JP2006229403A - 複数の観察条件下における印刷物のシミュレーション - Google Patents

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Abstract


【課題】 種々の観察条件下における印刷物の見えをモニタ上で再現するための技術を提供する。
【解決手段】 まず、画像データをインク量に変換し、このインク量を印刷物の分光反射率に変換する。そして、印刷物の分光反射率と、印刷物の観察条件及び表示部の観察条件とを用いて、印刷物の観察条件下における見えを表示部の観察条件下で再現するための表示用データを生成する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、印刷物の複数の観察条件下における見えをシミュレーションする技術に関する。
よく知られているように、印刷物の見えは、その観察条件(「観察環境」とも呼ぶ)に大きく依存する。従来から、観察条件が異なる場合の色合わせを行う種々の技術が開発されている。例えば、特許文献1〜3には、光源が異なる場合の色合わせ技術が開示されている。
特開平7−95424号公報 特開平7−95425号公報 特開平7−95426号公報
また、従来から印刷物の見えをモニタ上に表示して確認したいという要望があった。例えば、標準的な観察条件下での印刷物の見えをカラーモニタ上で表示するデジタルプルーフと呼ばれる技術が知られている。しかしながら、従来は、種々の観察条件下における印刷物の見えをモニタ上で再現することは困難であった。
本発明は、種々の観察条件下における印刷物の見えをモニタ上で再現するための技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による印刷物シミュレータは、
画像を表す画像データに基づいて印刷される印刷物の第1の観察条件下での見えを表示部の第2の観察条件下で再現するための表示用データを作成する印刷物シミュレータであって、
前記第1と第2の観察条件を表す第1と第2の観察条件パラメータを取得する条件設定部と、
前記画像データをインク量に変換するための色変換部と、
前記インク量を前記印刷物の分光反射率に変換するための分光反射率変換部と、
前記印刷物の分光反射率及び前記第1と第2の観察条件パラメータを用いて、前記印刷物の第1の観察条件下における見えを前記表示部の第2の観察条件下で再現するために使用される表示用データを生成する観察条件変換部と、
を備える。
この印刷物シミュレータによれば、インク量を印刷物の分光反射率に変換し、この分光反射率と印刷物の観察条件パラメータとモニタの観察条件パラメータとを用いて表示用データを生成するので、種々の観察条件下における印刷物の見えをモニタ上で再現することが可能である。
前記第1の観察条件パラメータは、少なくとも前記第1の観察条件における光源の分光分布又は光源の分光分布を指定する情報を含むことが好ましい。
この構成によれば、種々の光源における印刷物の見えを正確に模擬することができる。
前記観察条件変換部は、
前記印刷物の分光反射率から前記第1の観察条件下における前記印刷物の第1の色彩値を算出し、
前記第1の色彩値を、前記第1と第2の観察条件下における色順応の差を少なくとも含む色の見えの差を補償するように、前記第2の観察条件下における第2の色彩値に変換し、
前記第2の色彩値から前記表示用データを生成するようにしても良い。
この構成によれば、第1と第2の観察条件下における色の見えの差を補償するように色彩値が変換されるので、印刷物の見えをモニタ上で正確に模擬することができる。
前記第1の色彩値から前記第2の色彩値への変換は、予め設定された色の見えモデルに従って、
(i)前記第1の色彩値を観察条件に依存しない観察条件独立色彩値に変換し、
(ii)前記観察条件独立色彩値を前記第2の色彩値に変換する、
ことによって実行されるようにしてもよい。
この構成によれば、色の見えモデルを用いて色彩値の変換を行うので、色の見えの差を正確に反映した変換を実現することができる。
また、前記色変換部は、複数の印刷条件に対応する複数の色変換ルックアップテーブルを利用可能であるとともに、前記印刷物の印刷条件に応じて1つの色変換ルックアップテーブルを選択して使用し、
前記分光反射率変換部は、前記複数の印刷条件に対応する複数の分光モデルルックアップテーブルを利用可能であるとともに、前記印刷物の印刷条件に応じて1つの分光モデルルックアップテーブルを選択して使用するようにしてもよい。
