JP2006223374A - 手術支援装置、手術支援システム及び手術支援方法 - Google Patents

手術支援装置、手術支援システム及び手術支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】手術の進行過程に沿った仮想画像を記録することができる手術支援装置を提供する。
【解決手段】本発明の手術支援装置は、手術部位の仮想画像に対して、加工処理を施して加工画像を作成する画像加工処理と、手術部位に対する内視鏡下手術の進行過程に応じて、画像加工処理により作成された加工画像を記録する加工画像記録の処理を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、手術支援装置、手術支援システム及び手術支援方法に関し、特に、仮想画像を用いた手術支援装置、手術支援システム及び手術支援方法に関する。
近年、画像による診断が広く行われるようになっており、例えばX線CT(Computed Tomography)装置等により被検体の断層像を撮像することにより被検体内の3次元的な仮想画像データを得て、該仮想画像データを用いて患部の診断が行われるようになっている。
CT装置では、X線照射・検出を連続的に回転させつつ被検体を体軸方向に連続送りすることにより、被検体の3次元領域について螺旋状の連続スキャン(ヘリカルスキャン:helical scan)を行い、3次元領域の連続するスライスの断層像から、3次元な仮想画像を作成することが行われる。
さらに、術前の診断ではなく、手術中の術者に対し、被検体の情報を提供し得る仮想画像表示装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−337462号公報
しかし、上述した提案に係る装置により表示される仮想画像は、被検体の仮想画像であるが、手術の進行に対応するものではないため、手術の進行に応じて切除等された部位は依然として切除前の状態で表示される。従って、術者が術中に仮想画像を参照しても、手術の進行に沿ったものではないため、見難い場合がある。すなわち、仮想画像は、単に被検体の術前の仮想画像を得たときの画像であるため、例えば既に取り除いた組織も依然として残ってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、手術の進行過程に沿った仮想画像を記録することができる手術支援装置を提供することを目的とする。
本発明の手術支援装置は、手術部位の仮想画像に対して、加工処理を施して加工画像を作成する画像加工処理手段と、前記手術部位に対する内視鏡下手術の進行過程に応じて、前記画像加工処理手段により作成された前記加工画像を記録する加工画像記録手段を有する。
本発明の手術支援装置によれば、手術の進行過程に沿った仮想画像を記録することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる仮想画像表示装置を備えた手術支援システムの全体構成を示す概略構成図である。図2は、図1の手術支援システムの全体構成を示すブロック図である。図3は、図1の内視鏡の外観構成を示す斜視図である。図4は、取付対象部が術者の腕部の場合の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態の手術支援システム1は、内視鏡システム1Aと仮想画像表示装置1Bとが組み合わせて構成されている。内視鏡システム1Aは、観察手段としての内視鏡2、カメラコントロールユニット(以下、CCUという)4、光源装置5、電気メス装置6、気腹器7、超音波駆動電源8、ビデオテープレコーダ(以下、VTRという)9、システムコントローラ10及び内視鏡ライブ画像を表示する参照用の内視鏡画像用モニタ13を含む。その内視鏡2には、CCU4と光源装置5が接続されている。システムコントローラ10には、CCU4、光源装置5、電気メス装置6、気腹器7、超音波駆動電源8及びVTR9が接続されている。さらに、リモコン12A、及び音声入力マイク12Bが、システムコントローラ10に接続されている。
仮想画像表示装置1Bは、仮想画像生成部11、マウス15、キーボード16、仮想画像表示用のモニタ17及び、手術室に配された仮想画像用のモニタ17aを有している。仮想画像生成部11は、画像処理が可能なコンピュータである。仮想画像生成部11には、後述するセンサ3a、システムコントローラ10、マウス15、キーボード16、モニタ17及び17aが接続されている。内視鏡画像用のモニタ13と仮想画像用のモニタ17aはそれぞれ表示手段であり、手術室に配された術者用モニタ32を構成する。
