JP2006225759A - 真空蒸着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な脱ガスができ、蒸発材料の蒸気の供給の完全停止を行うことができ、蒸発材料を所望の蒸気流量に高精度で制御できる真空蒸着装置を提供する。
【解決手段】蒸発材料を気化又は昇華させて、蒸発材料の蒸気を発生させる蒸発室1bからの蒸気流量を制御するスプールシャッタ7に、所定間隔で配置された複数の貫通孔13aを有し、位置を固定された固定板13と、同間隔で配置され、貫通孔13aと同等の開口面積を有する複数の貫通孔14aと、同間隔で配置され、貫通孔14aより小さい開口面積を有する複数の貫通孔14bとを有し、貫通孔14aと貫通孔14bが貫通孔13aの長手方向の長さより大きい間隔で配置された可動板14と、可動板14を固定板13へ摺動可能に押し付ける押付機構21と、可動板14を固定板13表面に沿って摺動させる移動機構とを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板等の蒸着対象物に蒸発材料を蒸着させて、薄膜を形成する真空蒸着装置に関する。
真空蒸着装置は、真空容器内に蒸発材料と蒸着対象物を配置し、真空容器内を減圧した状態で、るつぼ内の蒸発材料を加熱、溶融して蒸発又は昇華により蒸気化させ、蒸気となった蒸発材料を蒸着対象物の表面に堆積させて薄膜を形成するものである。
特公平6−35656号公報 特開平10−152777号公報
近年、FPD(Flat Panel Display)や自動車用の表面処理鋼板等のように、蒸着対象物が大型化する傾向にあり、これに伴い、蒸発材料の蒸気流量の制御面積も幅広い範囲で行う必要がでてきた。従来の真空蒸着装置においては、るつぼから蒸気化された蒸発材料は、蒸発材料と蒸着対象物との間に設けたシャッタ等により、その蒸気流量が制御されており、例えば、引き戸式のシャッタ(特許文献1参照)や回転式のシャッタ(特許文献2参照)を用いて、蒸気流量が制御され、蒸着対象物側に供給されて、蒸着対象物への蒸着を行っていた。
ところが、従来の真空蒸着装置おいて、引き戸式シャッタにより蒸発材料の蒸気流量を制御する場合、蒸着対象物が大型化すると、引き戸式シャッタの開口部面積に対して、蒸着対象物への蒸発材料の蒸気の流路断面積が大きくなり、高精度に蒸気流量を制御するには、引き戸式シャッタを微動させる必要があった。又、引き戸式シャッタの場合、蒸着対象物が大型化すると、引き戸式シャッタ自体も大型化する必要があり、その場合、引き戸式シャッタの開口部を平行に開口することが難しく、蒸気流量の微調整に難があるだけでなく、引き戸式シャッタの長手方向の蒸気流量分布の精度も悪いものであった。
又、従来の真空蒸着装置おいて、回転式シャッタにより蒸発材料の蒸気流量を制御する場合、回転式シャッタ自体は、中空の円筒の内部に円柱状のシャッタ部分を配置するという構造であるため、蒸着対象物の大型化にあわせて、回転式シャッタ全体の長さを長くしようとすると、その作製が難しく、所定の加工精度を得ることが難しくなり、所望の蒸気流量の制御ができなくなるおそれがあった。又、上述したように、回転式シャッタは、構造上、回転のためのクリアランスが必要であり、回転式シャッタを閉状態にしても、クリアランス部分の隙間から蒸発材料の蒸気が漏れてしまうという問題があった。更に、始動時には、真空蒸着装置の内部を真空引きし、脱ガスを十分行う必要があるが、回転式シャッタのシャッタ部分は円筒形状であるため、加工の自由度が大きくなく、脱ガスのための流路を設けることが容易でなかった。
上述したように、引き戸式シャッタ、回転式シャッタ等を用いた従来の真空蒸着装置は、各々問題があり、これらの問題を克服する真空蒸着装置が望まれていた。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、十分な脱ガスができ、蒸発材料の蒸気の供給の完全停止を行うことができ、蒸発材料を所望の蒸気流量に高精度で制御できる真空蒸着装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る真空蒸着装置は、
真空容器に設けられ、蒸発材料を気化又は昇華させて、前記蒸発材料の蒸気を発生させる蒸発室と、
前記蒸発室からの前記蒸発材料の蒸気流量を制御する蒸気流量制御手段とを有し、
蒸着対象物に前記蒸発材料の蒸気を蒸着させる真空蒸着装置において、
前記蒸気流量制御手段は、
長手方向に所定間隔で配置された複数の第1貫通孔を有する平板状の第1板と、
前記所定間隔と同じ間隔で配置され、前記第1貫通孔と同等の開口面積を有する複数の第2貫通孔と、前記所定間隔と同じ間隔で配置され、前記第2貫通孔より小さい開口面積を有する複数の第3貫通孔とを有し、前記第2貫通孔と前記第3貫通孔が前記第1貫通孔の長手方向の長さより大きい間隔で配置される平板状の第2板と、
