JP2004028824A - 地殻変動モニタリング装置と地殻変動モニタリングシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】メタンハイドレートの暴噴予知技術を確立し、精度の良い暴噴予知が容易に得られるようにした地殻変動モニタリング装置及び地殻変動モニタリングシステムを提供すること。
【解決手段】海上にある監視装置1と海底に置かれたセンシング部2を光ファイバ3で繋ぎ、レーザ光源11から励起光伝送用光ファイバ3aを介して集光レンズ4にレーザ光を送り、点Xにレーザ光を集光させ、この点Xで発生したラマン散乱光を集光レンズ5で集光し、散乱光伝送用光ファイバ3bを介して監視装置1の分光器12に送り、光検出器13とコンピュータ14でスペクトル分析し、点Xでのメタンの存在と量を測定し、地殻変動に伴うメタンハイドレートの暴噴が予知できるようにしたもの。
【選択図】 図1
【解決手段】海上にある監視装置1と海底に置かれたセンシング部2を光ファイバ3で繋ぎ、レーザ光源11から励起光伝送用光ファイバ3aを介して集光レンズ4にレーザ光を送り、点Xにレーザ光を集光させ、この点Xで発生したラマン散乱光を集光レンズ5で集光し、散乱光伝送用光ファイバ3bを介して監視装置1の分光器12に送り、光検出器13とコンピュータ14でスペクトル分析し、点Xでのメタンの存在と量を測定し、地殻変動に伴うメタンハイドレートの暴噴が予知できるようにしたもの。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海底の地殻変動を予知するシステムに係り、特にメタンハイドレートの探査と採鉱に伴う地殻変動を監視する装置とシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
将来のエネルギー資源として有望なメタンハイドレートは、日本近海の海底に多くの資源があると言われており、資源小国の日本にとって極めて有効なエネルギー資源と考えられており、このため、現在、このメタンハイドレートの探査と採鉱について種々開発が進められているが、このときの課題の一つに、メタンハイドレートの暴噴予知がある。
【0003】
ここで、この暴噴とは、地殻変動(地層変動ともいう)に伴ってメタンハイドレートが爆発的に噴出することで、下記の参考文献にも説明されているように、この暴噴があると、探査や採鉱に際して安全上に問題があると言われており、従って、従来から、この暴噴を予知する技術が重要視されている。
【0004】
参考文献
エネルギー総合工学研究所 発行
「新エネルギーの展望 非在来型天然ガス(メタンハイドレート編)」
1998年3月、第22頁〜第23頁
【0005】
ここで、一般的な探査や採鉱の際の振動や温度の測定に関しては、既に確立された技術が多くあり、例えば振動に関しては、物理探査ガイドブック(1998年物理探査学会)の第40頁〜第42頁に記載されているように、ハイドロフォンと呼ばれるセンサが利用されている。
【0006】
また、温度計測に関しては、同じく物理探査ガイドブック(1998年物理探査学会発行、1998年)の第588頁〜第589頁に記載があるように、最近では光ファイバ型温度測定システムが用いられている。
【0007】
一方、探査や採鉱の分野ではないが、トンネルやコンクリート構造物の歪み・変位の計測には、光ファイバブラッググレーティング(FBG)を用いた遠隔モニタリング手法が用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、海底でのメタンハイドレートの暴噴を予知する技術は、上記従来技術も含めて、いまだ確立されていない。従って、上記従来技術では、海底でのメタンハイドレートの暴噴予知に問題があった。
【0009】
まず、ハイドロフォンによる従来技術は、メタンハイドレードの探査と採掘に必要な水深約1000mの深海では水圧に耐えられず、使用することができないという問題がある。
【0010】
一方、光ファイバ型温度測定システムによる従来の温度計測や、光ファイバブラッググレーティングによる従来の歪み・変位計測では、メタンハイドレートの暴噴予知に必要な情報量が得られず、充分な予知精度が得られないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、これらの課題を解決し、メタンハイドレートの暴噴予知技術を確立し、精度の良い暴噴予知が容易に得られるようにした地殻変動モニタリング装置及び地殻変動モニタリングシステムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
ここで、まず、本発明は、メタンハイドレートが存在する地層で地殻に変動が生じた場合、その予兆として、メタンハイドレートから高い確度でメタンが海底に漏洩する点に着目してなされたものである。
【0013】
そして、このときのメタンの検出にラマン効果を利用し、海底で直接検出を行い、遠隔モニタリングにより地殻変動を予知し、メタンハイドレートの暴噴予知が高精度で容易に得られるようにしたものである。
【0014】
従って、上記目的は、光ファイバで監視部に接続されたセンシング部を用い、海底近傍の海中に存在するメタンの濃度をラマン散乱光により計測し、海底の地殻変動に伴うメタンハイドレートの暴噴を、前記計測したメタンの濃度に基づいて予知することにより達成される。
【0015】
このとき、前記メタンの計測に使用するラマン散乱光の振動波数が2917cm−1 乃至3019cm−1 になるようにしても良い。
【0016】
同じく、このとき、前記メタンによるラマン散乱光の強度の計測結果を、同時に計測されるレイリー散乱光の強度又は水のラマン散乱光の強度の何れか一方を基準にして補正し、この補正された結果が前記メタンの濃度の計測値として与えられるようにしても良い。
【0017】
