JP2006214899A - 顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法 - Google Patents

顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006214899A
JP2006214899A JP2005028689A JP2005028689A JP2006214899A JP 2006214899 A JP2006214899 A JP 2006214899A JP 2005028689 A JP2005028689 A JP 2005028689A JP 2005028689 A JP2005028689 A JP 2005028689A JP 2006214899 A JP2006214899 A JP 2006214899A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
optical axis
objective lens
stage
raman
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005028689A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4595571B2 (ja
Inventor
Jiro Kato
治郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2005028689A priority Critical patent/JP4595571B2/ja
Publication of JP2006214899A publication Critical patent/JP2006214899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4595571B2 publication Critical patent/JP4595571B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 例えば直角散乱光の測定を可能にした顕微ラマン分光装置、及び顕微ラマン分光測定方法を提供する。
【解決手段】 ラマン散乱光を励起する励起用レーザー光を、第1の光学系3を介して試料に照射し、この試料からのラマン散乱光を、第2の光学系5を介して分光器4で分光する顕微ラマン分光装置1である。第1の光学系3に励起用レーザー光を集光する入射側対物レンズ11が設けられ、第2の光学系5にラマン散乱光を集光する出射側対物レンズ12が設けられ、入射側対物レンズ11と試料との間を通る励起用レーザー光の第1の光軸と、試料と出射側対物レンズ12との間を通る前記ラマン散乱光の第2の光軸とがなす角度が、所定の角度、例えば略直角に調整されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば直角散乱光の測定を可能にした顕微ラマン分光装置、及び顕微ラマン分光測定方法に関する。
ラマン分光測定(ラマン散乱測定)は、レーザー光源からの光束を試料に照射し、光束が照射された箇所から発生するラマン散乱光のスペクトルが、試料中に存在する化学種や分子によって異なるのを利用して、試料表面の二次元的な物性の分布解析を行う方法である。このようなラマン分光測定法によれば、分子・結晶構造の精密解析が可能であることが、現在、広く一般に知られている。例えば工業的には、ポリシリコンの結晶性の議論や、高移動度を有する歪みSiの品質管理、デバイスの作り込みで生じる応力の解析などに、非常に有効な手段であることが知られている。
また、近年では、有機物分子の構造解析手段の主要な測定装置として、ラマン散乱を利用する試みが一次の停滞期を終えて活発になってきている。このようにラマン散乱測定に対する期待が大きくなってきている背景には、ラマン散乱が持つ有用性を大幅に引き出す新たな測定方法として、顕微鏡とラマン分光器とを組み合わせた顕微ラマン分光器の普及が進んでいることにある。
顕微ラマン分光器を利用すると、ラマンシグナルの検出感度が飛躍的に増加するのみでなく、測定領域を水平方向で直径約1μm弱まで絞り込むことが可能になり、さらに、共焦点顕微鏡の機構を利用することで、深さ分解能を2μm程度にまで高めることができる。したがって、微小空間の測定を可能にすることができる。
そして、近年におけるレーザーやCCD検出器の作製技術の発展により、ラマン分光装置は、赤外分光器と同様に汎用分析装置としての汎用性を有し、かつ価格も安価になってきている。これにより、研究開発の分野のみでなく、製造現場でのインライン装置としての利用の検討が行われるなど、その利用範囲が拡がろうとしている。
このような背景のもとで、近年のデバイス微小化により、測定が顕微ラマン分光装置でないと困難である場合が増加してきており、顕微ラマン分光器の設計に関する技術も多く提案されている(例えば、特許文献1〜4参照、)。
特開2000−55809号公報 特開平11−190695号公報 特開平9−119865号公報 特開平5−223637号公報
しかしながら、これらの技術では、いずれのものも、単に汎用の顕微鏡に分光器とレーザーとを組み合わせただけのものであり、レーザー光を測定サンプル(試料)に照射し、この入射方向と180°異なる方向に散乱した散乱光を検出するという、一般に「バックスキャッタリング」と呼ばれる光学配置で測定(観測)するだけの構成になっている。
一般に、光の散乱強度Iを、入射光の偏光E、散乱光の偏光成分Es、分極テンソルに比例するテンソル成分を有するラマンテンソルRを用いて表すと、
I∝|E・R・Es|
となる。ここで、ラマンテンソルRは、各結晶系、活性振動により既に求められている。
測定する結晶系において所望の活性振動を観測(測定)するためには、入射光と散乱光の偏光成分を選択し、散乱光強度が生じる光学系によって測定を行う必要がある。そのため、カメラレンズを用いる一般のラマン散乱測定装置(ラマン分光装置)では、バックスキャッタリングのみでなく、入射光と散乱光とが直角となる直角散乱配置も併用し、これによって固有の構造により生じる固有原子・分子振動を観測するようにしている。