少なくとも前記第1板又は前記第2板のいずれか一方の板を、他方の板表面に沿って摺動させ、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが形成する開口部の面積、又は、前記第1貫通孔と前記第3貫通孔とが形成する開口部の面積を変化させて、開口部を通過する蒸気量を調整する移動手段とを有することを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る真空蒸着装置は、
真空容器に設けられ、異なる蒸発材料を気化又は昇華させて、前記異なる蒸発材料の蒸気を各々発生させる複数の蒸発室と、
前記異なる蒸発材料の蒸気流量を各々制御する複数の蒸気流量制御手段とを有し、
蒸着対象物に前記異なる蒸発材料の蒸気を混合して蒸着させる真空蒸着装置において、
前記蒸気流量制御手段は、
長手方向に所定間隔で配置された複数の第1貫通孔を有する平板状の第1板と、
前記所定間隔と同じ間隔で配置され、前記第1貫通孔と同等の開口面積を有する複数の第2貫通孔と、前記所定間隔と同じ間隔で配置され、前記第2貫通孔より小さい開口面積を有する複数の第3貫通孔とを有し、前記第2貫通孔と前記第3貫通孔が前記第1貫通孔の長手方向の長さより大きい間隔で配置される平板状の第2板と、
少なくとも前記第1板又は前記第2板のいずれか一方の板を、他方の板表面に沿って摺動させ、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが形成する開口部の面積、又は、前記第1貫通孔と前記第3貫通孔とが形成する開口部の面積を変化させて、開口部を通過する蒸気量を調整する移動手段とを有することを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る真空蒸着装置は、
第1又は第2の発明に記載の真空蒸着装置において、
前記蒸着対象物は、搬送されながら前記蒸発材料の蒸気が蒸着されると共に、
前記蒸気流量制御手段は、前記蒸着対象物の搬送方向に垂直な方向に長尺なものであることを特徴とする。
蒸気流量制御手段は、例えば、蒸着対象物の蒸着領域の長さと同等の長さを有する。
上記課題を解決する第4の発明に係る真空蒸着装置は、
第1乃至第3のいずれかに記載の真空蒸着装置において、
前記一方の板を、前記他方の板へ摺動可能に押し付ける押付手段を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る真空蒸着装置は、
第4の発明に記載の真空蒸着装置において、
前記押付手段は、
前記一方の板の端部に接するローラと、
前記ローラを前記一方の板の摺動方向に回転可能に支持する支持軸と、
該装置側に固着され、前記支持軸を前記他方の板方向に付勢力で押さえ付けて保持する保持部材とを有し、
前記押付手段を、前記一方の板の摺動方向に複数設けたことを特徴とする。
支持軸は、例えば、バネの付勢力を用いて、固定板方向に押さえ付けるようにする。
上記課題を解決する第6の発明に係る真空蒸着装置は、
第1乃至第5のいずれかの発明に記載の真空蒸着装置において、
前記第2貫通孔は、前記第3貫通孔の開口面積の少なくとも2倍以上の開口面積を有することを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明に係る真空蒸着装置は、
第1乃至第6のいずれかの発明に記載の真空蒸着装置において、
前記第1貫通孔、前記第2貫通孔又は前記第3貫通孔の少なくとも1つは、前記一方の板の摺動方向に垂直な方向の開口幅が異なるものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第8の発明に係る真空蒸着装置は、
第7の発明に記載の真空蒸着装置において、
前記第1貫通孔、前記第2貫通孔又は前記第3貫通孔の少なくとも1つは、円形、楕円形、若しくは多角形であることを特徴とする。
上記課題を解決する第9の発明に係る真空蒸着装置は、
第7の発明に記載の真空蒸着装置において、
前記第3貫通孔を凸状に開口すると共に、
前記一方の板の摺動方向に垂直な方向の開口幅が狭い部分の幅をaとし、前記狭い部分の摺動方向の長さをbとし、前記一方の板の摺動方向に垂直な方向の開口幅が広い部分の幅をcとし、前記広い部分の摺動方向の長さをdとすると、
a<c、かつ、b>dの関係が成り立つように、前記第3貫通孔を開口させたことを特徴とする。
第1又は第2の発明によれば、例えば、摺動される一方の板を第2板とすると共にこれを可動板と呼び、他方の板を第1板とすると共にこれを固定板と呼んで説明を行うと、蒸気流量制御手段を固定板と固定板表面を摺動する可動板で構成すると共に、第3貫通孔より大きな開口面積の第1貫通孔、第2貫通孔を設けたので、脱ガスを行う場合には、第1貫通孔と第2貫通孔とを用いることで、十分な真空引きを効率的に行うことができる。又、蒸発材料の蒸気流量を制御する場合には、第1貫通孔と第2貫通孔より小さな第3貫通孔とを用いることで、蒸発材料を所望の蒸気流量に高精度に制御することができる。
第3の発明によれば、蒸気流量制御手段は平板状の固定板と可動板で構成されており、蒸着対象物の搬送方向に垂直な方向に長尺なものであるので、固定板及び可動板に形成する貫通孔の加工が容易となると共にその形状及び位置精度も向上させることができ、その結果、蒸発材料を所望の蒸気流量に高精度に制御することができる。
