JP2006221859A - 導線およびモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 導体と絶縁被膜との密着性を高めることにより、導線に引張りなどが作用しても導体と絶縁被膜との剥離が生じ難い導線と該導線からなるコイルを備えたモータを提供する。
【解決手段】 導線1にその軸心方向に向かう引張りが作用した際に、導体2と絶縁被膜3とが相対的に位置ずれすることを防止する防止手段が備えられており、防止手段の一実施形態としては導体表面に人為的に形成された凹凸2aがあり、他の実施形態としては、導体表面に凹凸4aを備えて形成される化成被膜4であり、この化成被膜4の表面に形成されるカチオン電着塗膜5である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、導体とその外周の絶縁被膜とから構成される導線および該導線がステータのティースに巻き回されてなるコイルを備えたモータに係り、特に、導体と絶縁被膜との密着性を高めることにより、導線に引張りなどが作用しても導体と絶縁被膜との剥離が生じ難い導線と該導線からなるコイルを備えたモータに関するものである。
例えば、モータを構成するステータのティースまわりには、導線が集中巻きもしくは分布巻き等されることによってコイルが形成されている。かかるコイルは、隣接する導線同士の電気的絶縁性を確保するために、各導線は、例えば銅からなる導体のまわりにエナメル被膜等の絶縁被膜が設けられているのが一般的である。
かかるエナメル被膜は、エナメル樹脂を塗布するとともに焼き付ける工程を複数回経ることによって成形される多層構造の被膜であり、多層構造とすることで、絶縁性能の確保が図られている。このエナメル樹脂が塗布される導体表面は、表面粗さ(Ra)が0.05μm未満と粗さが極めて低い。これは、銅製の棒や板から所望径の銅線を加工する際に、その表面にきずが生じたり異物が付着することを避けるためにおこなわれる引抜き工程によるものである。かかる工程においては、例えば、太い棒から細い銅線へ引抜く際に、銅線がその途中で切断されないように銅線表面が滑らかに成形されている。導体の表面が滑らかな状態でそのまわりにエナメル樹脂を塗布して焼き付けをおこなうに際し、JIS/C/3003に規定されているエナメル線試験方法に基づき導体とエナメル被膜との間の所要の密着力が確保されている。
ところで、導線をティースのまわりに巻き回す巻線工程の際には、ティースの隅角部、すなわち、スロットからコイルエンドにわたる部分において該導線に大きな引張りが作用し易く、さらには隅角部にて導線が強制的に折り曲げられることから、隅角部付近において導線を構成する導体とそのまわりのエナメル被膜とが剥離し易いといった問題がある。特に、コイルエンドにおいては最終的にレーシング工程やプレス成形工程なども施されるが、かかる工程の際にも導線には極めて大きな引張りが作用することになる。近時のHV車用モータのように、モータの小型化と高出力の双方を同時に満足させようとするモータにおいては、コイルの高占積率を図るために過酷な導線の巻きまわしがおこなわれ、その結果として上記する導体と絶縁被膜との剥離などが生じ易くなっているのが現状である。
特許文献1には、銅線のまわりにジルコニウムシリコンからなるセラミック絶縁被膜が形成され、そのまわりにプライマが形成され、さらにそのまわりに融着被膜が形成されてなる絶縁導線に関する発明が開示されている。本発明によれば、互いに密着性の悪いセラミック絶縁被膜と融着被膜との間に有機樹脂変性シリコンからなるプライマが介装されているため、このプライマを介して双方の剥離を防止することが可能となり、さらには、耐熱性と屈曲変形性能を確保することができる。
一方、特許文献2には、回転電機の巻線を絶縁する方法に関する発明が開示されている。この方法は、導体上に、ピロメリティックジアンハイドライドタイプのポリイミドワニスを複数回塗布および焼き付けしてエナメル被膜を形成したポリイミド絶縁電線を、所定のスロット絶縁および相間絶縁を介して鉄心に巻きまわし、さらに必要に応じて熱硬化性樹脂を含浸して加熱硬化する方法である。ピロメリティックジアンハイドライドタイプのポリイミドワニスからなるエナメル被膜は、400℃程度までの広い温度範囲で熱膨張係数の温度による変化が小さいことから、導体の急激な温度変化にも追随でき、エナメル被膜が導体から剥離し難いといった効果がある。
