JP2006225236A - 重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置 - Google Patents

重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高濃縮度のウランを原料として扱うことができ、良好な真球度を有する重ウラン酸アンモニウム粒子を製造することができる重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置を提供すること。
【解決手段】硝酸ウラニルを含有する硝酸ウラニル含有原液を滴下する滴下装置2と、滴下される前記硝酸ウラニル含有原液と反応するアンモニア水溶液を収容する反応槽本体4および前記反応槽本体4内のアンモニア水溶液全体に対して水平な回転流を形成する回転流形成手段5を有する反応槽3とを備えてなることを特徴とする重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置1である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置に関し、更に詳しくは、真球度の良好な重ウラン酸アンモニウム粒子を製造することのできる重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置に関する。
非特許文献1〜5によると、高温ガス炉用燃料は、一般的に以下のような工程を経て製造される。まず、酸化ウランの粉末を硝酸に溶かして、硝酸ウラニル溶液とする。次に、この硝酸ウラニル溶液に純水及び増粘剤等を添加し、攪拌して硝酸ウラニル含有原液とする。調製された硝酸ウラニル含有原液は、所定の温度に冷却され、粘度を調製後、細径の滴下ノズルを用いてアンモニア水溶液に滴下される。
このアンモニア水溶液に滴下された液滴は、アンモニア水溶液表面に達するまでの間に、アンモニアガスを吹きかけられる。このアンモニアガスによって、液滴表面がゲル化され、これにより、アンモニア水溶液表面到達時における変形が防止される。アンモニア水溶液中における硝酸ウラニルは、アンモニアと十分に反応し、重ウラン酸アンモニウム粒子(以下、「ADU粒子」と略する場合がある。)となる。
この重ウラン酸アンモニウム粒子は、乾燥された後、大気中で焙焼され、二酸化ウランよりも酸素を多く含み、酸素:ウランのモル比が2を超える酸化ウラン、例えば、三酸化ウランとなり、さらに還元及び焼結されることにより、高密度のセラミックス状の二酸化ウラン粒子となる。この二酸化ウラン粒子を篩い分け、すなわち分級して、所定の粒子径を有する燃料核を得る。
この燃料核を流動床に装荷し、被覆ガスを熱分解させることにより被覆を施す。被覆層は、燃料核表面から第一層、第二層、第三層、および第四層を被覆することにより形成されている。第一層の低密度炭素の場合は、約1400℃でアセチレン(C)を熱分解して得られる。第二層および第四層の高密度熱分解炭素の場合は、約1400℃でプロピレン(C)を熱分解して得られる。第三層のSiCの場合は約1600℃でメチルトリクロロシラン(CHSiCl)を熱分解して得られる。
一般的な燃料コンパクトは、以上のようにして得られた被覆燃料粒子を黒鉛粉末、粘結剤等からなる黒鉛マトリックス材とともに、中空円筒形状または円筒形状にプレス成型またはモールド成型した後、焼成して得られる。
S.Kato "Fabrication of HTTR First Loading fuel",IAEA-TECDOC-1210,187 (2001) N.Kitamura "Present status of initial core fuel fabrication for the HTTR" IAEA−TECDOC−988,373(1997) 林 君夫、"高温工学試験研究炉の設計方針、製作性及び総合的健全性評価"JAERI−M 89−162(1989) 湊 和生、"高温ガス炉燃料製造の高度技術の開発"JAERI−Reseach 98−070(1998) 長谷川正義、三島良績 監修「原子炉材料ハンドブック」昭和52年10月31日発行 221−247頁、日刊工業新聞社
一方、ウランなどの核燃料物質を使用して核燃料を製作する場合、臨界事故を防ぐための方法としては、一般的に、取り扱うウラン量を臨界質量以下とする「質量制限」と、ウラン量には関係なく臨界が生じない形状・寸法内でウランを取り扱う「形状制限」とが挙げられる。
