JP2006221238A - 駆動制御装置及び駆動制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 多数のセンサを使用することなく、複数の可動部を制御可能な駆動制御装置、及び駆動制御方法を提供する。
【解決手段】 複数の可動部を制御する駆動制御装置であって、複数の可動部を同時に撮影可能な撮像部30と、撮像部で撮影した画像データに基づいて、複数の可動部のうち、少なくとも1つの可動部の位置情報を取得し、且つその位置情報が所定の条件を満たしているか否かを判定し、その条件を満たしていると判定した場合、複数の可動部のうち、少なくとも1つを起動させるための制御信号を出力する制御部40と、を有するように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数の可動部を制御する駆動制御装置であって、複数の可動部を同時に撮影可能な撮像部30と、撮像部で撮影した画像データに基づいて、複数の可動部のうち、少なくとも1つの可動部の位置情報を取得し、且つその位置情報が所定の条件を満たしているか否かを判定し、その条件を満たしていると判定した場合、複数の可動部のうち、少なくとも1つを起動させるための制御信号を出力する制御部40と、を有するように構成した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数の可動部を制御する駆動制御装置及び駆動制御方法に関するものであり、より詳しくは、撮像部で取得した画像を用いて各可動部の位置情報を取得して、制御を行う駆動制御装置、及び駆動制御方法に関する。
近年、様々な機械、装置の製造工程や検査工程において、自動化が益々進展し、様々な自動組み立て装置や自動検査装置が使用されるに至っている。例えば自動組み立て装置では、搬送されてくる部品を捕捉し、捕捉した部品を所定の組み立て位置へ搬送し、そして組み立て位置へ搬送された部品に、別の部品を組み込み、出来上がったものを排出するといった動作を行う。このようなそれぞれの動作を行うために、搬送ユニット、組み立てユニットといった複数の可動ユニットが存在し、それらが所定の位置へ向けて、所定のタイミングで正確に動作することが求められる。
従来、こうした装置では、可動ユニットの動作を制御するために、複数のセンサを用いて部品が供給されたか否か、部品が所定の搬送路に沿って正しく搬送されているか否かを調べ、或いは可動ユニットが所定の位置に配置されているか否かを調べることが行われてきた。またこれらセンサは、可動ユニットが所定の可動範囲を超えて動いた場合(オーバーラン)を検知して、その可動ユニットを停止させるといったことにも用いられてきた。例えば、近接スイッチが、部品が所定の搬入路を運ばれてきたか否かを検知するために使用される。また、部品や可動ユニットが、所定の位置に存在するか否かを調べるために、光電スイッチが用いられる。さらに、可動ユニットが所定の位置に存在するか否か、或いはオーバーラン防止のため、可動ユニットの動作端を検出するオートスイッチといったセンサがこうした用途に使用される。このように、動作制御を行うためには、各可動ユニット等について上記のようなセンサを1個以上用いる必要があり、装置全体の大型化、高コスト化の一因となっていた。また、それぞれのセンサについて、正確な位置決めを行う必要があり、装置が複雑化し、含まれる可動ユニットの数が増加するほどその調整に手間が掛かる要因となっていた。
一方、近年のビデオカメラや画像認識技術の発展に伴い、制御や監視の分野では、ビデオカメラを用いて動作対象物、移動目的地の画像を取り込み、その画像を解析して動作対象物の位置を特定し、目的地へ移動させるための制御を行う技術が開発されている(特許文献1〜3参照)。
しかしながら、自動組み立て装置や検査装置では、複数の可動ユニットを同時に動作させ、又は高速に移動させることが一般に行われているので、ビデオカメラから取得される動画像を認識して対象物を制御するには、処理が間に合わず、現実的でない。
上記の問題点に鑑み、本発明は、複数の可動部を有する装置において、各種センサを省略して制御できる駆動制御装置又は駆動制御方法を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的として、動作の信頼性を向上させた駆動制御装置又は駆動制御方法を提供することを目的とする。本発明のさらに別の目的として、省スペースで済む駆動制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る駆動制御装置は、複数の可動部を同時に撮影可能な撮像部と、撮像部で撮影した画像データに基づいて、複数の可動部のうち、少なくとも1つの可動部の位置情報を取得し、且つその位置情報が所定の条件を満たしているか否かを判定し、条件を満たしていると判定した場合、前記複数の可動部のうち、少なくとも1つを起動するように制御信号を出力する制御部と、を有することを特徴とする。
ここで上記位置情報は、可動部の動作終了後の位置情報であることが好ましい。可動部の動作終了を確認可能であり、可動部の動作の信頼性向上に有効なためである。
また、上記の制御は、シーケンス制御であって、制御信号は、制御同期信号であることが好ましい。
さらに制御部は、位置情報が所定の条件を満たさないと判断した場合、前記撮像部から別の画像データを取得し、その別の画像データに基づいて位置情報を取得することが好ましい。可動部が動作終了後の位置といった所定の位置まで移動していることを確実に捉えられる可能性が高いためである。
さらに可動部は、位置情報を特定するための少なくとも1つの検出マークを有することが好ましい。制御部が、可動部の位置を正確に検出可能とするためである。
また位置情報は、画像データにおける検出マークの重心であり、且つ上記の所定の条件を満たしているか否かの判定は、重心と予め定められた基準位置との距離が予め定められた閾値以下の場合、条件を満たすと判定することが好ましい。制御部が、可動部の位置をより正確且つ簡便に検出可能とするためである。
