JP2006224074A - 付着塗料除去手段を備えた塗装室 - Google Patents
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Abstract
【課題】
スプレー塗装を行う際、塗装室内の天井面に付着する塗料が、被塗装物に落下して汚損する問題を解決し、定期的な清掃作業の負担を軽減する。
【解決手段】
塗装室の少なくとも天井面の一部に移動可能なスクリーンで壁面を形成し、スクリーンに付着した塗料を掻きとる。天井面のスクリーンは回転するベルト式の構成とし、塗装室外に設置された掻き取り手段を定期的に作動させ付着塗料を自動的に取り除くことができる。
またスクリーンは回転再利用式に変え、使い捨て用紙を装着する構成も可能である。
【選択図】 図1
スプレー塗装を行う際、塗装室内の天井面に付着する塗料が、被塗装物に落下して汚損する問題を解決し、定期的な清掃作業の負担を軽減する。
【解決手段】
塗装室の少なくとも天井面の一部に移動可能なスクリーンで壁面を形成し、スクリーンに付着した塗料を掻きとる。天井面のスクリーンは回転するベルト式の構成とし、塗装室外に設置された掻き取り手段を定期的に作動させ付着塗料を自動的に取り除くことができる。
またスクリーンは回転再利用式に変え、使い捨て用紙を装着する構成も可能である。
【選択図】 図1
Description
本発明は塗装を行う場合に、スプレーによる飛散塗料ミストを捕集・処理するための塗装室として、塗料ミストが塗装室内の壁面に付着し、徐々に積層した状態から剥離、落下等により室内の塗装物等に付着して汚損することを防止し、継続使用を可能にした塗装室に関する。
塗装室、特にスプレー用塗装室は、噴霧に伴って被塗装物に付着されなかった塗料ミストを吸引捕集し、被塗装物等への不要な再付着を避けるため、また塗料ミストを含む周囲環境に悪影響を及ぼす有害物質の排気を削減するため必要不可欠な設備である。塗装室内で噴霧され、被塗装物に付着されなかった塗料の微粒子は排気処理装置に向かう気流によって吸引されるが、スプレーの方向、気流の乱れや気流が接触する壁面の位置等によって、室内壁面への付着は避けられない。
これらの付着は長い間の使用によって、またスプレーの過剰によって壁面に塗料の固まりとなって積層し、被塗装物や作業者、他の装置等に付着、汚れとなって悪い影響を及ぼす。特に天井面への付着は落下によって被塗装物に付着し塗装不良となるため、常に清浄にしておく必要がある。このため定期的な清掃が余儀なくされ、作業の中断による生産効率の低下、作業者の負担が避けられなかった。塗装の自動化による連続稼動が生産性向上に不可欠であり、塗装への自動化、制御の進歩が著しい中で、付帯的に必要な環境維持設備の追随が十分とはいえない状況が見られる。
塗料の付着は、種々の塗装条件によって大きく異なり、使用頻度が少ない場合でも半年毎に行われ、連続的に操業している場合には毎週行う必要があるなど多様であるが、いずれにしても生産性への影響、清掃にかかる作業者の負担は大きい。この清掃作業の軽減化を図るため、一般的には壁面に除去しやすい油脂を予め塗布しておいたり、予め薄膜・紙等を貼り付けておき、ある程度汚れた段階で貼り付けておいた紙などと一緒に剥がし、手間を省くなどの方法で対応している。
一方最も問題となる天井面への付着をなくし、清掃作業の間隔を長くすることができるものとして、天井面に気流の噴出しフィルターを配置し、新鮮空気の供給による塗装室前面開口部から室内の塵埃等が被塗装物に付着しないように配慮した設備が利用されている。特に近年の電子情報機器に代表される精密機器の塗装、高級仕上げが要求される自動車塗装などでは不可欠な設備と言われている。
特公平07−012454
工業化の進んだ自動塗装に対応して、作業の中断なく使用できる環境設備としての塗装室を設けることは生産性を追求する場合に大きな効果をもたらす。すなわち塗装設備の開発によって自動化、生産効率の向上が図れても、これを使用する付帯設備が伴わなければ塗装設備そのものを休ませなければならず、結果として生産性が低下してしまう。塗装作業を中断せずに必要な清掃作業が可能な設備を提供することが本発明の主たる課題である。
塗装室の壁面に付着する塗料が、被塗装物に落下して汚損する問題を解決するために、落下が生ずる前に適時の清掃作業を可能とし、かつ清掃作業の負担を軽減することのできる設備を得ることも別の課題としてある。また清掃作業は自動的に、連続して使用され、清掃による廃棄塗料、塵埃等が塗装室の排気処理装置と一貫して処理することによって、より高能率な塗装室とすることも解決しようとする課題としてあげられる。
本発明は、前記の問題点を解決するため、塗装室の前面を被塗装物が搬入、設置される開口部とし、この開口部に対向する後部側に塗料ミスト処理の排気処理装置に連通する吸込み通路を配置した塗装室の少なくとも天井面に、前記開口部から吸い込み側にかけて、室内側の表面が移動可能なスクリーンを配置し、該吸込み通路側に付着塗料の回収手段を設けている。スクリーンは後部側に巻き取ることによって表面に付着した部分を塗装室後部に移動させることができ、塗装作業位置と離れた位置で掻き取る等の回収手段により付着塗料の処理ができるようになる。