第4、第5の発明によれば、蒸発材料の蒸気の供給を完全停止する場合には、押付手段により可動板が固定板側に押し付けられている上、第1貫通孔の長手方向の長さより大きい第2貫通孔と第3貫通孔の間の部分を用いることで、第1貫通孔の開口部分を完全に閉状態として、蒸発材料の蒸気の供給を完全に停止することができる。又、複数のローラを介して付勢力により可動板を固定板側へ押し付けるので、摺動可能な適切な力で可動板を押し付けることができ、可動板と固定板との隙間を無くすことができる。その結果、蒸発材料の蒸気の供給を完全停止する場合には、隙間からの漏れが無くなり、蒸発材料の蒸気の供給を完全に停止することができる。
第6の発明によれば、第2貫通孔を第3貫通孔の開口面積の2倍以上の開口面積としたので、脱ガスを行う場合、十分な真空引きを効率的に行うことができる。
第7乃至第9の発明によれば、第1貫通孔、第2貫通孔、第3貫通孔において、可動板の摺動方向に垂直な方向の開口幅として、狭い部分と広い部分を設けたので、蒸発材料の蒸気流量を高精度に制御する場合には、第3貫通孔の狭い開口幅の部分を用いることで、可動板の摺動に伴う開口面積の変化、つまり、コンダクタンスの変化を緩やかにすることができ、その結果、蒸発材料を所望の蒸気流量に高精度に制御することができる。
本発明に係る真空蒸着装置の実施形態を、図1〜図9を参照して、その詳細な説明を行う。
図1は、本発明に係る真空蒸着装置の実施形態の一例を示す概略図であり、図1(a)は、その側面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線矢視断面図である。
なお、本実施例では、2つの蒸発材料を用いて蒸着を行う共蒸着の真空蒸着装置を示して、その詳細を説明するが、本発明は、1つの蒸発材料を用いて蒸着を行う真空蒸着装置や3つ以上の蒸発材料を用いて蒸着を行う真空蒸着装置にも適用可能なものである。
又、本実施例では、真空蒸着装置の蒸発室を下方側に配置し、蒸着対象物に蒸着を行う蒸着室を上方側に配置して、真空蒸着装置の使用時の姿勢としては、鉛直状態としているが、使用時の姿勢は、鉛直だけに限らず、傾斜状態、水平状態(90度傾け)、倒立状態(180度傾け)であってもよい。但し、倒立状態や倒立状態に近い姿勢の場合には、蒸発材料が蒸発室から流れ出したり(液体の場合)、転がり出したり(固体の場合)しないように、蒸発室の形状を工夫している。
本実施例の真空蒸着装置は、図1に示すように、2つの蒸発室1a、1bから蒸着室2までの壁面が複数のヒータ3により加熱されたものである。これは、所謂、ホットウォールチャンバと呼ばれるものであり、気化された蒸発材料5a、5bが基板6(蒸着対象物)へ蒸着される過程で、壁面等に蒸着しないような構成になっており、図示しない複数の温度センサを用いて、蒸発材料5a、5bが壁面等に蒸着しない温度に制御されている。このようなホットウォールチャンバを用いた場合、蒸発室1a、1bでは、壁面等に付着した蒸発材料5a、5bは蒸発室1a、1bの所謂、るつぼの部分に環流され、又、混合室8、蒸着室2では、壁面等に蒸発材料5a、5bが付着し難いので、蒸発材料の蒸気の利用効率が向上すると共に、成膜速度も向上する。
真空槽4(真空容器)の内部は、図示しない真空ポンプにより、真空度が適切に制御されている。そして、真空槽4の内部には、その下方側から上方側へ、蒸発材料5aを有し、蒸発材料5aを気化又は昇華させて、蒸発材料5aを蒸気化する蒸発室1a(るつぼ)と、蒸発材料5bを有し、蒸発材料5bを気化又は昇華させて、蒸発材料5bを蒸気化する蒸発室1b(るつぼ)と、蒸発室1a、1bからの蒸発材料5a、5bの蒸気流量を制御する2つのスプールシャッタ7(蒸気流量制御手段)と、2つのスプールシャッタ7と面し、蒸発材料5a、5bの蒸気が混合される混合室8と、混合された蒸発材料5a、5bの蒸気を基板6へ導く蒸着室2が、順に配置されている。なお、蒸着室2において、混合された蒸発材料5a、5bの蒸気を整流するため、複数の貫通孔を有する整流板等を設けるようにしてもよい。
上記真空蒸着装置においては、蒸発室1a、1bからの蒸発材料5a、5bの蒸気は、2つのスプールシャッタ7を経て、混合室8で適切な混合比の混合気とされ、蒸着室2において基板6への蒸着が行われており、基板6上に所望する組成比を有する薄膜の成膜が行われる。
なお、蒸着室2の開口部は、基板6の搬送方向10に垂直な方向(以降、この方向を板幅方向Lと呼ぶ。)に長尺であり、少なくとも、板幅方向Lの基板6の蒸着面積の長さを有する。又、スプールシャッタ7の構成部材も板幅方向Lに長尺であり、蒸着室2と同様に、基板6の蒸着面積の板幅方向Lの長さと同等の長さを有する。
基板6は、蒸着室2の開口部上方に配置されており、図示しない搬送機構により、搬送方向10へ連続的に搬送される。蒸着を行う際には、蒸着される薄膜の膜厚が、基板6の搬送方向10に沿って均一になるように、一定の所定速度で基板6が搬送されている。
