JP2006220703A - 液晶表示装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板間の導通を確保しつつ、電気抵抗を低下させることが可能な、液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 カラーフィルタ基板10に導電性突起72が形成されている。この導電性突起72は、カラーフィルタ基板10の表面に芯部材74を形成し、カラーフィルタ基板10の走査線9と導通する導電膜76を芯部材74の表面に配設して構成されている。そして、素子基板25に形成された引廻し配線78の表面に、上述した導電性突起72を当接させて、基板間導通部70が構成されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、液晶表示装置および電子機器に関するものである。
携帯電話等の電子機器の画像表示手段として、液晶表示装置が広く利用されている。液晶表示装置は、電極が形成された一対の基板により液晶層を挟持して構成され、その電極間に電界を印加して液晶分子を配向させ、液晶層の光透過率を画素単位で制御することにより、画像を表示するようになっている。
図11は、特許文献1に記載された従来技術に係る液晶表示装置の側面断面図である。この液晶表示装置では、素子基板25とカラーフィルタ基板(CF基板)10とが、シール材19を介して貼り合わされている。そして、素子基板25に形成された引廻し配線78と、CF基板10に形成された走査線9とが、シール材19に分散された導電粒子80を介して導通する構成となっている。
特開2003−5196号公報
しかしながら、上述した液晶表示装置では、シール材19に分散させる導電粒子80の濃度が問題になる。導電粒子80の濃度が高すぎると、シール材19による基板間の接着力が弱くなり、導電粒子80の濃度が低すぎると、一部の配線間に導電粒子が配置されずに、導通が確保できなくなるおそれがあるからである。また、導電粒子80の直径のばらつきによっても、一部の配線間で導通を確保できなくなるおそれがある。
さらに、両基板の配線と導電粒子80とが点接触になるため、導通部の電気抵抗が大きくなるという問題がある。なお、導電粒子80を圧縮変形させて両基板に面接触させることにより、電気抵抗を低下させる構造も考えられる。しかしながら、導電粒子80を圧縮変形させるには大きな荷重が必要になる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、基板間の導通を確保しつつ、電気抵抗を低下させることが可能な、液晶表示装置の提供を目的とする。
また、電気的接続の信頼性に優れた電子機器の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の液晶表示装置は、液晶層を挟持する一対の基板のうち少なくとも第1の前記基板には、前記一対の基板のうち第2の前記基板との導通を確保するための導電性突起が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、基板間の導通に導電粒子を使用しないので、導電粒子の欠缺や直径のばらつき等による導通不良を回避することが可能になり、基板間の導通を確保することができる。
また前記導電性突起は、前記第1基板に形成された芯部材の表面に導電膜を配設してなることが望ましい。
この構成によれば、導電性突起を簡単に低コストで製造することができる。
また前記芯部材は、弾性材料により先細り形状に形成されていることが望ましい。
この導電性突起を第2基板の表面に押圧すれば、導電性突起の先端部を容易に圧縮変形させて、第2基板と面接触させることが可能になる。これにより、導通部の電気抵抗を低下させることができる。
一方、本発明の電子機器は、上述した液晶表示装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、基板間の導通が確保された液晶表示装置を備えているので、電気的接続の信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。なお本明細書では、液晶表示装置の各構成部材における液晶層側を内側と呼び、その反対側を外側と呼ぶことにする。
[第1実施形態]
最初に、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置につき、図1ないし図5を用いて説明する。図4に示す第1実施形態の液晶表示装置は、透過型の液晶表示装置であって、素子基板25とカラーフィルタ基板(CF基板)10との間に液晶層50を挟持してなり、素子基板25と液晶層50との間には、液晶層50に電圧を印加する画素電極31が形成され、液晶層50は、選択電圧印加時において電界方向と略垂直に配向する誘電率異方性が負の液晶分子で構成されているものである。なお、第1実施形態では薄膜ダイオード(Thin Film Diode;TFD)素子を備えたアクティブマトリクス型の液晶表示装置を例にして説明するが、パッシブマトリクス型の液晶表示装置に本発明を適用することも可能である。
(液晶表示装置)
図1は、液晶表示装置の分解斜視図である。液晶表示装置100は、素子基板25の端部が露出するようにCF基板10を貼り合わせて構成されている。露出した素子基板25の端部には、素子基板25に形成されたデータ線11が引廻されている。またCF基板10に形成された走査線9も、基板間導通部70および引廻し配線78を介して、素子基板25の端部に引廻されている。
