JP2006219478A - サケ・マス類用寄生虫防除剤 - Google Patents

サケ・マス類用寄生虫防除剤 Download PDF

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【課題】サケ・マス類に悪影響をほとんど与えず、環境汚染を起こしにくい防除剤を提供すること。
【解決手段】茶抽出物を含有してなる、サケ・マス類用のイクチオボド防除剤、該防除剤を用いて、サケ・マス類に寄生しているイクチオボドを防除する工程を含む、サケ・マス類のイクチオボド防除方法、サケ・マス類に寄生しているイクチオボドの生育を抑制または阻害するための茶抽出物の使用、ならびにサケ・マス類のイクチオボド寄生虫症を予防または治療するための茶抽出物の使用。
【選択図】なし

Description

本発明は、サケ・マス類用の寄生虫防除剤に関する。
水産増養殖事業は飼育環境が限られた水域、あるいは水槽に高密度で飼育されているのが現状である。このような環境下において、細菌やウイルス、寄生虫などの病原体による感染症が発生すると飼育区域内に蔓延し、大きな被害がもたらされることになる。
その中でサケ・マス類の増養殖事業としてはギンザケの海面養殖と、北海道を中心に行われている人工孵化放流事業があり、その病害としては、微生物による感染症、受精卵の水カビ病と孵化稚魚のイクチオボド寄生虫症がある。イクチオボドは鞭毛虫類に分類される寄生虫(例えば、Ichthyobodo necatorなど)であり、サケ・マス類の皮膚や鰓などに寄生する。
イクチオボドは特に、サケ・マス類の孵化稚魚に頻繁に発生し、初期減耗となる大きな被害をもたらし、駆除できない稚魚が自然水域に放流された場合、特に海洋へ移動した際に浸透圧調節の適応ができなくなり、稚魚の減耗の大きな要因となっている。
上記のようなサケ・マス類の病害について、微生物による感染症は抗生物質などの薬剤による治療がなされており、寄生虫による寄生虫症はホルマリンやマラカイトグリーンなどの薬剤による治療がなされている(非特許文献1参照)。寄生虫症に対してはホルマリンによる薬浴が有効とされている。
室賀清邦、江草周三著、「魚病学概論」、第1版、恒星社厚生閣、1996年3月、第6章
しかしながら、ホルマリンを用いた薬浴では、ホルマリンの毒性が問題になっており、かつ廃液処理など環境への影響も懸念されていることより、サケ・マス類のイクチオボドの防除に有効な組成物が望まれている。
そこで、本発明者らは、安全性の点からより望ましいと考えられる天然資源の中でサケ・マス類のイクチオボドの防除に有効な組成物を検討した結果、茶の抽出物、さらに詳細には抽出されたカテキン類が、サケ・マス類のイクチオボドの防除に有効であることを見出し本発明に至った。茶抽出物が抗菌性および抗ウイルス性を有することは公知ではあるが、茶抽出物が寄生虫であるサケ・マス類のイクチオボドの成育を抑制または阻害することは知られていなかった。
従って、本発明の目的は、サケ・マス類に悪影響をほとんど与えず、環境汚染を起こしにくい防除剤を提供することである。
すなわち、本発明は、
〔1〕茶抽出物を含有してなる、サケ・マス類用のイクチオボド防除剤、
〔2〕前記〔1〕記載の防除剤を用いて、サケ・マス類に寄生しているイクチオボドを防除する工程を含む、サケ・マス類のイクチオボド防除方法、
〔3〕サケ・マス類に寄生しているイクチオボドの生育を抑制または阻害するための茶抽出物の使用、ならびに
〔4〕サケ・マス類のイクチオボド寄生虫症を予防または治療するための茶抽出物の使用に関する。
本発明により、サケ・マス類に悪影響をほとんど与えず、環境汚染を起こしにくい防除剤を提供することができる。
本発明の防除剤は、茶抽出物を含有することを一つの特徴とする。
本発明の防除剤の適用対象は、サケ・マス類である。サケ・マス類としては、例えば、シロザケ、ギンザケ、ベニザケ、マスノスケ、アマゴ、ヤマメ、ニジマス、カラフトマス、イトウ、サツキマス、サクラマス、アユなどが挙げられ、その形態は、稚魚または成魚のいずれでもよい。