「質量制限」の場合には、濃縮度10%以下のウランに対する取扱最大量は、9.6kgであり、濃縮度20%以下のウランに対する取扱最大量は、4.0kgである。したがって、各製造工程におけるバッチサイズは、これらの値以下にする必要がある。さらに、安全性の観点から、誤って2重装荷した場合を考慮すると、各製造工程におけるバッチサイズは、これらの値の1/2以下にする必要がある。そのため、核燃料の生産性は悪くなり、量産設備に対する臨界管理方法として適しているとはいえない。
一方、「形状制限」の場合には、ウランの濃縮度や形状によって規定される大きさも異なってくる。例えば、濃縮度10%以下のウランを収容する収納設備の大きさが、収納設備の形状が円筒形状である場合、円筒の直径で19.8cm以下であり、収納設備の形状が平板状である場合、平板の厚みで8.3cm以下である。
また、濃縮度20%以下のウランを収容する収納設備の大きさは、収納設備の形状が円筒形状である場合、円筒の直径で17.4cm以下であり、収納設備の形状が平板状である場合、平板の厚みで6.7cm以下である。
これらの収納設備で取り扱うウランの量には制限がないため、「形状制限」は、量産設備に対する臨界管理方法としては好ましい。しかしながら、上記したように、高濃縮度のウランになるに従い、「形状制限」での寸法制限値は小さくなるため、燃料核を製造する設備は、細長い円筒形状や薄い盤状にならざるを得ない。
例えば、調製された硝酸ウラニル含有原液をアンモニア水溶液に滴下する工程において、アンモニア水溶液中で、アンモニアと硝酸ウラニルが十分に反応し、ADU粒子が生成される。ここで、生成されたADU粒子は、上側にADU粒子が堆積していくため、下積みのADU粒子が変形を起こす。そのため、ADU粒子の真球度が悪くなるという問題点がある。
このADU粒子の真球度が悪くなるという問題点を解決するために、アンモニア水溶液中でこの下方から上方へ向かう上昇流を発生させることにより、ADU粒子をアンモニア水溶液中で、流動させ、ADU粒子同士が重なり合うことのないようにする技術が提案されている。
また、調製された硝酸ウラニル含有原液を、薄い盤状の反応室に貯留されたアンモニア水溶液に滴下すると、硝酸ウラニル含有原液の液滴がアンモニア水溶液の液面から反応室の底面までを通過する距離が短いから内部まで重ウラン酸アンモニウムになった粒子を得ることができない上に、表面は重ウラン酸アンモニウムになっているが芯は硝酸ウラニルのままであるといった重ウラン酸アンモニウムが不十分にしか形成されていない粒子が山積みになって真球度の良好な粒子を得ることができないという問題がある。
また、高濃縮度のウランを原料とする場合には、収納設備が細長い円筒形状や薄い平板状にならざるを得ないので、この上昇流を発生させる技術を適用しようとしても、ADU粒子を十分に流動させることができない。したがって、ADU粒子が変形することによる真球度が悪くなるという問題点が未だに存在する。
本発明は、このような従来の問題点を解消し、高濃縮度のウランを原料として扱うことができ、良好な真球度を有する重ウラン酸アンモニウム粒子を製造することができる重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置を提供することをその課題とする。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、硝酸ウラニルを含有する硝酸ウラニル含有原液を滴下する滴下装置と、滴下される前記硝酸ウラニル含有原液と反応するアンモニア水溶液を収容する反応槽本体および前記反応槽本体内のアンモニア水溶液全体に対して水平な回転流を形成する回転流形成手段を有する反応槽とを備えてなることを特徴とする重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置であり、
請求項2は、前記反応槽本体の上部および下部が、中性子吸収材で形成されてなることを特徴とする前記請求項1に記載の重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置であり、