その素子基板25の端部に駆動用IC4が実装されて、データ線11および走査線9と電気的に接続されている。また駆動用IC4は、素子基板25の端部に実装されたフレキシブルプリント基板(FPC)5に対しても電気的に接続されている。そして、外部からFPC5を介して駆動用IC4に信号が供給され、さらに駆動用IC4からデータ線11および走査線9を介して液晶表示装置100の画素領域に信号が供給される。これにより、液晶表示装置100が駆動されて、画像が表示されるようになっている。
(等価回路)
図2は、TFD素子を用いた液晶表示装置の等価回路図である。液晶表示装置100の画像表示領域には、走査信号駆動回路110により駆動される複数の走査線9と、データ信号駆動回路120により駆動される複数のデータ線11とが、格子状に配置されている。その各走査線9と各データ線11との複数の交点付近には、それぞれTFD素子13および液晶表示要素(液晶層)50が配置されている。そして、その各TFD素子13および各液晶層50は、各走査線9と各データ線11との間に直列接続されている。
(平面構造)
図3は、TFD素子を用いた液晶表示装置の表示領域を示す部分斜視図である。本実施形態の液晶表示装置100は、相互に対向する素子基板25とCF基板10とを主体として構成されており、両基板10,25の間には図示略の液晶層が挟持されている。
素子基板25は、ガラスやプラスチック、石英等の透光性材料からなる基板本体25Aを備えている。また、基板本体25Aの内側(図示下側)には、複数のデータ線11がストライプ状に設けられている。さらに、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料からなる平面視略矩形状の複数の画素電極31が、マトリクス状に配列形成されている。
そして、各画素電極31はTFD素子13を介して前記データ線11と接続されている。
このTFD素子13は、基板表面に形成されたTaを主成分とする第1導電膜と、その第1導電膜の表面に形成されたTaを主成分とする絶縁膜と、その絶縁膜の表面に形成されたCrを主成分とする第2導電膜とによって構成されている(いわゆるMIM構造)。その第1導電膜がデータ線11に接続され、第2導電膜が画素電極31に接続されている。これによりTFD素子13は、画素電極31への通電を制御するスイッチング素子として機能するようになっている。
一方、CF基板10は、ガラスやプラスチック、石英等の透光性材料からなる基板本体10Aを備えている。また、基板本体10Aの内側(図示上側)には、カラーフィルタ層(CF層)22と、複数の対向電極(走査線)9とが形成されている。CF層22は、平面視略矩形状のカラーフィルタ22R,22G,22Bが周期的に配列された構成となっている。各カラーフィルタ22R,22G,22Bは、前記素子基板25の画素電極31に対応して形成されている。そのカラーフィルタ22R,22G,22Bを覆うように、対向電極9が形成されている。対向電極9は、ITO等の透明導電材料によって略帯状に形成され、前記素子基板25のデータ線11と交差する方向に延在し、走査線として機能するようになっている。なお、画素電極31の形成領域により1ドットが構成され、カラーフィルタ22R,22G,22Bを備えた3ドットにより1画素が構成されている。
(断面構造)
図4は、図3のA−A線に沿う側面断面図である。なお図4では、理解を容易にするため、素子基板25におけるTFD素子および各種配線の記載を省略している。
素子基板25およびCF基板10は、その周縁部に塗布されたシール材(不図示)により相互に接着されている。そして、素子基板25およびCF基板10とシール材とによって形成される空間に、液晶層50が封入されている。液晶層50の厚さ(セルギャップ)は、CF基板10に立設したフォトスペーサ52を素子基板25に当接させることによって規制されている。このフォトスペーサ52は、アクリル樹脂等からなり、画素領域の周縁部に配置されている。なお画素領域の周縁部には、カラーフィルタ22R,22G,22Bを積層させてブラックマトリクス28が形成されている。このブラックマトリクス28の上方にオーバーコート層29を介してフォトスペーサ52を形成することにより、フォトスペーサ52のアスペクト比が低減されている。
素子基板25およびCF基板10の間に挟持された液晶層50は、誘電異方性が負の液晶材料で構成されている。この液晶材料は、液晶分子51により概念的に示すように、非選択電圧印加時には配向膜に対して略垂直に配向し、選択電圧印加時には配向膜に対して略平行に(すなわち、電界方向と略垂直に)配向するものである。ここで「非選択電圧印加時」および「選択電圧印加時」とは、それぞれ「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧近傍である時」および「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧に比べて十分高い時」を意味する。
なお、素子基板25およびCF基板10の液晶層50側に、誘電体突起や電極スリット等の配向規制手段(不図示)を設けることが望ましい。配向規制手段は、非選択電圧印加時において前記液晶分子を各基板10,25の垂直方向から一定方向に傾斜配向させるものである。このような配向規制手段を設けることにより、液晶分子のダイレクタを複数作り出すことが可能になり、視野角の広い液晶表示装置を提供することができる。
