JP2006226500A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2006226500A JP2005044123A JP2005044123A JP2006226500A JP 2006226500 A JP2006226500 A JP 2006226500A JP 2005044123 A JP2005044123 A JP 2005044123A JP 2005044123 A JP2005044123 A JP 2005044123A JP 2006226500 A JP2006226500 A JP 2006226500A
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Abstract

【課題】軸電圧が生じるようなモータに使用された場合でも電食が防止できる転がり軸受を提供する。
【解決手段】鋼製の外輪2の外周面20に、表面抵抗が106 Ω以上のダイヤモンドライクカーボン(DLC)層を形成する。鋼製の内輪1の軌道面1aに、表面抵抗が106 Ω以上で弾性係数(応力/歪み)が25GPa以上180GPa以下のダイヤモンドライクカーボン(DLC)層を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は転がり軸受に関する。
モータのロータ軸は、転がり軸受でハウジングに対して回転自在に支持されている。モータのロータ軸支持に通常使用されている転がり軸受は、SUJ2(高炭素クロム軸受鋼二種)製の内輪、外輪、および転動体を備えている。
インバータ制御モータや高速スイッチング等の、高周波電流が発生する装置の近くで使用されるモータには、軸電圧が発生して、ロータ軸とハウジングとの間に電位差が生じる場合がある。これに伴って、ハウジングやロータ軸からの漏れ電流が、転がり軸受の転動体と軌道輪との間に流れ、軌道輪の軌道面および転動体の転動面に電食(電気化学的腐食)が生じる恐れがある。この電食が生じると、軌道輪の軌道面および転動体の転動面の精度が低下し、振動が上昇して、軸受の寿命が短くなる。
この電食を防止するために様々な提案がなされているが、最も有望な提案としては、軌道輪の軌道面に合成樹脂、熱可塑性エラストマ、または合成ゴムからなる絶縁層を設ける方法がある(例えば特許文献1および2参照)。
特開平7−310748号公報 特開平10−75551号公報
しかしながら、軌道面に前述の絶縁層を設けると、軸受の回転時に生じる熱で絶縁層にクリープ変形が生じて、軸受の回転精度が低下する恐れがある。
本発明は、軸電圧が生じるようなモータに使用された場合でも電食が防止できる転がり軸受を、回転精度の低下等が生じない方法で提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、鋼製の外輪の外周面に、表面抵抗が106 Ω以上のダイヤモンドライクカーボン(DLC)層が形成されていることを特徴とする転がり軸受を提供する。
本発明は、また、鋼製の軌道輪の軌道面に、表面抵抗が106 Ω以上で弾性係数(応力/歪み)が25GPa以上180GPa以下のダイヤモンドライクカーボン(DLC)層が形成されていることを特徴とする転がり軸受を提供する。
これらの転がり軸受によれば、鋼製の外輪の外周面または鋼製の軌道輪の軌道面に、表面抵抗が106 Ω以上のDLC層が形成されていることで、軸電圧が生じるようなモータに使用された場合でも電食が防止できる。
ここで、軌道輪の軌道面は、転動体との転がり接触によって例えば2GPa程度の応力を受ける。そのため、軌道面に設けるDLC層の剛性が高すぎると、繰り返し応力を受けることで破壊が生じ易くなる。軌道面に設けるDLC層の弾性係数(応力/歪み)を25GPa以上180GPa以下(下地鋼の弾性係数と同等以下)とすることで、このような破壊を生じ難くすることができる。また、回転精度の低下等の不具合も生じない。
なお、外輪の外周面はハウジングに対して間座などを介して取り付けられるため、軌道面に設ける場合のように、DLC層の弾性係数を下地鋼の弾性係数と同等以下にする必要はない。
DLC層の形成方法としては、マグネトロンスパッタリング、高周波スパッタリング、イオンビームアシストデポジション、イオンビームデポジション、イオンプレーティング、ECR(電子サイクロトロン共鳴)プラズマCVD法、ECRスパッタリング法等を採用することができる。特に、アンバランスドマグネトロンスパッタリング(以下「UBMS」と略称する。)法により形成することが好ましい。
UBMS法は、非平衡な磁場分布を有するマグネトロンカソードを使用することにより、通常のマグネトロンスパッタリング法(バランスドマグネトロンスパッタリング法)と比較して基板(被成膜面)の近傍でのプラズマ密度を高くすることができるため、成膜時の基板温度を低くすることができる。また、基板に負の電力を印加して行うバイアススパッタリングにより、硬いDLC層が形成できるという利点もある。
特に、UBMS法によるバイアススパッタリングは、金属下地層−金属カーバイド中間層−DLC層といった複合層を形成する際に、ターゲット電力とバイアス電圧の制御および気体導入量の制御によって組成を制御し易いため、特に好ましい成膜法である。