請求項3は、前記反応槽本体が形状制限となるように形成されてなる前記請求項1又は2に記載の重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置である。
本発明によれば、反応槽本体および回転流形成手段を有する反応槽を備えてなることにより、アンモニア水溶液全体に対する水平方向回転流が、アンモニア水溶液中で生成する重ウラン酸アンモニウム粒子を円形の軌道を描くように動かし、重ウラン酸アンモニウム粒子同士が重なり合うことが少なくなるので、重ウラン酸アンモニウム粒子が変形を起こすことが少なくなる。
この重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置においては、滴下された硝酸ウラニル含有原液の粒子がアンモニア水溶液中で円形軌道を描くように移動するから硝酸ウラニル滴下粒子がアンモニア水溶液に接触する時間が長くなり、それだけ硝酸ウラニルが重ウラン酸アンモニウムに変化する十分な時間を確保することができ、しかも、落下して来る滴下粒子が堆積することがないので、結果的に、芯まで重ウラン酸アンモニウムとなり、しかも真球度の良好な重ウラン酸アンモニウム粒子を製造することができる。
また、本発明によると、反応槽本体を形状制限にすると、高濃縮ウランを質量制限なく、取り扱うことのできる重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置を提供することができる。
また、本発明によれば、前記反応槽本体の上部および下部には、中性子吸収材を含んでなる板状部材が設けられていることにより、臨界状態を生じさせる中性子等の反応槽本体内への侵入を防止するので、いわゆる「形状制限」における寸法制限値を大きくすることができる。したがって、反応槽本体自体の寸法を大きく形成できるので、重ウラン酸アンモニウム粒子の流動性を向上させることができ、取り扱い容積が大きくなることにより大量の重ウラン酸アンモニウム粒子を製造することができる。
以下、図1を参照しながらこの発明の一実施形態に係る重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置(以下、「ADU粒子製造装置」と称することがある。)について説明する。ただし、図1に記載されたADU粒子製造装置は、この発明の一例であり、この発明に係るADU粒子製造装置は、図1に記載されたADU粒子製造装置に限られることはない。
ADU粒子製造装置1は、滴下装置(図示しない)と、反応槽3とを備えてなる。
反応槽3は、反応槽本体4と、回転流形成手段5とを有する。
反応槽本体4は、アンモニア水溶液を収容する内部空間すなわち内部収容室を有する。本発明においては、滴下された硝酸ウラニル原液の液滴が高さ方向に堆積しないように、また水平方向に前記液滴が移動するように前記内部収容室が形成されていることが好適である。ここで、軸線長さは、「形状制限」における寸法制限値である。このような内部収容室は、通常、平面方向における差し渡し長さが軸線長さよりも大きく設定される。
なお、前記「差し渡し長さ」は、前記内部収容室が円盤状であるときには、内部収容室の平面方向における直径である。もっとも、内部収容室を形成する空間形状は円盤状であることに限られず、他の様々の形状例えば多角柱形状、楕円形状等を挙げることができる。内部収容室が多角柱形状及び楕円形状等である場合においても、水平方向における差し渡し長さが軸線長さよりも大きいことは言うまでもない。
いずれにしても反応槽本体4における好適な内部収容空間形状は、円盤状すなわち平たい円柱形状である。内部収容室の内部空間形状が円盤状であると、この内部収容室内に収容されたアンモニウム水溶液の水平な回転流を容易に形成することができる。
反応槽本体4が円盤状に形成された内部収容室を有する場合、この内部収容室を形状制限とするためには、濃縮度10%のウラン濃度である溶液については、軸線高さ8.3cmとなる円盤状であり、濃縮度20%のウラン濃度である溶液については、軸線高さ6.7cmの円盤状を挙げることができる。形状制限された円盤状の内部収容室は、一般的には、ウラン濃度が大きくなるにつれ、軸線高さが小さくなる傾向にある。
なお、反応槽本体4は、図示は略すが、その上面に、滴下装置から滴下してくる液滴を受け入れることができる滴下開口部4Aを有する。
