JP2006215474A - 調光構造体およびこれを用いた車両 - Google Patents

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雄一郎 岡田
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Abstract

【課題】 透明性、反射機能、およびフェールセーフに優れる調光構造体を提供する。
【解決手段】 凹部20を備えた基材10と、前記凹部20に充填された液晶材料30とを含む調光構造体1において、前記凹部20の形が、基材10の表面へ向う程広くなる形であり、液晶材料30の誘電異方性が負であることを特徴とする調光構造体。
【選択図】 図1

Description

本発明は調光材料に関し、より詳細には電圧により光の透過性を調節する調光材料に関する。
車室内への光および熱の侵入経路としては、天窓、ウィンドシールド、リアガラス、フロントサイドガラス、およびリアサイドガラス等の窓が挙げられる。従来の車両では熱的機能を空調設備のみに頼っていることから、車内に光エネルギーおよび熱エネルギーが窓から多量に侵入すると、車内環境を快適なものにするために空調設備を作動させなくてはならず、燃料の消費が増大する。
建築物においても同様の問題が検討されており、窓を通じての光エネルギーおよび熱エネルギーの流入によって、建築物内の空調設備への負荷および人体への負荷が大きくなる。車両の場合と同様に、多量のエネルギーの流入は空調設備の燃費の低下を招き、巨視的にみれば環境への悪影響も懸念される。
このような問題を解決すべく、近年、車内や建築物内に流入する光エネルギーおよび熱エネルギーを遮蔽し、室内の温度上昇および空調設備への負荷を低減させる技術が提案されており、解決策の一例として調光機能を有する材料を用いた窓が提案されている。窓に用いる材料としての透明性、および日射エネルギーの遮断のための熱線反射・吸収性の双方の特性を有し、必要に応じてスイッチングできる機能を有していれば、必要なときに必要な光量を室内に侵入させることが可能である。そのような制御が可能であれば、人体や冷房装置にかかる負荷を低減できるほか、省エネルギーの観点からも有益である。
材料に調光機能を付与するための具体的手段としては、エレクトロクロミック素子(以下「EC素子」という)、および液晶素子が知られているが、EC素子は、日射エネルギーを吸収するため、室内外を隔てる材料に用いた場合には、その吸収されたエネルギーが室内に再放出され、室内温度の上昇を招いてしまう。
液晶素子は、電圧によって配列が変化する材料からなり、液晶の配列によって光の透視性を変更させる材料である。液晶素子としては、曲線的な配列相のネマティック液晶素子(特許文献1)、相分離法により得られる液晶素子(特許文献2)などが知られている。これらの液晶素子は、以下の原理に基づいて動作する。
安価なポリマー中に液晶物質の小滴を分散させた該公報記載の液晶素子は、電圧を印加しない状態では、ポリマー壁の曲面に沿って液晶が配列する。これにより、光路がねじ曲げられ、また、ポリマーと液晶滴との界面において光が反射して散乱し、乳白色に見える。一方、液晶素子に電圧を印加した場合、液晶滴内の液晶は外部電界により電界方向に配列する。このとき、液晶の常光屈折率nとポリマーの屈折率nとを一致するように選択することにより、液晶素子面に垂直に入射した光を、液晶とポリマーとの界面で反射することなく通過させることができ、液晶素子は透明となる。
特表昭58−501631号公報 特開昭60−502128号公報
従来技術の液晶素子は電圧印加時には透視性となり、電圧無印加時には非透視性となるが、電圧無印加時に液晶素子に入射した光の殆どが入射側とは反対側に散乱するため、電圧印加時と比較しても日射透過量は殆ど減少せず、室内に日射ネルギーが多量に侵入してしまう。また、電圧無印加時には非透視性となるため、事故や故障などにより電圧を印加することができなくなる事態を想定すると、運転中に視界が遮られるおそれがあり、非常に危険である。また、従来技術では偏光板などを供えることが多く、車両に適用するのに必要な可視光透過率を得ることが困難である。
本発明は、可視光透過性、日射反射性、およびフェールセーフに優れる調光構造体を提供することを目的とする。
本発明者等は調光材料を詳細に検討した結果、誘電異方性が負の液晶材料を透明な基材の凹部に充填することにより上記課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は、凹部を備えた基材と、前記凹部に充填された液晶材料とを含む調光構造体であって、前記凹部の形が、基材表面へ向う程広くなる形であり、前記液晶材料の誘電異方性が負であることを特徴とする調光構造体により上記課題を解決する。
