JP2006224421A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非動作状態におけるノズル近傍の湿度を検知可能で、且つ、当該検知の信頼性に優れた液体吐出装置を提供すること。
【解決手段】 吐出ヘッド3の吐出面13は、ノズル開口23が形成されているノズル領域27と、ノズル領域27に隣接して湿度センサ26が配設されている検知領域28と、ノズル領域27を挟んで検知領域28と対向する領域であるダミー領域29とを有している。待機状態においては、ノズル領域27と検知領域28とがキャップ部材によって封止され、湿度センサ26によって封止された空間の湿度を検知することができる。キャップ部材を介した吸引動作を行うときには、ノズル領域27とダミー領域29とがキャップ部材によって封止され、ノズル開口23からのインクの吸引が行われる。かくして、湿度センサ26はインクで濡らされることがない。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インクジェット式記録装置、ディスプレー製造装置、電極形成装置、あるいは、バイオチップ製造装置など、液体を吐出して描画等を行う液体吐出装置に関する。
従来、液体吐出装置として、紙への印刷に適したインクジェットプリンタ等が知られており、一般的には、印刷用紙の紙幅方向に往復動するキャリッジに、液体(インク)を微小なノズルから吐出する吐出ヘッドを搭載した構成である。
このような液体吐出装置は、液体を扱うことによる特有の課題を有しており、その一つは、吐出ヘッド内の流路、特にノズル周辺の流路内における液体の経時劣化に関するものである。すなわち、非動作時において、ノズル開口を介して液体(インク)の水分が蒸発することで粘度の上昇などをもたらし、動作再開時における吐出性能の低下(非吐出、吐出滴の飛行速度低下など)を及ぼすことがある。もとより液体吐出装置には、非動作時においてノズル開口を封止し、乾燥等からの保護を図るためのキャップ部材が設けられているが、非動作時間が長時間に及ぶ場合にまで十分に対応できるものではない。
そこで、上述の課題に鑑みて、ノズル開口を封止するキャップ部材内にあらかじめ液体を吐出(予備吐出)しておき、封止された空間内の保湿効果を高めるという方法が提案されている。また、この方法をさらに進めた特許文献1に係る液体吐出装置は、ノズル開口面に取り付けられた湿度センサによって封止された空間内の湿度を監視し、湿度の低下を補償するための予備吐出を行うものである。これにより、封止空間内の保湿効果が高い状態に維持され、非動作時間が長時間に及ぶ場合にも、ノズル内方の液体の乾燥が抑えられる。
ところで、液体吐出装置には、キャップ部材によってノズル開口を封止し、封止した空間を減圧することでノズルから液体を吸引する、いわゆる吸引動作を行うものがあり、特許文献1に係る液体吐出装置もその例外ではない。吸引動作は、ノズル内方の液体が乾燥によって吐出不能となった場合に当該液体を強制的に排出したり、また、ノズル内方の気泡を液体と共に排出したりするのに用いられ、一般的な液体吐出装置のメンテナンスには欠かせないものである。また、このような吸引動作の過程では、キャップ部材内に排出された液体によってノズル開口面が濡らされるため、ノズル開口面を払拭して液体を掻き取るための、いわゆるワイピング動作が、吸引動作に付随して実行される。
特開2004−181844号公報
ところが、特許文献1に係る液体吐出装置の場合、吸引動作を行うことでノズル開口面に配設された湿度センサが液体で濡らされ、また、液体で汚染されることについて、なんら対策が講じられていない。このため、湿度検知手段の故障を招いたり、また、湿度検知手段に付着した液体の影響で、封止空間の湿度が正確に検知できない虞がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、非動作状態におけるノズル近傍の湿度を検知可能で、且つ、当該検知の信頼性に優れた液体吐出装置を提供することを目的としている。
本発明は、吐出対象物に対して液体を吐出するためのノズルと、前記ノズルの開口を封止可能なキャッピング手段と、前記ノズルの開口を前記キャッピング手段で封止すると共に、封止されている空間を減圧して当該ノズルから前記液体を吸引する吸引手段と、を備えた液体吐出装置であって、前記ノズルの開口に近接して配設され、前記キャッピング手段によって当該ノズルの開口と共に封止されたときに、当該ノズルの開口に臨んだ空間の湿度を検知可能な湿度検知手段をさらに備え、少なくとも前記吸引手段が前記ノズルから前記液体を吸引するときには、前記キャッピング手段は前記湿度検知手段を含まないように当該ノズルを封止することを特徴とする。