また、上記目的は、メタンのラマン散乱光の励起に必要なレーザ光を発生し、励起光伝送用光ファイバに入射するレーザ光源と、前記励起光伝送用光ファイバを介して伝送されたレーザ光を集光して海中に照射する励起光用集光レンズと、レーザ光の照射による散乱光を集光して散乱光伝送用光ファイバに入射させる散乱光用集光レンズと、前記励起光用集光レンズにより集光された励起光を海中に透過させる励起光透過窓と、前記散乱光を海中から前記散乱光用集光レンズに透過させる散乱光透過窓と、前記散乱光伝送用光ファイバを介して伝送された散乱光を分光する分光器と、前記分光器により分光された光を波長毎に検出する光検出器と、前記光検出器による検出検出をスペクトル分析するコンピュータとを備え、前記レーザ光源と前記分光器、前記光検出器、それに前記コンピュータは前記監視部に設けられ、前記励起光用集光レンズと前記散乱光用集光レンズ、前記励起光透過窓、それに前記散乱光透過窓は前記センシング部に設けられ、前記励起光伝送用光ファイバと前記散乱光伝送用光ファイバは、前記監視部と前記センシング部の間に設けられているようにしても達成される。
【0018】
このとき、前記励起光透過窓と前記散乱光透過窓は、前記センシング部の海底面側に設けられているようにしても良い。
【0019】
同じく、このとき、前記センシング部の海底面側と海底面の間に海水が流動する空間部が設けられているようにしても良く、前記空間部が、当該空間部内のガスを逃がす通路を備えているようにしても良い。
【0020】
次に、上記目的は、前記監視部をメタンハイドレート採鉱用の抗井に設置し、前記センシング部を少なくとも2基、前記抗井の周辺に配置することによっても達成され、更には、センサ部材となる光ファイバが前記抗井の周辺に敷設された光ファイバ温度計測システムと光ファイバ型変位・振動計測システムの少なくとも一方の計測システムを用い、該計測システムによる計測結果を前記メタンの濃度の計測結果に複合して地殻変動が判定されるようにしても達成される。
【0021】
このとき、前記センシング部は、メタンハイドレート探査用の船舶によって曳航されるフィッシュ型センサ部に設けられているようにしても良く、前記監視部が、海面に浮遊させたブイに設置されているようにしても良い。
【0022】
更に、このとき、前記ブイが無線伝送装置を備え、測定結果か無線で伝送されるようにしても良く、前記ブイに、当該ブイに内蔵された機器に電力を供給するバッテリと、このバッテリに電力を供給する太陽光発電素子が設けられていても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による地殻変動モニタリング装置と地殻変動モニタリングシステムについて、図示の実施の形態により詳細に説明すると、まず図1は、本発明の一実施形態で、この地殻変動モニタリング装置では、図示のように、監視装置1と、センシング部2に分けて構成してある。
【0024】
そして、監視装置1は、例えば支援用の船舶など、人が常に操作できる環境に設置され、他方、センシング部2は海底に設置され、これらの間は光ファイバ2で接続されている。
【0025】
ここで、監視装置1には、図示のように、レーザ光源11と分光器12、光検出器13、それにコンピュータ14が設けられている。
【0026】
そして、まずレーザ光源11は、ラマン散乱分光のための光源となるもので、このレーザ光源11から放射されたレーザ光が、光ファイバ3aを介してセンシング部1に供給される。
【0027】
このため、レーザ光源11には、波長幅(ライン幅)の狭いレーザが用いられるが、このとき後述するように、更に可視光の中でも長波長側の赤い光を出すレーザが望ましい。
【0028】
勿論、ラマン散乱分光の感度が充分に得られるように、強度が大きい連続発振型のレーザが望ましく、従って高出力が得られるHe−Neレーザや、第2高調波によるYAGレーザ、或いは高出力半導体レーザなどが好適である。
【0029】
次に、分光器12は、センシング部2で検出され、光ファイバ3bを介して取り込まれた光を分光する働きをするものであるが、このときラマン散乱分光が効率良く検出できるように、波長分解能の高いものが望ましい。
【0030】
また、光検出器13は、分光器12で分光された光を波長毎に検出して電気信号に変換するもので、複数個の光電子増倍管を用いてもよいが、測定時間を短縮するためには、ラインセンサなどとしてしられている多チャンネル型の光検出器が適している。
【0031】
そして、光検出器13から検出された信号はコンピュータ14に取り込まれ、ここで各波長毎の強度が分析され、後述するように、分析結果がスペクトル表示され、且つ、記録される。
【0032】
次に、センシング部2について、図3により説明する。ここで、この図3(a)はセンシング部2の側断面図で、同図(b)は底面図であり、これらの図から明らかなように、センシング部2は、全体がほぼ矩形をした容器として作られ、その中に励起光La収束用の集光レンズ4と散乱光Lb収束用の集光レンズ5が設けられている。
【0033】
そして、このセンシング部2の底部には、側面(図の手前にある面)からみた形状が逆V字形になった窪み部2Aが形成してあり、その逆V字形になって向き合っている壁部2B、2Cに透明ガラスなどによる励起光用透過窓6と散乱光用透過窓7が設けてある。
【0034】
これにより、まず、集光レンズ4は、光ファイバ3aを介して供給された励起光Laを収束し、励起光用透過窓6を通過させ、水平に対して約45°の下向きの角度で外部に照射し、励起光Laの焦点を点Xに結ばせる働きをする。
【0035】
一方、集光レンズ5は、その光軸が、集光レンズ4の光軸に対して約90°の角度になるようにして配置され、点Xで散乱された光を収束して効率良く取り込み、光ファイバ3bに散乱光Lbとして送りこむ働きをする。
【0036】
そこで、このセンシング部2では、励起光用透過窓6と散乱光用透過窓7がセンシング部2の下部に斜め下向きに取付けられ、この状態で励起光Laを海中に照射し、海中からの散乱光Lbを観測することになり、従って、海中から海底に沈降してゆく浮遊物の堆積による透過窓6、7の汚れを容易に抑えることができる。
【0037】
また、このセンシング部2は、深さが数100mから数1000mもある海中に沈められるので、数10気圧から数100気圧の高い水圧に耐える強度と、耐水性が要求され、このため、ステンレス鋼やチタンなど、極めて強度の高い金属で作成する必要があり、且つ、励起光用透過窓6と散乱光用透過窓7にも充分な強度の窓材が必要になる。
【0038】
また、センシング部2の底部には、所定の本数、例えば4本の支持脚8が設けてあり、海中に沈められたとき、センシング部2が海底から所定の高さの位置に保持されるようにしてあり、これにより、センシング部2の透過窓6、7と海底面Bの間に海水が流動する空間を形成させ、測定すべき海水が容易に流れ込めるようにしてある。
【0039】
