JP2006214900A - ラマン分光装置及びラマン分光測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ラマン散乱光を励起する励起用レーザー光を、第1の光学系3を介して試料に照射し、試料からのラマン散乱光を、第2の光学系5を介して分光器4で分光するラマン分光装置1である。第1の光学系3に励起用レーザー光を集光する入射側レンズ11が設けられ、第2の光学系5にラマン散乱光を集光する出射側レンズ12が設けられ、入射側レンズ11と試料との間を通る励起用レーザー光の第1の光軸と、試料と出射側レンズ12との間を通るラマン散乱光の第2の光軸とがなす角度が略直角に調整されている。第2の光学系5には、出射側レンズ11を介して第2の光軸を通り、試料の配置場所に光軸合わせ用のレーザー光を照射する光軸合わせ用レーザー光源25が備えられている。
【選択図】 図1
Description
I∝|E1・R・Es|
となる。ここで、ラマンテンソルRは、各結晶系、活性振動により既に求められている。
測定する結晶系において所望の活性振動を観測(測定)するためには、入射光と散乱光の偏光成分を選択し、散乱光強度が生じる光学系によって測定を行う必要がある。そのため、ラマン散乱測定装置(ラマン分光装置)では、前述したようにバックスキャッタリングのみでなく、直角散乱配置も併用することが必要になっているのである。
しかしながら、このような光軸合わせは3次元的に行わなくてはならず、したがって高度の熟練度を必要とし、初心者では長時間かけても十分な精度を出すことができないのが現状である。
前記第1の光学系に前記励起用レーザー光を集光する入射側レンズが設けられ、
前記第2の光学系に前記ラマン散乱光を集光する出射側レンズが設けられ、
前記入射側レンズと前記試料との間を通る前記励起用レーザー光の第1の光軸と、前記試料と前記出射側レンズとの間を通る前記ラマン散乱光の第2の光軸とがなす角度が略直角に調整されてなり、
前記第2の光学系には、前記出射側レンズを介して前記第2の光軸を通り、前記試料の配置場所に光軸合わせ用のレーザー光を照射する光軸合わせ用レーザー光源が備えられていることを特徴としている。
このようにすれば、励起用レーザー光と光軸合わせ用のレーザー光とを試料の配置場所に同時に照射した際、これらレーザー光が波長が異なることで例えば色が異なることにより、これらレーザー光の焦点位置やその重なり具合などを目視によって確認することが可能になる。
このようにすれば、観察部より試料の配置場所を目視あるいはCCDカメラ等で観察することで、前記第1の光軸と前記第2の光軸とを容易に軸合わせすることが可能になる。
このようにしても、観察部より試料の配置場所を目視あるいはCCDカメラ等で観察することで、前記第1の光軸と前記第2の光軸とを容易に軸合わせすることが可能になる。
このようにすれば、サンプルステージを第1の光軸に沿って移動させることで、試料に対しての励起用レーザー光の焦点合わせが可能になり、さらにサンプルステージを第1の光軸、第2の光軸のそれぞれに沿って移動させることで、試料に対しての第2の光軸についての焦点合わせも可能になる。
このようにすれば、Zステージを移動させることで励起用レーザー光に対する焦点合わせを行うことができ、さらにこのZステージの移動とXYステージの移動とを組み合わせることで、試料に対しての第2の光軸についての焦点合わせも可能になる。
このようにすれば、励起用レーザー光を入射側レンズを介して試料に照射し、この入射方向と180°異なる方向に散乱した散乱光を再度入射側レンズを通して第3の光学系に導くことにより、バックスキャッタリングでの測定(観測)も可能になる。
前記励起用レーザー光を、前記第1の光学系に設けた入射側レンズで集光して前記試料に照射する工程と、
前記試料で励起したラマン散乱光を、前記第2の光学系に設けた出射側レンズで集光して前記分光器に導入する工程と、を有し、
さらに、前記入射側レンズと前記試料との間を通る前記励起用レーザー光の第1の光軸と、前記試料と前記出射側レンズとの間を通る前記ラマン散乱光の第2の光軸とがなす角度を略直角に調整しておくとともに、前記試料の配置場所となるサンプルステージ上の所定位置に対し、前記第1の光軸と前記第2の光軸とを合わせる光軸合わせ工程を備えてなり、