移動可能なスクリーンは回転ベルト式とすることで、掻き取り回収手段によって清掃され表面がきれいな状態になったスクリーンが再び前方に送り込まれ使用することができる。後部の掻き取り回収手段としてのスクレーパは、ミスト処理装置内に設け、掻き落した塗料かすを処理装置内に取り込むことによって同時に処理することができる。
上記の構成を備えた本発明によれば、塗装室内でスプレー塗装した時の飛散塗料ミストは少なからず周囲の壁面に付着することになる。このとき少なくとも天井面に付着した塗料はある程度付着した段階で付着膜面を後部に引き寄せ、塗装に影響が無い位置で掻き落すことによって容易に取り除くことができる。通常、引き寄せるため移動できるようにしたスクリーンは、両端に設けたローラー間に張られた柔軟性のある膜で、適当な回転手段によって塗装室に面した部分が後部のローラー部分に移動し、スクレーパ等の掻き取り手段で落下させられ、塗装室への落下がない状態に清掃され、再び塗装室前方側のローラーを経て、塗装室内の内面を形成するようになる。
掻き落しは塗装中であっても随時可能であり、確認しながら手動で行うことも、また自動的に一定間隔で運転制御したスクレーパの作動で行うことも可能であり、清掃による作業中断や作業者の負担を大きく改善できる。また掻き落した塗料かすはミスト捕集処理装置のスラッジ回収とともに行えるため、あらためて行う必要も無く、煩わしさが解消される。
以下本発明を実施する場合の詳細について図面を用いて説明する。図1は、実施の1形態を示した塗装室の概略構成を示している。スプレーガン1は自動スプレーガンで圧縮エアによって自動的に吹きつけが行われ、通常、制御装置からの信号により操作される電磁弁からの圧縮空気によって吹き付けが制御される。このスプレーガン1は自動塗装機である塗装ロボット2に搭載され吹き付けの位置、方向等を制御操作され被塗装物3への塗装を行う例が示されている。通常塗装ロボット2はアーム4によって上下、左右、前後の動きに加え、スプレーガン1取付け部の角度変化や回転操作によってスプレーガン1の自由な吹き付け操作が可能であり、教え込んだプログラムによって図示されていない制御装置からの信号により繰り返し作動が行われる。本例のほか、単純な動作を繰り返す自動塗装や、手動により作業者がスプレーガンを用いて塗装室内で吹付け作業を行う場合も適用される。
塗装室5は被塗装物3を中に置き、その周囲が十分にあるよう大きさが選択され、後部に排気処理装置6が備えられている。排気処理装置6は塗装室の被塗装物3に吹き付けられた塗料のオーバースプレーミストを吸引し、これを処理して清浄な空気として排気する手段を備えている。排気処理装置6は排気ファン7により吸引した処理気流中に含まれる塗料ミストを、ミスト捕集装置、エリミネータ等で構成される装置で捕集、除去し、清浄空気として外部に排気する。これらの手段はいくつかのの既存技術が知られ、いろいろな条件によって選択される。本発明では排気処理装置6の方式に関して特に限定されるものではない。
塗装室5の前面は開口し、内部は被塗装物3が置かれた状態で周囲に作業に必要なスペースが確保されるだけの大きさを有する。しかしスプレーの方向によっては周囲にも飛散が及び、壁面への付着は避けがたい。すなわち吸引気流により後部へ向かう空気の流れによって多くのミストが後部の排気処理装置6に向かうが、被塗装物に塗装する場合、気流の勢いが強いと塗装そのものが影響を受け塗膜品質の悪化を招くため、気流の強さすなわち流速が制限され、壁面に向かう塗料粒子をなくすことが不可能となる。
図1に示すように内部の壁面は、少なくとも天井面に移動可能な表面を有するスクリーン10を設ける。この例では塗装室前部と後部に設けたローラー11、12に張られたスクリーン10で天井面を形成している。スクリーン10はすべての天井面を形成する必要は無く、付着によって起こる塗料落下等の問題が塗装作業や被塗装物への影響が無い範囲を維持すればよい。後部ローラー12に近接した位置にスクリーンの幅全域に渡って掻き落し用のスクレーパ13が設けられている。これはスクリーン10の表面に接触して付着した塗料を掻き落すもので図示されていないが鋭角な先端部がスクリーン10との隙間間隔を調整できる手段を備えている。
塗装作業の継続によりスクリーン10に付着した塗料は、少なくとも一方のローラーを矢視方向に回転して順次掻き落すため、回転手段が設けられるが、手動でも、自動でもよく、自動の場合連続回転としても断続的に駆動制御する方法を採用してもよい。図の例ではスクレーパ13の位置を排気処理装置6の一部として設け掻き落された塗料は処理室内に取り込まれるように構成されている。またスクレーパ13に隣接して掻き落し切れなかった微細な塗料の付着や再付着した塗料をきれいに清掃する掃除ブラシ14を設け、塗装室5内に持ち込まれないようにしている。
図2の例は塗装室の前面の開口部51を制限し、必要最小限の吸気量、すなわち排気量として塗装室より外部に排気される空調空気の削減を図った塗装室が示されている。この場合前面の壁52が室内の流れに気流のこもりができるため周囲を二重壁53とし、塗装室内の前面周囲54に開口させている。また後部は排気処理装置6につながる通路55に臨ませ、排気処理装置6の吸引空気で室内空気の吸引と同時に二重壁内の通路56を通じて前記のこもりを吸引する構成となっている。
