JP2006226372A - 流体遮断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】管路が矩形断面等の場合であっても、管路での流体の流れを好適に遮断する流体遮断装置を提供する。
【解決手段】この流体遮断装置1は、流体101が流れる管路100内で、その管路100の内壁面100aに接触するまで膨張可能な袋状のバルーン2と、膨張したバルーン2と管路100の内壁面100aとの間の隙間を、流体101の作用によって変形することにより塞ぐ薄膜シート3とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】この流体遮断装置1は、流体101が流れる管路100内で、その管路100の内壁面100aに接触するまで膨張可能な袋状のバルーン2と、膨張したバルーン2と管路100の内壁面100aとの間の隙間を、流体101の作用によって変形することにより塞ぐ薄膜シート3とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、流体が流れる管路内で、その流体の流れを遮断する流体遮断装置に係り、特に、各種の工業用炉での管路の一部を熱間補修する際に、補修が必要な箇所を熱ガスから遮蔽し、補修が必要でない部分の温度低下を極力防止する、工業用炉の熱間補修工程に好適に用い得る流体遮断装置に関する。
流体が流れる管路内で、その流体の流れを遮断する流体遮断装置としては、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の技術では、袋状のバルーンを備える流体遮断装置が開示されている。このバルーンは、流体が流れる管路内で、コンプレッサなどで発生させた圧力空気を圧送管を介して袋状の内部に封入することにより、管路の内壁面に接触するまで膨張可能になっている。また、この流体遮断装置は、バルーンの外周面にその軸方向に適当間隔を隔ててバルーンと一体に設けられている複数条の環状突起を有している。
特許文献1に記載の技術では、袋状のバルーンを備える流体遮断装置が開示されている。このバルーンは、流体が流れる管路内で、コンプレッサなどで発生させた圧力空気を圧送管を介して袋状の内部に封入することにより、管路の内壁面に接触するまで膨張可能になっている。また、この流体遮断装置は、バルーンの外周面にその軸方向に適当間隔を隔ててバルーンと一体に設けられている複数条の環状突起を有している。
この流体遮断装置によれば、まず、遮断しようとする流体が流れる管路内の所定箇所にバルーンを挿入し、次いで、圧力空気をバルーン内に封入してバルーンを膨張させ、その膨張によってバルーンの外周面を管路の内壁面に弾性的に接触させるとともに、両者間の摩擦力によって所定箇所に位置決めして前記流体の流れを遮断することができる。特に、この流体遮断装置では、バルーンが膨張し、その外周面が管路の内壁面に接触するとき、バルーン外周面の環状突起は、さらに強い力で管路の内壁面に密着してシール機能を発揮することができる。そのため、流体の遮断効果をより高めることができる。
特開2000−146077号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術のように、バルーンの外周面に環状突起等によるシール機能をもたせた構成では、円形断面の管路に対しては流体の遮断効果を発揮するものの、矩形断面あるいは鋭角をもつ四角形断面等の管路の場合には、バルーンを膨張させても、環状突起等が直角ないし鋭角な各隅部に倣う形にまで曲がることは困難であるため、各隅部に遮断が不十分な領域が生じ、各隅部のその隙間から流体の漏れが生じていた。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、管路が矩形断面等の場合であっても、管路での流体の流れを好適に遮断し得る流体遮断装置を提供することを目的としている。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、管路が矩形断面等の場合であっても、管路での流体の流れを好適に遮断し得る流体遮断装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、流体遮断装置であって、流体が流れる管路内で、その管路の内壁面に接触するまで膨張可能な袋状のバルーンと、膨張した前記バルーンと前記管路の内壁面との間の隙間を、前記流体の作用によって変形することにより塞ぐ薄膜シートと、を備えていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、流体が流れる管路内で、バルーンによって流体の流れを遮断することができる(第一の遮断工程)。