JP2006225608A - アクリルニトリル系重合体の連続乾燥方法及び乾燥機 - Google Patents

アクリルニトリル系重合体の連続乾燥方法及び乾燥機 Download PDF

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Abstract

【課題】火災や粉塵爆発を起こさず、効率的なペレット状のアクリルニトリル系重合体から発生する重合体粉末を効率的に回収できる前記重合体の熱風乾燥方法及び乾燥装置を提供する。
【解決手段】一方向に回動するネット状のエンドレスベルト(152)上に湿潤状態にあるペレット状の重合体を連続的に移載して熱風乾燥室内を移送させ、その移送の間に乾燥させる。この乾燥時に発生する重合体粉末を、前記エンドレスベルト(152)の上下ベルト部分(152a,152b)の間に介装され、そのベルト回動路を横断するとともに同ベルト(152)の上部ベルト部分(152a)の端縁部から下部ベルト部分(152b)の反対側の端縁部に向けて下傾斜する洗浄水流下板(162)上に水を流して、上部ベルト部分(152a)から落下する前記重合体粉末とともに前記洗浄水流路上を流下させる。前記洗浄水流路を水と一緒に流下した含水重合体粉末を、前記洗浄水流路の下端部に配された滞留部(162b)に滞留させ、所望時に前記滞留部(162b)に滞留する前記含水重合体粉末を回収する。
【選択図】図5

Description

本発明はアクリルニトリル系重合体の重合工程で得られる重合体と水とのスラリーを脱水濾過したのちペレット状にされた重合体を乾燥する方法及び装置に関し、更に詳しくは粉体爆発を防止して安全性を確保すると同時に乾燥効率を向上させた連続乾燥方法と乾燥機に関する。
アクリル繊維は、羊毛に似た優れた嵩高性、風合、染色鮮明性などの性質を有し、広範囲の用途に利用されている。また、このアクリル繊維は、炭素繊維の原料としても多用されている。このアクリル繊維はアクリルニトリルを含有する重合体を紡糸することによつて製造され、アクリル繊維にとつてアクリルニトリル系重合体を製造する工程は不可欠なものである。また、その紡糸法には原料となるアクリル系重合体を有機溶媒、又は無機溶媒に溶解する溶解工程を経て、湿式紡糸法、乾式紡糸法又は半乾式紡糸法によりステ−プル又はフィラメントとされる。この原料となるアクリルニトリル系重合体は、アクリルニトリルモノマーとそれと共重合可能なアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリルアミドなどの非イオン性のコモノマーとをラジカル重合させることにより製造される。
アクリルニトリル系重合体の製造方式としては、水系懸濁重合、溶液重合、乳化重合などの方式が工業化されているが、高い生産性および重合体の取扱いの容易さの面から水系懸濁重合が優れた製造方式であり広く利用されている。
水系懸濁重合工程は重合、洗浄脱水、乾燥、モノマー回収からなり、工業的には重合以外の後工程も重要な意味を有する。重合反応後に得られる重合体懸濁液は脱水洗浄される。脱水洗浄方式には、連続式回転円筒型濾過機、遠心脱水機などがあり、共に本発明に有効に利用できるが連続運転が可能な連続式回転円筒型濾過機が工業的には優れている。湿潤重合体の含水率を低下させる目的で濾過工程の最終段階でプレスなどによつて脱水することも可能である。
前記乾燥工程は多大な熱エネルギーを消費することから重合体の製造コストに占める比率が高く製造の効率化を図る上では特に注力すべき工程である。湿潤アクリルニトリル系重合体の乾燥はベルト式乾燥機、流動乾燥機、熱風乾燥機などが使用されているが、乾燥効率がよくしかも粉塵爆発の危険性が少ないベルト式乾燥機が有利に使用される。ベルト式乾燥機で湿潤重合体を乾燥するにあたつては熱風の通過性を向上し、乾燥効率を上げるために湿潤重合体をペレット状に成形する必要がある。このペレット成形方式としては押出成形が取扱いが容易であることから一般に広く使用されている。
得られた湿潤重合体の含水率は低いほど乾燥負荷を低減できるが、含水率を低下しすぎるとペレット状に成形できなくなり逆に乾燥効率の低下を引起す。適切な含水率は重合方式の違いによつて生成する重合体粒子の形状により異るが、一般に100〜300%である。この含水率が80%未満になると前述の問題が生じる。
アクリルニトリル系重合体の製造コストを低下するためには、湿潤重合体のペレットの含水率を低下する必要がある。しかし、湿潤重合体の含水率を低下すると成形性が困難になり、また成形できたとしても乾燥後のペレット強度が低下して乾燥中に一部粉体となりネット状の乾燥ベルトから漏れ出て重合体の収率低下につながる。このため湿潤重合体に適切な水分を与えて成形する方式が取られ、アクリルニトリル系重合体の製造において乾燥負荷を増大させている。