内視鏡2は、本実施の形態では、図3及び図4に示すような腹腔鏡を用いている。この腹腔鏡は、被検体の体腔内に挿入するための挿入部37Aと、挿入部37Aの基端側に設けられた把持部37Bと、この把持部37Bに設けられた接眼部37Cとから構成される。また、挿入部37Aの内部には、照明光学系及び観察光学系が設けられており、被検体の腹腔内の観察部位を照明し、被検体の腹腔内の観察像を得ることが可能である。把持部37Bには、ライトガイドコネクタ2aが設けられている。このライトガイドコネクタ2aには、一端が光源装置5に接続されたライトガイドケーブルの他端に設けられたコネクタが接続される。これにより、照明光学系を介して光源装置5からの照明光により観察部位を照明する。
接眼部37Cには、図4に示すようにCCD等の固体撮像素子を内蔵したカメラヘッド2Aが接続される。このカメラヘッド2Aには観察像のズームイン/アウトなどの操作を行うためのリモートスイッチ2Bが設けられている。このカメラヘッド2Aの基端側にカメラケーブルが延設されている。また、そのカメラケーブルの他端には、CCU4に電気的に接続するための接続コネクタが設けられている。
このような内視鏡(ここでは腹腔鏡)2は、手術時、センサ3aを所定の位置に有するトラカール37に挿通されて用いられるようになっている。また、トラカール37には、気腹器7に接続された送気用チューブのコネクタが接続される。これにより、気腹器7からの送気により腹腔内を膨らませて内視鏡2の視野や処置のための空間領域を確保する。
内視鏡2は、トラカール37に挿通された状態のまま、このトラカール37によって患者体内の腹部に保持されながら挿入部37Aを腹部領域に挿入されて、観察光学系を介して得られた腹腔内の観察像をカメラヘッド2Aを介してCCU4に供給する。
CCU4は、図2に示すように、内視鏡2からの撮像信号に信号処理を施し、撮像信号に基づく画像データ(例えば内視鏡ライブ画像データ)を、手術室内に配されたシステムコントローラ10及びVTR9に供給する。なお、この場合、システムコントローラ10からの制御により、内視鏡のライブ画像の静止画あるいは動画に基づく画像データがCCU4から選択出力されることになる。また、システムコントローラ10の詳細な構成ついては後述する。
VTR9は、システムコントローラ10の制御により、CCU4からの内視鏡ライブ画像データを記録し、あるいは再生可能である。再生時の場合には、再生された内視鏡ライブ画像データをシステムコントローラ10に出力する。
光源装置5は、ライトガイドケーブル内のライトガイドを介して内視鏡2に設けられた照明光学系に対して照明光を供給するための光源装置である。
電気メス装置6は、例えば患者の腹部領域内の異常部を高周波電流を用いて切断したりする手術処置具と、その処置具に対して高周波電流を出力する高周波出力装置からなる。超音波駆動電源8は、超音波プローブや鉗子等で前記異常部を切断あるいは採取したりする手術処置具と、その処置具に対して高周波電流を出力する高周波出力装置からなる。
また気腹器7は、図示はしないが送気、吸気手段を備え、接続されるトラカール37を介して患者体内の例えば腹部領域に空気を送気するものである。
これらの光源装置5,電気メス装置6,気腹器7及び超音波駆動電源8は、システムコントローラ10と電気的に接続されており、このシステムコントローラ10によってその駆動が制御されるようになっている。
また、手術室内には、上述した各種機器の他にシステムコントローラ10及び術者用モニタ32が配されている。
本実施の形態では、例えば患者30の腹部内にトラカール37を介して挿入部を挿入して被検体を撮像する術者31が、図1に示すような位置で処置を行うものとすると、この術者31の位置に対応した見やすい位置(視野方向)に、術者用モニタ32が設置されるようになっている。
術者用モニタ32は、上述したように、内視鏡画像用のモニタ13とこれに並設される仮想画像用のモニタ17aとを有している。
また、本実施の形態では、内視鏡2の視野方向に基づく仮想画像を生成し表示するために、図4に示すように、センサ3aを術者31の腕部の取付対象部3Bに設けても良いし、あるいは内視鏡2を挿通するトラカール37等の取付対象部3Aにセンサ3aを装着してもよい。このセンサ3aは、例えばジャイロセンサ等のセンサが所定のユニットに収容されており、トラカール37などの取付対象部3Aの腹部領域への挿入角度等の情報を検出し、接続線11aを介して後述する仮想画像生成部11に供給する。なお、センサ3aは、接続線11aを介して仮想画像生成部11に電気的に接続されるが、無線にてデータ通信可能に仮想画像生成部11に接続するように構成しても良い。なお、トラカール37に挿入部37Aの挿入量を検出するためのエンコーダを設け、挿入部37Aの先端部の位置情報も合わせて得るようにしてもよい。そして、その位置情報と視野方向の情報とに基づいて、後述する仮想画像の生成及び表示に使用してもよい。
