JP2006228705A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高輝度かつ高効率の有機EL表示装置を得ることが可能な有機EL素子用カラーフィルタ基板を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成された着色層と、上記着色層上に部分的に形成された色変換層とを有することを特徴とする有機EL素子用カラーフィルタ基板を提供することにより、上記目的を達成するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと略す。)表示装置に用いられる有機EL素子用カラーフィルタ基板に関するものである。
有機EL素子は、原理的には、陽極と陰極との間に発光層を挟んだ構造を有するものである。実際に、有機EL素子を用いてカラー表示の有機EL表示装置を構成する際には、(1)三原色の各色をそれぞれ発光する発光層を配列する方式、(2)白色発光する発光層と、三原色の着色層とを組み合わせるカラーフィルタ方式、ならびに(3)青色発光する発光層と、青色光から緑色光および赤色光にそれぞれ変換する色変換層とを組み合わせる色変換方式等がある。
上記(1)の方式では、各色をそれぞれ発光する発光層の特性を揃える必要があり、また高精細なパターニングが困難であるという問題がある。そこで、上記(2)のカラーフィルタ方式および上記(3)の色変換方式が注目されている。これらの方式は、単一種類の発光層のみを使用すれば足りるので、上記(1)の方式のような不具合はない。
しかしながら、上記(3)の色変換方式では、外光により色変換層中の蛍光体が励起されてコントラストが低下するという不具合がある。このため、色変換層と透明基材との間に着色層が形成されるのが一般的である。また、着色層を設けることにより色純度を向上させることができる。しかしながら、色変換層は比較的厚みが厚いので、蛍光体から発せられた光が散乱を生じるなどして光が漏洩するため、光の利用効率が低いという問題がある。
一方、上記(2)のカラーフィルタ方式においては、色相補正のために発光層と着色層との間に色変換層が形成されることがある。これは、一般的な発光層の発光光源は、青色成分および赤色成分を主とする2波長による白色発光であるため、緑色成分が少なく、着色層で色相補正を実現すると緑色表示が弱くなるからである。しかしながら、色変換層を設けた場合、入射光を緑色に変換する色変換層が形成されるのでその部分の膜厚が厚くなり、青色および赤色については色変換層が形成されないために、各色での段差が生じて、着色層および色変換層の上に形成される透明電極層が断線しやすいという問題がある。また、この場合も同様に、色変換層の厚みが比較的厚いので、光の散乱等により光が漏洩するため、光の利用効率が低いという問題がある。
また、色相補正と、輝度すなわち光の取出し効率とは、相容れない関係にあり、色純度を高めることと輝度を向上させることの両方を実現するのは困難である。
光の取出し効率を高めて輝度を向上させる例としては、各色変換層の間に反射性を有する遮光部を設ける方法(例えば特許文献1参照)や、発光層と色変換層との間に形成される層の屈折率を調整する方法(例えば特許文献2参照)などが提案されている。しかしながら、色変換層自体の構成により輝度向上を図った例は報告されていない。
特開2004-288447号公報 特開2003-077680号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高輝度かつ高効率の有機EL表示装置を得ることが可能な有機EL素子用カラーフィルタ基板を提供することを主目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成された着色層と、上記着色層上に部分的に形成された色変換層とを有することを特徴とする有機EL素子用カラーフィルタ基板を提供する。
本発明においては、着色層上に部分的に色変換層が形成されているので、このような有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いた有機EL表示装置においては、発光層からの発光のうち一部が色変換層を透過する。この際、色変換層中の色変換蛍光体に入射光が吸収され蛍光が発せられるが、この蛍光は色変換層中の他の色変換蛍光体により散乱して色変換層の側面から漏れてしまう。本発明においては色変換層が着色層上に部分的に形成されているので、この散乱して漏れた光を、着色層上の色変換層が形成されていない領域から出射させることができる。その結果、色変換層中で散乱して漏れた光を効率良く取り出すことができ、輝度を向上させることが可能となる。したがって、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いることにより、高輝度かつ高効率の有機EL表示装置を提供することができる。
また、上述したように色相補正と輝度とは相容れない関係にあるが、本発明においては上記の構成とすることにより、高い色純度および高い光の取出し効率の両立を図ることができる。
上記発明においては、上記色変換層が、上記着色層上にパターン状に形成されていることが好ましい。色変換層が着色層上にパターン状に形成されていることにより、色変換層の表面積が増えるので、色変換層中で散乱して漏れた光をさらに効率的に取り出すことができ、輝度をより一層向上させることができるからである。
また本発明においては、上記着色層が、赤色着色部、緑色着色部および青色着色部を有し、上記色変換層が、上記赤色着色部上に部分的に形成された赤色色変換部および上記緑色着色部上に部分的に形成された緑色色変換部の少なくともいずれか一方を有することが好ましい。各色変換部が各着色部上に部分的に形成されていることにより、各色変換部中で散乱して漏れた光を効率的に取り出すことができ、赤色光や緑色光の輝度を向上させることができるからである。
上記発明においては、上記赤色着色部上に赤色色変換部が形成されていなくてもよい。入射光が例えば赤色光および青色光の成分を含む白色光である場合は、入射光を赤色光に変換する赤色色変換部が形成されていなくてもよいからである。また、パターニング工程を繰り返し行う必要がなく、コスト的に有利であり、製造工程が簡便となるからである。
また本発明においては、上記色変換層上に平坦化層が形成されていることが好ましい。平坦化層が形成されていることにより、着色層や色変換層を保護することができるからである。また、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合には、透明電極層形成時の影響を低減し、有機EL層形成時の厚みムラの発生を防止することができるからである。
この場合、上記平坦化層が光散乱性を有していてもよい。平坦化層が光散乱性を有することにより、色変換層で変換された光が透明基材に対して水平な方向に漏れるのを抑制し、透明基材に対して垂直な方向(観察者側)に光を効率的に取り出すことが可能となるからである。
さらに本発明においては、上記色変換層上にガスバリア層が形成されていることが好ましい。ガスバリア層が形成されていることにより、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を有機EL表示装置に用いた場合、水蒸気、酸素、または着色層や色変換層等からの脱離ガス等に弱い部材である有機EL層を、このようなガスから保護することができるからである。
また本発明においては、上記透明基材上の上記着色層の間に遮光部が形成されていてもよい。遮光部が形成されていることにより、各画素毎に発光する区域を区画すると共に、発光する区域どうしの境界における外光の反射を防止し、コントラストを高めることができるからである。
本発明は、また、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板と、上記有機EL素子用カラーフィルタ基板の色変換層側表面上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とする有機EL表示装置を提供する。
本発明の有機EL表示装置は、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いるので、色変換層中で散乱して漏れた光を効率良く取り出すことができ、輝度を向上させることが可能である。したがって、高輝度かつ高効率を実現できる。
上記発明においては、上記発光層が2波長発光光源により白色発光するものであることが好ましい。一般に白色発光する発光層から発せられる白色光は赤色光および青色光の成分を含み、緑色光の成分を含まない場合が多いため、入射光を緑色光に変換する緑色色変換部が形成されるのが一般的である。そこで本発明においては、例えば緑色色変換部を緑色着色部上に部分的に形成することにより緑色光の輝度を向上させることができる。したがって、三原色の色特性のバランスに優れる有機EL表示装置とすることが可能である。
本発明においては、色変換層が着色層上に部分的に形成されているので、色変換層中で散乱して漏れた光を効率良く取り出すことができ、輝度を向上させることができるという効果を奏する。したがって、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いた有機EL表示装置においては、高輝度かつ高効率を実現することが可能である。
以下、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板およびそれを用いた有機EL表示装置について詳細に説明する。
A.有機EL素子用カラーフィルタ基板
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板は、透明基材と、上記透明基材上にパターン状に形成された着色層と、上記着色層上に部分的に形成された色変換層とを有することを特徴とするものである。
