JP2006223559A - 剥離補助貼付材及び剥離補助貼付材の使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着シートの粘着剤層に触れることなく、粘着シートを被着面から剥離し、安全に廃棄することのできる剥離補助貼付材の使用方法を提供する。
【解決手段】この剥離補助貼付材の使用方法は、被着面に貼着されている粘着シートを剥離補助貼付材を用いて被着面から剥離除去して廃棄するための剥離補助貼付材の使用方法であり、剥離補助貼付材がシート状基材及び接着層を有し、接着層面が被着面に貼着されている粘着シートの上に重なるように位置合わせする工程と、剥離補助貼付材を前記粘着シートの上に貼付する工程と、剥離補助貼付材を、粘着シートと共に、被着面から剥離除去する工程と、剥離補助貼付材を折り畳んで接着層面同士を貼り合わせる工程と、接着層面同士を容易には剥離不可能な状態で接着して、粘着シートが内包された密閉袋体を形成し、廃棄又は回収する工程とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被着面に貼着している粘着シートを剥離除去することができる剥離補助貼付材とその使用方法に関し、特に、経皮吸収性の法規制薬物含有粘着剤層が設けられてなる貼付製剤を、使用後に、法規制薬物含有粘着剤層に触れることなく被着面から剥離するとともに安全に廃棄又は回収するために用いて好適な剥離補助貼付材とその使用方法に関するものである。
周知のように、人や動物などに医療用薬物を投与するための剤型の一つとして皮膚貼付型の貼付製剤があり、取り扱いが容易なことや適用可能な薬物が拡大してきたことなどにより、近年、注目を集めている。
この貼付製剤とは、シート状もしくはフィルム状の支持体の片面に経皮吸収性薬物を含有する粘着剤層を設けた製剤であり、その粘着剤層には、通常、粘着剤層を保護するためのセパレータが積層されている。
このような貼付製剤により患者に経皮吸収性薬物を投与する場合、上記セパレータを剥離して粘着剤層を露出させ、その露出した粘着剤層を患者の皮膚に貼着する。このような簡便な作業により皮膚表面に貼り付けられた貼付製剤から、貼着している間、安定的かつ持続的に経皮吸収性薬物を患者に投与することができる。
前記貼付製剤用の経皮吸収性薬物としては、現在では、硝酸イソソルビドやニトログリセリンなどの狭心症治療薬、ツロブテロールなどの高血圧治療薬、リドカインなどの麻酔薬、エストラジオールなどのホルモン薬、そしてモルヒネやフェンタニルなどの麻薬性鎮痛薬、各種ステロイド薬、非ステロイド薬などの特定治療薬が用いられ始めている。これら特定治療薬は、患者以外が吸収することを厳重に防止しなければならない薬物である。すなわち、このような各種治療用薬物は、患者に対しても投与量を厳格に規定しなければならないし、患者以外の者が吸収してしまうことは危険であり、その貼付時にも剥離廃棄時にも、厳重な注意が必要とされている。さらにまた、使用後の回収返却が義務付けられている貼付製剤もある。
このように治療用の貼付製剤に含まれる薬物は医薬品であり、各製剤毎に薬物の種類や含有量、適用時間が規定されている。そのため、被着面に貼付した貼付製剤は、所定の時間が経過した後、剥離するか、新しい貼付製剤に貼り替える必要がある。この貼付製剤の剥離作業もしくは貼り替え作業において、貼り替え作業者が貼付製剤の粘着剤層に触れた場合、その粘着剤層に残留している各種薬物が作業者の体内に吸収される虞がある。
一般的な湿布剤などを剥がす場合は、湿布剤の周辺部を指でめくり、めくり上がった部分を指でつまんで被着面から剥離し、その後、折り畳んで廃棄するという作業が行われている。しかし、特定の医薬を投与するための貼付製剤の場合に同様の作業をすると、指先で貼付製剤の粘着剤層を触ることになり、粘着剤層中に残留する経皮吸収性薬物が指先から吸収されてしまうことになる。
貼付製剤にはセパレータと呼ばれる剥離フィルムが貼られており、このセパレータを剥がして粘着剤層を露出し、皮膚面に貼り付けることになるが、現在、このセパレータには、背割りと呼ばれる切込み線が施されており、粘着剤層に触れることなく、貼付製剤を貼り付けることができるようになっている。しかし、貼付製剤の剥離に関しては、粘着剤層に触れずに剥離することが困難である。
貼付製剤の粘着剤層に指が触れないように貼り替え作業を行うために、例えば、手袋やピンセットなどを用いて作業することが一部で行われている。しかし、貼付製剤を剥離する作業は指先の感覚に頼る作業であるため、手袋やピンセットを用いると手際よく作業を行うことが難しく、さらに、ピンセットなどを使った場合には、皮膚をつかんだり、突っついたりすることがある。
このように貼付製剤の剥離作業には、患者本人が行う場合も、家族や看護士などの患者以外の者が行う場合でも、不快感を伴うばかりでなく、薬物の被毒の危険がある。
これに対し、従来、被着面から剥離しやすい形状の貼付製剤が提案されている。その貼付製剤は、粘着剤層の一部に非粘着部を形成したものであり、その非粘着部を持ち手とすることにより、剥離作業を容易にすることができると説明されている(特許文献1)。
特開平7−309747号公報