こうしたペレットの乾燥中に一部が粉体となり乾燥ネツトから漏れ出て重合体の収率低下につながることを避けるため、例えば特許第2840726号公報(特許文献1)では、アクリルニトリルを40〜97%含有するアクリルニトリル系重合体を水系懸濁重合法で重合し、洗浄脱水して得た湿潤重合体をペレット状に成形後に乾燥、粉砕してアクリルニトリル系重合体粉末を製造するにあたり、前記湿潤重合体にアニオン系界面活性剤を重合体に対して0.005〜0.1wt%添加してアクリルニトリル系重合体を製造することが提案されている。こうすることにより、成形可能な含水率を80%低下することができ、しかも得られたペレットは乾燥後も優れた強度を保持し、微粉化することなく乾燥を行うことが可能となるというものである。乾燥されたアクリルニトリル系重合体ペレットは粉砕され、アクリル繊維またはその他の用途に使用される。
特許第2840726号公報
前記特許文献1に記載されたアクリルニトリル系重合体の製造方法によると、乾燥前のペレットの含水率が従来と比べると確かに含水率が低くなり、しかもその乾燥後の強度は確保されるものの、相変わらず乾燥時には一部が粉体となってネット状の乾燥ベルトから漏れ落ちる。この乾燥ベルトから漏れ落ちる粉体は熱風乾燥室の床面だけでなく、室内を循環する熱風のため室内に舞い上がり乾燥室の内壁面や周辺の作動部材や軸受部などに溜まるため、その回収が容易でないばかりでなく、作動部材や軸受部などの作動により発生する熱のため局部的に高温化して粉塵爆発や火災などを招く恐れがある。
本発明は、こうした従来の課題を解決すべくなされたものであり、その具体的な目的は重合体ペレットの乾燥時における粉塵爆発や火災などの発生を回避するとともに、乾燥時に発生する粉体の効率的な回収を可能とした乾燥方法と乾燥機を提供することにある。
上述の課題は、本発明の第1の基本構成である、アクリルニトリル系重合体の重合工程で得られる重合体と水との混合液からなるスラリーを洗浄濾過したのちペレット状に成形された重合体を乾燥する方法であって、一方向に回動するネット状のエンドレスベルト上に前記ペレット状の重合体を連続的に移載して密閉された熱風乾燥室内を移送させ、その移送の間に乾燥させること、前記エンドレスベルトの上下ベルト部の間に介装され、同回動路を横断するとともに同ベルトの上ベルト部の端縁部から下ベルト部の反対側の端縁部に向けて下傾斜する洗浄水流路上に水を流して、上ベルトから落下する前記重合体の粉末とともに前記洗浄水流路上を流下させること、前記洗浄水流路を水と一緒に流下した含水重合体粉体て、前記洗浄水流路の下端部に配された滞留部に滞留させること、前記滞留部に滞留する前記含水重合体粉体を回収することを含んでなることを特徴とするアクリルニトリル系重合体の連続乾燥方法により効果的に解決される。
前記水流路に流す洗浄水を、熱風乾燥室の内外に連通して配された循環路を通して循環させることが望ましく、更には熱風の一部を前記熱風乾燥室で循環させるとともに、熱風を重合体分離手段及び加熱手段を有する外部循環路を通して室内外で循環させるとよい。また、前記密閉熱風乾燥室の内部を複数の熱風乾燥室に区画して、区画された各熱風乾燥室内の前記エンドレスベルト間を傾斜して横断する各洗浄水流路ごとに時間差をもたせて、それぞさ独立して洗浄水を流すようにすることが望ましい。更に、前記エンドレスベルト上で熱風乾燥された重合体を、前記複数に区画された熱風乾燥室の最後尾に隣接して配された重合体排出室から排出して取り出すとよい。
また、上記課題は本発明の第2の基本的な構成を備えた以下のようなアクリルニトリル系重合体の重合工程で得られる重合体と水との混合液からなるスラリーから脱水濾過したのちペレット状に成形された重合体を熱風乾燥する装置により効果的に達成される。
同熱風乾燥機は、密閉された熱風乾燥室と、同熱風乾燥室のペレット状重合体の導入口から排出口にかけて挿通状態で水平に配され、上ベルト部が前記導入口から排出口に向けて回動するネット状のエンドレスベルトと、前記熱風乾燥室の全長にわたり延設され、前記エンドレスベルトの上下ベルト部の間を横断して、前記上ベルトの端縁から前記下ベルトの反対側の端縁に向けて下傾斜させて介装される洗浄水流下板と、水を前記洗浄水流下板上に供給する散水部と、前記洗浄水流下板の前記反対側の端縁に隣接して配される含水重合体粉末滞留部とを備えていることを特徴としている。
前記洗浄水流下板の流下面は、その流下方向に延在する複数の山と谷とが順次形成されたジグザグ状断面をもつ洗浄水分離堰が形成されていることが望ましい。また好ましくは、前記洗浄水流下板に流す洗浄水を前記密閉熱風乾燥室内と外部との間で循環させるための洗浄水循環路を有しており、更には重合体分離手段及び加熱手段を有し、前記密封熱風乾燥室の熱風を循環させる熱風循環路を備えることが望ましい。
好適には、前記密閉熱風乾燥室は、重合体の移送方向に複数に区画され、区画された各熱風乾燥室に対応する前記洗浄水流下板の対応部位に独立して配される複数の散水部と、各散水部に接続された各配管路にそれぞれ配される開閉弁と、複数の前記開閉弁を所要の時間差をもたせて開閉させる開閉弁制御部とを備えている。このとき、上記洗浄水流下板は、区画された各熱風乾燥室ごとに配するようにしてもよい。また、前記エンドレスベルト上の乾燥した重合体を排出する重合体排出室を、前記複数に区画された前記熱風乾燥室の最後尾に隣接して配するようにするとよい。
作用効果