この構成によれば、種々の印刷条件における印刷物の見えを、印刷物とは観察条件の異なるモニタ上で確認することが可能である。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、印刷物シミュレーションを行う方法および装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例:
B.変形例
A.実施例:
図1は、本発明の一実施例としての印刷物シミュレーションシステム100を示す説明図である。このシステム100は、コンピュータ200と、カラープリンタ300とを備えている。コンピュータ200は、画像データに関して各種の画像処理を行うためのデータ処理部210を備えている。なお、カラープリンタ300は省略可能である。
データ処理部210は、入力受信部410と、印刷データ作成部420と、印刷物シミュレータ430と、データ格納部440とを備えている。入力受信部410は、このシステム100のユーザの指示を受け取る機能を有する。印刷データ作成部420は、画像を印刷するための印刷データPDを作成して、カラープリンタ300に出力する機能を有する。この印刷データ作成部420は、典型的にはプリンタドライバとして実装されている。印刷物シミュレータ430は、印刷物を種々の観察条件下で観察したときの印刷物の見えを、コンピュータ200のモニタ220(表示部)の観察条件で再現するための印刷物シミュレーションデータPSDを作成し、これに応じてモニタ220上にシミュレーション結果を表示させる機能を有する。印刷物シミュレータ430は、独立したアプリケーションソフトとして実装してもよく、あるいは、特定の画像処理アプリケーションプログラムのプラグインとして実装しても良い。また、プリンタドライバ内に印刷物シミュレータ430を実装することも可能である。データ格納部440は、印刷データ作成部420や印刷物シミュレータ430で使用される各種のテーブルやデータを格納するメモリであり、例えばコンピュータ200のハードディスク内に設けられている。
図2は、実施例における印刷物シミュレータ430の内部構成を示すブロック図である。この印刷物シミュレータ430は、解像度変換処理部20と、色変換部30と、分光反射率変換部40と、観察条件変換部50と、表示データ変換部60と、シミュレーション条件設定部70とを備えている。
解像度変換処理部20は、入力されたカラー画像データR0,G0,B0の解像度(画素数×ライン数)を、モニタ220の表示解像度(画素数×ライン数)に変換する機能を有する。なお、解像度変換処理は、その後の処理を高速化するためのものであり、解像度変換処理を省略してもよい。
色変換部30は、解像度変換処理後のカラー画像データRGBを、色変換ルックアップテーブル32を用いてインク量データCMYKに変換する。本実施例では、カラープリンタ300がCMYKの4色のインクを用いるものと仮定している。一般に、色変換部30は、シミュレーション対象とする印刷物の印刷に使用されるカラープリンタにおいて利用可能な複数のインクのインク量に変換する機能を有している。色変換ルックアップテーブル32としては、複数の印刷条件に応じた複数のテーブルが準備されている。これらの色変換ルックアップテーブル32は、印刷データ作成部420(図1)においても利用される。但し、印刷物のシミュレーションは、このシステム100に接続されていない機種のプリンタを前提として行うことも可能である。
分光反射率変換部40は、インク量データCMYKを分光反射率R(λ)に変換する。分光反射率R(λ)は、特定の印刷媒体上にインク量CMYKのインクが吐出されたものの反射率の分光分布である。インク量データCMYKと分光反射率R(λ)の間の関係は、多数のカラーパッチに関する分光反射率の実測値に応じて決定され、分光モデルルックアップテーブル42に予め格納されている。分光モデルルックアップテーブル42は、周知のユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)や、セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Cellular Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)などの分光プリンティングモデルに従って作成することが可能である。セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルは、ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルのインク色空間を複数のセルに分割したものである。セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルについては、Wyble and Berns, Color Res. Appl., 25, 4-19, 2000に記載されている。なお、分光反射率R(λ)は印刷条件に依存するので、分光モデルルックアップテーブル42としては複数の印刷条件に対応する複数のテーブルが準備されている。
