JP2006225783A - 溶融紡糸用パック及び溶融紡糸方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたパック圧抑制効果と毛羽品位を両立するパック及びこれを用いた紡糸方法の提供。
【解決手段】金属繊維の不織布からなりその金属繊維不織布の表面金属組成がエネルギー分散型X線分析装置での測定でニッケル含有率20〜100wt%であり、ポアサイズが10〜100μmである濾材を具備したことを特徴とするポリヘキサメチレンアジパミド用溶融紡糸パック及びそのパックを用いた溶融紡糸を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、産業資材用途に好適なポリヘキサメチレンアジパミド用紡糸用パック及びこれを用いたポリヘキサメチレンアジパミドの溶融紡糸方法に関する。
ポリヘキサメチレンアジパミド繊維は優れた耐熱性、機械的物性並びに化学的物性を有し、衣料用途及び産業資材用途に広範囲に用いられている。特に産業資材用途には高タフネスを特徴とするため各種資材、タイヤコードやエアバッグ用途に好適に用いられる。このような用途には、高分子量のポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を用い、高延伸倍率で熱延伸することにより得られる、たとえば5〜10cN/dtexの高強度ポリヘキサメチレンアジパミド繊維を用いるのが一般的である。同時に耐熱性を高めるために樹脂中には燐系安定剤やハロゲン化銅を添加することが行われることがあり、その場合、樹脂中に存在する添加物により延伸毛羽が発生するといった問題がある。毛羽を防止する方法としては各種あるが、一般には溶融紡糸時の樹脂の濾過を強化する方法がとられる。
しかしながら、濾過強化を行えば、溶融紡糸時の経時的なパック圧上昇が激しく、通常より紡糸パックの交換時期を早める必要があり、実用的ではないことが多い。特に、各種添加剤を含有した高重合度ポリヘキサメチレンアジパミドの溶融紡糸時には経時的なパック圧上昇が激しく、濾過を緩くするか、毛羽が多いままで使用するか、吐出流量を減らし、紡糸速度を落として生産量を減らした条件下で行うしか方法がなかった。
従って、ポリヘキサメチレンアジパミド繊維の高強度糸を溶融紡糸にて製造する際、溶融紡糸時のパック圧上昇を抑えるためには、濾過技術を工夫することが一般的に行われてきている。一般に濾過素材については、以前はサンド等の充填材を用いる方法、また、金属濾材を用いるか、金属濾材とサンドとの複合構成とする方法が知られている。
その他、同時に静的混合素子のような樹脂融液を混合する技術も同時に採用することがある。いずれも溶融された樹脂中の異物の影響を濾過や分散により軽減し、繊維としての毛羽発生を抑制することを目的としている。
特許文献1には線径が2〜30μmでクロムイオン濃度が25重量%以上である金属線条体を用いたポリアミド用濾過濾材が開示されている。特許文献1においては溶融ポリアミド中に不溶な銅化合物の析出をクロムイオン濃度が高い金属濾材を用いることで不溶銅化合物の析出を防止し、かつ異物を十分に捕獲できるようにしたものと開示されている。溶融紡糸に用いられている実施例でのポリアミドはナイロン6であり、本発明のようなポリヘキサメチレンアジパミド樹脂ではない。ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂では溶融中に異物としてゲル化物が著しく生成しやすいため、発生したゲルは濾過材に閉塞し、パック圧上昇をもたらすという現象があり、ナイロン6とは全く異なる現象が生じる。
特許文献2には金属線材を適当な長さに切断し、得られた切断金属線材を焼結せしめてブロック状となしたポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル等の高分子化合物を溶融紡糸する紡糸パックに用いる濾過材が開示されている。特許文献2でも実施例で開示されている樹脂はナイロン6であり、ポリヘキサメチレンアジパミド特有のゲル化しやすい特性に対するパック圧上昇を抑えて高強度繊維を毛羽なく製造する技術についてはなんら開示されていない。