前工程の洗浄脱水で得られるケーキ状の含水重合体はペレット状に成形されて、本発明の乾燥機に配されたネット状のエンドレスベルトに連続的に移載される。エンドレスベルトの上ベルト部が排出方向に回動する間に移送されるペレットは熱風室内を循環する熱風により曝されて乾燥する。このとき、ネット状のエンドレスベルトの間隙を通って微粉末状の粉末が下方に配された洗浄水流下路へと落下する。この洗浄水流下路は上下ベルト部の間に介装されており、同ベルトを横断するとともに同エンドレスベルトの上ベルト部の一側縁部から下ベルト部の反対側の側縁部に向けて下傾斜しているため、同洗浄水流下路に散布される洗浄水は上方から落下してくる粉体と一緒になって下方へと流下して、その下流端部に隣接する滞留部に滞留する。この滞留する含水重合体は、定期的に系外へと排出されて、不純物を取り除くための処理がなされたのち、例えば重合後の蒸留塔と上記洗浄脱水工程との間に配される湿潤重合体の収容タンクへと戻される。
このように、ペレット状に成形されたアクリルニトリル系重合体を乾燥する間に発生する粉体は、洗浄水の流れによってエンドレスベルトの一側縁部に隣接する滞留部に洗浄水と共に集められることにより熱風乾燥室内に逸散することがなくなり、その後の回収作業が容易となるばかりでなく、洗浄水の存在下で滞留部に集められることにより、同時に粉塵爆発や火災の発生を効果的に防ぐこともできる。
前記水流路に流す洗浄水は、外部循環路を通して循環させて使用すれば、洗浄水の効率的な使用を可能にするばかりでなく、含水重合体粉末を常に系内に閉じ込めておくことができるため、乾燥機の周辺環境の悪化が低減され、同時に粉体の回収効率が一段と向上する。また同様に、熱風の一部を前記熱風乾燥室内で循環させると熱風を作りだすために必要な熱量の節約にもなる。
また、前記密閉熱風乾燥室を複数に区画し、区画された各熱風乾燥室内の上下ベルト部間に配された傾斜する各洗浄水流路ごとに、洗浄水を時間差をもたせて独立して流すようにすれば、一度に使う洗浄水の量を少なくすることができる。こうして区画された複数の熱風乾燥室の最後尾に隣接させて重合体排出室を配するようにすれば、完全に近く乾燥されたアクリルニトリル系重合体を連続的に且つ能率的に得ることができる。
こうした本発明の乾燥方法を好適に実施するには、上述の本発明の第2の基本構成を備えた乾燥機を使えばよい。特に、上記洗浄水流下板の流下面を、洗浄水の流下方向に延在する高さが低い逆三角断面や上方に滑らかに膨出する湾曲する断面にもつ洗浄水分離堰を形成している場合には、洗浄水は傾斜して配される洗浄水流下板の流下面を下方へと流れるとともに粉末から左右へと分離されて前記逆三角断面や湾曲断面に沿って流れ落ち、その溝部に沿って洗浄水流下板の下方へと流れる。このとき、分離された重合体粉体も洗浄水の一部とともに洗浄水流下板の下方へと流下する。分離された洗浄水は別途循環路に運ばれ、再利用される。
また本発明装置にあって、上述のように複数に区画された各熱風乾燥室に対応する前記洗浄水流下板の対応部位にそれぞれ散水部を設け、各散水部に接続される配管路にそれぞれ開閉弁を配するとともに、開閉弁制御部に予め記憶させたシーケンスに従って、各開閉弁を所要の時間差をもたせて開閉させる場合には、何ら人手を要することなく、所望の区画乾燥室に自動的に洗浄水の散布がなされるようになる。通常は、乾燥上流側の区画乾燥室から下流側の区画乾燥室へと順次洗浄水の散布を移すようにしている。
以下、本発明の代表的な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、その重合工程の主要部を模式的に示している。まず、主原料であるアクリルニトリル貯留タンク1から液体状のアクリルニトリルが第1の計量ポンプ2aにより計量されながらモノマー調製タンク3に所定量投入される。本実施形態では、前記アクリルニトリル貯留タンク1に貯留されるアクリルニトリルには貯留中に重合を起こさないように、重量比で20〜100ppmのp- メトキシフェノールが添加されている。重合禁止剤としては、前記p- メトキシフェノールの他に、ハイドロキノン、p- t- ブチルカテコール、ジフェニルピクリルヒドラジル、ベンゾキノン、ガルビノキシル、1,3,5−トリフェニルフェルダジルなどが使用できる。
前記モノマー調製タンク3には、更にアクリルニトリルと共重合する第2成分であるコモノマーが、コモノマー貯留タンク1aから同じく第2の計量ポンプ2bで計量されながら所定の割合で投入される。モノマー調製タンク3に所定の割合で投入され調整されたアクリルニトリルとコモノマーの溶液はポンプによりモノマー供給タンク4へと送られる。モノマー供給タンク4で調製された粘調な原料液は、第3の計量ポンプ2cを介して重合反応釜5へと送り込まれる。この重合反応釜5には、そのほかに必要量のイオン交換水(DI水)が供給され、同時に各種の触媒や重合開始剤、各種の助剤が添加される。