さらに制御部は、画像データの一部に関心領域を設定し、当該関心領域に含まれる画像データのみに基づいて位置情報を取得することが、位置情報取得の際のデータ処理量を減らせるため、好ましい。
また撮像部は、複数の可動部の動作平面の何れにも属さない面内に配置されることが好ましい。単一又は少ない撮像部のみで、全ての可動部の動作を画像データに含められるためである。
また本発明に係る、駆動制御方法は、複数の可動部を撮影して、画像データを取得するステップと、画像データに基づいて、複数の可動部のうち、少なくとも1つの可動部の位置情報を取得するステップと、位置情報が所定の条件を満たしているか否かを判定するステップと、判定ステップにおいて、位置情報が上記の所定の条件を満たしていると判定された場合、複数の可動部のうち、少なくとも1つを起動するように制御信号を出力するステップと、を有することを特徴とする。
なお、位置情報は、可動部の動作終了後の位置情報であることが好ましい。
さらに、可動部は、位置情報を特定するための少なくとも1つの検出マークを有し、位置情報を取得するステップは、画像データにおける検出マークの重心を検出し、且つ上記の判定ステップは、重心と予め定められた基準位置との距離が予め定められた閾値以下の場合、条件を満たすと判定することが好ましい。
なお位置情報を取得するステップは、画像データの一部に関心領域を設定し、関心領域に含まれる画像データのみに基づいて位置情報を取得することが好ましい。
本発明によれば、複数の可動部を有していても、可動部全体を撮影する撮像部を備えるのみで、撮像部以外の各種センサを省略することができる。
また、複数の可動部を同時に監視しながら制御できるため、動作の信頼性が高い装置、又は制御方法を得ることができる。
さらに、各種のセンサを省略できるため、省スペースで済む。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る駆動制御装置について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る駆動制御装置を組み立て装置として実装した場合について説明する。
図1に、本発明の第1の実施形態に係る駆動制御装置を実装した組み立て装置100の構成ブロック図を示す。また図2に、組み立て装置100の概略上面図を示す。さらに図3に、図2のCCDカメラ30から見た組み立て装置100の概略斜視図を示す。
本実施形態に係る駆動制御装置である組み立て装置100は、一例として、直径50mm、高さ50mmの円筒形をした基幹部品(ワーク)2の中心に、直径20mm、高さ10mmの円筒形の部品3を上方から嵌め込んで完成品4を製造するものである。
本実施形態に係る組み立て装置100は、搬送ユニット10、上下ユニット20、CCDカメラ30、プロセッサ40、ワーク搬入部50、部品投入部60、ワーク排出部70を備え、CCDカメラ30とプロセッサ40とで駆動制御装置を構成する。
本実施形態に係る組み立て装置100では、図2及び図3に示すように、ワーク2は、ワーク搬送路1に沿ってワーク搬入部50から搬入され、ワーク排出部70により排出される。一方、部品3は、部品投入部60により、ワーク搬入部50と略直交する方向から投入され、ワーク搬入部50とワーク排出部70の中間にある組み立て部80で、ワーク2に組み付けられる。
ワーク搬入部50は、前工程から送られてきたワークを連続的に組み立て装置100に搬入可能なように、ワークを載せて運ぶベルトコンベアで構成する。部品投入部60は、部品投入側から組み立て部80側へ緩やかな下降傾斜路であって、振動により、投入された部品3が徐々に組み立て部80側へ搬送される。ワーク排出部70は、ワーク搬入部50同様、ベルトコンベアで構成する。そして、搬送ユニット10が部品組み付け済みのワーク(完成品)を組み立て部80側に最も近いワーク排出部70の出口71に排出すると、その完成品を載せて次工程へ搬送する。
搬送ユニット10は、ワーク搬送路1と略平行に取り付けられ、ワーク搬入部50の終端付近の入り口51にあるワーク2を捕捉し、ワーク排出部70の方へ平行移動して組み立て部80へ搬送する。さらに部品組み付け済みのワーク(完成品)4をワーク排出部70に存在する出口71へと搬送する。組み立て部80に配置した上下ユニット20は、上部ユニット21が部品3を捕捉して上下運動し、下部ユニット22がワーク2を固定することにより、ワーク2に部品3を組み付けて完成品4を製造する。
搬送ユニット10は、ワーク搬送方向と略並行方法の長さ150mm、略垂直方向の幅50mmからなる部材11と、部材11の下部に取り付けられたグリッパ12及び駆動用のサーボモータを備える。グリッパ12は、ワーク搬送方向にワークの幅とほぼ等しい間隔で配置した2本の爪で構成し、同時に2つのワークを保持可能なように、ワーク搬送路1に沿って2セット配置する。
また搬送ユニット10は、ワーク搬送路1の存在する平面内で、ワーク搬送路1と直交する方向、及びワーク搬送路1と平行方向に移動可能である。また搬送ユニット10の原点位置を、搬送ユニット10がワーク搬送路1上にあるワーク2と接触しないよう、ワーク搬送路1から約30mm後方に離れた位置に設定する。そして、原点位置にある搬送ユニット10に送り動作を指示すると、ワーク搬送路1に沿って、ワーク排出方向へ向けて約70mm移動する(この移動先を便宜上送り位置と呼ぶ)。さらに、送り位置にある搬送ユニット10に、戻り動作が指示されると、原点位置へ戻るように、ワーク搬送路1に沿って、ワーク搬入方向に約70mm移動する。一方、原点位置若しくは送り位置にある搬送ユニット10に前進動作が指示されると、搬送ユニット10は、ワーク搬送路1上にあるワーク2又は完成品4を捕捉するため、若しくは保持しているワーク2又は完成品4をワーク搬送路1上にリリースするため、ワーク搬送路1に近づく方向に約30mm移動する。逆に、ワーク搬送路1に近接した位置にある搬送ユニット10に対し、後退動作が指示されると、搬送ユニット10はワーク搬送路1から離れる方向に約30mm移動する。