好ましくは、前記キャッピング手段は、前記ノズルの開口が形成されている吐出面の一定領域を囲んで封止可能なキャップ部材であって、前記吐出面は、前記ノズルの開口が形成されているノズル領域と、前記ノズル領域に隣接して前記湿度検知手段が配設されている検知領域と、前記ノズル領域を挟んで前記検知領域と対向する領域であるダミー領域と、を有していることを特徴とする。
この液体吐出装置によれば、湿度検知手段をノズルの開口に近接して配設し、当該開口と共にキャッピング手段によって封止して当該開口近傍の湿度を検知でき、また、ノズルから液体を吸引する際には湿度検知手段を含まずにノズル開口を封止することで、湿度検知手段が液体と直接触れることを回避できる。また、このような構成は、吐出面の一定領域を囲んで封止可能なキャップ部材と、ノズル領域、検知領域、ダミー領域を備えた吐出面により、容易に実現することができる。
また、前記液体吐出装置において、前記湿度検知手段は、前記吐出面に形成された凹部内に配設されていることを特徴とする。
この液体吐出装置によれば、吐出面全体を平滑面とすることができるので、吐出面のメンテナンスの扱いが容易である。
また、前記液体吐出装置は、前記吐出面を払拭するワイピング手段を備え、前記ワイピング手段は、前記検知領域から前記ノズル領域へ向かって前記吐出面を払拭することを特徴とする。
この液体吐出装置によれば、ワイピング手段によって検知領域の湿度検知手段を汚染することなく、吐出面に付着した液体を除去することができる。
また、前記液体吐出装置は、前記湿度検知手段により前記湿度を検知し、当該湿度が所定値より低いときには、前記キャッピング手段における前記ノズルの開口と対向する側に対して前記液体を吐出する予備吐出動作を行うことを特徴とする。
好ましくは、前記湿度検知手段による湿度の検知は、定期的に行われることを特徴とする。
好ましくは、前記予備吐出動作を行う場合において、前記検知された湿度に基づいて前記予備吐出動作の吐出数が設定されることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記湿度の検知が行われる間隔は、10日間以上30日間以下であることを特徴とする。
この液体吐出装置によれば、湿度検知手段によりノズルの開口と共に封止された空間の湿度を検知し、検知した湿度に応じて適切に当該空間内に液体の水分を供給することができる。
また、湿度の検知を定期的に行う構成とすれば、長時間の放置下においても、封止空間内の保湿レベルをある程度維持することができる。さらに、このとき予備吐出動作によってノズル内方の乾燥した液体の少なくとも一部が排出されるため、吐出性能のレベルの回復を図ることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
(液体吐出装置の全体構成)
まずは、図1を参照して、本発明に係る液体吐出装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る液体吐出装置の一例を表す概略斜視図である。
図1において、液体吐出装置としてのプリンタ1は、吐出対象物としての用紙2の表面に液体としてのインクを吐出して画像等の描画を行う装置である。そして、例示したプリンタ1は、インクを吐出する吐出ヘッド3、吐出ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構5、用紙2を副走査方向に移送するプラテンローラ6等を備えている。
吐出ヘッド3から吐出するインクには、例えば、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色のものが使用され、キャリッジ4上に搭載されたインクカートリッジ7a〜7dにそれぞれが収容されている。このインクカートリッジ7a〜7dの底部にはインクを導出する導出部(図示せず)が設けられており、吐出ヘッド3に設けられたインク導入部(図示せず)と結合して、吐出ヘッド3にインクを供給するようになっている。
キャリッジ移動機構5は、タイミングベルト8を備えている。そして、このタイミングベルト8はDCモータ等のモータ9により駆動される。すなわち、モータ9を回転駆動すると、キャリッジ4は、プリンタ1に架設されたガイドロッド10に案内されて主走査方向(ガイドロッド10の伸長方向)に往復移動する。
上述の構成において、吐出ヘッド3を用紙2に対して主走査方向、副走査方向に相対移動させると共に、吐出ヘッド3の吐出面13に形成されたノズル開口23(図2参照)からインクを適宜吐出することにより、用紙2上における所望の位置にインク滴を着弾させ、画像を形成する。