特開2004−55377号公報 特開平3−291814号公報
特許文献1に開示の絶縁導線によれば、セラミック絶縁被膜と融着被膜との間の密着性の悪さをその間に介装されたプライマによって解消できるものの、銅線とセラミック絶縁被膜との密着性を高めることはできない。したがって、上記するように導線に過大な引張りが作用した際には、導線を構成する銅線とセラミック絶縁被膜との間に被膜の剥離等が生じてしまい、かかる問題の解決には至らない。また、特許文献2に開示の巻線を絶縁する方法によれば、使用されるポリイミドワニスが、400℃程度までの広い範囲にわたって銅に比較的近い寸法変化を呈することから導体の変形に追随することが可能となる。しかし、かかる方法によって製作される巻線においても、巻線に過大な引張りが作用した際に導体から絶縁被膜が剥離するといった問題を解決するには至らない。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、導線の巻線工程やレーシング工程、プレス成形工程などの際に該導線にその軸心方向の過大な引張りが作用した場合にも、導体から絶縁被膜が剥離する可能性の極めて低い導線と、該導線からなるコイルを備えたモータを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による導線は、導体とその外周の絶縁被膜とから構成される導線であって、導線にその軸心方向に向かう引張りが作用した際に、導体と絶縁被膜とが相対的に位置ずれすることを防止する防止手段が備えられていることを特徴とする。
ここで、防止手段は特に限定するものではないが、導線の軸心方向に向かう引張りが作用した際に、導体と絶縁被膜とが位置ずれしないように、双方の間に接着剤が介在している実施形態や、導体との密着性の高い絶縁被膜から構成される実施形態などがある。また、ここでいう相対的な位置ずれとは、既述するような絶縁被膜が導体から剥離することを意味している。
なお、導体は、銅やアルミニウムを代表とする適宜の金属から製作される。一方、絶縁被膜は、エナメル樹脂等の公知の樹脂材から成形される。また、絶縁被膜の形成方法も、導体表面に樹脂材を塗布し、焼き付けをおこなうといった工程を複数回繰り返して形成する公知の方法が適用できる。
また、本発明による導線の他の実施形態において、前記防止手段は、導体の表面に人為的に形成された凹凸であることを特徴とする。
ここで、導体の表面に人為的に凹凸を形成する方法としては、例えば、無数の鉄や非鉄金属の球体を高速度で導体表面に衝突させるショットピーニング法などが適用できる。
導体表面を微視的に見れば、既述するように表面粗さ(Ra)が0.05μm未満の凹凸が形成されている。本発明においては、ショットピーニング法など適宜の方法により、既に導体が備えている凹凸よりもより大きな凹凸、すなわち、より表面を粗くするものである。かかる粗い表面を備えた導体のまわりに絶縁被膜が形成されるため、導体と絶縁被膜との密着面のアンカー効果を期待することができ、導線に引張りが作用した場合でも導体と絶縁被膜との相対的な位置ずれが生じ難くなる。
また、導体表面に人為的に凹凸を形成する際のショットピーニング法は公知の方法であり、導線を構成する材料も一般的なものを使用できるため、本発明によれば、非常に安価な方法で、導体と絶縁被膜との高い密着性を備えた導線を製作することが可能となる。
また、本発明による導線の他の実施形態は、導体と絶縁被膜との間に表面が凹凸状の化成被膜が介装されており、前記防止手段が該化成被膜表面の凹凸であることを特徴とする。
化学物質を使用して物体表面に何らかの反応物を形成する方法を化成処理といい、この際に生じる反応物を化成被膜という。例えば、銅からなる導体にリン酸塩処理などの酸洗いを施すことにより、リン酸銅を導体表面に析出させることができ、このリン酸銅が化成被膜となる。この化成被膜は、当初成形される導体表面の粗さよりもより粗い凹凸を備えているため、かかる凹凸が防止手段となることで、化成被膜と絶縁被膜との密着性を高めることが可能となる。なお、導体とその表面に析出した化成被膜との密着性が高いことは言うまでもない。
