JP2006231787A - インクジェット記録用ボードの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境変化に対するカールの発生が極めて少なくプリンタートラブルを防止でき且つ支障無く展示や鑑賞等に用いることができるインクジェット記録用ボードを、低コスト且つ簡便に得ることができるインクジェット記録ボードの製造方法を提供すること。
【解決手段】複数のシートを接着剤にて貼り合わせるインクジェット記録用ボードの製造方法において、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層のシリカ及び/又はアルミナを含有するインク受理層を有するシートと、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層の炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートを、最外面の片面が該インク受理層でありその反対面が該炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層になるよう貼り合わせた後、シートデカーラー処理にて、カール調整を行うことを特徴とするインクジェット記録用ボードの製造方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】複数のシートを接着剤にて貼り合わせるインクジェット記録用ボードの製造方法において、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層のシリカ及び/又はアルミナを含有するインク受理層を有するシートと、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層の炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートを、最外面の片面が該インク受理層でありその反対面が該炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層になるよう貼り合わせた後、シートデカーラー処理にて、カール調整を行うことを特徴とするインクジェット記録用ボードの製造方法である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録媒体の製造方法に関するものである。より詳しくは、板紙状のインクジェット記録媒体であるインクジェット記録用ボードの製造方法に関するものである。
インクジェット記録は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録媒体に付着させ、画像・文字などの記録を行なうものである。インクジェット記録には、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があり、文字や図形、カラー画像などの記録装置として、種々の用途において急速に普及している。
インクジェット記録方式に適用される記録媒体には、平版印刷、凸版印刷、グラビア印刷等に使用される上質紙やコート紙が挙げられ、これらを使用してインクジェット記録装置やインク組成の面から良好な画質を得る方法が検討されてきた。しかし、インクジェット記録の高速化、要求される画像の高品位化、用途の拡大等により、これらの要求を満足するためには、該記録装置やインク組成からの対応だけでは困難となってきている。
このような要求に対して、従来からいくつかの提案が行われてきた。インク吸収性向上や印字ドットの拡散防止に対しては支持体上にインク受理層を設ける方法(特開昭52−9074号公報、同58−72495号公報等)、インク受理層中におけるインク中の染料成分の分布状態が色彩性や鮮鋭性に影響することに着目して、染料成分を吸着する特定の剤を用いる方法(特開昭55−144172号公報)が示されている。又、耐光性、耐水性、耐オゾン性を向上させるために、塩基性オリゴマーを含有させること(特開昭60−11389号公報)、基材中又は基材上の塗工層にポリビニルアミン共重合物を用いること(特開昭64−8085号公報)等が示されている。
一方、用途の多様化に伴って、インクジェット記録が展示用のポスターやPOPアートの作製、絵画の複製等に使用されることが多くなっている。得られた画像を展示する場合、記録媒体シートの厚さが薄いとそれを支持する物が必要となるため、記録媒体単独で展示に用いられる板紙状のインクジェット記録媒体(インクジェット記録用ボード)が要求されている。
このような要求に対して、上記のような厚さが薄い記録媒体シートに画像を記録後、板紙等に貼り付けることが行われているが、コストがかかる上に貼り付け時にしわが入ったり記録画像が汚れる可能性があるなどの問題点がある。また、板紙として通常用いられる支持体に、インク受理層等の塗工層を設ける事は生産性等の点で困難であった。更に、記録前の記録媒体シートを板紙に貼り合わせてインクジェット記録用ボードとしてインクジェット記録に用いる試みがなされている(たとえば、特許文献1参照)が、記録媒体シートと板紙の、温度や湿度の環境変化に対する挙動が異なるため、貼り合わせたインクジェット記録用ボードにカールが発生しやすく、プリンターでの通紙不良や記録媒体の印字記録面に印字ヘッドが擦れることによる印字不良や印字ヘッドの故障等のプリンタートラブルを引き起こしたり、画像記録後の記録媒体が筒状にカールしてしまうといった問題点が多々あり、改良が求められている。
特開2003−291492号公報
本発明の課題は、環境変化によるカールの発生が極めて少なくプリンタートラブルを防止でき、且つ、支障無く展示や鑑賞等に用いることが出来るインクジェット記録用ボードを、低コスト且つ簡便に得ることができるインクジェット記録ボードの製造方法を提供することにある。
本発明の発明者らは、かかる課題を解決するために様々な構成のインクジェット記録ボードの製造方法について検討し、以下の構成により解決できることを見出した。