本発明により可視光透過性、日射反射性、およびフェールセーフに優れる調光構造体を提供することができる。
本発明の第一は凹部を備えた基材と、前記凹部に充填された液晶材料とを含む調光構造体であって、前記凹部の形が、基材表面へ向う程広くなる形であり、前記液晶材料の誘電異方性が負であることを特徴とする調光構造体である。
本発明の調光構造体の一実施形態の俯瞰概略図を図1、断面概略図を図2に示すが、本発明はこれらに限定されない。図1、2に示すように、本発明の調光構造体1は凹部20を備えた基材10と、凹部20に充填された液晶材料30とからなる。図1および図2において符号26は凹部20の開口部を示す。
本発明の調光構造体は、図3に示すように電極2を両面に配置し、電圧を印加することにより調光することができる。より詳細には、電圧無印加時には図3のAに示すように液晶分子31の長軸方向が凹部20の壁面と平行になり、調光構造体が透視性となる。電圧印加時には図3のBに示すように液晶分子31の長軸方向が電界方向に垂直になり、調光構造体が非透視性となる。本発明の調光構造体に含まれる液晶分子の誘電異方性は負であることから、誘電異方性が正の物質に比べて、電圧無印加時に透視性となり易く電圧印加時に非透視性となり易く、フェールセーフに優れる。
また、本発明の調光構造体は液晶材料を充填するための凹部の形状が基材表面へ向う程広くなる形であるため、電圧印加時の反射機能に優れる。これは、電圧を印加することにより液晶材料の屈折率が基材の屈折率よりも高くなると、調光構造体全体として凹部開口部のある面から反対側の面に向かって屈折率が連続的に小さくなり、反射機能が発現することに起因する。
以下、本発明の調光構造体の好ましい凹部の形、好ましい基材の材質、好ましい液晶材料の材質について述べる。
(凹部)
本発明の凹部の形は基材表面へ向う程広くなる形であり、図4に示すように凹部の最深部を通過する基材表面の垂線22および、凹部と基材表面との交点を通過する凹部の接線24の成す角25(以下、単に成す角とも記載する)が2〜45度であると好ましく、より好ましくは2〜40度、更に好ましくは5〜30度である。図4において、符号21は凹部の最深部、符号23は凹部と基材表面との交点を示す。
好ましい成す角の範囲は図5に示すグラフから決定した。図5のグラフは基材としてポリアクリル樹脂、液晶材料はp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(p’−ペンチル−o’−シアノ)フェニルを用いて、凹部の形を円錐形、凹部の開口部の直径を500nmとした調光構造体の透明構造体と液晶材料との屈折率差の理論値をMaxwellの方程式に基づき求めた結果である。この屈折率差が大きいほど、電圧印加時の日射反射率が高い。図5を見ると、前記成す角が2〜45度の範囲にあると0.05以上の液晶屈折率差を得られることがわかる。他にも、4−ペンチル−4’−シアノビフェニルなどの様々な液晶材料で測定しても同様の傾向を示す。
凹部の開口部の形は、曲線で囲まれた形、直線で囲まれた形、および直線と曲線とで囲まれた形からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。曲線で囲まれた形としては、円および楕円などが挙げられ、直線で囲まれた形としては、三角形、正方形、長方形、ひし形、不等辺四角形、凸型、凹型、台形および多角形などが挙げられ、直線と曲線とで囲まれた形としては半円および扇形などが挙げられる。これらの中では正円形が好ましい。凹部の開口部の形が正円形であると、どのような角度から見ても同様に見える点で優れる。
凹部の開口部の直径が大きい程、より長波長の光を反射させられることから、反射させたい光の波長に応じて凹部の開口部の直径を適宜決定することができる。本発明では、調光構造体を車両や建築物の窓として適用することを考慮すると、凹部の開口部の直径は50〜1000nmが好ましく、より好ましくは100〜850nm、更に好ましくは150〜750nmである。凹部の開口部の直径が5〜1000nmであると、調光構造体に電圧を印加した際に可視光を入射側に反射させられるため好ましい。図6のA〜Fに示すように、本発明でいう凹部の開口部の直径27とは凹部の開口部26の中で最も直線距離の長い部分を指す。
凹部は、開口部が隣り合うように一定周期で形成されていることが好ましい。
凹部の開口部の直径27に対する凹部の深さは0.4倍以上であると好ましく、より好ましくは1.0倍以上、更に好ましくは2.0倍以上である。凹部の深さは、図7の符号28で示される部分の長さを指す。