ショットピーニング法によって導体表面に所要の凹凸を付与する作業は、化成処理に比べて設備が大規模なものとなるため、本発明によれば、より加工費用を低減することができる。
また、本発明による導線の好ましい実施形態は、前記化成被膜と前記絶縁被膜との間には電着塗膜が介装されており、前記防止手段には、該電着塗膜がさらに含まれていることを特徴とする。
本発明では、導体表面に化成被膜を形成させた後、低濃度の水溶性塗料あるいは水分散性樹脂溶液のなかにこの導体を入れ、対極との間に直流電流を流すことで化成被膜のまわりに塗料の薄い膜、すなわち電着塗膜を析出させるものである。この方法は、電着塗装と呼ばれている。
電着塗装としては、例えばカチオン型の電着塗装を適用することができる。カチオン型の電着塗装では、塗料が正に帯電しており、被塗物を陰極とするために、金属イオンの溶出しがなく、さらには、変色を起こすことなく銅や銅合金に塗装を施すことができる。
カチオン電着による電着塗膜とリン酸銅からなる化成被膜との密着性が非常に高いこと、および、電着塗膜(電着塗料樹脂)と絶縁被膜(例えばエナメル樹脂からなる被膜)とが樹脂間の高い結合力を有していることより、カチオン電着による電着塗膜を化成被膜と絶縁被膜との間に形成することで導体と絶縁被膜とは非常に強固に接続されることとなる。
また、本発明による導線の他の実施形態において、前記導体の表面に形成された凹凸からなる表面粗さ(Ra)が0.1〜0.5μmの範囲にあることを特徴とする。
表面粗さ(Ra)が従来一般に使用されている導体表面に形成されている凹凸の0.05μm未満の場合はもとより、0.1μm未満の場合には、その導体と絶縁被膜との間の密着性は、導線に作用する引張りに対して絶縁被膜が導線から剥離しない程度まで十分ではない。発明者等の実験によれば、少なくとも導体表面の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上あれば、コイル形成時に導線に引張りが作用しても導体から絶縁被膜が剥離等しないことが見出されている。
一方、導体表面の表面粗さ(Ra)が0.5μmを超えると、導体の断面欠損量が多くなり、導体の電通性能の低下に繋がってしまう。そこで、導体と絶縁被膜との十分な密着性と導体の通電性能の双方を満足する範囲として、表面粗さ(Ra)を0.1〜0.5μmとしたものである。
また、本発明による導線の他の実施形態において、前記化成被膜表面の凹凸からなる表面粗さ(Ra)が0.1〜0.5μmの範囲にあることを特徴とする。かかる表面粗さ(Ra)は、ショットピーニングによって凹凸が形成される際には、導体表面に衝突する球体径や衝突速度などを適宜調整することにより形成することができる。
本発明は、化成被膜表面に人為的な凹凸を形成する実施形態であり、かかる凹凸からなる化成被膜表面の表面粗さ(Ra)も既述する理由より、0.1〜0.5μmの範囲に特定したものである。なお、化成被膜を形成する際に自然に形成される凹凸により、かかる範囲の表面粗さ(Ra)ができる。
さらに、本発明によるモータは、前記導線がステータのティースに巻き回されてなるコイルを備えたことを特徴とする。
上記する導線をティースまわりに集中巻きもしくは分布巻きすることによって形成されるコイルを備えたモータとすることで、コイル形成などの際(レーシング工程やプレス加工工程、)に導線に過大な引張りが作用した場合でも、導線を構成する導体と絶縁被膜との間に剥離が生じ難くなり、したがって、絶縁性能に優れたモータを製作することが可能となる。
