との関係は図1(b)に示すような関係にある。つまり、乗りかごのつりあい積載状態BLのとき、当該BLが荷重センサ出力電圧ゼロVと荷重補償量ゼロとの交点に存在する必要があるが、未調整段階であるために図示点線(イ)で示すようにずれている。なお、同図において、NLは無積載状態、FLは乗客定員に相当する乗客が乗りかごに乗ったときの満積載状態を示す。
そこで、未調整の段階では図1(b)に示すようなずれ(イ)が存在するので、調整によって荷重センサの出力電圧と荷重補償量とを図2のように校正する必要がある。この校正は、つりあい積載状態BLを荷重センサ出力電圧ゼロVと荷重補償量ゼロとの交点に合わせるとともに、無積載状態NLと満積載状態FLに対して極性付きの荷重補償量を出力するように調整することである。
よって、荷重センサの出力電圧と荷重補償量との理想的な関係は直線的な分布特性となる。しかしながら、実際にはかごフレームとガイドレールの摺動摩擦をはじめとする、かごが動き出す前の効率低下から、かごスタート時に体感上ショックを感じない領域は直線状に分布するわけでなく、この直線を中心としてある幅をもった図2の太線で示すが如く帯状領域(ロ)となる。無積載状態NL、つりあい積載状態BL、満積載状態FLを結ぶ直線分布が帯状領域(ロ)内に存在すれば、理想とする直線分布と異なったとしても、かごスタート時のショック等はなく、実使用上の障害はない。帯状領域(ロ)の幅は、例えばかごフレームとガイドレールの摺動摩擦や巻上機のシーブと乗りかごを吊り下げる主策との摩擦などの要因によって決定される。
しかし、センサ出力電圧と荷重補償量との直線分布は、エレベータの運転期間が経過するに従い、図3に示すように無積載状態NL、つりあい積載状態BL、満積載状態FLを結ぶ直線分布がNL´、BL´、FL´を結ぶ直線分布のようにずれてくる。図3において、(ハ)はずれ分を表し、(ニ)はオフセット値を表すものであって、当該オフセット値としてはマイナス荷重となる。すなわち、荷重センサの出力電圧は期間の経過とともにずれるが、これは前述したように防振ゴムの永久たわみが作用している為である。
そこで、荷重センサの出力電圧の変動値を把握し、当該変動電圧値に見合う補正値をセンサ出力電圧に加えて補正し、当該補正済みのセンサ出力電圧に基づいて荷重補償量を演算すれば、最適な荷重補償出力を得ることが可能である。
しかし、さらに、荷重センサの出力電圧のずれについて詳細に実験を繰り返していくと、期間の経過によって防振ゴムに永久たわみが発生するが、エレベータ設置当初の段階では防振ゴムの弾性定数に変化は現れない。すなわち、単位荷重当たりのゴム圧縮寸法には変化は現れない。防振ゴムの経年変化により諸定数の変化は当然あり得るが、これは数年単位の期間が経過した場合であり、特に問題とならない。
さらに、実験、検討を重ねた結果、荷重センサの出力電圧の変動は、防振ゴムの永久たわみ以外にもどの荷重状態でもセンサ出力電圧の変動値が同じ値をとることから、オフセット値である零調点の電圧変動も含まれていることが判明した。
そこで、本発明に係るエレベータの荷重補償方法としては、図4に示す手順に従って荷重補償を行う。
(a) 先ず、乗りかごの無積載状態の荷重補償調整時の荷重センサの出力電圧(荷重信号)を取り出して記憶する。
(b) 無積載状態時の荷重センサ出力電圧を記憶した後、乗りかごのスタートショックを判定する。スタートショックの判定は、例えば巻上機の軸に直接或いは間接的に角速度センサを設置し、当該角速度センサから得られる角速度信号を時間微分して角加速度信号を取り出し、この角加速度信号が予め定めるしきい値(角加速度値)を越えた場合、乗りかごにスタートショック有りと判定する。スタートショック有りと判定したとき、補正のトリガないしタイミングとして使用する。
(c) 補正トリガを受けた後、乗りかごが一定時間無方向状態を続けた場合に無積載状態と認識し、このときの荷重センサの出力電圧と既に記憶されている無積載状態のセンサ出力電圧とを比較し、その電圧変動値を補正値とし取得する。なお、補正値に対して予め補正上限値を設定し、補正値が補正上限値を越えるような場合、補正上限値に抑制することにより、無積載の誤認識による不具合を未然に回避する。
(d) しかる後、取得した補正値を用いて、荷重センサの出力電圧を補正し、荷重センサの補正済み出力電圧を得る。そして、当該補正済み出力電圧に基づいて荷重補償量を演算し、この演算によって得られた荷重補償量を出力し、巻上機に対するトルク指令に反映させるものである。
