JP2006219447A - シワ形成阻害剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の属の植物から抽出された抽出物が皮膚真皮組織中のエラスターゼ活性、メイラード反応を優位に抑制することで、肌のシワ形成を抑える皮膚外用剤において、シモニロの抽出物を利用して得られる有効性の高いの外用剤を提供する。
【解決手段】シモニロの抽出物がエラスターゼ活性、メイラード反応を優位に抑制することがわかり、肌のシワ形成を抑えるのに有効な皮膚の外用剤を提供。
【選択図】なし
【解決手段】シモニロの抽出物がエラスターゼ活性、メイラード反応を優位に抑制することがわかり、肌のシワ形成を抑えるのに有効な皮膚の外用剤を提供。
【選択図】なし
Description
本発明品は、特定の属の植物から抽出された抽出物が皮膚真皮組織中のエラスターゼ活性、メイラード反応を優位に抑制することで、肌のシワ形成を抑える皮膚外用剤に関する。
シモニロ(Conyza filaginoides)はキク科の植物でメキシコの植物で生薬として利用され、また化粧料の原料として公知されている。(特許文献1参照)
皮膚の組成は大きく三つに分類され、外層から表皮、真皮、皮下組織から形成されており、それぞれは身体の恒常維持、外界からの防御など、種々役割を担っている。なかでも、皮膚真皮の機能は、外界からの衝撃を吸収するいわばクッションの役割を果たしている。このクッションの効果、すなわち、真皮の厚さ、柔軟性は老化とともに失われていく傾向にあり、皮膚科学的にも皮膚のはりの消失にともない、しわ、たるみの発生が起こる。真皮の老化は、外観の老化に直結するものである。
真皮の構成成分は主に、コラーゲン、エラスチン、線維芽細胞でそのほとんどを占めており、老化とともにコラーゲン、エラスチンの劣化、減少あるいは変性により、はりの消失、しわ、たるみの形成などの老化症状が現れる。健常な真皮中ではコラーゲンおよびエラスチンは古くなったものは吸収・排出される一方、新たにコラーゲンおよびエラスチンが線維芽細胞から生産され、一定した質および量を恒常的に保っている。しかし、年齢を重ねると、外的および内的な要因において、その恒常性は崩れ、線維芽細胞由来のエラスターゼが必要以上にエラスチンを分解することにより、老化症状が促進する。
一方、肌は外界と皮膚内からの酸化に曝されており、その原因としては紫外線や乾燥、細胞の代謝の際に生じる活性酸素やフリーラジカルなどがあげられる。活性酸素やフリーラジカルはコラーゲン線維にたんぱく質と糖の化学結合を促進するという異常な架橋形成をもたらし(メイラード反応)、それによって真皮が硬直化し、本来の弾力性に富むはりが失われてしまう。この真皮の硬直化による肌のはりの低下は、他の種々の原因とあいまってしわを形成させる一因と考えられている。
特開2001−048739号公報
一方、肌は外界と皮膚内からの酸化に曝されており、その原因としては紫外線や乾燥、細胞の代謝の際に生じる活性酸素やフリーラジカルなどがあげられる。活性酸素やフリーラジカルはコラーゲン線維にたんぱく質と糖の化学結合を促進するという異常な架橋形成をもたらし(メイラード反応)、それによって真皮が硬直化し、本来の弾力性に富むはりが失われてしまう。この真皮の硬直化による肌のはりの低下は、他の種々の原因とあいまってしわを形成させる一因と考えられている。
本発明の目的は、有効性の高いシモニロの抽出物に関して有効に活用するために種々検討した。
前記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、シモニロにエラスターゼ活性、メイラード反応を優位に抑制することを見出した。更には皮膚外用剤としてのその効果が発せられると、シワ、たるみを予防・改善することがわかった。
シモニロの抽出物の形態はなんら限定されるものではないが、好ましくはシモニロ(全草)を陰乾し、粉砕後、抽出溶媒(例えばエタノール等のアルコール、水またはこれら混合)とともに、3日間浸漬または2時間100度にて加温、冷却、ろ過した液を使用する。
試験例1;エラスターゼ活性阻害試験
繊維芽細胞をフラスコまたはシャーレ(100 mm)にて80〜90%コンフルエントになるまで培養後、無血清培地に交換し、0.4 ng/mLになるようにIL-1を加え、48時間培養する。培地を廃棄し、0.1 % Triton-X100/0.1 Mトリス-HCl緩衝液 pH 8.3にて細胞を剥離し、氷冷下で超音波処理を行い遠心分離した上澄みを酵素溶液とした。
