JP2006228597A - 発光管、発光管の製造方法、電子機器 - Google Patents

発光管、発光管の製造方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガラス管の寸法や形状等の設計自由度を高くすることのできる発光管、その製造方法、および電子機器を提供すること。
【解決手段】 発光管1は、放電用ガスが封入されたガラス管2と、このガラス管2の両端にそれぞれ配置された陽極4と陰極9とを備え、ガラス管2は1対のガラス成形体2a、2bを互いに接合してなる。また、ガラス成形体2a、2bのうち出光方向の反対側に配置されるガラス成形体2bの外表面には反射膜22が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラス管内での気体中放電を利用した発光管、その製造方法、および電子機器に関し、詳しくは、ガラス管の設計自由度を高めた発光管、その製造方法、および電子機器に関する。
従来より、気体中放電を利用した瞬間閃光用の発光管としては、キセノン、ネオン、アルゴン、クリプトン等の希ガス入り放電管が使用されている。中でもキセノン発光管はその発光色(スペクトル)が太陽光に一番近く、発光効率も良く、またガスの熱容量が小さいため短時間発光が可能になること等からスチルカメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話機などにおける撮影用のストロボ光源に広く利用されている。
キセノン発光管101は、図35、36に示すように、キセノンガスを封入した円筒状のガラス管102の両端に陽極103と陰極104を組み付けてなる。さらにガラス管102の外周面にはトリガ電極として機能する透明導電膜が形成されている。陽極103と陰極104はコンデンサに接続され、ガラス管102外周面の透明導電膜はトリガトランスと接続されている。トリガトランスから透明導電膜に高電圧が印加されると、ガラス管102内部の透明導電膜に沿った部分のキセノンガスがイオン化する。このキセノンガスのイオン化によりガラス管102内における陽極103と陰極104間が導通状態になり上記コンデンサに充電された電流がガラス管102内のキセノンガス中を流れガラス管102内に放電が生じる。これにより、極めて短時間に昼光に近い閃光を発する。例えば、特許文献1、2参照。
特開平10−289657号公報 特開平11−185620号公報
従来は、放電用ガスを封入するガラス管は、管径や形状が予め何通りかに設定された既製品から選択して用いており、結果として発光管全体のサイズや形状の設計に制約があった。このため、特に発光管を搭載する電子機器の小型化に対して柔軟な対応が困難であった。単純に電子機器の小型化に対応して管径の小さなガラス管を用いたのでは光量が落ちてしまう。近年の電子機器の小型化に伴って、小型化しつつ所望の光量も得たいという発光管に対する要望が強くなってきている。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、その目的とするところは、ガラス管の寸法や形状等の設計自由度を高くすることのできる発光管、その製造方法、および電子機器を提供することにある。
本発明は前記課題を解決するため以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の発光管は、1対のガラス成形体を互いに接合してなり放電用ガスが封入されたガラス管と、このガラス管の両端にそれぞれ配置された陽極と陰極とを備える。
また、本発明の電子機器は、1対のガラス成形体を互いに接合してなり放電用ガスが封入されたガラス管と、このガラス管の両端にそれぞれ配置された陽極と陰極とを備える発光管を搭載している。
また、本発明の発光管の製造方法は、1対のガラス成形体を成形する工程と、1対のガラス成形体の間に陽極と陰極を配置すると共に放電用ガスを供給しつつ1対のガラス成形体を互いに接合する工程と、を有する。
上記1対のガラス成形体は、これを熱成形するための金型の設計に応じて自由なサイズや形状に設計でき、結果としてこれら1対のガラス成形体が接合されてなるガラス管のサイズや形状も自由に設計できる。
例えば、出光方向側に配置されるガラス成形体をフレネルレンズ形状にすれば奥行き寸法(出光方向に沿った寸法)の増大を抑えつつ集光効率を向上できる。すなわち、小型化と集光効率向上の両立を図れる設計を行える。また、出光方向の反対側に配置されるガラス成形体に反射膜を形成する場合には、このガラス成形体の曲率を反射効率を向上させるべく曲率に設計できる。これらフレネルレンズ形状のガラス成形体と、反射光率を高くする設計がなされた反射膜付きのガラス成形体を互いに接合させれば、よりいっそう集光効率を高めた発光管となる。しかも、この場合、発光管自体にフレネルレンズやリフレクターとしての機能も担わせているので、発光管とは別部品でフレネルレンズやリフレクターを設ける必要がない。このことによって、発光管を搭載する電子機器の小型化及びコスト低減が図れる。
また、1対のガラス成形体それぞれに複数のガス封入部を形成し、1対のガラス接合体の接合によって互いの対応するガス封入部どうしが合わされて放電用ガスが封入された複数のガラス管を有するガラス接合体を得て、このガラス接合体から単個または複数個単位でガラス管を分離するようにすれば、一度の接合にて複数のガラス管を同時に形成でき、またガス封入も複数のガラス管について同時に行え、さらにガラス管への陽極と陰極の組み付けも複数のガラス管について同時に行え、生産効率を向上できる。またこの場合、分離を行う前に各発光管の検査を行えば後でばらばらになってから検査するよりも複数の発光管についてまとめて検査を行え作業効率が良い。さらに、この検査の結果、不良と判定された発光管には分離前に不良マークを付するようにすれば、不良品が連続して並んでいるような場合にはそれら不良品間の分離は行う必要がなく余計な手間と時間を省ける。
