JP2006217710A - 電気自動車の車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 各車輪(2)内に、アウターロータ型の駆動用モータ(4)を備えた車両(1)において、左旋回時に車体の左側が上昇し、車体の右側が下降した場合は、左前輪(2FL)の駆動力を増加させ、左後輪(2RL)の駆動力を減少させるとともに、右前輪(2FR)の駆動力を減少させ、右後輪(2RR)の駆動力を増加させる。
【選択図】 図1
Description
このような車体姿勢変化を抑制するために車両には懸架装置(サスペンション)や緩衝装置(ダンパ)等が設けられている。
そこで、車両の駆動力を制御することにより、サスペンションやダンパの機能を補完し、車体姿勢を制御する技術が開発されている。
例えば、車体の前輪部(フロント)が上昇した場合には、車両の出力トルクを減少させることで路面からの反力によるフロントを上昇させる方向のモーメントを減少させ、フロントが下降した場合には、車両の出力トルクを増加させることで駆動輪へ加わる路面からの反力によるフロントを上昇させる方向のモーメントを増加させ、車両のピッチングを抑制する技術がある(特許文献1参照)。
このように、上記特許文献1では全体の出力トルクを制御し路面からの反力の増加や減少を行うことで、車両のピッチングの抑制を行っているため、車両の走行安定性が損なわれるという問題がある。
さらに、ここで図5を参照すると、一般的な車両におけるアンチスクワット角を示す模式図が示されている。同図に示すように、上記特許文献1を含め、モータや内燃機関から発生される駆動力をドライブシャフト100から駆動輪102に伝達する構成の一般的な車両では、ロアアーム104の取り付け位置とサスペンション106の取り付け角度によって決まる瞬間回転中心O’から、駆動輪102から車体へ力を伝達する作用点B(ドライブシャフト100と連結している駆動輪102の中心)へ引いた線L1’と、当該作用点Bからの水平線L2’との角度βfが比較的小さいものとなっていた。
しかし、従来の車両ではアンチスクワット角を大きく取ることは困難であり、アンチスクワットの効果をあまり得られなかった。
請求項2の電気自動車の車両制御装置では、前記駆動力制御手段は、前記旋回状態検出手段により前記車両の旋回状態が検出されたときは、前記ローリング検出手段により検出された車体の旋回内輪側の上方向の変位に応じて、旋回内輪の前輪に設けられた前記走行用駆動モータの駆動力の増加と、旋回内輪の後輪に設けられた前記走行駆動用モータの駆動力の減少とを行う制御、及び、前記ローリング検出手段により検出された車体の旋回外輪側の下方向の変位に応じて、旋回外輪の前輪に設けられた前記走行用駆動モータの駆動力の減少と、旋回外輪の後輪に設けられた前記走行駆動用モータの駆動力の増加とを行う制御の両方またはいずれか一方を行うことを特徴としている。
これより、車両の旋回時において、車体の旋回内輪側の上方向の変位に応じて旋回内輪の前輪の駆動力を増加させ、旋回内輪の後輪の駆動力を減少させる制御と、車体の旋回外輪側の下方向の変位に応じて旋回外輪の前輪の駆動力を減少させ、旋回外輪の後輪の駆動力を増加させる制御の両方またはどちらか一方を行う。
これより、ローリング抑制に使用する駆動力を所定の範囲内に制限する。
請求項4の電気自動車の車両制御装置では、さらに、前記車両の旋回を予測する旋回予測手段を備え、前記駆動力制御手段は、前記旋回予測手段により検出された旋回の変化量が所定値以上であるときは、該旋回により生じる車体左右の上下変化度合いが減衰するように前記走行駆動用モータの駆動力を制御することを特徴としている。
これにより、車両の旋回時における車体左右の上下変位に応じて、旋回内輪及び旋回外輪の両方またはどちらか一方の駆動力を制御することで、当該上下変位を十分に抑制することができ、車両の乗り心地を向上させることができる。
請求項3の電気自動車の車両制御装置によれば、車両のローリングの抑制に使用する駆動力を制限することにより、車両の走行に必要な駆動力を確保することができ、車両の走行安定性を維持することができる。