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の一例を示す概略断面図である。図1に示すように本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板10においては、透明基材1上に、赤色着色部2R、緑色着色部2Gおよび青色着色部2Bから構成される着色層2と、赤色着色部2R上に形成された赤色色変換部3Rおよび緑色着色部2G上に形成された緑色色変換部3Gから構成される色変換層3とが順次形成され、この着色層2および色変換層3を覆うように平坦化層5が形成されている。着色層2の各着色部2R、2G、2Bの間にはブラックマトリクス4が形成されている。また、赤色色変換部3Rおよび緑色色変換部3Gは、赤色着色部2Rおよび緑色着色部2G上に部分的にそれぞれ形成されている。青色着色部2B上には入射光を透過する透過部3B´が形成されている。
なお、図1における透過部3B´は形成されていなくてもよい。また、透過部3B´が形成されていない場合は、膜厚調整の目的で、青色着色部2Bの厚みを赤色着色部2Rおよび赤色色変換部3Rの合計厚みや緑色着色部2Gおよび緑色色変換部3Gの合計厚みと同程度となるように厚くしてもよい。
図1に示す有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置を作製する際には、平坦化層5の上に透明電極層、発光層および対向電極層が順次積層される。このような有機EL表示装置において、発光層から発せられた光のうち、一部は色変換層3を透過してさらに着色層2を透過し、他の一部は色変換層3を透過することなく着色層2を透過する。
色変換層3および着色層2を透過する一部の光については、色変換層3中の色変換蛍光体に入射光が吸収され蛍光が発せられるので、色相が補正された光となる。この色相補正された光は、色変換層3中の他の色変換蛍光体により散乱して、色変換層3の側面から漏れてしまうが、本発明においては色変換層3が着色層2上に部分的に形成されているので、この散乱して漏れた光を、着色層2上の色変換層3が形成されていない領域から出射させることができる。その結果、色変換層中で散乱して漏れた光を効率良く取り出すことができ、輝度を向上させることが可能である。
特に、色変換蛍光体として無機蛍光体を用いた場合には、一般的に無機蛍光体が不透明であり、色変換層中で一つの無機蛍光体から発せられた蛍光は他の無機蛍光体を透過することができないので、本発明の構成とすることにより、効果的に輝度を向上させることができる。
以下、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の各構成について説明する。
1.色変換層
本発明に用いられる色変換層は、着色層上に部分的に形成されるものである。色変換層の形成位置としては、着色層上の一部であれば特に限定されるものではなく、例えば図1に示すように着色層2(2R、2G)の中心に色変換層3(3R、3G)が形成されていてもよく、図2に示すように着色層2(2R、2G)上に色変換層3(3R、3G)が片寄って形成されていてもよい。また、例えば図1に示すように色変換層3(3R、3G)は着色層2(2R、2G)上の一箇所に形成されていてもよく、例えば図3に示すように色変換層3(3R、3G)は着色層2(2R、2G)上にパターン状に形成されていてもよい。
本発明に用いられる色変換層は、入射光を吸収して各色の蛍光を発する色変換蛍光体が樹脂中に分散または溶解されたものである。この色変換蛍光体としては、無機蛍光体および有機蛍光体のいずれも用いることが可能である。
色変換蛍光体として無機蛍光体を用いた場合には、色変換層は、着色層上にパターン状に形成されていることが好ましい。これは、上述したように一般的に無機蛍光体が不透明であり、色変換層中で一つの無機蛍光体から発せられた光は他の無機蛍光体を透過することができずに散乱するので、散乱して漏れた光を効率良く取り出して輝度を向上させるためには色変換層の表面積を増やすことが好ましいからである。したがって、無機蛍光体を用いた場合には、色変換層が着色層上に精細なパターン状に形成されていることが好ましい。この際、細かすぎるパターンの形成は困難であるので、色変換層のパターンの細かさとしては、目的とする輝度およびパターニング特性を考慮して適宜選択することが好ましい。
一方、有機蛍光体を用いた場合には、色変換層の好ましい形成位置としては特に限定されるものではなく、例えば色変換層が着色層上の一箇所に形成されていてもよく、着色層上にパターン状に形成されていてもよい。
本発明における色変換層の着色層に対する占有面積比としては、光の取出し効率が向上し高い輝度が得られれば特に限定されるものではないが、無機蛍光体を用いた場合と有機蛍光体を用いた場合とで好ましい範囲が異なる。無機蛍光体を用いた場合、色変換層の着色層に対する占有面積比は、着色層の面積を100とすると20〜90程度であることが好ましく、より好ましくは50〜80、さらに好ましくは70〜80の範囲内である。一方、有機蛍光体を用いた場合、色変換層の着色層に対する占有面積比は、着色層の面積を100とすると70〜100程度であることが好ましく、より好ましくは80〜98、さらに好ましくは85〜95の範囲内である。いずれの場合においても、色変換層の着色層に対する占有面積比が小さすぎると色変換効率が低下するおそれがあり、逆に大きすぎると色変換層中で散乱し漏れた光が出射できる着色層上の領域が狭くなるので、光の取出し効率が低下し、輝度向上効果が得られない可能性があるからである。
なお、ここでいう「色変換層の着色層に対する占有面積比」とは、例えば図1に示すように色変換層3の構成部分(色変換部)3Rの着色層2の構成部分(着色部)2Rに対する占有面積比をいうものであり、色変換層全体の着色層全体に対する占有面積比をいうものではない。
また、色変換層の厚みとしては、光の取出し効率が向上し高い輝度が得られれば特に限定されるものではないが、無機蛍光体を用いた場合と有機蛍光体を用いた場合とで好ましい範囲が異なる。
無機蛍光体を用いた場合、色変換層の厚みとしては0.2μm〜10μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.5μm〜5μm、さらに好ましくは1μm〜3μmの範囲内である。色変換層の厚みが厚すぎると、上述したように一つの無機蛍光体から発せられた光は他の無機蛍光体を透過することができないので輝度が低下するおそれがあるからである。逆に、色変換層の厚みが薄すぎると、色変換効率が低下するおそれがあるからである。また、色変換層中の無機蛍光体の含有量を増やすことにより、色変換効率を低下させずに色変換層の厚みを薄くすることは可能であるが、色変換層中の無機蛍光体の含有量が多すぎると濃度消光が生じる場合がある。したがって、色変換層中の無機蛍光体の含有量を増やして色変換層の厚みを薄くする場合は、濃度消光を考慮して厚みが適宜選択される。
一方、有機蛍光体を用いた場合、色変換層の厚みとしては0.5μm〜30μm程度であることが好ましく、より好ましくは1μm〜10μm、さらに好ましくは3μm〜5μmの範囲内である。色変換層の厚みが厚すぎると色変換層の構成による段差(凹凸)が大きくなり、その表面を平坦化するのが困難となるからである。逆に、色変換層の厚みが薄すぎると、色変換効率が低下する可能性があるからである。また、上記と同様に、色変換層の厚みを薄くするために色変換層中の有機蛍光体の含有量を増やすと濃度消光が生じるおそれがある。
本発明に用いられる色変換層は、着色層に対応して設けられるものであり、通常は赤色色変換部、緑色色変換部および青色色変換部の三種類の色変換部を有するものである。本発明においては上述したように色変換層は着色層上に部分的に形成されたものであるが、三種類の色変換部が全て着色層上に部分的に形成されていてもよく、三種類の色変換部のうち一種類または二種類の色変換部が着色層上に部分的に形成されていてもよい。
また、本発明に用いられる色変換層の構成は、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を適用する有機EL表示装置の発光層の構成により異なるものとなる。
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を例えば青色発光する青色発光層を有する有機EL表示装置に用いる場合、色変換層への入射光は一般に青色光の成分を含むものであるか、あるいは青色光および緑色光の成分を含むものである場合が多い。
色変換層への入射光が青色光の成分を含むものである場合は、色変換層は、入射光を赤色光に変換する赤色色変換部と入射光を緑色光に変換する緑色色変換部とを少なくとも有すればよい。
この場合、赤色色変換部のみが赤色着色部上に部分的に形成されていてもよく、緑色色変換部のみが緑色着色部上に部分的に形成されていてもよく、赤色色変換部および緑色色変換部が各着色部上に部分的にそれぞれ形成されていてもよい。中でも、赤色色変換部および緑色色変換部のいずれもが各着色部上に部分的に形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、赤色色変換部および緑色色変換部中で散乱して漏れた光を効率的に取り出すことができ、輝度をより向上させることができるからである。特に、色変換蛍光体として無機蛍光体を用いた場合は、例えば図3に示すように赤色色変換部3Rおよび緑色色変換部3Gがパターン状に形成されていることが好ましい。上述したように、赤色色変換部および緑色色変換部をパターン状に形成してその表面積を増やすことにより、赤色色変換部および緑色色変換部中で散乱して漏れた光をさらに効率的に取り出すことができ、輝度をより一層向上させることができるからである。