本発明の防除剤の防除対象は、サケ・マス類の皮膚、鰓、鰭などに寄生する、鞭毛虫類に分類されるイクチオボド(例えば、Ichthyobodo necatorなど)である。イクチオボドの寄生により引き起こされる感染症は、イクチオボド寄生虫症であり、本発明の防除剤、より詳細には茶抽出物が、イクチオボドと直接接触することにより、イクチオボドの生育を抑制または阻害することができ、サケ・マス類の皮膚、鰓、鰭などからのイクチオボドの解離、寄生の抑制などに至る。すなわち、本発明の防除剤は、サケ・マス類のイクチオボド寄生虫症の予防または治療に有効に利用することができる。
本明細書において、「防除」とは、サケ・マス類にイクチオボドが寄生することを予防すること、またはサケ・マス類に寄生したイクチオボドを駆除することをいう。
本発明の防除剤に含有される茶抽出物は、天然物由来であるため、その安全性は明らかとなっており、環境汚染の懸念もほとんど生じない。本発明に用いられる茶抽出物の原料となる茶としては、特に限定されないが、緑茶などの不発酵茶、ウーロン茶などの半発酵茶、紅茶などの発酵茶などが挙げられる。従って、茶抽出物としては、緑茶、ウーロン茶、紅茶などの抽出物が挙げられ、それらの中でも、有効成分の観点から、緑茶抽出物が好ましい。
茶抽出物としては、例えば、茶葉または粉砕した茶葉から水、熱水、メタノール、エタノール、プロパノールなどの一価アルコールまたはグリセリンなどの多価アルコールを用いて抽出した茶抽出物、茶葉または粉砕した茶葉から水、熱水、メタノール、エタノール、プロパノールなどの一価アルコールまたはグリセリンなどの多価アルコールを用いて抽出した画分に酢酸エチル、アセトンなどの溶媒を加えて分画して得られた茶抽出物などが挙げられる。
好ましくは、有効成分の観点から、茶葉または粉砕した茶葉から水、熱水、メタノール、エタノール、プロパノールなどの一価アルコールまたはグリセリンなどの多価アルコールを用いて抽出した画分に酢酸エチル、アセトンなどの溶媒を加えて分画して得られた茶抽出物である。
上記のようにして得られた茶抽出物には、カテキン類が含有されていることが好ましい。
カテキン類の具体例としては、例えば、(−)−エピカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレート、(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−カテキンガレート、遊離型テアフラビン、テアフラビンモノガレートA、テアフラビンモノガレートB、テアフラビンジガレート、プロントシアニジン、およびこれらの重合物が挙げられ、(−)−エピカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレート、(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレートおよび(−)−カテキンガレートからなる群より選ばれた少なくとも1種のカテキン類が好ましく、(−)−エピガロカテキンガレートがより好ましい。
前記茶抽出物中のカテキン類の含有量は、防除効果のさらなる向上の観点から、乾燥物に換算して10重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがより好ましく、60重量%以上であることがさらに好ましい。カテキン類の含有量は、高速液体クロマトグラフィー、酒石酸鉄試験法により測定することができ、カテキン類の種類も高速液体クロマトグラフィーにより特定することができる。
本発明の防除剤における茶抽出物の含有量は、好ましくは1〜100重量%、より好ましくは20〜70重量%である。
本発明の防除剤には、保存性を向上する観点から、茶抽出物の他に、本発明の所望の効果を阻害しない範囲で各種添加剤などを添加してもよい。添加剤としては、例えば、クエン酸、酢酸、キナ酸、リンゴ酸、シュウ酸、乳酸、没食子酸、エルソルビン酸、フェルラ酸などの酸性物質、エタノールなどのアルコール類、ビタミンC、グレープフルーツ抽出物、ブドウ種子抽出物、ユーカリ葉抽出物、コメヌカ酵素分解物、ブルーベリー葉抽出物、ヤマモモ抽出物、クエルセチン、ユッカサポニン、キラヤサポニンなどが挙げられる。
本発明の防除剤は、前記茶抽出物をそのまま使用してもよく、また、前記茶抽出物と前記添加剤を公知の方法により混合して調製してもよく、さらには保存性を高める観点から、前記茶抽出物または茶抽出物と添加剤との混合物を噴霧乾燥や凍結乾燥などにより粉末化して調製してもよい。