本実施形態における重合開始剤として、無機系レドックス開始剤を使用している。無機系レドックス開始剤としては、通常の酸化剤、還元剤の中から選ぶことができる。酸化剤と還元剤との組合せからなるレドックスの場合、代表的なものは、酸化剤としては過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの通常使用されるものであり、還元剤は亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、亜二チオン酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレ−ト、L−アルコルビン酸、デキストロ−ズなどの通常使用されているものである。硫酸第一鉄又は硫酸銅などの化合物も組合せて使用できる。その中で、過硫酸アンモニウム−亜硫酸水素ナトリウム(アンモニウム)−硫酸第一鉄の組合せが好ましい。還元剤と酸化剤の比率はどんな割合でも可能であるが、重合をより効率よく進めるうえで還元剤と酸化剤との当量比を1〜4にすることが好ましい。
本実施形態で用いられるアクリルニトリル系重合体は、アクリルニトリルモノマーの他にこれと共重合可能なモノオレフィン性モノマーとからなる繰り返し単位からなるものであってもよい。ここでアクリルニトリル系重合体は、少なくとも60重量%のアクリルニトリルモノマーから構成される必要がある。アクリルニトリルモノマーの含有量が60重量%未満であると、アクリルニトリル系合成繊維が本来有する繊維機能を保有することができないためである。ここで共重合可能なモノオレフィン性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸及びそれらのエステル、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、無水マレイン酸、N−置換マレインイミド、ブタジエン、イソプレンなどを挙げることができる。また、P−スルフォニルメタリルエ−テル、メタリルスルフォン酸、アリルスルフォン酸、スチレンスルフォン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、2−スルフォエチルメタクリレ−ト及びこれらの塩も共重合可能なモノマーとして使用できる。
アクリルニトリル系モノマーの重合は、次のような条件で行う。すなわち、重合反応温度は30〜80℃とすることが好ましい。重合温度が80℃を超えるとアクリルニトリルが蒸発し、反応系外へ離散し、重合転化率が低下する。また30℃未満では重合速度が低下し、生産性が低下するばかりでなく、重合安定性を損なう。重合媒体としての水はイオン交換水を使用することが好ましい。さらにモノマーに対するイオン交換水の割合(以下、水/モノマー比という)は如何なる比率でも可能であるが、好ましくは水/モノマー比は1.0〜5.0の範囲である。重合反応釜内でのモノマーの平均滞在時間は、アクリルニトリル系重合体を水系懸濁重合方式で製造する際に採用される通常の時間でよい。重合反応釜内での水素イオン濃度は使用される触媒がすみやかに酸化・還元反応を起こす範囲であればよく、好ましくはpH2.0〜3.5の酸性領域がよい。
重合反応釜5から取り出した重合体水溶液に重合停止剤を添加し反応を停止させる。重合反応の停止剤は通常アクリルニトリル系重合体を水系懸濁重合で製造する際に使用されるものであれば限定されない。スラリー状の重合体水溶液に重合停止剤を添加した後、未反応モノマーの回収を行う。未反応モノマーの回収は重合工程の全ての過程にて発生する未回収の未反応モノマーであれば、可能な限り回収して未反応モノマー回収タンク1bに回収する。前述の重合反応釜5にて得られる重合体/未反応重合体/水からなる重合体水溶液から未反応モノマーを回収する方法としては、本実施形態では脱気筒部6を介して脱気しつつ前記気化分離工程である蒸留塔7へと連続して導入し、蒸留する方法が採用されている。
この脱気筒部6を通すことにより、重合開始反応の還元剤である亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3 )とアクリルニトリル(AN)とが反応して生成される水溶性であるがため、外部に排出されてしまうNaO3 SCH2 CH2 CN(Sodiumβ-Sulfo Propianitrile:AAP)の生成量が大幅に低減される。勿論、この未反応モノマーの回収方法として、従来と同様に、重合反応釜5にて得られる重合体/未反応重合体/水からなる重合体水溶液を大型のスラリータンクに一時的に貯留したのち、蒸留塔7へと連続して導入することも可能である。
本実施形態にあっては、重合反応釜5で重合を終えてオーバーフローする重合体水溶液は、図2に示すように、重合反応釜5から前記脱気筒部6を通したのち、送液ポンプ8によって蒸留塔7へと積極的に送り出される。前記脱気筒部6の小径筒体9は逆ロケット形状を有しており、その内径は200〜500mm、高さは2000〜6500mm、容量は0.05〜1.2m3 である。この容量から、従来の巨大な容量24〜50m3 をもつスラリータンクと比較すれば、前記小径筒体9が如何に小型化されているかが理解できる。