すなわち、複数のシートを接着剤にて貼り合わせてなる、片面上に少なくとも1層のインク受理層を有するインクジェット記録用ボードであって、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層のシリカ及び/又はアルミナを含有するインク受理層を有するシートと、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層の炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートを、最外面の片面が該インク受理層でありその反対面が該炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層になるよう貼り合わせた後、シートデカーラー処理にてカール調整を行うことを特徴とするインクジェット記録用ボードの製造方法である。
ここで、該インクジェット記録媒体全体の水分含有量が7〜8質量%でシートデカーラー処理を行い、カール調整を行うことが好ましい。
また、50cm×50cmの大きさの該インクジェット記録用ボードにおいて、シートデカーラー処理直後、23℃50%RHの環境下で平面上にインク受理層面を下向きに置いたときの4隅の浮き上がり量の平均値が20〜150mmであることが好ましい。
本発明によれば、環境変化に対するカールの発生が極めて少なくプリンタートラブルを防止でき且つ、支障無く展示や鑑賞等に用いることができるインクジェット記録用ボードを、低コスト且つ簡便に得ることができるインクジェット記録用ボードの製造方法を提供することができる。
本発明におけるインクジェット記録媒用ボードは、複数のシートを接着剤にて貼り合わせてなり、片面上に少なくとも1層のインク受理層を有する構成であり、その製造には、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層のシリカ及び/又はアルミナを含有するインク受理層を有するシートと、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層の炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートを用いる。
該インク受理層を有するシート、或いは該炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートの支持体としてはパルプを主成分とする紙を用いる。紙を構成するパルプとしては、天然パルプ、古紙パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。天然パルプとしては、通常製紙用に使用されるパルプ、即ち、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)等の晒ケミカルパルプ等が、いずれも使用可能である。また、メカニカルパルプ(GP、RGP、TMP等)であってもよく、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドパルプ(CGP)でもよい。更に、藁、エスパルト、バガス、ケナフ等の草類繊維、麻、楮、雁皮、三椏等の靱皮繊維、綿等より製造した非木材パルプを使用することもできる。
パルプは抄紙適性ならびに、強度、平滑性、地合の均一性等といった紙の諸特性等を向上させるため、ダブルディスクリファイナー等の叩解機により叩解される。叩解の程度(濾水度)は、カナディアン スタンダード フリーネスで200ml〜600ml程度の通常の範囲で目的に応じて選択することが出来る。
叩解されたパルプスラリーは、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、又は、丸網抄紙機等の抄紙機により抄紙される。特に、支持体の坪量を大きくしたい場合には、円網抄合せ抄紙機、長網抄合せ抄紙機、インバーフォーム抄紙機等の抄紙機を用い、表層をケミカルパルプ等、中層をメカニカルパルプや古紙パルプ等、裏層をケミカルパルプやメカニカルパルプや古紙パルプ等を用いての多層抄きにて抄紙することもできる。また、抄紙の際、通常抄紙に際して用いられるパルプスラリーの分散助剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、填料、サイズ剤、定着剤等の諸添加物は全て必要に応じて添加することが可能である。必要によりpH調節剤、染料、有色顔料、及び蛍光増白剤等も添加することが可能である。
分散助剤としては例えばポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、とろろあおい等が、紙力増強剤としては例えば植物性ガム、澱粉、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のアニオン性紙力増強剤、カチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性紙力増強剤が、填料としては例えばクレー、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が、サイズ剤としては例えば高級脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、ジアルキルケテンダイマー、アルケニル或いはアルキルコハク酸塩、エポキシ化脂肪酸アミド、多糖類エステル等が、定着剤としては例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性ポリマー等が、pH調節剤としては塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が適宜用いられる。
また、支持体には、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する液を、タブサイズ、サイズプレス、ゲートロールコーターあるいはフィルムトランスファーコーター等で含浸加工することも可能である。