更に、このセンシング部2には、その窪み部2Aの頂点からセンシング部2の上面に通じた管路9が設けてあり、これにより、海底Bから発生した気泡を逃がし、センシング部2の底面に余分な気泡が停留しないようにしている。
【0040】
次に、励起光伝送用光ファイバ3aと散乱光伝送用光ファイバ3bは、伝送損失が少なく、数100mから数1000mの長い距離にわたって光が伝送できるように、ガラス製の光ファイバを用いる。
【0041】
なお、図1と図2では、光ファイバ3だけが記載されているが、上記したように、このセンシング部2は、海中を数100mから数1000mの距離にわたって引き回されるので、強度を持たせるため光ファイバ3に金属製のカバーを被覆したり、強度補強用の金属製ワイヤを添わせたりするのが通例である。
【0042】
次に、この実施形態による地殻変動のモニタリング動作について説明すると、この実施形態の場合、まず、始めに、センシング部2を所定の海域に運び、そこで海中に沈降させ、海底に載置させることになる。
【0043】
そして、この後、監視装置10のレーザ光源11を動作させ、光ファイバ3aを介して励起光Laがセンシング部2に供給されるようにし、これと並行して、コンピュータ14によりの信号の取り込みを開始させるのである。
【0044】
このとき、センシング部2では、図2の点Xに励起光Laが収束される。そして、この結果、点Xでラマン効果による散乱が現われたとすると、集光レンズ5により散乱光Lbが取り込まれ、この散乱光Lbが光ファイバ3bを介して分光器12に入射される。
【0045】
そうすると、この分光器12では、その分解能で定まる波長毎に散乱光Lbが分離され、夫々の波長の光が光検出器13の各チャネルに入射され、この結果、各波長の強度に応じた信号が光検出器13の各チャネルから発生される。
【0046】
そこで、この光検出器13の各チャネルの出力を縦軸に強度をとって横軸に並べることにより、図3に示すスペクトル図が得られ、これが例えばコンピュータ14のモニタに表示される。ここで、この図3の縦軸における(−)は、強度が相対値であることを表わす。
【0047】
そして、この実施形態では、この図3のスペクトルからメタンの存在と、その量をモニタリングし、地殻変動発生の予兆からメタンハイドレートの暴噴を予知するのである。
【0048】
次に、この図3の散乱光強度スペクトルを用いたメタン濃度の算出方法について説明する。始めにメタン(CH4)、水(H2O)、それに石英(SiO2)のラマン振動波数を表1に示す。
【0049】
【表1】
ここで、このラマン振動波数は、分子構造によって決まる既知の値で、実際に観測されるラマン散乱光の波長λR (nm)は、励起波長λi (nm)とラマン振動波数nR (cm−1)により、次の(1)式で求められる。
【0050】
λR =107/{(107/λi)−nR}…………(1)
上記表1には、励起波長を632nmとしたときの夫々のラマン散乱波長が示されており、ここで、夫々のラマン散乱光強度は、各々のラマン振動の強度と、励起光強度、それに、各分子の濃度に比例する。
【0051】
このときのラマン振動の強度は各分子に固有の値で、しかも励起光強度が一定のときのラマン散乱光強度は、当該分子の濃度のみに比例する。従って、ラマン散乱光強度の測定により、その分子の存在だけではなく、その濃度も求めることができる。
【0052】
ここで、メタンを含む海水中で検出されるラマン散乱光には、まず、海水によるレイリー散乱光(励起光の波長と同じ波長の光)と海水によるラマン散乱光が存在し、且つ光ファイバ3による石英(SiO2)のラマン散乱光も存在する。
【0053】
従って、これらの散乱光のピークが、検出対象であるメタンの散乱光のピークと重なると、微弱なメタン濃度は測定できなくなる虞れがあるが、メタンのラマン散乱光のうち、振動波数2917cm−1 と振動波数3019cm−1 によるラマン光波長775nmと781nmは、図3の散乱光強度スペクトルから明らかなように、妨害となる水や石英のラマン光波長のピークから大きく離れているので、微弱な濃度でも容易に精度良く測定することができる。
【0054】
そして、このメタンの測定結果から、例えばメタンの量が急激に変化したり、異常に多くなったとき、地殻変動が予兆され、メタンハイドレートの暴噴が予知されたものとするのである。
【0055】
従って、この実施形態によれば、メタンハイドレートが存在する地層で地殻に変動が生じた場合にメタンが海底に漏洩する確度の高さから、地殻変動の予兆が高精度で確実に得られ、信頼性良くメタンハイドレートの暴噴を予知することができる。
【0056】
そして、この結果、この実施形態によれば、メタンハイドレートの暴噴予知を技術として明確に確立させることができる。
【0057】
このとき、この実施形態によるセンシング部2は、海中にあるため、長期間メンテナンスできない場合が多く、どうしても透過窓6、7に汚れや曇りが生じるのが避けられない。
【0058】
この場合、観測される散乱光強度に減衰が現われてしまうが、この場合でも、本来のには変化がない筈であり、従って、これらレイリー散乱光強度や水のラマン散乱光強度を基準にして、検出されたタンのラマン散乱光の強度を補正することにより、常に正確にメタン濃度を測定することができる。
【0059】
次に、本発明による地殻変動モニタリングシステムについて、図示の実施の形態により詳細に説明する。ここで、以下に説明する実施形態は、図4に示すように、メタンハイドレート採鉱用の抗井30に本発明を適用した場合の一実施形態で、このとき、図1〜図3で説明した地殻変動モニタリング装置の一実施形態が用いられている。
【0060】
このメタンハイドレートを採鉱する抗井30は、通常、この図4に示されているように、浮遊式のプラットフォームに櫓を備えたメタンハイドレート生産装置31が用いられ、ドリルパイプ32とライザーパイプ33を用いて、数100mから、ときには数kmにも及ぶ海底からメタンハイドレートを汲み上げるようになっている。
【0061】
ここで、地殻変動モニタリング装置の制御装置1(図示してない)は、抗井30のプラットフォームの制御室(図示してない)に設け、センシング部2は、抗井30の周辺の海底に複数台、例えば図示のように、3台配置する。そして、制御装置1と各センシング部2は光ファイバ3で接続されている。
【0062】
従って、この実施形態によれば、抗井30の周辺に数kmの広域に渡る地殻変動が観測できるモニタリングシステムを構築することができる。