本発明の発光管によれば、ガラス管の設計自由度を高めることができるので、例えば、小型化を優先するのか、所望の光量確保を優先するのか、あるいは小型化と光量確保の両立を実現するのかといった様々な仕様要求に柔軟に対応できる。
本発明の電子機器によれば、搭載される発光管におけるガラス管の設計自由度を高めることができるので、結果として電子機器の小型化を促進できたり、またコスト低減も図れる。
本発明の発光管の製造方法によれば、ガラス管の設計自由度を高めることができるので、例えば、小型化を優先するのか、所望の光量確保を優先するのか、あるいは小型化と光量確保の両立を実現するのかといった様々な仕様要求に柔軟に対応できる。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る発光管1の一部破断斜視図を示す。発光管1は、内部に放電用ガスが封入されたガラス管2と、このガラス管2内部の長手方向両端で互いに向き合って配置された陽極4と陰極9とを備える。ガラス管2は、所望の形状にそれぞれ熱成形された1対のガラス成形体2a、2bを互いに接合させてなる。以下に、本実施形態に係る発光管1の製造方法について説明する。
(電極導入線の加工)
陽極側、陰極側それぞれにおいてガラス管2の内部に配置される電極導入線6(図4参照)を加工する(図25においてステップS1)。例えば純度99.99%程度のタングステンの線材を加工して電極導入線6として用いる。この線径は、例えばデジタルスチルカメラに搭載するストロボ用発光管としての用途を想定した場合における満足すべき発光効率及びサイズを考慮して0.5mmとした。もちろん用途によって電極導入線6の線径は変わってくる。
電極導入線6は所望の長さに切断されるが、その際、ベンチプレスや旋盤等を使って、ガラス管2内で他方の電極に対向される端面の切断面が電極導入線6の延在方向(放電方向)に対して垂直になるように切断する。図2に示すように他方の電極に対向される端面6aが放電方向に対して垂直面でなかった場合には、他方の電極に向けて出っ張った部分から偏った放電となり、発光損失が生じ、また放電が偏った部分の摩耗にもつながる。これに対して図3に示すように放電面となる端面6aを放電方向に対して垂直に仕上げれば、その端面6aの各部分から均一発光が得られ、また摩耗箇所の偏りも防げる。
電極導入線6の切断は、まず上述した放電面となる端面6aを垂直に仕上げることを目的として1次切断を行い、その後で次工程でのハンドリングを考慮してつかみやすい長さ(例えば約3〜5mm)に切断する。
(電極導入線とリードとの結合)
先の工程で所望の長さに切断された電極導入線6において、ガラス管2の外部に出る部分に別の導電材料からなるリード7(図4参照)を被せる(図25においてステップS2)。電極導入線6においてガラス管2の外部に出る部分は、他のパーツと電気的に接合される部分であり、通常ははんだにて他の端子と接合される。よって、タングステンでははんだぬれ性が非常に悪く電気的接触不良をまねく可能性があるため、はんだに対してぬれ性の良い材料(例えばニッケル)からなるリード7で覆う必要がある。
リードは図4に示すように鍔付きスリブ形状をしている。鍔部7aは、後工程で電極導入線6に装着されるビーズガラス(封止用ガラス)との組付性を良好にするために設けられている。鍔部7aはスリブ部7bより例えば0.5mm程度径外方に出っ張っている。
リード7の中空孔の内径をd1、電極導入線6の外径をd2とすると、d2≦d1の関係となっており、電極導入線6の一端側はリード7の中空孔内に挿入され、その状態でスリブ部7bの外周部(図4において1点鎖線のハッチングで示す部分)がかしめられる。かしめ方法は、従来より行われている治具を用いたプレスによる方法が使用される。なお、かしめ後にリード7が変形することは発光管としての性能上まったく問題にはならない。
(封止用ガラスの取り付け)
先の工程でリード7と結合された電極導入線6に、後工程で組み付けられる1対のガラス成形体に対する接合封止用のガラス8(図5参照)を取り付ける。この封止用ガラス8は予めビーズ状に成形され、その中空孔に電極導入線6を挿入するだけの容易な作業により電極導入線6に取り付けることができる。
(放電陰極の取り付け)
以上までの、電極導入線6とリード7とのかしめ、および電極導入線6への封止用ガラス8の取り付けは陽極と陰極側それぞれについて行われるが、陰極側についてはさらにその電極導入線6に円筒状の放電陰極9(図6参照)が装着される(図25においてステップS3)。放電陰極9は電極導入線6の先端部に治具を用いてプレス等でかしめられる。放電陰極9のサイズは、例えば、長さが1.0mm、外径が1.0mm、内径が0.5mmとなっている。このサイズが大きいほど発光量も多くなる。
放電陰極9は合金の焼結体であり、具体的には、図26のステップS101〜S106に示すように、ニオブ金属粉末、ジルコニウム、その他(タンタル、酸化トリウム、バリウム、ストロンチウム、カルシウムなどを配合した3元酸化物)を計量・調合・撹拌した後、型枠に詰め込みプレス成形し、この後、熱処理炉でステアリン酸を用いた前処理、仮真空焼結処理、本真空焼結処理が行われる。この後、クロム酸セシウムなどを用いた活性化処理(ステップS107)が行われ、焼結品性能テスト(ステップS108)で良となったものが次工程で用いられる。
(封止用ガラスの溶着)
上記工程まで得られた陽極側と陰極側の電極アセンブリ11、12を水素炉(内部が水素雰囲気とされた加熱炉)内へ投入し、封止用ガラス8を溶かして図7、8に示すように電極導入線6に密着させる(図25においてステップS4)。封止用ガラス8は電極導入線6におけるリード7の鍔部7a寄りの位置に密着される。陰極側電極アセンブリ12については、鍔部7aと放電陰極9との間に封止用ガラス8が密着される。
封止用ガラス8は電極導入線6に溶着されるため、電極導入線6の材質であるタングステンと封止用ガラスとの相性が問題となる。具体的には発光時の熱による影響が考えられる。よって、封止用ガラス8としてはその熱膨張係数をタングステンの熱膨張係数にマッチングさせたものを選定するのが好ましい。