上記水溶性高分子添加剤としては、例えば澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等、無水マレイン酸樹脂等の水溶性高分子、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性高分子接着剤等が用いられ、更にこの他、サイズ剤として石油樹脂エマルジョン、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン等のディスパージョンが挙げられる。その他の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ボウ硝等が、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコール等が、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が、pH調節剤として塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられ、その他染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
インク受理層を有するシート、或いは炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートの支持体の坪量が大きすぎると、塗工工程に無理が生じたり生産性が低下する可能性があるため、一般に用いられる塗工装置で低コスト且つ簡便に塗工するためには、支持体は坪量40g/m2以上550g/m2以下のものを用いることが好ましい。
本発明におけるインク受理層とは、シリカ及びアルミナから選ばれる少なくとも一種の顔料と必要に応じバインダーを含有するインク吸収性のある多孔質層を言う。このインク吸収性のある多孔質層を設けることにより、記録媒体のインク溶媒吸収速度が向上し、記録媒体表面でインク色材が移動して記録画像にムラが生じることを防ぐことが可能となる。
このインク受理層に使用するシリカとしては、多孔性合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、気相法シリカ等が挙げられ、アルミナとしては、多孔性アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム等が挙げられる。上記の中でも多孔質層の主体成分として含有する顔料としては多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性アルミナが挙げられ、特に細孔容量の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
本発明のインク受理層に含有する顔料としては、シリカ、アルミナ以外に、必要に応じて、公知の顔料を混合して用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、アクリル系樹脂、ポリスチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などが挙げられる。
ここで、シリカ及び/又はアルミナの含有量が、該塗工層に含有される顔料の50質量%以上であることが好ましい。
インク受理層に使用するバインダーとしては、例えば、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子又はこれらの誘導体、ポリビニルアルコール又はそのカチオン変性物やシラノール変性物、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸の重合体又はその共重合体等の水溶性合成高分子、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体やエチレン−酢酸ビニル共重合体等の水系エマルジョン等を挙げることができる。これらのバインダーは単独或いは複数を併用してもよく、必要に応じ顔料に対し2質量%以上200質量%以下を添加する。
インク受理層を形成するための塗工液には、顔料、バインダー及び溶媒に加え、必要に応じて、界面活性剤、着色染料、着色顔料、カチオン性化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
インク受理層の乾燥塗工量としては3〜30g/m2、より好ましくは5〜20g/m2である。塗工量が3g/m2未満ではインク溶媒を吸収しきれず記録画像にムラが生じやすくなり、30g/m2を超えると塗工時のインク受理層の乾燥負荷が大きくなり好ましくない。
インク受理層は塗工液を塗工装置を用いて支持体上に塗工、乾燥することにより形成される。塗工液の塗工方法としては、例えば、スライドホッパー方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等の通常用いられている塗工方法が用いられる。又、乾燥後に、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて平坦化仕上げすることも可能である。
本発明におけるインク受理層は2層以上の積層構造としてもかまわない。インク受理層の最表層として光沢発現層を設けることにより、印字記録面表面に光沢を有するインクジェット記録媒体を得ることが出来る。この場合、1層構造のインク受理層が光沢発現層であってもよいが、前述のようなインク溶媒を吸収する多孔質層の上に光沢発現層を設けた機能分離型の積層構造を用いることが好ましい。光沢性としては、印字記録面表面のJIS Z8741に規定される75度光沢度が50%以上であることが好ましい。
光沢発現層は、平均粒径が100nm以下の無機超微粒子及び、必要に応じてバインダーを含有することが好ましい。無機超微粒子の平均粒径が100nmより大きい場合は、十分な表面光沢が得られにくい。
無機超微粒子が、平均粒径100nm以下の微粒子が凝集し二次凝集粒子を形成している場合は、平均二次粒子径が400nm以下のものを使用することが好ましい。無機超微粒子の平均二次粒子径が400nmより大きい場合は、十分な表面光沢が得られにくい。