凹部の開口部の直径に対する凹部の深さの好ましい値は図8に示すグラフから決定した。図8のグラフは基材としてポリアクリル樹脂、液晶材料はp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(p’−ペンチル−o’−シアノ)フェニルを用いて、液晶材料を充填するための凹部の形を円錐形、凹部の開口部の直径を500nmとした調光構造体の可視光反射率の理論値をMaxwellの方程式に基づき求めた結果である。図8を見ると凹部の開口部の直径に対する凹部の深さが0.4倍以上であると5%以上の可視光反射率を得られることがわかる。他の4−ペンチル−4’−シアノビフェニルなどの様々な液晶材料で測定しても同様の傾向を示す。
凹部の開口部の好ましい形は上述したとおりであるが、凹部の形については特に限定されず、円錐、角錐、円錐台、角錐台、およびコーン型など適宜決定することができる。
凹部はインプリント、エッチング、またはリソグラフィにより形成されてなることが好ましい。これらを用いると、凹部を微細に形成することができる。インプリントは、目的の凹部形状に対応する形状の凸部を有するモールドを、ガラス転移温度まで加熱された基材に押し付けることにより、基材に凹部を形成する方法である。モールドの材質、モールドを押し付ける時間、圧力などは適宜決定することができる。エッチングは、基材表面を化学的に腐食することにより基材に凹部を形成する方法であり、ドライエッチング、ウェットエッチング、電解エッチングなどがあるが、本発明ではいずれも好ましく用いることができる。リソグラフィは、電磁波などを含む放射線を基材に照射して基材に凹部を形成する方法であり、光源の違いにより光リソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、イオンビームリソグラフィ、およびX線リソグラフィなどがあるが、本発明はいずれも好ましく用いることができる。
(基材)
車両の前面ガラスおよび側面ガラスに用いる材料は、道路交通法の規定により可視光透過率が70%以上でなくてはならないことから、基材は可視光を70%以上透過することが好ましい。可視光を70%以上透過することのできる樹脂の例として、ポリアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリメルカプトエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、およびこれらの重合性単量体からなる群より選択される少なくとも一種を含む樹脂が挙げられる。樹脂は、一種類の重合性単量体からなるものでもよく、二種以上の重合性単量体を含む共重合体からなるものでもよい。また、樹脂は一種類の高分子鎖からなるものでもよく、二種以上の高分子鎖をブレンドしたポリマーアロイでもよい。
上述の樹脂の中では特にポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、およびポリエーテルエーテルケトン樹脂は加工性、経済性、市場入手性、およびリサイクル性等の点で好ましく、ポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、および機械的強度の点で好ましい。
樹脂の他には基材としてガラスを用いることもでき、ガラスとしてはソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、石英ガラス、および無アルカリガラスからなる群より選択される少なくとも一種を含むガラスが挙げられる。これらのガラスを目的に応じて、硬質ガラス、軟質ガラス、色ガラス、感光性ガラス、UVカットガラス、耐熱ガラス、熱線吸収ガラス、強化ガラス、クリスタルガラス等に加工したものを用いることもできる。これらの中では特に感光性ガラスがアスペクト比の大きな構造を形成しやすい点で好ましい。
基材として、柔軟性のある樹脂を選択することにより、フィルム状の調光構造体を得ることもできる。通常、調光構造体を窓などに適用する場合には基板上に直接、電極と調光構造体とを形成するが、フィルム状の調光構造体(以下、調光フィルムと記載する)を予め作製しておくことにより、電極を備えた基板に貼り付けたり、電極を備えた基板同士の間にはさみ込んだりするだけで、簡便に調光材料を得ることができる。また、調光フィルムを用いることにより、ドーム状などの複雑な形状の窓などにも簡便に調光機能を備えることができる。
(液晶材料)
本発明で用いる液晶材料を構成する液晶分子は特に限定されないが、棒状液晶であることが好ましい。棒状液晶は一般的に下記化学式1に示すように、環(R、R)、環に置換した側方置換基(L、L)、末端基(T、T)、および連結基(B)からなる構造を基本構造とし、用いる官能基により様々な性質を示す。ただし、化学式1は基本構造であり、L、LおよびBを含まない構造のものなど、様々な構造の液晶分子が本発明に含まれる。
Figure 2006215474