特開平7−268716号公報 特公昭43−13335号公報
本発明は産業資材用高強度ポリヘキサメチレンアジパミド繊維を製造する際に、毛羽が少なく、パック圧上昇が小さくて、長期間紡糸パックを交換する必要がなく、さらには燐系添加剤やハロゲン化銅を添加したポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を用いる事ができる溶融紡糸用パック及び該パックを用いたポリヘキサメチレンアジパミド樹脂の溶融紡糸方法に関する。
本発明者は、前期課題を解決するために鋭意検討した結果本発明を為すに至った。
すなわち、本発明は
(1)金属繊維の不織布からなりその金属繊維不織布の表面金属組成がエネルギー分散型X線分析装置での測定でニッケル含有率20〜100wt%であり、ポアサイズが10〜100ミクロンである濾材を具備したことを特徴とするポリヘキサメチレンアジパミド用溶融紡糸用パック。
(2)エネルギー分散型X線分析装置での測定でモリブデン含有率が0〜30wt%である金属不織布を濾材として具備したことを特徴とする(1)記載のポリヘキサメチレンアジパミド用溶融紡糸用パック。
(3)蟻酸相対粘度が60〜110、リン原子を1〜300ppm含有するポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を(1)記載の溶融紡糸パックを用い、パック圧上昇比率が0.03〜0.2 MPa/t/m2の条件下で溶融紡糸することを特徴とする引張強度が5〜10cN/dtexのポリヘキサメチレンアジパミドの溶融紡糸方法。
(4)二酸化チタンを0〜400ppm含有するポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を用いることを特徴とする(3)記載のポリヘキサメチレンアジパミドの溶融紡糸方法。
である。
本発明の溶融紡糸用パック及びこれを用いた紡糸方法は、耐熱性がよい産業資材用高強度ポリヘキサメチレンアジパミド繊維を毛羽が少なく、紡糸時のパック圧上昇が小さくてパック交換頻度の少ない、高強度ポリヘキサメチレンアジパミド繊維を工業的に得ることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に用いる濾材としての金属繊維の不織布は金属繊維の表面がエネルギー分散型X繊維分析装置での測定におけるニッケル含有率が20〜100wt%であることに特徴がある。
本発明におけるニッケル含有率が20wt%未満では、パックとしての圧上昇率が大きく、長期間の紡糸が困難となるため好ましくない。ニッケル表面はポリヘキサメチレンアジパミドのゲルの付着抑制に関係しており、金属繊維上でのゲル堆積を抑制している。 ニッケル含有率はエネルギー分散型X繊維分析装置での測定は金属繊維の表面分布を示し、例えば、ニッケル繊維や、ステンレス繊維にニッケルメッキを行ったもの、あるいは金属繊維不織布に金属メッキを行ったものである。好ましくはニッケルから構成される金属繊維を用いた濾材である。
濾材としての厚みは0.1〜5mmが好ましい。0.1mm未満であれば、ろ過圧力に濾材が耐えられなく破損する場合がある。5mmより厚いと、ろ過効果は頭打ちになり無駄に初期圧を上げるのみとなる。用いる金属繊維の線径により不織布としての空隙率やポアサイズ(空隙の大きさ)が変化するが、本発明においては線径は10〜200μmが好ましく、この金属繊維から不織布を形成させた後、焼結により一体化することが好ましい。ポアサイズは金属繊維を焼結した後の空隙サイズを表すが、このポアサイズは通常のバブルポイント法で求めることができる。