一方、素子基板25の外面には位相差板36及び偏光板37が設けられ、CF基板10の外面にも位相差板26及び偏光板27が設けられている。この偏光板27,37は、特定方向に振動する直線偏光のみを透過させる機能を有する。また位相差板26,36には、可視光の波長に対して略1/4波長の位相差を持つλ/4板が採用されている。なお、偏光板27,37の透過軸と位相差板26,36の遅相軸とが約45°をなすように配置されて、偏光板27,37および位相差板26,36により各々円偏光板が構成されている。この円偏光板により、直線偏光を円偏光に変換し、円偏光を直線偏光に変換しうるようになっている。また、偏光板27の透過軸および偏光板37の透過軸は直交するように配置され、位相差板26の遅相軸および位相差板36の遅相軸も直交するように配置されている。
さらに、CF基板10の外面側にあたる液晶セルの外側には、光源、リフレクタ、導光板などを有するバックライト(照明手段)60が設置されている。
そして、図4に示す透過型の液晶表示装置では、次のようにして画像表示が行われる。バックライト60からCF基板10に入射した光は、偏光板27および位相差板26を透過して円偏光に変換され、液晶層50に入射する。非選択電圧印加時において、垂直配向している液晶分子には屈折率異方性がないので、入射光は円偏光を保持したまま液晶層50を透過する。さらに円偏光は、位相差板36を透過する過程で、偏光板37の透過軸と直交する直線偏光に変換される。そして、この直線偏光は偏光板37を透過しないので、本実施形態の液晶表示装置では、非選択電圧印加時において黒表示が行われる(ノーマリーブラックモード)。
また、液晶層50に選択電圧を印加すると、液晶分子が基板と略平行に(電界方向と略垂直に)再配向して、屈折率異方性を具備する。そのため、液晶層50に入射した円偏光は、液晶層50を透過する過程で楕円偏光に変換される。この入射光が位相差板36を透過しても、偏光板37の透過軸と直交する直線偏光には変換されず、その全部または一部が偏光板37を透過する。したがって、本実施形態の液晶表示装置では、選択電圧印加時において白表示が行われる。なお、液晶層50に印加する電圧を調整することにより、階調表示を行うことも可能である。
(基板間導通部)
図5は、第2実施形態に係る液晶表示装置の端部における側面断面図である。上述したように、素子基板25およびCF基板10は、それらの周縁部に塗布されたシール材19により相互に接着されている。また、素子基板25およびCF基板10とシール材19とによって形成される空間に、液晶層50が封入されている。そして、CF基板10に形成された走査線9は、基板間導通部70および引廻し配線78(図1も参照)を介して、素子基板25に引廻されている。なお、CF基板10に形成された複数の走査線9のそれぞれに対応して、複数の基板間導通部70および引廻し配線78が形成されている。
図5に示す基板間導通部70は、CF基板10に形成された導電性突起72と、素子基板25に形成された引廻し配線78とを、相互に当接させたものである。導電性突起72は、CF基板10の内面に形成され弾性材料等からなる芯部材74と、芯部材74の表面に配設されITO等からなる導電膜76とによって構成されている。この導電膜76は、CF基板10に形成された走査線9と導通するものである。なお、芯部材74を構成する弾性材料として感光性樹脂を採用すれば、フォトリソグラフィ技術によって簡単に芯部材74を形成することができる。
一方、素子基板25の引廻し配線78は、シール材19の外側に沿って素子基板25の端部まで延設されている。なお基板間導通部70の形成位置に、引廻し配線78と導通するパッドが形成されていてもよい。このような引廻し配線78の表面に、導電性突起72の先端が当接した状態で、CF基板10と素子基板25との相対位置が固定されている。これにより、基板間の導通が確保されている。
上述した導電性突起72の先端部は、先細り形状とされていることが望ましい。先細り形状とは、CF基板10に対して平行な面による導電性突起72の断面の断面積が、導電性突起72の底部から先端部にかけて小さくなっていることを言う。例えば、図5に示すように芯部材74の先端部を錘状や半球状等に形成して、その表面に導電膜76を配設すればよい。このような芯部材74は、グレーマスクを使用したフォトリソグラフィ技術や、ネガレジストの端部ダレなどを利用して形成することが可能である。そして、このような先細り形状の導電性突起72を引廻し配線78の表面に押圧すれば、導電性突起72の先端部を容易に圧縮変形させることが可能になる。これにより、導電性突起72と引廻し配線78とを面接触させて、導通部の電気抵抗を低下させることができる。
以上に詳述したように、本実施形態に係る液晶表示装置では、CF基板と素子基板との導通を確保する導電性突起が設けられている構成とした。この構成によれば、シール材に導電粒子を分散させる必要がなくなり、シール材の接着力の低下を回避することができる。また、導電粒子の直径のばらつきによる導通不良を回避することが可能になり、基板間の導通を確保することができる。さらに、高価な導電粒子を使用しないので、製造コストを低減することができる。