【0063】
更に、この図4の実施形態では、光ファイバ20を海底面の抗井30の周辺に配置し、これにより、地殻変動モニタリング装置による計測と並行して、光ファイバ温度計測システムによる温度分布の計測と、光ファイバ型変位・振動計測システムによる振動分布計測を行なうようになっている。
【0064】
このとき、これらの計測では、光ファイバ自体がセンサになるので、光ファイバ20を配置しただけで温度分布と振動分布の双方が計測できる。
【0065】
そして、いま、ある時点で海底面に地殻変動が現われ、それにより亀裂Cが生じてメタンガスを含む気泡Bが発生したとすると、図5に示すように、地殻変動モニタリング装置によるメタン濃度の変化と共に、振動と温度の変化が時系列的に観測される。
【0066】
従って、この図4の実施形態によれば、メタン濃度の変化に加えて、このとき海底面に、ほぼ同時に現われる振動と温度の変化からも地殻変動が予兆されることになり、より高精度に地殻変動が判定でき、更に信頼性良くメタンハイドレートの暴噴が予知できる。
【0067】
次に、本発明による地殻変動予知システムを、メタンハイドレート探査に適用した場合の実施形態について、図6により説明する。
【0068】
この図6には、まず、探査船35からロープ36で曳航されるフィッシュ型センサ37を用い、その中に地殻変動モニタリング装置のセンシング部2を設けることにより、探査が必要な海域のメタン濃度を測定し、地殻変動が観測できるようにしたモニタリングシステムの一実施形態が示されている。このとき、図示されていないが、監視装置1は探査船35に積込まれている。
【0069】
そして、このフィッシュ型センサ37で測定した結果をGPSなどから得た位置情報と共に記録し、以前の結果と比較することにより、メタンの存在の有無を把握し、地殻変動を予知することができる。
【0070】
また、この図6では、海面に浮遊させたブイ38を用い、その中に地殻変動モニタリング装置の監視装置1を格納し、光ファイバ3で海底の近傍に設置したセンシング部2に接続させることにより、観測したい海底の地殻変動が定点観測できるようにしたモニタリングシステムの一実施形態も示されている。
【0071】
この実施形態の場合、ブイ38で測定した信号は無線で送信され、例えば探査船35や浮遊式メタンハイドレート生産装置30(図4)において集中監視できるようにする。
【0072】
このとき、レーザ光源11に省電力形の半導体レーザを用いることにより、ブイ38に搭載されているセンサ類の駆動に必要な電力を内蔵したバッテリだけでまかなえるようにすることができる。
【0073】
また、この場合、太陽光発電素子をブイ38の表面に設け、内蔵バッテリを充電してやれば、バッテリを交換することなく、メンテナンスフリーで長期間の計測を行なうことができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、これまで実現できなかったメタンハイドレートの暴噴予知技術が確立され、メタンハイドレートの暴噴が精度良く予知できるので、メタンハイドレートの探査や採鉱に際して、高い安全性を容易に保つことができる。
【0075】
また、本発明によれば、センシング部から離れたところで遠隔操作によりメタン検出ができるので、この点でも高い安全性が保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による地殻変動モニタリング装置の一実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるセンシング部の詳細を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態による散乱光強度のスペクトル図である。
【図4】本発明による地殻変動モニタリングシステムの一実施形態を示す全体構成図である。
【図5】本発明の一実施形態による検知信号の一例を示す説明図である。
【図6】本発明による地殻変動モニタリングシステムの他の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 監視装置
2 センシング部
3 光ファイバ
3a 励起光伝送用光ファイバ
3b 散乱光伝送用光ファイバ
4 励起光用集光レンズ
5 散乱光用集光レンズ
6 励起光用透過窓
7 散乱光用透過窓
8 支持脚
9 管路
11 レーザ光源
12 分光器
13 光検出器
14 コンピュータ
20 光ファイバ(温度計測システム用と変位・振動計測システム用)
30 メタンハイドレート採鉱用の抗井
31 浮遊式メタンハイドレート生産装置
32 ドリルパイプ
33 ライザーパイプ
35 探査船
36 フィッシュ型センサ
38 ブイ
【発明の属する技術分野】
本発明は、海底の地殻変動を予知するシステムに係り、特にメタンハイドレートの探査と採鉱に伴う地殻変動を監視する装置とシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
将来のエネルギー資源として有望なメタンハイドレートは、日本近海の海底に多くの資源があると言われており、資源小国の日本にとって極めて有効なエネルギー資源と考えられており、このため、現在、このメタンハイドレートの探査と採鉱について種々開発が進められているが、このときの課題の一つに、メタンハイドレートの暴噴予知がある。
【0003】
ここで、この暴噴とは、地殻変動(地層変動ともいう)に伴ってメタンハイドレートが爆発的に噴出することで、下記の参考文献にも説明されているように、この暴噴があると、探査や採鉱に際して安全上に問題があると言われており、従って、従来から、この暴噴を予知する技術が重要視されている。
【0004】
参考文献
エネルギー総合工学研究所 発行
「新エネルギーの展望 非在来型天然ガス(メタンハイドレート編)」
1998年3月、第22頁〜第23頁
【0005】
ここで、一般的な探査や採鉱の際の振動や温度の測定に関しては、既に確立された技術が多くあり、例えば振動に関しては、物理探査ガイドブック(1998年物理探査学会)の第40頁〜第42頁に記載されているように、ハイドロフォンと呼ばれるセンサが利用されている。
【0006】
また、温度計測に関しては、同じく物理探査ガイドブック(1998年物理探査学会発行、1998年)の第588頁〜第589頁に記載があるように、最近では光ファイバ型温度測定システムが用いられている。