このような無機超微粒子としては、例えば、特開平1−97678号公報、同2−275510号公報、同3−281383号公報、同3−285814号公報、同3−285815号公報、同4−92183号公報、同4−267180号公報、同4−275917号公報などに開示されているアルミナ水和物である擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されている、気相法シリカを高速ホモジナイザーで分散したシリカゾル、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができる。これらの無機超微粒子の中でも、コロイダルシリカ、気相法シリカ、アルミナ化合物(アルミナ水和物或いは酸化アルミニウム微粒子)が好ましい。
光沢発現層には、バインダーとして水溶性或いは水分散性の高分子化合物を添加しても良い。例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系接着剤、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、及びアルブミン等の天然高分子樹脂又はこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルジョン類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び無水マレイン酸又はその共重合体等を挙げられる。
これらのバインダーは単独或いは複数を併用してもよく、好ましくは無機超微粒子に対し2質量%以上50質量%以下を添加する。バインダーの添加量が2質量%に満たないと塗膜強度が弱くなり、50質量%を超えて添加するとインク吸収性が低下する。
光沢発現層を形成するための塗工液には、顔料及びバインダーに加え、必要に応じて、有機顔料、界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
光沢発現層を形成する方法としては、様々な方法を用いることができる。例えば、無機超微粒子を単独又は適切なバインダーと共に溶媒中に分散、混合した塗工液を支持体上に塗工した後、単に乾燥する方法、乾燥後の塗工層表面をスーパーカレンダー等の装置を用いて平坦化仕上げする方法、塗工層が湿潤状態にある間に、もしくは一旦乾燥後再湿潤してから鏡面ロールに圧接し、鏡面ロール表面の形状を塗工層に転写する、いわゆるキャストコート法等によって光沢発現層を形成することが可能であるが、光沢性とインク吸収性を両立するためにはキャストコート法を用いることが好ましい。
光沢発現層の乾燥塗工量としては1〜30g/m2、好ましくは3〜20g/m2である。塗工量が1g/m2未満では光沢が十分に発現されず、30g/m2を超えると塗工時の光沢発現層の乾燥性が悪くなるため好ましくない。
本発明の炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートは、前記の紙支持体上に少なくとも1層以上の塗工層を有しており、該塗工層に炭酸カルシウム及びカオリンから選ばれる少なくとも一種の顔料と必要に応じバインダーを含有する。
本発明で使用できる炭酸カルシウムには、天然の石灰石を物理的に粉砕処理して得られる重質炭酸カルシウムと、化学的方法により合成して得られる軽質炭酸カルシウムがある。更に、結晶型から、カルサイト型、アラゴナイト型及びバテライト型とに分類される。軽質炭酸カルシウムの製造方法としては石灰乳に炭酸ガスを吹き込んで反応させる炭酸ガス化合法と、炭酸塩を塩化カルシウム水溶液等と反応させて得られる炭酸塩溶液化合法等があり、現在は、前者の炭酸ガス化合法が多く採用されている。
本発明で使用できるカオリンは、粘土鉱物中のカオリン鉱物のことであり、純度と白色度を向上させるために精製を施されたものである。精製処理には既知の方法が用いられ、湿式法と乾式法のいずれの方法によって処理されたものでもよいが、湿式法にて処理されたものの方が、性状が均一で夾雑物が少ないため好ましい。
また、本発明に使用するこれら顔料の平均粒子径が0.02〜8μmの範囲、より好ましくは0.1〜5μmの範囲のものが好ましい。平均粒子径が0.02μmより小さいと、塗工液の粘度が上昇したり、基材との接着性が悪くなるため好ましくない。また、平均粒子径が8μmより大きいと表面の平滑性が悪くなるため好ましくない。
本発明の塗工層に含有する顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン以外に、必要に応じて、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト等の鉱物顔料や、ポリスチレン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、メラニン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の微粒子、及び微小中空粒子等の有機合成粒子等を適宜選択して併用することもできる。
ここで、炭酸カルシウム及び/又はカオリンの含有量が、該塗工層に含有される顔料の50質量%以上であることが好ましい。
バインダーとしては、例えば、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂又はこれらの誘導体、ポリビニルアルコール又はそのカチオン変性物やシラノール変性物、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体やエチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックス類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸の重合体又はその共重合体等を挙げることができるが、これらを単独又は二種以上を組み合わせて使用しても良い。
炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層及び該塗工層を形成するための塗工液中には、必要に応じて、界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
該塗工層の乾燥塗工量としては、1〜40g/m2、より好ましくは5〜30g/m2の範囲が好ましい。
該塗工層は上記構成成分を含む塗工液を塗工装置を用いて支持体上に塗布、乾燥することにより形成される。塗工液の塗工方法としては、インク受理層の塗工に用いたものと同様の塗工方法が用いられる。
該塗工層に表面平滑を付与するために、塗工層を塗工後、カレンダー処理法によって塗工層の表面平滑化処理を行うことが好ましい。カレンダー処理は、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、熱カレンダー、ソフトカレンダー等の装置を用いて行うことができる。更に、キャスト処理法によって塗工層の表面平滑化処理を行うことも可能である。
本発明におけるインクジェット記録用ボードは、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層のシリカ及び/又はアルミナを含有するインク受理層を有するシートと、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層の炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートを接着剤にて貼り合わせて得られる。
貼り合わせは、上記シートの貼り合わせ面に接着剤を塗工し、該接着剤面と貼り合わせに用いる他のシートの貼り合わせ面を重ねて、プレスロール等で圧着する方法が一般に行われる。本発明においては、各シートをカットシート状にして貼り合わせてもよいし、長尺シートとして連続的に貼り合わせてもかまわない。
接着剤は一般に用いられる接着剤を用いることができる。例えば主成分の構成で分類すると、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アルブミン等の天然高分子系接着剤、ポリビニルアルコール及びその変性物、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、無水マレイン酸の重合体又はその共重合体等の水溶性合成高分子系接着剤、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂系接着剤、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、SBR等のエラストマー系接着剤等が挙げられる。これらの中で、本発明の効果を高めるためには、熱可塑性樹脂系接着剤が好ましく、エチレン−酢酸ビニル樹脂系接着剤が特に好ましい。
また、接着剤を硬化方法により分類すると、水又は有機溶剤等の揮発成分に接着剤成分を溶解或いは分散し、該揮発成分が揮発や浸透拡散することにより接着性を発現する溶媒放散型接着剤、モノマーやオリゴマーが化学反応により高分子化することにより接着性を発現する化学反応型接着剤、接着剤成分を加熱し溶融状態で塗工した後、冷却により固化し接着性を発現する熱溶融型接着剤等が挙げられ、本発明ではいずれも使用することができるが、生産の容易性、作業環境等を考慮すると、水性溶媒放散型接着剤の使用による方法が最も好ましい。
接着剤の塗工量としては、1〜40g/m2、より好ましくは10〜30g/m2の範囲が好ましい。
接着剤を塗工する装置には、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーターの他、スロットノズル、スロットダイ、ロータリースクリーンプリンター、グラビアコーター、オフセットグラビアコーター、ホットメルトホイール、スパイラルスプレー等があり、接着剤の種類及び塗布量、塗布した接着剤にパターンを付与する必要性等、用途に合った選択を適宜行えば良い。
インクジェット記録媒体を板紙状のインクジェット記録媒体(インクジェット記録用ボード)として用いるためには、坪量が800g/m2以上2000g/m2以下であることが好ましい。本発明においては、上記のようにインク受理層等の塗工層を有する複数のシートを貼り合わせることにより、インクジェット記録媒体をこの性状とすることが可能である。
本発明において、該インク受理層を有するシートと該炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートを貼り合わせる際に、最外面の片面が該インク受理層でありその反対面が該炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層になるように貼り合わせることが好ましい。
ここで、該炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートの使用量が2枚であり、該炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層が両外面になるよう貼り合わせた上に、該インク受理層を有するシートを貼り合わせることが好ましい。
また、該炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートと該インク受理層を有するシートを貼り合わせる際に、各シートの支持体紙層の抄紙方向(抄紙された支持体紙層ウェッブの抄紙機中での流れ方向)が一致するよう貼り合わせることが好ましい。
本発明におけるインクジェット記録用ボードは貼り合わせ後、シートデカーラー処理にてカール調整を行うことにより製造することができる。シートデカーラー処理により環境変化に対するカール発生が極めて少なくなり、特にワイドフォーマットインクジェットプリンターでの使用において、プリンターへの通紙不良、記録媒体に印字ヘッドが擦れることによる印字不良や印字ヘッドの故障等のプリンタートラブルを防止することが可能となる。