(e) 必要に応じて、前記補正値の妥当性を確認する。この妥当性の確認は、補正済み出力電圧に基づいて荷重補償量を出力しつつ乗りかごをスタートさせる。そして、乗りかごをスタートさせた後、前述した角加速度信号に基づいてショックが小または無しの状態となったとき、前記補正値が妥当であると判断し、以後、その補正値を用いて荷重補償を行う。一方、ショックが大きくなった場合、補正値をキャンセルし、異常データを出力するとともに、エレベータのサービスを継続する。
なお、エレベータのスタートショックが小となった場合、補正値を暫時増減させつつ同様に乗りかごをスタートさせ、同様に妥当性を判断し、より適切な補正値を求めることも可能である。
従って、以上のようなエレベータの荷重補償方法の実施形態によれば、スタートショックを判定した後、当初記憶された無積載状態の荷重補償調整時のセンサ出力電圧と現在無積載状態のセンサ出力電圧とを比較して補正値を取得する。そして、取得された補正値を用いてセンサ出力電圧に補正した後、この補正済み出力電圧に基づいて荷重補償量を算出するので、防振ゴムの永久たわみを含む荷重センサの零調点変動に伴って生じるセンサ出力変動を荷重補償によってショック無しの状態を生成することができる。従って、作業員に手間や労力をかけずに常に最適な荷重補償出力を維持することができる。
なお、補正値の取得後、確認運転を行う前に乗客の乗り込みが合った場合、補正値を使用することなく、エレベータのサービス運転を行うことも任意である。さらに、エレベータの設置後、過去の経験、知識に基づいて所定の年月まで前述する補正処理を継続するが、エレベータの設置後、相当の年月が経過した場合、防振ゴムの永久たわみの増加が起こり難くなるので、当該相当の年月を経過した後に前述する一連の補正処理を停止させることも可能である。
次に、以上のような荷重補正方法を適用した本発明に係るエレベータの荷重補償装置の一実施形態について図5を参照して説明する。
エレベータシステムは、建物内の昇降路上部の機械室または昇降路上部に巻上機1が設置されている。巻上機1には主索2が掛け渡され、この主索2一端部に乗りかご3、当該主索2他端部にはつりあいおもり4がそれぞれ吊り下げられている。乗りかご3は、乗客が乗るかご室3aとかご室3aを支持する外枠を形成するかご支持フレーム3bとで構成されている。
かご室3aとかご支持フレーム3bとの間の各角部相当部分にはかご室3aの沈み量の変化を緩やかに吸収し、同時に防振効果を得るためにゴム材などの防振ゴム5,…が介在されている。また、かご室3aとかご支持フレーム3bとの間には荷重センサ6が設置されている。荷重センサ6の出力はテールコード7などを介してエレベータ制御装置8に送られる。
一方、巻上機1の回転軸には直接或いは間接的に角速度を計測するための角速度センサ(例えばパルスエンコーダなど)9が設けられ、角速度センサ9で計測された角速度データはエレベータ制御装置8に送られる。
エレベータ制御装置8は、乗場呼びやかご呼びを登録し、呼び登録された乗場に走行し、また呼び登録されたかご呼びの指定階に走行する一般的な運行制御を実施する運行制御部10の他、少なくともかご室3aの荷重状態に拘らず、滑らかにスタートさせるために、スタートショック時に荷重センサ7の荷重信号に基づいて補正値を取得した後、補正値を考慮しつつ荷重補償量を出力し、巻上機1のトルク指令に反映させる荷重補償制御部11が設けられている。
荷重補償制御部11にはデータ記憶部12が接続されている。データ記憶部12には、エレベータ設置時におけるかご室3aの無積載状態の荷重補償調整時に荷重センサ6から出力される出力電圧(荷重信号)、スタートショック判定のためのしきい値その他荷重補償処理に必要なデータが記憶される。
また、荷重補償制御部11は、機能的には、スタートショック判定手段21と、補正値取得手段22と、荷重補償量演算手段23と、妥当性確認手段24とが設けられている。
スタートショック判定手段21は、角速度センサ9から出力される角速度を時間微分して得られる角加速度を監視し、当該角加速度と予めデータ記憶部12に記憶されるかごスタート時に体感上ショックを感じるに相当するスタートショック判定用しきい値とを比較し、角加速度がしきい値を越えたか否かに応じてスタートショックの有無を判定する。
補正値取得手段22は、乗りかご3が一定時間無方向状態を続けたときに無積載状態と認識し、このとき荷重センサ6から出力されるセンサ出力電圧と既にデータ記憶部12に記憶される無積載状態のセンサ出力電圧とを比較し、補正値を決定する機能をもっている。
前記荷重補償量演算手段23は、補正値取得手段22で決定された補正値を用いて、現在荷重センサ6から取り込んだセンサ出力電圧を補正し、当該荷重センサ6の補正済み出力電圧に基づいて荷重補償量を演算する。