プリンタ1の非記録領域であるホームポジションには、吸引手段としてのメンテナンス機構12が配設されている。メンテナンス機構12は、吐出ヘッド3の吐出面13の一定領域を囲んで封止可能なキャッピング手段としてのキャップ部材15を有している。キャップ部材15は、吐出面13に対向する面が開放された箱型の弾性部材であり、吐出面13に密着してノズル開口23(図2参照)を封止する(キャッピング動作)ことで、ノズル開口23の保全を図ることができる。また、キャップ部材15は、後述する吸引動作にも利用される。
メンテナンス機構12はまた、エラストマー等で形成された板状部材であるワイパブレード14を有している。ワイパブレード14の縁が吐出面13上を相対的に摺動することにより吐出面13が払拭され、いわゆるワインピング動作が行われる。
(吐出ヘッドの構成)
次に、図2を参照して、吐出ヘッドの構成について説明する。図2は、吐出ヘッドの概略斜視図である。
図2において、吐出ヘッド3は、その外観として、硬質樹脂等で形成された基体部材20と、ノズル開口23が形成された吐出面13と、SUS等をプレス加工して形成したカバー部材21と、カバー部材21を基体部材20に取り付けるリベット22と、プリンタ本体とフレキシブルケーブルを介して電気的接続を行う接続端子部24と、を備えている。また、吐出ヘッド3の図示されていない背面側には、インクカートリッジ7a〜7dからインクの供給を受けるインク導入部(図示せず)を備えている。
吐出ヘッド3の内部には、インク導入部(図示せず)と連通して分岐した微細な流路が形成されており、当該流路一端側に形成されたノズルの開口がノズル開口23である。また、流路における各々のノズルの近傍には、ピエゾ素子等の圧力発生手段38(図4参照)が備えられている。そして、接続端子部24を介して入力された電気信号によって圧力発生手段38(図4参照)を駆動すると、発生した圧力によってノズル内のインクが押し出され、押し出された当該インクがノズル開口23から吐出されるようになっている。
カバー部材21は、ワイピング動作において吐出面13とワイパブレード14(図1参照)との当たりを緩和し、吐出面13を保護する役割を果たしている。また、吐出ヘッド3に静電気が帯電しないように、接続端子部24を介したアース端子としての役割も果たしている。
ノズル開口23は、吐出面13の中央付近を占めるノズル領域27に、4列の直線配列で配されている。各列は4色のインクのそれぞれに対応したものである。
吐出面13は、ノズル領域27に隣接して、湿度検知手段としての湿度センサ26が配設されている検知領域28を有している。湿度センサ26は、吐出面13に形成した凹部25内に配設されており、ノズル開口23近傍の湿度を検知することができる。そして、基体部材20内に引き回された電気配線および接続端子部24を介して、測定した湿度情報を電気信号としてプリンタ本体に伝達することができる。湿度センサ26には、例えば、乾湿材料の誘電率や抵抗率の変化から湿度を計測するものが用いられる。その種類は、乾湿材料によって高分子型、セラミック型、電解質型などに分類されるが、数mm角程度の小型のもので、40〜100%の高湿度域の測定に適したものを選択することが好ましい。
吐出面13において、ノズル領域27を挟んで検知領域28と対向する箇所は、検知領域28に相当する広さを有したダミー領域29となっている。このダミー領域29は吐出面13を露出しているのみで何も設けられているわけではないが、後述する吸引動作において重要な役割を果たす。
(キャッピング動作、吸引動作、予備吐出動作)
次に、図3を参照して、キャッピング動作、吸引動作、予備吐出動作について説明する。図3(a)は、キャッピング動作に係る吐出ヘッドとメンテナンス機構との関係を示す断面図である。図3(b)は、吸引動作に係る吐出ヘッドとメンテナンス機構との関係を示す断面図である。
まず、各動作の説明に先立って、メンテナンス機構12の全体構成について補足説明を行う。図3に示すように、メンテナンス機構12は、図示しない機構によって図の上下方向に移動可能なキャップ部材15と、キャップ部材15の内底部15bに形成された貫通孔15cと連通するチューブ30と、チューブ30の途中に設けられた吸引ポンプ31と、チューブ30のキャップ部材15とは反対側の一端を収容する廃液収容部33と、ワイパブレード14とを備えている。吸引ポンプ31は、チューブ30を押し潰してしごくことによってインクや空気を送る、いわゆるチューブポンプであり、貫通孔15cを介してキャップ部材15内のインクや空気を吸引することができる。また、キャップ部材15内には、スポンジのような吸液性の素材で形成された吸液材34が収容されている。