印刷物シミュレーションにおいて使用される色変換ルックアップテーブル32と分光モデルルックアップテーブル42は、シミュレーション条件設定部70が取得した印刷条件PCに応じてそれぞれ1つずつ選択される。
観察条件変換部50は、印刷物の分光反射率R(λ)から、印刷物の見えをモニタ220の観察条件下で表現した表示用色彩値XYZを作成する。この処理においては、シミュレーション条件設定部70が取得した印刷物観察条件POCとモニタ観察条件MOCとが利用される。観察条件変換部50は、予め設定された色の見えモデルに従って処理を実行することが好ましい。本実施例では、色の見えモデルとしてCIECAM02を使用する。観察条件変換部50の処理については以下に詳述する。
表示データ変換部60は、観察条件変換部50で得られた表示用色彩値XYZを、モニタ220に適した表示データである印刷物シミュレーションデータPSDに変換する。この変換には、三刺激値XYZとモニタ220の色空間との対応関係を示すモニタプロファイルが使用される。なお、表示データ変換部60による処理は、コンピュータ200に実装されているカラーマネジメント機能を利用して実現することも可能である。この場合には、印刷物シミュレータ430から表示データ変換部60を削除することができる。なお、表示データ変換部60による処理を、観察条件変換部50の内部で実行するようにしてもよい。
表示用色彩値XYZと印刷物シミュレーションデータPSDとは、モニタ220に印刷物のシミュレーション画像を表示するために使用される「表示用データ」である点で共通する。印刷物シミュレータ430は、これらの表示用データのうちで、表示用色彩値XYZのみを作成するように構成してもよく、あるいは、表示用色彩値XYZと印刷物シミュレーションデータPSDの両方を作成するように構成してもよい。
図3は、実施例における処理の全体手順を示すフローチャートである。ステップS10では、ユーザが、処理対象となる画像データを選択する。通常は、写真などの自然画像の画像データが処理対象として選択される。但し、処理対象として予め設定されていた所定の標準画像を用いてシミュレーションを実行してもよい。この場合には、ユーザによる画像の選択は不要である。
ステップS12では、ユーザが、各種のシミュレーション条件を入力する。シミュレーション条件は、印刷条件PCと、印刷物観察条件POCと、モニタ観察条件MOCとを含んでいる。
印刷条件PCは、以下のようなパラメータ(印刷条件パラメータ)を含んでいることが好ましい。
(PC−1)プリンタ機種
(PC−2)印刷媒体
(PC−3)印刷モード(印刷解像度,単方向印刷/双方向印刷など)
プリンタ機種を選択できるようにすれば、ユーザが現実に所有していないプリンタにおける印刷物の見えをモニタ220上で再現することが可能である。プリンタ機種が決まっている場合には、他の印刷条件パラメータの中で、印刷媒体と印刷解像度が印刷物の見えに対する影響が最も大きいと考えられる。従って、印刷条件PCを規定するパラメータは、少なくとも印刷媒体と印刷解像度とを含むことが好ましい。
色の見えモデルとしてCIECAM02を用いる場合には、印刷物観察条件POCは、以下のパラメータ(印刷物観察条件パラメータ)を含んでいることが好ましい。
(POC−1)印刷物観察環境の光源の分光分布P(λ)
(POC−2)印刷物観察環境の白色の三刺激値Xw,Yw,Zw
(POC−3)印刷物観察環境の順応輝度LA
(POC−4)印刷物観察環境の背景輝度Yb
(POC−5)印刷物観察環境の視環境比SR (又はSR で決まるパラメータであるパラメータ値c,Nc,F)
同様に、モニタ観察条件MOCは以下のようなパラメータ(モニタ観察条件パラメータ)を含んでいることが好ましい。
(MOC−1)モニタの機種(表示解像度、モニタプロファイル)
(MOC−2)モニタ観察環境の白色の三刺激値Xw,Yw,Zw
(MOC−3)モニタ観察環境の順応輝度LA
(MOC−4)モニタ観察環境の背景輝度Yb
(MOC−5)モニタ観察環境の視環境比SR (又はSR で決まるパラメータ値c,Nc,F)