なお、第1実施形態ではCF基板に形成した導電性突起を素子基板に形成した引廻し配線に当接させたが、素子基板に形成した導電性突起をCF基板に形成した電極パッドに当接させてもよい。この場合、素子基板の導電性突起の導電膜を引廻し配線に導通させ、CF基板の電極パッドを走査線に導通させる。一方、CF基板および素子基板の両方に導電性突起を形成し、これらを突き当てることによって基板間の導通を確保してもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置につき、図6ないし図10を用いて説明する。図8に示す第2実施形態の液晶表示装置は、半透過反射型の液晶表示装置であり、画素電極31の形成領域(ドット領域)に透過表示領域Tと反射表示領域Rとが設けられ、少なくとも反射表示領域Rに液晶層厚調整層21が設けられている点で、透過型の液晶表示装置である第1実施形態と相違している。また図7に示すように、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)素子30を採用している点で、TFD素子を採用している第1実施形態と相違している。なお、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
(液晶表示装置)
図6は、第2実施形態に係る液晶表示装置の素子基板の平面図である。素子基板25の中央には画像表示領域101が形成され、その周縁部にシール材19が配設されている。そのシール材19の外側には、走査信号駆動回路110およびデータ信号駆動回路120を構成する駆動用ICが実装されている。また、各駆動回路110,120から素子基板25の端部の接続端子8にかけて、配線が引廻されている。
一方、素子基板25に貼り合わされるCF基板(不図示)には、共通電極7が形成されている。この共通電極7は画像表示領域101のほぼ全域に形成され、その周縁部の少なくとも1箇所には基板間導通部70が設けられている。なお図6では、共通電極7の四隅に基板間導通部70が設けられている。また、基板間導通部70から接続端子8にかけて、引廻し配線78が形成されている。
そして、外部から入力された信号が、接続端子8を介して画像表示領域101に供給される。これにより、液晶表示装置が駆動されて、画像が表示されるようになっている。
(等価回路)
図7は、TFT素子を用いた液晶表示装置の等価回路図である。液晶表示装置の画像表示領域には、データ線6aおよびゲート線3aが格子状に配置され、両者の交点付近には、画像表示単位であるドットが配置されている。そして、マトリクス状に配置された複数のドットには、それぞれ画素電極31と、当該画素電極31への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子30とが形成されている。このTFT素子30のソースには、データ線6aが電気的に接続されている。各データ線6aには画像信号S1、S2、‥、Snが供給される。なお画像信号S1、S2、‥、Snは、各データ線6aに対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6aに対してグループ毎に供給してもよい。
また、TFT素子30のゲートには、ゲート線(走査線)3aが電気的に接続されている。ゲート線3aには、所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、‥、Gnが供給される。なお走査信号G1、G2、‥、Gnは、各ゲート線3aに対してこの順に線順次で印加する。また、TFT素子30のドレインには、画素電極31が電気的に接続されている。そして、ゲート線3aから供給された走査信号G1、G2、‥、Gnにより、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオン状態にすると、データ線6aから供給された画像信号S1、S2、‥、Snが、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれるようになっている。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、‥、Snは、画素電極31と後述する共通電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、‥、Snがリークするのを防止するため、画素電極31と容量線3bとの間に蓄積容量17が形成され、液晶容量と並列に配置されている。そして、上記のように液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となっている。
(断面構造)
図8は、第2実施形態に係る液晶表示装置の側面断面図である。なお図8では、理解を容易にするため、素子基板25におけるTFT素子および各種配線の記載を省略している。上述したように、TFT素子を採用する場合には、画素電極31と容量線との間に蓄積容量を形成する必要がある。そこで、画素電極31を光源側基板に配置するとともに、容量線をその外側に配置すれば、容量線による開口率の低下を回避することができる。したがって、本実施形態では、素子基板25を光源側(下側)に配置し、CF基板10を観察者側(上側)に配置する場合を例にして説明する。
素子基板25の内側におけるドット領域の一方端部には、表面に凹凸を有する樹脂層20aが形成されている。その樹脂層20aの表面には、アルミニウムや銀等の反射率の高い金属膜等からなる反射膜20が形成されている。この反射膜20の形成領域と画素電極31の形成領域とのオーバーラップ部分が反射表示領域Rとなり、反射膜20の非形成領域と画素電極31の形成領域とのオーバーラップ部分が透過表示領域Tとなっている。