本実施形態にあっては、3基の重合反応釜5により得られる重合体水溶液が前記小径筒体9の内部に導入される。同筒体9の下端部には前記重合体水溶液の導出口9aが形成されており、同導出口9aは送液ポンプ8を介して蒸留塔7に配管により接続される。因みに本実施形態による脱気筒部6の全長は、各種の出入口を含めて5320mm、小径筒体9の内径306.5mm、容量0.3m3 である。
小径筒体9の内部構造は、下端の重合体水溶液導出口9aの部分を除いて完全な円筒形の空洞を有しており、図2に示すように、筒体9の上端に蓋体9bが配され、その蓋体9bの中央部には脱気口9cを有している。同筒体9の周面には上記重合体水溶液の3つの導入口9dと、任意の数(本実施形態では5個)のイオン交換水導入口9eとが形成されている。また、筒体9の周面の上下にはそれぞれ離間して配された差圧式液面計と反射式液面計の各液面検出部9f,9gを有している。前記イオン交換水導入口9eからは、図3に示すように、筒体内壁面に向けてイオン交換水DIが噴射される。このイオン交換水DIの噴射により、筒体内面が常に水により洗い流されるため、重合体が内壁面に付着することがなくなり、且つ重合体水溶液の導出口9aの詰まりをも排除する。
また、同じく図3に示すように、前記差圧式液面計と反射式液面計との液面検出部9f,9gから検出器LTによって所要の範囲の液面が検出される。その検出信号は、液面制御部LICに送られ、同制御部LICに予め設定された液面高さとなるように上記送液ポンプ8に制御信号が発せられて、同送液ポンプ8の吐出流量を制御する。この吐出流量の制御により、前記脱気筒部6の小径筒体9の重合体水溶液導出口9aの上流側に所定の範囲の液面高さを維持して、重合体水溶液が重合反応釜5からオーバーフローする間に混入するエアーを液面の上方に配された脱気口9cから完全に脱気させたのちに、蒸留塔7へと送り込む。
もし、この液面制御を行わないと、筒体内部に重合体水溶液が貯留されることなく、エアーを混入したまま蒸留塔7に導入されてしまい、蒸留塔7で気液分離された未反応モノマーと水蒸気との混合気体にエアーが混じってしまい、次工程のコンデンサー10で凝縮されたのちデカンター11によって水と未反応モノマーとが分離されて回収された未反応モノマーにエアーが混入して残ってしまい、このエアーが混入した状態で未反応モノマーが重合反応釜5に戻されてしまうと重合が円滑になされなくなる。因みに、重合体水溶液が前記脱気筒部6を通過する時間は10分程度であり、大型のスラリータンクに通過する時間が、通常は2〜3時間であること大きな差があり、この短時間で蒸留塔7に送られることが、上述のAAPの生成を防いでいる。
蒸留塔7に導入された重合体水溶液は、重合体とモノマー/水とに分離されるとともに、モノマー/水の混合液を蒸留塔7で蒸留して気化し、コンデンサー10に導入されて凝縮し、未反応のモノマー成分と水の混合液となる。コンデンサー10で液化されたモノマー成分と水との混合液はデカンター11を介して分離され、モノマー成分はスクラバー8を介して重合反応釜5に戻される。
前記蒸留塔7にて分離された重合体は、水とともに第2スラリータンク12を介して連続式回転円筒型濾過機などの洗浄脱水部13にて、洗浄液としてのイオン交換水によって洗浄されると同時にフィルターを通して脱水濾過され、図4に示すように水を80wt%を含んでケーキ状の重合体をペレタイザ14にて押し出してペレット状に成形したのち、本発明の熱風乾燥機150に送られて乾燥される。前記洗浄部13から排出される濾洗液タンク16にて貯留された水と重合体を主成分とする未反応モノマー成分を含むスラリーはMS塔(モノマーストリップ塔)17に送られ、蒸気により気液分離された重合体を塔底から取り出し、水と未反応モノマーとが塔頂部から回収されて上記蒸留塔7へと戻される。
図4は、本実施形態における前記熱風乾燥機150を、その前工程及び次工程をも含めて模式的に示した全体構成図であり、図5は同熱風乾燥機150の横断面を模式的に示した構成説明図である。
これらの図から理解できるように、本実施例による熱風乾燥機150は、長さが30〜50m、奥行きが3〜4m、高さが3〜4mの直方体からなり、その長さ方向に沿った側面に吸気口151−1を有するとともに、反対側の側部上面に排気口151−2を有する全体が密閉状に構成された熱風乾燥室151を備えている。この熱風乾燥室151は単室にて構成することもできるが、乾燥に長時間かかること、連続的に乾燥するためには乾燥室入口から出口までの距離を長くしなければならないこと、後述する洗浄水を循環させるときの動力及び使用水量を節減するなどの理由から、その長さ方向に複数室を区画して分割している。本実施形態では、13室に区画して、第1〜第13の熱風乾燥室(区画乾燥室)151a〜151mを構成している。
前記熱風乾燥室151の全長にわたって、前後端部間を水平に貫通する単一のネット状のエンドレスベルト152が駆動ローラ153及び従動ローラ154に掛け回されて回動可能に支持されている。本実施形態にあっては、前記エンドレスベルト152は多数の小孔が形成された薄いステンレス製のパンチプレートから形成されている。