しかし、前記特許文献1に開示の貼付製剤は、非粘着部が皮膚に接着せずに皮膚面から浮き上がった状態になるため、貼着中に、その非粘着部が衣類などに引っ掛かって、不快感を生じさせるばかりでなく、場合によっては、一部あるいは全部が剥がれる虞がある。このように特許文献1に開示の貼付製剤は、剥離性に重きを置いた結果、貼付性が犠牲になっており、貼付製剤として満足できるものではないため、それ以前の貼付製剤を代替するものとなっていない。したがって、貼付製剤の剥離作業に伴う問題は、依然として残されており、その解決が望まれている。しかも、法規制薬物含有の貼付製剤に用いられる場合には、剥離作業中に薬物と接触することが禁止されるのみならず、剥離後においても薬物を露出させることは厳禁である。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、その課題は、粘着シートの粘着剤層に触れることなく粘着シートを被着面から剥離し、かつ、剥離後も粘着剤層を露出させることなく安全に廃棄することのできる剥離補助貼付材とその使用方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意、実験、検討を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の剥離補助貼付材の使用方法は、被着面に貼着されている粘着シートを剥離補助貼付材を用いて被着面から剥離除去して廃棄するための剥離補助貼付材の使用方法であり、前記剥離補助貼付材がシート状基材及び接着層を有し、該接着層面が被着面に貼着されている粘着シートの上に重なるように位置合わせする工程と、前記剥離補助貼付材を前記粘着シートの上に貼付する工程と、前記剥離補助貼付材を、前記粘着シートと共に、被着面から剥離除去する工程と、前記剥離補助貼付材を折り畳んで前記接着層面同士を貼り合わせる工程と、前記接着層面同士を容易には剥離不可能な状態で接着して、前記粘着シートが内包された密閉袋体を形成し、廃棄又は回収する工程とを備えていることを特徴とする。
ここで、前記粘着シートは、経皮吸収性の法規制薬物含有粘着剤層が設けられてなる貼付製剤であることができる。
また、前記剥離補助貼付材を構成する接着層の接着力は、前記接着層面同士を貼り合わせた時の接着力が、日本工業規格 JIS Z0237に準拠して測定した際に5N/cm以上であることが好ましい。
本発明においては、前記剥離補助貼付材は、前記シート状基材の片面の実質全領域に接着層が設けられていて該シート状基材の大きさが被着面に貼着されている前記粘着シートの大きさよりも大きい貼付材であることが好ましい。
また、前記シート状基材の半分の大きさが、前記粘着シートより大きくて該粘着シート全体を覆うことができる寸法であることが好ましい。
また、前記シート状基材を2分する線上に、前記接着層側に折り畳み容易とする折り線が形成されていることが好ましい。
また、前記シート状基材は、接着層を設ける側の面が粗面化されていることができる。
本発明において、剥離補助貼付材は前記接着層の上に少なくとも1箇所背割りが施されているセパレータが設けられていてもよく、前記剥離補助貼付材を前記粘着シートの上に貼付する工程において、前記セパレータの一部を除去して接着層の一部を露出させ、該接着層の一部を貼付した後、残りのセパレータの少なくとも一部を除去して剥離補助貼付材を粘着シート全面の上に貼付することができる。
本発明において、剥離補助貼付材は前記シート状基材と前記接着層とが積層されている部分を通して粘着層を視覚的に確認することができる構成であってもよく、前記位置合わせする工程において、被着面に貼着されている粘着シートを前記シート状基材の上から視覚的に確認しつつ前記剥離補助貼付材を前記粘着シートの上に位置合わせすることができる。
本発明の法規制薬物含有粘着シート用剥離補助貼付材は、シート状基材の片面の実質全領域に接着層が設けられていて該シート状基材の大きさが被着面に貼着されている経皮吸収性の法規制薬物含有粘着剤層が設けられてなる貼付製剤の大きさよりも大きい貼付材であって、該貼付製剤を被着面から剥離し、廃棄又は回収するために用いられることを特徴とする。
ここで、前記接着層の接着力は、日本工業規格 JIS Z0237に準拠して測定した際に5N/cm以上であることが好ましい。
本発明によれば、粘着シートの剥離作業、例えば、貼付製剤等の剥離作業を特定治療薬が含有されている粘着剤層に触れることなく実施することができ、しかも剥離後は、貼付製剤等の粘着シートを厳重に包み込むことができ、粘着シートを安全に廃棄することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、粘着シートを安全に回収して医療機関へ返却することができるという効果も奏する。
発明を実施するための形態
以下、本発明について説明する。
本発明の剥離補助貼付材は、シート状基材の片面の実質全領域に接着層が設けられており、このシート状基材の大きさは、被着面に貼着されている粘着シートの大きさより大きい。ここで実質全領域とは、片面のほぼ全面に接着層を有するが、接着層の有する面積に比して僅かな面積部分(例えば接着層面積の約1/2以下)については、例えばいわゆるドライエッジ(例えば5mm幅以下)等のような部分については、接着層が設けられておらずシート状基材が露出している部分が存在していてもよいことをいう。ただし、接着層面同士を接着することによって密閉袋体が形成されるように接着層が設けられていることが必要である。また、例えば被着面に貼着している矩形状の粘着シートの少なくとも4つの角には接着層が設けられている部分を重ねることができるような形態で接着層が設けられていることが好ましい。本発明の剥離補助貼付材は、この粘着シートを被着面から剥離することができる機能を有する。また、本発明の剥離補助貼付材は、剥離補助貼付材を折り畳んで接着層面同士を重ねて貼り合わせれば、これらの接着層面が剥がれることはない。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、同一の構成要素については同一の参照番号を付して、これらの説明を省略する。