【0007】
一方、探査や採鉱の分野ではないが、トンネルやコンクリート構造物の歪み・変位の計測には、光ファイバブラッググレーティング(FBG)を用いた遠隔モニタリング手法が用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、海底でのメタンハイドレートの暴噴を予知する技術は、上記従来技術も含めて、いまだ確立されていない。従って、上記従来技術では、海底でのメタンハイドレートの暴噴予知に問題があった。
【0009】
まず、ハイドロフォンによる従来技術は、メタンハイドレードの探査と採掘に必要な水深約1000mの深海では水圧に耐えられず、使用することができないという問題がある。
【0010】
一方、光ファイバ型温度測定システムによる従来の温度計測や、光ファイバブラッググレーティングによる従来の歪み・変位計測では、メタンハイドレートの暴噴予知に必要な情報量が得られず、充分な予知精度が得られないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、これらの課題を解決し、メタンハイドレートの暴噴予知技術を確立し、精度の良い暴噴予知が容易に得られるようにした地殻変動モニタリング装置及び地殻変動モニタリングシステムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
ここで、まず、本発明は、メタンハイドレートが存在する地層で地殻に変動が生じた場合、その予兆として、メタンハイドレートから高い確度でメタンが海底に漏洩する点に着目してなされたものである。
【0013】
そして、このときのメタンの検出にラマン効果を利用し、海底で直接検出を行い、遠隔モニタリングにより地殻変動を予知し、メタンハイドレートの暴噴予知が高精度で容易に得られるようにしたものである。
【0014】
従って、上記目的は、光ファイバで監視部に接続されたセンシング部を用い、海底近傍の海中に存在するメタンの濃度をラマン散乱光により計測し、海底の地殻変動に伴うメタンハイドレートの暴噴を、前記計測したメタンの濃度に基づいて予知することにより達成される。
【0015】
このとき、前記メタンの計測に使用するラマン散乱光の振動波数が2917cm−1 乃至3019cm−1 になるようにしても良い。
【0016】
同じく、このとき、前記メタンによるラマン散乱光の強度の計測結果を、同時に計測されるレイリー散乱光の強度又は水のラマン散乱光の強度の何れか一方を基準にして補正し、この補正された結果が前記メタンの濃度の計測値として与えられるようにしても良い。
【0017】
また、上記目的は、メタンのラマン散乱光の励起に必要なレーザ光を発生し、励起光伝送用光ファイバに入射するレーザ光源と、前記励起光伝送用光ファイバを介して伝送されたレーザ光を集光して海中に照射する励起光用集光レンズと、レーザ光の照射による散乱光を集光して散乱光伝送用光ファイバに入射させる散乱光用集光レンズと、前記励起光用集光レンズにより集光された励起光を海中に透過させる励起光透過窓と、前記散乱光を海中から前記散乱光用集光レンズに透過させる散乱光透過窓と、前記散乱光伝送用光ファイバを介して伝送された散乱光を分光する分光器と、前記分光器により分光された光を波長毎に検出する光検出器と、前記光検出器による検出検出をスペクトル分析するコンピュータとを備え、前記レーザ光源と前記分光器、前記光検出器、それに前記コンピュータは前記監視部に設けられ、前記励起光用集光レンズと前記散乱光用集光レンズ、前記励起光透過窓、それに前記散乱光透過窓は前記センシング部に設けられ、前記励起光伝送用光ファイバと前記散乱光伝送用光ファイバは、前記監視部と前記センシング部の間に設けられているようにしても達成される。
【0018】
このとき、前記励起光透過窓と前記散乱光透過窓は、前記センシング部の海底面側に設けられているようにしても良い。
【0019】
同じく、このとき、前記センシング部の海底面側と海底面の間に海水が流動する空間部が設けられているようにしても良く、前記空間部が、当該空間部内のガスを逃がす通路を備えているようにしても良い。
【0020】
次に、上記目的は、前記監視部をメタンハイドレート採鉱用の抗井に設置し、前記センシング部を少なくとも2基、前記抗井の周辺に配置することによっても達成され、更には、センサ部材となる光ファイバが前記抗井の周辺に敷設された光ファイバ温度計測システムと光ファイバ型変位・振動計測システムの少なくとも一方の計測システムを用い、該計測システムによる計測結果を前記メタンの濃度の計測結果に複合して地殻変動が判定されるようにしても達成される。
【0021】
このとき、前記センシング部は、メタンハイドレート探査用の船舶によって曳航されるフィッシュ型センサ部に設けられているようにしても良く、前記監視部が、海面に浮遊させたブイに設置されているようにしても良い。
【0022】
更に、このとき、前記ブイが無線伝送装置を備え、測定結果か無線で伝送されるようにしても良く、前記ブイに、当該ブイに内蔵された機器に電力を供給するバッテリと、このバッテリに電力を供給する太陽光発電素子が設けられていても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による地殻変動モニタリング装置と地殻変動モニタリングシステムについて、図示の実施の形態により詳細に説明すると、まず図1は、本発明の一実施形態で、この地殻変動モニタリング装置では、図示のように、監視装置1と、センシング部2に分けて構成してある。
【0024】
そして、監視装置1は、例えば支援用の船舶など、人が常に操作できる環境に設置され、他方、センシング部2は海底に設置され、これらの間は光ファイバ2で接続されている。
【0025】
ここで、監視装置1には、図示のように、レーザ光源11と分光器12、光検出器13、それにコンピュータ14が設けられている。
【0026】
そして、まずレーザ光源11は、ラマン散乱分光のための光源となるもので、このレーザ光源11から放射されたレーザ光が、光ファイバ3aを介してセンシング部1に供給される。
【0027】
このため、レーザ光源11には、波長幅(ライン幅)の狭いレーザが用いられるが、このとき後述するように、更に可視光の中でも長波長側の赤い光を出すレーザが望ましい。
【0028】