上下ユニット20は、上部ユニット21、及び下部ユニット22で構成される。下部ユニット22は組み立て部80へ搬送されてきたワーク2を固定する。一方、上部ユニット21は、開閉可能な爪からなるワークチャック23、及びワークチャック23が取り付けられるチャックシリンダ24、及びこれらを駆動するサーボモータを備えている。
上部ユニット21は、初期状態では、組み立て部80に搬送されてくるワーク2、部品3と衝突しないように、組み立て部80の上方に退避しておく。組み立て部80に部品3が来ると、上部ユニット21を下降させ、ワークチャック23を閉じて部品3を保持する。部品3を保持すると、上部ユニット21は上方に移動する。その後ワーク2が組み立て部80へ搬送されてくると、再び上部ユニット21は下降し、ワーク2に部品3を挿入し、組み付ける。部品の組み付けが終わると、ワークチャック23は開いて部品をリリースし、再び上部ユニット21は上方に移動する。この上下方向の移動距離は、組み立て部80にワーク2が存在する場合、約10mmであり、ワーク2が存在しない場合約60mmである。
CCDカメラ30は、上述した組み立て部80の斜め上方、部品投入部側に約30°の方向に配置する。そして、搬送ユニット10、上下ユニット20、ワーク搬入部50、部品投入部60、ワーク排出部70を全て1枚の画像に収めるとともに、搬送ユニット10、上下ユニット20の各部の動作範囲も全て収めることができる。プロセッサ40は、CCDカメラ30からの画像信号を受信して、搬送ユニット10、上下ユニット20それぞれのサーボモータ(図示せず)へ制御信号を送信する。
図1に示すように、プロセッサ40は、制御部として機能し、画像処理部41、モータドライバ42、及びメモリ43を備える。本実施形態においては、パーソナルコンピュータ(PC)に内蔵のプログラム、メモリ、RS232Cといった外部出力ポート等によって構成する。しかし、プロセッサ40はこれに限られるものではなく、専用のハードウェア、ファームウェア等で構成してもよい。また、画像処理部41及びメモリ43と、モータドライバ42を、別個のハードウェアとして構成し、互いに通信可能な構成としてもよい。例えば、画像処理部41及びメモリ43をPC及び内蔵プログラムで構成し、モータドライバ42をプログラマブルロジックコントローラ(PLC)で構成してもよい。
本実施形態によると、制御される対象である可動部に検出マークが形成される。すなわち、搬送ユニット10の部材11の搬入部50側端部の上面に検出マーク13を、及び排出部70側端部の上面に検出マーク14を取り付ける。検出マーク13及び14は、直径5mmの赤い円形シールであり、CCDカメラ30で撮影する画像において、搬送ユニット10がどの位置にあっても、どちらかの検出マークが写り込むようになっている。なお、検出マーク13及び14は上記のものに限られるわけではなく、画像上で明確に判別可能なものであればよく、部材11自体の特有の形状等で代用することも可能である。
また、上下ユニット20の上部ユニット21においても、チャックシリンダ24の上面に検出マーク25、及びワークチャック23の上面に検出マーク26が取り付けられている。検出マーク25、26は、搬送ユニットに取り付けた検出マーク同様、直径5mmの赤い円形シールである。さらに、CCDカメラ30で撮影する画像において、上部ユニット21が如何なる位置にあっても、またチャックの開閉によらず、検出マーク25、26が写り込むよう構成されている。なお、検出マーク25、26は、検出マーク13、14と同じマークである必要は無く、画像上で明確に判別可能なものであればよい。
CCDカメラ30は、組み立て装置100の作動中、搬送ユニット10、上下ユニット20、及び搬送されてくるワークや部品、排出される組み立て済みワークを全て1枚の画像に収めた静止画を、ビデオレート(30Hz)で連続して取得し、プロセッサ40へ送信する。この目的のため、CCDカメラ30として、1/4インチ41万画素CCD、焦点距離4.3mm(画角69.8°)、24ビット(RGB各8ビット)出力のものを用いる。しかし、CCDカメラ30としては、これに限られるものではなく、組み立て装置の各部を1枚の画像に収めることが可能で、且つ検出マーク等の判別ができるものであればよい。
またプロセッサ40は、CCDカメラ30から画像データを受信すると、画像処理部41において受信した画像のうち、検出マークの動きによる位置の変化を示す変化後の画像を解析し、搬送ユニット10や上下ユニット20等の位置を認識し、認識結果に応じてモータドライバ42へ指令を送信する。モータドライバ42は、画像処理部41から受信した指令に基づいて、搬送ユニット10又は上下ユニット20に内蔵されたサーボモータに対して制御信号を送信する。
このようにして、本実施形態によれば、検出マークの位置の変化により、組み立て装置をシーケンス動作させることができる。
以下、フローチャート及びタイミングチャートを参照して、本実施形態に係る駆動制御装置を実装した組み立て装置100の動作について説明する。
図4及び図5に、本実施形態に係る組み立て装置100の動作のフローチャートを示す。また図6に、本実施形態に係る組み立て装置の可動部である搬送部10、上下ユニット中の上部ユニット21について動作のタイミングチャートを示す。
図6において、上部に示したS02等の記号501は、後述する組み立て準備完了、若しくは各可動部の動作終了判定ステップの実行タイミングを示す。また、各可動部の動作を横欄毎に示し、タイミングチャート線502がその横欄に存在する場合、各可動部はその横欄の左側欄503に示された動作を行うことを表す。どちらの動作を示す欄にも属さず、中間線上にタイミングチャート線502が存在する場合、その可動部は動作を行わず、その前状態を保持し続けることを表す。