図1を参照すると、本発明に係る車両制御装置を備えた電気自動車の概略構成図が示されており、図2を参照すると本発明に係る車両制御装置を備えた電気自動車のアンチスクワット角を示す模式図が示されている。
図1に示すように、車両1は、各車輪2にそれぞれ独立して駆動モータ4(走行駆動用モータ)が設けられた4輪駆動の電気自動車である。
これらの駆動モータ4は、車輪2の内周に設けられているロータ4aと、図示していないナックル等を介して車体に固定されているステータ4bとから構成された、所謂アウターロータ型のインホイールモータである。
また、各駆動モータ4の駆動力は、車両1に設けられている走行用バッテリ10から、それぞれの駆動モータ4に対応したインバータ12FR、12FL、12RR、12RLを介して供給される電力に応じて発生する。
また、車両1の車体右側と車体左側にはそれぞれ車高センサ22R、22L(併せて車高センサ22ともいう)が設けられており、これらの車高センサ22により車両1の車体左右における基準位置からの上下変位を検出する(ローリング検出手段)。ここで基準位置とは、例えば車両1の停車時の車体姿勢を基準としたものである。
以下このように構成された本発明に係る電気自動車の車両制御装置の作用について説明する。
なお、当該駆動力制御により増加または減少させる分の駆動力は、車両1の走行に必要な駆動力を確保するため、所定値以内(例えば走行に必要な駆動力の20%以内)に制限されている。また、駆動力を減少させる場合は、減少させた結果が負の駆動力となっても構わない。
ステップS2では、Gセンサ20から車両1が左旋回しているか否かを判別する。判別結果が真(Yes)である場合は、ステップS3に進む。
ステップS4及びステップS10では、車両1の車体右側(旋回外輪側)に設けられている上記車高センサ22Rから車体右側の上下変位を検出し、車体右側が下方向に変位しているか、即ち下降状態にあるか否かを判別する。
ステップS5では、左前輪2FL内に設けられている駆動モータ4FLの駆動力を増加させ、左後輪2RL内に設けられている駆動モータ4RLの駆動力を減少させるとともに、右前輪2FR内に設けられている駆動モータ4FRの駆動力を減少させ、右後輪2RR内に設けられている4RRの駆動力を増加させて、当該ルーチンを抜ける。
ステップS6では、左前輪2FL内に設けられている駆動モータ4FLの駆動力を増加させ、左後輪2RL内に設けられている駆動モータ4RLの駆動力を増加させて、当該ルーチンを抜ける。
ステップS11では、右前輪2FR内に設けられている駆動モータ4FRの駆動力を減少させ、右後輪2RR内に設けられている駆動モータ4RRの駆動力を増加させて、当該ルーチンを抜ける。
一方、ステップS2において、車両1が左旋回しているか否かの判別結果が偽(No)である場合は、ステップS20に進む。
ステップS21では、車両1の車体右側(旋回内輪側)に設けられている上記車高センサ22Rから車体右側の上下変位を検出し、車体右側が上方向に変位しているか、即ち上昇状態にあるか否かを判別する。判別結果が真(Yes)である場合はステップS22に進む。一方、判別結果が偽(No)である場合は、ステップS30に進む。
ステップS22において、判別結果が真(Yes)である場合、即ち車体右側が上昇しているとともに、車体左側が下降している場合は、ステップS23に進む。
また、ステップS22において、判別結果が偽(No)である場合、即ち車体右側のみが上昇しているような場合は、ステップS24に進む。
また、ステップS30において、判別結果が真(Yes)である場合、即ち車体左側のみが下降しているような場合は、ステップS31に進む。
さらに、ステップS30において、判別結果が偽(No)である場合、即ち車体右側の上昇及び車体左側の下降が生じていない場合、即ち車両1に右旋回によるローリングが生じていない場合は、当該ルーチンを抜ける。
また、車両1はアウターロータ型の4輪インホイールモータの電気自動車であることで各車輪独立して駆動力を制御することができる上、駆動力制御によるアンチスクワットの制御幅が大きく、十分なローリング抑制効果を得ることができる。
また、当該ローリング抑制に使用する駆動力は車両の走行に必要な分が確保されるよう制限されていることで、車両1の走行を妨げず、車両1の走行安定性を維持することができる。