そして、薄膜シートは、流体の作用によって変形して、膨張したバルーンと管路の内壁面との間の隙間での流体の流れをさらに塞ぐことができるから、当該領域での流れを遮断することができる(第二の遮断工程)。いわば、二つの遮断工程によって管路内の流体の流れを遮断しているから、一つの遮断工程のみにより流体を遮断するものに比べて、流体の流れを好適に遮断することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の流体遮断装置であって、前記薄膜シートは、前記バルーンに対し前記流体の供給側の部位に設けられ、その中心側が前記バルーンに固定されるとともに、その中心側から周縁側に向けて拡径しつつ前記流体の供給方向上流側に延びる環状部を有することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、環状部を有する薄膜シートは、バルーンでの遮断によって流体の供給側での圧力が上昇したときに、その圧力並びに流体の流れ(流体の作用)をその環状部で受けて、管路の内形形状に倣うように広がる上で好適である。そして、この広がった薄膜シートによって、バルーンによる遮断が不十分な領域、つまり膨張したバルーンと管路の内壁面との間の隙間を好適に塞ぐことができる。
請求項2に記載の発明によれば、環状部を有する薄膜シートは、バルーンでの遮断によって流体の供給側での圧力が上昇したときに、その圧力並びに流体の流れ(流体の作用)をその環状部で受けて、管路の内形形状に倣うように広がる上で好適である。そして、この広がった薄膜シートによって、バルーンによる遮断が不十分な領域、つまり膨張したバルーンと管路の内壁面との間の隙間を好適に塞ぐことができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の流体遮断装置であって、前記薄膜シートの厚さは、1mm以下であることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、薄膜シートが1mm以下と薄肉で軽量なので、流体の作用で管路の内形形状に倣わせるように変形させる上でより好適である。
請求項3に記載の発明によれば、薄膜シートが1mm以下と薄肉で軽量なので、流体の作用で管路の内形形状に倣わせるように変形させる上でより好適である。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体遮断装置であって、前記バルーンおよび薄膜シートは、耐熱材料からそれぞれ形成されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、前記流体として熱ガスに適用して、その熱ガスの流れを遮断する工程で好適に用いることができる。すなわち、例えば、各種の工業用炉での管路の一部を熱間補修する際に、補修が必要な箇所を熱ガスから遮蔽し、補修が必要でない部分の温度低下を極力防止する、工業用炉の熱間補修工程に好適に用いることができる流体遮断装置として提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、前記流体として熱ガスに適用して、その熱ガスの流れを遮断する工程で好適に用いることができる。すなわち、例えば、各種の工業用炉での管路の一部を熱間補修する際に、補修が必要な箇所を熱ガスから遮蔽し、補修が必要でない部分の温度低下を極力防止する、工業用炉の熱間補修工程に好適に用いることができる流体遮断装置として提供することができる。
本発明によれば、管路が矩形断面等の場合であっても、管路での流体の流れを好適に遮断することができる流体遮断装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
本実施形態は、本発明に係る流体遮断装置を、各種の工業用炉での熱風管等の管路の一部を熱間補修する際に、補修が必要な箇所を熱ガスから遮蔽し、補修が必要でない部分の温度低下を極力防止する、工業用炉の熱間補修工程に用いた例である。
図1は、本発明の一実施形態に係る流体遮断装置の概略構成を示す説明図である。なお、同図は、本発明に係る流体遮断装置を、熱風管等の管路の補修の必要な箇所の近くに設置し、補修箇所を輻射熱から遮蔽して熱間での補修作業を安全に実施可能にする例である。ここで、「工業用炉」及び「炉」の用語は、煙道や熱風管等の付属設備を含めた意味で用いる。