デカーラーの装置としては、ブレード方式、ロール方式、小径ロール方式等の機構によるものが知られており、本発明においていずれも使用することができるが、その機構により一長一短があり、状況により選択して用いることが好ましい。ブレード方式は2本のロール間を一定テンションで走行するウェブにブレード状(又は角状)のデカーラーを押し付けるものであり、カール矯正効果は高いが、固定体を押し付けるため、静電気が発生し摩擦でウェブに損傷を与えたり、過剰に作動させるとウェブを破断するおそれがある。ロール方式はブレードの代わりに回転ロール(φ40〜80mm)を複数回にわたって押し付けるものであり、ロールが回転体の為、ブレード方式と比べ傷の発生は激減するが、設置スペースが大きい割にはカール矯正効果が小さいのが現実である。また、小径ロール方式はブレード方式とロール方式の長所併せ持つべく開発されたデカーラーであり、極めて小径の回転ロール(φ12〜20mm)を押し付け、小径ロールの圧接力と回転支軸ロールのスピードの調整によりカールを矯正するものである。回転ロールは高硬度の回転体の為、ウェブの損傷は殆ど発生せず、小径ロールは一定ピッチに配置されたバックアップベアリングにて支持され、なおかつ微小なクリアランスで配置された永久磁石にて小径ロールの撓みを防ぐよう工夫されている。本発明のおいて用いられるデカーラー装置としては、前記機構によるものに限られることはないが、デカーラー処理の効果、インクジェット記録用ボードの損傷を考慮すると、小径ロール方式を使用することが好ましい。
水性溶媒放散型接着剤を用いて貼り合わせたインクジェット記録用ボードをシートデカーラー処理する場合、貼り合わせ直後の水分含有量はおよそ8〜9質量%であるが、自然乾燥あるいは40℃以下での微加温保存により、23℃50%RHでのインクジェット記録用ボード全体の水分含有量が7〜8質量%とした後に処理することが好ましい。貼り合わせ直後の水分含有量が高い状態でシートデカーラー処理を行うと、糊の硬化が進んでいないためカール戻りが大きく、環境変化に対してカールの安定性が得られにくい。水分含有量は、該記録媒体を100℃以上の温度で水分が完全に揮発するまで加熱乾燥処理を行い、乾燥前質量と比較することにより測定することが出来る。
シートデカーラー処理直後のカール値は、経時でのカール戻りと種々の環境条件を考慮して、50cm×50cmの大きさのインクジェット記録用ボードにおいて、23℃50%RHの環境下で平面上にインク受理層面を下向きに置いたときの4隅の浮き上がり量の平均値が20〜150mmとすることが好ましい。
実施例
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例中、「部」及び「%」は、特に明示しない限り固形分あるいは実質成分の質量部及び質量%を示す。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例中、「部」及び「%」は、特に明示しない限り固形分あるいは実質成分の質量部及び質量%を示す。
<インク受理層を有するシートの作製>
支持体1
LBKP80部、NBKP20部、軽質炭酸カルシウム(タマパールTP−121:奥多摩工業製)5部、市販のアルキルケテンダイマー0.1部、市販のカチオン性ポリアクリルアミド0.05部、市販のカチオン化澱粉1.0部と、適量の水を配合してスラリーとし、長網抄紙機を使用して坪量158g/m2の紙層を抄造した後、オンマシンのインクラインドサイズプレス装置で水に溶解した酸化澱粉(MS3800:日本食品加工製)を付着させ、坪量160g/m2の支持体1を作製した。
支持体1
LBKP80部、NBKP20部、軽質炭酸カルシウム(タマパールTP−121:奥多摩工業製)5部、市販のアルキルケテンダイマー0.1部、市販のカチオン性ポリアクリルアミド0.05部、市販のカチオン化澱粉1.0部と、適量の水を配合してスラリーとし、長網抄紙機を使用して坪量158g/m2の紙層を抄造した後、オンマシンのインクラインドサイズプレス装置で水に溶解した酸化澱粉(MS3800:日本食品加工製)を付着させ、坪量160g/m2の支持体1を作製した。
シート例1
多孔性合成非晶質シリカ(ファインシールX−60:トクヤマ製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130:クラレ製)30部、カチオン性化合物(スミレーズレジン1001:住友化学工業製)20部、蛍光増白剤(ケイコールBBL:日本曹達製)1部を水に添加、調合して固形分濃度15%の塗工液とした。この塗工液を上記支持体1上にエアーナイフコーターにより、乾燥塗工量が10g/m2となるように塗工し、乾燥してインク受理層とし、シート例1のシートとした。
多孔性合成非晶質シリカ(ファインシールX−60:トクヤマ製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130:クラレ製)30部、カチオン性化合物(スミレーズレジン1001:住友化学工業製)20部、蛍光増白剤(ケイコールBBL:日本曹達製)1部を水に添加、調合して固形分濃度15%の塗工液とした。この塗工液を上記支持体1上にエアーナイフコーターにより、乾燥塗工量が10g/m2となるように塗工し、乾燥してインク受理層とし、シート例1のシートとした。
シート例2
アルミナ水和物(アルミナゾル520:日産化学工業製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130:クラレ製)20部、離型剤として市販のノニオン性オレイン酸乳化物1部を水に添加、調合して固形分濃度20%の塗工液とし、シート例1のインク受理層上にエアーナイフコーターにより乾燥塗工量が10g/m2となるように塗工し、塗工層が湿潤状態にある間に表面温度100℃の鏡面ロールを圧接するキャストコート法により光沢発現層を形成し、シート例2のシートとした。光沢発現層表面のJIS Z8741に規定される75度光沢度は74%であった。
アルミナ水和物(アルミナゾル520:日産化学工業製)100部、シラノール変性ポリビニルアルコール(R−1130:クラレ製)20部、離型剤として市販のノニオン性オレイン酸乳化物1部を水に添加、調合して固形分濃度20%の塗工液とし、シート例1のインク受理層上にエアーナイフコーターにより乾燥塗工量が10g/m2となるように塗工し、塗工層が湿潤状態にある間に表面温度100℃の鏡面ロールを圧接するキャストコート法により光沢発現層を形成し、シート例2のシートとした。光沢発現層表面のJIS Z8741に規定される75度光沢度は74%であった。
<炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートの作製>
支持体2
表層として、LBKP80部、NBKP20部、市販のアルキルケテンダイマー0.1部、市販のカチオン性ポリアクリルアミド0.05部、硫酸バンド0.5部を水中に含有するスラリーを用い、中層として、GP100部、市販のカチオン性ポリアクリルアミド0.05部、硫酸バンド0.5部を水中に含有するスラリーを用い、裏層として、LBKP80部、NBKP20部、市販のアルキルケテンダイマー0.1部、市販のカチオン性ポリアクリルアミド0.05部、硫酸バンド0.5部を水中に含有するスラリーを用い、紙層中の質量比が、表層/中層/裏層=20/60/20になるように円網抄合せ抄紙機による多層抄きにて坪量400g/m2の紙層を抄造し、支持体2とした。
支持体2
表層として、LBKP80部、NBKP20部、市販のアルキルケテンダイマー0.1部、市販のカチオン性ポリアクリルアミド0.05部、硫酸バンド0.5部を水中に含有するスラリーを用い、中層として、GP100部、市販のカチオン性ポリアクリルアミド0.05部、硫酸バンド0.5部を水中に含有するスラリーを用い、裏層として、LBKP80部、NBKP20部、市販のアルキルケテンダイマー0.1部、市販のカチオン性ポリアクリルアミド0.05部、硫酸バンド0.5部を水中に含有するスラリーを用い、紙層中の質量比が、表層/中層/裏層=20/60/20になるように円網抄合せ抄紙機による多層抄きにて坪量400g/m2の紙層を抄造し、支持体2とした。
シート例3
軽質炭酸カルシウム(タマパール222H:奥多摩工業製)40部、カオリン(アルファラックス91:ECCインターナショナル製)60部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226:大日本インキ化学工業製)20部を水に混合して固形分濃度45%の塗工液とした。この塗工液を支持体2の表層面上にブレードコーターにより、乾燥塗工量が20g/m2となるように塗工し、乾燥して後、3ニップのマシンカレンダー処理を行って、シート例3のシートとした。
軽質炭酸カルシウム(タマパール222H:奥多摩工業製)40部、カオリン(アルファラックス91:ECCインターナショナル製)60部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(ラックスターDS226:大日本インキ化学工業製)20部を水に混合して固形分濃度45%の塗工液とした。この塗工液を支持体2の表層面上にブレードコーターにより、乾燥塗工量が20g/m2となるように塗工し、乾燥して後、3ニップのマシンカレンダー処理を行って、シート例3のシートとした。
各シートは貼り合わせ加工前に23℃50%RHの環境で10日間放置し、23℃50%RHの環境で貼り合わせ加工を行った。シート例1(1枚)及びシート例3(2枚)を50cm×50cmに裁断し、全シートの支持体抄紙方向を揃えた上で、シート例3の未塗工面同士を貼り合わせ、更にその片面にシート例1の未塗工面を貼り合わせて、インクジェット記録用ボードを作製した。貼り合わせは、接着剤としてエチレン−酢酸ビニル樹脂系接着剤(リカボンドBE−800:中央理化工業製)を用い、シート例3の未塗工面の1面及びシート例1の未塗工面にロールコーターにより乾燥塗工量が各々20g/m2となるように均一に塗工し、全シートを合わせた後、プレスロールにより圧着する事により行った。インクジェット記録用ボードの坪量は1050g/m2であった。30℃の恒温槽で1週間放置乾燥し、水分含有量を7質量%に調整した後、小径ロール方式のシートデカーラー装置(藤巻鉄工所製)を用いて、23℃50%RH環境下でゲージ圧目盛4.0、スピード調整目盛2.6にて実施例1のインクジェット記録用ボードを作製した。処理直後、平面上にインク受理層面を下向きに置いたときの4隅の浮き上がり量の平均値(カール値、23℃50%RHでの測定)は、20mmであった。
シートデカーラー装置のゲージ圧目盛4.6としてシートデカーラー処理を行う以外は実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録用ボードを作製した。処理直後のカール値は150mmであった。
シート例1(1枚)の代わりにシート例2(1枚)を用い、40℃の恒温槽で5日間放置乾燥し、水分含有量を7質量%に調整した以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録用ボードを作製した。処理直後のカール値は17mmであった。
シート例1(1枚)の代わりにシート例2(1枚)を用いた以外は実施例2と同様にして実施例4のインクジェット記録用ボードを作製した。処理直後のカール値は140mmであった。
貼り合わせ後のインクジェット記録用ボードを約20℃の室内に2週間放置乾燥し、水分含有量を8質量%に調整してシートデカーラー処理を行う以外は、実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録用ボードを作製した。処理直後のカール値は20mmであった。
貼り合わせ後のインクジェット記録用ボードを約20℃の室内に2週間放置乾燥し、水分含有量を8質量%に調整してシートデカーラー処理を行う以外は、実施例2と同様にして実施例6のインクジェット記録用ボードを作製した。処理直後のカール値は150mmであった。
貼り合わせから3日後、水分含有量を調整せず(8.5質量%)、シートデカーラー処理を行う以外は、実施例1と同様にして実施例7のインクジェット記録用ボードを作製した。処理直後のカール値は20mmであった。
貼り合わせから3日後、水分含有量を調整せず(8.5質量%)、シートデカーラー処理を行う以外は、実施例2と同様にして実施例8のインクジェット記録用ボードを作製した。処理直後のカール値は150mmであった。