まず、組み立て準備完了か否かを判定する(ステップS00)。この判定は、プロセッサ40の画像処理部41が行う。以下(i)〜(iii)の3条件全てを満たす場合、準備完了と判定する。
(i)ワーク搬入部50の入口51にワーク2が存在すること
(ii)ワーク排出部70の出口71に完成品4が存在しないこと
(iii)部品投入部60に部品3が存在すること
ワークや部品等の存在の有無は、以下の手順により調べることができる。
(ii)ワーク排出部70の出口71に完成品4が存在しないこと
(iii)部品投入部60に部品3が存在すること
ワークや部品等の存在の有無は、以下の手順により調べることができる。
まず、事前準備として、CCDカメラ30を通じてワーク2、部品3及び完成品4が入口51等に存在する場合、及び存在しない場合の画像データをそれぞれ取得する。図7に示すように、取得した画像データを参照し、入口51や出口71の位置、部品の存在有無を調べる位置を特定し、関心領域001〜003としてその画像上の位置(例えば関心領域の左上端座標と右下端座標)をメモリ43に保存しておく。次に、関心領域001〜003にワーク2、部品3又は完成品4が存在する場合、存在しない場合のそれぞれについて、各関心領域内の平均信号値を求める。そして、各関心領域について、ワーク2、部品3又は完成品4が存在する場合の平均信号値と、存在しない場合の平均信号値との平均値を算出し、閾値Thd001〜Thd003とする。その閾値Thd001〜Thd003を予めメモリ43に保存しておく。
組み立て装置100の動作時においては、CCDカメラ30から送られてくる画像に対し、メモリ43に保存した関心領域001〜003の位置に基づいて、関心領域001内の平均信号値AVG001、関心領域002内の平均信号値AVG002、関心領域003内の平均信号値AVG003をそれぞれ算出する。メモリ43から上述した閾値Thd001〜Thd003を呼び出し、平均信号値AVG001〜AVG003とそれぞれ比較する。平均信号値AVG001〜AVG003が、閾値Thd001〜Thd003より、ワーク2、部品3又は完成品4が存在する場合の参照画像データにおける平均信号値に近い場合、ワーク2、部品3又は完成品4が存在すると判定する。
なお、判定方法は上記の方法に限られるものではなく、別の方法を用いてもよい。例えば、上記と同様、事前にワーク2、部品3又は完成品4が存在する参照画像データを取得してメモリ43に保存しておく。また、上記同様に関心領域001〜003を設定する。
そして、組み立て装置100の動作時において、CCDカメラ30から受信した画像データと参照画像データとの間で、関心領域内001〜003内の各画素で差分信号値の絶対値を算出し、その平均信号値(平均絶対偏差)を算出する。その平均絶対偏差が所定の許容範囲内であれば、ワーク2、部品3又は完成品4が存在する(または存在しない)と判定する。なお、上記の許容範囲は、組み立て装置が設置された場所の照明など環境条件によって左右される可能性があるため、実験的に決定しておくことが好ましい。
上記の判定方法に基づき、CCDカメラ30から連続的に受信した画像データに対し、逐次判定を行う。いずれかの条件を満たさない場合、画像処理部41は組み立て準備が完了していないと判断し、組み立て装置100のアイドル状態を維持する。また、受信した画像データは廃棄する。
一方、ある時点で、受信した画像データについて上記(i)〜(iii)の全ての条件を満たすと、画像処理部41は組み立て準備完了と判断する。そして画像処理部41は、その画像データをメモリ43に保存するとともに、モータドライバ42に対し、搬送ユニット10をワーク搬送路1に近づくよう前進動作させる指令を送信する。モータドライバ42は、係る指令を受け取ると、搬送ユニット10のサーボモータに制御信号を送信する。その制御信号に基づいて、搬送ユニット10がワークを掴むために前進動作する(ステップS01)。
次に、搬送ユニット10の前進動作が終了したか否かを判定する(ステップS02)。
係る判定は、搬送ユニット10に付された検出マーク13の重心位置及び面積が所定の条件を満たすか否かを判定することによって行う。以下にその方法を詳述する。
事前準備として、搬送ユニット10の前進動作終了時点に相当する参照画像データを取得する。図7に示すように、取得した参照画像データから、搬送ユニット10の前進動作終了時点における検出マーク13の存在すべき位置を含む関心領域101を設定し、メモリ43にその位置・範囲を記憶させておく。ここで関心領域101は、検出マーク13の位置検出に使用する領域であるため、正確な位置認識を行うために検出マーク13を完全に収めることができる大きさであることが好ましい。一方、位置認識の処理に必要な計算時間を減らすため、関心領域101は狭い方が好ましい。具体的には、関心領域101は、検出マーク13の画像上における面積の5倍〜100倍程度の大きさに設定することが好ましい。さらに参照画像データに基づいて、搬送ユニット10の前進動作終了時点における検出マーク13を示す画素の重心位置、画像中の面積をそれぞれ基準重心Gorg、基準面積Dorgとして算出する。そして基準重心Gorg、基準面積Dorgを予めメモリに記憶させておく。
図8に、ステップS02の動作手順のフローチャートを示す。
組み立て装置100の稼動時においては、プロセッサ40がCCDカメラ30から受信した画像について、関心領域101のみに限定して検出マーク13の重心位置G・面積Dを調べ、基準重心、基準面積との比較で動作が完了したか否かを判定する。まず、関心領域の位置、範囲、及び基準重心Gorg、基準面積Dorgをメモリ43から取得する(ステップS201)。次に、判定を行う画像データを取得する(ステップS202)。次に、関心領域101内の画像データを、検出マークとそれ以外に分離可能なように2値化する(ステップS203)。2値化の閾値は組み立て装置100の設置環境等を勘案して経験的に設定する。