本発明の転がり軸受において、DLC層は、マグネトロンスパッタリング法により炭化水素系ガスを導入しながら形成され、塑性変形硬さが2GPa以上15GPa以下となっていることが好ましい。これにより、DLC層の体積抵抗値を高くすることができる。前記炭化水素系ガスとしては、アセチレン、メタン、エタン、プロパン、6フッ化エタンなどが挙げられる。
この方法で形成されるDLC層の表面粗さは、炭化水素系ガスの導入量によって制御することができる。転がり軸受の回転音が増大することを防止するために、DLC層の表面粗さを下地の表面粗さの1.1倍以下とすることが好ましい。
本発明の転がり軸受は、インバータ制御モータの軸の支持に好適に使用される。
本発明の転がり軸受によれば、軸電圧が生じるようなモータに使用された場合でも電食が防止されて、長期間に渡って良好な性能を保持できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に相当する転がり軸受を示す断面図である。
この転がり軸受は、呼び番号6202(内径15mm、外径35mm、幅11mm)の単列深みぞ玉軸受であり、内輪1、外輪2、玉(転動体)3と、保持器4と、シール5とで構成されている。内輪1の外周面には軌道溝1aが、外輪2の内周面には軌道溝2aがそれぞれ形成されている。これらの軌道溝1a,2aが対向配置され、その間に保持器4を介して玉3が転動自在に配設されている。
内輪1、外輪2、および玉3は、SUJ2(高炭素クロム軸受鋼2種)で形成し、内輪1の軌道溝1aが形成されている面10と外輪2の外周面20に、下記の方法で図2に示す構造の複合層61〜64を形成した。
成膜装置としては、(株)神戸製鋼所のUBMS装置「504」を使用した。ターゲットとしてクロムとカーボン(炭素)をこの装置の所定位置に設置した。先ず、被成膜物の表面をスパッタリングによりクリーンにして活性化する処理(ボンバード処理)を行った。このボンバード処理は、ターゲット電力0の状態でチャンバ内の圧力を1Pa程度にし、チャンバ内にアルゴンガスを導入して、被成膜物に−100〜−500Vの電圧をかけ、15分間アルゴンプラズマでスパッタリングすることにより行った。
次に、クロムのターゲット電力を「−」にし、被成膜物には、これより大きな負のバイアス電圧(−50V〜−100V)をかけて、チャンバ内にアルゴンガスを導入してUBMSを行った。これにより、SUJ2製の被成膜物60の表面にクロム下地層61を形成した。所定時間経過後に、クロムのターゲット電力を徐々に小さくするとともに、カーボンのターゲット電力を徐々に大きくしながら、アルゴンガスの導入をし続け、被成膜物のバイアス電圧はそのままでUBMSを継続した。これにより、クロム下地層61の上にクロムカーバイド(CrC)中間層62を形成した。
所定時間経過後に、カーボンのターゲット電力を10kWとし、クロムのターゲット電力を0とし、チャンバ内にアルゴンガスを導入し続けながらUBMSを継続した。これにより、クロムカーバイド中間層62の上にDLC層63を形成した。次に、チャンバ内にアルゴンガスとともにアセチレンガスを導入し、バイアス電圧を0〜−200Vの範囲で制御しながらUBMSを継続した。これにより、DLC層63の上に高抵抗DLC層64を形成した。
このようにして、軌道溝側の面10にDLC複合層61〜64が形成された内輪1と、外周面20にDLC複合層61〜64が形成された外輪2を得た。そして、このDLC層が形成された外輪2とDLC層が形成されていない内輪1を用いて、実施例1の転がり軸受を組み立てた。また、このDLC層が形成された内輪1とDLC層が形成されていない外輪2とを用いて、実施例2の転がり軸受を組み立てた。さらに、これらのDLC層が形成された外輪2と内輪1を用いて、実施例3の転がり軸受を組み立てた。また、DLC層が形成されていない内輪1と外輪2を用いて、比較例の転がり軸受を組み立てた。
各実施例および比較例の転がり軸受を図3に示すファンモータに組み込んで下記の条件で回転させ、図4に示す試験装置を用いて軸受に流れる電流を調べた。
このファンモータは、ロータ101と、ステータ102と、ハウジング103と、回転軸104と、回転軸104の両端をハウジング103に対して回転自在に支持する転がり軸受105,106を備えている。ハウジング103はロータ102が内嵌される筒状部103aと、その前後を塞ぐ前蓋103bおよび後ろ蓋103cとからなる。前蓋103bは回転軸104を配置する部分が前方に突出し、この突出部分に間座107を介して転がり軸受105の外輪が嵌め込まれている。後ろ蓋103cの後方は、回転軸104を配置する部分が後方に突出し、この突出部分に間座108を介して転がり軸受106の外輪が嵌め込まれている。