本実施形態は、本発明に係る流体遮断装置を、各種の工業用炉での熱風管等の管路の一部を熱間補修する際に、補修が必要な箇所を熱ガスから遮蔽し、補修が必要でない部分の温度低下を極力防止する、工業用炉の熱間補修工程に用いた例である。
図1は、本発明の一実施形態に係る流体遮断装置の概略構成を示す説明図である。なお、同図は、本発明に係る流体遮断装置を、熱風管等の管路の補修の必要な箇所の近くに設置し、補修箇所を輻射熱から遮蔽して熱間での補修作業を安全に実施可能にする例である。ここで、「工業用炉」及び「炉」の用語は、煙道や熱風管等の付属設備を含めた意味で用いる。
この流体遮断装置1は、同図に示すように、熱ガス等の流体101が流れる熱風管等の管路100内で用いるものであり、袋状のバルーン2と、そのバルーンの姿勢を規制する規制部材8と、薄膜シート3とを備えて構成されている。
規制部材8は、適用する管路100に沿った方向の両側になる位置に、管路方向で相対向する一対の抑え板4を有している。この一対の抑え板4は、金属製であり、管路100内壁の内径D100より小さい径の円盤状に形成されている。各抑え板4は、上記バルーン2内を管路方向に貫通する金属製の補強棒5によって相互に連結されている。詳しくは、各抑え板4は、各抑え板4の面を管路方向に向けてその中心部がそれぞれ溶接で補強棒5の両端に取り付けられて一体になっている。これにより、これら一対の抑え板4と補強棒5とが管路方向でのバルーン2の長さを規制可能になっている。さらに、一対の抑え板4のうち流体供給方向の下流側(同図での右側)の抑え板4には、バルーン2内に空気を注入可能なようにカプラ10aやホース10b等が連結されており、送風機10から袋状の内部に空気を注入して風船のように膨らませて、圧抜きバルブ20と不図示の流量計とにより空気注入量を調節してバルーン2の膨らみ具合を適正な膨張状態に維持可能になっている。
規制部材8は、適用する管路100に沿った方向の両側になる位置に、管路方向で相対向する一対の抑え板4を有している。この一対の抑え板4は、金属製であり、管路100内壁の内径D100より小さい径の円盤状に形成されている。各抑え板4は、上記バルーン2内を管路方向に貫通する金属製の補強棒5によって相互に連結されている。詳しくは、各抑え板4は、各抑え板4の面を管路方向に向けてその中心部がそれぞれ溶接で補強棒5の両端に取り付けられて一体になっている。これにより、これら一対の抑え板4と補強棒5とが管路方向でのバルーン2の長さを規制可能になっている。さらに、一対の抑え板4のうち流体供給方向の下流側(同図での右側)の抑え板4には、バルーン2内に空気を注入可能なようにカプラ10aやホース10b等が連結されており、送風機10から袋状の内部に空気を注入して風船のように膨らませて、圧抜きバルブ20と不図示の流量計とにより空気注入量を調節してバルーン2の膨らみ具合を適正な膨張状態に維持可能になっている。
また、この規制部材8は、補強棒5の略中央部分に、袋状のバルーン2内に配置される補助リング6をさらに備えている。この補助リング6は、金属線材から溶接によって形成されており、円環状のリング本体6bと、そのリング本体6bを補強棒5に繋ぐ複数の支持棒6cとから構成されている。リング本体6bの径は、抑え板4の外径より大きく、適用する管路100の内径D100より小さい。各支持棒6cは、補強棒5を中心とし、リング本体6bに向けて放射状且つ周方向に向けて等間隔に配置されている。そして、その一端側を基端6aとして、この基端6aが補強棒5に溶接され、他端側がリング本体6bに溶接されている。これにより、この補助リング6は、袋状のバルーン2が折りたたまれた際の形態を規制するとともに、膨張する際にはその膨張姿勢を補助可能になっている。
バルーン2は、耐熱材料である耐熱クロスから袋状に形成され、その袋を折りたたんで管路100内に設置可能なように縫製加工されている。そして、その耐熱クロスに対して上記一対の抑え板4がそれぞれ接着によって取り付けられている。なお、バルーン2を構成する耐熱クロスとしては、耐火繊維製のものであれば特に制限されないが、シリカやアルミナ製の耐熱クロスが好適に使用できる。また、耐熱クロスは1枚でも良いが、複数枚を重ねて用いることが好ましい。なおまた、耐熱クロスは、その織り目から空気が僅かに漏れるものであってもよい。例えば本実施形態のように、バルーン2を熱遮蔽壁とする場合には、織り目から空気が漏れるものを意図的に用いることによって熱遮蔽壁を冷却するという効果がある。