キャッピング動作においては、キャリッジ4を図3(a)に示す位置(以下、キャッピング位置とする)に移動させ、キャップ部材15のシール部15aを吐出面13に密着させて、ノズル領域27および検知領域28を封止する。このように、ノズル領域27と共に検知領域28がキャップ部材15によって封止されるため、湿度センサ26によって、ノズル開口23に臨んだ空間35の湿度を適宜検知することが可能である。
プリンタ1(図1参照)は、印刷命令を待っている待機時や主電源が切られている非動作時において図3(a)に示す状態となっており、以下では、この状態をキャッピング状態と呼ぶ。このキャッピング状態においては、ノズル開口23が臨む空間35はほぼ閉空間となっているので、ノズル開口23からのインクの水分蒸発をある程度抑えることができる。特に、この実施形態のように、キャップ部材15内に吸液材34を備えている場合には、吸液材34に蓄えられたインクによって空間35が高湿度状態に維持され、高い保湿効果を得ることができる。
キャッピング動作によりノズル内方のインクの乾燥をある程度防ぐことができるとは言え、放置環境の条件によっては、あるいはキャッピング動作が正常に行われなかったときには、やはりインクの乾燥によって吐出性能の低下が起こり、吐出が行えなくなる場合がある。また、インクカートリッジ7a〜7dの交換のタイミング等によって、ノズル内方の流路(ノズル内を含む)に気泡が混入して吐出が行えなくなる場合もある。そこで、プリンタ1(図1参照)は、以下に述べる吸引動作を行うことでノズルからインクを強制的に排出し、当該流路にインクを再充填することで吐出不能の状態からの回復を図るようになっている。
吸引動作においては、まず図3(b)に示すように、キャリッジ4をキャッピング位置(図3(a)参照)よりやや左方の位置(以下、メンテナンス位置とする)に移動させた状態で、キャップ部材15のシール部15aを吐出面13に密着させる。このとき、ノズル領域27およびダミー領域29は、キャップ部材15によって封止された状態にあり、また、検知領域28は開放された状態にある。この状態から吸引ポンプ31を駆動すると、空間35が減圧されてノズル開口23からインクが強制的に排出され、排出された当該インクは廃液として廃液収容部33に収容される。すなわち、キャップ部材15は、ノズル開口23を封止するキャッピング手段として機能すると共に、ノズル開口23からインクを吸引する吸引手段を構成しており、このような手段の共通化により、部品点数の削減を図っている。
吸引動作の過程において、ノズル開口23からキャップ部材15内に排出されたインクは、空間35全体に一旦満たされることになる。このため、吸引動作後において、吐出面13上のノズル領域27、ダミー領域29はインクで濡れることになる。ここで、ノズル開口23の周囲が濡れたままになっていると、印刷動作(描画動作)の際に吐出不良の原因となるので、吸引動作の後にはワイピング動作により吐出面13を払拭し、ノズル領域27の濡れたインクを除去するわけである。
一方、吸引動作において、湿度センサ26を備える検知領域28は、図3(b)に示すようにキャップ部材15外に開放された状態となっているため、インクに濡れることはない。このため、湿度センサ26が故障してしまったり、また、図3(a)に示すキャッピング状態において、濡れたインクの影響や付着したインクが固化することによって空間35の湿度を正しく検知できなくなるといった不具合を発生することがない。この説明からわかるように、ダミー領域29は、吸引動作における封止位置に鑑みて、キャップ部材15のシール部15aとの密着領域として設けられたものである。
ワイピング動作は、図3(b)の状態からキャップ部材15を下方に移動させて吐出面13を開放し、キャリッジ4を左方に移動させて行う。これにより、ワイパブレード14の縁が吐出面13上を相対的に摺動し、吐出面13上のインクが掻き取られる。このとき、検知領域28における湿度センサ26は、吐出面13に形成された凹部25内に配設されているため、吐出面13全体は平滑な一面で構成され、ワイピング動作を支障なく行うことができる。また、掻き取ったインクが凹部25に溜まらないように、吐出面13とワイパーブレード14との相対移動方向にも配慮されており、検知領域28が上手側となるようになっている。尚、ワイパブレード14は、使用しないときには紙面奥向きに移動して、吐出面13の移動軌跡から外れるようになっている。