図1の(a)〜(c)に、本発明の第1の実施形態に係る剥離補助貼付材の構成を示す。図1の(a)は、剥離補助貼付材を接着層側から見たときの平面図であり、図1の(b)は接着層の上に粘着シートが粘着剤層を上にして重ねられている状態を示す平面図であり、図1の(c)は図1の(b)の剥離補助貼付材を粘着シートが内側となるように折り曲げた状態を示す図である。本実施形態に係る剥離補助貼付材は、シート状基材1(図1の(c)参照)の片面の全領域に接着層2が形成されている。また、剥離補助貼付材のほぼ中央には、接着層側に折り畳み容易とする折り線3aが設けられている。
ここで、剥離補助貼付材のシート状基材1を構成する材質は、接着層中に含有される薬剤を始め可塑剤等の添加剤などの含有成分が透過消失することによる含量低下を生じさせない材質、すなわち、接着層含有成分の透過を防ぐ材質から構成することが好ましい。このようなシート状基材に適した材質としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、アイオノマー樹脂、アルミニウム箔等の金属箔などが挙げられる。
また、シート状基材は、単層フィルムでも良いし、ラミネートフィルムでも良い。
本発明においては、シート状基材を通して、あるいはシート状基材と接着層とが積層された部分を通して粘着シートを目視できることが好ましい。本発明においては、シート状基材と接着層とが積層されている部分の可視光透過率が、日本工業規格 JIS K7105に準拠して測定した値が10%以上であることが好ましい。また、シート状基材は実質的に透明であることが好ましい。ここで実質的に透明とは、無色透明、有色透明のいずれをも含み、シート状基材を通して粘着シート等が視覚的に確認できることをいう。この場合には、例えばシート状基材の可視光透過率は、日本工業規格 JIS K7105に準拠して測定した値が30%以上であることが好ましい。
また、シート状基材は着色されていてもよく、あるいは文字、記号、図柄等が印刷されていてもよい。例えば、シート状基材に粘着シートの回収用剥離補助貼付材であることの表示、回収される法規制薬物等の名称を明示する表示等が付されていれば、使用後の回収返却が義務付けられている粘着シート等を剥離回収した後、誤処置されずに確実に病院等へ返却することができる。
シート状基材の厚みは、特に限定されないが、粘着シートを剥離する際、厚みが厚い方が取り扱い性において楽であること、さらに折り線を入れる際の加工が容易であることを考慮すると、15μm以上が好ましく、より好ましくは20μm以上、特に好ましくは50μm以上であり、かつ、200μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下である。
このシート状基材は、シート状基材と接着層との間の投錨性(接着力)を向上させるために、さらに多孔性フィルムをラミネートした構成とし、このラミネートフィルムの多孔性フィルム側に接着層を形成することが好ましい。この多孔性フィルムとしては、紙、織布、不織布、機械的穿孔処理を施した樹脂フィルム、あるいは化学的機械的な粗面化及び穿孔処理を施した樹脂フィルムなどが使用可能である。
接着層2に用いられる接着剤としては、常温で接着性を有するものであり、皮膚に接触した場合に皮膚にかぶれなどの悪影響が生じない、従来から用いられているアクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ビニルエステル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤等の医療用の粘着剤が好ましい。さらには、これらの粘着剤に相溶する液状可塑成分を配合し、これを粘着剤と相溶させることによって、接着層を可塑化し、接着層を皮膚面に貼り付けた時に、皮膚に対してソフトな感触を与え、かつ剥離の際にも皮膚刺激を軽減可能な組成の接着層とすることが好ましい。この液状可塑成分としては、常温で液状を呈し、使用する粘着剤と相溶するものであれば、特に限定されない。具体的には、脂肪酸エステル類、脂肪酸、液状界面活性剤、炭化水素類等が挙げられ、これらの中でも常温で液状のものが用いられる。また、これらは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
接着層2は、シート状基材1の表面全面に接着層用粘着剤等を用いて形成されたものでもよいし、あるいは、一部に、例えば、波状、線状、ドット状等の形状で設けられたものでもよい。
接着層の厚みとしては、粘着シートの支持体および皮膚面への接着性や、取り扱い性を考慮すると、好ましくは、20μm〜200μmであり、より好ましくは40μm〜150μmである。
接着層の接着力は、剥離しようとする粘着シートの被着面に対する接着力よりも大きいことが必要であり、粘着シートの接着力の2倍以上20倍以下であることが好ましく、3倍以上15倍以下であることが更に好ましい。ただし、本発明においては、接着層面同士を貼着させた後は容易には剥離できないことが必要であり、例えば、接着層の接着力は、日本工業規格 JIS Z0237に準拠して測定した値が5N/cm以上であることが好ましい。なお、使用に当たって、接着層が、粘着シートの支持体面へだけでなく被着面にも接触することを考慮すると、接着層の接着力は、接着層同士を接着させた後は容易には剥離不可能となるような範囲で、できるだけ小さく設定することが好ましい。