システムコントローラ10は、内視鏡システム全体の各種動作(例えば表示制御や調光制御等)を制御するもので、図2に示すように、通信インターフェイス(以下、通信I/Fという)18、メモリ19、制御部としての中央処理装置(以下、CPUという)20及び表示インターフェイス(以下、表示I/Fと称す)21とを有している。
通信I/F18は、CCU4、光源装置5、電気メス装置6、気腹器7、超音波駆動電源8、VTR9及び後述する仮想画像生成部11に電気的に接続されており、これらの駆動制御信号の送受信、または内視鏡画像データの送受信をCPU20の制御によって行う。なお、この通信I/F18には、遠隔操作手段としての術者用のリモコン12A及び音声入力マイク12Bが電気的に接続されており、リモコン12Aの操作指示信号あるいは音声入力マイク12Bの音声指示信号を取り込み、CPU20に供給するようになっている。
このリモコン12Aは、図示はしないが例えば内視鏡ライブ画像用の仮想画像表示用のモニタ17あるいは術者用モニタ32に表示される表示画像に対応したホワイトバランスボタン、気腹器7を実行するための気腹ボタン、気腹実行の際の圧力を上下に調整するための圧力ボタン、VTR9に内視鏡ライブ画像を録画実行するための録画ボタン、その録画実行の際のフリーズボタン及びレリーズボタン、内視鏡ライブ画像あるいは仮想画像表示を実行するための表示ボタン、仮想画像を表示する際に2次元表示(2D表示)を実行するための操作ボタン(各種2D表示モードに応じたアキシャルボタン、コロナルボタン、サジタルボタン等)を有している。さらに、このリモコン12Aは、仮想画像を表示する際に3次元表示(3D表示)を実行するための操作ボタンであって、各種3D表示モードを実行した際の仮想画像の視野方向を示す挿入点ボタン(内視鏡2の腹部領域に対する挿入情報で、例えば内視鏡2を挿入する腹部領域のX方向、Y方向、Z方向の数値を表示するためのボタン)、注目点ボタン(注目する腹部領域のX方向、Y方向、Z方向の数値を表示するためのボタン)、3D表示する際の表示倍率変更を指示するためのボタン(表示倍率を縮小する縮小ボタン、表示倍率を拡大する拡大ボタン等)、表示色を変更するための表示色ボタン、トラッキングを実行するためのトラッキングボタン、各ボタンの押下により決定した操作設定モードに対して設定入力情報の切換や決定等を行う操作ボタンや数値等を入力するためのテンキー等を有している。
なお、本実施の形態では、センサ3aを有するユニットに例えば押下式のスイッチを設け、このスイッチを押下操作することにより、リモコン12Aの各ボタンによる機能の実行が可能となるように構成しても良い。
したがって、これらの各ボタンを備えたリモコン12A(またはスイッチ)を用いることによって、術者は所望する情報が迅速に得られるように操作することが可能である。
メモリ19は、例えば内視鏡静止画像の画像データや機器設定情報等のデータを記憶するもので、これらのデータの記憶、及び読み出しはCPU20によって制御がなされるようになっている。
表示I/F21は、CCU4、VTR9及びモニタ13に電気的に接続されており、CCU4からの内視鏡ライブ画像データあるいはVTR9の再生された内視鏡画像データを送受信し、例えば受信した内視鏡ライブ画像データをモニタ13に出力する。これにより、モニタ13は供給された内視鏡ライブ画像データに基づく内視鏡ライブ画像を表示する。
また、モニタ13は、内視鏡ライブ画像の表示の他に、CPU20の表示制御により、内視鏡システムの各種機器設定状態やパラメータ等の設定情報を表示することも可能である。
CPU20は、システムコントローラ10内の各種動作、すなわち、通信I/F18、表示I/F21による各種信号の送受信制御、メモリ19への画像データの書き込みやメモリ19からの画像データの読み出し制御、モニタ13の表示制御、さらにはリモコン12A(またはスイッチ)の操作信号に基づく各種動作制御等を行う。
一方、システムコントローラ10には、仮想画像生成部11が電気的に接続されている。
仮想画像生成部11は、図2に示すように、CT画像DB部23、メモリ24、CPU25、通信I/F26、表示I/F27、及び切替え部27Aを有している。
CT画像DB部23は、患者のX線断層像を撮像する図示しない公知のCT装置で生成された3次元画像データを、例えばMO(Magneto−Optical disk)装置やDVD(Digital Versatile Disc)装置等、可搬型の記憶媒体を介して取り込むCT画像データ取り込み部(図示せず)を備え、取り込んだ3次元画像データ(CT画像データ)を格納するものである。この3次元画像データの読み出しや書き込みは、CPU25によって制御される。