予備吐出動作は、シール部15aを吐出面13に密着させない状態で、キャップ部材15の吸液材34に向けてインクを吐出して行うものである。予備吐出動作は、以下に述べる目的において用いられる。
まず目的の第1はノズル内方において乾燥したインクを排出することであり、吸引動作による強制排出を行わずとも、吐出動作によって十分にノズル内方における乾燥したインクを排出できる場合には、このようにキャップ部材15内にインクを吐出することで吐出性能の回復を図るものである。
目的の第2は、吸引動作によってキャップ部材15内にインクが満たされたときに、ノズルから一旦排出されたインクがキャップ部材15内からノズル内方に逆流することがあるため、予備吐出動作によってこのような逆流したインクを排出することである。すなわち、吸引動作を行ったときには、予備吐出動作が合わせて行われることが一般的である。尚、上述の第1ないし第2の目的の場合には、予備吐出はキャップ部材15内に行わず、専用に設けられた廃インク領域に行う場合もある。
目的の第3は、キャップ部材15内に水分を供給して、キャッピング状態における空間35の保湿能力を高めることである。本実施形態のプリンタにおいては特に、湿度センサ26によって空間35の湿度を監視し、当該湿度の検知結果に基づいて予備吐出動作を行うことで、適切な水分補給がなされるようになっている。詳しくは後述する。
(プリンタの電気的構成)
次に、図4を参照して、プリンタの電気的構成について説明する。図4は、プリンタの電気的構成を示すブロック図である。
プリンタ1は制御部60を備えていて、制御部60は、上述したモータ9、吸引ポンプ用モータ39、吐出ヘッド3と電気的に接続されている。また、制御部60は、インターフェース62を介して、ホストコンピュータ63から各種動作コマンドの命令コードや印刷データを受けるようになっていて、印刷動作(描画動作)や吸引動作の制御をおこなうようになっている。
印刷動作時においては、制御部60は、モータ9や、プラテンローラ6(図1参照)を駆動するモータ(図示せず)を駆動してキャリッジ4(図1参照)及び用紙2を走査すると共に、当該走査と同期させて吐出ヘッド3のノズル毎の吐出制御を行う。具体的には、まず、吐出制御部61が、ホストコンピュータ63から送られてきた印刷データを基に、走査位置と同期したノズル毎のON/OFF信号(以下、データ信号とする)を生成する。そして、ノズル毎に形成されているスイッチング素子(図示せず)にこのデータ信号を送り、駆動信号発生回路64が生成した駆動信号の圧力発生手段38への印加をスイッチングして行われる。
吸引動作においては、制御部60の制御により、モータ9を駆動してキャリッジ4をメンテナンス位置(図3(b)参照)に移動させ、吸引ポンプ用モータ39を駆動して吸引動作を行う。
プリンタ1はまた、待機時において、あるいは吸引動作に付随して、予備吐出動作を行うことができ、特に、プリンタ1の待機時においては、後述する制御フローによって定期的に予備吐出動作が行われるようになっている。このときの吐出制御は、上述の印刷動作の場合と同様に、吐出制御部61が生成するデータ信号と、駆動信号発生回路64が生成する駆動信号によって行われる。また、この予備吐出動作に係る以下で述べる制御フローを行うために、制御部60は、予備吐出数設定部65と待機時間管理部66とを備えている。
(待機時における予備吐出動作)
以下では、図5のフローチャートに沿って、図4を参照して、待機時における予備吐出動作に係る制御フローについて説明する。図5は、待機時における予備吐出動作に係る制御フローを示すフローチャートである。
印刷動作や吸引動作(付随するワイピング動作や予備吐出動作も含む)が終了すると、制御部60の制御によってキャッピング動作が行われ(図5のステップS1)、待機時間管理部66が待機時間をリセットして(図5のステップS2)、待機状態が始まる。ここで、待機時間とは、当該待機状態の実質的な継続時間のことであり、このステップS2の時点から待機状態が始まるものとする。尚、待機時間は実質的な時間であればよく、このステップS2はキャッピング動作の前に行われてもよい。
ステップS2の後、制御部60は、ホストコンピュータ63からの動作命令(印刷命令や吸引動作の命令など)を監視する(図5ステップS3)。ここで、動作命令があれば、待機状態は終了し、当該動作命令に基づいた動作が実行される。また、動作命令がない場合には、制御部60は、待機時間管理部66が管理する待機時間の監視を行い(図5のステップS4)、待機時間が所定値に達している場合には次のステップS5に移る。また、待機時間が所定値に達していない場合には、ステップS3に戻って動作命令の監視を行い、上述のフローを繰り返して行うことになる。