その反射膜20の表面には、液晶層厚調整層21が形成されている。この液晶層厚調整層21は、アクリル樹脂等の電気絶縁性材料からなり、その厚さは例えば0.5〜2.5μm程度とされている。これにより、反射表示領域Rにおける液晶層50の層厚が、透過表示領域Tにおける液晶層50の層厚の半分程度に設定されて、マルチギャップ構造が実現されている。
半透過反射型の液晶表示装置では、反射表示領域Rへの入射光は液晶層50を2回透過するが、透過表示領域Tへの入射光は液晶層50を1回しか透過しない。この場合、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの間で液晶層50のリタデーション(位相差値)が異なると、光透過率に差異を生じて均一な画像表示が得られないことになる。しかしながら、液晶層厚調整層21を設けることにより、反射表示領域Rにおいてリタデーションを調整することが可能になる。したがって、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおいて均一な画像表示を得ることができる。
第2実施形態でも、液晶層50の厚さ(セルギャップ)を規制するため、CF基板における画素領域の周縁部にフォトスペーサ52が立設されている。ただし第2実施形態では、素子基板25における画素領域の周縁部に液晶層厚調整層21が延設され、その表面にフォトスペーサ52を当接させている。これにより、フォトスペーサ52のアスペクト比が低減されている。
(基板間導通部)
図9は、第2実施形態に係る液晶表示装置の端部における側面断面図である。CF基板10に形成された共通電極7は、基板間導通部70および引廻し配線78(図1も参照)を介して、素子基板25に引廻されている。図9に示す基板間導通部70は、CF基板10に形成された導電性突起72と、素子基板25に形成された引廻し配線78とを、相互に当接させたものである。導電性突起72は、CF基板10の内面に形成され樹脂材料等からなる芯部材74と、芯部材74の表面に配設されITO等からなる導電膜76とによって構成されている。この導電膜76は、CF基板10に形成された共通電極7と導通するものである。
そして、引廻し配線78の表面に、導電性突起72の先端が当接した状態で、CF基板10と素子基板25との相対位置が固定されている。これにより、基板間の導通が確保されている。また第1実施形態と同様に、導電性突起72の先端部は先細り形状とされている。これにより、導電性突起72と引廻し配線78とを面接触させて、基板間導通部70の電気抵抗を低下させることができるようになっている。
以上に詳述したように、本実施形態に係る液晶表示装置では、CF基板と素子基板との導通を確保する導電性突起が設けられている構成とした。この構成によれば、第1実施形態と同様に、シール材の接着力の低下を回避することができる。また、基板間の導通を確保することができる。さらに、製造コストを低減することができる。
なお、第2実施形態では基板間導通部のCF基板側に導電性突起を形成したが、素子基板側に形成してもよいし、両方の基板に形成してもよい。また、第2実施形態では基板間導通部の素子基板側に厚さ調整層を形成したが、CF基板側に形成してもよいし、両方の基板に形成してもよい。
[電子機器]
図10は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。図10に示す携帯電話1300は、本発明の表示装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
上記各実施の形態の表示装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、電気的接続の信頼性に優れている。
なお、本発明の技術範囲は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、各実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
第1実施形態に係る液晶表示装置の分解斜視図である。 第1実施形態に係る液晶表示装置の等価回路図である。 第1実施形態に係る液晶表示装置の表示領域における部分斜視図である。 第1実施形態に係る液晶表示装置の表示領域における側面断面図である。 第1実施形態に係る液晶表示装置の端部における側面断面図である。 第2実施形態に係る液晶表示装置の平面図である。 第2実施形態に係る液晶表示装置の等価回路図である。 第2実施形態に係る液晶表示装置の表示領域における側面断面図である。 第2実施形態に係る液晶表示装置の端部における側面断面図である。 携帯電話の斜視図である。 従来技術に係る液晶表示装置の端部における側面断面図である。
符号の説明
9‥走査線 10‥カラーフィルタ基板 25‥素子基板 70‥基板間導通部 72‥導電性突起 74‥芯部材 76‥導電膜

Claims (4)

  1. 液晶層を挟持する一対の基板のうち少なくとも第1の前記基板には、前記一対の基板のうち第2の前記基板との導通を確保するための導電性突起が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記導電性突起は、前記第1基板上に形成された芯部材の表面に導電膜を配設してなることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記芯部材は、弾性材料により先細り形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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