詳細は、図2、図3において説明するが、スプールシャッタ7は、位置を固定された平板状の固定板13(第1板;他方の板)と、固定板13表面上に配置された平板状の可動板14(第2板;一方の板)と、可動板14を固定板13へ摺動可能に押し付ける押付機構21(押付手段)と、可動板14を固定板13の表面に沿って摺動させる移動機構9(移動手段)とを有するものであり、蒸発室1a、1bの開口部分に設けられた支持板12上に配設されている。
次に、図2、図3を用いて、図1において示したスプールシャッタ7を詳細に説明する。
なお、図2では、一方の蒸発室1b側を図示して説明を行うが、他方の蒸発室1aも同等の構成のスプールシャッタ7を有する。
スプールシャッタ7は、蒸発室1bを密閉するように、蒸発室1bの上方に配置されており、装置側に支持され、中央に大きい開口部分を有する支持板12と、支持板12に固定され、上記開口部分を覆うように配置された固定板13と、板幅方向Lに摺動可能に固定板13上に配置された可動板14とを有する。固定板13には、可動板14の形状に合わせたガイド部13bが形成されており、このガイド部13bにより可動板14の移動を摺動方向(板幅方向Lの方向)のみに制限して蒸気流量分布を制御している。なお、固定板13のガイド部13bの形成方向を変え、可動板14が移動する方向を板幅方向Lに垂直な方向として、蒸気流量分布を制御するようにしてもよい。又、固定板13の位置を固定し、可動板14を移動させる場合に限らず、両方とも移動させるようにしてもよい。
又、固定板13には、長手方向(板幅方向L)に、所定間隔W1で配置された第1貫通孔13aが複数形成されている。可動板14には、第1貫通孔13aと同じ間隔W1で配置され、第1貫通孔13aと同等の開口面積を有する第2貫通孔14aと第2貫通孔14aより小さい開口面積を有する第3貫通孔14bとが複数形成されており、第2貫通孔14aと第3貫通孔14bの間隔W2は、第1貫通孔13aの長手方向の長さW3より大きい間隔で配置されている(図3を参照)。
固定板13、可動板14は、板幅方向Lの基板6の蒸着面積の長さと同等の長さを有し、長尺なもの(例えば、2m以上の長さのもの)である。これらは、平板状のものを加工して、貫通孔を形成しているので、長尺であっても、容易に高精度の貫通孔を作製することができる。特に、貫通孔の位置、形状は、真空蒸着装置の幅方向の蒸気流量分布を制御するためには重要であるが、加工が容易であることから、それらの加工精度を高精度とすることができる。例えば、貫通孔が均一に配置されるように加工することで、真空蒸着装置の板幅方向Lの蒸気流量分布を均一にすることができる。又、貫通孔の加工形状の自由度も大きいことから、可動板14においては、異なる形状の貫通孔を目的に合わせて複数設けることができる。
スプールシャッタ7には、押付機構21が板幅方向Lに複数設けられている。1つの押付機構21には、可動板14の板幅方向Lに沿う両端部を押さえ付けると共に、可動板14の摺動方向の移動を可能とする2つのローラ22と、ローラ22を回転可能に支持する支持軸23と、支持板12側に固着され、支持軸23を固定板13側に押さえ付けて保持する保持部材24とが設けられている。保持部材24には、支持軸23を受け支えるU字状の凹部が形成されており、凹部に嵌合される凸部を有する嵌合部材25が、押付部材25を貫通して保持部材24のネジ穴に取り付けられるボルト26と、押付部材25とボルト26の頭部との間に配設されたバネ27により、付勢力が与えられている。従って、バネ27の付勢力により、支持軸23は、保持部材24の凹部に押さえ付けられ、その結果、ローラ22が可動板13を固定板14側へ、摺動可能な程度に押さえ付けられることとなる。固定板13、可動板14間の密着性を向上させ、隙間を無くすようにするには、押付機構21の数が多ければ多いほど好ましいが、過度に多すぎると、貫通孔を通過する蒸気の流れを支持軸23が阻害するおそれもあるため、支持軸23の太さはできるだけ細くすると共に、押付機構21の数も適正な密着性を得られる範囲の数とすることが望ましい。又、支持軸23が可動板13上を交差しないように、2つのローラ22を1つの支持軸23で支持するのではなく、可動板13の各端部で、1つのローラを短い1つの支持軸で支持するようにした押付機構を設けるようにしてもよい。
従来の真空蒸着装置では、上述したような押付機構を備えたものはなく、その場合、固定板と可動板との間の隙間を無くすことができなかったため、蒸気のリークが避けられず、蒸気量の制御は不可能であった。これに対して、本実施例の真空蒸着装置においては、スプールシャッタ7が、上記構成を有するので、真空槽4の外部から可動板14を摺動可能な移動機構9を用いて、可動板14の移動を行っても、押付機構21により所定の押付力にて、可動板14が固定板13側へ押し付けられ、固定板13と可動板14との間の隙間を無くすことができる。従って、貫通孔の全閉時には(例えば、図4(a)のP4参照)、固定板13、可動板14同士の隙間から漏れる蒸気を無くすことができる。例えば、蒸発室1a、1bと混合室8との間に、Pa単位において、1桁〜2桁の差圧がある場合でも、本実施例の真空蒸着装置では、固定板13と可動板14との間の隙間を、悪くても数μm〜20、30μm程度に抑えるので、その間のリーク量を制御蒸気量の1%以下にすることができる。又、貫通孔の開口時にも、隙間から漏れる余分な蒸気がないため、蒸気流量を高精度で制御可能となる。