前記反応槽本体4における内部収容室の上方面及び下方面には、中性子吸収材を含んでなる板状部材6が設けられている。ここで、中性子吸収材を構成する物質としては、ホウ素、カドミウム、キセノン、ガドリウム、ハフニウム等を含んでいればよい。なお、本発明において、反応槽本体の「上方面」及び「下方面」は、内部収容室に対して上方位置及び下方位置を示す。
本発明においては、反応槽本体の上方及び下方に中性子吸収材で形成された部材が配置されている態様であればよく、この態様の具体例として、例えば(1)内部収容室の天井面に中性子吸収材製の板状部材が天井面全体を被覆するように設置され、また内部収容室の底面に中性子吸収材製の板状部材が底面全体を被覆するように設置される態様、(2)例えば有底筒状体とその上方開口部を覆蓋する蓋部材とで形成された反応槽本体の前記蓋部材の外側表面に、これを被覆するように、中性子吸収材製の板状部材が設置され、また前記有底筒状体の底部下側面に、これを被覆するように、中性子吸収材製の板状部材が設置される態様、(3)円盤状をなす反応槽本体における上面部を構成する部材中に、外部に露出しないように、中性子吸収材製の板状部材を埋め込み、また前記反応槽本体における下面部を構成する部材中に、外部に露出しないように、中性子吸収材製の板状部材を埋め込んでなる態様等を挙げることができる。
この反応槽本体4は、内部収容室内に回転流形成手段5から送り込まれる流体を受け入れるための開口部を有し、反応槽本体4内の余分のアンモニア水溶液を排出する排出口をも備える。
回転流形成手段5は、反応槽本体4内の、正確に言うと内部収容室内に収容されたアンモニア水溶液全体に対して水平方向の回転流を形成する。回転流形成手段5としては、例えば、図1に示されるように、反応槽本体4の外周面に対して接線方向に流体、例えば、気体又は液体を供給するポンプP及びポンプPの吐出口から前記流体を前記反応槽本体4内に案内する流通路の組み合わせ等を挙げることができる。
このようにすれば、接線方向から供給された気体や液体が反応槽本体4内壁に沿って流れるので、容易に水平方向回転流を形成することができる。なお、ポンプPから送り込まれる液体としては、アンモニア水溶液が好適である。
反応槽本体4内に前記回転流形成手段5により送り込まれた流体は、前記反応槽本体に設けられた排出口から排出される。このとき、前記排出口と前記ポンプの吸引口とを配管等の流路により結合していると、流体が、ポンプ、流通路、反応槽本体、流路及びポンプから成る循環流路が形成されることになり、流体、特にアンモニア水を循環使用することとなって効率的である。
滴下装置は、硝酸ウラニルを含有する硝酸ウラニル含有原液を反応槽3における反応槽本体内のアンモニア水溶液に滴下することができるように形成される。前記滴下装置は、例えば、複数のノズルを有している。更に詳述すると、滴下装置は、円盤状に形成された反応槽本体4の上面部に半径方向に沿って横長に開口された滴下開口部4Aに、その滴下開口部4Aを覆蓋するように設置され、滴下開口部4Aを通じて反応槽本体内のアンモニア水溶液に硝酸ウラニル含有原液を滴下する複数のノズルを前記半径方向に沿って一列に所定間隔ごとに有してなる。
そして、この滴下装置には、硝酸ウラニル含有原液を貯留する例えば貯留槽から配管を介して硝酸ウラニル含有原液が供給されるように、なっている。この滴下装置には、更に加振器(図示せず。)が付設されている。この加振器は、滴下装置におけるノズルから液滴を円滑に滴下させる作用を有する。
本発明においては、滴下装置の配設位置としては、反応槽3に収容されているアンモニア水溶液に硝酸ウラニル含有原液の液滴を滴下することができるように形成されている限り様々の設計変更を行うことができる。
例えば、図1に示す滴下装置は、好適例の一つであり、反応槽3の中心から半径方向に沿って側壁へ向かう方向に複数のノズルが設けられている。このように配列された複数個のノズルを備えた滴下装置にあっては、円周方向に回転しているアンモニア水溶液に滴下された硝酸アンモニウム原液の液滴が直ちにアンモニア水溶液と共にノズル直下の位置から別の位置へと移動するので、液滴が堆積することがなく、しかも、滴下装置の複数のノズルから液滴を滴下するので大量に重ウラン酸アンモニウム粒子を製造することができる。