また、特異な測定物(試料)に対しては、入射光と散乱光とが同一方向となる前方散乱配置などを併用する必要になることもある。
ところが、従来の顕微ラマン分光装置(顕微ラマン散乱装置)は、前述したように単に光学顕微鏡と分光器・レーザーを有するラマン検出システムとを単純に組み合わせただけのものであるため、光軸が1次元でのみ調整可能な構成となっている。したがって、入射光とラマン散乱光とを顕微鏡分離した場合に生じる光学距離の直角散乱配置での測定を行うことができず、直角反射測定を行うことが原理的に不可能となっている。
このように、従来の顕微ラマン分光装置において直角散乱配置での測定を行うことができない原因としては、機械的構成が複雑になり、また、その光軸合わせが非常に困難になってしまうことなどが挙げられる。
すなわち、一般のラマン分光装置では、直角散乱配置で測定を行おうとした場合、そのカメラレンズ(集光レンズ)と試料との間の距離を10〜20cm程度とするため、カメラレンズが複数あってもこれらが物理的に干渉しあうといったことがないが、顕微ラマン分光装置では、対物レンズと試料との間の距離を1mm程度とするため、対物レンズを複数(二個)配置しようとすると、これらが物理的に干渉してしまい、試料に対しての前記距離での配置が困難であった。
また、顕微ラマン分光装置で直角散乱配置による測定を行おうとした場合、試料に対する焦点調整をナノメートルレベルで3次元的に行うことが必要であり、従来のラマン装置での直角散乱測定における焦点調整がmmレベルであるのに比較し、焦点調整能力が大幅に向上したシステムが必要となる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、例えば直角散乱光の測定を可能にした顕微ラマン分光装置、及び顕微ラマン分光測定方法を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の顕微ラマン分光装置は、ラマン散乱光を励起する励起用レーザー光を、第1の光学系を介して試料に照射し、該試料からのラマン散乱光を、第2の光学系を介して分光器で分光する顕微ラマン分光装置であって、
前記第1の光学系に前記励起用レーザー光を集光する入射側対物レンズが設けられ、
前記第2の光学系に前記ラマン散乱光を集光する出射側対物レンズが設けられ、
前記入射側対物レンズと前記試料との間を通る前記励起用レーザー光の第1の光軸と、前記試料と前記出射側対物レンズとの間を通る前記ラマン散乱光の第2の光軸とがなす角度が、所定の角度に調整されてなることを特徴としている。
なお、前記所定の角度が、略直角であってもよい。
この顕微ラマン分光装置によれば、励起用レーザー光を集光する入射側対物レンズとは別に、ラマン散乱光を集光する出射側対物レンズを設けたので、従来のようにバックスキャッタリングでなく、例えば前記所定の角度を略直角とすることで、入射光と散乱光とが直角となる直角散乱配置での測定、すなわち直角散乱光の測定が可能になる。
また、前記顕微ラマン分光装置においては、前記試料を配置するサンプルステージが備えられ、該サンプルステージは、前記試料を配置するための面として、前記第1の光軸及び第2の光軸に対してそれぞれに略45°の角度をなすステージ面を有し、該ステージ面を、前記第1の光軸に沿って移動させる機構と第2の光軸に沿って移動させる機構とを備えているのが好ましい。
このようにすれば、サンプルステージを第1の光軸に沿って移動させることで、試料に対しての励起用レーザー光の焦点合わせが可能になり、さらにサンプルステージを第1の光軸、第2の光軸のそれぞれに沿って移動させることで、試料に対しての第2の光軸についての焦点合わせも可能になる。
また、前記顕微ラマン分光装置においては、前記試料を配置するサンプルステージが備えられ、該サンプルステージは、前記第1の光軸及び第2の光軸に対してそれぞれに略45°の角度をなす第1ステージ面を有し、該第1ステージ面の前記角度を維持した状態で前記第1の光軸に沿って移動するZステージと、該Zステージの前記第1ステージ面上にてその縦方向及び横方向に移動可能に設けられ、前記第1ステージ面と平行な第2ステージ面を有して該第2ステージ面上に前記試料を配置するXYステージと、を備えてなるのが好ましい。
このようにすれば、Zステージを移動させることで励起用レーザー光に対する焦点合わせを行うことができ、さらにこのZステージの移動とXYステージの移動とを組み合わせることで、試料に対しての第2の光軸についての焦点合わせも可能になる。
また、前記顕微ラマン分光装置においては、前記入射側対物レンズには、その前記試料側の端部の側面に、試料側に行くに連れて漸次径が小さくなるように前記第1の光軸に対して45°未満の角度をなす斜面が形成されており、前記出射側対物レンズには、その前記試料側の端部の側面に、試料側に行くに連れて漸次径が小さくなるように前記第2の光軸に対して45°未満の角度をなす斜面が形成されており、前記入射側対物レンズと前記出射側対物レンズとは、それぞれの斜面が対向させられて配置されているのが好ましい。
このようにすれば、入射側対物レンズと出射側対物レンズとが、その第1の光軸と第2の光軸とが略直角となるように配置されても、それぞれの斜面が対向させられているので、これら入射側対物レンズと出射側対物レンズとが互いに物理的に干渉してしまうことが回避される。
また、前記顕微ラマン分光装置においては、前記出射側対物レンズを介して前記第2の光軸を通り、前記試料の配置場所に光軸合わせ用のレーザー光を照射する光軸合わせ用レーザー光源を備えているのが好ましい。
このようにすれば、励起用レーザー光を試料の配置場所に照射するとともに、光軸合わせ用のレーザー光を試料の配置場所に照射することで、励起用レーザー光の光軸である第1の光軸と、光軸合わせ用のレーザー光の光軸となる前記ラマン散乱光の第2の光軸とを軸合わせすることができる。
なお、この顕微ラマン分光装置においては、前記の光軸合わせ用のレーザー光の波長が、前記のラマン散乱光を励起する励起用レーザー光の波長と異なっているのが好ましい。