このように、各々複数の貫通孔を有する複数の平板を相対的に水平移動させ、貫通孔同士が形成する開口部の面積を変化させて、開口部を通過する蒸気量を制御するものであれば、上記構造の押付機構21はどのようなものでも適用可能であり、上記構造の押付機構21を用いて、摺動する平板同士を押し付けることで、平板同士の間の隙間を無くし、ここからのリークを抑制して、蒸気量を高精度に制御可能としている。
なお、上記実施例においては、2枚の板を用い、一方側の板の位置は固定し、他方側の板のみ一方側へ押さえ付けると共に摺動するようにしたが、板間の隙間から流出する蒸気をより低減したい場合には、3枚の板を用い、上下側の板の位置は固定し、中央の板のみ上下側の板により押さえ付けると共に摺動するようにすればよい。
又、上記実施例においては、固定板13に1種類の貫通孔13aを設け、可動板14に形状の異なる2種類の貫通孔14a、14bを設けた構成としたが、逆に、固定板13に形状の異なる2種類の貫通孔を設け、可動板14に1種類の貫通孔を設け、可動板14をその長手方向にスライドして、固定板13の形状の異なる2種類の貫通孔各々に対して、可動板の1種類の貫通孔の相対位置を制御し、開口部の面積を変化させて、蒸気量の制御を行うようにしてもよい(図7(a)、(b)参照)。
具体的には、図7(a)の場合は、脱気(真空引き)のため大きな開口面積を有する円形状の貫通孔41と流量調整のため小さな開口面積を有する円形状の小径の貫通孔42の2種類を、固定板13に設け、脱気兼流量調整のため大きな開口面積を有する円形状の貫通孔43の1種類を、可動板14に設けている。又、図7(b)の場合は、脱気のため大きな開口面積を有する円形状の貫通孔41と流量調整のため小さな開口面積を有する凸形状の貫通孔51の2種類を、固定板13に設け、脱気兼流量調整のため大きな開口面積を有する円形状の貫通孔43の1種類を、可動板14に設けている。そして、図7(a)、(b)において、貫通孔41同士の間隔と貫通孔43同士の間隔は、同じ間隔で配置されており、その間隔の略中央に貫通孔42、51が配置されている。
更に、固定板13及び可動板14に各々2種類の貫通孔を設け、可動板14をその長手方向にスライドして、固定板13の形状の異なる2種類の貫通孔各々に対して、可動板14の2種類の貫通孔各々の相対位置を制御し、開口部の面積を変化させて、蒸気量の制御を行うようにしてもよい(図8(a)、(b)参照)。
具体的には、図8(a)の場合は、脱気のため大きな開口面積を有する楕円形状の貫通孔44と流量調整のため小さな開口面積を有する円形状の貫通孔42の2種類を、固定板13に設け、脱気のため大きな開口面積を有する楕円形状の貫通孔45と流量調整のため小さな開口面積を有する円形状の貫通孔46の2種類を、可動板14に設けている。又、図8(b)の場合は、脱気のため大きな開口面積を有する楕円形状の貫通孔44と流量調整のため小さな開口面積を有する凸形状の貫通孔52の2種類を、固定板13に設け、脱気のため大きな開口面積を有する楕円形状の貫通孔45と流量調整のため小さな開口面積を有する円形状の貫通孔46の2種類を、可動板14に設けている。そして、図8(a)、(b)において、貫通孔44同士の間隔と貫通孔45同士の間隔は、同じ間隔で配置されており、その間隔を略3等分する位置の一方に貫通孔42、52が配置され、他方に貫通孔46が配置されている。上記貫通孔の組み合わせは、特に、ホスト材に微少(数%程度)混入するドーパント材の蒸気量を制御する際に好適なものである。
加えて、固定板13及び可動板14に各々1種類の貫通孔を設け、可動板14をその長手方向にスライドして、固定板13の1種類の貫通孔に対して、可動板14の1種類の貫通孔の相対位置を制御し、開口部の面積を変化させて、蒸気量の制御を行うようにしてもよい(図9(a)、(b)参照)。
具体的には、図9(a)の場合は、脱気兼流量調整のため大きな開口面積を有する円形状の貫通孔41の1種類を、固定板13に設け、脱気兼流量調整のため大きな開口面積を有する円形状の貫通孔43の1種類を可動板14にも設けている。図9(b)の場合は、脱気兼流量調整のため大きな開口面積を有する凸形状の貫通孔53の1種類を、固定板13に設け、脱気兼流量調整のため大きな開口面積を有する円形状の貫通孔43の1種類を可動板14にも設けている。そして、図9(a)、(b)において、貫通孔41同士の間隔と貫通孔43同士の間隔、貫通孔53同士の間隔と貫通孔43同士の間隔は、同じ間隔で配置されている。
なお、図7〜図9においては、固定板に設ける貫通孔の種類と可動板に設ける貫通孔の種類を逆にしてもよい。又、貫通孔の形状としては、上述したように、円形、楕円形、凸形等の他、三角形、四角形等の多角形形状としてもよい。又、可動板をスライドさせる方向も、その長手方向だけに限らず、その幅方向(長手方向に垂直な方向)としてもよい。
次に、スプールシャッタ7における蒸気流量制御について述べる。