前記妥当性確認手段24は、荷重センサの補正済み出力電圧によって算出された荷重補償量を用いて、乗りかご3をスタートさせ、ショックが小または無しか、或いはショックが大きくなったかを判断し、ショックが小または無しの場合には補正値が妥当であることを確認する。補正値が妥当でない場合、再度補正値を増減させつつ、同様に妥当性を確認する。
次に、以上のようなエレベータの荷重補償装置の動作について説明する。
先ず、エレベータ設置当初、作業員が荷重補償調整を行い、乗りかご3の無積載状態を作り出す。エレベータ制御装置8は、荷重補償調整後、無積載状態での荷重センサ6の出力電圧を取り込み、データ記憶部12に記憶する。乗りかご3の無積載状態時に荷重センサ6の出力電圧を取り込む理由は、乗りかご3の無積載状態が最も多い為である。
以上のようにして荷重補償調整を行った時点の荷重センサ6の出力電圧をデータ記憶部12に記憶した後、エレベータ制御装置8からの運行制御指示に従って乗りかご3をスタートさせる。このとき、スタートショック判定手段21は、角速度センサ9から角速度を取り込んで時間微分して角加速度を取り出すことにより、かごスタート時のショックの有無を監視する。つまり、スタートショック判定手段21は、角加速度とスタートショック判定用しきい値とを比較し、角加速度がしきい値を越えた場合にスタートショック有りと判定し、その判定結果の補正トリガ信号を補正値取得手段22に渡す。
補正値取得手段22は、補正トリガ信号を受けると、乗りかご3が一定時間無方向状態を継続したことをもって無積載状態と認識し、このとき荷重センサ6から取り込んだセンサ出力電圧と既にデータ記憶部12に記憶されている無積載状態のセンサ出力電圧とを比較し、その電圧差に相当する電圧変動値をもって補正値として決定し、荷重補償量演算手段23に送出する。荷重補償量演算手段23は、決定された補正値を用いて、現在荷重センサ6から取り込んだセンサ出力電圧を補正し、当該荷重センサ6の補正済み出力電圧に基づいて荷重補償量を演算し出力し、巻上機1のトルク指令に反映させることにより、ショックの無いスタート状態を生成する。
なお、妥当性確認手段24は、補正値の妥当性を判断する場合に限り実行する。すなわち、妥当性判断手段24は、補正値を用いてセンサ出力電圧を補正し、その補正済み出力電圧から算出された荷重補償量を用いて乗りかご3をスタートさせ、スタートショックが小または無しか、或いはスタートショックが大かを確認する。なお、確認に際しては、角速度センサ9から得られる角加速度の大小に基づいて判断し、ショックが小または無しとなった場合には補正値が妥当であると判断し、以後、この補正値を採用し、センサ出力電圧を補正しつつ荷重補償量を出力する。補正値は、無積載状態NLのみならず、つりあい積載状態BL、満積載状態FL及びそれらの中間積載状態においても継続的に使用する。
以上のような実施の形態によれば、前述した荷重補償方法と同様に、スタートショックを判定した後、先に無積載状態の荷重補償調整後のセンサ出力電圧と現在の無積載状態のセンサ出力電圧とを比較し補正値を取得し、この補正値に基づいてセンサ出力電圧を補正し、この補正済み出力電圧に基づいて荷重補償を行うので、期間経過によって防振ゴムの永久たわみを含む荷重センサの零調点の変動に伴うセンサ6の出力ずれを適切に補正でき、常に最適な荷重補償出力を維持することができる。また、従来のように校正テスト用おもりを搬入して調整する必要がないので、調整作業の手間や労力を大幅に低減できる。
図6は本発明に係るエレベータの荷重補償装置の他の実施形態を説明する図である。
前述した実施の形態では、適宜な時期に荷重センサ6の出力側と角加速度センサ9の出力側にパソコンなどの荷重補償装置を接続し、前述した一連の処理のもとに取得した補正値をエレベータ制御装置8の適宜な記憶手段(図示せず)に記憶し、スタート時に荷重補償に利用することが可能である。
これに対し、この実施の形態では、エレベータ制御装置8内に荷重補償制御部11を収納するとともに、当該荷重補償制御部11に新たに起動手段25を設け、所定期間ごとに自動的に図5に示す荷重補償制御部11を実行し、新たな補正値を取得し、この補正値のもとに荷重補償を行う構成であってもよい。このとき、得られた補正値のもとに補正されたセンサ出力電圧を無積載状態時の新たなセンサ基準出力電圧としてデータ記憶部12に記憶し、以後、センサ基準出力電圧と無積載状態のセンサ出力電圧とを比較し、その電圧変動値をもって補正値とすることは任意である。
従って、この実施の形態によれば、一定の期間ごとに自動的に一連の荷重補償制御を実行し、補正値を取得するので、常に最適な荷重補償状態で運行サービスを継続でき、作業員による再調整の省略に貢献する。
図7は本発明に係るエレベータの荷重補償装置の他の実施形態を説明する図である。