このようにすれば、励起用レーザー光と光軸合わせ用のレーザー光とを試料の配置場所に同時に照射した際、これらレーザー光が波長が異なることで例えば色が異なることにより、これらレーザー光の焦点位置やその重なり具合などを目視によって確認することが可能になる。
また、前記顕微ラマン分光装置においては、前記第1の光軸上の、前記試料の配置場所と反対の側に、該試料の配置場所での前記励起用レーザー光の照射位置と前記光軸合わせ用のレーザー光の照射位置とを観察するための観察部が、備えられているのが好ましい。
このようにすれば、観察部より試料の配置場所を目視あるいはCCDカメラ等で観察することで、例えば励起用レーザー光の光軸である第1の光軸と、光軸合わせ用のレーザー光の光軸となる前記ラマン散乱光の第2の光軸とを容易に軸合わせすることが可能になる。
また、前記顕微ラマン分光装置においては、前記第2の光軸上の、前記試料の配置場所と反対の側に、該試料の配置場所での前記励起用レーザー光の照射位置と前記光軸合わせ用のレーザー光の照射位置とを観察するための観察部が、備えられていてもよい。
このようにしても、観察部より試料の配置場所を目視あるいはCCDカメラ等で観察することで、励起用レーザー光の光軸である第1の光軸と、光軸合わせ用のレーザー光の光軸となる前記ラマン散乱光の第2の光軸とを容易に軸合わせすることが可能になる。
また、前記顕微ラマン分光装置においては、前記第1の光軸上の、前記入射側対物レンズに対して前記試料と反対の側に、該第1の光軸を通って前記入射側対物レンズで集光された前記試料からのラマン散乱光を、前記分光器に導入する第3の光学系が接続されているのが好ましい。
このようにすれば、励起用レーザー光を入射側対物レンズを介して試料に照射し、この入射方向と180°異なる方向に散乱した散乱光を再度入射側対物レンズを通して第3の光学系に導くことにより、バックスキャッタリングでの測定(観測)も可能になる。
本発明の顕微ラマン分光測定方法は、ラマン散乱光を励起する励起用レーザー光を、第1の光学系を介して試料に照射し、該試料からのラマン散乱光を、第2の光学系を介して分光器で分光する顕微ラマン分光測定方法であって、
前記励起用レーザー光を、前記第1の光学系に設けた入射側対物レンズで集光して前記試料に照射する工程と、
前記試料で励起したラマン散乱光を、前記第2の光学系に設けた出射側対物レンズで集光して前記分光器に導入する工程と、を有してなり、
前記入射側対物レンズと前記試料との間を通る前記励起用レーザー光の第1の光軸と、前記試料と前記出射側対物レンズとの間を通る前記ラマン散乱光の第2の光軸とがなす角度を、所定の角度に調整しておくことを特徴としている。
なお、前記所定の角度を、略直角としてもよい。
この顕微ラマン分光測定方法によれば、励起用レーザー光を、第1の光学系に設けた入射側対物レンズで集光して試料に照射し、該試料で励起したラマン散乱光を、第2の光学系に設けた出射側対物レンズで集光して分光器に導入するので、従来のようにバックスキャッタリングでなく、例えば前記所定の角度を略直角とすることで、入射光と散乱光とが直角となる直角散乱配置での測定、すなわち直角散乱光の測定を行うことが可能になる。
また、前記顕微ラマン分光測定方法においては、前記試料の配置場所となるサンプルステージ上の所定位置に対し、前記第1の光軸と前記第2の光軸とを合わせる光軸合わせ工程を備え、前記光軸合わせ工程は、前記励起用レーザー光を、前記入射側対物レンズを介して前記サンプルステージ上の所定位置に集光させてその焦点位置を合わせる工程と、光軸合わせ用のレーザー光を、前記出射側対物レンズを介して前記サンプルステージ上の所定位置に集光させ、その焦点位置を、前記励起用レーザー光の焦点位置に合わせる工程と、を備えているので好ましい。
励起用レーザー光の焦点位置に光軸合わせ用のレーザー光の焦点位置が合うのを、例えば目視やCCDカメラ等で確認することにより、励起用レーザー光の光軸である第1の光軸と、光軸合わせ用のレーザー光の光軸となる前記ラマン散乱光の第2の光軸とを容易に軸合わせすることができる。
以下、本発明の顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法を詳しく説明する。
図1は、本発明の顕微ラマン分光装置の一実施形態を示す図であって、図1中符号1は顕微ラマン分光装置である。この顕微ラマン分光装置1は、励起用レーザー光を出射する励起用レーザー光源2と、この励起用レーザー光源2から出射された励起用レーザー光を試料に導入するための第1の光学系3と、前記試料からのラマン散乱光を分光器4に導入するための第2の光学系5を備えて構成されたものである。なお、前記試料は、サンプルステージ6上に配置されるようになっている。
励起用レーザー光源2に光学的に接続される第1の光学系3は、減光フィルター7と、三つの半透過鏡8、9、10と、入射側対物レンズ11とを備えてなるもので、前述したように励起用レーザー光源2から出射した励起用レーザー光をサンプルステージ6上の試料に導入するための光路を構成するものである。そして、このような構成のもとに第1の光学系3は、特に入射側対物レンズ11と試料との間を通る励起用レーザー光の光路、すなわち第1の光軸を形成するものとなっている。
試料に光学的に接続される第2の光学系5は、出射側対物レンズ12と、三つの半透過鏡13、14、15と、フィルター16と、集光レンズ17とを備えてなるもので、前述したように試料からのラマン散乱光を分光器4に導入する光路を構成するものである。そして、このような構成のもとに第2の光学系5は、特に試料と出射側対物レンズ12との間を通るラマン散乱光の光路、すなわち第2の光軸を形成するものとなっている。
前記第1の光学系3における減光フィルター7は、特に励起用レーザー光源2から出射される励起用レーザー光の強度が強い場合に設けられるもので、励起用レーザー光の強度を弱めることにより、試料に対し適正な強度のレーザー光が照射されるよう、調整するものである。
この減光フィルター7に続く半透過鏡8は、減光フィルター7を通ってきた励起用レーザー光の光路、すなわち第1の光軸を直角に曲げるように配置されたもので、その反射面と反対の側には、観察口18が接続されている。なお、この半透過鏡8については、後述するように試料に対しての実際の測定(観測)を行う場合には、この半透過鏡8に代えて反射鏡を用い、減光フィルター7を通ってきた励起用レーザー光を全反射させるようにしてもよい。