メモリ24は、例えば3次元画像データやCPU25によりこの3次元画像データに基づき生成あるいは加工された仮想画像データ等のデータを記憶するもので、これらのデータの記憶、及び読み出しはCPU25によって制御がなされるようになっている。
通信I/F26は、システムコントローラ10の通信I/F18、取付対象部3Aに設けられたセンサ3aに接続されており、仮想画像生成部11とシステムコントローラ10とが連動して各種動作するのに必要な制御信号の送受信や、センサ3aからの検出信号の受信を行うもので、CPU25によって制御され、CPU25内に取り込まれるようになっている。
表示I/F27は、CPU25の制御により生成された仮想画像を切替部27Aを介して仮想画像用のモニタ17,17aに出力する。これにより、仮想画像用モニタ17,17aは供給された仮想画像を表示する。この場合、切替部27Aは、CPU25による切替え制御によって、仮想画像の出力を切替えて、指定された仮想画像用モニタ17又は17aに対し出力することが可能である。なお、仮想画像の表示を切替える必要がない場合には、切替部27Aを設けなくても良く、仮想画像用モニタ17,17aの双方に同じ仮想画像を表示させても良い。
CPU25には、マウス15及びキーボード16が電気的に接続されている。これらマウス15及びキーボード16は、この仮想画像表示装置1Bによる仮想画像表示動作を実行するのに必要な各種設定情報等を入力したり設定したりするための操作手段である。
CPU25は、仮想画像生成部11内の各種動作、すなわち、通信I/F26、表示I/F27による各種信号の送受信制御、メモリ24への画像データの書き込みやメモリ24からの画像データの読み出し制御、モニタ17、17aの表示制御、切替部27Aの切替え制御、さらにはマウス15やキーボード16の操作信号に基づく各種動作制御等を行う。
また、CPU25は、図示はしないがCT画像DB部23から読み込んだ3次元画像データ(CT画像データ)を用いて、センサ3aからの挿入角度情報に基づき、仮想画像を生成する画像処理手段としてのソフトウエアプログラムを実行する。そのプログラムは、予め図示しないROM等のメモリにストアされる。CPU25は、この画像処理手段を用いて生成された仮想画像、すなわち、内視鏡リアル画像に対応した仮想画像を、切替部27Aにより切替えて指定したモニタ17、17aに表示させる表示制御を行う。また、そのような画像処理用のプログラムには、一般に、3次元画像の加工を行う加工処理手段、対象形状等を変更するためのパラメータ変更手段等を含んでいる。
なお、本実施の形態では、仮想画像生成部11を、例えば遠隔地に配された仮想画像生成部に通信手段を介して接続するように構成すれば遠隔手術支援システムとして構築することも可能である。
以上のような構成に係る手術支援システム1は、その利用方法は種々あり、術前、術中及び術後のそれぞれにおいて利用できる。
次に、以上のような構成に係る手術支援システム1の全体的な作用を説明する。図5は、手術支援システム1の全体の作用を説明するための図である。図5に示すように、まず、患者の術前画像を、3次元画像データである仮想画像として記憶手段であるCT画像DB部23にストアする(ステップS1)。術前の仮想画像(3次元画像)は、例えば、上述したように、CT装置により得た患者の断層像から作成し、CT画像DB部23に記録、すなわちストアされる。
手術の進行過程を示す手術スケジュールのデータ(以下、スケジュールデータという)を、記憶手段であるメモリ24にストアする(ステップS2)。スケジュールデータは、内視鏡下手術の進行過程に応じた複数の手術ステップのデータを含み、後述する加工画像が関連付けられるように、各ステップが区別できるようなデータであれば、どのようなデータでもよい。例えば、後述するように、単なる番号でもよい。
次に、術者は、ストアされた手術スケジュールの手術ステップに応じて術前の仮想画像を加工し、術前の仮想画像及びその仮想画像を加工した加工画像のデータを、仮想画像記録手段であるメモリ24にストアする(ステップS3)。加工画像も仮想画像である。このステップS3の仮想画像を加工する処理が、画像加工処理手段および画像加工処理ステップを構成する。また、ステップS3の加工画像のデータをメモリ24にストアする処理が、加工画像記録手段および加工画像記録ステップを構成する。