また、上記した滴下装置の代わりに、1個のノズルを備え、そのノズルが円盤状の反応槽本体の上面中心部又は半径方向のいずれかの位置に向かうように配置された滴下装置も、本発明における滴下装置とすることができる。反応槽本体の上面中心部に向けてノズルが配置された滴下装置において、ノズルから滴下された硝酸ウラニル含有原液の液滴がアンモニア溶液に滴下されると、回転するアンモニア溶液中で円盤状反応槽本体における半径方向に移動して行くので、滴下された液滴が堆積することはない。
滴下装置はまた、反応槽本体の上面部に開設された滴下開口部4Aの上方にアンモニア雰囲気にされ、好ましくは内部に向かってアンモニアガスが噴出するように形成されたアンモニアガス雰囲気塔内が、前記滴下開口部4Aから所定の高さに設置されていてもよい。この場合、滴下装置におけるノズルから滴下する硝酸ウラニル含有原液の液滴にアンモニアガスが吹き付けられるので、アンモニア水溶液に到達する以前から液滴における重ウラン酸アンモニウム形成反応が進行する。その結果として、落下する液滴がアンモニア水溶液表面に衝突してもその液滴は変形せず、また、液滴内部まで重ウラン酸アンモニウム形成反応が進行する。
上記したADU粒子製造装置の使用方法および作用を以下に述べる。なお、本発明のADU粒子製造装置でADU粒子を製造するときに用いられる硝酸ウラニル含有原液は、酸化ウランと硝酸とを混合して得られる硝酸ウラニルに水溶性ポリマーを添加し、次いで純水を添加することにより粘度を調節して調製される。
前記酸化ウランとしては、二酸化ウラン、三酸化ウランまたは八酸化三ウラン等を挙げることができ、特に八酸化三ウランが好ましい。
前記水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略する。)、ポリアクリル酸ナトリウム及びポリエチレンオキシド等の合成ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース系ポリマー、可溶性でんぷん、及びカルボキシメチルでんぷん等のでんぷん系ポリマー、デキストリン、及びガラクタン等の水溶性天然高分子等を挙げることができる。
これら各種の水溶性ポリマーは、その一種を単独で使用されても、また、それらの二種以上が併用されていても良い。これらの中でも、水溶性ポリマーとして前記合成ポリマーが好ましく、特にポリビニルアルコールが好ましい。
まず、反応槽本体4に所定濃度、所定量のアンモニア水溶液を収容する。次に、滴下装置2に所定の硝酸ウラニル含有原液を流通させ、滴下装置2より硝酸ウラニル含有原液の液滴を滴下する。
図示は略すが、前記したように、滴下された各々の液滴に対して、適宜アンモニアガスを吹きかけるようにしてもよい。このようにすれば、液滴の表面ではゲル化が進み、アンモニア水溶液表面に衝突する際の液滴の変形を抑制することができる。
さらに、各液滴は、反応槽本体4の滴下開口部4Aから反応槽本体4の内部へ落下する。ここで、予め回転流形成手段5を作動させ、前記反応槽本体4内のアンモニア水溶液全体に対して水平な回転流を形成する(図2参照)。
その後、各液滴は、水平に回転する回転流に乗ってアンモニア水溶液内を周回する。この回転流を形成するアンモニア水溶液中を周回している間に、液滴においては、さらに硝酸ウラニルとアンモニアとの反応が進行して液滴内で硝酸ウラニルが形成される。そして、各液滴は、表面だけでなく、内部までも硝酸ウラニル形成によるゲル化が進み、ADU粒子へと反応が進む。
所定の時間後、反応が進み、反応槽本体4の下部に沈殿したADU粒子は、図示しない反応槽本体4の排出口より、反応槽本体4の外部へ排出される。
なお、反応槽本体4外部へ排出されたADU粒子は、乾燥して、その後、所定の条件で焙焼、還元・焼結の各工程を経て、二酸化ウラン粒子となる。
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)アンモニア水溶液全体の水平な回転流が、落下してきた硝酸ウラニル含有原液の液滴をアンモニア水溶液中を周回させ、周回する間に液滴内で重ウラン酸アンモニウム形成反応が進行し、アンモニア水溶液中で生成するADU粒子も周回させ、ADU粒子同士が重なり合うことが少なくなるので、ADU粒子が変形を起こすことが少なくなる。したがって、良好な真球度を有するADU粒子を製造することができる。なお、回転流形成手段5により、反応槽本体4内のADU粒子を十分に流動させることができるので、高濃縮度のウランを原料とする場合のような、反応槽本体4が細長い円筒形状や薄い平板状であっても適用が可能となる。したがって、高濃縮度のウランを原料として扱うことができる。