前記光軸合わせ工程は、前記励起用レーザー光を、前記入射側レンズを介して前記サンプルステージ上の所定位置に集光させてその焦点位置を合わせる工程と、
光軸合わせ用のレーザー光を、前記出射側レンズを介して前記サンプルステージ上の所定位置に集光させ、その焦点位置を、前記励起用レーザー光の焦点位置に合わせる工程と、を備えたことを特徴としている。
図1は、本発明のラマン分光装置の一実施形態を示す図であって、図1中符号1はラマン分光装置である。このラマン分光装置1は、励起用レーザー光を出射する励起用レーザー光源2と、この励起用レーザー光源2から出射された励起用レーザー光を試料に導入するための第1の光学系3と、前記試料からのラマン散乱光を分光器4に導入するための第2の光学系5と、この第2の光学系5に設けられた光軸合わせ用レーザー光源25と、を備えて構成されたものである。なお、前記試料は、サンプルステージ6上に配置されるようになっている。
この減光フィルター7に続く半透過鏡8は、減光フィルター7を通ってきた励起用レーザー光の光路、すなわち第1の光軸を直角に曲げるように配置されたもので、その反射面と反対の側には、観察口18が接続されている。なお、この半透過鏡8については、後述するように試料に対しての実際の測定(観測)を行う場合には、この半透過鏡8に代えて反射鏡を用い、減光フィルター7を通ってきた励起用レーザー光を全反射させるようにしてもよい。
これら入射側レンズ11と出射側レンズ12とは、図2に示すようにそれぞれの光軸が、試料Sを配置するサンプルステージ6に向くように配設されている。
集光レンズ17は、前記フィルター16を透過してきたラマン光を集光して分光器4に導入するものであり、分光器4は、導入したラマン光を波長成分に分解し、ラマンスペクトルを得るものである。
なお、XYステージ28には、前記Zステージ27を移動させる移動機構とは別の移動機構が設けられており、これによってZステージ27の移動とは別に、独立した状態で第1ステージ面27a上においてX方向及びY方向に移動可能となっている。
まず、直角散乱光の測定を行う場合について説明する。このように直角散乱光の測定を行う場合、特に半透過鏡9や半透過鏡14をそれぞれの光路(光軸)上から外しておき、第1の光学系3、第2の光学系5と第3の光学系19との光学的接続を遮断しておく。そして、実際に試料Sについての測定(観察)を行うに先立ち、光軸合わせ工程として、前記試料Sの配置場所となるサンプルステージ6上の所定位置に対し、前記第1の光軸と前記第2の光軸とを合わせる処理を行う。なお、この光軸合わせ工程では、サンプルステージ6の試料を配置する場所、すなわちXYステージ28の第2ステージ面28a上に、光軸合わせ用のサンプルとして、例えば単結晶シリコン薄膜などを配置しておく。
また、この第1の光軸と第2の光軸との光軸合わせについては、基本的には前述したように出射側レンズ12の位置(角度)調整で行うが、必要に応じて、サンプルステージ6のZステージ27やXYステージ28を微移動させることで、光軸合わせの微調整を行うようにしてもよい。
そして、さらに試料S中において特にその測定位置を選択したい場合、Zステージ27を固定した状態で、XYステージ28をX方向、Y方向にそれぞれ適宜移動させることで、励起用レーザー光の焦点位置であるスポットを測定位置に合わせる。なお、このような調整は、観察口18からの目視、あるいはCCDカメラによる撮影などで行うことができる。
このラマン散乱光のうち特に直角散乱光は、第1の光軸に対し略直角方向に位置した第2の光軸を有する出射側レンズ12に集められ、さらに第2の光学系19を通って分光器4に導入され、ここで波長成分に分解されてラマンスペクトルとして測定される。
このようなサンプルステージを用いてこれに試料Sを配置したら、従来と同様にして焦点合わせ等を行った後、励起用レーザー光源2から励起用レーザー光を出射することで、バックスキャッタリング測定を行う。
したがって、従来では特に光軸合わせには高度の熟練を要し、熟練に基づく勘に頼って光軸合わせを行っているのが実状であったが、本発明では、前述したように光軸合わせ用レーザー光源25を備えたことにより、高い熟練度を要することなく、初心者でも比較的容易に、しかも精度良く光軸合わせを行うことができる。
Claims (8)