以上のステップS3によって作成された加工画像と術前の加工処理がされていない仮想画像とが手術ステップに応じてメモリ24にストアされ、手術が開始されると、手術の進行過程に合った手術ステップに応じて、メモリ24から各手術ステップに対応する仮想画像又は加工画像のデータが読み出されて、仮想画像用モニタ17aの画面上に再生される(ステップS4)。その結果、手術中に、手術の進行にあった仮想画像がモニタ17aに表示される。このステップS4が、表示制御手段及び表示制御ステップを構成する。
なお、本実施の形態では、CT装置により得た患者の断層像から作成した仮想画像として3次元画像を用いているが、3次元画像を用いなくてもよく、2次元画像であってもよい。さらになお、仮想画像は、手術を行う患者自身の3次元画像データを用いて生成してもよいし、別途用意される他人の3次元画像データを用いて生成してもよい。
ここで、図5のステップS3における仮想画像及び加工画像のデータのストアについて詳細に説明する。
仮想画像生成部11は、その3次元画像データをメモリ24にストアしており、術者等の操作者が、操作手段であるマウス15とキーボード16を操作することによって、3次元データに基づく仮想画像を仮想画像表示用のモニタ17上に表示させることができる。その場合、内視鏡下での手術であるので、想定される内視鏡の挿入方向又は位置の情報をキーボード16等から入力して指示することによって、実際に手術時に内視鏡2により観察される画像と同様の観察方向の仮想画像を表示させることができる。
図6は、術前の仮想画像から加工画像が作成される過程を説明するための図である。加工画像は、仮想画像表示装置1Bによって作成される。術者等の操作者が、仮想画像生成部11に接続されたマウス15とキーボード16を用いて、仮想画像表示用のモニタ17に手術部位を含む所望の仮想画像を表示させながら、加工画像を作成する。なお、ここでは、説明の簡単のために、ある血管を切断する例を示すが、手術内容に応じた加工画像が作成される。
図6の仮想画像VR1には、モニタ17の画面51内に患者の手術部位である血管52を含む画像が表示されている。仮想画像VR1は、CT画像DB部23あるいはメモリ24からその血管52及びその周囲組織の部分の画像を読み出すことによって、モニタ17に表示された3次元画像である。上述したように、操作者が実際の内視鏡下による手術を想定して、操作者が内視鏡の視野方向等の情報をキーボード16を用いてCPU25に指示することによって、所望の仮想画像をモニタ17に表示させ得る。
血管を切断する場合、切断箇所の前後にクリップ(ここでは4つ)を設け、そのクリップ間を切断することによって、切断箇所からの出血を防止することができる。従って、手術部位である血管52に複数のクリップを設けるという手術ステップを示す画像が作成される。すなわち、操作者は、クリップ53が血管52に設けられた状態を示す仮想画像を、仮想画像VR1に対して加工処理を施して作成することができる。具体的には、周知の3次元画像処理ソフトウエアを用いて、血管の3次元画像データに、クリップの3次元画像データを追加するように加工処理が行われる。従って、そのような周知の3次元画像処理ソフトウエアを有する仮想画像生成部11が、手術部位である血管等の仮想画像に対して加工処理を施して加工画像を作成する画像加工処理手段を構成する。図6の加工画像VR2は、手術前の状態を示す血管を含む仮想画像に、血管を切断する前のステップとしてのクリップを血管に設けるステップが実行された後の状態を示している。言い換えると、加工画像VR2は、手術ステップに応じて血管の仮想画像にクリップを付けた状態を示す仮想画像である。
次の加工画像VR3は、血管52のクリップ53に挟まれた部分が切断された後の状態を示す仮想画像である。加工画像VR3において、血管52の切断箇所の部分が垂れ下がっている。切断箇所の端部が、重力の影響で垂れ下がるようにすることも、3次元画像処理の周知の方法により実現される。
以上のように、手術の進行ステップ、例えば血管にクリップを設けるというステップ後に血管を切断するというステップが続くという手術ステップに応じて、加工画像が作成され、メモリ24に記録される。
なお、手術ステップと加工画像との対応には、種々の方法がある。例えば、手術ステップは、術者が決めた任意のステップでもよいし、単にインクリメントしたステップ番号を加工画像に対応付けるようにしてもよい。さらに、加工画像は、ステップS2の手術スケジュールデータと関連付けて手術ステップと対応付けてもよく、あるいは手術の進行の時間経過に応じて予め決められたタイマから出力されるタイミング信号と対応付けてもよい。さらにあるいは、操作信号としては、後述する音声信号、フットスイッチ等の所定のスイッチ操作信号でもよい。