シート状基材の形状は、特に限定されるものではないが、剥離しようとする貼付製剤の形状に応じて設計されることが好ましい。図1の(a)〜(c)に示す実施形態においては、シート状基材の形状は粘着シートの形状と類似しており、これらの形状はほぼ相似形である。
また、シート状基材の寸法は、少なくとも剥離しようとする粘着シートの全体を覆うことのできる寸法であればよい。この寸法設定は、剥離操作するときに、作業者の指が粘着シートの粘着剤層、例えば、貼付製剤の薬剤含有粘着剤層等に触れないようにするためである。図1の(a)〜(c)に示す実施形態においては、シート状基材1の寸法は、粘着シートの大きさより大きく、粘着シート全体を覆うことができる大きさである。
また、本発明の剥離補助貼付材は、剥離後の貼付製剤等の粘着シートを安全に廃棄可能とすることも目的としている。そのような廃棄を考慮すると、シート状基材の大きさとしては、粘着シートの1.2倍以上の面積に設定することが望ましい。例えば粘着シートが貼付製剤である場合には、粘着シートの寸法が大小数種類の定型寸法に設定されていることが多い。したがって、各定形寸法を基準にその1.2倍以上の面積となるように、定量的設定が可能である。
剥離補助貼付材は、一方の面に設けられている接着層2が、被着体の被着面に貼着されている粘着シートの背面(支持体面上)に粘着シートの全体を覆うように重ねられて貼付された後、剥離される。剥離後の剥離補助貼付材を、粘着シートの粘着剤層5の側から見ると図1の(b)に示すものとなる。剥離補助貼付材の接着層2の上に貼付された粘着シートは、剥離補助貼付材の接着層2の接着力が適当な範囲に設定されていれば、剥離補助貼付材を被着面から剥がす際に共に剥離される。すなわち、上述したように接着層2の粘着シートの背面(図2における支持体4)に対する接着力は、粘着シートにおける粘着剤層5の被着面に対する接着力よりも大きいことが必要である。また、図1の(b)に示すように、剥離補助貼付材の接着層2の一部は被着面に貼付されるので、被着面が皮膚等である場合には、皮膚等の角質に損傷を与えないような接着力であることが好ましい。
この実施形態の剥離補助貼付材を用いて粘着シートを被着面から剥離するには、接着層2が粘着シートの支持体4の全面を覆うように被着面に貼付された後、接着層2の一部を被着面から引き剥がし、その引き剥がし部分を指等で掴んで引き剥がし操作をすればよい。このようにすれば粘着シートともども剥離補助貼付材を被着面から剥がすことができ、剥離した後は、折り線3aの形成によって折れ曲がりやすくなっている剥離補助貼付材のほぼ中央部分で剥離補助貼付材を折り畳めば、図1の(c)に示す状態となる。ここでは、剥離補助貼付材は粘着シートの周縁部分で封緘されて封緘部6が形成されており、内側に粘着シートを折り畳んだ状態で完全に包み込むことができ、安全に廃棄することが可能となる。なお、剥離補助貼付材のシート状基材と接着層とが積層された部分を通して粘着シートを目視することができれば、粘着シートの支持体の全面を覆うように重ねる際に目で容易に確認することができるので便利である。
このように剥離補助貼付材に折り線3aが付されていれば、容易に接着層側に折り畳むことができる。しかも、本発明の剥離補助貼付材は一方の面の全面に接着層が設けられているので、2つ折りの端部分では接着層同士が重ね合わされてしっかり貼着されて強固な封緘部6が形成される。したがって、例えば、粘着シートが経皮吸収性の法規制薬物含有粘着剤層が設けられて成る貼付製剤であっても、薬物含有粘着剤層に手、指等が触れることなく、安全に廃棄することができる。また、強固な封緘部6で密封されるので、折り畳んだ後、薬物含有粘着剤等が外部へ漏れる恐れが全くなく、しかも封緘部6は一度形成されれば容易には剥がれることがないので安全な状態を維持し続けることができる。したがって、折り畳み後すぐに廃棄することができない状況にあっても、また、病院等への回収が義務付けられている粘着シートを内包している場合であっても対応することができる。なお、剥離補助貼付材を折り畳んだ状態で内部に閉じ込められた粘着シートを視覚的に認識することができれば、粘着シートの状態が確認できるのでより安全に取扱うことができる。
図1の(c)に示す剥離補助貼付材を2つ折りにした状態の断面図を図2に示す。シート状基材1の片面に接着層2を有する剥離補助貼付材の内部に、支持体4の上に粘着剤層5を有する粘着シートが2つに折り畳んだ状態で内包されている。
本発明において、剥離補助貼付材は使用時まで接着層表面を保護するために、接着層表面にセパレータが重ねられていることが好ましい。図3は、接着層表面にセパレータを有する剥離補助貼付材をセパレータ側から見た平面図である。図3において、セパレータ7には、ほぼ中央で背割り3bが施されていることが好ましい。このようにセパレータ7を有する剥離補助貼付材を用いて粘着シートを被着面から剥がす場合には、まず、剥離補助貼付材を被着面に貼着された粘着シート全面を覆うように重ね、次に、剥離補助貼付材の位置がずれないように、例えば剥離補助貼付材の左半分(右半分)をシート状基材面の上から抑えつつ、右半分(左半分)のセパレータ7を除去して接着層を露出させ粘着シートの半分を覆うように貼付する。その後、他方のセパレータ7を除去して接着層を露出させて貼付すれば、粘着シート全面を覆うように剥離補助貼付材を貼付することができる。