この封止用ガラス8の溶着部分はガラス管2の内部を外部から気密封止する部分である。したがって、本実施形態では封止用ガラス8の溶着に水素炉を使用し、電極導入線6と封止用ガラス8との界面に、ガラス管2内の気密性を損なうような元素が付着してしまうことを回避している。図22に、タングステンとガラスとの異種材料接合を良好に行うための温度プロファイルの一例を示す。例えば50〜100℃/分のペースで温度T1(封止用ガラス8の転移温度よりも高く軟化状態が維持される温度)まで昇温させ、その温度T1を5〜20分間維持した後、20〜50℃/分のペースで温度を下げていく。上記T1の設定温度は使用するガラス材料の量によっても変える必要はあるが概ね550℃〜700℃に設定される。また、水素炉を使用する他の目的として電極導入線6の表面酸化防止もある。このことも異種材料どうしの密着接合に有効となる。
(ガラスの熱成形)
これは、図9Aに示されるような板状ガラス14を熱成形して図9Bに示されるような所望の形状のガラス成形体2bを得る工程である。後工程で互いに接合される1対のガラス成形体2a、2bのうち一方のガラス成形体2bの熱成形について図9を参照して説明するが、他方のガラス成形体2aについてもガラス成形体2bと同様に熱成形される。
板状ガラス14は、熱プレス面が所望の形状、サイズに設計された上下の金型15a、15bの間にセットされ(図27においてステップS5)、図9Bに示すように両金型15a、15bの熱プレス面間で加圧及び加温を受け、所望の形状に熱成形される(図27においてステップS6)。ガラス成形体2bには、放電用ガスの封入空間の一部として機能するガス封入凹部16が形成される。1つのガラス成形体2bあたりに形成されるガス封入凹部16は1つでもよいが、本実施形態では生産性を高めるため、図12に示すように、長尺板状の1つのガラス成形体2bあたり複数のガス封入凹部16が長手方向に並列して形成される。他方のガラス成形体2aにもガラス成形体2bのガス封入凹部16と対応して複数のガス封入凹部18が形成される。
ガラス成形体2a、2bの素材としては従来の発光管に用いている素材と概ね変わりなく、低融点系のホウ珪酸ガラスを使用する。また、金型15a、15bの材料としては、成形温度が比較的高いことを考慮し、耐熱性があり熱膨張もしにくいSiC(炭化珪素)などのセラミックを選定した。成形中に金型15a、15bが熱膨張すると、ガラスに応力が伝わり、成形中に破損させてしまうおそれがあるので、成形時における金型15a、15bの熱膨張を抑えることは重要である。
また、金型15a、15bの内面は円滑に表面仕上げされ、さらに離型剤として例えばDLC(Diamond Like Carbon)膜が形成され、金型15a、15bからのガラス成形体2a、2bの離型性を高めている。これは、熱成形温度と、金型15a、15bからガラス成形体2a、2bを取り出すときの温度との温度差による熱収縮によりガラス成形体2a、2bが金型15a、15bへ食い付き、金型15a、15bからガラス成形体2a、2bを取り出す際にガラス成形体2a、2bにクラックが入ったり破損させてしまうといったことを回避するためである。なお、離型剤としては、DLC膜以外にも、熱成形の設定温度に応じて、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法などで膜付けできる他の材料を選定してもよい。
また、この熱成形で得られた1対のガラス成形体2a、2bは後の工程で加熱接合されるので、この熱成形工程で急激な熱を加えて成形させてしまうと、ガラス成形体2a、2bに内部応力(残存歪)が残ってしまい、後工程の接合時の加熱でガラス成形体2a、2bを破損させてしまうおそれがある。このため、図23の熱成形温度プロファイルの一例に示すように、昇温時を複数のステップに分けて行う。具体的には、先ず常温から50℃/分のペースで150℃まで昇温させ、次に15℃/分のペースで530℃まで昇温した後、温度T2(例えば550℃前後)まで昇温させ、その温度T2を15〜30分間維持した後、50〜100℃/分のペースで温度を下げていく。また、この熱成形工程はガラス自体に熱と力を加えながらの作業となるため、ガラスの、熱に対する特性に合った温度プロファイルとする必要がある。
以上のようにして得られたガラス成形体2a、2bは洗浄や検査(図27においてステップS7)などを経て次工程に供給される。
(透明導電膜の形成)
ガラス成形体2bにおいてガラス管2の管壁外表面となる部分に透明導電膜21(図10参照)を形成する(図27においてステップS8)。例えば酸化錫ターゲットをスパッタすることにより透明導電膜21として酸化錫膜を形成する。透明導電膜21は透明で導電性を有するものであればよくその他にITO(Indium Tin Oxide)などを使用してもよい。この透明導電膜21は、ガラス管2内に高電圧を印加するためのトリガ電極として機能する。
図36に示す従来の発光管101における透明導電膜の形成では、透明導電膜を介して両電極103、104が短絡しないように、両電極103、104を含むガラス管102の両端部に絶縁性の保護膜を先に形成した上で、ガラス管2の外表面に透明導電膜を形成していた。
これに対して本実施形態では、ガラス成形体2bとは別工程で製造される両電極アセンブリ11、12(図7、8参照)がまだ組み付けられていない状態のガラス成形体2bに透明導電膜21を形成するので、上記従来のような保護膜の形成は必要ない。その分コスト低減が図れる。なお、透明導電膜21は、1対のガラス成形体2a、2bのうち少なくともどちらか一方に形成すればよく(本実施形態では例えばガラス成形体2bとしたが他方のガラス成形体2aに形成してもよい)、ガラス管の外表面全体に透明導電膜を形成していた従来に比べて透明導電膜の使用量を少なくできこのことによってもコスト低減が図れる。