そして、膨張状態でのバルーン2の形状は、同図に示すように、管路方向の略中央から流体供給方向の上流部2aが、略円筒状に形成されており、その内径D2は、管路100の内径D100より大きい径に縫製されている。その大きさの程度は、適用する管路の大きさによって異なるが、少なくともその管路の内壁面に接触するまで膨張可能な径であればよい。また、管路方向の略中央から流体供給方向の下流側では、略円筒状の上流部2aの端部2cから下流側に向かって外形が縮径する略円錐台状の筒になっており、下流部2bが上記下流側の抑え板4に繋がっている。
薄膜シート3は、上記バルーン2同様の素材からなる耐熱クロス製であり、同図に示すように、バルーン2に対し流体101の供給側の部位に設けられている。そして、この薄膜シート3は、流体101の作用によって管路100の内形形状に倣うように変形して、バルーン2と管路100の内壁面100aとの間の隙間など、バルーン2による遮断が不十分な領域を覆うことによって、その領域を塞ぐことができるようになっている。
詳しくは、この薄膜シート3は、上記一対の抑え板4のうち流体供給方向上流側の抑え板4を囲むようにして、薄膜シート3の中心側となる円環状の基端部3aがバルーン2に接着されて固定されている。そして、その基端部3aから周縁側となる先端部3bに向けて拡径しつつ流体101の供給方向上流側に延びる環状部3cを有して形成されている。換言すれば、この環状部3cは、流体101の供給方向に向けて凹になるように延出しており、いわばスカート状に延びている。すなわち、この環状部3cは、薄肉で軽量のシート体(この例では耐熱クロス)のみによって構成されている。また、その外径D3は、管路100の内壁面100aとの間を覆う位置まで広がることができる大きさになっている。外径D3の具体的な大きさとしては、管路100の内径D100の1.1〜1.2倍程度であれば好適に使用できる。また、本実施形態では、この薄膜シートの耐熱クロス厚さは、1mmの薄いものが使用されている。
次に、この流体遮断装置1の作用・効果について説明する。
ところで、鉄鋼業をはじめとする各種産業分野において使用されている高炉、加熱炉、均熱炉、熱処理炉、及びその煙道や熱風管等の付属設備を含めた工業用炉には、耐火物やセラミックファイバー等の断熱材がライニングされている。しかし、これらの断熱材は使用中に部分的な損傷が生じるため、損傷箇所を補修する必要がある。そこで、従来は、例えば、熱風炉からの高温の空気、つまり熱ガス(流体)を高炉に送風するための熱風管(管路)を補修する際には、熱風弁を取り外して外壁を開口し、開口部を耐熱カーテンにより閉鎖するといった流体遮断方法によって熱風管内からの輻射熱を防御し、断熱カーテンの間からキャスタブルの吹き付け装置に連結したパイプを差込んで、キャスタブルを吹き付けて補修していた。なお、このような工業用炉の熱風管(管路)は、その内径が数メートルのものであり、管路内部に作業者が直接入って損傷箇所を補修する。
ところで、鉄鋼業をはじめとする各種産業分野において使用されている高炉、加熱炉、均熱炉、熱処理炉、及びその煙道や熱風管等の付属設備を含めた工業用炉には、耐火物やセラミックファイバー等の断熱材がライニングされている。しかし、これらの断熱材は使用中に部分的な損傷が生じるため、損傷箇所を補修する必要がある。そこで、従来は、例えば、熱風炉からの高温の空気、つまり熱ガス(流体)を高炉に送風するための熱風管(管路)を補修する際には、熱風弁を取り外して外壁を開口し、開口部を耐熱カーテンにより閉鎖するといった流体遮断方法によって熱風管内からの輻射熱を防御し、断熱カーテンの間からキャスタブルの吹き付け装置に連結したパイプを差込んで、キャスタブルを吹き付けて補修していた。なお、このような工業用炉の熱風管(管路)は、その内径が数メートルのものであり、管路内部に作業者が直接入って損傷箇所を補修する。
しかしながら、このような耐熱カーテンによる流体遮断方法では、作業者が輻射熱を完全に避ける上では不十分であった。そのため、輻射熱を避けるための装備を別途に必要としたり、そのための特段の手番を要するといった問題があった。また、このような流体遮断方法では、キャスタブルの吹き付け方向が熱風弁側からに限定されるため、補修の必要な箇所が熱風弁から遠い場合などにはキャスタブルが十分に届かない等、作業の効率の点で改良の余地があった。一方、熱風管を冷却して補修することも考えられるが、熱風管を冷却するためには炉の長期操業休止が必要となり、操業上及びエネルギー上からも極めて損失が大きいという問題がある。