この実施の形態は、荷重補償制御部11に少なくとも受信機能をもった通信手段26を設け、この通信手段26と監視室又は保守サービスセンタ等に設置される外部通信装置30とを電話回線網又は無線LAN等で接続する。そして、通信手段26は、外部通信装置30から伝送されてくる起動指示を受信したとき、荷重補償制御部11に補正値の取得を含む荷重補償処理を実行させるものである。
なお、必要に応じて処理動作中に中断させるとか、或いは外部通信装置30から所定の期間ごとに自動的に起動指示を出し、エレベータ制御装置8の荷重補償制御部11を定期的に補正値の取得を含む荷重補償処理を実行させる構成であってもよい。
よって、この実施の形態によれば、遠隔地が起動指示を出しながら荷重補償制御部11に所要とする処理を実行させることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、各実施の形態は組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。
未調整状態における荷重センサ出力電圧と荷重補償量との関係を説明する図。 調整状態における荷重センサ出力電圧と荷重補償量との関係を説明する図。 防振ゴムに永久たわみが発生した場合の荷重センサ出力電圧と荷重補償量との関係を説明する図。 本発明に係るエレベータの荷重補償方法の一実施の形態としての処理手順を説明する図。 本発明に係るエレベータの荷重補償装置の一実施の形態を説明するエレベータシステムを含んだ構成図。 本発明に係るエレベータの荷重補償装置の他の実施形態を示す機能ブロック図。 本発明に係るエレベータの荷重補償装置のさらに他の実施形態を示す機能ブロック図。
符号の説明
1…巻上機、2…主索、3…乗りかご、3a…かご室、3b…かご支持フレーム、4…つりあいおもり、5…防振ゴム、6…荷重センサ、8…エレベータ制御装置、11…荷重補償処理部、12…データ記憶部、21…スタートショック判定手段、22…補正値取得手段、23…荷重補償量演算手段、24…妥当性確認手段、25…起動手段、26…通信手段、30…外部通信装置。

Claims (5)

  1. エレベータのスタートショックを滑らかにするために荷重補償するエレベータの荷重補償方法において、
    乗りかごを昇降する巻上機の角速度信号からエレベータのスタートショックを判定し、予め記憶される無積載状態の荷重補償調整時に荷重センサから出力される第1の荷重信号と前記スタートショック判定後の無積載状態に前記荷重センサから出力される第2の荷重信号とから補正値を取得し、この取得された補正値を用いて前記第2の荷重信号を補正し、この補正済みの荷重信号に基づいて荷重補償出力を得ることを特徴とするエレベータの荷重補償方法。
  2. 請求項1に記載のエレベータの荷重補償方法において、
    前記補正済みの荷重信号から得られた荷重補償出力に基づいてエレベータをスタートさせ、そのスタート時のかごショック状態から前記補正値の妥当性を判断し、スタートショックの無い状態を生成することを特徴とするエレベータの荷重補償方法。
  3. エレベータのスタートショックを荷重補償するエレベータの荷重補償装置において、
    乗りかごのかご室とかご支持フレームとの間に設置された荷重センサと、
    予め先に無積載状態の荷重補償調整時に前記荷重センサから出力される第1の荷重信号を取り込んで記憶する手段と、
    乗りかごを昇降する巻上機に設けられた角速度センサの角速度信号から角加速度を演算し、この演算により得られる角加速度としきい値とからスタートショックを判定するスタートショック判定手段と、
    前記第1の荷重信号と前記スタートショック判定後の無積載状態時に前記荷重センサから出力される第2の荷重信号とを比較し、その信号変動値に応じた補正値を取得する補正値取得手段と、
    この取得された補正値を用いて第2の荷重信号を補正し、この補正済み荷重信号から荷重補償信号を演算する荷重補償演算手段とを備えたことを特徴とするエレベータの荷重補償装置。
  4. 請求項3に記載のエレベータの荷重補償装置において、
    所定期間経過ごとに自動的に起動をかけて新たな前記補正値を取得させる処理を実行させる起動手段を設けたことを特徴とするエレベータの荷重補償装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載のエレベータの荷重補償装置において、
    外部通信装置から送信されてくる起動指示を受信した場合、起動をかけて新たな前記補正値を取得する処理を実行させる通信手段を設けたことを特徴とするエレベータの荷重補償装置。
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