なお、光源の分光分布P(λ)は、観察条件変換部50が印刷物の分光反射率R(λ)から印刷物観察条件下での三刺激値XYZを求める際に使用される。また、モニタの機種で規定される表示解像度は解像度変換処理部20で利用され、モニタプロファイルは表示データ変換部60で利用される。その他の印刷物観察条件パラメータ及びモニタ観察条件パラメータは、観察条件変換部50が、色の見えモデル(CIECAM02)に従って変換を行う際に使用される。CIECAM02の内容及び上述のパラメータXw,Yw,Zw,LA ,Yb,SR ,c,Nc,Fについては、国際照明委員会によるテクニカルレポートCIE 159:2004(CIECAM02)に詳述されている。
なお、印刷物観察環境の白色の三刺激値Xw,Yw,Zwは、光源(照明光)の分光スペクトルP(λ)から計算することができる。従って、印刷物観察環境の白色の三刺激値Xw,Yw,Zwの入力を省略しても良い。また、モニタ観察環境の白色の三刺激値Xw,Yw,Zwの代わりに、モニタ観察環境の光源の分光スペクトルを入力するようにしてもよい。
一般に、印刷物観察条件POC及びモニタ観察条件MOCに含まれるパラメータの種類は、観察条件変換部50で使用するモデルに応じて決定されるものであり、上述したパラメータ以外のパラメータを含むことも可能である。但し、印刷物観察条件POC及びモニタ観察条件MOCは、少なくともそれぞれの光源を表す光源情報を含むことが好ましい。この理由は、光源の違いが印刷物の見えに対する影響が最も大きいからである。
また、ユーザの入力を必要とするパラメータは、観察条件変換部50が用いるすべてのパラメータのうちの一部のパラメータのみとすることも可能である。例えば、ユーザは印刷物観察条件の光源の種類を示す光源名(標準の光D65,D50,F11など)のみ、又は、印刷物観察条件の光源名とモニタ観察条件の光源名のみを入力し、他のパラメータは所定のデフォールト値を使用するようにシミュレーション条件設定部70を構成してもよい。この例から理解できるように、シミュレーション条件設定部70が各種の条件を「取得する」という語句は、ユーザからのシミュレーション条件入力に基づいて各種の条件を決定することを意味している。
なお、ユーザが印刷物観察条件POCとして複数種類の観察条件(例えば複数の光源種類)を入力できるようにすれば、種々の印刷物観察条件下における印刷物の見えをモニタ220上で再現することが可能である。例えば、標準光源の種類や、任意の光源の分光分布を入力できるようにすれば、多様な光源下での印刷物の見えをモニタ220上でシミュレーションできるという利点がある。
本実施例では、例えば、ユーザは印刷物観察条件における任意の光源を表す光源情報を入力し、印刷物シミュレータ430がその光源情報に応じてシミュレーションを実行するものと仮定する。上述したように、光源情報としては、光源名のみを入力してもよく、あるいは、光源の分光分布そのものを入力してもよい。
図3のステップS14では、印刷物シミュレータ430が、画像データと上述した各種のシミュレーション条件とに基づいて、印刷物シミュレーションデータPSDを作成する。ステップS16では、このシミュレーションデータPSDに従ってモニタ220(図1)上に印刷物の画像が表示される。
図4は、図3のステップS14の詳細手順を示すフローチャートである。なお、図4の処理は、モニタ220上に表示されるシミュレーション画像の各画素毎に実行される。
ステップS100では、解像度変換処理部20が必要に応じて解像度変換処理を実行する。画像データの解像度(画素数×ライン数)が小さい場合には、解像度変換処理は省略してもよい。ステップS102では、色変換部30が、印刷条件PCに応じて選択された色変換ルックアップテーブル32を用いて、画像データRGBをインク量データCMYKに変換する。ステップS104では、分光反射率変換部40が、印刷条件PCに応じて選択された分光モデルルックアップテーブル42を用いて、インク量データCMYKを印刷物の分光反射率R(λ)に変換する。
ステップS106〜S110は、観察条件変換部50によって実行される。まず、ステップS106では、印刷物の分光反射率R(λ)と印刷物観察条件POCを用いて、印刷物観察条件下における印刷物の三刺激値X1,Y1,Z1が算出される。このとき、印刷物観察条件POCのうちで、光源の分光分布P(λ)が使用される。この三刺激値X1、Y1、Z1は、印刷物観察条件下における色の見えを示す色彩値である。