観察口(観察部)18は、観察者が目視により、あるいはCCDカメラ等の機器によって観察するための窓である。この観察口18の光路は、前記半透過鏡8を通って前記第1の光軸に一致したものとなっており、したがって観察口18は、第1の光軸上に配置されたものとなっている。このような構成のもとに観察口18は、サンプルステージ6上に配置される試料、あるいはこれの配置場所での、前記励起用レーザー光の照射位置や、後述する光軸合わせ用のレーザー光の照射位置を観察することができるようになっている。
前記半透過鏡8に続く半透過鏡9は、半透過鏡8を通ってきた励起用レーザーをそのまま通過させ、第1の光軸中を伝搬させるものである。また、この半透過鏡9は、後述するように本実施形態の顕微ラマン分光装置1でバックスキャッタリングによる測定(観測)を行うようにした場合に、試料から第1の光軸を戻ってきたラマン散乱光を、前記分光器4に導入するべく、これを反射して第3の光学系19に導入するものである。したがって、バックスキャッタリングによる測定(観測)を行うことなく、ラマン散乱光のうちの直角散乱光成分(以下、直角散乱光と記す)のみを測定する場合には、この半透過鏡9の配置を省略してもよい。
第3の光学系19は、前記半透過鏡9と、反射鏡20と、前記第2の光学系5における半透過鏡14とを備えてなるもので、試料から第1の光軸を戻ってきたラマン散乱光を、前記半透過鏡9と反射鏡19と半透過鏡14とをこの順に反射させることで前記第2の光学系5に導入し、分光器4に導入させるものである。
前記半透過鏡9に続く半透過鏡10は、半透過鏡9を通ってきた励起用レーザーをそのまま通過させ、第1の光軸中を伝搬させるものである。また、この半透過鏡10は、第1の光軸と直交する方向に設けられた、ハロゲンランプ等からなる白色光源21に光学的に接続されたもので、この白色光源21から出射した白色光を反射し、第1の光軸中に導入してこれを伝搬することにより、サンプルステージ6上の試料に白色光を照射するようになっている。
入射側対物レンズ11は、第1の光軸を通ってきた励起用レーザー光、さらには前記白色光を集光し、サンプルステージ6上の試料、あるいはこれの配置場所に照射させるものである。この入射側対物レンズ11は、前記試料あるいはこれの配置場所に対し、その先端側が1mm程度の間隔となるように配置されたもので、図2に示すように微小な凸レンズからなるレンズ本体11aと、これを保持する略円筒状の保持部材11bとを有して形成されたものである。
レンズ本体11aは、保持部材11bの先端部に保持固定されたもので、その光軸が前記第1の光軸に一致するようにして第1の光学系3内に配置されたものである。保持部材11bは、ステンレス等の、剛性が強く安定した金属によって形成されたもので、その先端部が、先端側、すなわち試料側に行くに連れて漸次径が小さくなるよう、斜面11cを形成したものである。斜面11cは、前記第1の光軸、すなわちこれに一致するレンズ本体11aの光軸に対して、45°未満の角度、例えば35〜40°程度の角度をなすように形成されたものである。ここで、斜面11cの形成方法としては、先端部全体が先端に行くに連れて窄まるように絞って加工しておくともに、保持部材11bの肉厚についても、先端に行くに連れて薄くなるようにするなどの手法を用いるのが好ましい。なお、図2に示した例では、略円筒状に形成された保持部材11bの先端部において、その全周に亘って斜面11cを形成したが、例えば保持部材を角筒状に形成した場合など、その一つの面のみを斜面とするようにしてもよい。
また、前記第2の光学系5における出射側対物レンズ12も、図2に示した入射側対物レンズ11と同じ構成に形成されたもので、レンズ本体12aと保持部材12bとからなり、保持部材12bの先端部に斜面11cを形成したものである。
これら入射側対物レンズ11と出射側対物レンズ12とは、図3に示すようにそれぞれの先端側(レンズ本体11a、12a側)が、試料を配置するサンプルステージ6に向くようにして配設されたものである。
すなわち、これら入射側対物レンズ11と出射側対物レンズ12とは、入射側対物レンズ11と試料との間を通る励起用レーザー光の光路となる第1の光軸と、試料と出射側対物レンズ12との間を通るラマン散乱光の光路となる第2の光軸とが、所定の角度、本実施形態では略直角となるように調整されている。ここで、略直角とは、例えば80〜100°程度の比較的広い範囲を許容するものである。すなわち、試料から励起された直角散乱光は、比較的広い範囲に亘って放射状に出射することから、前記した80〜100°程度の範囲であれば、この直角散乱光が第2の光軸を通って出射側対物レンズ12に良好に入射するようになるからである。
出射側対物レンズ12に続く半透過鏡13は、図1に示すように、出射側対物レンズ12で集光された直角散乱光をそのまま通過させ、第2の光軸中を伝搬させるものである。また、この半透過鏡13は、第2の光軸と直交する方向に設けられた、ハロゲンランプ等からなる白色光源22に光学的に接続されたもので、この白色光源22から出射した白色光を反射し、第2の光軸中に導入してこれを伝搬することにより、サンプルステージ6上の試料に白色光を照射するようになっている。
前記半透過鏡13に続く半透過鏡14は、半透過鏡13を通ってきた直角散乱光をそのまま通過させ、第2の光軸中を伝搬させるものである。また、この半透過鏡14は、後述するように本実施形態の顕微ラマン分光装置1でバックスキャッタリングによる測定(観測)を行うようにした場合に、試料から第1の光軸を戻り、さらに前記第3の光学系19を通ってきたラマン散乱光を、前記分光器4に導入するべく、これを反射して第2の光学系5(第2の光軸)に導入するものである。したがって、このバックスキャッタリングによる測定(観測)を行う場合には、この半透過鏡14に代えて反射鏡を用いるようにしてもよい。また、バックスキャッタリングによる測定(観測)を行うことなく、ラマン散乱光のうちの直角散乱光成分(以下、直角散乱光と記す)のみを測定する場合には、この半透過鏡14の配置を省略してもよい。