図4の試験装置は、インダクションモータ201,202と、両インダクションモータ201,202を回転させる3相200Vの電源203と、電源203とインダクションモータ202の間に接続されたインバータ204と、電流測定用CT205と、電流アンプ206と、電流計207とからなる。インダクションモータ201は転がり軸受105,106が取り付けられた回転軸104を回転させる。インダクションモータ202は、転がり軸受105,106の外輪と、配線208により電気的に接続されている。電流測定用CT205は、配線208を流れる電流(すなわち、転がり軸受105,106に流れた電流)を検出する。電流アンプ206は、電流測定用CT205で検出された電流を増幅する。
<試験条件>
回転速度:1800min-1(内輪回転)
アキシャル荷重:29.4N(3kgf)
グリース:NS7
軸受への付与電流:14mA
回転時間:1500時間
その結果、転がり軸受に流れた電流は実施例1で7.2mAであり、実施例2で11mAであり、実施例3で5.5mAであり、比較例で13mAであった。また、1500時間回転後に各転がり軸受に電食が生じているかどうかを確認したところ、実施例1〜3では電食は生じていなかったが、比較例では生じていた。
次に、弾性係数が異なるDLC層を軌道面に設けた多数の内輪を用意し、他は同じ構成とした多数の転がり軸受について、図5の試験装置を用いた回転試験を行った。
この試験装置は、試験軸受70に対して通電しながら回転を行うものであり、モータ71と、絶縁カップリング72と、鉄製ハウジング73と、給電用の予圧バネ74と、ブラシ75とで構成されている。この装置を用いて下記の条件で回転試験を行い、DLC層が破壊するまでの累積回転数を測定した。
<試験条件>
回転速度:1800min-1(内輪回転)
アキシャル荷重:20N
軸受への付与電流:2mA
雰囲気温度:室温
回転時間:100時間
得られた結果を図6にグラフで示す。このグラフから、内輪軌道面のDLC層の弾性係数を180GPa以下とすることで、DLC層の寿命が長くなることが分かる。なお、内輪軌道面のDLC層の弾性係数が25GPa未満であると、引っかき疵等がつきやすくなる。よって、内輪軌道面のDLC層の弾性係数は25GPa以上180GPa以下とする必要がある。
次に、DLC層の形成を炭化水素ガス有りで行った場合と、無しで行った場合とで、得られるDLC層の硬さと体積抵抗値がどのように変化するについて調べた。その結果を図7にグラフで示す。このグラフから、DLC層の形成を炭化水素ガス無しで行った場合は、DLC層の硬さを40GPa以上としても体積抵抗値は1×107 Ω以下であるのに対して、DLC層の形成を炭化水素ガス有りで行うことで、DLC層の硬さを14GPa以下としても体積抵抗値を1×107 Ω以上にできることが分かる。
DLC層の塑性変形硬さが2GPa未満であると、DLC層の摩耗が進行しやすく、軸受の寿命が短くなることがある。よって、DLC層の塑性変形硬さは2GPa以上14GPa以下とすることが好ましい。
本発明の一実施形態に相当する転がり軸受を示す断面図である。 本発明の実施形態で形成したDLC複合層を示す図である。 実施形態で組み立てたファンモータを示す断面図である。 実施形態で使用した通電回転試験装置を示す図である。 実施形態で使用した通電回転試験装置を示す図である。 実施形態で得られた、内輪軌道面のDLC層の弾性係数と、DLC層が破壊するまでの累積回転数との関係を示すグラフである。 実施形態で得られた、DLC層の塑性変形硬さと体積抵抗値との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 玉(転動体)
4 保持器
5 シール
61 クロム下地層
62 クロムカーバイド(CrC)中間層
63 DLC層
64 高抵抗DLC層
70 試験軸受
71 モータ
72 絶縁カップリング
73 ハウジング
74 予圧バネ
75 ブラシ
101 ロータ
102 ステータ
103 ハウジング
104 回転軸
105 転がり軸受
106 転がり軸受

Claims (4)

  1. 鋼製の外輪の外周面に、表面抵抗が106 Ω以上のダイヤモンドライクカーボン層が形成されていることを特徴とする転がり軸受。
  2. 鋼製の軌道輪の軌道面に、表面抵抗が106 Ω以上で弾性係数(応力/歪み)が25GPa以上180GPa以下のダイヤモンドライクカーボン層が形成されていることを特徴とする転がり軸受。
  3. 前記ダイヤモンドライクカーボン層は、マグネトロンスパッタリング法により炭化水素ガスを導入しながら形成され、塑性変形硬さが2GPa以上15GPa以下となっている請求項1または2記載の転がり軸受。
  4. インバータ制御モータの軸の支持に使用される請求項1、2、または3記載の転がり軸受。
JP2005044123A 2005-02-21 2005-02-21 転がり軸受 Pending JP2006226500A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013167353A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Hauzer Techno Coating Bv ベアリングコンポーネント

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