本実施形態では、1画素あたりのデータが赤(R)、緑(G)、青(B)各8ビットで表される。そこで関心領域101中の任意の画素の値P(=(R, G, B))とし、対応する2値化画像の任意の画素値をPbinとすると、検出マーク13は赤色であることから、例えば
Pbin = 1 (R≧128、G<32、B<32)(検出マーク13に相当)
Pbin = 0 (上記以外のとき)
とすることができる。
Pbin = 1 (R≧128、G<32、B<32)(検出マーク13に相当)
Pbin = 0 (上記以外のとき)
とすることができる。
2値化が終了すると、検出マーク13に相当する(Pbin=1)画素の重心G、画素数の合計(面積)Dを算出する(ステップS204)。次に、重心Gと、メモリに記憶された基準重心Gorgとの距離ΔG(=((Gx−Gorgx)2+(Gy−Gorgy)2)1/2)を求める(ただし、Gx、Gyはそれぞれ重心Gの水平座標、垂直座標であり、一方Gorgx、Gorgyはそれぞれ基準重心Gorgの水平座標、垂直座標である)。同様に、面積Dと、基準面積Dorgとの面積の差の絶対値ΔD(=|D−Dorg|)を求める(ステップS205)。ΔG、ΔDそれぞれについて許容誤差範囲(例えば1画素以内)か否か判定する(ステップS206)。共に許容誤差範囲内であれば、搬送ユニット10は正常に前進動作(S01)を終了したと判定する。この場合、画像処理部41は、モータドライバ42に対して、次の動作を実行させるための指令となるタイミング信号を出力する(ステップS207)。また、判定に使用した画像データをメモリ43に保存する(ステップS208)。
一方、ΔG、ΔDのどちらか一方でも、許容誤差範囲を超えた場合、搬送ユニット10の前進動作は完了していないと判断し、判定に使用した画像を廃棄するとともに、次にCCDカメラ30から送られてくる画像に対して同様の判定手順を繰り返す。
なお、搬送ユニット10が前進動作を始めてから、若しくはステップS00の条件が満たされてから、所定時間(例えば1分間)の間にステップS02が搬送ユニット10の前進動作を終了したと判定できない場合、装置の操作者に対して警告を発生するよう構成してもよい。係る警告は、装置の作動状態を監視するモニタ(図示せず)上への警告表示、又は警告音の発生等で行うことが可能である。
上述した判定方法は、以下に述べるステップS04、S06等、組み立て装置100の可動部の各動作終了判定ステップにおいても同様に使用する。ただし、着目する検出マーク、設定する関心領域、及び基準となる重心位置Gorg、面積Dorgは、各動作終了判定ステップについて最適化する。この最適化についても、上述した事前準備と同様の方法で、動作終了判定を行う可動部の動作終了時を示す参照画像データを予め取得しておき、その参照画像データから着目する検出マークの重心、面積を調べておけばよい。
このように、検出マークの重心位置、及び面積を検出し、理想状態におけるそれらと比較することにより、その検出マークが付された可動ユニットについて正確な位置決定が可能となり、装置の信頼性を向上させることが可能である。
画像処理部41が、搬送ユニット10の前進動作は終了したと判定した場合、次の動作として、モータドライバ42に対し、搬送ユニット10を後退動作させる指令を出す。モータドライバ42は、その指令を受け取ると、搬送ユニット10のサーボモータに制御信号を送信する。その制御信号に基づいて、搬送ユニット10はワークを保持したまま後退動作を行う(ステップS03)。なお、この後退動作に伴って、ワーク2に取り付ける部品3が、部品投入部より組み立て部80に移動する。
次に、搬送ユニット10の後退が終了したか否かを判定する(ステップS04)。
その判定方法はステップS02と同様である。即ち、予め設定した関心領域内で検出マーク13の重心位置と面積を算出し、事前に求められているそれらの値との差異が許容範囲内に収まるか否かで判定する。また、ステップS02と同様に、判定基準を満たさない画像データは廃棄し、判定基準を満たした画像はメモリ43に保存する。
画像処理部41が、搬送ユニット10の後退動作は終了したと判定した場合、モータドライバ42に対し、上部ユニット21を下降させる指令を出す。モータドライバ42は、係る指令を受け取ると、上部ユニット21のサーボモータに制御信号を送信する。その制御信号に基づいて、上部ユニット21が下降する(ステップS05)。
その後、上部ユニット21の下降動作が終了したか否かを判定する(ステップS06)。その判定方法はステップS02と同様である。即ち、予め設定した関心領域内で検出マーク25の重心位置と面積を算出し、事前に求められているそれらの値との差異が許容範囲内に収まるか否かで判定する。また、ステップS02と同様に、判定基準を満たさない画像データは廃棄し、判定基準を満たした画像はメモリ43に保存する。
本実施形態では、CCDカメラ30を、組み立て部80の直上でなく、斜め30°の方向に配置したことにより、上部ユニット21の上下運動も、画像上で位置の変化として捉えることを可能としたので、複数のCCDカメラを用いることを要しない。このように、CCDカメラ30は、1台で全ての可動ユニットの動作を調べるために、全てに可動ユニットの動作平面外に配置することが好ましい。また、正確に可動ユニットの位置を把握するために、CCDカメラ30で撮影した画像上において、全ての可動ユニットの動作距離が、10画素以上となるように配置することがさらに好ましい。
画像処理部41が、上部ユニット21の下降動作は終了したと判定した場合、モータドライバ42に対し、ワークチャック23を閉じる指令を出す。モータドライバ42は、係る指令を受け取ると、上部ユニット21のサーボモータに制御信号を送信する。その制御信号に基づいて、ワークチャック23が閉じて組み立て部80にある部品3を捕捉する(チャック動作)(ステップS07)。