(2)反応槽本体4の上部および下部には、板状部材6が設けられていることにより、臨界状態を生じさせる中性子等の反応槽本体4内への侵入を防止するので、いわゆる「形状制限」における寸法制限値を大きくすることができる。したがって、反応槽本体4自体の寸法を大きく形成できるので、ADU粒子の流動性を向上させることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。
なお、前記実施形態においては、回転流形成手段5としては、図1に示されるような、反応槽本体4の外周面に対して接線方向に、流体例えば液体、特にアンモニア水溶液を供給するポンプを1基設けられてなる手段であったが、これに限られず、1基のみではなく、複数設けるようにしてもよい。例えば、回転流形成手段5としては、図3に示されるように、反応槽本体4の外周面に、90度間隔で、ポンプ等を設けて、水平方向回転流を形成するようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、反応槽本体4の断面形状としては、特に図1に示されるような、円形状を挙げたが、これに限られず、要するに、反応槽本体4内で水平方向回転流を形成可能であればよい。例えば、反応槽本体4が、図4に示されるように、断面四角形状であっても、反応槽本体4内に曲面を有するガイド板7を設けるようにすればよい。
さらに、前記実施形態においては、回転流形成手段5としては、図1に示されるように、反応槽本体4の外周面に対して接線方向に気体や液体を供給していたが、これに限られず、要するに、反応槽本体4内で水平方向回転流を形成可能な角度で供給すればよい。したがって、図5に示されるように、反応槽本体4内に接線方向からある程度の角度を持って気体や液体を供給する(図5中、実線部分からの供給)ことも、本発明の目的を達成できる範囲内であれば、許容される。
図1は、本発明に係る重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置を示す概略図である。 図2は、本発明に係る重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置の作用を示す概略図である。 図3は、本発明に係る重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置の変形例を示す概略図である。 図4は、本発明に係る重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置の変形例を示す概略図である。 図5は、本発明に係る重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置の変形例を示す概略図である。
符号の説明
1 ADU粒子製造装置
3 反応槽
4 反応槽本体
4A 滴下開口部
5 回転流形成手段
6 板状部材
7 ガイド板



Claims (3)

  1. 硝酸ウラニルを含有する硝酸ウラニル含有原液を滴下する滴下装置と、滴下される前記硝酸ウラニル含有原液と反応するアンモニア水溶液を収容する反応槽本体および前記反応槽本体内のアンモニア水溶液全体に対して水平な回転流を形成する回転流形成手段を有する反応槽とを備えてなることを特徴とする重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置。
  2. 前記反応槽本体の上部および下部が、中性子吸収材で形成されてなることを特徴とする前記請求項1に記載の重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置。
  3. 前記反応槽本体が形状制限となるように形成されてなる前記請求項1又は2に記載の重ウラン酸アンモニウム粒子製造装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018097393A1 (ko) * 2016-11-22 2018-05-31 한전원자력연료 주식회사 대입도 암모늄우라네이트수화물 결정 및 그 제조방법과 장치

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