前記半透過鏡14に続く半透過鏡15は、半透過鏡14を通ってきた直角散乱光をそのまま透過させ、第2の光軸中を伝搬させるものである。また、この半透過鏡15には、その直角散乱光を透過させる側の面、すなわち分光器4側の面と反対側の面に、試料に対して第2の光軸を合わせるための光軸合わせ用の光路、すなわち第4の光学系23が光学的に接続されている。この第4の光学系23は、第2の光軸と光学的に接続する光軸を有することにより、第2の光学系5の一部を構成するもので、半透過鏡24を備えたものである。この半透過鏡24には、光軸合わせ用のレーザー光を出射する光軸合わせ用レーザー光源25と、観察口26とがそれぞれ光学的に接続されている。
光軸合わせ用レーザー光源25は、半透過鏡24の反射面側に光学的に接続されたもので、後述するように試料あるいはその配置場所に対する第2の光軸を合わせるために、光軸合わせ用レーザー光を出射(照射)するためのものである。この光軸合わせ用のレーザー光については、その波長が、前記励起用レーザー光の波長と異なっているのが好ましい。このように波長を変え、特にこれらレーザー光が互いに異なる色を呈するようにしておくことにより、後述するように光軸合わせの際、これらレーザー光の焦点位置(スポット)の重なり具合などを目視によって確認することが容易になる。
観察口(観察部)26は、半透過鏡24の前記反射面と反対の側に光学的に接続されたもので、前記の観察口(観察部)18と同様に、観察者が目視により、あるいはCCDカメラ等の機器によって観察するための窓である。この観察口26の光路は、前記半透過鏡24を通って前記半透過鏡15に至り、ここで直角方向に反射することにより、前記第2の光軸に一致したものとなっており、したがって観察口26は、第2の光軸上に配置されたものとなっている。このような構成のもとに観察口26は、前記観察口18と同様に、サンプルステージ6上に配置される試料、あるいはこれの配置場所での、前記光軸合わせ用のレーザー光の照射位置や、前記励起用レーザー光の照射位置を観察することができるようになっている。
前記半透過鏡15に続くフィルター16は、励起用レーザー光と同一の波長であるレイリー光を除去するもので、これによってレイリー光より強度が4〜5桁小さいラマン光を選択的に透過させるものである。なお、このようにレイリー光を除去してラマン光を選択的に透過させるものであれば、フィルター16に代えて公知の除去装置を用いてもよい。
集光レンズ17は、前記フィルター16を透過してきたラマン光を集光して分光器4に導入するものであり、分光器4は、導入したラマン光を波長成分に分解し、ラマンスペクトルを得るものである。
試料を配置するための前記サンプルステージ6は、図3に示したように、Zステージ27とXYステージ28とを有して構成されたもので、XYステージ28上に、例えば結晶薄膜などの試料Sを配置するものである。Zステージ27は、前記の第1の光軸及び第2の光軸に対してそれぞれに略45°の角度(例えば40〜50°の範囲)をなす第1ステージ面27aを有し、この第1ステージ面27a上に前記XYステージ28を設けたものである。また、このZステージ27には、該Zステージ27をその第1ステージ面27aの前記角度を維持した状態で、前記第1の光軸に沿って、すなわち前記入射側対物レンズ11の光軸に沿って図3中矢印Z方向に移動(昇降)させる公知の移動機構(図示せず)が設けられており、これによって第1の光軸を通って導入される励起用レーザー光の、焦点調整が行えるようになっている。
XYステージ28は、前記Zステージ27の第1ステージ面27a上において、その縦方向及び横方向、すなわち図3中に示す矢印X方向及びY方向に移動可能に設けられたもので、前記第1ステージ面27aと平行な第2ステージ面28aを有してなるものであり、この第2ステージ面28a上に試料Sを配置するものである。ここで、前記X方向とは、前記Zステージ27の第1ステージ面27aにおいて、該Zステージ27の移動方向(第1の光軸方向)に沿う(向かう)方向であり、Y方向とは、第1ステージ面27aにおいて、X方向と直交する方向、すなわち、Zステージ27の移動方向と直交する方向である。このような構成のもとにサンプルステージ6は、Zステージ27の移動とXYステージ28のX方向の移動とを組み合わせることで、第2ステージ面28a上の試料Sの配置場所を、第2の光軸に沿って移動させることができるようになっている。
なお、XYステージ28には、前記Zステージ27を移動させる移動機構とは別の移動機構が設けられており、これによってZステージ27の移動とは別に、独立した状態で第1ステージ面27a上においてX方向及びY方向に移動可能となっている。
次に、このような構成からなる顕微ラマン分光装置1の使用方法に基づき、本発明の顕微ラマン分光測定方法の一実施形態を説明する。
まず、直角散乱光の測定を行う場合について説明する。このように直角散乱光の測定を行う場合、特に半透過鏡9や半透過鏡14をそれぞれの光路(光軸)上から外しておき、第1の光学系3、第2の光学系5と第3の光学系19との光学的接続を遮断しておく。そして、実際に試料Sについての測定(観察)を行うに先立ち、光軸合わせ工程として、前記試料Sの配置場所となるサンプルステージ6上の所定位置に対し、前記第1の光軸と前記第2の光軸とを合わせる処理を行う。なお、この光軸合わせ工程では、サンプルステージ6の試料を配置する場所、すなわちXYステージ28の第2ステージ面28a上に、光軸合わせ用のサンプルとして、例えば単結晶シリコン薄膜などを配置しておく。
この光軸合わせ工程では、まず、前記励起用レーザー光を、前記入射側対物レンズ11を介して前記サンプルステージ6上の所定位置、ここでは前記のサンプル上に集光させ、その焦点位置を合わせる。このとき、白色光源21を点灯させて白色光を前記サンプル上に照射し、これによって前記励起用レーザー光のサンプル上での照射位置が、観察口18から視認できるようにしておく。そして、このようにして励起用レーザー光のサンプル上での照射位置をスポットとして視認することにより、励起用レーザー光の焦点合わせを行う。