また、手術ステップは、処置具の操作状態に関連付けてもよい。例えば、手術ステップは、手術において使用される電気メス装置6の処置具の操作状態を示す操作信号、例えば処置具に対する所定のオン操作信号、処置具の所定の出力信号等の状態に関連付けられる。手術ステップと処置具の操作状態との関連付けについては後述する。
また、図6のVR1のように、加工しない仮想画像を手術ステップに応じて記録しておきたい場合もあるので、メモリ24には、加工していない仮想画像と、仮想画像に対して加工処理をした加工画像とが記録される。
ステップS3において記録された仮想画像(加工画像を含む)は、ステップS4において手術ステップに応じてメモリ24から読み出してモニタ17に表示させることができる。
上述したように、手術支援システム1は、術前、術中及び術後のそれぞれにおいて利用できるが、まず、術中に仮想画像(加工画像を含む)を手術ステップに応じてモニタ17aに表示させるように利用する場合について説明する。なお、ここでは説明を簡単にするために、仮想画像は、単純に手術ステップと番号のみで関連付けられており、その番号をインクリメントあるいはデクリメントする指示に応じて、その番号に対応した仮想画像が読み出される場合で説明する。
術者は、手術開始後、所定の指示、例えばマイク12Bを用いた音声指示によって、最初の番号、例えば番号「1」の仮想画像をモニタ17aに表示させる。仮想画像は、連続した番号によって関連付けられている。そして、術者がマイク12Bを介して例えば「次」という言葉を発することによってシステムコントローラ10において音声認識され、「次」という言葉が認識されたことを示す情報(仮想画像に対応する番号をインクリメントするインクリメント指示情報)が、仮想画像生成部11へ送信される。仮想画像生成部11は、そのインクリメント指示情報を受信すると、仮想画像に関連付けられた番号(以下、手術ステップ番号という)を1つ増やした手術ステップ番号に対応する仮想画像をモニタ17aに表示する。また、術者がマイク12Bを介して例えば「前」という言葉を発することによってシステムコントローラ10において音声認識されると、「前」という言葉が認識されたことを示す情報(仮想画像に対応する番号をデクリメントするデクリメント指示情報)が、仮想画像生成部11へ送信される。その結果、仮想画像生成部11は、手術ステップ番号を1つ戻して、その戻した手術ステップ番号に対応する仮想画像をモニタ17aに表示する。
図7は、内視鏡画像と仮想画像の表示対応の例を説明するための図である。図7に示すように、血管に4つのクリップを設けた後に、術者が「次」の言葉を発すると、システムコントローラ10からの指示により、仮想画像生成部11は、モニタ17aに表示される仮想画像を、仮想画像VR4からVR5へ変更する。
このとき、血管を切断する前と切断した後の仮想画像が、モニタ17aにも表示されているので、術者は、モニタ13に表示されるライブの内視鏡画像と、モニタ17aに表示される手術ステップに応じた仮想画像とを見ながら、手術を進めることができる。
なお、上述したように、マイク12Bを利用した音声指示ではなく、内視鏡2の操作部に設けられたボタン等のスイッチに予め機能を割り付けておき、手術ステップを進めたり戻したりするようにしてもよい。例えば、1つのボタンは手術ステップ番号をインクリメントするボタンとし、他の一つは手術ステップ番号をデクリメントするボタンとして、術者がそれらのボタンを適宜押すことによって、手術ステップに応じた所望の仮想画像をモニタ17aに表示させることができる。
さらにまた、上述したように、手術器具等の操作状態、例えば、所定のスイッチが押された、所定の出力信号が出力された、等の状態を、手術の進行における各手術ステップに応じて、仮想画面に予め関連付けておくと、術者が手術中に手術器具等を操作すると、自動的に、その手術ステップに対応した仮想画像がモニタ17aに表示されるようにしてもよい。
図8は、その処置具の出力状態に応じて仮想画像生成装置11が手術ステップに応じた仮想画像をモニタ17,17aに表示させる場合を説明するための、手術支援システム1のブロック構成図である。
手術支援システム1は、CCU4と、CCU4に接続されてライブの内視鏡画像を表示するモニタ13とを含む内視鏡システム1Aと、電気メス装置6の処置具6aの出力状態を検出する検出部11bを有する仮想画像表示装置1Bとからなる。検出部11bの出力信号によって、処置具6aが操作されて高周波電流出力が出力されたことが検出されると、仮想画像表示装置11は、所定の処置が行われたことと判断し、その処置後の状態を示す仮想画像(加工画像を含む)をモニタ17,17aに表示する。よって、手術支援システム1は、処置具等の状態に基づいて、手術の進行に応じた仮想画像の表示を行うことができる。