、Rとしては、ベンゼン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、ピリミジン環、ジオキサン環、およびピリジン環等が単独または2〜4つ結合したものが挙げられ;L、L、TおよびTとしては、シアノ基、フルオロ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基などが挙げられ;Bとしては、エステル結合、アセチレン結合、エタン結合、エチレン結合、エチルエーテル結合、ジアセチレン結合、アゾメチン結合、アゾ結合、およびアゾキシ結合などが挙げられる。本発明において、化学式4に示すR、R、L、L、T、T、Bとしては特に限定されないが、上述したようにフェールセーフの観点から、液晶材料が負の誘電異方性を有するような官能基を有する液晶分子を選択することが好ましい。
絶対値が1.2×10−30Cm以上の双極子モーメントを有する官能基を有する液晶分子を含むと、絶対値の大きい負の誘電異方性をもつ液晶材料が得られるため好ましく、前記官能基は化学式1に示す側方置換基(L、L)、または末端基(T、T)であるとより好ましい。絶対値が1.2×10−30Cm以上の双極子モーメントを有する官能基としては、シアノ基およびフルオロ基が挙げられる。シアノ基またはフルオロ基を側方置換基として有する液晶分子として、下記化学式2〜4に示すp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(p’−ペンチル−o’−シアノ)フェニル(化学式2)、p−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(p’−ペンチル−o’,m’−ジシアノ)フェニル(化学式3)、およびp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(p’−ペンチル−o’−フルオロ)フェニル(化学式4)が挙げられる。
Figure 2006215474
液晶材料は一種類の液晶分子で形成してもよいし、複数種をブレンドしてもよい。液晶材料を形成する液晶分子は、上述の誘電異方性以外にも、ネマティック−アイソトロピック転移温度、基材の屈折率、屈折率の異方性、粘度、化学的安定性などを考慮して適宜決定することができる。特に、ネマティック−アイソトロピック転移温度(NI点)が常温域になるように液晶分子を選択すると、常温域で使用する際に調光構造体の温度を調節しなくてもよいため好ましい。また、液晶材料の屈折率と基材の屈折率とを一致させることにより、液晶材料と基材との界面で可視光を反射させることなく透過させることができる。
本発明の調光構造体は図3のA、Bに示すように電圧を印加するための電極2を配置することができる。電極としては特に限定されず例えばITO、SnO、またはZnOなど適宜選択することができる。印加する電圧は、調光構造体の厚みや調光構造体を構成する材質により適宜決定することができるが、3〜200Vが好ましい。
本発明の第二は、上述の調光構造体をフロントガラス、またはフロントサイドガラスに用いた車両である。
本発明の調光材料が用いられうる車両は多岐に渡る。例えば、図9のAに示すようなセダン(日産自動車株式会社:スカイライン(登録商標)V35)、Bに示すようなコンパクトカー(日産自動車株式会社:マーチ(登録商標)K12)、Cに示すようなミニバン(日産自動車株式会社:セレナ(登録商標)C24)、Dに示すようなワゴン(日産自動車株式会社:プリメーラワゴン(登録商標)WP11)、Eに示すようなスポーティーカー(日産自動車株式会社:フェアレディZ(登録商標)Z33)などの各種車型に適用されうる。その他にも、軽自動車、クーペ、SUV、1BOX、2BOX、バン、トラック等の車両にも、勿論適用されうる。本発明の調光構造体を車両の窓に適用すると、空調設備への負荷の軽減およびフェ−ルセーフに優れる点で好ましい。
本願における日射反射率(Re)、日射透過率(Te)、可視光反射率(Rv)、および可視光透過率(Tv)は、JIS R 3106:1998に準ずる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
(実施例1)
基材としてポリスチレン樹脂(可視光透過率89%)を用い、これをインプリントにより開口部直径200nm、深さ180nmの円錐状の凹部を形成した。次に、凹部に液晶材料としてp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(p’−ペンチル−o’−シアノ)フェニル(誘電異方性−5)を充填し、フィルム状の調光構造体を得た。インプリントについてより詳細には、ニッケルからなるモールドを120℃に熱した後60分、5MPaの圧力で基材に押し付けて凹部を形成した。調光構造体の構成要素について表1に示す。
図10に示すように、得られた調光構造体1を、片面に電極2を蒸着した一対の基板3で挟み込み、測定用のサンプル42を得た。電極2としてITOを用い、基板3としてクリアガラス(50mm×10mm、厚さ0.2mm、可視光透過率94%)を用いた。