具体的には、励起用レーザー光のスポット径を目視あるいはCCDカメラ等で観察することにより、焦点が合っているか否かを確認する。このとき、焦点が合っていない場合には、サンプルステージ6のZステージ27を移動させることで、焦点を調整する。Zステージ27は、前述したように第1の光軸に沿って移動することから、この第1の光軸を通って導入される励起用レーザー光の焦点調整を行うことができる。また、このとき、観察口18が第1の光軸上に設けられていることから、観察口18からはスポットの中心位置がずれてしまうことなく、一定の位置にあるスポットを視認し続けることができ、したがって容易に焦点調整を行えるようになっている。
また、このような焦点調整と同時に、あるいは前後して、この焦点、すなわちスポットの中心を、例えば半透過鏡8の角度やサンプルステージ6を調整することにより、予め設定された適切な位置に合わせる。ただし、通常これは予め装置において調整されているので、その場合には省略してもよい。
次いで、励起用レーザー光の照射を続けたままで、光軸合わせ用のレーザー光を、出射側対物レンズ12を介して前記サンプルステージ6上の所定位置、すなわち前記のサンプル上に集光させ、その焦点位置を、前記励起用レーザー光の焦点位置に合わせる。このとき、白色光源22を点灯させて白色光を前記サンプル上に照射し、これによって前記光軸合わせ用レーザー光のサンプル上での照射位置が、観察口26から視認できるようにしておく。そして、このようにして光軸合わせ用のレーザー光のサンプル上での照射位置をスポットとして視認することにより、第1の光軸と第2の光軸との間の光軸合わせを行う。
すなわち、出射側対物レンズ12の位置(角度)を微調整して光軸合わせ用レーザー光のスポットの位置を調整し、これを励起用レーザー光のスポットに重ね合わせることで、第1の光軸と第2の光軸とを合わせる。このとき、光軸合わせ用のレーザー光と励起用レーザー光とはその波長が異なり、これらレーザー光は互いに異なる色を呈するようになっているので、これらレーザー光のスポットの重なり具合を特に目視によって容易に確認することができる。ここで、この目視などによる確認作業は、観察口18または観察口26から視認することで行うことができる。
なお、出射側対物レンズ12の位置の微調整で良好に光軸を合わせられない場合、励起用レーザー光の光路が正常より大きくずれていることが考えられる。したがって、その場合には半透過鏡8の角度を調整する。そして、励起用レーザー光と光軸合わせ用レーザー光とが中心対象でガウス分布の拡散状態にあるか否かを、Zステージ27を移動させることで確認し、拡散状態にない場合には、半透過鏡8の角度を再度調整する。
また、この第1の光軸と第2の光軸との光軸合わせについては、基本的には前述したように出射側対物レンズ12の位置(角度)調整で行うが、必要に応じて、サンプルステージ6のZステージ27やXYステージ28を微移動させることで、光軸合わせの微調整を行うようにしてもよい。
このようにして光軸合わせを行ったら、サンプルステージ6上から前記サンプルを外し、測定対象となる試料Sを所定位置、すなわちXYステージ28の第2のステージ面28a上に配置する。このとき、例えばサンプルステージ6のZステージ27を移動させて、前記サンプルと試料Sとの交換を行った場合、交換後、Zステージ27を元の位置に戻し、さらに前述した手法によって再度焦点合わせを行う。
そして、さらに試料S中において特にその測定位置を選択したい場合、Zステージ27を固定した状態で、XYステージ28をX方向、Y方向にそれぞれ適宜移動させることで、励起用レーザー光の焦点位置であるスポットを測定位置に合わせる。なお、このような調整は、観察口18からの目視、あるいはCCDカメラによる撮影などで行うことができる。
このようにして焦点合わせを行い、さらに試料S中における測定位置の選択を行ったら、必要に応じて半透過鏡8を反射鏡に交換した後、前記励起用レーザー光源2から励起用レーザー光を出射させる。すると、励起用レーザー光は第1の光学系3中を通って入射側対物レンズ11に至り、ここで集光された後、前記試料Sを照射する。すると、試料Sが励起してラマン散乱光を生じる。
このラマン散乱光のうち特に直角散乱光は、第1の光軸に対し略直角方向に位置した第2の光軸を有する出射側対物レンズ12に集められ、さらに第2の光学系19を通って分光器4に導入され、ここで波長成分に分解されてラマンスペクトルとして測定される。
また、この顕微ラマン分光装置1にあっては、直角散乱光の測定だけでなく、前記の第3の光学系19を用いることにより、励起用レーザー光の入射方向と180°異なる方向に散乱した散乱光を測定する、バックスキャッタリングでの測定(観測)を行うこともできる。このようにバックスキャッタリングでの測定(観測)を行う場合、第1の光学系3および第2の光学系5と第3の光学系19とを光学的に接続するべく、先に光路(光軸)上から外しておいた半透過鏡9や半透過鏡14をそれぞれ図1に示した位置に戻し、その光軸を対応する光学系における光軸に合わしておく。なお、半透過鏡14については、これを反射鏡に代えておくのが好ましい。
また、サンプルステージ6については、これをそのまま用いることもできるものの、特に試料Sを配置するステージ面が、第1の光軸に直交して入射側対物レンズ11と正対するものに交換するのが好ましい。
このようなサンプルステージを用いてこれに試料Sを配置したら、従来と同様にして焦点合わせ等を行った後、励起用レーザー光源2から励起用レーザー光を出射することで、バックスキャッタリング測定を行う。
このようにして励起用レーザー光を出射すると、このレーザー光が入射側対物レンズ11を介して試料Sを照射し、この照射部を励起させてラマン散乱光を生じさせる。このラマン散乱光のうち、特に入射方向と180°異なる方向に散乱した散乱光は、再度入射側対物レンズ11を通って半透過鏡9に至り、ここで反射して第3の光学系19に導かれる。そして、反射鏡20で反射し、さらに半透過鏡14(または反射鏡)で反射することにより第2の光学系5を通って分光器4に導入され、ここで波長成分に分解されてラマンスペクトルとして測定される。
このような顕微ラマン分光装置1による顕微ラマン分光測定方法にあっては、励起用レーザー光を、第1の光学系3に設けた入射側対物レンズ11で集光して試料Sに照射し、該試料Sで励起したラマン散乱光を、第2の光学系5に設けた出射側対物レンズ12で集光して分光器4に導入するので、従来のようにバックスキャッタリングでなく、入射光と散乱光とが直角となる直角散乱配置での測定、すなわち直角散乱光の測定を行うことができる。