図36に示す従来においてガラス管102外表面に例えばマスクを用いて部分的に透明導電膜を形成したとしてもその膜が透明であるためガラス管102外表面のどこの部分に透明導電膜が付いていてどこの部分に付いていないかの見分けができないため、ガラス管102外表面の全体に形成せざるを得なかった。透明導電膜にはトリガ電極用の端子あるいは配線を接続させる必要があるのでガラス管102表面のどこに透明導電膜が付いているかを把握する必要がある。
これに対して本実施形態のガラス管2は1対のガラス成形体2a、2bの接合体であるので、それらガラス成形体2a、2bを接合する前にマスクを用いることなくどちらか一方のガラス成形体2a、2bのみに容易に透明導電膜を形成することが可能となる。そして、1対のガラス成形体2a、2b間における形状や寸法の違い等からどちらのガラス成形体2a、2bに透明導電膜21が付いているかを識別でき、両ガラス成形体2a、2bを接合して得られるガラス管2においてどこに透明導電膜21が付いているか把握できる。これにより、トリガ電極用の端子や配線と、透明導電膜21との接続も容易に行える。
(反射膜の形成)
上記1対のガラス成形体2a、2bにおいて、出光方向の反対側に位置されることになるガラス成形体(例えば本実施形態では上記透明導電膜21が形成されたガラス成形体2b)の外表面(透明導電膜21の上)に反射膜22を形成する(図27においてステップS9)。反射膜22は例えばアルミニウムターゲットを用いたスパッタ法により形成されるアルミニウム膜である。その他蒸着法を用いてもよい。
従来は、図38に示すように、ガラス管102とは別の部品であるリフレクター105(アルミニウムからなり、この内側にさらにアルミニウム膜が形成)を使ってガラス管102裏面(出光方向の反対面)側への光を反射させて出光側へと集光させていた。これに対して本実施形態では、接合前の状態であれば、マスクを用いることなく出光方向の反対側に位置される一方のガラス成形体2bのみに反射膜22(図10)を形成することができ、その反射膜22を上記従来のリフレクター105の代わりとして用いることができる。このような本実施形態の構成によれば、従来のようなガラス管とは別部品のリフレクター105を設ける必要がなくなり、発光管周辺部品の低減を図れる。これは、発光管が組み込まれる電子機器のコスト低減や、部品点数減少及び設置スペース減少による小型化につながる。
また、従来は図38に示すように、ガラス管102の外周面に形成された透明導電膜21’に対してリフレクター105の内側の一部分(凹面の底付近)を密着させ、このリフレクター105に、トリガトランスに接続する配線を例えばはんだ付け等により接続させて、透明導電膜21’にトリガ用の高電圧を印加できるように構成していた。したがって、リフレクター105とガラス管102とは密着させる必要があり、ガラス管102の形状やガラス管102とリフレクター105との配置関係に制約があった。
これに対して本実施形態では、従来のリフレクター105に代わるものとして、図10に示すように透明導電膜21の上に導電性を有するアルミニウムからなる反射膜22を形成しているため、トリガトランスとの接続用の配線は容易に反射膜22にはんだ付け等で接続できる。あるいは、トリガトランスと電気的に接続された板ばね状の端子を反射膜22に圧接させてもよい。このような本実施形態では、ガラス成形体2bの形状にとらわれずに、透明導電膜21にトリガ用の高電圧を印加する構成が得られ、発光効率を高めることを優先したガラス成形体2bの設計を行える。
なお、信頼性に問題なければ、図11に示すように、透明導電膜を設けずに反射膜22をトリガ電極としても兼用させてもよく、この場合にはよりいっそうのコスト低減を図れる。
以上のようにして透明導電膜21や反射膜22が形成されたガラス成形体2bは洗浄や検査(図27におけるステップS10)などを経て次工程で他方のガラス成形体2aと接合される。
(ガラス成形体の接合)
上記工程までで得られた1対のガラス成形体2a、2bのうちの一方(例えば本実施形態ではガラス成形体2aとするが、もちろん他方のガラス成形体2bであってもよい)に、図12に示すように陽極側と陰極側のそれぞれの電極アセンブリ11、12をセットして、他方のガラス成形体2bと接合する。また、この接合時には、両ガラス成形体2a、2bのそれぞれのガス封入凹部16、18どうしが合わされて形成される気密空間内に放電用ガスとして例えばキセノンガスの封入も併せて行われる。
ガラス成形体2a側の各ガス封入凹部18はガラス成形体2aの短手方向に略平行に延在して形成され、その一端に陽極側の電極アセンブリ11が、他端に陰極側の電極アセンブリ12がセットされる(図28においてステップS11)。各ガス封入凹部18は、他方のガラス成形体2bに形成された対応するガス封入凹部16と合わされてそれぞれ個別にガス封入空間を形成する。陽極側電極アセンブリ11は、図7に示すその電極導入線6の先端部がガス封入凹部18に臨まされてセットされる。陰極側電極アセンブリ12は、電極導入線6の先端部に取り付けられた放電陰極9(図8参照)がガス封入凹部18に臨まされてセットされる。陽極側及び陰極側とも、リード7はガラス成形体2a、2bの外方に位置される。図7、8に示す鍔部7aの内側端面7cをガラス成形体2a、2bにおいて長手方向のエッジ部に当接させることで陽極側、陰極側電極アセンブリ11、12のガラス成形体2a、2bに対する位置決めがなされる。
図13に接合装置25の概略図を示す。接合装置25の内部には溶着用上金型28aと、溶着用下金型28bが配設されている。溶着用上金型28aには、透明導電膜21及び反射膜22が形成されたガラス成形体2bがセットされ、溶着用下金型28bには電極アセンブリ11、12がセットされたガラス成形体2aがセットされる(図28においてステップS12)。両ガラス成形体2a、2bは、それぞれのガス封入凹部16、18及びこのガス封入凹部16、18の外方に張り出して形成されたフランジ部17、19を互いに対向させて配置される。下側に配置されるガラス成形体2aのフランジ部19上には溶着用フリットガラス27が転写される。