ステップS108では、CIECAM02のいわゆるフォワードモデルを用いて、これらの色彩値X1,Y1,Z1が観察条件独立色空間の色彩値JChに変換される。ここで、Jは明度を表し、Cはクロマ(彩度)、hは色相角を表す。なお、CIECAM02のフォワードモデルでは、これら以外の種々の値(無彩色応答A,輝度Q,カラフルネスM,サチュレーションs(彩度)など)が得られるので、J,C,h以外の値を利用することも可能である。観察条件独立色空間の色彩値JChは、観察条件に依存しない色の見えを表している。本明細書では、このような色彩値JChを「観察条件独立色彩値」とも呼ぶ。
ステップS110では、CIECAM02のいわゆるインバースモデルを用いて、観察条件独立色彩値JChが、モニタ観察条件の色彩値X2,Y2,Z2に変換される。この色彩値X2,Y2,Z2は、モニタ観察条件下における色の見えを示す色彩値であり、以下では「表示用色彩値」とも呼ぶ。これらのステップS108,S110の変換によって、印刷物観察条件とモニタ観察条件の差による色の見えの差が補償される。なお、CIECAM02では、色順応の影響や、視野と背景との明るさの比(=SR )の影響などが考慮されている。
ステップS112では、表示データ変換部60が、表示用色彩値X2,Y2,Z2を、モニタ220の表示に適した表示用データである印刷物シミュレーションデータPSDに変換する。ところで、通常は、モニタ220の表示に適した表色系はsRGBであり、色彩値X2,Y2,Z2で表される色がsRGB表色系で再現可能な色範囲(いわゆるモニタ表色系のガマット)外である場合がある。この場合には、ステップS112において、モニタ表色系のガマット外の色を表す表示用色彩値X2,Y2,Z2は、モニタ表色系のガマット内の色にマッピングされる。
図5は、モニタ上に表示される印刷物シミュレーション結果の一例を示す説明図である。この例では、印刷物シミュレーション結果として、2つのシミュレーション画像PSI1,PSI2が表示されており、その下にはシミュレーション条件が表示されている。
第1のシミュレーション画像PSI1は、すべての色がモニタ表色系のガマット内の色で表示された画像である。第2のシミュレーション画像PSI2は、モニタ表色系のガマット外にあった色を特定の色(例えば黒)で塗りつぶした画像である。なお、この画像PSI2の下側には、この特定の色を有する領域が「モニタ再現不可な部分」であることを示す文字が表示されている。このように、モニタのガマット外の画素を、ガマット内の画素と区別して表示するようにすれば、ユーザがより正確に印刷物の見えを確認することが可能である。
なお、第1と第2のシミュレーション画像PSI1,PSI2のうちの一方のみをユーザの指示に応じて選択的に表示するようにしてもよい。また、ユーザの指示に応じて2つのシミュレーション画像PSI1,PSI2を切り換えて表示するようにしてもよい。
本実施例によれば、印刷物観察条件下にける色彩値X1,Y1,Z1を、モニタ観察条件下における表示用色彩値X2,Y2,Z2に変換し、この表示用色彩値X2,Y2,Z2に基づいてモニタ220に印刷物を模擬した画像を表示する。従って、実際に印刷物を印刷せずに印刷物の見えをモニタ上で確認することが可能である。また、印刷物観察条件下における色彩値X1,Y1,Z1を求める際に、印刷物のインク量を分光反射率R(λ)に変換し、この分光反射率R(λ)と光源の分光分布とを用いて色彩値X1,Y1,Z1を算出しているので、任意の種々の光源下における印刷物の見えをモニタ上で再現することが可能である。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B1.変形例1:
色の見えモデルとしては、CIECAM02以外の任意のモデルを使用することが可能であり、例えばCIECAM97sや、色順応のみを考慮したモデル(フォン・クリースの色順応予測式)などを用いることも可能である。但し、色の見えモデルとしては、少なくとも印刷物観察条件とモニタ観察条件での色順応の差を補償できるものであることが好ましい。
B2.変形例2:
上記実施例では、観察条件に依存する色彩値として三刺激値XYZを利用したが、三刺激値以外の色彩値を利用することも可能である。
B3.変形例3:
シミュレーションの対象とする印刷物の印刷方法としては、インクジェットプリンタによる印刷やレーザプリンタによる印刷の他、オフセット印刷による印刷も対象とすることができる。シミュレーションの対象とする印刷方法が変わった場合には、その印刷方法に適した色変換ルックアップテーブル32と分光モデルルックアップテーブル42がそれぞれ準備される。
B4.変形例4:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