本発明の防除剤には、粉末品、顆粒品、及び打鍵品などの固形状のもの、シロップ品及び液体品などの液状のものがあり、いずれの形態でもよい。固形状のものは保存安定性及び運搬利便性の点で好ましく、液状のものは飼育水への均一の分散性に優れ、簡便に使用できる点で好ましい。液体品の場合は、溶解性及び環境への影響の観点より、好ましくは水溶液、酢酸水溶液、アルコール溶液、アルコール水溶液及び食塩水であり、最も好ましくは水溶液である。本発明の防除剤が例えば、水溶液、酢酸水溶液、アルコール溶液、アルコール水溶液などの液状の場合のカテキン類の含有量は5重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましく、30重量%以上であることがさらに好ましい。また、溶解性の点から、55重量%以下が好ましく、45重量%以下がさらに好ましい。また、本発明のシロップ品及び液体品は流通時に凍結させて流通させることもできる。
本発明の防除剤は、これらの形態を維持するために食塩、糖類、デキストリン、アルコール、水、食塩水及び有機酸等の通常の増量剤や希釈液として用いる物質を併用することも可能である。
本発明の防除剤は、以上のようにして調製することもできるが、例えば、太陽化学社製のカメリアエキス、サンフェノンなどの市販の茶抽出物を本発明の防除剤として使用してもよい。
以上のようにして得られた本発明の防除剤は、サケ・マス類に寄生したイクチオボドに対して優れた防除効果を奏する。従って、本発明はまた、前記防除剤を用いてサケ・マス類に寄生したイクチオボドを防除する方法を提供する。
本発明の防除方法は、前記防除剤を用いて、サケ・マス類に寄生しているイクチオボドを防除する工程を含むことを一つの特徴とする。かかる特徴を有することにより、サケ・マス類に寄生したイクチオボドと本発明の防除剤とを直接接触させて、イクチオボドの生育を抑制または阻害することができ、サケ・マス類の皮膚、鰓、鰭などからのイクチオボドの解離、寄生の抑制などに至る。
防除方法の具体例としては、サケ・マス類の飼育水などに前記防除剤を溶解し、そこへサケ・マス類を浸漬する方法、サケ・マス類を飼育している水槽、池などに前記防除剤を直接添加する方法などが挙げられる。浸漬時間および防除剤濃度は、サケ・マス類のイクチオボド寄生虫症の症状により適宜設定される。具体的には、防除剤の濃度が固形状の場合は0.005〜0.06重量%、液状の場合は0.02〜1.2重量%である飼育水(いずれの場合も、カテキン類の濃度として、好ましくは0.001〜0.03重量%、さらに好ましくは0.003〜0.025重量%)に30〜90分間サケ・マス類を浸漬してイクチオボドを防除することもできるし、防除剤の濃度が固形状の場合は0.2〜1.2重量%、液状の場合は0.4〜2.4重量%である飼育水(いずれの場合も、カテキン類の濃度として、好ましくは0.05〜0.3重量%、さらに好ましくは0.1〜0.25重量%)に1〜10分間サケ・マス類を浸漬してイクチオボドを防除することもできる。飼育水槽または飼育池への添加量は、本発明の効果が奏され、かつサケ・マス類の成育に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。
なお、本明細書において、「飼育水」とは、サケ・マス類が成育するのに適した地下水、河川水などを飼育水槽または飼育池に貯留した水のことをいう。
以上のことから、本発明はまた、サケ・マス類に寄生しているイクチオボドの生育を抑制または阻害するための、前記防除剤または茶抽出物の使用、およびサケ・マス類のイクチオボド寄生虫症を予防または治療するための、前記防除剤または茶抽出物の使用を提供する。
実施例1および2
太陽化学社製のカメリアエキスおよびサンフェノンをそれぞれ実施例1および2の防除剤とした。実施例1および2の防除剤に含有されるカテキン類の含有量を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。実施例1の防除剤において、各カテキン類の含有量は、乾燥物に換算して(−)−エピカテキン4重量%、(−)−エピガロカテキン7重量%、(−)−エピカテキンガレート5重量%、(−)−エピガロカテキンガレート12.5重量%および(+)−カテキン1.5重量%、すなわち、実施例1の防除剤中のカテキン類の含有量は30重量%であった。実施例2の防除剤において、各カテキン類の含有量は、乾燥物に換算して(−)−エピカテキン6重量%、(−)−エピガロカテキン11重量%、(−)−エピカテキンガレート8重量%、(−)−エピガロカテキンガレート29.5重量%、(+)−ガロカテキン4重量%および(+)−カテキン1.5重量%、すなわち、実施例2の防除剤中のカテキン類の含有量は60重量%であった。