勿論、ラマン散乱分光の感度が充分に得られるように、強度が大きい連続発振型のレーザが望ましく、従って高出力が得られるHe−Neレーザや、第2高調波によるYAGレーザ、或いは高出力半導体レーザなどが好適である。
【0029】
次に、分光器12は、センシング部2で検出され、光ファイバ3bを介して取り込まれた光を分光する働きをするものであるが、このときラマン散乱分光が効率良く検出できるように、波長分解能の高いものが望ましい。
【0030】
また、光検出器13は、分光器12で分光された光を波長毎に検出して電気信号に変換するもので、複数個の光電子増倍管を用いてもよいが、測定時間を短縮するためには、ラインセンサなどとしてしられている多チャンネル型の光検出器が適している。
【0031】
そして、光検出器13から検出された信号はコンピュータ14に取り込まれ、ここで各波長毎の強度が分析され、後述するように、分析結果がスペクトル表示され、且つ、記録される。
【0032】
次に、センシング部2について、図3により説明する。ここで、この図3(a)はセンシング部2の側断面図で、同図(b)は底面図であり、これらの図から明らかなように、センシング部2は、全体がほぼ矩形をした容器として作られ、その中に励起光La収束用の集光レンズ4と散乱光Lb収束用の集光レンズ5が設けられている。
【0033】
そして、このセンシング部2の底部には、側面(図の手前にある面)からみた形状が逆V字形になった窪み部2Aが形成してあり、その逆V字形になって向き合っている壁部2B、2Cに透明ガラスなどによる励起光用透過窓6と散乱光用透過窓7が設けてある。
【0034】
これにより、まず、集光レンズ4は、光ファイバ3aを介して供給された励起光Laを収束し、励起光用透過窓6を通過させ、水平に対して約45°の下向きの角度で外部に照射し、励起光Laの焦点を点Xに結ばせる働きをする。
【0035】
一方、集光レンズ5は、その光軸が、集光レンズ4の光軸に対して約90°の角度になるようにして配置され、点Xで散乱された光を収束して効率良く取り込み、光ファイバ3bに散乱光Lbとして送りこむ働きをする。
【0036】
そこで、このセンシング部2では、励起光用透過窓6と散乱光用透過窓7がセンシング部2の下部に斜め下向きに取付けられ、この状態で励起光Laを海中に照射し、海中からの散乱光Lbを観測することになり、従って、海中から海底に沈降してゆく浮遊物の堆積による透過窓6、7の汚れを容易に抑えることができる。
【0037】
また、このセンシング部2は、深さが数100mから数1000mもある海中に沈められるので、数10気圧から数100気圧の高い水圧に耐える強度と、耐水性が要求され、このため、ステンレス鋼やチタンなど、極めて強度の高い金属で作成する必要があり、且つ、励起光用透過窓6と散乱光用透過窓7にも充分な強度の窓材が必要になる。
【0038】
また、センシング部2の底部には、所定の本数、例えば4本の支持脚8が設けてあり、海中に沈められたとき、センシング部2が海底から所定の高さの位置に保持されるようにしてあり、これにより、センシング部2の透過窓6、7と海底面Bの間に海水が流動する空間を形成させ、測定すべき海水が容易に流れ込めるようにしてある。
【0039】
更に、このセンシング部2には、その窪み部2Aの頂点からセンシング部2の上面に通じた管路9が設けてあり、これにより、海底Bから発生した気泡を逃がし、センシング部2の底面に余分な気泡が停留しないようにしている。
【0040】
次に、励起光伝送用光ファイバ3aと散乱光伝送用光ファイバ3bは、伝送損失が少なく、数100mから数1000mの長い距離にわたって光が伝送できるように、ガラス製の光ファイバを用いる。
【0041】
なお、図1と図2では、光ファイバ3だけが記載されているが、上記したように、このセンシング部2は、海中を数100mから数1000mの距離にわたって引き回されるので、強度を持たせるため光ファイバ3に金属製のカバーを被覆したり、強度補強用の金属製ワイヤを添わせたりするのが通例である。
【0042】
次に、この実施形態による地殻変動のモニタリング動作について説明すると、この実施形態の場合、まず、始めに、センシング部2を所定の海域に運び、そこで海中に沈降させ、海底に載置させることになる。
【0043】
そして、この後、監視装置10のレーザ光源11を動作させ、光ファイバ3aを介して励起光Laがセンシング部2に供給されるようにし、これと並行して、コンピュータ14によりの信号の取り込みを開始させるのである。
【0044】
このとき、センシング部2では、図2の点Xに励起光Laが収束される。そして、この結果、点Xでラマン効果による散乱が現われたとすると、集光レンズ5により散乱光Lbが取り込まれ、この散乱光Lbが光ファイバ3bを介して分光器12に入射される。
【0045】
そうすると、この分光器12では、その分解能で定まる波長毎に散乱光Lbが分離され、夫々の波長の光が光検出器13の各チャネルに入射され、この結果、各波長の強度に応じた信号が光検出器13の各チャネルから発生される。
【0046】
そこで、この光検出器13の各チャネルの出力を縦軸に強度をとって横軸に並べることにより、図3に示すスペクトル図が得られ、これが例えばコンピュータ14のモニタに表示される。ここで、この図3の縦軸における(−)は、強度が相対値であることを表わす。
【0047】
そして、この実施形態では、この図3のスペクトルからメタンの存在と、その量をモニタリングし、地殻変動発生の予兆からメタンハイドレートの暴噴を予知するのである。
【0048】
次に、この図3の散乱光強度スペクトルを用いたメタン濃度の算出方法について説明する。始めにメタン(CH4)、水(H2O)、それに石英(SiO2)のラマン振動波数を表1に示す。
【0049】
【表1】
ここで、このラマン振動波数は、分子構造によって決まる既知の値で、実際に観測されるラマン散乱光の波長λR (nm)は、励起波長λi (nm)とラマン振動波数nR (cm−1)により、次の(1)式で求められる。
【0050】
λR =107/{(107/λi)−nR}…………(1)
上記表1には、励起波長を632nmとしたときの夫々のラマン散乱波長が示されており、ここで、夫々のラマン散乱光強度は、各々のラマン振動の強度と、励起光強度、それに、各分子の濃度に比例する。
【0051】
このときのラマン振動の強度は各分子に固有の値で、しかも励起光強度が一定のときのラマン散乱光強度は、当該分子の濃度のみに比例する。従って、ラマン散乱光強度の測定により、その分子の存在だけではなく、その濃度も求めることができる。