基板6が大きくなるにしたがい、基板6の板幅方向Lの蒸着の均一性が求められ、板幅方向Lの蒸気流量の制御が重要となる。本発明に係る真空蒸着装置では、板幅方向Lの蒸気流量の制御性を向上させるため、蒸発室1a、1bからの蒸発材料5a、5bの蒸気流量を制御すると共に、その蒸気流量を基板6の板幅方向Lに均一に供給するスプールシャッタ7を用いている。そこで、その具体的制御について、図4(a)、(b)を参照して、具体的に説明を行う。
図3に示すように、固定板13には、円形状の複数の貫通孔13aが設けられており、又、可動板14には、貫通孔13aに対応する位置に、同じく円形状の貫通孔14aが設けられている。つまり、貫通孔13aと貫通孔14aとを同一形状、同一サイズ、同一間隔W1としたので、可動板14を所定の位置に配置すると、貫通孔13aと貫通孔14aが完全に重なり、最大の開口面積にして、脱ガス時には、容易に脱ガスできるようにしている(図4(a)のP1参照)。つまり、可動板14に蒸気流量制御用の貫通孔14bとは別に真空引き用の貫通孔14aを設けたので、蒸発室内部の脱ガスをしたい場合には、これらの貫通孔13a、14aを用いることで、脱ガスを十分に行うことができる。なお、大流量の蒸気流量が必要な場合には、可動板13を固定板14の表面に沿って移動させて、第1貫通孔13aと第2貫通孔14aとが形成する開口部の面積を変化させて、蒸着時に蒸気流量制御のために使用してもよい。
更に、可動板14には、同じく図3に示すように、貫通孔13aに対応する位置に、貫通孔13aとは異なる画鋲形状又は涙形状の貫通孔14bが設けられている。つまり、貫通孔13aと貫通孔14bは同一間隔W1で配置されているが、形状、サイズが異なるものであり、開口部分の開口幅が、可動板13の摺動方向に垂直な方向に異なるように形成されている。蒸気流量を制御する際には、固定板13の表面に沿って可動板14を移動させて、貫通孔13aに対する貫通孔14bの相対位置を制御して、貫通孔13aと貫通孔14aの重なり状態により、蒸気が通過する開口部の面積を変化させて、蒸発室1a、1b側から所望の蒸発量を供給することができる(図4(b)のP5〜P9参照)。
固定板13の貫通孔13aは、脱ガス及び蒸気流量制御に兼用するものであるが、蒸気の供給を停止したい場合には、貫通孔14a、14bが存在しない可動板14の部分を貫通孔13aの位置に配置することで、蒸気が通過する開口面積を無くして、蒸気の供給を停止することができる。なお、貫通孔14bに対する貫通孔14aの大きさとしては、脱ガス時の効率を考慮して、2倍以上の開口面積を有することが望ましい。
なお、固定板13、可動板14は、蒸発材料との反応性、板間の摺動性、熱による塑性変形等を考慮すると、グラファイト等のセラミクス系の材料で構成することが望ましく、又、板間の間隙を少なくするには、可動板を薄く形成して、変形に沿うようにして、板間の密着性を向上させるようにすることが望ましい。なお、上記条件を満たす材料であれば、セラミクス系以外の材料で構成してもよく、例えば、金属系の材料を用いてもよい。
可動板14の移動に伴うコンダクタンス比の変化を示したものが図4(a)、(b)のグラフであり、図4(a)は、貫通孔13a、14aの場合、図4(b)は、貫通孔13a、14bの場合を示す。なお、コンダクタンス比は、貫通孔13a、14bにおける最大のコンダクタンスを1として記載したものである。
図4(a)に示すように、脱ガス時には、貫通孔13a、14aの組み合わせにおける配置位置P1を選択し、できるだけ大きいコンダクタンス比(開口面積)で脱ガスを行うようにする。貫通孔13a、14aの組み合わせにおけるコンダクタンス比は、貫通孔14aの移動に伴って、配置位置P1→P2→P3→P4と急激に減少し、蒸気の供給を完全に停止したい場合には、配置位置P4を選択する。なお、大量の蒸気流量が必要な場合、例えば、配置位置P2近傍を選択して使用してもよい。
一方、通常の蒸着時には、図4(b)に示すように、貫通孔13a、14bの組み合わせを用いて、所望の蒸気流量になるように選択する。貫通孔13a、14bの組み合わせにおけるコンダクタンス比は、貫通孔14bの移動に伴って、配置位置P5→P6→P74と急激に増加し、配置位置P7→P8と緩やかに減少し、配置位置P8→P9と急激に減少する。微少な蒸気流量の変化が蒸着される薄膜に大きな影響を与える場合には、蒸気流量の制御を、コンダクタンス比の変化が緩やかな配置位置P7→P8で行うようにすれば、蒸気流量の変化が緩やかとなるので、微少な蒸気流量の制御を高精度におこなうことができる。
本発明に係る真空蒸着装置を、例えば、有機EL(エレクトロルミネセンス)素子の発光層の成膜に用いる場合、ホスト材に混合されるドーパント材の比率を、上記スプールシャッタ7により高精度に制御することによって、所望の性質を有する発光層を形成することが可能となる。特に、ドーパント材の蒸気流量は、ホスト材と比較して少量であるため、上記スプールシャッタ7を用いることより、板幅方向Lに均一に、かつ、高精度に蒸気流量を制御して、混合室8において、所望の混合比率にて混合し、理想的な組成比率を有する薄膜を容易に形成することが可能になる。
又、本発明に係る真空蒸着装置を、自動車用の表面処理鋼板における亜鉛−マグネシウム合金等の成膜に用いる場合も、亜鉛に混合されるマグネシウムの比率を、上記スプールシャッタ7により高精度に制御可能となる。
