JP2006220061A - 過給器付き内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

過給器付き内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は過給器付き内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、燃料挙動モデルを用いた燃料噴射量の計算において、燃料の蒸発特性の悪化に起因する計算誤差の増大を防止してインジェクタから噴射すべき燃料量を最適に制御する。
【解決手段】 インジェクタから噴射された燃料の動的挙動をモデル化した燃料挙動モデルを用いてインジェクタから噴射すべき燃料量を算出する。燃料挙動モデルは計算精度の異なるものを複数用意しておき、過給器の過給圧に応じて燃料噴射量の算出に用いる燃料挙動モデルを選択する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、過給器付き内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、特に、燃料挙動モデルを用いてインジェクタからの燃料噴射量を算出する燃料噴射制御装置に関する。
従来、インジェクタからの燃料噴射量の算出に燃料挙動モデルを用いることが知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。燃料挙動モデルは、インジェクタから噴射された燃料の動的挙動を複数のパラメータを用いてモデル化したものである。この燃料挙動モデルを用いることで、燃料噴射量を算出する上でポート壁面やバルブ等への燃料の付着分を考慮することができ、所望の空燃比を実現するために必要な燃料噴射量を正確に求めることが可能になる。
特許第2754744号公報 特開2002−115585号公報
燃料挙動モデルでは、燃料の付着率や付着した燃料の残留率を推定し、それらをパラメータとして燃料の付着量や蒸発量を計算している。したがって、燃料挙動モデルにより算出される燃料噴射量の精度は付着率や残留率の推定精度に依存するが、これらパラメータの推定精度は燃料が噴射される雰囲気の圧力が高いほど低下する。これは、高圧力下では燃料の蒸発特性が悪化するとともに、燃料性状による蒸発特性の差が拡大するからである。このため、過給によって吸入空気圧が上昇する過給器付き内燃機関では、燃料の蒸発特性の悪化に伴って計算誤差が大きくなり、インジェクタから噴射すべき燃料量を最適に制御することができないおそれがある。
なお、燃料噴射量の計算誤差を小さくする方法としては、実際の燃料挙動をより正確にモデル化した計算精度の高い燃料挙動モデルを使用することが考えられる。しかし、高い計算精度を実現するためには、より複雑な計算が必要になるためにECU(Electronic Control Unit)の計算負荷が増大してしまう。ECUは燃料噴射量の計算の他にも内燃機関の運転にかかわる種々の計算を行っているため、計算負荷の増大は可能なかぎり抑えたい。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料挙動モデルを用いた燃料噴射量の計算において、燃料の蒸発特性の悪化に起因する計算誤差の増大を防止してインジェクタから噴射すべき燃料量を最適に制御できるようにした過給器付き内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、過給器付き内燃機関の燃料噴射制御装置において、
インジェクタから噴射された燃料の動的挙動をモデル化した燃料挙動モデルを用いて前記インジェクタから噴射すべき燃料量を算出する燃料噴射量算出手段と、
前記過給器の過給圧を検出或いは推定する過給圧取得手段とを備え、
前記燃料噴射量算出手段は、計算精度の異なる複数の燃料挙動モデルを有しており、前記過給圧取得手段により検出或いは推定される過給圧に応じて燃料噴射量の算出に用いる燃料挙動モデルを選択することを特徴としている。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記燃料噴射量算出手段は、燃料挙動モデルとして計算精度の高い高次モデルと計算精度を落として計算負荷を小さくした低次モデルとを有しており、前記過給圧取得手段により検出或いは推定される過給圧が所定の基準値よりも高いときには前記高次モデルを用い、過給圧が前記基準値以下のときには前記低次モデルを用いることを特徴としている。
また、第3の発明は、第1の発明において、過給後の吸入空気の温度を検出或いは推定する吸入空気温度取得手段をさらに備え、