またこの場合、色変換層への入射光が青色光の成分を含むので、青色色変換部は原則的には色変換を行う必要がないことから、青色色変換部は形成されていなくてもよい。したがって、青色着色部上には何も形成されていなくてもよいが、有機EL素子用カラーフィルタ基板表面を平坦化するために、例えば図1〜3に示すように各色変換部3R、3Gと同程度の厚みをもつ透過部3B´が形成されていてもよい。
この透過部は、入射光を透過するものであり、青色着色部上に形成されている場合は青色光を透過するものであれば特に限定されるものではなく、例えば色変換蛍光体を含まず、後述する樹脂からなるものとすることができる。この場合、透過部は色変換蛍光体を含有しないことから、輝度向上のために青色着色部上に部分的に形成されている必要はなく、製造工程を考慮すれば青色着色部上の全面に形成されるのが一般的である。
一方、色変換層への入射光が青色光および緑色光の成分を含むものである場合は、色変換層は、入射光を赤色光に変換する赤色色変換部を少なくとも有すればよい。この場合、赤色色変換部が赤色着色部上に部分的に形成される。特に、色変換蛍光体として無機蛍光体を用いた場合は、赤色色変換部がパターン状に形成されていることが好ましい。上述したように、赤色色変換部をパターン状に形成してその表面積を増やすことにより、赤色色変換部中で散乱して漏れた光をさらに効率的に取り出すことができ、輝度をより一層向上させることができるからである。
またこの場合、色変換層への入射光が青色光および緑色光の成分を含むので、青色色変換部および緑色色変換部は原則的には色変換を行う必要がないことから、青色色変換部および緑色色変換部は形成されていなくてもよい。したがって、青色着色部および緑色着色部上には何も形成されていなくてもよいが、有機EL素子用カラーフィルタ基板表面を平坦化するために、赤色変換部と同程度の厚みをもつ透過部が形成されていてもよい。
この透過部は、入射光を透過するものであり、青色着色部上に形成されている場合は青色光を透過するものであり、緑色着色部上に形成されている場合は緑色光を透過するものであれば特に限定されるものではなく、例えば色変換蛍光体を含まず、後述する樹脂からなるものとすることができる。この場合、透過部は色変換蛍光体を含有しないことから、輝度向上のために各着色部上に部分的にそれぞれ形成されている必要はなく、製造工程を考慮すれば各着色部上の全面にそれぞれ形成されるのが一般的である。
さらに、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を例えば白色発光する白色発光層を有する有機EL表示装置に用いる場合、色変換層への入射光は一般に赤色光および青色光の成分を含むものである場合が多い。したがって、色変換層は、入射光を緑色光に変換する緑色色変換部を少なくとも有すればよい。この場合、例えば図4に示すように緑色色変換部3Gが緑色着色部2G上に部分的に形成される。特に、色変換蛍光体として無機蛍光体を用いた場合に例えば図5に示すように緑色色変換部3Gがパターン状に形成されていることが好ましい。上述したように、緑色色変換部をパターン状に形成してその表面積を増やすことにより、緑色色変換部中で散乱して漏れた光をさらに効率的に取り出すことができ、輝度をより一層向上させることができるからである。
またこの場合、色変換層への入射光が赤色光および青色光の成分を含むので、赤色色変換部および青色色変換部は原則的には色変換を行う必要がないことから、赤色色変換部および青色色変換部は形成されていなくてもよい。この場合、赤色着色部および青色着色部上には何も形成されていなくてもよいが、有機EL素子用カラーフィルタ基板表面を平坦化するために、例えば図4、5に示すように緑色色変換部3Gと同程度の厚みをもつ透過部3R´および3B´がそれぞれ形成されていてもよい。
上述した説明においては、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を適用する有機EL表示装置における発光層の発光光源の種類に応じた色変換層の構成について述べたが、本発明に用いられる色変換層の構成については、発光層の発光光源の種類に応じて特に限定されるものではなく、色変換層が所望の色相補正を行うことができればよい。
本発明に用いられる緑色色変換部は、入射光を吸収して緑色の蛍光を発光する緑色変換蛍光体が樹脂中に分散または溶解されてなるものである。
緑色変換蛍光体としては、上述したように無機蛍光体および有機蛍光体のいずれも用いることができる。
緑色変換蛍光体として用いられる無機蛍光体の具体例としては、特開2004−14335号公報に開示されている希土類錯体系蛍光体が挙げられる。希土類錯体系蛍光体としては、希土類金属としてCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等を有するものが挙げられ、錯体を形成する有機配位子としては、芳香族系および非芳香族系のいずれでもよく、好ましくは下記一般式(1)で表される化合物である。
Xa−(Lx)−(Ly)−(Lz)−Ya (1)
ここで、式中、Lx、Ly、Lzはそれぞれ独立に2個以上の結合手を持つ原子を表し、nは0または1を表し、XaはLxの隣接位に配位可能な原子を有する置換基を表し、YaはLzの隣接位に配位可能な原子を有する置換基を表す。また、Xaの任意の部分とLxとは互いに縮合して環を形成してもよく、Yaの任意の部分とLzとは互いに縮合して環を形成してもよく、LxとLzとは互いに縮合して環を形成してもよく、さらに分子内に芳香族炭化水素環または芳香族複素環が少なくとも一つ存在する。ただし、Xa−(Lx)−(Ly)n−(Lz)−Yaが、β−ジケトン誘導体、β−ケトエステル誘導体、β−ケトアミド誘導体、または上記ケトンの酸素原子を硫黄原子もしくは−N(R201)−に置き換えたもの、あるいは、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、チアクラウンエーテル、またはクラウンエーテルの酸素原子を任意の数硫黄原子もしくは−N(R201)−に置き換えたクラウンエーテルを表す場合には、芳香族炭化水素環または芳香族複素環はなくてもよい。−N(R201)−において、R201は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。
上記一般式(1)において、XaおよびYaで表される配位可能な原子とは、具体的には酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子である。また、Lx、Ly、Lzで表される2個以上の結合手を持つ原子としては、特に限定されるものではなく、例えば炭素原子、酸素原子、窒素原子、シリコン原子、チタン原子等が挙げられる。
上記希土類錯体系蛍光体の具体例としては、Ba2−aEuSiO等のBaとSiを含む希土類錯体系蛍光体、またはBa1−aEuMgAl1017等のBaとMgを含む希土類錯体系蛍光体などが挙げられる。
また、緑色変換蛍光体として用いられる無機蛍光体の具体例としては、特表2004−505167号公報に開示されているアルカリ土類金属チオガリウム酸塩蛍光体、または、ZnS:Tb等のZnS系蛍光体、黄緑顔料(例えばシンヒロイ社製 FA005(商品名))も挙げられる。
さらに、ZnS:Mn、ZnS:Mn/ZnMgS等のZnS系蛍光体、(Y,Gd)3Al12:Ce等のイエロー蛍光体、またはオレンジ顔料(例えばシンヒロイ社製 FA001(商品名))を用いることもできる。これらの蛍光体は緑色蛍光体ではないが、各々緑色蛍光成分を含んでいるため、色相補性が可能であり使用することができる。
一方、緑色変換蛍光体として用いられる有機蛍光体の具体例としては、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン、3−(2´−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2´−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン、3−(2´−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン等のクマリン色素;ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染料;ソルベントイエロー11、もしくはソルベントイエロー116等のナフタルイミド系色素;などを例示することができる。
上記有機蛍光体としては、上記の色素や染料を、例えばポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂およびこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料化した蛍光顔料であってもよい。
上述した無機蛍光体および有機蛍光体は、単独で用いてもよく、蛍光の色相を調整するために2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、赤色変換蛍光体として用いられる無機蛍光体の具体例としては、希土類錯体系蛍光体が挙げられる。この希土類錯体系蛍光体の具体例としては、KEu2.5(WO6.25等のKとWを含む希土類錯体系蛍光体などが挙げられる。なお、希土類錯体系蛍光体のその他の点については、上記の場合と同様である。
さらに、赤色変換蛍光体として用いられる無機蛍光体の具体例としては、ZnS:Mn、ZnS:Mn/ZnMgS等のZnS系蛍光体、またはオレンジ顔料(例えばシンヒロイ社製 FA001(商品名))も挙げられる。
一方、赤色変換蛍光体として用いられる有機蛍光体の具体例としては、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン等のシアニン系色素;1−エチル-2-[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジウム−パークロレート等のピリジン系色素;ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2等のローダミン系色素;オキサジン系色素;などを例示することができる。