【0052】
ここで、メタンを含む海水中で検出されるラマン散乱光には、まず、海水によるレイリー散乱光(励起光の波長と同じ波長の光)と海水によるラマン散乱光が存在し、且つ光ファイバ3による石英(SiO2)のラマン散乱光も存在する。
【0053】
従って、これらの散乱光のピークが、検出対象であるメタンの散乱光のピークと重なると、微弱なメタン濃度は測定できなくなる虞れがあるが、メタンのラマン散乱光のうち、振動波数2917cm−1 と振動波数3019cm−1 によるラマン光波長775nmと781nmは、図3の散乱光強度スペクトルから明らかなように、妨害となる水や石英のラマン光波長のピークから大きく離れているので、微弱な濃度でも容易に精度良く測定することができる。
【0054】
そして、このメタンの測定結果から、例えばメタンの量が急激に変化したり、異常に多くなったとき、地殻変動が予兆され、メタンハイドレートの暴噴が予知されたものとするのである。
【0055】
従って、この実施形態によれば、メタンハイドレートが存在する地層で地殻に変動が生じた場合にメタンが海底に漏洩する確度の高さから、地殻変動の予兆が高精度で確実に得られ、信頼性良くメタンハイドレートの暴噴を予知することができる。
【0056】
そして、この結果、この実施形態によれば、メタンハイドレートの暴噴予知を技術として明確に確立させることができる。
【0057】
このとき、この実施形態によるセンシング部2は、海中にあるため、長期間メンテナンスできない場合が多く、どうしても透過窓6、7に汚れや曇りが生じるのが避けられない。
【0058】
この場合、観測される散乱光強度に減衰が現われてしまうが、この場合でも、本来のには変化がない筈であり、従って、これらレイリー散乱光強度や水のラマン散乱光強度を基準にして、検出されたタンのラマン散乱光の強度を補正することにより、常に正確にメタン濃度を測定することができる。
【0059】
次に、本発明による地殻変動モニタリングシステムについて、図示の実施の形態により詳細に説明する。ここで、以下に説明する実施形態は、図4に示すように、メタンハイドレート採鉱用の抗井30に本発明を適用した場合の一実施形態で、このとき、図1〜図3で説明した地殻変動モニタリング装置の一実施形態が用いられている。
【0060】
このメタンハイドレートを採鉱する抗井30は、通常、この図4に示されているように、浮遊式のプラットフォームに櫓を備えたメタンハイドレート生産装置31が用いられ、ドリルパイプ32とライザーパイプ33を用いて、数100mから、ときには数kmにも及ぶ海底からメタンハイドレートを汲み上げるようになっている。
【0061】
ここで、地殻変動モニタリング装置の制御装置1(図示してない)は、抗井30のプラットフォームの制御室(図示してない)に設け、センシング部2は、抗井30の周辺の海底に複数台、例えば図示のように、3台配置する。そして、制御装置1と各センシング部2は光ファイバ3で接続されている。
【0062】
従って、この実施形態によれば、抗井30の周辺に数kmの広域に渡る地殻変動が観測できるモニタリングシステムを構築することができる。
【0063】
更に、この図4の実施形態では、光ファイバ20を海底面の抗井30の周辺に配置し、これにより、地殻変動モニタリング装置による計測と並行して、光ファイバ温度計測システムによる温度分布の計測と、光ファイバ型変位・振動計測システムによる振動分布計測を行なうようになっている。
【0064】
このとき、これらの計測では、光ファイバ自体がセンサになるので、光ファイバ20を配置しただけで温度分布と振動分布の双方が計測できる。
【0065】
そして、いま、ある時点で海底面に地殻変動が現われ、それにより亀裂Cが生じてメタンガスを含む気泡Bが発生したとすると、図5に示すように、地殻変動モニタリング装置によるメタン濃度の変化と共に、振動と温度の変化が時系列的に観測される。
【0066】
従って、この図4の実施形態によれば、メタン濃度の変化に加えて、このとき海底面に、ほぼ同時に現われる振動と温度の変化からも地殻変動が予兆されることになり、より高精度に地殻変動が判定でき、更に信頼性良くメタンハイドレートの暴噴が予知できる。
【0067】
次に、本発明による地殻変動予知システムを、メタンハイドレート探査に適用した場合の実施形態について、図6により説明する。
【0068】
この図6には、まず、探査船35からロープ36で曳航されるフィッシュ型センサ37を用い、その中に地殻変動モニタリング装置のセンシング部2を設けることにより、探査が必要な海域のメタン濃度を測定し、地殻変動が観測できるようにしたモニタリングシステムの一実施形態が示されている。このとき、図示されていないが、監視装置1は探査船35に積込まれている。
【0069】
そして、このフィッシュ型センサ37で測定した結果をGPSなどから得た位置情報と共に記録し、以前の結果と比較することにより、メタンの存在の有無を把握し、地殻変動を予知することができる。
【0070】
また、この図6では、海面に浮遊させたブイ38を用い、その中に地殻変動モニタリング装置の監視装置1を格納し、光ファイバ3で海底の近傍に設置したセンシング部2に接続させることにより、観測したい海底の地殻変動が定点観測できるようにしたモニタリングシステムの一実施形態も示されている。
【0071】
この実施形態の場合、ブイ38で測定した信号は無線で送信され、例えば探査船35や浮遊式メタンハイドレート生産装置30(図4)において集中監視できるようにする。
【0072】
このとき、レーザ光源11に省電力形の半導体レーザを用いることにより、ブイ38に搭載されているセンサ類の駆動に必要な電力を内蔵したバッテリだけでまかなえるようにすることができる。
【0073】
また、この場合、太陽光発電素子をブイ38の表面に設け、内蔵バッテリを充電してやれば、バッテリを交換することなく、メンテナンスフリーで長期間の計測を行なうことができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、これまで実現できなかったメタンハイドレートの暴噴予知技術が確立され、メタンハイドレートの暴噴が精度良く予知できるので、メタンハイドレートの探査や採鉱に際して、高い安全性を容易に保つことができる。
【0075】