前記燃料噴射量算出手段は、前記過給圧取得手段により検出或いは推定される過給圧と、前記吸入空気温度取得手段により検出或いは推定される吸入空気温度とに応じて燃料噴射量の算出に用いる燃料挙動モデルを選択することを特徴としている。
第1の発明によれば、計算精度の異なる複数の燃料挙動モデルの中から、過給圧に応じた燃料挙動モデルが選択され、選択された燃料挙動モデルを用いてインジェクタから噴射すべき燃料量が算出される。過給圧と燃料の蒸発特性とは相関しているので、第1の発明によれば、燃料の蒸発特性に応じた計算精度で燃料噴射量を計算することができ、インジェクタから噴射すべき燃料量を最適に制御することができる。また、燃料挙動モデルはその計算精度が高いほど計算負荷も高くなることから、過給圧に応じて必要な計算精度の燃料挙動モデルを選択することで、計算負荷の増大を抑えることができる。
第2の発明によれば、過給圧が高く燃料の蒸発特性が比較的悪化した状況では、高次モデルの使用によって高い計算精度で燃料噴射量を計算することができ、過給圧が低く燃料の蒸発特性が比較的良好な状況では、低次モデルの使用によって計算負荷を低減することができる。
第3の発明によれば、過給圧だけでなく過給後の吸入空気温度も燃料挙動モデルを選択する際の基準とすることで、より燃料の蒸発特性に適合した計算精度で燃料噴射量を計算することが可能になる。
以下、図1乃至図4を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態としての制御装置が適用された過給器付き内燃機関の概略構成図である。本実施形態では、過給器としてターボチャージャを備えた内燃機関(以下、ターボエンジンという)に本発明を適用している。図1に示すように、本ターボエンジンのエンジン本体2には、吸気通路4と排気通路6が接続されている。吸気通路4の途中にはスロットル12が配置され、吸気通路4のエンジン本体2との接続部には吸気ポートに燃料を噴射するためのインジェクタ14が気筒毎に配置されている。ターボチャージャ10は、一体に回転するコンプレッサ10aとタービン10bを有し、コンプレッサ10aは吸気通路4に、タービン10bは排気通路6にそれぞれ配置されている。吸気通路4におけるコンプレッサ10aの下流であってスロットル12の上流には、ターボチャージャ10の過給圧を検出する過給圧センサ32と、過給後の吸入空気温度を検出する温度センサ34が配置されている。また、吸気通路4におけるコンプレッサ10aの上流には、吸入空気量を検出するエアフローメータ30が配置されている。
本ターボエンジンは、エンジン本体2の運転状態を制御するためのECU20を備えている。ECU20の出力側には前述のインジェクタ14やスロットル12等の種々の機器が接続されている。ECU20の入力側には、前述のエアフローメータ30、過給圧センサ32、温度センサ34の他、クランク軸の回転角を検出するクランク角センサや冷却水温を検出する水温センサ等の種々のセンサ類が接続されている。ECU20には、これらの機器やセンサ以外にも複数の機器やセンサが接続されているが、ここではその説明は省略する。ECU20は、各センサの出力に基づき、所定の制御プログラムにしたがって各機器を制御するようになっており、インジェクタ14による燃料噴射もECU20によって制御されている。以下、ECU20により実施される燃料噴射制御について説明する。
ECU20は、インジェクタ14からの燃料噴射量の算出に燃料挙動モデルを使用する。ECU20は、燃料噴射量の算出に使用する燃料挙動モデルとして、低次の燃料挙動モデル(以下、低次モデルという)と、高次の燃料挙動モデル(以下、高次モデルという)とを有している。ここで、高次モデルとは、ECU20の計算負荷は大きいものの計算精度の高いモデルのことであり、低次モデルとは、計算精度を落としてECU20の計算負荷を軽減したモデルのことである。例えば、2つの燃料挙動モデルがある場合、燃料挙動を表すためのパラメータの数がより多いものが高次モデルであり、より少ないものが低次モデルであると言える。また、パラメータ数が同じ場合には、より複雑な関係式で表したものが高次モデルであり、より簡潔な関係式で表したものが低次モデルであると言える。高次モデルの具体例を模式的に示したのが図2であり、低次モデルの具体例を模式的に示したのが図3である。
図2,図3に示す各燃料挙動モデルは、インジェクタ14からの燃料噴射量fiと筒内流入燃料量fcとの関係を表している。筒内流入燃料量fcは、エンジンの運転状態に応じて燃焼室内に存在することが要求される燃料量(筒内要求燃料量)である。筒内流入燃料量fcは、次式(1)に示すように、エアフローメータ34で計測される吸入空気量Gaを目標空燃比AFRで除することにより算出することができる。