また、入射側対物レンズ11及び出射側対物レンズ12の先端部に、それぞれ斜面11c、12cを設けているので、これら入射側対物レンズ11と出射側対物レンズ12とをその第1の光軸と第2の光軸とが略直角となるように配置しても、それぞれの斜面11c、12cを対向させることにより、互いに物理的に干渉してしまうことを回避することができる。したがって、従来では対物レンズと試料との間の距離を1mm程度とすることが非常に困難であったが、本発明はこれを回避し、前述したような直角散乱光の測定を可能にすることができる。
また、励起用レーザー光源2とは別に、光軸合わせ用のレーザー光を出射する光軸合わせ用レーザー光源25を備えているので、励起用レーザー光を試料Sの配置場所に照射するとともに、光軸合わせ用のレーザー光を試料Sの配置場所に照射することにより、励起用レーザー光の光軸である第1の光軸と、光軸合わせ用のレーザー光の光軸となるラマン散乱光(直角散乱光)の第2の光軸とを容易に軸合わせすることができる。
したがって、このような光軸合わせ機構を備えていることなどにより、観察口18、26で目視等により観察しつつ、サンプルステージ6を調整することなどによって光軸合わせや焦点調整が行えるので、特に直角散乱配置による測定を行う場合にも、試料に対する焦点調整を例えばナノメートルレベルで3次元的に行うことが可能になる。
また、このように観察口18、26からの目視等によって観察しつつ光軸合わせや焦点調整が行えるので、比較的容易にこれらの操作を行うことができる。すなわち、従来では、例えば一般のラマン分光装置にあっても特に光軸合わせには高度な熟練を要し、熟練に基づく勘に頼って光軸合わせを行っているのが実状であったが、本発明では、一般のラマン分光装置より格段に精度が要求されるにもかかわらず、前述したように光軸合わせ用レーザー光源25を備えたことにより、高い熟練度を要することなく十分容易に光軸合わせ等の操作を行うことができる。
また、特にこの顕微ラマン分光装置で直角散乱測定を行うことができるようにしたことにより、以下の優れた効果が得られる。
(1)顕微ラマン分光装置による直角散乱測定を結晶構造の微細領域・詳細観察に適用することで、サブμm領域で生じている結晶構造を現状の不完全な測定から完全な測定手段に変えることができ、したがって、μm以下のレベルで作製されるデバイスで生じる結晶構造の制御を、完全に観察する手法を確立することができる。
具体的には、現在μm〜サブμmオーダーで開発が進行しているデバイスにおいて、以下に示す各種の測定を可能にすることで、従来では一般のラマン分光装置を用いて大きなサンプルの測定から推定していたことを、サブμmレベルで行うことが可能になる。
・FeRAMに用いられる誘電体の結晶構造及び配向性
・アクチュエーターとして用いられる誘電体の結晶構造及び配向性
・SAWデバイスとして用いられるセラミックスの結晶構造及び配向性
・高温または低温成長で作製されるポリシリコンに含まれる、結晶構造・結晶欠陥の同定及び配向性
・粉末触媒で生じる個々の粒子間で生じる結晶構造の差異
・有機トランジスタや有機EL素子に使用される高分子の分子構造
(2)バックスキャッタリング測定より試料Sへの光の浸入距離が短い、直角散乱光の測定(直角反射測定)を行うことで、現在のバックスキャッタリング測定より、(1/√2)倍の薄い厚さを有するサンプルの測定が可能になる。
すなわち、励起用レーザー光が試料Sを励起させるために必要な光の浸入距離が一定であるとすると、図4に示すようにバックスキャッタリング測定の場合、試料Sに対して励起用レーザー光L1が真っ直ぐ入射し、入射方向と反対方向にラマン散乱光R1が出射する。このとき、前記の光の浸入距離をd1とする。
一方、直角散乱光の測定の場合、試料Sに対して励起用レーザー光L2が45°の角度で入射し、この入射方向と直角な方向にラマン散乱光R2が出射する。このとき、前記の光の浸入距離をd2とすると、前述したように励起用レーザー光が試料Sを励起させるための光の浸入距離が一定であることから、d1=d2となる。
しかし、前記のd2は試料Sにおける表面からの距離、すなわち深さを示すものでないことから、このd2から試料Sにおいて測定に必要な実際の厚さ(深さ)d3を算出すると、d3=(1/√2)d2となり、前述したようにバックスキャッタリング測定の場合の厚さ(d1)の(1/√2)倍の厚さとなるのである。
このように、従来に比べ薄い厚さを有するサンプルの測定が可能になると、新たな科学・テクノロジーへの展望を開くことができる。
例えば、レーザー光の波長をより短波長化することによってもレーザー光の浸入距離を短くすることが可能だが、有機物などに多くみられる発光現象を伴う測定物に対してはこれを使用することができない。よって、有機積層薄膜など発光現象が伴い、従来では観測することができなかった機能性有機薄膜について、実際の薄膜状態(サブμm〜10nmレベル)での分子構造を、(1/√2)倍高い深さ分解能で同定することが可能になる。
(3)出射側対物レンズ12を用いることで、その大きな立体角によって大きなラマンシグナルが得られるので、通常のバックスキャッタリングでのラマン測定と同一時間でも同程度のラマンシグナルが得られるようになる。したがって、通常のラマン分光装置での直角散乱測定より2桁短い測定時間で観測を行うことができ、これにより測定のスループットが2桁向上する。よって、一般のラマン分光装置を用いた直角散乱光の測定では、ラマンシグナルを検出するCCD素子のノイズレベルよりも小さいラマンシグナルしか得られなかった以下の物質についても、本発明の顕微ラマン分光装置によれば、その直角散乱光を測定することでの観測が可能となる。その結果、分光学的に完全な結晶構造解析を行うことが可能になる。
・各種触媒などに用いられる微粒子
・ラマン活性成分が小さな有機物
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。例えば、前記実施形態では出射側対物レンズ12を、その光軸(第2の光軸)が入射側対物レンズ11の光軸(第1の光軸)に対して略直角となるように配置したが、図5に示すように出射側対物レンズ12の光軸(第2の光軸)を、試料Sを挟んで入射側対物レンズ11と反対の側に配し、これら第1の光軸と第2の光軸とを一致させてこれらのなす角度を略180°にしてもよい。