上記有機蛍光体としては、上述した色素を、例えばポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂およびこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料化した蛍光顔料であってもよい。
上述した無機蛍光体および有機蛍光体は、単独で用いてもよく、蛍光の色相を調整するために2種以上を組み合わせて用いてもよい。一般的に青色光から赤色光への変換効率は低いが、2種以上を混合して用いることにより変換効率を高めることができる。
各色変換部に用いられる樹脂の具体例としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、もしくはポリアミド樹脂等の透明樹脂を例示することができる。また、上記樹脂の具体例としては、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂(実際には、電子線硬化性樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂であって、後者であることが多い。)を使用することもできる。
各色変換部中の樹脂と各色変換蛍光体との割合は、100:0.3〜100:5(質量基準)程度が好ましい。色変換蛍光体の割合が少なすぎると十分な色変換効率が得られない場合があり、上記の割合が多すぎると濃度消光が生じるおそれがあるからである。
色変換層の形成方法としては、例えばフォトリソグラフィ法、または、上記各色変換発光体および樹脂を必要に応じて溶剤、希釈剤もしくは適宜な添加剤と共に混合して、色変換層形成用塗工液を調製し、印刷する印刷法を挙げることができる。
2.着色層
本発明に用いられる着色層は、透明基材上にパターン状に形成されたものであり、通常は赤色着色部、緑色着色部および青色着色部を有するものである。各着色部は、各画素に対応して規則的に配列され、遮光部が形成されている場合は遮光部の開口部に対応して設けられる。
本発明に用いられる各着色部は、各色の顔料や染料等の着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させたものである。
赤色着色部に用いられる着色剤としては、例えばペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色着色部に用いられる着色剤としては、例えばハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色着色部に用いられる着色剤としては、例えば銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、各着色部に用いられるバインダ樹脂としては、透明な樹脂が用いられる。
着色層の形成方法として印刷法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、着色層の形成方法としてフォトリソグラフィ法を用いる場合は、バインダ樹脂としては、通常、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂が使用される。通常は、電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂が用いられる。
紫外線硬化性樹脂を使用する場合には、バインダ樹脂に光重合開始剤が単独または複数組み合わせて使用される。また、紫外線硬化型の感光性樹脂を用いる場合には、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を用いてもよい。
着色剤の含有量としては、各着色部中に5〜50重量%の範囲内であることが好ましい。また、バインダ樹脂の含有量としては、着色剤100重量部に対して30〜100重量部の範囲内であることが好ましい。
このような着色層の厚みとしては、通常1μm〜3μm程度とされる。
各着色部の配列としては、各着色部が巨視的に見て平均的に配列されていれば特に限定されるものではなく、例えばストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等が挙げられる。また、各着色部は、遮光部の開口部毎に形成されていてもよい。
着色層の形成方法としては、着色剤をバインダ樹脂に混合、分散または可溶化させて着色層形成用塗工液を調製し、この着色層形成用塗工液を用いてフォトリソグラフィ法によってパターニングする方法、あるいは、上記着色層形成用塗工液を用いて印刷法によりパターニングする方法が用いられる。
3.透明基材
本発明に用いられる透明基材は、有機EL素子用カラーフィルタ基板を支える支持体である。また、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置を構成した際には、観察者側に配置されるものであり、有機EL表示装置全体を支える支持体でもある。
透明基材としては、例えばガラスや石英ガラス等の無機質の板状透明基材、もしくはアクリル樹脂等の有機質(例えば、合成樹脂)の板状透明基材、または、合成樹脂製の透明フィルム状基材を用いることができる。厚みのごく薄いガラスも透明フィルム状基材として利用することができる。
また、透明基材としては、着色層や色変換層等を形成する側の表面の平滑性が高いものであることが好ましい。具体的には、平均表面粗さ(Ra)が、0.5nm〜3.0nm(5μm□領域)であるものを用いることが好ましい。
上記透明基材を構成する合成樹脂の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、メタクリル酸メチル樹脂等のアクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂等のセルロース樹脂、エポキシ樹脂、または環状オレフィン樹脂もしくは環状オレフィン共重合樹脂等を挙げることができる。
4.遮光部
本発明においては、透明基材上の着色層の間に遮光部(ブラックマトリクスともいう。)が形成されていてもよい。遮光部は、各画素毎に発光する区域を区画すると共に、発光する区域どうしの境界における外光の反射を防止し、画像、映像のコントラストを高めるために設けられるものである。したがって、遮光部は必ずしも設けなくてよいが、コントラストを向上させる以外に、着色層等を遮光部の開口部に対応させて形成する上で、遮光部が形成されていることが好ましい。また、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした際に、発光層等を遮光部の開口部に対応させて形成することからも、遮光部が形成されていることが好ましい。
遮光部は、通常、黒色のライン状に形成され、マトリクス状またはストライプ状等の開口部を有するパターン状に形成されたものである。本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした場合、発光層からの発光は、この遮光部の開口部を経由し、観察者側に到達する。
本発明に用いられる遮光部は、絶縁性を有するものであっても、絶縁性を有しないものであってもよいが、中でも絶縁性を有していることが好ましい。遮光部が絶縁性を有するものであれば、本発明の有機EL素子カラーフィルタ基板を用いて有機EL表示装置とした際に、遮光部と透明電極層とが接触する場合であっても、遮光部と透明電極層とが導通するのを回避することができるからである。
絶縁性を有する遮光部の形成材料としては、例えばカーボンブラック等の黒色着色剤を含有する樹脂組成物等が挙げられる。この樹脂組成物に用いられる樹脂としては、例えばアクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂、特に電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂を使用することができる。また、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、またはポリアミド樹脂等も例示することができる。
また、絶縁性を有しない遮光部の形成材料としては、例えばクロム等の金属または金属酸化物が挙げられる。この際、絶縁性を有しない遮光部は、CrO膜(xは任意の数)およびCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrO膜(xは任意の数)、CrN膜(yは任意の数)およびCr膜が3層積層されたものであってもよい。
絶縁性を有する遮光部の形成方法としては、上記の樹脂組成物を基材上に塗布して、フォトリソグラフィ法によりパターニングする方法を用いることができる。また、印刷法等を用いることもできる。
また、絶縁性を有しない遮光部の形成方法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等により薄膜を形成し、フォトリソグラフィ法を利用してパターニングする方法を用いることができる。また、無電界メッキ法等を用いることもできる。
上記遮光部の膜厚としては、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等により形成する場合には0.2μm〜0.4μm程度であり、塗布により形成する場合や印刷法によるときは0.5μm〜2μm程度である。
5.平坦化層
本発明においては、色変換層上に平坦化層が形成されていてもよい。この平坦化層は、着色層や色変換層を保護する役割を有すると共に、着色層や色変換層の厚みが一定でない場合には、それら層の表面をならして平坦な面とし、有機EL表示装置に用いる場合に透明電極層等を形成する際の影響を低減する目的で設けられるものである。また、平坦化層は、着色層や色変換層の構成により段差(凹凸)が存在する場合に、この段差を解消して平坦化を図り、有機EL表示装置の作製時に有機EL層を形成する際の厚みムラの発生を防止する平坦化作用をなすものである。