前記吸気口151−1の上流側流路と排気口151−2の下流側流路には、それぞれ気体の急激な流れを抑制するための第1及び第2のダンパー155,156が介装されている。前記吸気口151−1の室内側には、熱風乾燥室150の長手方向に沿って長い空気導入空間157が形成されており、この空気導入空間157には蒸気管路Pvを通して水蒸気が送られ、前記吸気口151−1から導入される空気を加熱する。このときの水蒸気により加熱される空気温度は70〜80℃に設定されている。こうして加熱された空気は、前記空気導入空間157に室内側で隣接する加熱空気通路158を通って熱風付与室159へと積極的に送り込み、同熱風付与室159に配された多数の小孔159aをもつメッシュ状の熱風分配部材160を介して上記エンドレスベルト152の上面に向けて均等に熱風を付与する。そのため、前記加熱空気通路158には送風ファン161が設置されている。なお、前記空気導入空間157に同入される水蒸気は一部が凝縮して同空間内に溜まるようになる。この溜まりをなくすため、凝縮した水は系外のドレンDrに排出される。
前記蒸気管路Pvを通して空気導入空間157に送られる水蒸気の供給量は、前記熱風乾燥室150に設けられた温度検出器により検出される温度と予め設定された温度範囲とが制御装置CRに配された比較部において比較され、検出温度が前記設定温度の範囲から外れたときに、制御装置から電気的に信号が送られ前記蒸気管路Pvに設けられた開閉弁vの開度を調整することにより制御される。
本実施形態にあっては、更に前記エンドレスベルト152の回動路の間に形成される空間部には、本発明の特徴部の一部である洗浄水流下路を構成する洗浄水流下板162が配設されている。本実施例にあっては、前記洗浄水流下板162を熱風乾燥室151の全長にわたり連続して延設しているが、区画された各区画乾燥室151a〜151mごとに独立して配設することもできる。しかし、この場合であっても、洗浄水流下板162は熱風乾燥室151の全長にわたって延設されることになる。
前記洗浄水流下板162は、図5に示すようにエンドレスベルト152の上下ベルト部分152a,152bの間に形成される空間部の中間位置に、同空間部を横断するとともに、その一側縁から他側縁に向けて下傾斜して配されている。図示例では、上記熱風乾燥室151に設けられた上記排気口151−2の直下に位置する前記洗浄水流下板162の他側縁側の末端部の傾斜を緩く形成して、同洗浄水流下板162上を洗浄水とともに流下してくる後述する含水重合体粉末を集めて滞留させる滞留部162bを構成する。この滞留部162bは、区画乾燥室151a〜151mの全長にわたり形成される。滞留部162bとしては、前述のように洗浄水流下板162に続く緩傾斜領域にて構成することもできるが、通常は前記洗浄水流下板162の他側縁から段差をもたせた樋状に形成する。
前記洗浄水流下板162の少なくとも上面には、その洗浄水の流下方向に向けて延びる多数の溝からなる洗浄水分離堰が形成されている。これを縦断面で見ると、山と谷が交互に続くジグザグ状となり、各山の稜線部において上方から流下する洗浄水は含水重合体粉末を残して左右の谷へと流れる。この谷に流れ落ちた洗浄水は図示せぬ排水部に集められ系外の洗浄水循環路を経て、再び前記洗浄水流下板162の上端縁部分に散布される。そのための、前記洗浄水循環路に接続された図示せぬ散水ノズルが各区画乾燥室151a〜151mの前記洗浄水流下板162の上端縁部分に向けて設けられている。この洗浄水循環路には、同洗浄水に混入する重合体粉末を分離する後述する分離手段が配されており、洗浄水と含水重合体とを分離したのち、上述のように洗浄水は再び熱風乾燥室131へと戻される。
図6は、本実施形態による洗浄水の循環システムを線図で示している。図示例にあっては、熱風乾燥機150は熱風乾燥室151を第1〜第13の区画乾燥室151a〜151mの13室に区画されている。各区画乾燥室151a〜151mごとに、洗浄水の主給水管Piから分岐した分岐給水管Pi1〜Pi13に接続される散水ノズル163a〜163mが設置されている。各分岐給水管Pi1〜Pi13には3方弁164a〜164mが介装されており、各3方弁164a〜164mは洗浄水制御部165にコンピュータに書き込まれたシーケンスプログラムに従い、所定の時間経過後に所望の順番で開閉され、各散水ノズル163a〜163mが設置されている区画乾燥室151a〜151m内にある洗浄水流下板162の上面に向けて洗浄水が順次散水される。
一方、各区画乾燥室151a〜151mごとに傾斜する前記洗浄水流下板162の下端部に集められた各洗浄水は分岐排水管Po1〜Po13を介して主排水管Poに集められ、集められた洗浄水はストレーナー166a及び貯留タンク166を介して液体サイクロン167にて湿潤重合体粉末と洗浄水に分離される。湿潤重合体粉末は、上記蒸留塔7から導出される重合体と水の混合溶液が収容されている上記第2スラリータンク12に戻される。液体サイクロン167にて分離された洗浄水はポンプ168を介して前記主給水管Piへと送られて循環する。なお、前記散水ノズル163a〜163mから散水される洗浄水を補給するため、前記液体サイクロン167に洗浄水の供給源からの給水管167aが接続されており、必要に応じて洗浄水を補強している。