本発明に用いられるセパレータ7としては、例えば、表面に剥離処理が施された紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。具体的には、ポリエチレンコート上質紙、ポリオレフィンコートグラシン紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられ、接着層等と接する面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂、テフロン(登録商標)樹脂等が塗布等されて剥離処理が施されている。
セパレータ7の厚みは特に限定されるものではないが、取り扱い性や背割り加工等の加工性の点を考慮すると、10μm以上100μm以下であることが好ましく、15μm以上75μm以下であることが更に好ましい。
図4の(a)〜(c)に、本発明の第2の実施形態に係る剥離補助貼付材の構成を示す。図4の(a)は、剥離補助貼付材を接着層側から見たときの平面図であり、図4の(b)は接着層の上に粘着シートが粘着剤層を上にして重ねられている状態を示す平面図であり、図4の(c)は図4の(b)の剥離補助貼付材を粘着シートが内側となるように折り曲げた状態を示す図である。本実施形態に係る剥離補助貼付材は、粘着シートを折り曲げることなくそのままの状態で包み込める十分な大きさを有するシート基材1の片面の全領域に接着層2が形成されている。また、剥離補助貼付材のほぼ中央には、接着層側に折り畳み容易とする折り線3aが設けられている。
剥離補助貼付材は、この接着層2を有する半分の領域部分が、被着面に貼着されている粘着シートの支持体上に粘着シートの全体を覆うように重ねられて貼付された後、剥離されるが、剥離後の剥離補助貼付材は、粘着シートの粘着剤層5の側から見ると図4の(b)に示すものとなる。剥離補助貼付材の接着層2の上に貼付された粘着シートは、剥離補助貼付材の接着層2の接着力が適当な範囲に設定されていれば、剥離補助貼付材を被着面から剥がす際に共に剥離される。
この形態の剥離補助貼付材を用いて粘着シートを被着面から剥離するには、接着層2のほぼ半分の領域で粘着シートの支持体面上を覆い、剥離補助貼付材を貼着する。なお、ここでは剥離補助貼付材の全面を被着体に貼着することは必要ではない。すなわち、粘着シートの全面を覆うように剥離補助貼付材を被着面に貼着すればよく、粘着シートの貼着に寄与していない残りの半分の接着層2の領域は貼着する必要はない。この残りの部分の適当な個所を指等で掴んで引き剥がし操作をすればよい。このようにすれば粘着シートともども剥離補助貼付材を被着面から剥がすことができ、剥離した後は、折れ曲がりやすくなっているほぼ剥離補助貼付材の中央部の折り線3aで剥離補助貼付材を2つに折り畳めば、図4の(c)に示す状態となる。ここでは、粘着シートの周縁部分で封緘されて封緘部6が形成され、粘着シートは折り畳まれない状態で剥離補助貼付材の内部に包み込まれることになる。また、封緘部6は接着層2同士が接着して形成されるので、強固な封緘が実現される。この実施形態の剥離補助貼付材を用いて粘着シートの剥離廃棄を行えば、粘着シートの粘着剤層に触れることなく安全に廃棄することが可能であり、しかも、長時間保存した後に廃棄することも可能である。
図4に示す剥離補助貼付材の接着層表面には、図5に示すように、セパレータ7が重ねられていることが好ましく、セパレータ7には背割り3bが形成されていることが好ましい。このようなセパレータ7を有する剥離補助貼付材を用いて粘着シートを被着面から剥がす場合には、例えば、まず、剥離補助貼付材の接着層2が設けられている右半分の領域が粘着シート全面を覆うように重ね、背割りされたセパレータ7の右端の部分(剥離補助貼付材の1/4の領域を覆うセパレータ)を除去して接着層2が粘着シートの半分の領域を覆うように貼付する。その後、中央のセパレータ7を除去して接着層2を貼付すれば、剥離除去貼付材のほぼ半分の領域が粘着シートの全面を覆うように貼付することができる。なお、左端のセパレータ7(剥離補助貼付材の左半分の領域を覆うセパレータ)は剥離作業の際にはつけたままにしておき、剥離作業が終わった段階でこのセパレータを除去してもよく、このセパレータを除去しつつ、あるいは、除去した後、折り線3aで折り畳んで内部に粘着シートを包埋した状態で廃棄を行ってもよい。
本発明の剥離補助貼付材は、図6に示すように、剥離回収すべき粘着シートの2倍よりも大きくてもよい。図6は、本発明の第3の実施形態に係る剥離補助貼付材を示す図であり、接着層上に粘着シートを重ねた状態を示す図である。このように粘着シートの大きさよりもかなり大きい形状であれば、粘着シートを貼着し、右側の折り線3aで曲げて畳み込んだ後、更に左側の折り線3aで曲げて帯状に畳み込むことができ、封緘を更に完全なものとすることができる。
図7に、本発明の第4の実施形態に係る剥離補助貼付材を示す。図7は、剥離補助貼付材の接着層の上に粘着シートが粘着剤層5を上にして重ねられている状態を示す平面図である。本実施形態に係る剥離補助貼付材は、シート状基材1の片面の両方の端部分を除くほぼ全領域に接着層2が形成されている。また、剥離補助貼付材のほぼ中央には、接着層側に折り畳み容易とする折り線3aが設けられている。被着面に貼着されている粘着シートの上に剥離補助貼付材を貼付して剥がす際に、シート状基材1が露出している一方の端部分を持って剥がせば、粘着シートともども剥離補助貼付材を容易に剥離することができる。