試験は、サンプル(Sample)、バックグラウンド(BG)、コントロール(Cont.)、ブランク(BL)及び陽性対照(EDTA)で行った。
酵素溶液 178μL、サンプル20μLを500 μLエッペンチューブに入れ(BG、BLは酵素溶液の代わりに0.1 % Triton-X100/0.1 Mトリス-HCl緩衝液 pH 8.3を加える。Cont.とEDTAはサンプルの代わりに水もしくは100 mmol/L EDTA-2Na水溶液を加える)、37℃で保温した後、基質溶液(100 mM Suc-Ala-Ala-Ala-pNa メチル-2-ピロリドン溶媒) 2 μLを加え、37℃で1時間反応させる。酢酸 100μLを加え、反応停止後、卓上遠心機で遠心分離した上澄みの405 nmの吸光度をマイクロプレートリーダーにて測定し、以下の式にて阻害率を算出した。
繊維芽細胞をフラスコまたはシャーレ(100 mm)にて80〜90%コンフルエントになるまで培養後、無血清培地に交換し、0.4 ng/mLになるようにIL-1を加え、48時間培養する。培地を廃棄し、0.1 % Triton-X100/0.1 Mトリス-HCl緩衝液 pH 8.3にて細胞を剥離し、氷冷下で超音波処理を行い遠心分離した上澄みを酵素溶液とした。
試験は、サンプル(Sample)、バックグラウンド(BG)、コントロール(Cont.)、ブランク(BL)及び陽性対照(EDTA)で行った。
酵素溶液 178μL、サンプル20μLを500 μLエッペンチューブに入れ(BG、BLは酵素溶液の代わりに0.1 % Triton-X100/0.1 Mトリス-HCl緩衝液 pH 8.3を加える。Cont.とEDTAはサンプルの代わりに水もしくは100 mmol/L EDTA-2Na水溶液を加える)、37℃で保温した後、基質溶液(100 mM Suc-Ala-Ala-Ala-pNa メチル-2-ピロリドン溶媒) 2 μLを加え、37℃で1時間反応させる。酢酸 100μLを加え、反応停止後、卓上遠心機で遠心分離した上澄みの405 nmの吸光度をマイクロプレートリーダーにて測定し、以下の式にて阻害率を算出した。
試験品は以下に示し、
シモニロE:シモニロ(全草)(20g)のエタノール(100ml)エキス(凍結乾燥物)
シモニロEW:シモニロ(全草)(20g)の50%エタノール−水(100ml)エキス(凍結乾燥物)
シモニロW:シモニロ(全草)(20g)の熱水(100ml)エキス(凍結乾燥物)
。試験結果を表1に示す。
シモニロE:シモニロ(全草)(20g)のエタノール(100ml)エキス(凍結乾燥物)
シモニロEW:シモニロ(全草)(20g)の50%エタノール−水(100ml)エキス(凍結乾燥物)
シモニロW:シモニロ(全草)(20g)の熱水(100ml)エキス(凍結乾燥物)
。試験結果を表1に示す。
試験例2;メイラード反応阻害試験
メイラード反応の中間物であるケトアミンを測定するNBT還元法により、シモニロ(Conyza filaginoides)の抽出物についてメイラード反応阻害作用を調べた。水で調製した試験品50μlに精製水100μl、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)500μlを加え、2Mのグルコース水溶液を100μl添加した。さらに4mg/ml BSA水溶液200μlを添加、攪拌し、60℃で30時間インキュベートした。30時間後、反応液300μlに0.2mg/0.9ml[リン酸緩衝液(pH10.3)]NBT溶液を2.7ml添加、37℃で30分間インキュベートし、Abs.530nmにて吸光度(A)を測定した。同様に、BSA水溶液の代替として水を用いた場合の吸光度(B)、試験品の代替として水を用いた場合の吸光度(C)、BSA水溶液の代替として水をかつ試験品の代替として水を用いた場合の吸光度(D)を測定し、下記の数式よりメイラード反応阻害率(%)を算出した。
メイラード反応阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-D)]×100
試験品は以下に示し、試験結果を表2に示す。