その後、ワークチャック23のチャック動作が終了したか否かを判定する(ステップS08)。なお判定方法はステップS02と同様であり、予め設定された関心領域内でワークチャック23に付された検出マーク26の重心位置、面積を調べて判定する。また、判定基準を満たさない画像データは廃棄し、判定基準を満たした画像はメモリ43に保存することも同様である。
画像処理部41が、ワークチャック23のチャック動作は終了したと判定した場合、モータドライバ42に対し、上部ユニット21を上昇させる指令を出す。モータドライバ42は、係る指令を受け取ると、上部ユニット21のサーボモータに制御信号を送信する。その制御信号に基づいて、上部ユニット21は部品を保持したまま上昇する(ステップS09)。
その後、上部ユニット21の上昇動作が終了したか否かを判定する(ステップS10)。この判定には、上部ユニット21に付された検出マーク25を用いる他、判定方法、画像の廃棄・保存は上記S02と同様である。
画像処理部41が、上部ユニット21の上昇動作は終了したと判定した場合、モータドライバ42に対し、搬送ユニット10を送り動作させ、その後前進動作させる指令を出す。モータドライバ42は、係る指令を受け取ると、搬送ユニット10のサーボモータに制御信号を送信する。その制御信号に基づいて、搬送ユニット10はワーク2を組み立て部80に搬送するため、部品を保持したままワーク搬送路1に沿って送り動作し、その後前進動作する(ステップS11)。
ステップS02と同様の判定方法により、搬送ユニット10の移動が完了したか否かを判定する(ステップS12)。画像データの保存、廃棄についても同様である。ただし、搬送ユニット10がワーク排出部側へ移動したことにより、ワーク搬入部側の検出マーク13が、上部ユニット21に隠れて見えなくなるため、ワーク排出部側の検出マーク14を用いて判定を行い、関心領域も検出マーク14の存在位置を含むように設定しておく。
画像処理部41は、搬送ユニット10の移動は終了したと判定した場合、モータドライバ42に対し、上部ユニット21を下降させる指令を出す。モータドライバ42は、係る指令を受け取ると、上部ユニット21のサーボモータに制御信号を送信する。その制御信号に基づいて、上部ユニット21が下降し、組み立て部80にあるワーク2に、部品3を取り付ける(ステップS13)。この時、下部ユニット22は、ワーク2を固定する。
ステップS04と同様の判定方法により、上部ユニット21の下降動作が終了したか否か、判定する(S14)。判定に用いる検出マーク、画像データの保存、廃棄についても同様である。
画像処理部41は、上部ユニット21の下降動作は終了したと判定した場合、モータドライバ42に対して、搬送ユニット10に後退動作させ、その後戻り動作させる指令を出す。同時に、ワークチャック23に対し、部品3をリリースするよう開く動作(アンチャック動作)を行うよう指令を出す。モータドライバ42は、係る指令を受け取ると、搬送ユニット10のサーボモータに制御信号を送信する。その制御信号に基づき、搬送ユニット10がワーク2をリリースして後退し、その後戻り動作して原点位置に復帰する。また、モータドライバ42は、上部ユニット21のサーボモータに制御信号を送信する。その制御信号に基づき、ワークチャック23はアンチャック動作を行う(ステップS15)。
次に、搬送ユニット10の移動が完了し、原点位置に復帰したか否かを判定する。同時に、ワークチャック23のアンチャック動作が完了したか否か判定する(ステップS16)。
搬送ユニット10の移動完了、アンチャック動作の完了は、それぞれ上述してきた判定方法と同様の方法で行われるが、ステップS16では、それらを同一の画像上で同時に実行することが可能である。即ち、搬送ユニット10の検出マーク13の重心位置、面積を調べるための関心領域と、ワークチャック23に付された検出マーク26の重心位置、面積を調べるための関心領域をそれぞれ設定し、関心領域毎に判定を行う。
それぞれの判定の結果、搬送ユニットの移動完了、アンチャック動作の完了とも確認できると、画像処理部41は、モータドライバ42に対し、上部ユニット21を上昇させる指令を出す。モータドライバ42は、係る指令を受け取ると、上部ユニット21のサーボモータに制御信号を送信する。その制御信号に基づき、上部ユニット21は上昇する(ステップS17)。
その後、ステップS10と同様に、上部ユニット21の上昇動作が終了したか否かを判定する(ステップS18)。画像の廃棄・保存も同様に行う。
画像処理部41が、上部ユニット21の上昇動作は終了したと判定した場合、モータドライバ42に対し、部品組み付け済みのワーク(完成品)4を捕捉するため、搬送ユニット10を前進させる指令を出し、モータドライバ42は、搬送ユニット10のサーボモータに対して、搬送ユニット10を前進動作させる制御信号を送信する。その制御信号に基づいて、搬送ユニット10は前進動作する(ステップS19)。
なお、本実施形態に係る組み立て装置100は、複数の組み立て手順をパイプライン処理的に実行することも可能である。即ち、ステップS19では、搬送ユニット10のワーク排出側のグリッパで完成品4を捕捉することとなるが、同時に、ワーク搬入側のグリッパを用いて、次に搬送されてくるワークを捕捉することができる。このように、パイプライン処理的に実行する場合、ステップS19は、次に搬送されてくるワークに対するステップS01’と兼ねることも可能である。なお、ステップ番号のダッシュは、次に搬送されてくるワークに対するステップであることを示す。また、ステップS19をステップS01’と兼ねる場合、ステップS16〜ステップS18を実行する間に、次に搬送されてくるワークに対するステップS00’を実行する。この場合、ステップS16、S18の動作終了判定と、次のワークに対する準備完了確認ステップS00’を、同じ画像を用いて行うことも可能である。