本発明によれば、粘着シートの粘着剤層が被着面に貼着している接着強度よりも高い接着性を発揮する接着層を有する剥離補助貼付材を、剥離しようとする粘着シートに重ね貼りし、その後、剥離補助貼付材をつかんで、被着面から引き剥がす操作をすれば、剥離補助貼付材とともに粘着シートを容易に被着面から剥離することができる。また、この剥離補助貼付材のシート状基材は剥離しようとする粘着シートの全部を覆うことのできる寸法に形成されているので、剥離操作中に粘着シートの粘着剤層に指先を触れることなく剥離作業を終えることができ、しかも剥離補助貼付材を折り畳んで接着層面同士を強接着させることにより、剥離した粘着シートをシート状基材で包み込み安全に廃棄又は回収することができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、以下の実施例において、部とあるのは全て重量部を意味するものとする。
(粘着剤溶液の調製)
(1)粘着剤溶液Aの調製
不活性ガス雰囲気下で、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル95部と、アクリル酸5部とを酢酸エチル中で共重合させて粘着剤溶液Aを調製した。
(2)粘着剤溶液Bの調製
不活性雰囲気下で、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル50部と、アクリル酸−2−メトキシエチルエステル25部と、酢酸ビニル25部とを酢酸エチル中で共重合させて粘着剤溶液Bを調製した。
(3)粘着剤溶液Cの調製
ポリイソブチレン(粘度平均分子量99万)50部と、ポリイソブチレン(粘度平均分子量6万)30部と、脂環族系石油樹脂20部とをヘキサンに溶解して粘着剤溶液Cを調製した。
(薬物含有製剤の作製)
(1)薬物含有貼付製剤Aの作製
粘着剤溶液A(固形分)の90部に、ベラパミル10部を混合して薬物含有製剤用粘着剤溶液を調製した。得られた薬物含有粘着剤溶液をポリエステル製セパレータ(75μm厚)の上に乾燥後の厚みが約60μmとなるように塗布して乾燥させて粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層をポリエステル製フィルム(12μm厚、縦4.5cm×横4.5cm)に貼り合わせて薬物含有貼付製剤Aを作製した。
(2)薬物含有貼付製剤Bの作製
粘着剤溶液A(固形分)の50部に、ミリスチン酸イソプロピル40部と、ベラパミル10部とを加え、さらに、架橋剤として、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートを粘着剤溶液A(固形分)100部に対して0.5部を加えて混合し、薬物含有粘着剤溶液を調製した。得られた薬物含有粘着剤溶液をポリエステル製セパレータ(75μm厚)の上に乾燥後の厚みが約60μmとなるように塗布して乾燥させて粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層をポリエステル製フィルム(12μm厚、縦4.5cm×横4.5cm)に貼り合わせて薬物含有貼付製剤Bを作製した。
(剥離補助貼付材の作製)
(1)剥離補助貼付材Aの作製
粘着剤溶液A(固形分)の100部を用いて、接着層用粘着剤溶液を調製した。得られた接着層用粘着剤溶液をポリエステル製セパレータ(75μm厚)の上に乾燥後の厚みが約60μmとなるように塗布して乾燥させて接着層を形成した。次いで、この接着層をポリエステル製フィルム(50μm厚×縦6cm×横12cm)に貼り合わせて図4の(a)に示すような形態の剥離補助貼付材Aを作製した。なお、得られた剥離補助貼付材は、その2分する線上に折り線が形成されており、また、ポリエステル製セパレータには図5に示すような背割りが施されている。
(2)剥離補助貼付材Bの作製
粘着剤溶液B(固形分)の100部を用いて、接着層用粘着剤溶液を調製した。得られた接着層用粘着剤溶液をポリエステル製セパレータ(75μm厚)の上に乾燥後の厚みが約60μmとなるように塗布して乾燥させて接着層を形成した。次いで、この接着層をポリエステル製フィルム(50μm厚×縦6cm×横12cm)に貼り合わせて図4の(a)に示すような形態の剥離補助貼付材Bを作製した。なお、得られた剥離補助貼付材は、その2分する線上に折り線が形成されており、また、ポリエステル製セパレータには図5に示すような背割りが施されている。
(3)剥離補助貼付材Cの作製
粘着剤溶液C(固形分)の100部を用いて、接着層用粘着剤溶液を調製した。得られた接着層用粘着剤溶液をポリエステル製セパレータ(75μm厚)の上に乾燥後の厚みが約60μmとなるように塗布して乾燥させて接着層を形成した。次いで、この接着層をポリエステル製フィルム(50μm厚×縦6cm×横12cm)に貼り合わせて図4の(a)に示すような形態の剥離補助貼付材Cを作製した。なお、得られた剥離補助貼付材は、その2分する線上に折り線が形成されており、また、ポリエステル製セパレータには図5に示すような背割りが施されている。
(4)剥離補助貼付材Dの作製
粘着剤溶液A(固形分)の60部に、ミリスチン酸イソプロピル40部を加え、さらに、架橋剤としてアルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレートを粘着剤溶液A(固形分)100部に対して0.3部加えて混合し、接着層用粘着剤溶液を調製した。得られた接着層用粘着剤溶液をポリエステル製セパレータ(75μm厚)の上に乾燥後の厚みが約60μmとなるように塗布して乾燥させて接着層を形成した。次いで、この接着層をポリエステル製フィルム(50μm厚×縦6cm×横12cm)に貼り合わせて図4の(a)に示すような形態の剥離補助貼付材Dを作製した。なお、得られた剥離補助貼付材は、その2分する線上に折り線が形成されており、また、ポリエステル製セパレータには図5に示すような背割りが施されている。