ステップS5(図5参照)においては、制御部60は湿度センサ26によって空間35(図3(a)参照)の湿度を検知する。そして、検知した湿度に基づいて、予備吐出数設定部65が予備吐出動作における単位ノズルあたりの吐出回数を設定し(図5のステップS6)、当該吐出回数分の予備吐出動作が行われる(図5のステップS7)。尚、予備吐出数設定部65が設定する吐出回数にはゼロ、つまり、全く吐出を行わないという場合も含まれる。かくして、予備吐出動作に係る1サイクルの制御フローが終了し、再びステップS1に戻ってキャッピング動作を行い、上述したサイクルが繰り返される。当該サイクルの周期は、ステップS4において参照される待機時間の所定値によって決まっている。
予備吐出動作(図5のステップS7)においては、先に説明したように、キャップ部材15を吐出面13から離間させた状態で、キャップ部材15内の吸液材34に向けてインクの吐出を行う(図3参照)。このとき、キャリッジ4の位置をメンテナンス位置(図3(b)参照)とする場合には、予備吐出によってキャップ部材15内に吐出したインクがミスト化して湿度センサ26を汚染するのを防ぐことができる。
ステップS2〜ステップS6において乾燥が進行したノズル内方のインクは、予備吐出動作(図5ステップS7)によってノズル外へ排出されるため、これにより吐出性能の回復が図られる。また、予備吐出動作によって、吸液材34(図3(a)参照)にインク中の水分が供給されることになるため、ステップS2〜ステップS6において低下した空間35(図3(a)参照)の保湿能力が回復することになる。そして、このような回復効果をもたらす予備吐出動作は、一定のサイクルで定期的に行われるので、インクの吐出性能は一定以上のレベルに維持され、長期間の放置に対しても高い信頼性を発揮することになる。
本実施形態のプリンタ1は、予備吐出動作の吐出回数をステップS5で検知した湿度に基づいて設定しているため、当該湿度に反映されるノズル内方のインクの乾燥の進行度や上記保湿能力に応じた適切な条件で、予備吐出動作を行うことができる。すなわち、過剰なインク消費を招いたり、吐出性能ないし保湿能力の回復を十分に図れないといった不具合を改善することができる。本実施形態においては、検知した湿度が90%未満の場合には、インクの乾燥度が進行しており、また保湿能力が低下しているとして、予備吐出動作を行うこととしている。また、予備吐出動作を行う場合においては、検知した湿度に応じて吐出回数が設定され、当該湿度が高いときには少量の、当該湿度が低いときには多量の予備吐出を行い、予備吐出動作の適切化を図っている。
図6は、待機状態におけるキャップ部材内の湿度の時間変化を示す図であり、実線81は、ステップS1〜S7の周期が25日間である場合の、破線82は、当該周期が50日間である場合の変化を示している。
図6に示すように、キャップ部材内の湿度は、待機状態が始まってからしばらくの間は、ほぼ一定値(90%以上)を維持している。やがて、吸湿材34の水分がほとんど失われると湿度は低下を始めるが、定期的に行われる予備吐出動作によって湿度は確実に90%以上まで回復していることがわかる。ここで、上記周期が50日の場合(破線82)は、25日の場合(実線81)に比べて湿度の変動が大きくなっており、プリンタ1が放置される環境などによって一時的に湿度が大きく低下することもある。すなわち、ステップS1〜S7の周期はある程度短い方が好ましく、特に30日間以下が好ましい。また、当該周期が短すぎる場合には、無用に湿度検知を行うことになってしまうため、ある程度長い間隔、特に10日間以上の間隔が好ましい。また、上述のような定期的な予備吐出動作によって維持される湿度は、80〜90%以上であることが好ましく、このような条件で空間35(図3(a)参照)における湿度が維持される場合には、吐出性能が好適に維持される。
本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、本発明に係る液体吐出装置は、用紙印刷を目的とするいわゆるインクジェットプリンタに限定されるものではなく、発光材料、導電性材料などの各種機能性材料を含んだ機能性液体を工業基板上に吐出するように構成された、表示体製造装置、電極形成装置などの工業用装置も含まれる。
また、待機時における予備吐出動作に係る湿度検知は、必ずしも厳密な一定間隔で行われなければならないということはなく、さらには、図5のステップS1〜S7を必ずしも繰り返さなければならないということもない。