ステップS19で搬送ユニット10の前進が終了したか否か判定する(ステップS20)。なお、このステップは、次に搬送されてくるワークに対するステップS02’を兼ねることができる。
ステップS20で、搬送ユニット10の前進が終了したと判定された場合、画像処理部41は、モータドライバ42に対して搬送ユニット10を後退動作させる指令を出し、モータドライバ42は、搬送ユニット10のサーボモータに対して後退動作をさせる制御信号を送信する。その制御信号に基づいて、搬送ユニット10は完成品4を保持したまま後退する(ステップS21)。なおステップS21は、次に搬送されてくるワークに対するステップS03’を兼ねることができる。
そして、搬送ユニットの後退を確認する(ステップS22)。なお、ステップS22は、次に搬送されてくるワークに対するステップS04’を兼ねることができる。
ステップS22で、搬送ユニット10の後退が終了したと判定された場合、画像処理部41は、搬送ユニット10が送り動作後前進動作するようにモータドライバ42に対して指令を出し、モータドライバ42は、搬送ユニット10のサーボモータに対して送り動作及び前進動作をさせる制御信号を送信する。その制御信号に基づき、搬送ユニット10は完成品4をワーク排出部70へ排出するために、完成品4を保持したまま、送り動作し、その後前進する(ステップS23)。
なお、パイプライン処理を行う場合には、ステップS23を実行する前に、次のワークに対するステップS05’〜S10’を行い(上部ユニット21の下降(S05’)、下降確認(S06’)、チャック動作(S07’)、チャック確認(S08’),上部ユニット上昇(S09’),上昇確認(S10’))、その後、次のワークに対するステップS11’の動作(ワーク2の組み立て部80への移動)と同時に、完成品4を保持したまま、送り動作し、その後前進する(ステップS23)。また、パイプライン処理を行う場合には、図6のタイミングチャートにおいて、S22〜S24の間に、S05’〜S11’に相当する動作が加わることとなる。
次に、ステップS23の搬送ユニット10の前進が終了したか否か判定する(ステップS24)。なお、このステップは、次に搬送されてくるワークに対するステップS12’を兼ねることができる。
ステップS24で、搬送ユニット10の前進終了を確認すると、完成品4がワーク排出部70のワーク出口71に排出される。そして、画像処理部41は、モータドライバ42に対して指令を出し、モータドライバ42は搬送ユニット10のサーボモータに対して、搬送ユニット10が、後退動作した後、戻り動作を行うよう制御信号を送信する。そしてその制御信号に基づき、搬送ユニット10は原点位置に復帰する(ステップS25)。
最後に、搬送ユニット10が原点位置に復帰したか否かを確認する(ステップS26)。ステップS26では、搬送ユニット10に付された検出マーク13を用いて、他のステップS16同様に判定する。
なお、組み立て装置100は、さらに不良ワーク排出部を有してもよい。例えば、不良ワーク排出部は、ワーク排出部70に近接して配置され。そして、ワーク排出部70に排出された完成品4について、画像処理部41によって不良ワークと判定された場合、不良ワーク排出部は、ワークガイドをワーク排出部70へ突き出し、そのワークガイドによって不良ワークをワーク排出部70から排除する。この不良ワーク排出部についても、ワークガイドといった可動部に検出マークを付し、画像処理部41でその検出マークの重心、面積を認識することにより、特別なセンサを使用することなく、動作を制御することが可能である。
上記のように、CCDカメラにより撮像された動画を処理するのではなく、動作終了時点での静止画を用い、また画像全域を用いずに、関心領域のみを対象として判定処理を行うことで、高速に処理を行うことが可能となり、若しくは安価なプロセッサを用いて処理することが可能となる。また上述したように、画像データを解析し、各可動部の位置を確認することで、他のセンサがなくとも、原点位置確認やオーバーラン検知を行うことが可能となり、且つ各部の動作完了を判定した後に、次の動作を行うよう指令を出すことで、誤動作を防止することが可能となる。さらに、検出マークの重心位置、面積を判定に用いることで、各可動部の位置を精密に評価することが可能となり、誤動作の防止をより確実に行うことができる。また、ステップS02〜S26の各動作終了判定ステップにおいて、各可動部の動作完了と判定した画像データを保存することにより、事後的にそれらの画像を参照することで組み立て装置100の動作解析を簡便に行うことが可能となり、特に異常発生時における原因の究明を容易に行うことが可能となる。さらに各可動部の動作未了と判定した画像データを廃棄することにより、保存するデータ量を減らすことができ、そのため事後的な動作解析において参照するデータ数も最小限で済み、ユーザの負担を軽減することが可能となる。
次に、本発明に係る駆動制御装置の第2の実施形態を以下に示す。第2の実施形態においても、組み立て装置として実装したものである。
第2の実施形態においても、各部の機能、及び動作手順(ステップS00〜S26)は第1の実施形態と同様である。ただし、第2の実施形態では、ステップS02、S04等における、各可動部の動作終了判定方法(ステップS201〜S208)が第1の実施形態と異なる。そのため、以下では、第2の実施形態に係る各可動部の動作終了判定方法についてのみ、ステップS02を例として説明する。
図9及び図10に、第2の実施形態に係る各可動部の動作終了判定方法のフローチャートを示す。