溶着用フリットガラス27はパウダー状であり、このパウダー状のままでは吹き飛んでガス封入空間となる凹部16、18内に入り込むおそれがあるので、そのパウダー状のものを揮発性の高い溶剤に混ぜて、ディスペンスによる塗布法またはスクリーン印刷法等によりフランジ部19上に転写する。
なお、フリットガラス以外にも例えばポリマー系接着剤を両ガラス成形体2a、2bの接合材として用いてもよい。あるいは、接合材を用いずにガラス成形体2a、2bのフランジ部17、19表面を直接溶融させて接合させてもよい。ただし、ガラス成形体2a、2bを直接溶融させるとなると接合面となるフランジ部17、19以外にも、ガス封入凹部16、18を変形させてしまうおそれがあり、所望の集光性を得るために設計されたガス封入凹部16、18の曲率が変わってしまう可能性があるので、例えばレーザ加熱によりフランジ部17、19のみを局部的に加熱することが好ましい。
両ガラス成形体2a、2bがそれぞれ金型28b、28aにセットされると、先ず、吸気・排気ポート26より接合装置25内に窒素ガスを供給して接合装置25内の大気と置換する。吸気・排気ポート26から排気される窒素ガスの量を測定しながら窒素ガスの供給を停止する制御が行われ、接合装置25内雰囲気を窒素ガスに置換する。接合装置25内雰囲気を窒素に置換する目的の一つとしては、次に接合装置25内に供給される放電用の封入ガスであるキセノンガスが高価であるため、余ったキセノンガスを回収して再精製して有効に活用することが挙げられる。大気中には多くの元素が含まれるため大気とキセノンガスとの混合ガスからキセノンガスを回収するには比較的コストがかかる。これに対して窒素ガスとキセノンガスとの混合ガスからキセノンガスを回収することは比較的低コストで済む。また、キセノンガスを窒素ガス中に供給した際に窒素ガスが100%キセノンガスと入れ替わらなかった場合に、接合面及びガラス管2内部にキセノンガスと窒素ガス以外のガスが取り込まれることも防止している。さらに、ガラス成形体2a、2bの溶着には熱を利用するためその加熱時に発生するガラス成形体2a、2bや接合装置25内からのアウトガスによるガラス成形体2a、2bの汚染や酸化防止も窒素ガスを使う目的の一つである。
図24に上記接合時における温度プロファイルの一例を示す。両ガラス成形体2a、2bのフランジ部17、19どうしを合わせた状態で、例えば50〜100℃/分のペースで600℃前後に昇温させ、その温度で10〜20分ほど加熱を行う。このとき、フランジ部17、19に転写された接合材27のうち揮発性の高い溶剤は揮発して接合装置25外部に排気される。キセノンガスは比較的重く凹部16、18内に溜まりやすく、揮発した溶剤は凹部16、18内には入り込みにくい。そして、その溶剤に溶け込まされていたフリットガラスは溶融され、この溶融されたフリットガラスによって両ガラス成形体2a、2bのフランジ部17、19どうしが接合されると共に、ガス封入凹部16、18によって囲まれた空間を内部に有するガラス管2が得られる(図14、16参照)。このガラス管2内の空間には放電用ガスであるキセノンガスが封入されている。さらにその空間の両端にはそれぞれ陽極4(電極導入線6の先端部)と、陰極9が臨まされている。
また、上記加熱時には、陽極側及び陰極側のそれぞれの電極導入線6に組み付けられた封止用ガラス8(図7、8参照)も溶融され、この封止用ガラス8とこれを挟み込んでいる両ガラス成形体2a、2bとが接合される。これによって、ガラス管2両端部分における気密封止がなされる。
以上の溶着・封止工程(図28においてステップS13)の後、接合装置25内をキセノンガスから窒素ガスに置換し、例えば20〜40℃/分のペースで450℃前後まで除冷した後急冷を行う(図28においてステップS14)。
また、従来はガラス管に対する電極アセンブリの組み付け及びガス封入を、個々のガラス管ごとに個別に行わなければならなかったが、本実施形態では1対のガラス成形体2a、2bの一度の接合にて複数のガラス管2に対して電極アセンブリ11、12の組み付け及びガス封入をまとめて行える。これにより生産性を高めることができる。
(分離前検査)
以上のようにして図16に示すように複数の発光管1を一体に形成したガラス接合体31が得られ、このガラス接合体31は、次工程にて単個ごとにあるいは複数個連なった状態で分離される。この分離前の時点において各発光管1内における陽極、陰極の位置やキセノンガスの封入状態などの要因により不良が生じている可能性がある。良品と不良品とが混在した状態のまま分離してしまうと後の検査や良否選別の作業効率が悪くなるので、予め図17に示すようなつながった状態で各発光管1について一括して検査を行い、分離後の良否の選別にその検査結果をフィードバックさせることが望ましい。
具体的には、図17に示すように、複数の検査用プローブ33を各電極アセンブリ11、12のピッチに合うピッチで保持部材34に保持させ、それら複数のプローブ33をまとめて各電極アセンブリ11、12においてガラス成形体2a、2bの外部に出ているリード7に接触させて、複数の発光管1の検査を同時に行う。検査内容は、例えば、発光電圧チェック、テスラーコイルを用いた放電検査、電気測定終了後に行う外観検査等である。
各検査で不合格となった場合には、その発光管1表面に不良マークを付する。不良マークは視認しやすく目立つ位置(例えば出光面)に付することが好ましい。不良マークは、例えば、インクジェットプリンタ、レーザ等を用いて付すことができる。また、設備コストを抑える目的であればペンを用いて付してもよい。この場合容易に消えないように不滅インクを用いるのが好ましい。ただし、ガラス管2の径があまり細いとペンでは不良マークを書きにくので、本実施形態では例えばインクジェットプリンタによって不良マークを付した。不良マークは、次工程における分断前にブレードを分断位置に画像処理装置を用いて位置合わせする際に、このとき用いるカメラの撮像により検出することができる。
(分離)