これに対し、上記流体遮断装置1によれば、まず、袋を折りたたんだ状態で、空気を注入するためのカプラ10aを取り付け、ホース10bを介して送風機10に接続したバルーン2を熱風炉の管路100(熱風管)内に配置する。次いで、送風機10からバルーン2内に空気を注入し、空気注入量を圧抜きバルブ20と流量計とにより調節しながら、バルーン2の膨らみ具合を調整して、図1に示すように、適正な膨張状態を維持する。そして、この適正な膨張状態のバルーン2を熱遮蔽壁とすることによって熱風炉からの熱ガスの流れを遮断して輻射熱を遮蔽する(第一の遮断工程)。
ここで、バルーン2による熱遮蔽壁によって熱ガスの流れを完全に遮断することができれば望ましいが、管路形状が、例えば図2に示すように、矩形断面あるいは鋭角をもつ四角形断面等の管路の場合には、バルーン2と管路100の内壁面100aとの間の隙間、つまり、この例では各隅部100cに遮断が不十分な領域が生じ、各隅部100cのその隙間から流体101の漏れが生じる。
そこで、この流体遮断装置1では、熱ガスの供給側に、薄膜シート3をさらに備えた構成になっている。すなわち、図3(a)に示すように、バルーン2がある程度膨らむことで、熱ガスの供給側での圧力が上昇するが、この薄膜シート3は、その圧力並びに熱ガスの流れを受けて、つまり熱ガスの作用によって管路100の内形形状に倣うように広がることができる。
そして、図3(b)に示すように、広がった薄膜シート3によって、バルーン2による遮断が不十分な領域(この例では、図2での各隅部100c)を塞ぐことができる(第二の遮断工程)。これにより、管路100内の補修箇所(不図示)に作業者が入り込んで熱間補修をする際に、輻射熱を避けるための装備を軽装化することができ、また、その作業をより効率良く行なうことができる。
また、この薄膜シート3は、バルーン2に対し流体101の供給側の部位に設けられている。そして、その中心側がバルーン2に固定されるとともに、その中心側から周縁側に向けて拡径しつつ流体101の供給方向上流側に延びる環状部3cを有して形成されている。そのため、このような環状部3cを有する薄膜シート3は、バルーン2での遮断によって流体101の供給側での圧力が上昇したときに、その圧力並びに流体の流れ(流体の作用)をその環状部3cのもつ凹形状で受けて、管路100の内形形状に倣うように広がることができる。そして、この広がった薄膜シート3によって、バルーン2による遮断が不十分な領域、つまり膨張したバルーン2と管路100の内壁面100aとの間の隙間を好適に塞ぐことができる。
さらに、この薄膜シート3の厚さは、1mm以下という薄いものを環状部3cに使用している。そのため、この薄膜シート3は薄肉で軽量なので、流体101の作用で管路100の内形形状に倣わせるような変形を、より好適にさせることができる。好ましくは、薄膜シート3の厚さは、0.5mm以下が良く、より好ましくは、0.3mm以下の極薄いものを使用する。
また、この薄膜シート3は、その環状部3cが、薄肉で軽量のシート体(この例では耐熱クロス)のみによって構成されている。そのため、流体の作用による変形をより容易にするとともに、適用される管路の大きさや、その内形形状が矩形や円形等種々の形状であっても、その管路に対応するように変形して遮断が不十分な領域を好適に塞ぐことを可能としている。
特に、この流体遮断装置1は、補強棒5と、その両端に設けられた一対の抑え板4とを備えている。これらは、管路方向でのバルーン2の長さを規制する規制部材8になっている。そのため、バルーン2内部に空気を注入して膨らませたとき、バルーン2の膨張する方向を、管路方向への変形を抑制し、径方向へ向かう指向性を高めることができる。したがって、膨張したバルーン2と管路100の内壁面100aとの間に作用させる押圧力をより効果的とし、両者間の摩擦力をより高め、管路100の内壁面100aにさらに強い力で密着させてシール機能をより好適に発揮させることができる。
さらにまた、規制部材8は、管路方向を向く流体供給方向の上流側の抑え板4の面が、その周囲を囲むようにして設けられた薄膜シート3の姿勢を規制するという効果もある。すなわち、薄膜シート3の環状部の軸線方向が管路100に沿った方向に向くため、流体101の作用で管路100の内形形状に倣わせるように薄膜シート3を変形させる上でより好適である。
ここで、流体遮断装置通過後の熱ガスの流量を調べた。この調査は、薄膜シート3を備える前のもの、つまり、バルーン2のみをもつ従来の流体遮断装置と、バルーン2および薄膜シート3を備えた本実施形態の流体遮断装置1とを比較することで行なった。なお、評価の指標として、従来の流体遮断装置を通過後の熱ガスの流量を100とした。その結果、本実施形態の流体遮断装置1では、通過後の熱ガスの流量は、僅か0.5であった。これにより、この流体遮断装置1によれば、遮断が不十分な領域での熱ガスの流れをさらに遮断して、より好適に輻射熱を遮蔽できることが確認された。