(5)剥離補助貼付材Eの作製
粘着剤溶液A(固形分)の100部を用いて、接着層用粘着剤溶液を調製した。得られた接着層用粘着剤溶液をポリエステル製セパレータ(75μm厚)の上に乾燥後の厚みが約60μmとなるように塗布して乾燥させて接着層を形成した。次いで、この接着層をポリエステル製フィルム(50μm厚×縦6cm×横6cm)に貼り合わせて図1の(a)に示すような形態の剥離補助貼付材Aを作製した。なお、剥離補助貼付材の中央には折り線が形成されている。なお、得られた剥離補助貼付材は、その2分する線上に折り線が形成されており、また、ポリエステル製セパレータには図3に示すような背割りが施されている。
(6)剥離補助貼付材Fの作製
粘着剤溶液B(固形分)の100部を用いて、接着層用粘着剤溶液を調製した。得られた接着層用粘着剤溶液をポリエステル製セパレータ(75μm厚)の上に乾燥後の厚みが約60μmとなるように塗布して乾燥させて接着層を形成した。次いで、この接着層をポリエステル製フィルム(50μm厚×縦6cm×横6cm)に貼り合わせて図1の(a)に示すような形態の剥離補助貼付材Fを作製した。なお、剥離補助貼付材の中央には折り線が形成されている。なお、得られた剥離補助貼付材は、その2分する線上に折り線が形成されており、また、ポリエステル製セパレータには図3に示すような背割りが施されている。
(7)剥離補助貼付材Gの作製
粘着剤溶液C(固形分)の100部を用いて、接着層用粘着剤溶液を調製した。得られた接着層用粘着剤溶液をポリエステル製セパレータ(75μm厚)の上に乾燥後の厚みが約60μmとなるように塗布して乾燥させて接着層を形成した。次いで、この接着層をポリエステル製フィルム(50μm厚×縦6cm×横6cm)に貼り合わせて図1の(a)に示すような形態の剥離補助貼付材Gを作製した。なお、剥離補助貼付材の中央には折り線が形成されている。なお、得られた剥離補助貼付材は、その2分する線上に折り線が形成されており、また、ポリエステル製セパレータには図3に示すような背割りが施されている。
(実施例1)
表1に示すように、皮膚に貼着されている薬物含有貼付製剤Aを、剥離補助貼付材Aを用いて剥離除去する実験を行った。すなわち、薬物含有貼付製剤Aのポリエステル製セパレータを除去して患者の皮膚に貼着した。その後、剥離補助貼付材Aの接着層面(剥離補助貼付材Aの半分の領域部分)を薬物含有貼付製剤Aのポリエステル製フィルム面に重ねて貼り合わせた後、剥離補助貼付材Aの残りの半分の領域を指で持ちつつ皮膚面から剥がした。その後、剥離補助貼付材Aを2つに内側に折り曲げて廃棄可能な状態にした。
剥離及び折り畳みの際に薬物含有貼付製剤の粘着剤層に指等が触れることなく皮膚から剥離することができ、かつ、薬物含有貼付製剤を剥離補助貼付材の内部に完全に包埋させることができて、しかも接着層同士が剥がれることがなかった場合には、剥離回収が可能であるとして記号「〇」で表示し、剥離及び折り畳みの際に粘着シートの粘着剤層に指等が触れることなく皮膚から剥離することができそうになく、あるいは、粘着シートを剥離補助貼付材の内部に完全に包埋させることができないか、接着後に接着層同士が剥がれてしまった場合には、剥離回収が不可能であるとして記号「×」で表示した。この結果を表1に示す。なお、接着層の接着力も合わせて表1に示す。
(実施例2〜12、比較例1〜2)
実施例1において、皮膚に貼着される薬物含有貼付製剤の種類と、剥離補助貼付材の種類とを、表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、剥離補助貼付材を用いて剥離除去回収実験を行った。その結果を表1に示す。なお、接着層の接着力も合わせて表1に示す。
Figure 2006223559
表1から明らかなように、実施例1〜12の剥離除去回収実験では、剥離及び折り畳みの際に薬物含有貼付製剤の粘着剤層に指等が触れることなく皮膚から剥離することができ、かつ、薬物含有貼付製剤を剥離補助貼付材の内部に完全に包埋させることができた。しかも、貼着した接着層面同士は剥がれることがなく、したがって、長期間の保持も可能であり、また、病院等へ回収移送される場合でも、安全に回収作業を終了させることができる。
一方、比較例1及び比較例2の剥離除去回収実験では、折り畳んで接着層面同士を貼着した後、剥がれが生じ、長時間の保持は不可能であった。また、貼着した接着面同士は、その界面で容易に剥がれるものであった。
本発明の剥離補助貼付材を用いれば、貼付製剤の剥離作業を特定治療薬が含有されている粘着剤層に触れることなく実施することができ、しかも剥離後は、貼付製剤を包み込み、接着層面同士が剥がれることがなく、貼付製剤を安全に廃棄することができる。