本発明の一実施例としての印刷物シミュレーションシステム100を示す説明図である。 実施例における印刷物シミュレータの内部構成を示すブロック図である。 実施例における処理の全体手順を示すフローチャートである。 図3のステップS14の詳細手順を示すフローチャートである。 モニタ上に表示された印刷物シミュレーション結果の一例を示す説明図である。
符号の説明
20…解像度変換処理部
30…色変換部
32…色変換ルックアップテーブル
40…分光反射率変換部
42…分光モデルルックアップテーブル
50…観察条件変換部
60…表示データ変換部
70…シミュレーション条件設定部
100…印刷物シミュレーションシステム
200…コンピュータ
210…データ処理部
220…モニタ
300…カラープリンタ
410…入力受信部
420…印刷データ作成部
430…印刷物シミュレータ
440…データ格納部

Claims (6)

  1. 画像を表す画像データに基づいて印刷される印刷物の第1の観察条件下での見えを表示部の第2の観察条件下で再現するための表示用データを作成する印刷物シミュレータであって、
    前記第1と第2の観察条件を表す第1と第2の観察条件パラメータを取得する条件設定部と、
    前記画像データをインク量に変換するための色変換部と、
    前記インク量を前記印刷物の分光反射率に変換するための分光反射率変換部と、
    前記印刷物の分光反射率及び前記第1と第2の観察条件パラメータを用いて、前記印刷物の第1の観察条件下における見えを前記表示部の第2の観察条件下で再現するために使用される表示用データを生成する観察条件変換部と、
    を備える印刷物シミュレータ。
  2. 請求項1記載の印刷物シミュレータであって、
    前記第1の観察条件パラメータは、少なくとも前記第1の観察条件における光源の分光分布又は光源の分光分布を指定する情報を含む、印刷物シミュレータ。
  3. 請求項2記載の印刷物シミュレータであって、
    前記観察条件変換部は、
    前記印刷物の分光反射率から前記第1の観察条件下における前記印刷物の第1の色彩値を算出し、
    前記第1の色彩値を、前記第1と第2の観察条件下における色順応の差を少なくとも含む色の見えの差を補償するように、前記第2の観察条件下における第2の色彩値に変換し、
    前記第2の色彩値から前記表示用データを生成する、印刷物シミュレータ。
  4. 請求項3記載の印刷物シミュレータであって、
    前記第1の色彩値から前記第2の色彩値への変換は、予め設定された色の見えモデルに従って、
    (i)前記第1の色彩値を観察条件に依存しない観察条件独立色彩値に変換し、
    (ii)前記観察条件独立色彩値を前記第2の色彩値に変換する、
    ことによって実行される、印刷物シミュレータ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の印刷物シミュレータであって、
    前記色変換部は、複数の印刷条件に対応する複数の色変換ルックアップテーブルを利用可能であるとともに、前記印刷物の印刷条件に応じて1つの色変換ルックアップテーブルを選択して使用し、
    前記分光反射率変換部は、前記複数の印刷条件に対応する複数の分光モデルルックアップテーブルを利用可能であるとともに、前記印刷物の印刷条件に応じて1つの分光モデルルックアップテーブルを選択して使用する、印刷物シミュレータ。
  6. 画像を表す画像データに基づいて印刷される印刷物の第1の観察条件下での見えを表示部の第2の観察条件下で再現するための表示用データを作成する方法であって、
    (a)前記第1と第2の観察条件を表す第1と第2の観察条件パラメータを取得する工程と、
    (b)前記画像データをインク量に変換する工程と、
    (c)前記インク量を前記印刷物の分光反射率に変換する工程と、
    (d)前記印刷物の分光反射率及び前記第1と第2の観察条件パラメータを用いて、前記印刷物の第1の観察条件下における見えを前記表示部の第2の観察条件下で再現するために使用される表示用データを生成する工程と、
    を備える方法。
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JP2009272705A (ja) * 2008-04-30 2009-11-19 Canon Inc 画像処理方法および画像処理装置

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