本発明に用いられる平坦化層の形成材料としては、透明樹脂を用いることができる。具体的には、アクリレート系、メタクリレート系の反応性ビニル基を有する光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂を使用することができる。また、上記透明樹脂として、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等を使用することができる。
また、本発明における平坦化層は光散乱性を有していてもよい。平坦化層が光散乱性を有することにより、色変換層で変換された光が透明基材に対して水平な方向に漏れるのを抑制し、透明基材に対して垂直な方向(観察者側)に光を効率的に取り出すことが可能となるからである。
上記平坦化層に光散乱機能を付与するには、平坦化層に光散乱性微粒子を含有させればよい。本発明に用いられる光散乱性微粒子は、光散乱作用を有する微粒子である。光散乱性微粒子の好ましい例としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の無機物、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の有機物の微粒子、あるいは、これらの2種以上の混合系等の微粒子を挙げることができる。これらの中でも、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、およびその混合系樹脂や共重合体の微粒子が透明性、耐久性の点で好ましい。
上記光散乱性微粒子の平均粒径としては、0.1〜5.0μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.1〜4.0μm、さらに好ましくは0.1〜2.0μmの範囲内である。平均粒径が上記範囲であることにより、十分な光散乱効果を得ることができるからである。
また、光散乱性微粒子は、光散乱効果を上げるため、球状であることが好ましい。
上記平坦化層の形成方法としては、上述した透明樹脂を含有する平坦化層形成用塗工液が液体の場合、スピンコート、ロールコート、キャストコート等の方法で塗布して成膜し、光硬化型樹脂の場合は紫外線照射後に必要に応じて熱硬化させ、熱硬化型樹脂の場合は成膜後そのまま熱硬化させる方法を挙げることができる。また、上述した透明樹脂がフィルム状に成形されている場合は、直接、あるいは、粘着剤を介して貼着することにより平坦化層を形成することができる。
このような平坦化層の厚みは、例えば1〜7μm程度とすることができる。
6.ガスバリア層
本発明においては、色変換層上にガスバリア層が形成されていてもよい。例えば図6に示すように平坦化層5が色変換層3上に形成されている場合は、ガスバリア層6は平坦化層5上に形成される。このガスバリア層は、有機EL表示装置に用いた場合、有機EL層へ有機EL素子用カラーフィルタ基板からの水蒸気や酸素または着色層や色変換層等からの脱離ガスが透過するのを遮断するために設けられるものである。
本発明に用いられるガスバリア層としては、水蒸気、酸素、脱離ガスなどのガスに対してガスバリア性を発現することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば透明無機膜、透明樹脂膜、あるいは有機−無機ハイブリッド膜等が用いられる。中でも、ガスバリア性が高い点から、透明無機膜が好ましい。
上記透明無機膜に用いられる材料としては、ガスバリア性を発現することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム等の酸化物;窒化ケイ素等の窒化物;窒化酸化ケイ素等の窒化酸化物;などが用いられる。中でも、ピンホールや突起が生じにくくガスバリア性が高いことから、窒化酸化ケイ素が好適である。
また、ガスバリア層は、単層であってもよく多層であってもよい。例えば、ガスバリア層が複数の窒化酸化ケイ素膜が積層された多層である場合は、ガスバリア性をさらに高めることができる。また、ガスバリア層が多層である場合は、各層にそれぞれ異なる材料を用いてもよい。
ガスバリア層の厚みとしては、特に限定されるものではなく、用いる基材やガスバリア層に用いられる材料の種類、あるいはガスバリア層が単層であるか多層であるかによって異なるものであり一概に規定できないが、通常、ガスバリア層全体で20nm〜2μm程度である。ガスバリア層の厚みが薄すぎるとガスバリア性が不十分となる可能性があり、またガスバリア層の厚みが厚すぎると薄膜の膜応力によるクラック等の現象が生じ易いからである。
上記ガスバリア層が透明無機膜である場合、この透明無機膜の形成方法としては、真空状態で形成できる膜の形成方法であれば特に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法、化学気相成長(CVD)法、イオンプレーティング法、電子ビーム(EB)蒸着法や抵抗加熱法等の真空蒸着法、レーザーアブレーション法等が挙げられる。このうち、有機EL素子用カラーフィルタ基板の生産性を考慮すると、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法が好ましく、さらには、スパッタリング法を用いることがより好ましい。スパッタリング法を用いることにより、高生産性で、品質安定性に優れたガスバリア層を形成することができるからである。
7.有機EL素子用カラーフィルタ基板の製造方法
以下、本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の製造方法の一例について説明する。
まず、透明基材上の全面に、クロム等の金属または酸化クロム等の金属酸化物を蒸着し、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによりブラックマトリクスを形成する。次に、ブラックマトリクスが形成された透明基材上に、赤色着色剤をバインダ樹脂に分散または溶解させた赤色着色部形成用塗工液を塗布し、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより赤色着色部を形成する。同様の手順により緑色着色部および青色着色部を形成する。
次いで、緑色着色部上に、緑色変換蛍光体を樹脂に分散または溶解させた緑色色変換部形成用塗工液を塗布し、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより緑色色変換部を形成する。この際、緑色色変換部は、緑色着色部上にパターン状に形成する。
そして、必要に応じて、緑色色変換部および各着色部を覆うように平坦化層を形成する。
このようにして有機EL素子用カラーフィルタ基板を作製することができる。
B.有機EL表示装置
次に、本発明の有機EL表示装置について説明する。本発明の有機EL表示装置は、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板と、上記有機EL素子用カラーフィルタ基板の色変換層側表面上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とするものである。
本発明の有機EL表示装置は、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板を用いるので、色変換層中で散乱して漏れた光を効率良く取り出すことができ、輝度を向上させることが可能である。
図6に、本発明の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図を示す。図6において、有機EL素子用カラーフィルタ基板10は、透明基材1上に、三原色の着色部2R、2G、2Bから構成される着色層と、緑色着色部2G上に形成された緑色色変換部3Gを有する色変換層とが形成され、各着色部2R、2G、2Bの間に遮光部4が形成されており、着色層および色変換層を覆うように平坦化層5が形成され、その上にガスバリア層6が形成されたものである。また、赤色着色部2Rおよび青色着色部2B上には入射光を透過する透過部3R´および3B´がそれぞれ形成されている。本発明の有機EL表示装置20においては、この有機EL素子用カラーフィルタ基板10のガスバリア層6の上に、透明電極層11、発光層を含む有機EL層12、および対向電極層13が形成されており、ガスバリア層6上の透明電極層11の間に絶縁層14が形成され、その上に隔壁部(カソードセパレータ)15が形成されている。
以下、本発明の有機EL表示装置の各構成について説明する。
1.有機EL層
本発明に用いられる有機EL層は、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層から構成されるものである。すなわち、有機EL層とは、少なくとも発光層を含む層であり、その層構成が有機層1層以上の層をいう。通常、塗布による湿式法で有機EL層を形成する場合は、溶媒との関係で多数の層を積層することが困難であることから、1層もしくは2層の有機層で形成される場合が多いが、溶媒への溶解性が異なるように有機材料を工夫したり、真空蒸着法を組み合わせたりすることにより、さらに多数層とすることも可能である。
発光層以外に有機EL層内に形成される有機層としては、正孔注入層や電子注入層といった電荷注入層を挙げることができる。さらに、その他の有機層としては、発光層に正孔を輸送する正孔輸送層、発光層に電子を輸送する電子輸送層といった電荷輸送層を挙げることができるが、通常これらは上記電荷注入層に電荷輸送の機能を付与することにより、電荷注入層と一体化されて形成される場合が多い。その他、有機EL層内に形成される有機層としては、キャリアブロック層のような正孔あるいは電子の突き抜けを防止し、さらに励起子の拡散を防止して発光層内に励起子を閉じ込めることにより、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