他方、上述のようにエンドレスベルト152に上面に向けて付与される熱風は、同エンドレスベルト152の上面に載置移送されるペレット状重合体の集合体の間隙及びエンドレスベルト151の上部ベルト部分152aの小孔を通り抜けたのち、その熱風の一部は前記洗浄水流下板162の上面に沿って流れ、第3のダンパー163により、その流れを緩和しながら上記送風ファン161を介して再び上記エンドレスベルト152の上面に向けて送り込む。こうして、熱風の一部は乾燥室151の室内を循環する一方、熱風の一部は上記排気口151−2から図示せぬ系外の排気ガス循環路へと排出される。この排気ガス循環路には、図示せぬ重合体分離手段が配設されており、同重合体分離手段により排気中に含まれる重合体を分離したのち、再び重合工程における所要の部位へと戻される。
この乾燥の間に、前記ペレット状の重合体から粉末が発生し、その粉末が前記エンドレスベルト152の小孔を通り抜けて、傾斜する上記洗浄水流下板162の上面へと落下して同洗浄水流下板162の上面に堆積されようとする。このとき、同洗浄水流下板162の上面に洗浄水が散水されており、前記重合体粉末を湿潤させながら粉末とともに下方へと流れる。そのため、洗浄水流下板162の上面には大量の重合体粉末が堆積することがない。しかも、重合体粉末は洗浄水で湿潤されているため、仮りに周辺部材が高温下しても発火したり粉塵爆発を起こす恐れがなくなる。こうして前記洗浄水流下板162をエンドレスベルト152の他側縁側へと流下する湿潤重合体粉末は、上記滞留部162bに堆積する。この滞留部162bに堆積した湿潤重合体粉末は定期的に系外へと排出される。このときの搬出手段はスクリュー或いはベルトコンベアで行われる。
滞留部162bに堆積する湿潤重合体粉末には多くの重合体由来の固形物が混入されている。この固形物は、前記湿潤重合体粉末が搬出手段により搬出される間に、ストレーナにより除去される。固形物が除去された湿潤重合体粉末は第2スラリータンク12へと戻されたのち、洗浄脱水機13及び上記熱風乾燥機150を経て、最終的には上記MS塔17へと送られて最終製品たる重合体となる。
上述のように本発明の熱風乾燥機から送り出される重合体は、図4に示すようにスクリューコンベア169によって搬出され、バケットコンベア170を介してペレットビン171に集められる。ペレットビン171に集められたペレット状重合体はハンマーミル172に投入されて粉砕されたのち、貯蔵ビン173に貯蔵され、その後添加物が調合され、紡糸原液の図示せぬ調整タンクへと送られる。
以上の説明からも理解できるように、本発明に係るペレット状重合体の熱風乾燥方法及び熱風乾燥機によれば、湿潤状態にあるペレット状に成形されたアクリルニトリル系重合体を乾燥する間に重合体の粉体が発生して、エンドレスベルトの小孔を通って下方に傾斜して配された洗浄水流下板の上面へと落下する。このとき、洗浄水流下板の上縁部には所要量の洗浄水が散布されており、この洗浄水の流れによって前記重合体粉末は湿潤されながら洗浄水流下板状を洗浄水とともに流下するする。このように、エンドレスベルトの一側縁部に隣接する滞留部に湿潤した状態で集められることにより、熱風乾燥室内に逸散することがなくなり、その後の回収作業が容易となるばかりでなく、洗浄水の存在下で滞留部に集められることにより、同時に粉塵爆発や火災の発生を効果的に防ぐこともできる。
また、前記密閉熱風乾燥室を複数に区画し、区画された各区画乾燥室内の上下ベルト部間に配された傾斜する各洗浄水流路ごとに、洗浄水を時間差をもたせて独立して流すようにする場合には、大量の洗浄水を同時に使わなくてもよくなる。こうして区画された複数の熱風乾燥室の最後尾に隣接させて重合体排出室を配するようにすれば、乾燥後のアクリルニトリル系重合体を連続的して能率的に集めることができる。
アクリルニトリル系重合体の重合工程の工程図である。 同重合工程におけるモノマー回収システムに適用される脱気筒部の一例を示す外観図である。 前記モノマー回収工程図である。 本発明の代表的な実施形態である熱風乾燥工程とその前後の工程を模式的に示す説明図である。 同熱風乾燥機の内部構成を模式的に示す説明図である。 同熱風乾燥機と外部との間を循環する洗浄水の循環路説明図である。
符号の説明
1 アクリルニトリルの貯留タンク
1a コモノマー貯留タンク
1b 未反応モノマー回収タンク
2a〜2c 第1〜第3の計量ポンプ
3 モノマー調製タンク
4 モノマー供給タンク
5 重合反応釜
6 脱気筒部
7 蒸留塔
8 送液ポンプ
9 小径筒体
9a 重合体水溶液導出口
9b 蓋体
9c 脱気口
9d 重合体水溶液導入口
9e イオン交換水導入口
9f,9g 液面検出部
10 コンデンサー
11 デカンター
12 第2スラリータンク
13 第2フィルター
14 ペレタイザ
16 濾洗液タンク
17 モノマーストリップ塔
18 スラリータンク
150 熱風乾燥機
151 熱風乾燥室
151−1 吸気口
151−2 排気口
151a〜151m 第1〜第13の熱風乾燥室(区画乾燥室)
152 ネット状エンドレスベルト
152a 上部ベルト部分
152b 下部ベルト部分