上記分離前の検査を終えたガラス接合体31において、隣接する発光管1間のフランジ部17、19(図18において1点鎖線で示す位置)を分断して1個の発光管1ごとに分ける(図29においてステップS15)。この分断は例えば回転刃方式のブレード(ダイシングソー)を用いて行う。ガラス接合体31は、例えば下側のガラス成形体2aのガス封入凹部18の曲面に合った凹部を有するトレイに支持された状態で分断される。また、この分断時に、分断面の冷却や潤滑、切子除去等の目的で水を使用してもよい。このような分断を行うにあたっては、従来より半導体ウェーハのダイシング工程で使用されている設備をそのまま流用可能である。
なお、ダイシング方式による分断に限らず他の分断方法、例えばスクライブラインを形成してそのスクライブラインに沿って押圧バーでブレイクする方法により分断してもよい。ただし、この場合ガラスに対してのストレス(応力)によるクラック等の発生が懸念される。また、レーザを用いて分断してもよい。ただし、この場合ガラス成形体2bの表面には透明導電膜21や反射膜22が形成されているため、これらに対してレーザが当たることによるそれら膜の破損や剥離などが懸念される。以上のことから本実施形態ではダイシング方式による分断を選んだ。
また、接合する前における各ガラス成形体2a、2bの熱成形時に、各発光管1の接続部分に図21に示すような凹溝35を形成しておいて、接合時には両ガラス成形体2a、2bの各凹溝35を一致させて接合することで厚さが薄く強度が他より弱い部分を形成して、分断時にはその凹溝35に沿って折るようにして各発光管1を個別に分離してもよい。
また、分断前の検査工程にて不良マークが付された不良品1’が図19に示すように連続して並んでいる場合には、それら不良品1’間の分断は行わずに連続した不良品1’をひとまとめで良品と分離すれば、連続した不良品1’間の分断という余分な分断を行わなくて済み、分断工程に要する時間短縮を図れる。これは上述したように分断前に良否の検査を行っているために得られる利点である。
また、発光管1を1個ずつ分離することに限らず、最終的な製品として複数個の発光管1を1つのユニットとして使いそれら複数個の発光管1どうしを互いに分離する必要がない場合には複数個単位で分離してもよい。例えば、図20には発光管1を2個単位で分離する例を示す。図20において1点鎖線が分断線を示す。もちろん、3個以上の単位で発光管1を分離してもよい。
分離された発光管1のピックアップにおいて、特に発光管1が小径の場合には、自動吸着装置を用いてピックアップすることが有効である。この場合に、吸着する発光管1を認識するために画像処理装置を用いることがある。この画像処理装置を用いて不良マークを認識し不良品は不良品ボックス等へ収容され、良品は次工程で使用される洗浄用トレイなどへ収容される。これらを自動で行うことで生産効率を向上できる。また、不良品を良品用トレイへ収容してしまった場合でも、不良品には不良マークが付されているので後工程における外観検査等により不良品の判別は容易に可能である。
以上のようにして分断された発光管1に対して、図29においてステップS16〜S20に示すように、気密検査(ガス漏れ確認)、発光テスト、面取り、洗浄、エージングテスト、完成品検査(外観検査、発光電圧確認など)が行われ上記各検査に合格すると完成となる。
以上により、図1に示す本実施形態に係る発光管1が得られる。ガラス管2は1対のガラス成形体2a、2bが接合されて構成され、このガラス管2の内部に放電用ガスとして例えばキセノンガスが封入されている。また、ガラス管2内の両端には陽極4と陰極9が互いに向き合って配置されている。
本実施形態に係る電子機器(例えばスチルカメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話機等)は、そのような発光管1を例えばストロボ用の光源として搭載している。発光管1が電子機器に組み付けられる際には光の出光方向であるカメラ前方にガラス成形体2aが位置するように組み付けられる。そして、出光方向の反対側に位置することになるガラス成形体2bの外表面には図14に示すように透明導電膜21及び反射膜22が形成されている。その反射膜22には、トリガトランスに接続されている板ばね状の導電端子が圧接される。あるいは、反射膜22に電線ケーブルをはんだ付けして反射膜22とトリガトランスとを電気的に接続してもよい。
陽極4と陰極9はそれぞれのリード7を介して、発光管1と共に電子機器内に搭載されたコンデンサと電気的に接続され、トリガ電極として機能する透明導電膜21は反射膜22を介して同じく電子機器内に搭載されたトリガトランスと電気的に接続されている。トリガトランスから透明導電膜21に高電圧が印加されると、ガラス管2内部の透明導電膜21に沿った部分のキセノンガスがイオン化する。このキセノンガスのイオン化によりガラス管2内における陽極4と陰極9間が導通状態になり上記コンデンサに充電された電流がガラス管2内のキセノンガス中を流れガラス管2内に放電が生じる。これにより、極めて短時間に昼光に近い閃光を発する。
以上述べた本実施形態によれば所望の形状やサイズに熱成形して得る1対のガラス成形体2a、2bを接合させることで放電用ガスを封入するガラス管2を得るので、従来の既製サイズ及び既製形状のガラス管を選んで発光管として用いる場合に比べて、ガラス管のサイズや形状設計の自由度を高めることができる。すなわち、ガラス成形体2a、2bの熱成形用の金型変更により自由にガラス管2のサイズや形状を決められる。これにより、発光管1の設置スペースや発光管1が搭載される電子機器の大きさの制約に対して柔軟な対応が可能となる。また、設計の柔軟さにより小型化も容易に図れ、発光管1の小型化は結果としてこれが搭載される電子機器の小型化につながる。特に、近年小型化が進むデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話機等の電子機器への搭載に有効となる。