本発明の金属繊維による濾材のポアサイズは10〜100μmであることが必要である。好ましくは15〜80μmであり、より好ましくは20〜40μmである。ポアサイズが10μm未満であると、パック圧の上昇が大きく、パック寿命が短くなる。100μmより大きいとろ過が十分でなくなり、得られる糸条の品質が悪化する場合がある。本発明のパックに装備される濾材の構成としては、単層及び多層に配置されることもあるディスク濾材やキャンドル濾材もしくはリーフディスク濾材等の既知の形態が可能であり、特に限定されないが、ろ過面積を広く取りやすい事から、リーフディスク濾材がパック寿命の観点で有利である。
紡糸パックとしては通常の紡糸口金の上に濾材として本発明の金属繊維を1枚ないし複数枚用い、例えばかしめリング等でかしめた構成を用いることができる。濾材の上空間、樹脂流入路にはサンドやガラスビーズを用いて樹脂の滞留空間を減らして、樹脂の溶融時間を減少させて、ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂のゲル化を防止する方法も好ましい。
本発明の濾材における金属繊維不織布にモリブデンを含有することが更に好ましい。モリブデンを含有させることにより本発明における紡糸のパック圧上昇率をさらに小さくできる。モリブデンの含有率は0〜30wt%とすることが好ましい。モリブデンを含有させることにより、更に溶融紡糸時のパック圧上昇を押さえることができ、長時間紡糸が可能となるため好ましい。モリブデン含有率はさらに好ましくは10〜30wt%である。
本発明の溶融紡糸パックは紡糸口金と金属繊維によるニッケル金属を含有した濾材とを必須とし、その他の溶融紡糸パックの組み立てに必要な部材はそのまま流用して用いても構わない。
ニッケルやモリブデンの含有量はEDXにて測定することができる。
本発明に用いるポリヘキサメチレンアジパミド樹脂は高強度かつ高タフネス長繊維を得るためには蟻酸相対粘度で60〜110とすることが必要である。本発明の蟻酸相対粘度は相対的に高重合度に相当し、通常の重合工程で重合したものをさらに固相重合したものが好適である。または、溶融紡糸としては、連続重合―直接紡糸延伸プロセスを直結したプロセスが好ましい。重合度を上げるためには、重合条件も大切であるが、熱分解を押さえるための添加剤、例えば熱安定剤や酸化防止剤を添加しても良い。
本発明に用いるポリヘキサメチレンアジパミド繊維には重合触媒や耐熱性付与剤として、リン原子を1〜300ppm添加する必要がある。当該リン原子を含む化合物とは、例えば、無機及び有機リン酸及びその塩、無機及び有機亜リン酸及びその塩、無機及び有機次亜リン酸およびその塩がある。塩とは主にアルカリ金属やアミン類との塩である。有機リン酸とは、分岐鎖を持つこともあるアルキル基を持つリン酸で、アルキル基の種類として炭素数1〜10のアルカンや、フェニル基がある。添加するリン原子は好ましくは10〜200ppmである。
本発明の溶融紡糸に用いるポリヘキサメチレンアジパミド樹脂にはハロゲン化銅を添加することが耐熱性向上に効果があり、好ましい。その銅塩としてはヨウ化銅、臭化銅、塩化銅、ピロリン酸銅等の無機系銅塩、酢酸銅、ステアリン酸銅、イソフタル酸銅等の有機系銅塩、無機銅塩や有機銅塩とその他の銅錯体が含まれる。更に、前記銅塩に加えて、ハロゲン化アルカリ金属化合物、例えば、ヨウ化カリウム、臭化カリウム等のハロゲン化アルカリ化合物やヨウ化マグネシウムや塩化亜鉛等のハロゲン化アルカリ土類金属化合物、テトラヨ−ドベンゼン等のハロゲン置換芳香族炭化水素化合物等が含まれる。銅原子として1〜100ppmを含有させることが好ましく、3〜30ppm含有させることが更に好ましい。
本発明の溶融紡糸の濾過材には金属繊維不織布の表面金属組成がエネルギー分散型X線分析装置での測定でニッケル含有率20〜100wt%であり、ポアサイズが10〜100μmであるものを用いる必要がある。
ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂は紡糸時に濾材中を通過する際、濾材の金属繊維不織布に接触し、凝集する傾向にある。この原因として従来はある一定の大きさの異物の凝集体として濾材の空隙に堆積して詰まり、パック圧上昇の原因となるとされていた。得られるポリヘキサメチレンアジパミド繊維の毛羽の発生を防止するためには、従来は濾過強化することが効果があると考えられているが、そのままではパック圧上昇率が大きすぎてすぐにパック圧が上限に近くなり、紡糸継続時間が短くなる。濾過に用いる金属繊維不織布のポアサイズを大きくすれば当然、濾過が甘くなり、パック圧上昇率が抑えられるが、このような甘い条件での溶融紡糸では、毛羽の発生を防止することができない。
本発明における、ニッケル金属繊維不織布とポアサイズを組み合わせることにより、溶融紡糸時のパック圧上昇を抑え、かつ、毛羽の発生も少なくなる効果が大きいことを見出している。
本発明においては、特に引張強度が5〜10cN/dtexの高強度を有するポリヘキサメチレンアジパミド繊維の製造に有効である。
また、本発明のポリヘキサメチレンアジパミド樹脂には酸化チタンが0〜100ppm含有させてもよい。
酸化チタンの種類としては、アナターゼ型、ルチル型のいずれであってもよく、平均粒径が0.01〜2μmのものが好適に用いることができる。
本発明の紡糸パックを用いた溶融紡糸では、高重合度ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を溶融温度280〜310℃で紡糸し、2〜4段延伸機(熱セットロールを含む)で延伸することが可能である。ロールの表面は鏡面や1〜12Sの梨地を用いることが可能であり、2〜10Sの梨地を組み合わせることがより好ましい。
ポリヘキサメチレンアジパミド繊維とて通常用いるのに必要な、0.1〜5wt%の紡糸油剤の付与や、1〜30コ/mの単糸交絡を付与することが好ましい。
パック圧上昇率は0.03〜0.2 MPa/(濾材通過樹脂量t/濾材面積m2)であることが必要である。この数値は通常の溶融紡糸時において、ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂が通過する濾材の面積に対し、通過する積算の樹脂量を横軸にとった時、その圧力の上昇曲線を経時的に一次近似して、相関関係を求め、その直線の傾きをパック圧上昇率として求める。
パック圧上昇率が0.03未満であると、濾過が不充分ということであり、毛羽発生が多くなる問題がある。またパック圧上昇率が0.2を超えると、短時間でパック圧が溶融紡糸の上限を超えるため、長時間紡糸が不可能となるため好ましくない。
この場合の初期パック圧は好ましくは10〜26MPaが好ましい。この初期パック圧は濾材のポアサイズと溶融紡糸における吐出量及びポリマー粘度に関係するものであるが、この値が10MPaより小さいと押出機の圧力変動が吐出量斑につながると共に、濾過における異物除去効果が小さく好ましくない。初期パック圧が26MPaを超える場合は、パック圧上昇率が本発明の範囲に入らないことがあり、長期間の紡糸時間を得ることができなくなることがある。
本発明の濾材としてニッケル、そして、好ましくはモリブデンを含有するものである。毛羽を押さえ、かつ、長期間の溶融紡糸が可能となるメカニズムは明確ではないが、溶融したポリヘキサメチレンアジパミド樹脂に生成するゲル化物や、各種添加剤がニッケルまたはモリブデンを含んだニッケル金属との相互作用性が低いため(これは単なる親和性ではなくむしろ反応性の差、つまり腐食性の差と考えられる)、金属表面に付着せず、次々と通過するポリヘキサメチレンアジパミド樹脂により、押し出されると共に、ニッケル又はモリブデン金属繊維により、ゲル化物が細断され、異物として堆積発達することなくパック圧上昇が抑えられ、このような顕著な効果が発現したものと推定している。
本発明を実施例に基づいて説明する。
(1)ニッケル及びモリブデン含有wt%の測定
株式会社堀場製作所製EMAX2770(EDX)を株式会社日立製作所製走査型電子顕微鏡S2400(SEM)に接続して測定した。測定条件は、加速電圧20kV、プローブ電流0.1nA、電子線入射角度90度、X線取り出し角度30度、測定時間100秒で行った。