以上の説明から理解できるように、本発明の導線によれば、導線と絶縁被膜との間に双方が位置ずれすることを防止する防止手段(導体表面に人為的に形成された凹凸や、導体表面に設けられた化成被膜の表面に形成される凹凸、さらには、化成被膜のまわりに形成される電着塗膜)が設けられていることで、コイル形成などの際に導体に過大な引張りが作用した場合でも、導線を構成する導体と絶縁被膜との間の剥離を確実に防止することができる。また、本発明のモータによれば、上記する導線からなるコイルを備えているため、導線間やコイル相間の電気的絶縁性を十分に確保することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の導線の一実施形態を示した斜視図を、図2は、図1のII部分を拡大した縦断図をそれぞれ示している。図3は、本発明の導線の他の実施形態を示した斜視図を、図4は、図3のIV部分を拡大した縦断図をそれぞれ示している。図5は、本発明の導線の他の実施形態を示した斜視図である。図6は、エナメル線試験方法の状況を示した模式図を、図7は、エナメル線試験の結果を示した図であり、(a)は、従来の導線の結果を示した図を、(b)は、図1に示す実施形態の導線の結果を示した図を、(c)は、図3に示す実施形態の導線の結果を示した図を、(d)は、図5に示す実施形態の導線の結果を示した図をそれぞれ示している。
図1は、導線の一実施形態を示したものである。導線1は、銅やアルミニウムなどの金属から成形された導体2と、その表面にエナメル樹脂などの樹脂材を複数回にわたって塗布および焼き付けすることで形成されるエナメル被膜3(絶縁被膜)から構成される。
図2は、図1の一部を拡大した縦断図であるが、導体2の表面には多数の凹凸2a,2a,…がショットピーニング等によって形成されている。かかる凹凸2a,2a,…からなる導体2の表面粗さ(Ra)は、0.1〜0.5μmの範囲となるように形成されている。かかる範囲の凹凸2a,2a,…を導体1の表面に人為的に形成した後、該表面にエナメル樹脂などを塗布および焼き付けすることにより、導体2とエナメル被膜3との密着性を高めることができる。
図3は、導線の他の実施形態を示したものであるが、本実施形態の導線1aは、導体1のまわりに化成被膜4が形成され、この化成被膜4のまわりにエナメル被膜3が形成されている。この導線1aの一部を拡大した縦断図が図4である。
例えば、導体2にリン酸塩処理などの酸洗いを施すことにより、リン酸銅を導体2の表面に析出させることができ、このリン酸銅が化成被膜4となる。この化成被膜4は、当初成形される導体2表面の粗さよりもより粗い凹凸4a,4a,…を備えている。また、形成される凹凸4a,4a,…からなる化成被膜表面の表面粗さ(Ra)は、およそお0.1〜0.5μmの範囲に収まってくることが分かっている。
導体2の表面に化成被膜4を析出させた後、この化成被膜4表面にエナメル樹脂などを塗布および焼き付けすることにより、導体2とエナメル被膜3は、化成被膜4を介して高い密着性を得ることができる。
図5は、導線のさらに他の実施形態を示したものである。この導線1bは、導体2の表面に上記と同様の化成被膜4が形成され、この化成被膜4のまわりにカチオン電着塗膜5が形成され、そのまわりにエナメル被膜3が形成されてなる導線である。なお、電着塗膜はカチオン電着塗膜に限定されるものでないことを付言しておく。
化成被膜4を導体2の表面に形成させた後、この導体2を水溶性塗料の中に浸漬させ、導体2を陰極に、対極を正極としてこの間に直流電流を印加することにより、電気的な力によって塗料の微粒子が化成被膜4の表面に引き付けられてカチオン電着塗膜5が形成される。
カチオン電着塗膜5が形成された後、この塗膜表面にエナメル樹脂などを塗布および焼き付けすることにより導線1bが形成される。例えば、カチオン電着塗膜5とリン酸銅からなる化成被膜4との密着性は非常に高いこと、および、カチオン電着塗膜5とエナメル被膜3とは樹脂間の高い結合力を有していることより、導体2とエナメル被膜3は、化成被膜4とカチオン電着塗膜5を介して非常に強固に接続されることとなる。
上記する導線1,1a,1bにおける導体と絶縁被膜との密着性の高さを示す実験結果を図6,7に基づいて説明する。なお、図7において、○印はその把持力と引張り力の組み合わせにおいて被膜の剥離が生じなかったことを意味しており、×印は剥離が生じたことを意味している。
図6は、導線を治具6にて一定の把持力Hにて把持した状態でこの治具6を一定の力Fで引っ張ることにより、導体と絶縁被膜との剥離が生じるか否かを検証するJIS/C/3003に規定されたエナメル線試験方法の状況を示したものである。同じ引張り力であっても、把持力が大きい方がより剥離が生じ易くなるが、剥離が生じるか否かは、導体と絶縁被膜との密着性に大きく依存していることに変わりはない。