また、印刷動作中にキャップ部材15内の乾燥が進行することに鑑み、印刷動作後のキャッピング動作を行った後には、別途、このような乾燥を補償するための予備吐出動作を行うようにしてもよい。さらに、このような予備吐出を行うに当たって湿度センサ26による湿度検知を行い、検知した結果に基づいて予備吐出動作の吐出回数等を決めるようにしてもよい。
また、待機時において、検知した湿度の値によっては、予備吐出動作に代えて吸引動作を行うようにしてもよい。
また、印刷動作に先立って湿度の検知を行い、検知した湿度に基づいた条件で吸引動作を行い、あるいは予備吐出動作を行って、吐出性能の回復を図るようにしてもよい。
また、各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略したり、図示しない他の構成と組み合わせたりすることができる。
本発明に係る液体吐出装置の一例を表す概略斜視図。 吐出ヘッドの概略斜視図。 (a)は、キャッピング動作に係る吐出ヘッドとメンテナンス機構との関係を示す断面図。(b)は、吸引動作に係る吐出ヘッドとメンテナンス機構との関係を示す断面図。 プリンタの電気的構成を示すブロック図。 待機時における予備吐出動作に係る制御フローを示すフローチャート。 待機状態におけるキャップ部材内の湿度の時間変化を示す図。
符号の説明
1…液体吐出装置としてのプリンタ、2…吐出対象物としての用紙、3…吐出ヘッド、4…キャリッジ、10…ガイドロッド、12…吸引手段としてのメンテナンス機構、13…吐出面、14…ワイパブレード、15…キャッピング手段としてのキャップ部材、23…ノズルの開口としてのノズル開口、25…凹部、26…湿度検知手段としての湿度センサ、27…ノズル領域、28…検知領域、29…ダミー領域、30…吸引手段を構成するチューブ、31…吸引手段を構成する吸引ポンプ、33…廃液収容部、34…吸液材、35…空間、39…吸引手段を構成する吸引ポンプ用モータ、60…条件選択手段としての制御部、64…駆動信号発生回路、65…予備吐出数設定部、66…待機時間管理部。

Claims (7)

  1. 吐出対象物に対して液体を吐出するためのノズルと、前記ノズルの開口を封止可能なキャッピング手段と、前記ノズルの開口を前記キャッピング手段で封止すると共に、封止されている空間を減圧して当該ノズルから前記液体を吸引する吸引手段と、を備えた液体吐出装置であって、
    前記ノズルの開口に近接して配設され、前記キャッピング手段によって当該ノズルの開口と共に封止されたときに、当該ノズルの開口に臨んだ空間の湿度を検知可能な湿度検知手段をさらに備え、
    少なくとも前記吸引手段が前記ノズルから前記液体を吸引するときには、前記キャッピング手段は前記湿度検知手段を含まないように当該ノズルを封止することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記キャッピング手段は、前記ノズルの開口が形成されている吐出面の一定領域を囲んで封止可能なキャップ部材であって、
    前記吐出面は、前記ノズルの開口が形成されているノズル領域と、前記ノズル領域に隣接して前記湿度検知手段が配設されている検知領域と、前記ノズル領域を挟んで前記検知領域と対向する領域であるダミー領域と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記湿度検知手段は、前記吐出面に形成された凹部内に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記吐出面を払拭するワイピング手段を備え、
    前記ワイピング手段は、前記検知領域から前記ノズル領域へ向かって前記吐出面を払拭することを特徴とする請求項2または3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記湿度検知手段により前記湿度を検知し、当該湿度が所定値より低いときには、前記キャッピング手段における前記ノズルの開口と対向する側に対して前記液体を吐出する予備吐出動作を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記湿度検知手段による湿度の検知は、定期的に行われることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記予備吐出動作を行う場合において、前記検知された湿度に基づいて前記予備吐出動作の吐出数が設定されることを特徴とする請求項5または6に記載の液体吐出装置。
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