また、本発明によれば、センシング部から離れたところで遠隔操作によりメタン検出ができるので、この点でも高い安全性が保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による地殻変動モニタリング装置の一実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるセンシング部の詳細を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態による散乱光強度のスペクトル図である。
【図4】本発明による地殻変動モニタリングシステムの一実施形態を示す全体構成図である。
【図5】本発明の一実施形態による検知信号の一例を示す説明図である。
【図6】本発明による地殻変動モニタリングシステムの他の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 監視装置
2 センシング部
3 光ファイバ
3a 励起光伝送用光ファイバ
3b 散乱光伝送用光ファイバ
4 励起光用集光レンズ
5 散乱光用集光レンズ
6 励起光用透過窓
7 散乱光用透過窓
8 支持脚
9 管路
11 レーザ光源
12 分光器
13 光検出器
14 コンピュータ
20 光ファイバ(温度計測システム用と変位・振動計測システム用)
30 メタンハイドレート採鉱用の抗井
31 浮遊式メタンハイドレート生産装置
32 ドリルパイプ
33 ライザーパイプ
35 探査船
36 フィッシュ型センサ
38 ブイ
Claims (13)
- 光ファイバで監視部に接続されたセンシング部を用い、
海底近傍の海中に存在するメタンの濃度をラマン散乱光により計測し、
海底の地殻変動に伴うメタンハイドレートの暴噴を、前記計測したメタンの濃度に基づいて予知することを特徴とする地殻変動モニタリング装置。 - 請求項1に記載の地殻変動モニタリング装置において、
前記メタンの計測に使用するラマン散乱光の振動波数が2917cm−1 乃至3019cm−1 であることを特徴とする地殻変動モニタリング装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の地殻変動モニタリング装置において、
前記メタンによるラマン散乱光の強度の計測結果を、同時に計測されるレイリー散乱光の強度又は水のラマン散乱光の強度の何れか一方を基準にして補正し、
この補正された結果が前記メタンの濃度の計測値として与えられるようにしたことを特徴とする地殻変動モニタリング装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の地殻変動モニタリング装置において、
メタンのラマン散乱光の励起に必要なレーザ光を発生し、励起光伝送用光ファイバに入射するレーザ光源と、
前記励起光伝送用光ファイバを介して伝送されたレーザ光を集光して海中に照射する励起光用集光レンズと、
レーザ光の照射による散乱光を集光して散乱光伝送用光ファイバに入射させる散乱光用集光レンズと、
前記励起光用集光レンズにより集光された励起光を海中に透過させる励起光透過窓と、
前記散乱光を海中から前記散乱光用集光レンズに透過させる散乱光透過窓と、
前記散乱光伝送用光ファイバを介して伝送された散乱光を分光する分光器と、
前記分光器により分光された光を波長毎に検出する光検出器と、
前記光検出器による検出検出をスペクトル分析するコンピュータとを備え、
前記レーザ光源と前記分光器、前記光検出器、それに前記コンピュータは前記監視部に設けられ、
前記励起光用集光レンズと前記散乱光用集光レンズ、前記励起光透過窓、それに前記散乱光透過窓は前記センシング部に設けられ、
前記励起光伝送用光ファイバと前記散乱光伝送用光ファイバは、前記監視部と前記センシング部の間に設けられていることを特徴とする地殻変動モニタリング装置。 - 請求項4に記載の地殻変動モニタリング装置において、
前記励起光透過窓と前記散乱光透過窓は、前記センシング部の海底面側に設けられていることを特徴とする地殻変動モニタリング装置。 - 請求項5に記載の地殻変動モニタリング装置において、
前記センシング部の海底面側と海底面の間に海水が流動する空間部が設けられていることを特徴とする地殻変動モニタリング装置。 - 請求項6に記載の地殻変動モニタリング装置において、
前記空間部は、当該空間部内のガスを逃がす通路を備えていることを特徴とする地殻変動モニタリング装置。 - 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の地殻変動モニタリング装置を用い、
前記監視部をメタンハイドレート採鉱用の抗井に設置し、
前記センシング部を少なくとも2基、前記抗井の周辺に配置したことを特徴とする地殻変動モニタリングシステム。 - 請求項8に記載の地殻変動モニタリングシステムにおいて、
センサ部材となる光ファイバが前記抗井の周辺に敷設された光ファイバ温度計測システムと光ファイバ型変位・振動計測システムの少なくとも一方の計測システムを用い、
該計測システムによる計測結果を前記メタンの濃度の計測結果に複合して地殻変動が判定されるようにしたこと特徴とする地殻変動モニタリングシステム。 - 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の地殻変動モニタリング装置を用い、
前記センシング部が、メタンハイドレート探査用の船舶によって曳航されるフィッシュ型センサ部に設けられていることを特徴とする地殻変動モニタリングシステム。 - 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の地殻変動モニタリング装置を用い、
前記監視部が、海面に浮遊させたブイに設置されていることを特徴とする地殻変動モニタリングシステム。 - 請求項11に記載の地殻変動モニタリングシステムにおいて、
前記ブイが無線伝送装置を備え、測定結果か無線で伝送されることを特徴とする地殻変動モニタリングシステム。 - 請求項11又は請求項12に記載の地殻変動モニタリングシステムにおいて、
前記ブイに、当該ブイに内蔵された機器に電力を供給するバッテリと、このバッテリに電力を供給する太陽光発電素子が設けられていることを特徴とする地殻変動モニタリングシステム。
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