二重壁53の天井部分は前記図1の場合と同様ローラー間に張られたスクリーンで構成され、二重壁の一部を形成している。後方に配置したローラー12部分に設けられたスクレーパー13、掃除ブラシ14で掻き落された塗料は処理室8内に取り込まれミスト処理によって捕集されたスラッジとともに処理される。排気処理装置6は下部に水槽を備え、シャワー水洗により塗料ミストを捕集する水洗式やフィルターやバッフル類を用いた乾式等、塗料や塗装作業条件、コスト等によって既存のミスト処理装置が選択利用できる。
図3はスクリーンを別の構成とした例で、付着した塗料と共に焼却等の処分をすることができるようにしている。前方の給紙ローラ15に巻き取られたスクリーンを構成するフィルム紙20等は適当な段階で後部側回収ローラー16に巻き取られるか引き取られて処分され、塗装室内の内壁面は塗料落下等を引き起こさない範囲で清浄状態を維持することができる。
1 スプレーガン
2 塗装ロボット
3 被塗装物
4 ロボットアーム
5 塗装室
6 排気処理装置
7 排気ファン
8 処理室
10 スクリーン
11、12 ローラー
13 スクレーパ
14 掃除ブラシ
15 給紙ローラー
16 回収ローラー
20 フィルム紙
51 開口部
52 前面壁
53 二重壁
54 前面周囲
55、56 通路
2 塗装ロボット
3 被塗装物
4 ロボットアーム
5 塗装室
6 排気処理装置
7 排気ファン
8 処理室
10 スクリーン
11、12 ローラー
13 スクレーパ
14 掃除ブラシ
15 給紙ローラー
16 回収ローラー
20 フィルム紙
51 開口部
52 前面壁
53 二重壁
54 前面周囲
55、56 通路
Claims (3)
- 前面を被塗装物が搬入、設置される開口部とし、この開口部に対向する後部側に塗料ミスト処理の排気処理装置に連通する吸込み通路を配置した塗装室の少なくとも天井面の一部に、前記開口部から吸い込み側にかけて、室内側の表面が移動可能なスクリーンを配置し、該吸込み通路側に付着塗料の回収手段を設けてなる付着塗料除去手段を備えた塗装室。
- 移動可能なスクリーンを回転ベルト式とし、一端に該ベルトの表面に近接するスクレーパと、該スクレーパで掻き取った塗料の回収処理装置を設けてなる請求項1に記載の塗装室。
- 回収処理装置が塗装室の塗料ミスト処理装置の一部として構成された請求項2に記載の塗装室。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005044674A JP2006224074A (ja) | 2005-02-21 | 2005-02-21 | 付着塗料除去手段を備えた塗装室 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005044674A JP2006224074A (ja) | 2005-02-21 | 2005-02-21 | 付着塗料除去手段を備えた塗装室 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006224074A true JP2006224074A (ja) | 2006-08-31 |
Family
ID=36985889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005044674A Pending JP2006224074A (ja) | 2005-02-21 | 2005-02-21 | 付着塗料除去手段を備えた塗装室 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006224074A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2030696A1 (en) * | 2007-08-31 | 2009-03-04 | Vidali Impianti S.R.L. | Automatic painting plant for products of various kind |
ITMI20111368A1 (it) * | 2011-07-22 | 2013-01-23 | Tecno S P A Fa | Cella di verniciatura a polvere |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS63126066U (ja) * | 1987-02-07 | 1988-08-17 | ||
JPH0712454B2 (ja) * | 1986-10-09 | 1995-02-15 | マツダ株式会社 | 塗装ブ−ス用壁面シ−ト |
JPH08323255A (ja) * | 1995-05-31 | 1996-12-10 | Otsuka Hake Seizo Kk | 塗装ブース浄化装置 |
JPH09239302A (ja) * | 1996-03-07 | 1997-09-16 | Matsuo Sangyo Kk | 塗装ブース |
-
2005
- 2005-02-21 JP JP2005044674A patent/JP2006224074A/ja active Pending
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