以上説明したように、この流体遮断装置1によれば、二つの遮断工程によって管路内の流体の流れを遮断しているから、例えば一つの遮断工程のみによる流体遮断方法に比べて、流体の流れを好適に遮断することができる。また、管路100が矩形断面等の場合であっても、流体101の流れを好適に遮断することができる。
特に、この流体遮断装置1によれば、バルーン2を膨張させて形成した熱遮蔽壁、並びに薄膜シート3によって熱風及び輻射熱をより好適に遮断することができる。したがって、工業用炉の操業を停止することなく炉内の損傷部を効率良く熱間補修することができる。
特に、この流体遮断装置1によれば、バルーン2を膨張させて形成した熱遮蔽壁、並びに薄膜シート3によって熱風及び輻射熱をより好適に遮断することができる。したがって、工業用炉の操業を停止することなく炉内の損傷部を効率良く熱間補修することができる。
また、この流体遮断装置1によれば、効率良く熱間補修作業を行なうことができるだけでなく、補修完了後にはバルーン2を再びしぼませて簡単に撤去することが可能である。そのため、補修箇所以外の温度低下が少ないことと相俟って、より短時間で補修作業を完了して通常の炉操業状態に戻すことが可能となり、炉の操業上も極めて有利である。
なお、本発明に係る流体遮断装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
なお、本発明に係る流体遮断装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明に係る流体遮断装置を、各種の工業用炉での熱風管等の管路の一部を熱間補修する際に、補修が必要な箇所を熱ガスから遮蔽し、補修が必要でない部分の温度低下を極力防止する、工業用炉の熱間補修工程に用いた例で説明したが、これに限定されず、流体が流れる管路内で、その流体の流れを遮断する用途であれば、本発明に係る流体遮断装置を好適に使用することができる。
また、上記実施形態では、流体として熱ガスに適用した例で説明したが、これに限定されず、種々の流体に対し適用可能である。例えば、流体として、各種の液体、気体、粉体等であっても本発明に係る流体遮断装置を使用することができる。
また、上記実施形態では、薄膜シート3は、バルーン2に対し熱ガスの供給側に設けられ、バルーン2に基端部3aが固定されており、その基端部3aから先端部3bに向けて拡径する環状部3cを有する例で説明したが、これに限定されず、薄膜シート3は、流体の作用によって管路の内形形状に倣うように変形してバルーンによる遮断が不十分な領域を塞ぐように構成されていればよい。
また、上記実施形態では、薄膜シート3は、バルーン2に対し熱ガスの供給側に設けられ、バルーン2に基端部3aが固定されており、その基端部3aから先端部3bに向けて拡径する環状部3cを有する例で説明したが、これに限定されず、薄膜シート3は、流体の作用によって管路の内形形状に倣うように変形してバルーンによる遮断が不十分な領域を塞ぐように構成されていればよい。
例えば、図4に薄膜シートの変形例を示す。なお、同図は、矩形断面をもつ管路100内で、その管路の対角線方向での流体遮断装置の軸線を含む断面図であり、同図(a)では、流体遮断装置のバルーンおよび薄膜シートが管路内で広がる過程のイメージを示しており、また、同図(b)では、適正な膨張状態のバルーンでの遮断が不十分な領域、つまり上記隅部100cを、薄膜シート3がさらに塞いで、流体101の流れを遮断するイメージを示している。
この変形例では、同図に示すように、薄膜シート3の中心側となる円環状の基端部3aは、バルーン2に対し管路方向での略中央部分の外周面に設けられている。そして、上記実施形態同様に、その基端部3aから周縁側となる先端部3bに向けて拡径しつつ流体101の供給方向上流側に延びる環状部3cを有して形成されている。なお、この環状部3cは、バルーン2の下流側での略円錐台状のテーパを延長するように設けられている。バルーン2に対して薄膜シート3を設ける位置がこのような位置であっても、この薄膜シート3は、上記実施形態同様に、流体101の作用によって管路100の内形形状に倣うように凹状の環状部3cが変形して、隅部100c等の、バルーン2と管路100の内壁面100aとの間の隙間などを塞ぐことができる。