fc=Ga/AFR ・・・(1)
燃料挙動モデルを用いることで、上記の筒内流入燃料量fcを実現するのに必要な燃料噴射量fiを燃料の付着や付着燃料の蒸発を考慮に入れて正確に算出することが可能になる。
図2に示す高次モデルについて具体的に説明する。インジェクタ14から噴射された燃料は、その一部が吸気ポートの壁面や吸気バルブに付着し、その残部が燃焼室内に流入する。図3に示す高次モデルでは、噴射された燃料が吸気ポートの壁面に付着する割合を「付着率Rp」、吸気バルブに付着する割合を「付着率Rv」とする。これらパラメータRp,Rvを用いると、新たに噴射された燃料のうち、吸気ポートの壁面に付着する燃料の量は「Rp×fi」、吸気バルブに付着する燃料の量は「Rv×fi」で表されることとなる。一方、噴射燃料のうち、燃焼室内に吸入される燃料の量は「(1-Rp-Rv)×fi」で表されることとなる。なお、付着率Rp,Rvは、エンジンの運転状態(エンジン回転数、負荷、水温、過給圧等)をパラメータとするマップを参照して決定される。
燃焼室内には、インジェクタ14から直接的に供給される燃料「(1-Rp-Rv)×fi」に加えて、ポート付着燃料やバルブ付着燃料の気化により生じた気化燃料が流入する。図3に示す高次モデルでは、ポート付着燃料が吸気ポートの壁面に付着したままの状態で残る割合を「残留率Pp」とし、バルブ付着燃料が吸気バルブに付着したままの状態で残る割合を「残留率Pv」とする。これらパラメータPp,Pvを用いると、前サイクルにおいて生じていたポート付着量fwpのうち、「Pp×fwp」で表される量は、ポート付着燃料のまま残ることとなり、一方、「(1-Pp)×fwp」で表される量の燃料が燃焼室内に吸入されることとなる。また、前サイクルにおいて生じていたバルブ付着量fwvのうち、「Pv×fwv」で表される量は、バルブ付着燃料のまま残ることとなり、一方、「(1-Pv)×fwv」で表される量の燃料が燃焼室内に吸入されることとなる。なお、残留率Pp,Pvは、エンジンの運転状態(エンジン回転数、負荷、水温、過給圧等)をパラメータとするマップを参照して決定される。
したがって、第kサイクルの開始時(例えば、吸気行程の開始時)におけるポート付着量がfwp(k)、バルブ付着量がfwv(k)であり、第kサイクルにおけるポート付着率、バルブ付着率がそれぞれRp(k)、Rv(k)、ポート残留率、バルブ残留率がそれぞれPp(k)、Pv(k)であり、第kサイクルにおける燃料噴射量がfi(k)である場合、第k+1サイクルにおけるポート付着量fwp(k+1)とバルブ付着量fwv(k+1)は、それぞれ次の式(2)、式(3)のように表すことができる。また、第kサイクルにおいて吸気ポートから燃焼室内に流入する燃料量fc(k)は、次式(4)のように表すことができる。
fwp(k+1)=Pp(k)×fwp(k)+Rp(k)×fi(k) ・・・(2)
fwv(k+1)=Pv(k)×fwv(k)+Rv(k)×fi(k) ・・・(3)
fc(k)=(1-Rp(k)-Rv(k))×fi(k)+(1-Pp(k))×fwp(k)+(1-Pv(k))×fwv(k) ・・・(4)
上記の式(4)から、高次モデルにおいてfc(k)の燃料を燃焼室内に供給するために必要な燃料噴射量fi(k)は、次の式(5)のように表すことができる。
fi(k)={fc(k)-(1-Pp(k))×fwp(k)-(1-Pv(k))×fwv(k)}/(1-Rp(k)-Rv(k)) ・・・(5)
次に、図3に示す低次モデルについて具体的に説明する。図3に示す低次モデルでは、噴射された燃料が付着する場所として吸気ポートと吸気バルブとを区別せず、単に壁面に付着するものと考え、この壁面への付着割合を「付着率R」とする。このパラメータRを用いると、新たに噴射された燃料のうち、壁面に付着する燃料の量は「R×fi」で表されることとなる。一方、噴射燃料のうち、燃焼室内に吸入される燃料の量は「(1-R)×fi」で表されることとなる。なお、付着Rは、エンジンの運転状態(エンジン回転数、負荷、水温、過給圧等)をパラメータとするマップを参照して決定される。
また、図3に示す低次モデルでは、付着燃料が壁面に付着したままの状態で残る割合を「残留率P」とする。このパラメータPを用いると、前サイクルにおいて生じていた付着量fwのうち、「P×fw」で表される量は付着燃料のまま残ることとなり、「(1-P)×fw」で表される量の燃料が燃焼室内に吸入されることとなる。なお、残留率Pは、エンジンの運転状態(エンジン回転数、負荷、水温、過給圧等)をパラメータとするマップを参照して決定される。