上述したように、本発明に係る真空蒸着装置における蒸気流量の制御は、スプールシャッタ7に設ける貫通孔の形状で、所望の制御を行うことが可能である。つまり、貫通孔の形状により、所望の変化特性、所望の制御範囲の蒸気流量を制御することが可能となる。そこで、他の実施例として、異なる形状の貫通孔を用いた場合の蒸気流量制御を図5、図6に例示して説明を行う。
図5は、本発明に係る真空蒸着装置の実施形態の他の一例を示すものであり、具体的には、スプールシャッタ7において、上述した貫通孔14bとは異なる形状を用いた場合の蒸気流量制御について説明する図である。
本実施例では、実施例1における貫通孔14bに替えて、図5に示す貫通孔31を用いるようにしたものである。図5に示すように、貫通孔31は、大きさの異なる2つの矩形形状の開口を1つにして、凸字状形状の開口としたものである。具体的には、可動板14の摺動方向(図中の矢印方向)に垂直な方向の開口幅が狭い部分の幅をaとし、この部分の摺動方向の長さをbとし、開口幅が広い部分の幅をcとし、この部分の摺動方向の長さをdとすると、a<c、かつ、b>dの関係が成り立つように、凸字状形状に開口させている。
本実施例においては、固定板13の円形状の貫通孔13aに対して、凸字状形状の貫通孔31を移動した場合、開口幅がaの部分では、可動板14の移動に伴い線形に小さく、コンダクタンス比を変化させることができ、開口幅がcの部分では、可動板14の移動に伴い線形に大きく、コンダクタンス比を変化させることができる。つまり、可動板14の移動量に対して、コンダクタンス比の変化量を大きくしたい部分では貫通孔31の幅を大きくし、変化量を小さくしたい部分では貫通孔の幅を小さくすることで、所望のコンダクタンス比の変化特性を有するものとすることができる。コンダクタンス比の変化に伴って、通過する蒸気流量も変化するので、特に、高精度の蒸気流量制御が要求される場合には、開口幅がaの部分での制御が有効となる。従って、開口幅がaの部分の摺動方向の長さbは、開口幅がcの部分の摺動方向の長さdよりも大きい方が、高精度の制御範囲が広くなり、貫通孔の形状としては、理想的なものとなる。
図6は、本発明に係る真空蒸着装置の実施形態の更なる他の一例を示すものであり、スプールシャッタ7において、上述した貫通孔14a、14bとは異なる形状を用いた場合の蒸気流量制御について説明する図である。
本実施例では、実施例1における貫通孔14a、14bに替えて、図6に示す貫通孔32を用いるようにしたものであり、図6に示すように、貫通孔32は、実施例1における貫通孔14a、14bを一体としたものである。本実施例においては、摺動方向の長さeの部分が、実施例1における貫通孔14aに該当し、摺動方向の長さg、iの部分が、実施例1における貫通孔14bに該当する。そして、摺動方向の長さg、iの部分は、実施例2と比較すると、摺動方向の長さgの部分が実施例2の貫通孔31のbの部分に相当して、摺動方向に垂直な開口幅fが小さく、摺動方向の長さiの部分が、実施例2の貫通孔31のdの部分に相当して、摺動方向に垂直な開口幅hが開口幅fより大きい。
従って、貫通孔32のコンダクタンス比の変化は、可動板14の移動に伴い、図6のグラフのような変化、換言すると、図4(a)のグラフと図4(b)のグラフを組み合わせたような変化となる。具体的には、固定板13の円形状の貫通孔13aに対して、貫通孔32を移動した場合、摺動方向の長さeの部分では、コンダクタンス比が大きく、その変化も大きい。又、摺動方向の長さgの部分では、コンダクタンス比の変化が緩やかであり、摺動方向の長さiの部分では、コンダクタンス比の変化が大きくなる。
このように、移動量に対して、変化量を大きくしたい部分は貫通孔の幅を大きくし、変化量を小さくしたい部分は貫通孔の幅を小さくすることで、所望の開口面積の変化特性を有するものにでき、その開口面積の変化に伴って、通過する蒸気流量も変化することとなる。又、実施例1とは異なり、本実施例の場合は、脱ガス用の貫通孔と制御用の貫通孔を独立して設けていないので、最小から最大の開口面積の制御を連続して行うことができる。
本発明に係る真空蒸着装置は、蒸着対象物として大型(長尺)のものに好適であり、例えば、FPD用の大型基板や自動車用の表面処理鋼板等に蒸着を行う際に用いられる。
本発明に係る真空蒸着装置の実施形態の一例を示す概略図である。 図1において示したスプールシャッタの詳細図である。 図2において示したスプールシャッタの固定板、可動板の詳細図である。 図1において示したスプールシャッタの制御について説明する図である。 本発明に係る真空蒸着装置の実施形態の他の一例を示す図である。 本発明に係る真空蒸着装置の実施形態の他の一例を示す図である。 図2において示したスプールシャッタの固定板、可動板の他の構成例を示す図である。 図2において示したスプールシャッタの固定板、可動板の更なる他の構成例を示す図である。 図2において示したスプールシャッタの固定板、可動板の更なる他の構成例を示す図である。
符号の説明
1a、1b 蒸発室
2 蒸着室