シモニロE:シモニロ(全草)(20g)のエタノール(100ml)エキス(凍結乾燥物)
シモニロEW:シモニロ(全草)(20g)の50%エタノール−水(100ml)エキス(凍結乾燥物)
シモニロW:シモニロ(全草)(20g)の熱水(100ml)エキス(凍結乾燥物)
なお、作用濃度は0.015%で行った。
メイラード反応の中間物であるケトアミンを測定するNBT還元法により、シモニロ(Conyza filaginoides)の抽出物についてメイラード反応阻害作用を調べた。水で調製した試験品50μlに精製水100μl、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)500μlを加え、2Mのグルコース水溶液を100μl添加した。さらに4mg/ml BSA水溶液200μlを添加、攪拌し、60℃で30時間インキュベートした。30時間後、反応液300μlに0.2mg/0.9ml[リン酸緩衝液(pH10.3)]NBT溶液を2.7ml添加、37℃で30分間インキュベートし、Abs.530nmにて吸光度(A)を測定した。同様に、BSA水溶液の代替として水を用いた場合の吸光度(B)、試験品の代替として水を用いた場合の吸光度(C)、BSA水溶液の代替として水をかつ試験品の代替として水を用いた場合の吸光度(D)を測定し、下記の数式よりメイラード反応阻害率(%)を算出した。
メイラード反応阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-D)]×100
試験品は以下に示し、試験結果を表2に示す。
シモニロE:シモニロ(全草)(20g)のエタノール(100ml)エキス(凍結乾燥物)
シモニロEW:シモニロ(全草)(20g)の50%エタノール−水(100ml)エキス(凍結乾燥物)
シモニロW:シモニロ(全草)(20g)の熱水(100ml)エキス(凍結乾燥物)
なお、作用濃度は0.015%で行った。
シモニロ(Conyza filaginoides)の抽出物は0.001〜10重量%で配合すれば阻害効果等を十分発揮することから、この濃度で配合することが望ましい。
本発明の皮膚外用剤は、常法に従い、通常の皮膚外用剤として知られる種々の形態の基材に配合して調製することができる。
外用剤の形態としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、水溶液、パック等の任意の剤形を選択することができる。
本発明の皮膚外用剤には、上記した必須成分の他に通常の外用剤に配合される成分、例えば、油剤、粉体、精製水、高分子化合物、ゲル化剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、酸化防止剤、色素、防腐剤、香料、美容成分を本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらになんら制約されるものではない。また、使用した薬剤の抽出液についての抽出方法は何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例の処方を表3から表5に示す。作成方法は常法により行った。なお、表3はローション、表4は美容液、表5はクリームの処方であり、配合量は重量部で示す。
実施例及び比較例の処方を表3から表5に示す。作成方法は常法により行った。なお、表3はローション、表4は美容液、表5はクリームの処方であり、配合量は重量部で示す。
(注1)シモニロ抽出液1はシモニロ(全草乾燥物)10gに精製水200mlを加えて1時間煮沸した後、ろ過した抽出液を用いた。
(注2)シモニロ抽出液2はシモニロ(全草乾燥物)10gに精製水100mlとエタノール100mlを加えて3日間攪拌した後、ろ過した抽出液を用いた。
(注3)シモニロ抽出液3はシモニロ(全草乾燥物)10gにエタノール200mlを加えて3日間攪拌した後、ろ過した抽出液を用いた。
(注4)加水分解コンキオリン液はコンキオリンを硫酸分解し、分子量1000以下のものを用いた。
(注5)タブノキ抽出液はマチルス抽出液 [丸善製薬(株)製]を用いた。
(注6)ホオノキ抽出液はファルコレックスホオノキE[一丸ファルコス(株)製]を用いた。
(注7)グァバ抽出液はグァバの葉10gにエタノール300mlを加えて5日間放置後、ろ過した抽出液を用いた。