また、上記実施形態では、薄膜シート3は、環状部3cを有する例で説明したが、この形態に限定されず、例えば複数のカーテン状の薄膜シートを組み合わせた構成としてもよい。しかし、バルーンがある程度膨らむことで、熱ガスの供給側での圧力が上昇したきに、その圧力等の作用を受けてバルーンと管路内壁との隙間を塞ぐように構成する上では、上記実施形態のように構成した薄膜シート3を用いることが好ましい。さらに、上記実施形態では、図4中、左側をプラス圧、つまり供給側での圧力が上昇する例で図示し、解説しているが、左側が負圧になるような使用状態では、薄膜シート3の配置は図示例とは逆の配置となる。このような配置とすれば、薄膜シート3を負圧の作用によって管路100の内壁面100aに密着させる上で好適である。
また、上記実施形態では、薄膜シート3は、その厚さが1mmのものを使用しているが、これに限定されず、流体の作用によって管路の内形形状に倣うように変形可能な厚さであれば適用可能である。しかし、薄膜シート3の厚さを0.5mm以下あるいはまた、0.3mm以下とすれば、管路100の内形形状に倣うように薄膜シート3を流体101の作用によって変形させる上で好ましい。
1 流体遮断装置
2 バルーン
3 薄膜シート
4 抑え板
5 補強棒
6 補助リング
8 規制部材
10 送風機
20 圧抜きバルブ
100 管路
101 流体
2 バルーン
3 薄膜シート
4 抑え板
5 補強棒
6 補助リング
8 規制部材
10 送風機
20 圧抜きバルブ
100 管路
101 流体
Claims (4)
- 流体が流れる管路内で、その管路の内壁面に接触するまで膨張可能な袋状のバルーンと、膨張した前記バルーンと前記管路の内壁面との間の隙間を、前記流体の作用によって変形することにより塞ぐ薄膜シートと、を備えていることを特徴とする流体遮断装置。
- 前記薄膜シートは、前記バルーンに対し前記流体の供給側の部位に設けられ、その中心側が前記バルーンに固定されるとともに、その中心側から周縁側に向けて拡径しつつ前記流体の供給方向上流側に延びる環状部を有することを特徴とする請求項1に記載の流体遮断装置。
- 前記薄膜シートの厚さは、1mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の流体遮断装置。
- 前記バルーンおよび薄膜シートは、耐熱材料からそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体遮断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005039550A JP2006226372A (ja) | 2005-02-16 | 2005-02-16 | 流体遮断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005039550A JP2006226372A (ja) | 2005-02-16 | 2005-02-16 | 流体遮断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006226372A true JP2006226372A (ja) | 2006-08-31 |
Family
ID=36987918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005039550A Pending JP2006226372A (ja) | 2005-02-16 | 2005-02-16 | 流体遮断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006226372A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109371915A (zh) * | 2018-12-05 | 2019-02-22 | 深圳市天健坪山建设工程有限公司 | 一种矩形渠道的修复方法及修复结构 |
-
2005
- 2005-02-16 JP JP2005039550A patent/JP2006226372A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109371915A (zh) * | 2018-12-05 | 2019-02-22 | 深圳市天健坪山建设工程有限公司 | 一种矩形渠道的修复方法及修复结构 |
CN109371915B (zh) * | 2018-12-05 | 2023-11-03 | 深圳市天健坪山建设工程有限公司 | 一种矩形渠道的修复方法及修复结构 |
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