以下、このような有機EL層の各構成について説明する。
(1)発光層
本発明に用いられる発光層は、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を有するものである。この発光層としては、白色発光する白色発光層であってもよく、青色発光する青色発光層であってもよい。
青色発光層は、通常、青色を発光する青色発光体を含有するものである。青色発光体としては、一般的なものを用いることができる。例えば、特開平7−122364号公報、特開平8−134440号公報に開示されている、SrGa:Ce、CaGa:Ce、BaAl:Euなどのチオガレードまたはチオアルミネート系の色純度に優れる青色発光体が好ましく用いられる。また、青色発光体の具体例としては、特開平8−279394号公報に例示されている、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、特開昭63−295695号公報に開示されている金属キレート化オキシノイド化合物、欧州特許第0319881号明細書や欧州特許第0373582号明細書に開示されているスチリルベンゼン系化合物、特開平2−252793号公報に開示されているジスチリルピラジン誘導体、もしくは欧州特許第0388768号明細書や特開平3−231970号公報に開示されている芳香族ジメチリディン系化合等物を例示することができる。
上記ベンゾチアゾール系の蛍光増白剤としては、例えば2−2´−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾール等が挙げられる。上記ベンゾイミダゾール系の蛍光増白剤としては、例えば2−[2−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾイミダゾール、もしくは2−[2−(4−カルボキシフェニル)ビニル]ベンゾイミダゾール等が挙げられる。上記ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤としては、例えば2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4´−ビス(5,7−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、もしくは2−[2−(4−クロロフェニル)ビニル]ナフト[1,2−d]オキサゾール等が挙げられる。
また、上記金属キレート化オキシノイド化合物としては、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ[f]−8−キノリノール)亜鉛等の8−ヒドロキシキノリン系金属錯体、もしくはジリチウムエピントリジオン等が挙げられる。上記スチリルベンゼン系化合物としては、例えば1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−メチルベンゼン、もしくは1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−エチルベンゼン等を例示することができる。
さらに、上記ジスチリルピラジン誘導体としては、例えば2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2−(1−ナフチル))ビニル]ピラジン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2−(4−ビフェニル)ビニル]ピラジン、もしくは2,5−ビス[2−(1−ピレニル)ビニル]ピラジン等、またはそれらの誘導体が挙げられる。上記芳香族ジメチリディン系化合物としては、例えば1,4−フェニレンジメチリディン、4,4−フェニレンジメチリディン、2,5−キシレンジメチリディン、2,6−ナフチレンジメチリディン、1,4−ビフェニレンジメチリディン、1,4−p−テレフェニレンジメチリディン、9,10−アントラセンジイルジルメチリディン、4,4'−ビス(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル、もしくは4,4´−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル等、またはそれらの誘導体を例示することができる。
上記青色発光体の具体例としては、特開平5−258862号公報等に開示されている一般式(Rs−Q)−AL−O−Lで表される化合物を例示することもできる。ここで、一般式中、Lはベンゼン環を含む炭素原子6〜24個の炭化水素であり、O−Lはフェニラート配位子であり、Qは置換8−キノリノラート配位子であり、Rsはアルミニウム原子に置換8−キノリノラート配位子が2個以上結合するのを立体的に妨害するように選ばれた8−キノリノラート環置換基を表す。具体的には、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(パラ−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)、もしくはビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム(III)等を例示することができる。
一方、白色発光層による白色発光は、複数の発光体からの発光の重ね合わせにより得ることができる。本発明における白色発光層は、所定の蛍光ピーク波長を有する2種類の発光体の二色発光の重ね合わせにより白色発光を得るものであってもよく、また所定の蛍光ピーク波長を有する3種類の発光体の三色発光の重ね合わせにより白色発光を得るものであってもよい。中でも、白色発光層が、緑色光の成分が少ない白色発光を示すものであることが好ましい。例えば緑色色変換部を緑色着色部上に部分的に形成することにより、良好な緑色表示を得ることができ、緑色光の輝度を向上させることができるので、三原色の色特性のバランスに優れる有機EL表示装置とすることが可能であるからである。
本発明においては、白色発光層が、所定の蛍光ピーク波長を有する2種類の発光体の二色発光の重ね合わせにより白色発光を得る、いわゆる2波長発光光源により白色発光するものであることが好ましい。特に、白色発光層は、青色発光体と少量の赤色発光体とを含有し、2波長発光光源により白色発光するものであることが好ましい。このような白色発光層で得られる白色発光には緑色光の成分がほとんど含まれないが、上述したように例えば緑色色変換部を緑色着色部上に部分的に形成することにより、良好な緑色表示を得ることができ、緑色光の輝度を向上させることができるので、三原色の色特性のバランスに優れる有機EL表示装置とすることが可能であるからである。
なお、ここでいう「2波長発光光源」には、完全な2波長発光だけではなく、主な発光が2波長である場合が含まれる。
白色発光層に用いられる青色発光体は、蛍光ピーク波長が380nm以上480nm未満であることが好ましく、より好ましくは420nm以上475nm未満である。このような青色発光体としては、例えば特開平3−231970号公報、国際公開特許WO92/05131号公報または特開平7−26254号公報に記載されている化合物の中で、上記の蛍光条件を満足するものが挙げられる。具体的には、特開平6−207170号公報に記載されている化合物を挙げることができる。
また、白色発光層に用いられる赤色発光体は、蛍光ピーク波長が575nm以上650nm以下であることが好ましく、より好ましくは580nm以上620nm以下である。このような赤色発光体としては、例えばヨーロッパ公開特許第0281381号公報に記載されている赤色発進レーザー色素として用いられるジシアノメチレンピラン誘導体、ジシアノメチレンチオピラン誘導体、フルオレセイン誘導体、ペリレン誘導体などが挙げられる。この赤色発光体の含有量は、濃度消光が生じない範囲とされる。
発光層の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば5nm〜5μm程度とすることができる。
上記発光層の形成方法としては、高精細なパターニングが可能な方法であれば特に限定されるものではない。例えば蒸着法、印刷法、インクジェット法、またはスピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、および自己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等を挙げることができる。中でも、蒸着法、スピンコート法、およびインクジェット法を用いることが好ましい。また、発光層をパターニングする際には、マスキング法により塗り分けや蒸着を行ってもよく、または発光層間に隔壁を形成してもよい。
(2)正孔注入層
本発明においては、発光層と陽極(透明電極層もしくは対向電極層)との間に正孔注入層が形成されていてもよい。正孔注入層を設けることにより、発光層への正孔の注入が安定化し、発光効率を高めることができるからである。
本発明に用いられる正孔注入層の構成材料としては、一般的に有機EL素子の正孔注入層に使用されている材料を用いることができる。また、正孔注入層の構成材料としては、正孔の注入性もしくは電子の障壁性のいずれかを有するものであればよく、有機物もしくは無機物のいずれであってもよい。
具体的に正孔注入層の構成材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、もしくはチオフェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマー等を例示することができる。さらに、正孔注入層の構成材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、もしくはスチリルアミン化合物等を例示することができる。