図7aは、従来の導線に対しておこなったエナメル線試験の結果である。引張り力が30N以上となると、把持力の大小に関わらず剥離が生じる結果となった。また、10Nの引張り力に対しては6Nの把持力まで、20Nの引張り力に対しては4Nの把持力までが剥離しない限界であった。
図7bは図1に示す導線1の結果であり、図7cは図3に示す導線1aの結果であり、図7cは図5に示す導線1bの結果である。
図7bより、導体表面に人為的に凹凸を形成することで、導線1の剥離に対する強度は増していることが分かり、引張り力が20Nまでは把持力の大小に関わらず剥離が生じないという結果となった。
また、図7cより、導体表面に凹凸を備えた化成被膜を析出させることにより、剥離に対する強度はさらに増し、30Nの引張り力に対しては把持力が6Nまで、40Nの引張り力に対しては把持力が4Nまで剥離が生じないという結果となった。
さらに、図7dより、導体表面に化成被膜を析出させるとともに、その外側にカチオン電着塗膜を形成させることにより、剥離に対する強度は最も大きくなり、本実験における引張り力の上限(40N)と把持力の上限(8N)を条件とした場合でも剥離は生じないという結果となった。
上記する実施形態を含む導線を使用して形成されるコイルを備えたモータを製作することで、コイル形成時に生じ得る導線の破損(導線と絶縁被膜の剥離など)を確実に防止することができ、したがって導線間やコイル相間の電気的絶縁性を十分に確保することができる。このモータは、その形態を特に限定するものではなく、本発明の導線からなるコイルを備えている適宜のモータを対象としている。なお、かかるモータの図示は省略する。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の導線の一実施形態を示した斜視図。 図1のII部分を拡大した縦断図。 本発明の導線の他の実施形態を示した斜視図。 図3のIV部分を拡大した縦断図。 本発明の導線の他の実施形態を示した斜視図。 エナメル線試験方法の状況を示した模式図。 エナメル線試験の結果を示した図であり、(a)は、従来の導線の結果を示した図、(b)は、図1に示す実施形態の導線の結果を示した図、(c)は、図3に示す実施形態の導線の結果を示した図、(d)は、図5に示す実施形態の導線の結果を示した図。
符号の説明
1,1a,1b…導線、2…導体、2a…凹凸、3…エナメル被膜(絶縁被膜)、4…化成被膜、4a…凹凸、5…カチオン電着塗膜

Claims (7)

  1. 導体とその外周の絶縁被膜とから構成される導線であって、
    導線にその軸心方向に向かう引張りが作用した際に、導体と絶縁被膜とが相対的に位置ずれすることを防止する防止手段が備えられていることを特徴とする導線。
  2. 前記防止手段は、導体の表面に人為的に形成された凹凸であることを特徴とする請求項1に記載の導線。
  3. 導体と絶縁被膜との間に表面が凹凸状の化成被膜が介装されており、前記防止手段が該化成被膜表面の凹凸であることを特徴とする請求項1に記載の導線。
  4. 請求項3に記載の導線において、
    前記化成被膜と前記絶縁被膜との間には電着塗膜が介装されており、前記防止手段には、該電着塗膜がさらに含まれていることを特徴とする導線。
  5. 前記導体の表面に形成された凹凸からなる表面粗さ(Ra)が0.1〜0.5μmの範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の導線。
  6. 前記化成被膜表面の凹凸からなる表面粗さ(Ra)が0.1〜0.5μmの範囲にあることを特徴とする請求項3または4に記載の導線。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の導線がステータのティースに巻き回されてなるコイルを備えたことを特徴とするモータ。
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