153 駆動ローラ
154 従動ローラ
155,156 第1及び第2ダンパー
157 空気導入空間
158 加熱空気通路
159 熱風付与室
160 メッシュ状の熱風分配部材
160a 小孔
161 送風ファン
162 洗浄水流下板
162b 滞留部
163a〜163m 散水ノズル
164a〜164m 3方弁
165 洗浄水制御部
166 貯留タンク
166a ストレーナー
167 液体サイクロン
167a 給水管
168 ポンプ
169 スクリューコンベア
170 バケットコンベア
171 ペレットビン
172 ハンマーミル
173 紡糸原料ビン
LT 液面検出器
LIC 液面制御部
Pv 蒸気管路
Dr ドレン
v 開閉バルブ
CR 制御装置
Pi 主給水管
Pia〜Pim 分岐給水管
Po 主排水管
Poa〜Pom 分岐排水管

Claims (11)

  1. アクリルニトリル系重合体の重合工程で得られる重合体と水との混合液からなるスラリーを脱水洗浄したのちペレット状に成形された重合体を乾燥する方法であって、
    一方向に回動するネット状のエンドレスベルト上に前記ペレット状の重合体を連続的に移載して密閉された熱風乾燥室内を移送させ、その移送の間に乾燥させること、
    前記エンドレスベルトの上下ベルト部の間に介装され、同回動路を横断するとともに同ベルトの上ベルト部の端縁部から下ベルト部の反対側の端縁部に向けて下傾斜する洗浄水流路上に水を流して、上ベルトから落下する前記重合体の粉末とともに前記洗浄水流路上を流下させること、
    前記洗浄水流路を水と一緒に流下した含水重合体粉末を、前記洗浄水流路の下端部に配された滞留部に滞留させること、
    前記滞留部に滞留する前記含水重合体粉末を回収すること、
    を含んでなることを特徴とするアクリルニトリル系重合体の連続乾燥方法。
  2. 前記水流路に流す洗浄水を、熱風乾燥室の内外に連通して配された循環路を通して循環させることを含んでなることを特徴とする請求項1記載の連続乾燥方法。
  3. 熱風の一部を前記熱風乾燥室で循環させるとともに、熱風を重合体分離手段及び加熱手段を有する外部循環路を通して室内外で循環させることを含んでなることを特徴とする請求項1又は2記載の連続乾燥方法。
  4. 前記密閉熱風乾燥室の内部が複数の熱風乾燥室に区画され、区画された各熱風乾燥室内の前記エンドレスベルト間を傾斜して横断する各洗浄水流路ごとに時間差をもたせて、それぞさ独立して洗浄水を流すことを含んでなることを特徴とする請求項2又は3記載の連続乾燥方法。
  5. 前記エンドレスベルト上で熱風乾燥された重合体を、前記複数に区画された熱風乾燥室の最後尾に隣接して配された重合体排出室から排出して取り出すことを含んでなることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の連続乾燥方法。
  6. アクリルニトリル系重合体の重合工程で得られる重合体と水との混合液からなるスラリーを脱水洗浄したのちペレット状に成形された重合体を熱風乾燥する装置であって、
    密閉された熱風乾燥室と、
    同熱風乾燥室のペレット状重合体の導入口から排出口にかけて挿通状態で水平に配され、上ベルト部が前記導入口から排出口に向けて回動するネット状のエンドレスベルトと、
    前記熱風乾燥室の全長にわたり延設され、前記エンドレスベルトの上下ベルト部の間を横断するとともに、前記上ベルトの端縁から前記下ベルトの反対側の端縁に向けて下傾斜して介装される洗浄水流下板と、
    洗浄水を前記洗浄水流下板上に供給する散水部と、
    前記洗浄水流下板の前記反対側の端縁に隣接して配される含水重合体粉末滞留部と、を備えてなることを特徴とするアクリルニトリル系重合体の連続乾燥機。
  7. 前記洗浄水流下板の洗浄水流下面は、その洗浄水の流下方向に向けて延在する複数の山と谷とが順次形成されたジグザグ状断面をもつ洗浄水分離堰が形成されてなることを特徴とする請求項6記載の連続乾燥機。
  8. 前記洗浄水流下板に流す洗浄水を前記密閉熱風乾燥室内と外部との間で循環させるための洗浄水の循環路を有してなることを特徴とする請求項6又は7記載の連続乾燥機。
  9. 重合体分離手段及び加熱手段を有し、前記密封熱風乾燥室の熱風を外部との間で循環させる熱風循環路を備えてなることを特徴とする請求項6又は8に記載の連続乾燥機。
  10. 前記密閉熱風乾燥室は、重合体の移送方向に複数に区画され、区画された各熱風乾燥室に対応する前記洗浄水流下板の対応部位に独立して配される複数の散水部と、
    各散水部に接続された各配管路にそれぞれ配される開閉弁と、
    複数の前記開閉弁を所要の時間差をもたせて開閉させる開閉弁制御部と、
    を備えてなることを特徴とする請求項6記載の連続乾燥機。
  11. 前記エンドレスベルト上で乾燥した重合体を排出する重合体排出室が前記複数に区画された熱風乾燥室の最後尾に隣接して配されてなることを特徴とする請求項10記載の連続乾燥機。
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