また、各ガラス成形体2a、2bにはそれぞれ複数のガス封入凹部16、18が形成されているので、それらガラス成形体2a、2bの一度の接合工程にて、複数のガラス管2の形成、このガラス管2に対する電極アセンブリ11、12の組み付け、およびガラス管2内へのガス封入を同時にまとめて行え、且つこの接合後、各発光管1をばらばらにしない状態で各発光管1の一括検査および不良品には不良マークを付す等を行ってから分離するようにしているので、生産効率や工程管理を大幅に向上させることができる。
なお、ガラス成形体2a(または2b)には複数のガス封入凹部18(または16)を形成することに限らず、1個のガス封入凹部18(または16)のみであってもよい。この場合、接合後に分断する必要がないので図15に示すようにフランジ部を設けず、ガラス成形体2a、2bをそれぞれ凹部18、16のみから構成してもよい。ただし、接合部の強度確保及びガラス管2内からのガス漏れの確実な防止のためには、図14に示すようにガス封入空間の外方に張り出すようにして形成されたフランジ部17、19を設けて接合面を広くとった方が好ましい。
また、発光面として機能しないフランジ部17上の反射膜22に上述したトリガトランスとの接続用の端子やケーブルを接続させれば、この接続部によって発光が遮られることがなく発光効率の損失抑制も図れる。
また、フランジ部17、19を、他のパーツ(例えば取り付け用ホルダーや、出光面側に配置されるフレネルレンズ等)の支持部として機能させることもできる。
[第2の実施形態]
図30は本発明の第2の実施形態に係る発光管41の斜視図を示す。図31はその発光管41の拡大断面図を示す。上記第1の実施形態と同様、発光管41は、内部に放電用ガスが封入されたガラス管42と、このガラス管42内部の長手方向両端で互いに向き合って配置された陽極43と陰極44とを備える。ガラス管42は、所望の形状にそれぞれ熱成形された1対のガラス成形体42a、42bを互いに接合させてなる。この発光管41の製造方法も上記第1の実施形態の発光管1の製造方法と同様である。この第2の実施形態に係る発光管41において第1の実施形態の発光管1と異なる特徴は、一方のガラス成形体42bがフレネルレンズ形状に成形されている点である。
上述したように、ガラス成形体の形状はこれを熱成形する金型の設計により所望の形状にすることが可能である。そこで本実施形態では、出光側に配置される一方のガラス成形体42bをフレネルレンズ形状に成形している。フレネルレンズは薄い板状の表面に様々な傾斜のプリズムを多数形成してなり、凸レンズに比べて小さな厚さ(奥行き寸法)ながら凸レンズと同様な集光レンズとして機能する。
また、図36に示す従来の真円筒状のガラス管102では出光方向の反対側は半円形状に制限されてしまうが、本実施形態では反射膜22が形成される他方のガラス成形体42aについて、反射光率の良い曲面設計を反映した形状にできる。
以上述べたように本実施形態によれば、出光側とこの反対側のガラス成形体42b、42aについて出光側への集光効率を高めるような形状にそれぞれ設計することができる。
例えば、従来の真円筒状に制限されてしまっていた発光管102では、図37に示すようにその発光管102の他にこれとは別部品としてリフレクター105とフレネルレンズ106を設けて集光効率の向上を図っていた。これに対して本実施形態では、発光管自体にリフレクターやフレネルレンズの機能を担わせることができるので、従来に比べて部品点数が削減できると共に、電子機器への搭載スペースも大幅に小さくできる。このことは結果として電子機器の小型化及びコスト低減につながる。
また、図39はリフレクター105を用いた現行機種における光学設計例における光路図を示す。この例ではリフレクター105の厚み(奥行き寸法)は4.85mmを必要としている。
これに対して、図40は、リフレクター105の代わりにガラス成形体42aに反射膜22を形成し、且つ出光側のガラス成形体42bをフレネルレンズ形状にした第2の実施形態に係る発光管41の光路図を示す。上記図39に示す例と同等の出光光量を得るように設計している。例えば、ガラス成形体42bの厚さは1.0mm、ガラス成形体42aの厚さは0.35mm、ガラス成形体42aの内面側の曲率半径は1.1mm、外面側の曲率半径は1.45mmである。そしてこの発光管41全体の厚さ(奥行き寸法)は2.45mmとなっており、図39において対応する寸法4.85mmよりも大幅に短くなっている。
[第3の実施形態]
また、ガラス管形状は図32に示すように扁平管(楕円管)形状も可能である。図32は本発明の第3の実施形態に係る発光管51の断面図を示す。ガラス管52は、所望の形状にそれぞれ熱成形された1対のガラス成形体52a、52bを互いに接合させてなる。この発光管51の製造方法も上記第1の実施形態の発光管1の製造方法と同様である。
従来の真円管形状のガラス管においてガラス管の径を大きくすれば出光方向に向く部分の面積が大きくなり出光量を増大できるが、真円管形状のガラス管ではその径を大きくすることは奥行き寸法も増大させてしまう。これに対して図32に示すような断面扁平(楕円)状のガラス管52では、奥行き寸法をそれほど増大させずに出光方向に向く部分の面積を大きく確保できる。発光効率は電極サイズ及び電極間のアーク長に依存しているためガラス管52断面を扁平形状にすることによる光量損失はない。むしろ、反射膜22を形成したガラス成形体52aが扁平形状になることで出光方向にまっすぐに反射しやすくなり反射効率を向上が可能になる。
また、ガラス管は直管形状に限らず、図33に示すように曲がった形状のガラス管61でもよい。このガラス管61の両端に陽極62と陰極63が配置される。ガラス管61の太さを従来と同じとした場合には、長くなった分だけ光量を増大できる。また、その他任意の形状に曲げたり、図中の寸法Lをさらに短くするなどして電子機器内において空いているスペースに合った設計が行える。
さらに、図34に示すようにリング状のガラス管71としてもよい。陽極72と陰極73は、ガラス管71の両端において径外方に延出するようにして配置される。このようなリング状のガラス管71ではレンズ鏡筒などへの組み付けが可能となり、電子機器における部品配置スペースの有効利用を図れる。