そのため、本発明の剥離補助貼付材は、特定治療薬含有粘着剤や、法規制の薬物含有粘着剤を有する貼付製剤の剥離、廃棄又は回収に有用であり、貼付製剤を用いた治療において作業の安全性と効率化を同時に向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る剥離補助貼付材を示す平面図であり、(a)はこの剥離補助貼付材を接着層側から見た図であり、(b)はさらに粘着シートを重ねた状態を示す図であり、(c)は(b)の剥離補助貼付材を2つ折りにした状態を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る剥離補助貼付材に粘着シートを重ねて2つに折り畳んだ状態の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る剥離補助貼付材の接着層面にセパレータが積層された状態のものを、セパレータ側から見たときの平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る剥離補助貼付材を示す平面図であり、(a)はこの剥離補助貼付材を接着層側から見た図であり、(b)はさらに粘着シートを重ねた状態を示す図であり、(c)は(b)の剥離補助貼付材を2つ折りにした状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る剥離補助貼付材の接着層面にセパレータが積層された状態のものを、セパレータ側から見たときの平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る剥離補助貼付材に更に粘着シートを重ねた状態を示す平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る剥離補助貼付材に更に粘着シートを重ねた状態を示す平面図である。
符号の説明
1 シート状基材
2 接着層
3a 折り線
3b 背割り
4 支持体
5 粘着剤層
6 封緘部
7 セパレータ

Claims (11)

  1. 被着面に貼着されている粘着シートを剥離補助貼付材を用いて被着面から剥離除去して廃棄するための剥離補助貼付材の使用方法であり、
    前記剥離補助貼付材がシート状基材及び接着層を有し、該接着層面が被着面に貼着されている粘着シートの上に重なるように位置合わせする工程と、
    前記剥離補助貼付材を前記粘着シートの上に貼付する工程と、
    前記剥離補助貼付材を、前記粘着シートと共に、被着面から剥離除去する工程と、
    前記剥離補助貼付材を折り畳んで前記接着層面同士を貼り合わせる工程と、
    前記接着層面同士を容易には剥離不可能な状態で接着して、前記粘着シートが内包された密閉袋体を形成し、廃棄又は回収する工程と
    を備えていることを特徴とする剥離補助貼付材の使用方法。
  2. 前記粘着シートが、経皮吸収性の法規制薬物含有粘着剤層が設けられてなる貼付製剤であることを特徴とする請求項1記載の剥離補助貼付材の使用方法。
  3. 前記剥離補助貼付材を構成する接着層の接着力は、前記接着層面同士を貼り合わせた時の接着力が、日本工業規格 JIS Z0237に準拠して測定した際に5N/cm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の剥離補助貼付材の使用方法。
  4. 前記シート状基材の片面の実質全領域に接着層が設けられていて該シート状基材の大きさが被着面に貼着されている前記粘着シートの大きさよりも大きい貼付材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の剥離補助貼付材の使用方法。
  5. 前記シート状基材の半分の大きさが、前記粘着シートより大きくて該粘着シート全体を覆うことができる寸法であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の剥離補助貼付材の使用方法。
  6. 前記シート状基材を2分する線上に、前記接着層側に折り畳み容易とする折り線が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の剥離補助貼付材の使用方法。
  7. 前記シート状基材は、接着層を設ける側の面が粗面化されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の剥離補助貼付材の使用方法。
  8. 前記剥離補助貼付材は、前記接着層の上に、少なくとも1箇所背割りが施されているセパレータが設けられており、前記剥離補助貼付材を前記粘着シートの上に貼付する工程において、前記セパレータの一部を除去して接着層の一部を露出させ、該接着層の一部を貼付した後、残りのセパレータの少なくとも一部を除去して剥離補助貼付材を粘着シート全面の上に貼付することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の剥離補助貼付材の使用方法。
  9. 前記剥離補助貼付材は前記シート状基材と前記接着層とが積層されている部分を通して粘着層を視覚的に確認することができ、前記位置合わせする工程において、被着面に貼着されている粘着シートを前記シート状基材の上から視覚的に確認しつつ前記剥離補助貼付材を前記粘着シートの上に位置合わせすることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の剥離補助貼付材の使用方法。
  10. シート状基材の片面の実質全領域に接着層が設けられていて該シート状基材の大きさが被着面に貼着されている経皮吸収性の法規制薬物含有粘着剤層が設けられてなる貼付製剤の大きさよりも大きい貼付材であって、該貼付製剤を被着面から剥離し、廃棄又は回収するために用いられることを特徴とする剥離補助貼付材。
  11. 前記接着層の接着力が、日本工業規格 JIS Z0237に準拠して測定した際に5N/cm以上であることを特徴とする請求項1記載の剥離補助貼付材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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