第1の実施形態と同様に、事前準備として、搬送ユニット10の前進動作終了時点に相当する参照画像データを取得する。取得した参照画像データから、搬送ユニット10の前進動作終了時点における検出マーク13の存在すべき位置を含む関心領域101を設定する。そして、搬送ユニット10の前進動作終了時点における検出マーク13を示す画素の重心位置、及び画像中の面積を、それぞれ基準重心Gorg、基準面積Dorgとして算出する。そしてそれら基準重心Gorg、基準面積Dorgを予めメモリに記憶させておく。また、参照画像データ自身もメモリ43に記憶させておく。
組み立て装置100の稼動時においては、画像処理部41は、メモリ43から参照画像データを読み出す(S211)。そしてプロセッサ40がCCDカメラ30から逐次受信する画像データから、判定に使用する画像データを取得する(S212)。取得した画像データと参照画像データとの間で、上記関心領域内の各画素について信号値の差分絶対値を求め、その平均値(平均絶対偏差)を算出する(S213)。算出した平均絶対偏差が、所定の閾値以下か否かを判定する(S214)。算出した平均絶対偏差が、所定の閾値を超える場合、搬送ユニット10の前進動作は未了として、画像データを再取得する。一方、上記平均絶対偏差が、閾値以下となった場合には、搬送ユニット10の前進動作が完了した可能性があるため、画像処理部41は、検出マーク13の重心位置G、面積Dを求め、参照画像データから求めた重心Gorg、面積Dorgとの比較により、搬送ユニット10の前進動作(S10)が終了したか否かを判定する(S203〜S206)。なお、重心位置G、面積Dの算出方法、及び重心Gorg、面積Dorgとの比較は、第1の実施形態と同様の手順により実行する。搬送ユニット10の前進動作が終了したと判断した場合、画像処理部41は、モータドライバ42に対して、次の動作を実行させるための指令となるタイミング信号を出力する(ステップS207)。また、判定に使用した画像データをメモリ43に保存する(ステップS208)。
一方、ステップS206で、搬送ユニット10の前進動作は終了していないと判断した場合、その判断に用いた画像データは廃棄し、画像データの再取得(ステップS212)に戻る。
上述したように、画像データと参照画像データとの関心領域内の対応画素間の平均絶対偏差を評価する、パターンマッチング処理を導入し、ある程度候補となる画像データを限定することによって、さらに高速に前進動作の判定を行うことが可能となる。
なお、上述してきた実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明は、実施形態に限定されるものではない。
10 搬送ユニット
20 上下ユニット
30 CCDカメラ
13、14、25、26 検出マーク
100 組み立て装置
101 関心領域
20 上下ユニット
30 CCDカメラ
13、14、25、26 検出マーク
100 組み立て装置
101 関心領域
Claims (12)
- 複数の可動部を同時に撮影可能な撮像部と、
前記撮像部で撮影した画像データに基づいて、前記複数の可動部のうち、少なくとも1つの可動部の位置情報を取得し、且つ当該位置情報が所定の条件を満たしているか否かを判定し、当該条件を満たしていると判定した場合、前記複数の可動部のうち少なくとも1つを起動させるための制御信号を出力する制御部と、
を有することを特徴とする駆動制御装置。 - 前記位置情報は、前記可動部の動作終了後の位置情報である請求項1に記載の駆動制御装置。
- 前記制御は、シーケンス制御であって、前記制御信号は、制御同期信号である請求項1又は2に記載の駆動制御装置。
- 前記制御部は、前記位置情報が前記所定の条件を満たさないと判断した場合、前記撮像部から別の画像データを取得し、当該別の画像データに基づいて前記位置情報を取得する、請求項1〜3の何れか一項に記載の駆動制御装置。
- 前記可動部は、前記位置情報を特定するための少なくとも1つの検出マークを有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の駆動制御装置。
- 前記位置情報は、前記画像データにおける前記検出マークの重心であり、且つ前記所定の条件を満たしているか否かの判定は、前記重心と予め定められた基準位置との距離が予め定められた閾値以下の場合、条件を満たすと判定する、請求項5に記載の駆動制御装置。
- 前記制御部は、前記画像データの一部に関心領域を設定し、当該関心領域に含まれる画像データのみに基づいて前記位置情報を取得する、請求項1〜6の何れか一項に記載の駆動制御装置。
- 前記撮像部は、前記複数の可動部の動作平面の何れにも属さない面内に配置される、請求項1〜7の何れか一項に記載の駆動制御装置。
- 複数の可動部を撮影して、画像データを取得するステップと、
前記画像データに基づいて、前記複数の可動部のうち、少なくとも1つの可動部の位置情報を取得するステップと、
前記位置情報が所定の条件を満たしているか否かを判定するステップと、
前記判定ステップにおいて、前記位置情報が前記の所定の条件を満たしていると判定された場合、前記複数の可動部のうち、少なくとも1つを起動させるための制御信号を出力するステップと、
を有することを特徴とする駆動制御方法。 - 前記位置情報は、前記可動部の動作終了後の位置情報である請求項9に記載の駆動制御方法。
- 前記可動部は、位置情報を特定するための少なくとも1つの検出マークを有し、
前記位置情報を取得するステップは、前記画像データにおける前記検出マークの重心を検出し、
前記の判定ステップは、前記重心と予め定められた基準位置との距離が予め定められた閾値以下の場合、条件を満たすと判定する請求項9又は10に記載の駆動制御方法。 - 前記位置情報を取得するステップは、前記画像データの一部に関心領域を設定し、当該関心領域に含まれる画像データのみに基づいて前記位置情報を取得する請求項9〜11の何れか一項に記載の駆動制御方法。
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