以上説明した各実施形態や変形例は適宜組み合わせ可能である。
また、ガラス管内に封入される放電用ガスとしてはキセノンガスに限らず、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス等であってもよい。また、本発明はフラッシュ発光に限らず連続点灯用の発光管にも適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る発光管の一部破断斜視図である。 発光管に用いられる電極導入線において好ましくない切断例を示す断面図である。 発光管に用いられる電極導入線において良好な切断例を示す断面図である。 電極導入線とリードとが組み付けられた状態の側面図である。 陽極側の電極アセンブリの側面図である。 陰極側の電極アセンブリの側面図である。 図5の状態から封止用ガラスが溶着された状態の側面図である。 図6の状態から封止用ガラスが溶着された状態の側面図である。 板状ガラスからガラス成形体を熱成形する工程を示す断面図である。 透明導電膜及び反射膜が形成されたガラス成形体の断面図である。 反射膜のみが形成されたガラス成形体の断面図である。 1対のガラス成形体の斜視図である。 ガラス成形体の接合装置の概略図である。 1対のガラス成形体の接合後の断面図である。 フランジ部がない場合の1対のガラス成形体の接合後の断面図である。 1対のガラス成形体の接合後の斜視図である。 図16に示すガラス接合体の検査を示す斜視図である。 発光管を単個ずつ分断する分断線を示す斜視図である。 不良品をとばして分断する例を示す斜視図である。 発光管を2個ずつ分断する分断線を示す斜視図である。 隣接する発光管の分離箇所の変形例を示す断面図である。 封止用ガラス溶着時の温度プロファイル例である。 ガラス成形体の熱成形時の温度プロファイル例である。 1対のガラス成形体の接合時の温度プロファイル例である。 本発明の一実施形態に係る発光管の製造工程を示すフローチャートである。 図25に続くフローチャートである。 図26に続くフローチャートである。 図27に続くフローチャートである。 図28に続くフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る発光管の斜視図である。 同第2の実施形態に係る発光管の拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る発光管の断面図である。 本発明の変形例に係る発光管の平面図である。 本発明の他変形例に係る発光管の平面図である。 従来例の発光管の断面図である。 同従来例の発光管の斜視図である。 同従来例の発光管、リフレクターおよびフレネルレンズの斜視図である。 同従来例の発光管およびリフレクターの断面図である。 従来の光学設計例における光路図である。 本発明の第2の実施形態に係る構成における光学設計の光路図である。
符号の説明
1…発光管、2…ガラス管、2a,2b…ガラス成形体、4…陽極、9…陰極、16…ガス封入部、17…フランジ部、18…ガス封入部、19…フランジ部、21…透明導電膜、22…反射膜、41…発光管、42…ガラス管、42a,42b…ガラス成形体、51…発光管、52…ガラス管、52a,52b…ガラス成形体。

Claims (10)

  1. 放電用ガスが封入されたガラス管と、前記ガラス管の両端にそれぞれ配置された陽極と陰極とを備える発光管であって、
    前記ガラス管は1対のガラス成形体を互いに接合してなる
    ことを特徴とする発光管。
  2. 前記1対のガラス成形体はそれぞれガス封入部と、前記ガス封入部の外方に張り出して形成されたフランジ部とを有し、前記フランジ部どうしが互いに合わされて接合されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光管。
  3. 前記1対のガラス成形体のうち出光方向の反対側に位置されるガラス成形体の外表面に反射膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光管。
  4. 前記1対のガラス成形体のうち出光方向側に位置されるガラス成形体はフレネルレンズ形状に成形されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光管。
  5. 1対のガラス成形体を成形する工程と、
    前記1対のガラス成形体の間に陽極と陰極を配置すると共に放電用ガスを供給しつつ前記1対のガラス成形体を互いに接合する工程と、
    を有することを特徴とする発光管の製造方法。
  6. 前記接合前に、前記1対のガラス成形体のうち出光方向の反対側に位置されるガラス成形体の外表面に反射膜を形成する工程を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の発光管の製造方法。
  7. 前記1対のガラス成形体それぞれに複数のガス封入部を形成し、前記接合によって互いの対応するガス封入部どうしが合わされて前記放電用ガスが封入された複数のガラス管を有するガラス接合体を得て、前記ガラス接合体から単個または複数個単位で前記ガラス管を分離する
    ことを特徴とする請求項5に記載の発光管の製造方法。
  8. 前記分離を行う前に各発光管の検査を行う
    ことを特徴とする請求項7に記載の発光管の製造方法。
  9. 前記検査の結果不良と判定された発光管に前記分離前に不良マークを付する
    ことを特徴とする請求項8に記載の発光管の製造方法。
  10. 放電用ガスが封入されたガラス管と、前記ガラス管の両端にそれぞれ配置された陽極と陰極とを備える発光管を搭載した電子機器であって、
    前記ガラス管は1対のガラス成形体を互いに接合してなる
    ことを特徴とする電子機器。
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