したがって、第kサイクルの開始時における付着量がfw(k)であり、第kサイクルにおける付着率と残留率がそれぞれR(k)、P(k)であり、第kサイクルにおける燃料噴射量がfi(k)である場合、第k+1サイクルにおける付着量fw(k+1))は、次の式(6)のように表すことができる。また、第kサイクルにおいて吸気ポートから燃焼室内に流入する燃料量fc(k)は、次式(7)のように表すことができる。
fw(k+1)=P(k)×fw(k)+R(k)×fi(k) ・・・(6)
fc(k)=(1-R(k))×fi(k)+(1-P(k))×fw(k) ・・・(7)
上記の式(7)から、低次モデルにおいてfc(k)の燃料を燃焼室内に供給するために必要な燃料噴射量fi(k)は、次の式(8)のように表すことができる。
fi(k)={fc(k)-(1-P(k))×fw(k)}/(1-R(k)) ・・・(8)
以上説明したように、図2に示す高次モデルでは4つのパラメータRp,Rv,Pp,Pvを用いて燃料挙動を表しているのに対し、図3示す低次モデルでは2つのパラメータR,Pによって燃料挙動を表している。2つのモデルを計算精度で比較した場合、より多くのパラメータを用いている高次モデルの方が、パラメータ数の少ない低次モデルよりも実際の燃料挙動をよりリアルに表すことができ、より高い精度で燃料噴射量fiを計算することができる。一方、2つのモデルを計算負荷で比較した場合、燃料噴射量fiを算出するためには、高次モデルでは複雑な式(2)、式(3)、式(5)を計算する必要があるのに対し、低次モデルでは簡素な式(6)、式(8)を計算すればよい。したがって、ECU20の計算負荷は低次モデルの方が高次モデルよりも小さくすることができる。
図4に示すルーチンは、ECU20により実行される燃料噴射制御の内容をフローチャートで示したものである。このルーチンでは、過給圧に応じて上記の2つの燃料挙動モデルのうち1つを選択し、選択した燃料挙動モデルを用いてインジェクタ14からの燃料噴射量を計算するようになっている。このルーチンを実行することにより、ECU20は本発明の「燃料噴射量算出手段」として機能する。以下、図4に示すルーチンについて具体的に説明する。
図4に示すルーチンでは、まず、過給圧センサ32によって過給圧の検出が行われる(ステップ100)。ターボチャージャ10の過給圧は、排気エネルギが大きくなる高回転高負荷時ほど高くなる。過給圧は燃料の蒸発特性に影響し、過給圧が高くなるほど燃料は蒸発しづらくなり、燃料性状による蒸発特性の差も大きくなる。燃料挙動モデルによる計算誤差は燃料の蒸発特性の悪化に伴って大きくなるため、過給圧が高い場合にはより精度の高い燃料挙動モデルを使用して燃料噴射量を計算することが望ましい。しかし、常に計算精度の高い燃料挙動モデルを使用すると、ECU20の計算負荷が過大になってしまうという懸念がある。
そこで、次のステップ102では、検出された過給圧が所定の基準圧αよりも高いか否か判定される。判定の結果、過給圧が基準圧αを超えている場合には、燃料モデルとして図2に示す高次モデルが選択される(ステップ104)。そして、選択した高次モデルの計算式である上記式(2)、式(3)、式(5)に従い、インジェクタ14からの燃料噴射量が算出される(ステップ108)。
一方、ステップ102の判定の結果、過給圧が基準圧α以下の場合には、燃料モデルとして図3に示す低次モデルが選択される(ステップ106)。そして、選択した低次モデルの計算式である上記式(6)、式(8)に従い、インジェクタ14からの燃料噴射量が算出される(ステップ108)。
以上のルーチンによれば、過給圧が高く燃料の蒸発特性が比較的悪化した状況では、高次モデルの使用によって高い計算精度で燃料噴射量を計算することができる。また、過給圧が低く燃料の蒸発特性が比較的良好な状況では、低次モデルの使用によってECU20の計算負荷を低減することができる。したがって、本ルーチンによれば、ECU20の計算負荷を徒に増大させることなく、インジェクタ14から噴射すべき燃料量を常に最適に制御することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