図10のAに示すように測定用のサンプル42に、直線型光ファイバ44を通じてタングステン−ハロゲン光源(波長域360〜1900nm)40に接続された投光器46から投射光50を照射し、サンプル42を通過した透過光51を、直線型光ファイバ44を通じて受光器47に接続されたマルチチャンネル光検出器41を用いて測定し、可視光透過率(Tv)を求めた。可視光透過率は、電圧印加時および電圧無印加時のサンプルから求め、電圧印加時には、60Vの電圧をかけた。
また、図10のBに示すように測定用サンプル42に、Y型光ファイバ45を通じてタングステン−ハロゲン光源(波長域360〜1900nm)40と接続された投受光器48から投射光50を照射し、測定用サンプル42から反射された反射光52を、Y型光ファイバ45を通じて投受光器48に接続されたマルチチャンネル光検出器41を用いて測定し、日射反射率(Re)を求めた。日射反射率は、電圧印加時および電圧無印加時のサンプルから求め、電圧印加時には、60Vの電圧をかけた。可視光透過率および日射反射率は35℃で測定を行った。
(実施例2)
基材としてポリアクリル樹脂(可視光透過率93%)を用い、開口部直径566nm、開口部の形状一辺400nmの正方形、深さ1400nmの角錐状の凹部を形成し、液晶材料としてp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(p’−ペンチル−o’−フルオロ)フェニル(誘電異方性−2)を充填したこと以外は実施例1と同様にした。
(実施例3)
基材としてポリカーボネート樹脂(可視光透過率89%)を用い、開口部直径800nm、開口部形状中心角180度の扇形、深さ3200nmの円角錐状の凹部を形成し、液晶材料としてp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(p’−ペンチル−o’,m’−ジシアノ)フェニル(誘電異方性−20)を充填したこと以外は実施例1と同様にした。
(実施例4)
基材として感光性ガラス(株式会社住田光学ガラス製感光性ガラス、可視光透過率90%)を用い、フォトエッチングにより凹部を形成したこと以外は実施例1と同様にした。
(実施例5)
電子線リソグラフィにより凹部を形成したこと以外は実施例2と同様にした。
(比較例1)
液晶材料として下記化学式5に示す4−ペンチル−4’−シアノビフェニル(誘電異方性+11)を用いたこと以外は実施例1と同様にした。
Figure 2006215474
(比較例2)
開口部直径566nm、開口部の形状一辺400nmの正方形、深さ1400nmの直方体の凹部を形成したこと以外は実施例2と同様にした。
(比較例3)
特表昭58−501631号の実施例1に記載の液晶構造体を作製した。作製方法は以下に示すとおりである。液晶材料(アメリカン・リキッド・クリスタル・ケミカル・コーポレーション社製、製品番号8250)0.2リットルを7%PVA溶液1リットルと混合し、10リットルの純水に添加した。得られた混合物をコーンギャップを0.1mm(4ミル)に設定したコロイドミルに入れて、4分間乳化した。得られた乳液材料に含まれる粒子の大きさは3μmであった。
一平方インチ当り200オームの酸化スズ層が片面に塗布されたマイラー薄板(シエラシン社製)を2枚用意し、酸化スズ層側に得られた乳液材料をドクターブレード法で塗布し、乾燥することにより厚さ20μm(0.8ミル)の調光材料の層を形成した。次に、調光材料の層同士が接するようにこれらを重ね合わせてサンプルを得た。
Figure 2006215474
Figure 2006215474
(実施例7)
実施例3で得られたフィルム状の調光構造体を、ITOを蒸着した一対のPETフィルム(厚さ125μm)の蒸着面側で挟み込み、これを調光車両(日産自動車製スカイライン(登録商標)V35)のフロントガラスとして用いたところ、前方の視界は十分に確保された。電圧を印加した状態の調光車両と調光構造体を装備していない車両(日産自動車製スカイライン(登録商標)V35)とを外気温35℃、晴天の屋外に4時間放置しておいたところ、調光構造体を装備していない車両の車室温度が68℃であったのに対して、調光車両の車室温度は42℃であった。
本発明の調光構造体の一例を示す俯瞰概略図である。 本発明の調光構造体の一例を示す断面概略図である。 電圧印加時と電圧無印加時の液晶分子の配列とを示す断面概略図である。 凹部の最深部を通過する基材表面の垂線と、凹部と基材表面との交点を通過する接線とを示す断面概略図である。 液晶屈折率差と、凹部の最深部を通過する基材表面の垂線、および凹部と基材表面との交点を通過する凹部の接線の成す角との関係を示すグラフである。 凹部の開口部の例を示す図である。 凹部の開口部の直径と、凹部の深さとを示す断面概略図である。 可視光反射率と、凹部の深さに対する凹部の開口部直径の比との関係を示すグラフである。 本発明の調光構造体を適応しうる各種車型の概略図である。 図10のAは可視光透過率の測定方法を示す図であり、Bは日射反射率の測定方法を示す図である。