ここで、上記ハンドル角センサ14(旋回予測手段)より検出されるハンドル角の変化量が所定値以上である場合、当該旋回運動により生じる車両1の旋回内輪と旋回外輪における上下変化度合いが減衰するように旋回内輪及び旋回外輪の駆動用モータ4の駆動力を制御することも可能である。例えば、急激なハンドル操作が行われハンドル角センサ14より検出されるアハンドル操作量の変化量が所定値以上であった場合は、急激に車体の旋回内輪側が上昇し旋回外輪側が下降する度合いを減衰させるよう、旋回内輪における前輪の駆動力の増加と後輪の駆動力の減少、及び旋回外輪における前輪の駆動力の減少と後輪の駆動力の増加を行う。こうすることで、駆動力の制御により一般のダンパと同様の効果を得ることができる。
例えば、上記実施形態では、車体左右における上下変位を車高センサ22R、22Lにより検出しているが、車体のローリングを検出することができるものであればよく、例えば左右の車輪のサスペンションの変位を検出するようにしてもよい。
また、旋回を予測する手段としてハンドル角センサ14を用いているが、これに限られるものではなく、他の装置を用いても構わない。
2 車輪
4 駆動用モータ(走行駆動用モータ)
14 ハンドル角センサ(旋回状態検出手段、旋回予測手段)
20 Gセンサ(旋回状態検出手段)
22 車高センサ(ローリング検出手段)
30 TCU(駆動力制御手段)
Claims (4)
- 車両の前輪及び後輪のそれぞれの車輪に設けられ、該車輪を駆動する走行駆動用モータと、
前記車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、
前記車両の車体左右の上下変位を検出するローリング検出手段と、
前記旋回状態検出手段により検出された前記車両の旋回状態及び前記ローリング検出手段により検出された前記車両の車体左右の上下変位に応じて、前記車輪の旋回外輪及び旋回内輪の両方またはいずれか一方の前記走行駆動用モータの駆動力を制御する駆動力制御手段と、
を備えたことを特徴とする電気自動車の車両制御装置。 - 前記駆動力制御手段は、前記旋回状態検出手段により前記車両の旋回状態が検出されたときは、
前記ローリング検出手段により検出された車体の旋回内輪側の上方向の変位に応じて、旋回内輪の前輪に設けられた前記走行用駆動モータの駆動力の増加と、旋回内輪の後輪に設けられた前記走行駆動用モータの駆動力の減少とを行う制御、及び、前記ローリング検出手段により検出された車体の旋回外輪側の下方向の変位に応じて、旋回外輪の前輪に設けられた前記走行用駆動モータの駆動力の減少と、旋回外輪の後輪に設けられた前記走行駆動用モータの駆動力の増加とを行う制御の両方またはいずれか一方を行うことを特徴とする請求項1記載の電気自動車の車両制御装置。 - 前記駆動力制御手段により増加または減少させる駆動力は、所定の範囲内に制限されていることを特徴とする請求項1または2記載の電気自動車の車両制御装置。
- さらに、前記車両の旋回を予測する旋回予測手段を備え、
前記駆動力制御手段は、前記旋回予測手段により検出された旋回の変化量が所定値以上であるときは、該旋回により生じる車体左右の上下変化度合いが減衰するように前記走行駆動用モータの駆動力を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の電気自動車の車両制御装置。
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JP2014036532A (ja) * | 2012-08-10 | 2014-02-24 | Toyota Motor Corp | 車両用駆動力制御装置 |
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KR101562466B1 (ko) * | 2014-05-30 | 2015-10-21 | 현대위아 주식회사 | 현가장치를 이용한 사륜구동장치의 제어 시스템 |
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