よって、術者は、術中にライブの内視鏡画像と、手術ステップに応じた仮想画像とを参照しながら、手術を行うことができる。すなわち、手術ステップに応じた仮想画像は、術者にとって手術を支援する画像となる。
なお、上述したように、モニタ17aに表示される3次元画像における手術部位は、センサ3aの出力信号を用いて得られた内視鏡2の視線方向又は位置の情報に基づいて、モニタ13に表示される内視鏡画像における手術部位の大きさと視線方向は一致するようにすることができる。従って、この場合は、ステップS3において加工処理されて作成される仮想画像は、手術部位の大きさ及び視線方向について考慮して作成する必要はない。
すなわち、仮想画像表示装置1Bは、手術開始後は、センサ3aの出力信号に応じて、内視鏡2の視野方向に対応した仮想画像をモニタ17,17aに表示させるようにし、所定のステップになったときに、上述したステップS3に応じて記録された仮想画像を表示するようにしてもよい。
しかし、内視鏡2の視線方向と位置情報が得られない場合、仮想画像を2次元画像で作成する場合等がある。そのような場合は、手術ステップに応じて作成される仮想画像は、実際に行われる手術における内視鏡2の視線方向と位置を予め想定して作成される。
さらになお、術中の手術支援として、内視鏡画像と仮想画像を重畳したりするようにしてもよい。
図9は、内視鏡画像にその仮想画像を重畳した場合を説明するための図である。図9において、術者が「重畳」という言葉を発すると、その音声がシステムコントローラ10において音声認識され、その結果、仮想画像表示装置1Bは、内視鏡画像に仮想画像を重畳して内視鏡画像用のモニタ13あるいは仮想画像用のモニタ17aに表示する。この場合、術者は、血管52、神経54等の位置を確認しながら、処置を行うことができる。
上述したように、ステップS4の仮想画像を、術中に表示するようにすれば、仮想画像表示装置1Bは、手術支援装置として機能させることができる。
次に、術前に手術支援システム1が利用される場合について説明する。
まず、ステップS3において作成された仮想画像を、術前に術者が手術内容の確認等をするためにモニタ17に表示するようにすれば、仮想画像表示装置1Bは、手術シミュレーション装置として機能させることができる。すなわち、予め手術の進行に応じた仮想画像(加工画像を含む)を記録し、手術の進行に応じて仮想画像と加工画像を表示させれば、あたかもアニメーションのように手術ステップが表示されるので、術前に術者は、担当する手術の内容を、仮想画像により確認することができる。
よって、術前に手術の進行に合わせて記録された仮想画像を確認できるので、仮想画像表示装置1Bは、手術シミュレーションを行う手術支援装置として利用することができる。
また、このようなシミュレーション装置は、他の術者への教育用あるいはトレーニング用にも利用することができる。
具体的には、ステップS3において仮想画像に対して加工処理をして加工画像を作成することができるので、その加工処理機能と、手術の進行に応じた仮想画像の記録機能とを用いることによって、手術のトレーニング装置として、上述した仮想画像表示装置1Bを利用することができる。例えば、手術部位の対象臓器は、患者によって大きさが異なるので、ステップS3の画像の加工処理において、対象臓器の形状に係わるパラメータの変更をすれば、患者に合ったシミュレーションを行うことができる。3次元画像などの仮想画像の形状等のパラメータの変更は、その画像処理ソフトウエアに含まれるパラメータ変更機能(手段)を用いることによって行うことができる。
次に、術後に手術支援システム1を利用する場合について説明する。
まず、ステップS3において仮想画像を作成することができるので、術中に術者の処置内容をモニタ123に映し出される内視鏡画像を見ながら、術者以外の者、例えば看護師が、仮想画像生成部11に接続されたマウス15とキーボード16を用いて、仮想画像表示用のモニタ17あるいは17aに手術部位を含む所望の仮想画像を表示させながら、内視鏡下での処置内容に応じた仮想画像と加工画像を作成し、CT画像DB部23に記録する。これによって、手術内容の記録を作成することが出来る。
従って、術後、手術内容の記録をカルテの一部とすることができる。
以上のように、本実施の形態に係る手術支援システムによれば、手術の進行過程に沿った仮想画像を記録あるいは表示をすることができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