(比較例1)
シートデカーラー処理を行わない以外は実施例1と同様にして。比較例1のインクジェット記録用ボードを作製した。
シートデカーラー処理を行わない以外は実施例1と同様にして。比較例1のインクジェット記録用ボードを作製した。
<評価方法>
経時カール(23℃50%RH)
シートデカーラー処理から5日後、23℃50%RHの環境下で、平面上にインクジェット記録用ボードのインク受理層面を上向きにしたもの及び下向きにしたものを6時間静置し、4隅の平面からの浮き上がり量を測定し平均した。測定は、インク受理層面を上向きにしたもの及び下向きにしたものの内、大きい値を示す方を測定し、インク受理層面方向へ浮き上がっているものを+方向、インク受理層面とは反対方向へ浮き上がっているものを−方向とした。カール値は−40mm〜+3mmの範囲であればプリンタートラブルを起こさず使用することができる。
経時カール(23℃50%RH)
シートデカーラー処理から5日後、23℃50%RHの環境下で、平面上にインクジェット記録用ボードのインク受理層面を上向きにしたもの及び下向きにしたものを6時間静置し、4隅の平面からの浮き上がり量を測定し平均した。測定は、インク受理層面を上向きにしたもの及び下向きにしたものの内、大きい値を示す方を測定し、インク受理層面方向へ浮き上がっているものを+方向、インク受理層面とは反対方向へ浮き上がっているものを−方向とした。カール値は−40mm〜+3mmの範囲であればプリンタートラブルを起こさず使用することができる。
低温低湿カール
インクジェット記録用ボードを10℃20%RHの環境下で静置した以外は、経時カール測定と同様にして、低温低湿カールを測定した。低温低湿カール値は−40mm〜+3mmの範囲であればプリンタートラブルを起こさず使用することができる。
インクジェット記録用ボードを10℃20%RHの環境下で静置した以外は、経時カール測定と同様にして、低温低湿カールを測定した。低温低湿カール値は−40mm〜+3mmの範囲であればプリンタートラブルを起こさず使用することができる。
高温高湿カール
インクジェット記録用ボードを35℃80%RHの環境下で静置した以外は、低温低湿カール測定と同様にして、高温高湿カールを測定した。高温高湿カール値は−40mm〜+3mmの範囲であればプリンタートラブルを起こさず使用することができる。
インクジェット記録用ボードを35℃80%RHの環境下で静置した以外は、低温低湿カール測定と同様にして、高温高湿カールを測定した。高温高湿カール値は−40mm〜+3mmの範囲であればプリンタートラブルを起こさず使用することができる。
印字後カール
インクジェット記録用ボードのインク受理層面にインクジェットプリンター(PM−10000:セイコーエプソン製)を用いて、45cm×45cmの3色混合黒(シアン100%+マゼンタ100%+イエロー100%)のベタ画像を印字した後、23℃50%RHの環境下で、平面上にインク受理層面を上向きにして6時間静置した。静置後の4隅の平面からの浮き上がり量を測定し平均した。測定は、インク受理層面方向へ浮き上がっているものを+方向とした。印字後カール値は−40mm〜+40mmの範囲であれば支障無く展示、鑑賞等に使用することができる。
インクジェット記録用ボードのインク受理層面にインクジェットプリンター(PM−10000:セイコーエプソン製)を用いて、45cm×45cmの3色混合黒(シアン100%+マゼンタ100%+イエロー100%)のベタ画像を印字した後、23℃50%RHの環境下で、平面上にインク受理層面を上向きにして6時間静置した。静置後の4隅の平面からの浮き上がり量を測定し平均した。測定は、インク受理層面方向へ浮き上がっているものを+方向とした。印字後カール値は−40mm〜+40mmの範囲であれば支障無く展示、鑑賞等に使用することができる。
実施例1〜8と比較例1を比較すれば明らかであるように、本発明のインクジェット記録用ボードの製造方法により、各環境カール特性が良好でプリンター通紙適性が良好且つ、印字後カールが良好で展示、鑑賞等に支障無く使用できるインクジェット記録用ボードを製造できることがわかる。
Claims (3)
- 複数のシートを接着剤にて貼り合わせてなる、片面上に少なくとも1層のインク受理層を有するインクジェット記録用ボードの製造方法であって、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層のシリカ及び/又はアルミナを含有するインク受理層を有するシートと、パルプを主体とする紙層上に少なくとも1層の炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層を有するシートを、最外面の片面が該インク受理層でありその反対面が該炭酸カルシウム及び/又はカオリンを含有する塗工層になるよう貼り合わせた後、シートデカーラー処理にてカール調整を行うことを特徴とするインクジェット記録用ボードの製造方法。
- 該インクジェット記録用ボードの水分含有量が7〜8質量%でシートデカーラー処理を行い、カール調整を行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用ボードの製造方法。
- 50cm×50cmの大きさの該インクジェット記録用ボードにおいて、シートデカーラー処理直後、23℃50%RHの環境下で平面上にインク受理層面を下向きに置いたときの4隅の浮き上がり量の平均値が20〜150mmであることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録用ボードの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005051755A JP2006231787A (ja) | 2005-02-25 | 2005-02-25 | インクジェット記録用ボードの製造方法 |
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