- ラマン散乱光を励起する励起用レーザー光を、第1の光学系を介して試料に照射し、該試料からのラマン散乱光を、第2の光学系を介して分光器で分光するラマン分光装置であって、
前記第1の光学系に前記励起用レーザー光を集光する入射側レンズが設けられ、
前記第2の光学系に前記ラマン散乱光を集光する出射側レンズが設けられ、
前記入射側レンズと前記試料との間を通る前記励起用レーザー光の第1の光軸と、前記試料と前記出射側レンズとの間を通る前記ラマン散乱光の第2の光軸とがなす角度が略直角に調整されてなり、
前記第2の光学系には、前記出射側レンズを介して前記第2の光軸を通り、前記試料の配置場所に光軸合わせ用のレーザー光を照射する光軸合わせ用レーザー光源が備えられていることを特徴とするラマン分光装置。 - 前記の光軸合わせ用のレーザー光の波長が、前記のラマン散乱光を励起する励起用レーザー光の波長と異なることを特徴とする請求項1記載のラマン分光装置。
- 前記第1の光軸上の、前記試料の配置場所と反対の側に、該試料の配置場所での前記励起用レーザー光の照射位置と前記光軸合わせ用のレーザー光の照射位置とを観察するための観察部が、備えられていることを特徴とする請求項1又は2記載のラマン分光装置。
- 前記第2の光軸上の、前記試料の配置場所と反対の側に、該試料の配置場所での前記励起用レーザー光の照射位置と前記光軸合わせ用のレーザー光の照射位置とを観察するための観察部が、備えられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のラマン分光装置。
- 前記試料を配置するサンプルステージが備えられ、
該サンプルステージは、前記試料を配置するための面として、前記第1の光軸及び第2の光軸に対してそれぞれに略45°の角度をなすステージ面を有し、該ステージ面を、前記第1の光軸に沿って移動させる機構と第2の光軸に沿って移動させる機構とを備えてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のラマン分光装置。 - 前記試料を配置するサンプルステージが備えられ、
該サンプルステージは、前記第1の光軸及び第2の光軸に対してそれぞれに略45°の角度をなす第1ステージ面を有し、該第1ステージ面の前記角度を維持した状態で前記第1の光軸に沿って移動するZステージと、該Zステージの前記第1ステージ面上にてその縦方向及び横方向に移動可能に設けられ、前記第1ステージ面と平行な第2ステージ面を有して該第2ステージ面上に前記試料を配置するXYステージと、を備えてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のラマン分光装置。 - 前記第1の光軸上の、前記入射側レンズに対して前記試料と反対の側に、該第1の光軸を通って前記入射側レンズで集光された前記試料からのラマン散乱光を、前記分光器に導入する第3の光学系が接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のラマン分光装置。
- ラマン散乱光を励起する励起用レーザー光を、第1の光学系を介して試料に照射し、該試料からのラマン散乱光を、第2の光学系を介して分光器で分光するラマン分光測定方法であって、
前記励起用レーザー光を、前記第1の光学系に設けた入射側レンズで集光して前記試料に照射する工程と、
前記試料で励起したラマン散乱光を、前記第2の光学系に設けた出射側レンズで集光して前記分光器に導入する工程と、を有し、
さらに、前記入射側レンズと前記試料との間を通る前記励起用レーザー光の第1の光軸と、前記試料と前記出射側レンズとの間を通る前記ラマン散乱光の第2の光軸とがなす角度を略直角に調整しておくとともに、前記試料の配置場所となるサンプルステージ上の所定位置に対し、前記第1の光軸と前記第2の光軸とを合わせる光軸合わせ工程を備えてなり、
前記光軸合わせ工程は、前記励起用レーザー光を、前記入射側レンズを介して前記サンプルステージ上の所定位置に集光させてその焦点位置を合わせる工程と、
光軸合わせ用のレーザー光を、前記出射側レンズを介して前記サンプルステージ上の所定位置に集光させ、その焦点位置を、前記励起用レーザー光の焦点位置に合わせる工程と、を備えたことを特徴とするラマン分光測定方法。
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