上記ポルフィリン化合物としては、例えばポルフィン、1,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン銅(II)、アルミニウムフタロシアニンクロリド、もしくは銅オクタメチルフタロシアニン等が挙げられる。
また、上記芳香族第三級アミン化合物としては、例えばN,N,N´,N´−テトラフェニル−4,4´−ジアミノフェニル、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス−(3−メチルフェニル)−[1,1´−ビフェニル]−4,4´−ジアミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4´−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、3−メトキシ−4´−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、4,4´−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、もしくは4,4´,4´´−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン等が挙げられる。
このような正孔注入層の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば5nm〜5μm程度とすることができる。
(3)電子注入層
本発明においては、発光層と陰極(透明電極層もしくは対向電極層)との間に電子注入層が形成されていてもよい。電子注入層を設けることにより、発光層への電子の注入が安定化し、発光効率を高めることができるからである。
本発明に用いられる電子注入層の構成材料としては、例えばニトロ置換フルオレン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、もしくはオキサジアゾール誘導体のオキサジアゾール環の酸素原子をイオウ原子に置換したチアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有したキノキサリン誘導体、トリス(8−キノリノール)アルミニウム等の8−キノリノール誘導体の金属錯体、フタロシアニン、金属フタロシアニン、もしくはジスチリルピラジン誘導体等を例示することができる。
上記電子注入層の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば5nm〜5μm程度とすることができる。
2.透明電極層
本発明に用いられる透明電極層は、対向電極層との間に挟んだ有機EL層に電圧をかけ、所定の位置で発光を起こさせるためのものである。この透明電極層は、上述した有機EL素子用カラーフィルタ基板の色変換層側表面上に形成されるものであり、例えば図6に示すように、透明電極層11は、遮光部4の開口部の幅に相当する幅のストライプ状に形成される。この場合、ストライプ状の透明電極層11のピッチは遮光部4の開口部のピッチと同じである。
本発明における透明電極層は、通常、透明性および導電性を有する金属酸化物の薄膜で構成される。このような金属酸化物としては、例えば酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、もしくは酸化第二錫等が挙げられる。
このような透明電極層の形成方法としては、例えば蒸着法もしくはスパッタリング法等によって金属酸化物の薄膜を形成した後に、フォトリソグラフィ法によりパターニングする方法が好ましく用いられる。
3.対向電極層
本発明に用いられる対向電極層は、有機EL層を発光させるための他方の電極をなすものであり、上記透明電極層と反対の電荷をもつ電極である。この対向電極層は、有機EL層上に形成される。
本発明における対向電極層は、通常、仕事関数が4eV以下程度と小さい金属、合金、もしくはそれらの混合物から構成される。具体的には、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、もしくはリチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等を例示することができる。より好ましくは、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、もしくはリチウム/アルミニウム混合物を挙げることができる。
上記対向電極層は、シート抵抗が数百Ω/cm以下であることが好ましい。
また、対向電極層の厚みとしては、10nm〜1μm程度が好ましく、より好ましくは50〜200nm程度である。
このような対向電極層の形成方法としては、蒸着法もしくはスパッタリング法等によって薄膜を形成した後に、フォトリソグラフィ法によりパターニングする方法が好ましく用いられる。
4.その他
本発明においては、ストライプ状の透明電極層の間に、遮光部に対応して絶縁層が形成されていてもよい。
また、絶縁層上には、発光層等を形成する際のマスクの役割を果たす隔壁部が形成されていてもよい。この隔壁部の形成材料としては、例えば感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、あるいは無機材料などを用いることができる。この場合、隔壁部の表面エネルギー(濡れ性)を変化させる処理を行ってもよい。
本発明の有機EL表示装置の駆動方式としては、パッシブマトリクス、もしくはアクティブマトリクスのいずれであってもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(ブラックマトリクスの形成)
透明基材として、150mm×150mm、厚み0.7mmのソーダガラス(セントラル硝子(株)製)を準備した。この透明基材の片側全面にスパッタリング法により酸化窒化複合クロムの薄膜(厚み0.2μm)を形成した。この酸化窒化複合クロム薄膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、および酸化窒化複合クロム薄膜のエッチングを順次行って、80μm×280μmの長方形状の開口部が、短辺方向に100μmのピッチ、長辺方向に300μmのピッチでマトリクス状に配列したブラックマトリクスを形成した。
(着色層の形成)
赤色、緑色および青色の各色着色部形成用塗工液を調製した。赤色着色剤としては縮合アゾ系顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、クロモフタルレッドBRN)、緑色着色剤としてはフタロシアニン系緑色顔料(東洋インキ製造(株)製、リオノールグリーン2Y−301)、および青色着色剤としてはアンスラキノン系顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、クロモフタルブルーA3R)をそれぞれ用いた。また、バインダ樹脂としてはポリビニルアルコール(10%水溶液)を用いた。ポリビニルアルコール水溶液10重量部に対し、各着色剤を1重量部の割合で配合して、十分に混合分散させた。さらに、得られた溶液100重量部に対し、1重量部の重クロム酸アンモニウムを架橋剤として添加し、各色着色部形成用塗工液を得た。
上記の各色着色部形成用塗工液を順次用いて各着色部を形成した。すなわち、上記のブラックマトリクスが形成された透明基材上に、赤色着色部形成用塗工液をスピンコート法により塗布し、100℃で5分間のプリベイクを行った。その後、フォトマスクを用いて露光し、現像液(0.05%KOH水溶液)にて現像を行った。次いで、200℃で60分間のポストベイクを行い、ブラックマトリクスのパターンに同調させ、幅85μm、厚み1.5μmのストライプ状の赤色着色部を、その幅方向がブラックマトリクスの開口部の短辺方向になるよう形成した。以降、緑色着色部形成用塗工液および青色着色部形成用塗工液を順次用い、ストライプ状の緑色着色部および青色着色部を形成した。これにより、三原色の各着色部が幅方向に繰り返し配列した着色層を形成した。
(色変換層の形成)
ブラックマトリクスおよび着色層が形成された上に、透過部形成用塗工液(富士ハントエレクトロニクステクノロジー(株)製、透明感光性樹脂組成物、商品名:カラーモザイクCB−701)をスピンコート法により塗布し、100℃で5分間のプリベイクを行った。次いで、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行った後、200℃で60分間のポストベイクを行った。これにより、青色着色部および赤色着色部上に、幅85μm、厚み2.5μmのストライプ状の透過部をそれぞれ形成した。
次いで、緑色変換蛍光体(アルドリッチ(株)製、クマリン6)を分散させたアルカリ可溶性ネガ型感光性レジストを変換緑色色部形成用塗工液とし、上記と同様に手順により、図7に示すように緑色着色部2G上に、幅10μm、ギャップ5μm、厚み2.5μmのストライプ状の緑色色変換部3Gを形成した。
(平坦化層の形成)
次いで、アクリレート系光硬化性樹脂(新日鐵化学(株)製、商品名:V−259PA/PH5)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈した平坦化層形成用塗工液を調製し、この平坦化層形成用塗工液を色変換層が形成された上にスピンコート法により塗布し、120℃で5分間のプリベイクを行った後、紫外線を照射線量が300mJになるように全面露光を行い、露光後、200℃で60分間のポストベイクを行って、着色層および色変換層の全体を覆うように厚み2μmで透明な平坦化層を形成した。
(透明電極層の形成)