符号の説明
1 調光構造体、
2 電極、
3 基板、
10 基材、
20 凹部、
21 凹部の最深部、
22 凹部の最深部を通過する基材表面の垂線、
23 凹部と基材表面との交点、
24 凹部と基材表面との交点を通過する凹部の接線
25 凹部の最深部を通過する基材表面の垂線、および凹部と基材表面との交点を通過する接線の成す角、
26 凹部の開口部、
27 凹部の開口部の直径、
28 凹部の深さ、
30 液晶材料、
31 液晶分子、
40 光源、
41 マルチチャンネル光検出器、
42 サンプル、
44 直線型光ファイバ、
45 Y型光ファイバ、
46 投光器、
47 受光器、
48 投受光器、
50 投射光、
51 透過光、
52 反射光。

Claims (13)

  1. 凹部を備えた基材と、前記凹部に充填された液晶材料とを含む調光構造体であって、
    前記凹部の形が、基材表面へ向う程広くなる形であり、
    前記液晶材料の誘電異方性が負であることを特徴とする調光構造体。
  2. 前記凹部の最深部を通過する前記基材表面の垂線、および
    前記凹部と前記基材表面との交点を通過する前記凹部の接線の成す角が2〜45度であることを特徴とする請求項1に記載の調光構造体。
  3. 前記凹部の開口部の形が、曲線で囲まれた形、直線で囲まれた形、および直線と曲線とで囲まれた形からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の調光構造体。
  4. 前記凹部の開口部の直径が50〜1000nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の調光構造体。
  5. 前記凹部の開口部の直径に対する前記凹部の深さが0.4倍以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の調光構造体。
  6. 前記基材が、可視光を70%以上透過することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の調光構造体。
  7. 前記基材が、ポリアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリメルカプトエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、およびこれらの重合性単量体からなる群より選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の調光構造体。
  8. 前記基材が、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、石英ガラス、および無アルカリガラスからなる群より選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の調光構造体。
  9. 前記液晶材料が、絶対値が1.2×10−30Cm以上の双極子モーメントを有する官能基を有する液晶分子を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の調光構造体。
  10. 前記官能基がシアノ基またはフルオロ基であることを特徴とする請求項9に記載の調光構造体。
  11. 前記液晶分子が、下記化学式2に示すp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(p’−ペンチル−o’−シアノ)フェニル、下記化学式3に示すp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(p’−ペンチル−o’,m’−ジシアノ)フェニル、または下記化学式4に示すp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(p’−ペンチル−o’−フルオロ)フェニルであることを特徴とする請求項9または10に記載の調光構造体。
    Figure 2006215474
  12. 前記凹部はインプリント、エッチングまたはリソグラフィにより形成されてなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに調光構造体。
  13. 請求項1から12に記載の調光構造体をフロントガラス、またはフロントサイドガラスに用いた車両。
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