図2,図3に示す各モデルは、本発明において使用できる燃料挙動モデルの一例にすぎない。例えば、高次モデルでは、より精度の高い計算を行うために燃料性状によってパラメータを変更するようにしてもよい。また、燃料噴射量の変更が筒内流入量の変化に表れるまでの時間をディレイ時間として定義し、このディレイ時間もパラメータに加えるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、過給圧センサ32によって過給圧を検出しているが、吸入空気量とエンジン回転数とから過給圧を推定するようにしてもよい。具体的には、過給圧と吸入空気量及びエンジン回転数との関係を事前に把握してマップを作成しておき、現在の運転状態に応じた過給圧をマップから読み出すようにする。
上記実施の形態では、過給圧によって高次モデルと低次モデルとを切替えているが、燃料の蒸発特性は過給圧だけでなく過給後の吸入空気温度の影響も受ける。このため、より望ましくは、温度センサ34により検出される吸入空気温度も考慮して高次モデルと低次モデルとの切替えを行うようにする。具体的には、切替の判定基準である基準圧αを吸入空気温度によって変更するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、高次モデルと低次モデルの2つの燃料挙動モデルを使用しているが、計算精度の異なるより多くの燃料挙動モデルを使用するようにしてもよい。過給圧に応じて必要精度の燃料挙動モデルを選択することで、計算負荷の増大を抑えつつインジェクタから噴射すべき燃料量を最適に制御することができる。
また、上記実施の形態では、過給器としてターボチャージャを想定しているが、スロットル上流圧を増大させることができる装置であれば、本発明の適用はターボチャージャ付きのエンジンに限定されない。例えば、機械式のスーパーチャージャを備えたエンジンにも適用することができる。
本発明の実施の形態としての制御装置が適用された過給器付き内燃機関の概略構成を示す図である。 燃料噴射量の計算に使用する高次の燃料挙動モデルを説明するための模式図である。 燃料噴射量の計算に使用する低次の燃料挙動モデルを説明するための模式図である。 本発明の実施の形態において実行される燃料噴射量制御ルーチンのフローチャートである。
符号の説明
2 エンジン本体
4 吸気通路
6 排気通路
10 ターボチャージャ
14 インジェクタ
20 ECU
30 エアフローメータ
32 過給圧センサ
34 温度センサ
AFR 目標空燃比
Ga 吸入空気量
fi 燃料噴射量
fc 筒内流入燃料量
fwp ポート付着燃料量(高次モデル)
fwv バルブ付着燃料量(高次モデル)
fw 付着燃料量(低次モデル)
Pp ポート残留率(高次モデル)
Rp ポート付着率(高次モデル)
Pv バルブ残留率(高次モデル)
Rv バルブ付着率(高次モデル)
R 付着率(低次モデル)
P 残留率(低次モデル)

Claims (3)

  1. 過給器付き内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    インジェクタから噴射された燃料の動的挙動をモデル化した燃料挙動モデルを用いて前記インジェクタから噴射すべき燃料量を算出する燃料噴射量算出手段と、
    前記過給器の過給圧を検出或いは推定する過給圧取得手段とを備え、
    前記燃料噴射量算出手段は、計算精度の異なる複数の燃料挙動モデルを有しており、前記過給圧取得手段により検出或いは推定される過給圧に応じて燃料噴射量の算出に用いる燃料挙動モデルを選択することを特徴とする過給器付き内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記燃料噴射量算出手段は、燃料挙動モデルとして計算精度の高い高次モデルと計算精度を落として計算負荷を小さくした低次モデルとを有しており、前記過給圧取得手段により検出或いは推定される過給圧が所定の基準値よりも高いときには前記高次モデルを用い、過給圧が前記基準値以下のときには前記低次モデルを用いることを特徴とする請求項1記載の過給器付き内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 過給後の吸入空気の温度を検出或いは推定する吸入空気温度取得手段をさらに備え、
    前記燃料噴射量算出手段は、前記過給圧取得手段により検出或いは推定される過給圧と、前記吸入空気温度取得手段により検出或いは推定される吸入空気温度とに応じて燃料噴射量の算出に用いる燃料挙動モデルを選択することを特徴とする請求項1記載の過給器付き内燃機関の燃料噴射制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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