次いで、平坦化層上にイオンプレーティング法により膜厚150nmの酸化インジウムスズ(ITO)電極膜を形成し、このITO電極膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、ITO電極膜のエッチングを行って、透明電極層を形成した。この透明電極層は、透明基材上から平坦化層上に乗り上げるように形成された幅80μmのストライプ状のパターンであり、色変換層上では着色層の各着色部上に位置するものであった。
(絶縁層および隔壁部の形成)
平均分子量が約100000であるノルボルネン系樹脂(JSR(株)製、ARTON)をトルエンで希釈した絶縁層形成用塗工液を使用し、スピンコート法により透明電極層を覆うように塗布した後、ベーク(100℃、30分)を行って絶縁膜(厚み1μm)を形成した。次に、この絶縁膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、絶縁膜のエッチングを行って絶縁層を形成した。この絶縁層は、ブラックマトリクスの開口部に、絶縁層の開口部が位置するように配置され、絶縁層の開口部は、ブラックマトリクスの開口部よりも大きい90μm×290μmの長方形状とした。
次に、隔壁部用塗料(日本ゼオン(株)製、フォトレジスト、ZPN1100)をスピンコート法により絶縁層を覆うように全面に塗布し、プリベーク(70℃、30分間)を行った。その後、所定のフォトマスクを用いて露光し、現像液(日本ゼオン(株)製、ZTMA−100)にて現像を行い、次いで、ポストベーク(100℃、30分間)を行った。これにより、絶縁層上に隔壁部を形成した。この隔壁部は、高さ10μm、下部(絶縁層側)の幅15μm、上部の幅26μmである形状を有するものであった。
(白色有機EL層の形成)
次いで、上記の隔壁部をマスクとして、真空蒸着法により正孔注入層および白色発光層からなる有機EL層を形成した。
すなわち、まずN,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1´−ビフェニル〕−4,4´−ジアミンを、画像表示領域に相当する開口部を備えたフォトマスクを介して60nmまで蒸着して成膜することによって、隔壁部がマスクパターンとなり、各隔壁部間のみを正孔注入層の形成材料が通過して透明電極層上に正孔注入層が形成された。
同様にして、4,4´−ビス(2,2´−ジフェニルビニル)ビフェニル(蛍光ピーク波長:465nm(固体))を40nmまで蒸着して成膜した。このとき、同時にルブレン(アルドリッチ(株)製、蛍光ピーク波長:585nm(ジメチルホルムアミド0.1重量%溶液))を少量含有させた。これにより白色発光層を形成した。
その後、トリス(8−キノリノール)アルミニウムを20nm厚まで蒸着して成膜することにより電子注入層を形成した。このようにして形成された有機EL層は、幅280μmのストライプ状のパターンとして各隔壁部間に存在するものであった。
(対向電極層の形成)
次に、画像表示領域よりも広い所定の開口部を備えたフォトマスクを介して、上記の隔壁部が形成されている領域に、真空蒸着法によりマグネシウムと銀とを同時に蒸着(マグネシウムの蒸着速度=1.3〜1.4nm/秒、銀の蒸着速度=0.1nm/秒)して成膜した。これにより、隔壁部がマスクとなって、マグネシウム/銀化合物からなる厚み200nmの対向電極層を有機EL層上に形成した。この対向電極層は、幅280μmのストライプ状のパターンとして白色有機EL層上に存在するものであった。
以上により、有機EL表示装置を作製した。
[比較例1]
実施例1において色変換層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置を作製した。
[評価]
実施例1および比較例1の有機EL表示装置の透明電極層と対向電極層とに直流8.5Vの電圧を10mA/cmの一定電流密度で印加して連続駆動させることにより、透明電極層と対向電極層とが交差する所望の部位の白色発光層を発光させた。そして、色変換層で色変換、あるいは、そのまま透過し、着色層で色補正された後、透明基材の反対面側で観察される各色の発光について、CIE色度座標(JIS Z 8701)を測定した。その結果、比較例1の有機EL表示装置ではCIE色度座標でx=0.264、y=0.534の緑色発光が確認されたのに対し、実施例1の有機EL表示装置ではCIE色度座標でx=0.291、y=0.564の緑色発光が確認された。また、緑色発光の輝度を比較すると、実施例1の有機EL表示装置では比較例1の有機EL表示装置に比べて輝度が5%向上していた。このように実施例1の有機EL表示装置では、高輝度で色純度の高い三原色表示が可能であった。
[実施例2]
実施例1において、下記に示すように着色層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL表示装置を作製した。
(着色層の形成)
赤色、緑色および青色の各色着色部形成用塗工液を調製した。赤色着色剤としては縮合アゾ系顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、クロモフタルレッドBRN)、緑色着色剤としてはフタロシアニン系緑色顔料(東洋インキ製造(株)製、リオノールグリーン2Y−301)、および青色着色剤としてはアンスラキノン系顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、クロモフタルブルーA3R)をそれぞれ用いた。また、バインダ樹脂としてはアクリル系UV硬化性樹脂組成物(アクリル系UV硬化性樹脂20%・アクリル系UV硬化性樹脂モノマー20%・添加剤5%・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)55%)を用いた。アクリル系UV硬化性樹脂組成物10部に対し、各着色剤を1部(部数はいずれも質量基準。)の割合で配合して、十分に混合分散させ、各色着色部形成用塗工液を得た。
上記の各色着色部形成用塗工液を順次用いて各着色部を形成した。すなわち、上記のブラックマトリクスが形成された透明基材上に、赤色着色部形成用塗工液をスピンコート法により塗布し、120℃で2分間のプリベイクを行った。その後、フォトマスクを用いて露光(積算露光量300mJ/cm)し、現像液(0.05%KOH水溶液)にて現像を行った。次いで、230℃で60分間のポストベイクを行い、ブラックマトリクスのパターンに同調させ、幅85μm、厚み1.5μmのストライプ状の赤色着色部を、その幅方向がブラックマトリクスの開口部の短辺方向になるよう形成した。以降、緑色着色部形成用塗工液および青色着色部形成用塗工液を順次用い、ストライプ状の緑色着色部および青色着色部を形成した。これにより、三原色の各着色部が幅方向に繰り返し配列した着色層を形成した。
(評価)
実施例1の有機EL表示装置と同様に、実施例2の有機EL表示装置では高輝度で色純度の高い三原色表示が可能であった。
本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子用カラーフィルタ基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。 実施例1での緑色色変換部を説明するための説明図である。
符号の説明
1 … 透明基材
2 … 着色層
2R … 赤色着色部
2G … 緑色着色部
2B … 青色着色部
3 … 色変換層
3R … 赤色色変換部
3G … 緑色色変換部
3R´、3B´ … 透過部
4 … 遮光部
5 … 平坦化層
6 … ガスバリア層
10 … 有機EL素子用カラーフィルタ基板
11 … 透明電極層
12 … 有機EL層
13 … 対向電極層
20 … 有機EL表示装置

Claims (10)

  1. 透明基材と、前記透明基材上にパターン状に形成された着色層と、前記着色層上に部分的に形成された色変換層とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  2. 前記色変換層が、前記着色層上にパターン状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  3. 前記着色層が、赤色着色部、緑色着色部および青色着色部を有し、前記色変換層が、前記赤色着色部上に部分的に形成された赤色色変換部および前記緑色着色部上に部分的に形成された緑色色変換部の少なくともいずれか一方を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  4. 前記赤色着色部上に赤色色変換部が形成されていないことを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  5. 前記色変換層上に平坦化層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  6. 前記平坦化層が光散乱性を有することを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  7. 前記色変換層上にガスバリア層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  8. 前記透明基材上の前記着色層の間に遮光部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用カラーフィルタ基板の色変換層側表面上に形成された透明電極層と、前記透明電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  10. 前記発光層が2波長発光光源により白色発光するものであることを特徴とする請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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