本発明の実施の形態に係わる仮想画像表示装置を備えた手術支援システムの全体構成を示す概略構成図である。 図1の手術支援システムの全体構成を示すブロック図である。 図1の内視鏡の外観構成を示す斜視図である。 取付対象部が術者の腕部の場合の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係わる手術支援システムの全体の作用を説明するための図である。 術前の仮想画像から加工画像が作成される過程を説明するための図である。 内視鏡画像と仮想画像の表示対応の例を説明するための図である。 処置具の出力状態に応じて仮想画像生成装置が手術ステップに応じた仮想画像をモニタに表示させる場合を説明するための、手術支援システムのブロック構成図である。 図9は、内視鏡画像にその仮想画像を重畳した場合を説明するための図である。
符号の説明
1 手術支援システム、1A 内視鏡システム、1B 仮想画像表示装置、2 内視鏡、4 CCU、5 光源装置、6電気メス装置、7 気腹器、8 超音波駆動電源、9 VTR、10 システムコントローラ、11 仮想画像生成部、13,17,17a モニタ
代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (11)

  1. 手術部位の仮想画像に対して、加工処理を施して加工画像を作成する画像加工処理手段と、
    前記手術部位に対する内視鏡下手術の進行過程に応じて、前記画像加工処理手段により作成された前記加工画像を記録する加工画像記録手段を有することを特徴とする手術支援装置。
  2. さらに、表示制御手段を有し、
    前記仮想画像記録手段は、前記加工画像に加えて、加工処理がされていない前記手術部位の仮想画像も記録し、
    前記表示制御手段は、前記内視鏡下手術の進行過程に応じて、前記加工画像又は前記仮想画像を読み出して表示手段に表示することを特徴とする請求項1記載の手術支援装置。
  3. 前記複数の仮想画像は、3次元画像データにより生成される画像であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の手術支援装置。
  4. 前記画像加工処理手段は、前記手術部位の対象臓器の形状に係わるパラメータを変更するパラメータ変更手段を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載の手術支援装置。
  5. 内視鏡により得られた内視鏡画像を表示する内視鏡画像表示手段と、
    手術部位に対する内視鏡下手術の進行過程に応じた前記手術部位の仮想画像を複数記録した仮想画像記録手段と、
    該仮想画像記録手段に記録された前記複数の仮想画像を表示する仮想画像表示手段と、
    前記内視鏡下手術の進行に応じて前記複数の仮想画像を前記仮想画像記録手段から読み出して前記仮想画像表示手段に表示する表示制御手段とを有することを特徴とする手術支援システム。
  6. 前記仮想画像記録手段に記録された前記複数の仮想画像は、前記手術部位の仮想画像と、前記手術部位の仮想画像に対して加工処理された加工画像とを含むことを特徴とする請求項5記載の手術支援システム。
  7. 前記表示制御手段は、前記内視鏡下手術の進行に応じた操作信号又は所定のタイマから出力されるタイミング信号に基づいて、前記複数の仮想画像を前記仮想画像記録手段から読み出して前記仮想画像表示手段に表示することを特徴とする請求項6記載の手術支援システム。
  8. 前記操作信号は、音声指示信号、スイッチ操作信号又は処置具操作信号であることを特徴とする請求項7に記載の手術支援システム。
  9. 前記複数の仮想画像は、3次元画像データにより生成される画像であることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか記載の手術支援システム。
  10. 前記仮想画像表示手段は、前記内視鏡の視野方向又は位置の情報に基づいて生成された画像を前記仮想画像として表示することを特徴とする請求項7記載の手術支援システム。
  11. 手術部位の仮想画像に対して、加工処理を施して加工画像を作成する画像加工処理ステップと、
    前記手術部位に対する内視鏡下手術の進行過程に応じて、前記画像加工処理ステップにおいて作成された前記加工画像を記録する加工画像記録ステップと、
    内視鏡により得られた内視鏡画像を第1の表示手段に表示する内視鏡画像表示ステップと、
    前記内視鏡下手術の進行に応じて前記仮想画像又は前記加工画像を読み出して第2の表示手段に表示する表示制御ステップとを有することを特徴とする手術支援方法。

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