実施例3
乾燥した茶葉1トンを85℃の熱水20KLで30分攪拌しながら抽出し、茶葉を濾過により除き17KLの抽出液を得た。この液を限外濾過装置(DDS社製、膜タイプGR-81PP、分画分子量6000)を用いて通過液15KLを得た。濃縮残液に水5KLを加え同様に操作し、通過液6KLを得た。両液を合わせ逆浸透膜(DDS社製、膜タイプHC-50)により濃縮し、濃縮液1KLを得た。濃縮液を噴霧乾燥し、本発明の防除剤を353kg得た(本発明品1)。
本発明品1のカテキン類を高速液体クロマトグラフィーで定量したところ、総カテキン類は、32.39重量%であり、それぞれのカテキン類の内訳は、(+)−ガロカテキンが1.35重量%、(−)−エピガロカテキンが4.90重量%、(+)−カテキンが1.38重量%、(−)−エピガロカテキンガレートが14.36重量%、(−)−エピカテキンが4.14重量%、(−)−ガロカテキンガレートが0.59重量%、(−)−エピカテキンガレートが5.67重量%、(−)−カテキンガレートが0重量%、遊離型テアフラビンが0重量%、テアフラビンモノガレートAが0重量%、テアフラビンモノガレートBが0重量%及びテアフラビンジガレートが0重量%であった。
実施例4
実施例3で得た本発明品1の防除剤(100kg)を軟水100kgに攪拌しながら溶解させ、水溶液の形態とした。つまり、本発明品1の水溶液を200kg調製した(本発明品1の水溶液)。
試験例1
実施例1の防除剤を飼育水に添加して、防除剤の濃度を0.03重量%(カテキン類の濃度0.009重量%)とした水溶液を10Lの水槽に入れ、この水槽にイクチオボドが寄生したサケの稚魚(平均体重:0.5g)50尾を収容し、60分間の浸漬処理を行った(試験群1)。対照として、実施例1の防除剤を添加していない飼育水を10Lの水槽に入れ、この水槽にイクチオボドが寄生したサケの稚魚(平均体重:0.5g)50尾を収容し、60分間の浸漬を行った(対照群1)。
浸漬処理後のサケの稚魚30尾について、個体の尻鰭および背鰭の標本を作製した。顕微鏡400倍観察を行い、1個体の尻鰭および背鰭それぞれ5視野中の寄生虫を計数し、その合計を1個体の寄生虫数とした。30尾について同様の観察を行い、その平均値を算出した。対照群1の平均寄生虫数を100として、試験群1の寄生虫数を比較し、その結果を表1に示す。
Figure 2006219478
表1の結果より、本発明の防除剤を使用することによりサケの稚魚に寄生した寄生虫を防除できることがわかる。
試験例2
実施例1の防除剤を飼育水に添加して、防除剤の濃度を0.6重量%(カテキン類の濃度0.18重量%)とした水溶液を10Lの水槽に入れ、この水槽にイクチオボドが寄生したサケの稚魚(平均体重:0.5g)50尾を収容し、1分間および5分間の浸漬処理を行った(試験群2)。対照として、実施例1の防除剤を添加していない飼育水を10Lの水槽に入れ、この水槽にイクチオボドが寄生したサケの稚魚(平均体重:0.5g)50尾を収容し、1分間および5分間の浸漬処理を行った(対照群2)。
試験例1と同様に対照群2および試験群2の寄生虫数を比較し、その結果を表2に示す。
Figure 2006219478
表2の結果より、本発明の防除剤を高濃度で用いた場合、浸漬後1分で寄生虫数の減少が確認でき、5分後には寄生虫の防除が明らかに確認できた。
試験例3および4
実施例2の防除剤を飼育水に添加して、防除剤の濃度を0.01重量%(カテキン類の濃度0.006重量%)および0.03重量%(カテキン類の濃度0.018重量%)とした水溶液を10Lの水槽に入れ、この水槽にイクチオボドが寄生したサケの稚魚(平均体重:0.5g)50尾を収容し、60分間の浸漬処理を行った(それぞれ試験群3および4)。対照として、実施例2の防除剤を添加していない飼育水を10Lの水槽に入れ、この水槽にイクチオボドが寄生したサケの稚魚(平均体重:0.5g)50尾を収容し、60分間の浸漬処理を行った(対照群3)。
試験例1と同様に対照群3および試験群3または4の寄生虫数を比較し、その結果を表3に示す。