(注8)西河柳抽出液は西河柳エキス[日本精化株]製]を用いた。
(注9)海藻抽出液はマリンパージ[一丸ファルコス(株)製]を用いた。
(注10)アカシア樹皮抽出液は樹皮10gにエタノール300mlを加えて5日間放置後、ろ過した抽出液を用いた。
(注11)ムラヤコエンギイ抽出液はムラヤコエンギイ]抽出液[山川貿易(株)製を用いた。
(注12)オオバナサルスベリ抽出液はオオバナサルスベリ抽出液 [山川貿易(株)製]を用いた。
(注2)シモニロ抽出液2はシモニロ(全草乾燥物)10gに精製水100mlとエタノール100mlを加えて3日間攪拌した後、ろ過した抽出液を用いた。
(注3)シモニロ抽出液3はシモニロ(全草乾燥物)10gにエタノール200mlを加えて3日間攪拌した後、ろ過した抽出液を用いた。
(注4)加水分解コンキオリン液はコンキオリンを硫酸分解し、分子量1000以下のものを用いた。
(注5)タブノキ抽出液はマチルス抽出液 [丸善製薬(株)製]を用いた。
(注6)ホオノキ抽出液はファルコレックスホオノキE[一丸ファルコス(株)製]を用いた。
(注7)グァバ抽出液はグァバの葉10gにエタノール300mlを加えて5日間放置後、ろ過した抽出液を用いた。
(注8)西河柳抽出液は西河柳エキス[日本精化株]製]を用いた。
(注9)海藻抽出液はマリンパージ[一丸ファルコス(株)製]を用いた。
(注10)アカシア樹皮抽出液は樹皮10gにエタノール300mlを加えて5日間放置後、ろ過した抽出液を用いた。
(注11)ムラヤコエンギイ抽出液はムラヤコエンギイ]抽出液[山川貿易(株)製を用いた。
(注12)オオバナサルスベリ抽出液はオオバナサルスベリ抽出液 [山川貿易(株)製]を用いた。
表3〜表5記載の実施例及び比較例の効果試験を実施した。試験方法は45〜64才の女性20名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に被験外用剤の適量を顔面に塗布した。塗布による肌悩み改善効果の結果を表6に示す。
Claims (3)
- シモニロ(Conyza filaginoides)の抽出物を配合することを特徴とするシワ形成阻害剤
- シモニロ(Conyza filaginoides)の抽出物を配合することを特徴とするエラスターゼ活性阻害剤
- シモニロ(Conyza filaginoides)の抽出物を配合することを特徴とするメイラード反応抑制剤
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---|---|---|---|
JP2005035925A JP2006219447A (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-14 | シワ形成阻害剤 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08259431A (ja) * | 1995-03-20 | 1996-10-08 | Kose Corp | メイラード反応阻害剤及びそれを含有する皮膚外用剤 |
JPH11171758A (ja) * | 1997-12-12 | 1999-06-29 | Maruzen Seiyaku Kk | エラスターゼ阻害剤および皮膚外用剤 |
JP2001048739A (ja) * | 1999-08-04 | 2001-02-20 | Mikimoto Pharmaceut Co Ltd | 化粧料 |
-
2005
- 2005-02-14 JP JP2005035925A patent/JP2006219447A/ja active Pending
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JPH08259431A (ja) * | 1995-03-20 | 1996-10-08 | Kose Corp | メイラード反応阻害剤及びそれを含有する皮膚外用剤 |
JPH11171758A (ja) * | 1997-12-12 | 1999-06-29 | Maruzen Seiyaku Kk | エラスターゼ阻害剤および皮膚外用剤 |
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