3 ヒータ
4 真空槽
5a、5b 蒸発材料
6 蒸着対象物(基板)
7 スプールシャッタ
8 混合室
9 移動機構
10 搬送方向
12 支持板
13 固定板
14 可動板
21 押付機構

Claims (9)

  1. 真空容器に設けられ、蒸発材料を気化又は昇華させて、前記蒸発材料の蒸気を発生させる蒸発室と、
    前記蒸発室からの前記蒸発材料の蒸気流量を制御する蒸気流量制御手段とを有し、
    蒸着対象物に前記蒸発材料の蒸気を蒸着させる真空蒸着装置において、
    前記蒸気流量制御手段は、
    長手方向に所定間隔で配置された複数の第1貫通孔を有する第1板と、
    前記所定間隔と同じ間隔で配置され、前記第1貫通孔と同等の開口面積を有する複数の第2貫通孔と、前記所定間隔と同じ間隔で配置され、前記第2貫通孔より小さい開口面積を有する複数の第3貫通孔とを有し、前記第2貫通孔と前記第3貫通孔が前記第1貫通孔の長手方向の長さより大きい間隔で配置される第2板と、
    少なくとも前記第1板又は前記第2板のいずれか一方の板を、他方の板表面に沿って摺動させ、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが形成する開口部の面積、又は、前記第1貫通孔と前記第3貫通孔とが形成する開口部の面積を変化させる移動手段とを有することを特徴とする真空蒸着装置。
  2. 真空容器に設けられ、異なる蒸発材料を気化又は昇華させて、前記異なる蒸発材料の蒸気を各々発生させる複数の蒸発室と、
    前記異なる蒸発材料の蒸気流量を各々制御する複数の蒸気流量制御手段とを有し、
    蒸着対象物に前記異なる蒸発材料の蒸気を混合して蒸着させる真空蒸着装置において、
    前記蒸気流量制御手段は、
    長手方向に所定間隔で配置された複数の第1貫通孔を有する第1板と、
    前記所定間隔と同じ間隔で配置され、前記第1貫通孔と同等の開口面積を有する複数の第2貫通孔と、前記所定間隔と同じ間隔で配置され、前記第2貫通孔より小さい開口面積を有する複数の第3貫通孔とを有し、前記第2貫通孔と前記第3貫通孔が前記第1貫通孔の長手方向の長さより大きい間隔で配置される第2板と、
    少なくとも前記第1板又は前記第2板のいずれか一方の板を、他方の板表面に沿って摺動させ、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが形成する開口部の面積、又は、前記第1貫通孔と前記第3貫通孔とが形成する開口部の面積を変化させる移動手段とを有することを特徴とする真空蒸着装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の真空蒸着装置において、
    前記蒸着対象物は、搬送されながら前記蒸発材料の蒸気が蒸着されると共に、
    前記蒸気流量制御手段は、前記蒸着対象物の搬送方向に垂直な方向に長尺なものであることを特徴とする真空蒸着装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の真空蒸着装置において、
    前記一方の板を、前記他方の板へ摺動可能に押し付ける押付手段を備えたことを特徴とする真空蒸着装置。
  5. 請求項4に記載の真空蒸着装置において、
    前記押付手段は、
    前記一方の板の端部に接するローラと、
    前記ローラを前記一方の板の摺動方向に回転可能に支持する支持軸と、
    該装置側に固着され、前記支持軸を前記他方の板方向に付勢力で押さえ付けて保持する保持部材とを有し、
    前記押付手段を、前記一方の板の摺動方向に複数設けたことを特徴とする真空蒸着装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の真空蒸着装置において、
    前記第2貫通孔は、前記第3貫通孔の開口面積の少なくとも2倍以上の開口面積を有することを特徴とする真空蒸着装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の真空蒸着装置において、
    前記第1貫通孔、前記第2貫通孔又は前記第3貫通孔の少なくとも1つは、前記一方の板の摺動方向に垂直な方向の開口幅が異なるものであることを特徴とする真空蒸着装置。
  8. 請求項7に記載の真空蒸着装置において、
    前記第1貫通孔、前記第2貫通孔又は前記第3貫通孔の少なくとも1つは、円形、楕円形、若しくは多角形であることを特徴とする真空蒸着装置。
  9. 請求項7に記載の真空蒸着装置において、
    前記第3貫通孔を凸状に開口すると共に、
    前記一方の板の摺動方向に垂直な方向の開口幅が狭い部分の幅をaとし、前記狭い部分の摺動方向の長さをbとし、前記一方の板の摺動方向に垂直な方向の開口幅が広い部分の幅をcとし、前記広い部分の摺動方向の長さをdとすると、
    a<c、かつ、b>dの関係が成り立つように、前記第3貫通孔を開口させたことを特徴とする真空蒸着装置。
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