Figure 2006219478
表3の結果より、本発明の防除剤を使用することによりサケの稚魚に寄生した寄生虫を防除できることがわかる。
試験例5
試験例1の実験に供した後の試験群1および対照群1の稚魚を、再度飼育水で18日間飼育した後、塩分濃度3.3重量%の人工海水に通気しながら収容し48時間観察して、生存率を求めた。その結果を表4に示す。
Figure 2006219478
表4の結果より、浸漬処理をしなかった対照群1では著しい生存率の低下を示したのに対して、浸漬処理をした試験群1では海水への適応性が高く、高い生存率を示した。
試験例6
実施例4の防除剤を飼育水に添加して、防除剤の濃度を0.06重量%(カテキン類の濃度0.01重量%)とした水溶液を1OLの水槽に入れ、この水槽にイクチオボドが寄生したサケの稚魚(平均体重:0.6g)50尾を収容し、60分間の浸漬処理を行った(試験群A)。対照として、実施例4の防除剤を添加していない飼育水を1OLの水槽に入れ、この水槽にイクチオボドが寄生したサケの稚魚(平均体重:0.6g)50尾を収容し、60分間の浸漬を行った(対照群A)。
浸漬処理後のサケの稚魚30尾について、個体の尻鰭および背鰭の標本を作製した。顕微鏡400倍観察を行い、1個体の尻鰭および背鰭それぞれ5視野中の寄生虫を計数し、その合計を1個体の寄生虫数とした。30尾について同様の観察を行い、その平均値を算出した。対照群Aの平均寄生虫数を100として、試験群Aの寄生虫数を比較し、その結果を表5に示す。
Figure 2006219478
表5の結果より、本発明の防除剤を使用することによりサケの稚魚に寄生した寄生虫を防除できることがわかる。
試験例7
実施例4の防除剤を飼育水に添加して、防除剤の濃度を1.2重量%(カテキン類の濃度0.19重量%)とした水溶液を10Lの水槽に入れ、この水槽にイクチオボドが寄生したサケの稚魚(平均体重:0.5g)50尾を収容し、1分間および5分間の浸漬処理を行った(試験群B)。対照として、実施例4の防除剤を添加していない飼育水を1OLの水槽に入れ、この水槽にイクチオボドが寄生したサケの稚魚(平均体重:0.5g)50尾を収容し、1分間および5分間の浸漬処理を行った(対照群B)。
試験例6と同様に対照群Bおよび試験群Bの寄生虫数を比較し、その結果を表6に示す。
Figure 2006219478
表6の結果より、本発明の防除剤を高濃度で用いた場合、浸漬後1分で寄生虫数の減少が確認でき、5分後には寄生虫の防除が明らかに確認できた。
試験例8
試験例6の実験に供した後の試験群Aおよび対照群Aの稚魚を、再度飼育水で18日間飼育した後、塩分濃度3.3重量%の人工海水に通気しながら収容し48時間観察して、生存率を求めた。その結果を表7に示す。
Figure 2006219478
表7の結果より、本発明の防除剤を用いて浸漬処理をしなかった対照群Aでは著しい生存率の低下を示したのに対して、本発明の防除剤で浸漬処理をした試験群Aでは海水への適応性が高く、高い生存率を示した。
本発明の防除剤は、サケ・マス類のイクチオボド寄生虫症を効果的に予防または治療することができ、養殖産業において大きく貢献することができる。

Claims (9)

  1. 茶抽出物を含有してなる、サケ・マス類用のイクチオボド防除剤。
  2. 茶抽出物がカテキン類を含有する請求項1記載の防除剤。
  3. カテキン類のうちの一つが(−)−エピガロカテキンガレートである請求項2記載の防除剤。
  4. 防除剤が水溶液である請求項1〜3いずれか記載の防除剤。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の防除剤を用いて、サケ・マス類に寄生しているイクチオボドを防除する工程を含む、サケ・マス類のイクチオボド防除方法。
  6. サケ・マス類に寄生しているイクチオボドの生育を抑制または阻害するための茶抽出物の使用。
  7. サケ・マス類のイクチオボド寄生虫症を予防または治療するための茶抽出物の使用。
  8. 茶抽出物がカテキン類を含有する請求項6または7記載の使用。
  9. カテキン類のうちの一つが(−)−エピガロカテキンガレートである請求項8記載の使用。
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