(2)毛羽測定
春日電機株式会社製FLUFF DETECTOR F6−Aを検出器とした光電管式毛羽測定装置で測定速度300m/min及び感度ボリューム7.0で350万m測定を行い、10m当たりに換算した。
(3)蟻酸相対粘度の測定
90%蟻酸に8.4重量%溶解し、25℃でのオストワルド粘度管で測定した時の蟻酸相対粘度(以下VRとする)を測定した。
(4)ポアサイズの測定(JIS B 8356−2)
ファーストバブルポイント法を用いてポアサイズを測定した。
(5)パック圧力上昇率(MPa/(濾材通過樹脂量t/濾材面積m2)及び初期パック圧
ダイヤフラムシール式圧力計を用い、パック圧力を経時的に測定して縦軸に、同時に濾材通過樹脂量を濾材面積で割りかえした数値を横軸にとり、最小自乗法によりその傾きを求め、パック上昇率、縦軸切片を初期パック圧とした。
[実施例1〜6、比較例1〜4]
リン原子を10ppm及びニ酸化チタンを15ppm、銅原子を80ppm、沃素原子を1800ppm含有した蟻酸相対粘度が85であるポリヘキサメチレンアジパミドを用い、300℃でかつ濾材単位面積あたりの吐出量を2.3g/cm2/minとして、孔径0.25mmの紡糸口金より押し出し、約1重量%の油剤付与を施した後に延伸倍率4.5倍にて延伸し、交絡を付与して3000m/minで巻き取る直延法による溶融紡糸条件で235dtex72フィラメントのポリヘキサメチレンジアミンアジパミド延伸糸を生産した。得られた延伸糸の強度は8.6cN/dtexであった。このときのパック圧上昇率及び初期圧力及び得られた糸条の毛羽を評価した。金属濾材の種類及びパックタイプを変えて実験した。得られた結果は表1に示す。
ビーズパック構成としては、ろ過層に30〜40メッシュパスのガラスビーズを充填し、リーフディスクパックとしては、リーフディスクを4段として構成したパックを用いた。
表1から明らかな如く、本発明の紡糸パックではパック圧抑制が十分に効果を発揮し、毛羽品位にも影響を与えない結果となっている。
一方請求項の範囲に無い組成の金属不織布濾材で構成したパックでは、急速なパック圧上昇が認められた。また、ろ過精度を低下させると、毛羽品位の悪化が認められたり、逆に濾過を厳しくしすぎると急速なパック圧上昇が認められた。
Figure 2006225783
ポリヘキサメチレンアジパミド樹脂の溶融紡糸において、長期間寿命があり、パック圧上昇率が低く、かつ毛羽の発生しにくい溶融紡糸パックとそのパックを用いた溶融紡糸方法に利用できる。

Claims (4)

  1. 金属繊維の不織布からなりその金属繊維不織布の表面金属組成がエネルギー分散型X線分析装置での測定でニッケル含有率20〜100wt%であり、ポアサイズが10〜100μmである濾材を具備したことを特徴とするポリヘキサメチレンアジパミド用溶融紡糸パック。
  2. エネルギー分散型X線分析装置での測定でモリブデン含有率が0〜30wt%である金属不織布を濾材として具備したことを特徴とする請求項1記載のポリヘキサメチレンアジパミド用溶融紡糸用パック。
  3. 蟻酸相対粘度が60〜110、リン原子を1〜300ppm含有するポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を請求項1記載の溶融紡糸パックを用い、パック圧上昇率(MPa/(濾材通過樹脂量t/濾材面積m)) が0.03〜0.2 の条件下で溶融紡糸することを特徴とする引張強度が5〜10cN/dtexのポリヘキサメチレンアジパミドの溶融紡糸方法。
  4. 二酸化チタンを0〜400ppm含有するポリヘキサメチレンアジパミド樹脂を用いることを特徴とする請求項3記載のポリヘキサメチレンアジパミドの溶融紡糸方法。
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