このように出射側対物レンズ12を配置することで、本発明の顕微ラマン分光装置にあっては、前方反射測定(散乱角度180°)についても行うことが可能になる。なお、この前方反射測定を行う場合には、試料を保持するサンプルステージ30として、前記入射側対物レンズ11の光軸(第1の光軸)と出射側対物レンズ12の光軸(第2の光軸)とを結ぶ光軸上に貫通孔31を形成したものを用いるのが好ましい。
本発明の顕微ラマン分光装置の一実施形態を模式的に示す概略構成図である。 入射側対物レンズ又は出射側対物レンズの概略構成図である。 各対物レンズ及びサンプルステージの概略構成図である。 直角散乱光測定とバックスキャッタリング測定との比較図である。 前方反射測定を行う場合の出射側対物レンズの配置の説明図である。
符号の説明
1…顕微ラマン分光装置、2…励起用レーザー光源、3…第1の光学系、4…分光器、5…第2の光学系、6…サンプルステージ、11…入射側対物レンズ、11c…斜面、12…出射側対物レンズ、12c…斜面、18…観察口(観察部)、19…第3の光学系、25…光軸合わせ用レーザー光源、26…観察口(観察部)、27…Zステージ、27a…第1ステージ面、28…XYステージ、28a…第2ステージ面

Claims (13)

  1. ラマン散乱光を励起する励起用レーザー光を、第1の光学系を介して試料に照射し、該試料からのラマン散乱光を、第2の光学系を介して分光器で分光する顕微ラマン分光装置であって、
    前記第1の光学系に前記励起用レーザー光を集光する入射側対物レンズが設けられ、
    前記第2の光学系に前記ラマン散乱光を集光する出射側対物レンズが設けられ、
    前記入射側対物レンズと前記試料との間を通る前記励起用レーザー光の第1の光軸と、前記試料と前記出射側対物レンズとの間を通る前記ラマン散乱光の第2の光軸とがなす角度が、所定の角度に調整されてなることを特徴とする顕微ラマン分光装置。
  2. 前記所定の角度が、略直角であることを特徴とする請求項1記載の顕微ラマン分光装置。
  3. 前記試料を配置するサンプルステージが備えられ、
    該サンプルステージは、前記試料を配置するための面として、前記第1の光軸及び第2の光軸に対してそれぞれに略45°の角度をなすステージ面を有し、該ステージ面を、前記第1の光軸に沿って移動させる機構と第2の光軸に沿って移動させる機構とを備えてなることを特徴とする請求項2記載の顕微ラマン分光装置。
  4. 前記試料を配置するサンプルステージが備えられ、
    該サンプルステージは、前記第1の光軸及び第2の光軸に対してそれぞれに略45°の角度をなす第1ステージ面を有し、該第1ステージ面の前記角度を維持した状態で前記第1の光軸に沿って移動するZステージと、該Zステージの前記第1ステージ面上にてその縦方向及び横方向に移動可能に設けられ、前記第1ステージ面と平行な第2ステージ面を有して該第2ステージ面上に前記試料を配置するXYステージと、を備えてなることを特徴とする請求項2記載の顕微ラマン分光装置。
  5. 前記入射側対物レンズには、その前記試料側の端部の側面に、試料側に行くに連れて漸次径が小さくなるように前記第1の光軸に対して45°未満の角度をなす斜面が形成されており、
    前記出射側対物レンズには、その前記試料側の端部の側面に、試料側に行くに連れて漸次径が小さくなるように前記第2の光軸に対して45°未満の角度をなす斜面が形成されており、
    前記入射側対物レンズと前記出射側対物レンズとは、それぞれの斜面が対向させられて配置されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の顕微ラマン分光装置。
  6. 前記出射側対物レンズを介して前記第2の光軸を通り、前記試料の配置場所に光軸合わせ用のレーザー光を照射する光軸合わせ用レーザー光源を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の顕微ラマン分光装置。
  7. 前記の光軸合わせ用のレーザー光の波長が、前記のラマン散乱光を励起する励起用レーザー光の波長と異なることを特徴とする請求項6記載の顕微ラマン分光装置。
  8. 前記第1の光軸上の、前記試料の配置場所と反対の側に、該試料の配置場所での前記励起用レーザー光の照射位置と前記光軸合わせ用のレーザー光の照射位置とを観察するための観察部が、備えられていることを特徴とする請求項6又は7記載の顕微ラマン分光装置。
  9. 前記第2の光軸上の、前記試料の配置場所と反対の側に、該試料の配置場所での前記励起用レーザー光の照射位置と前記光軸合わせ用のレーザー光の照射位置とを観察するための観察部が、備えられていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の顕微ラマン分光装置。
  10. 前記第1の光軸上の、前記入射側対物レンズに対して前記試料と反対の側に、該第1の光軸を通って前記入射側対物レンズで集光された前記試料からのラマン散乱光を、前記分光器に導入する第3の光学系が接続されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の顕微ラマン分光装置。
  11. ラマン散乱光を励起する励起用レーザー光を、第1の光学系を介して試料に照射し、該試料からのラマン散乱光を、第2の光学系を介して分光器で分光する顕微ラマン分光測定方法であって、
    前記励起用レーザー光を、前記第1の光学系に設けた入射側対物レンズで集光して前記試料に照射する工程と、
    前記試料で励起したラマン散乱光を、前記第2の光学系に設けた出射側対物レンズで集光して前記分光器に導入する工程と、を有してなり、
    前記入射側対物レンズと前記試料との間を通る前記励起用レーザー光の第1の光軸と、前記試料と前記出射側対物レンズとの間を通る前記ラマン散乱光の第2の光軸とがなす角度を、所定の角度に調整しておくことを特徴とする顕微ラマン分光測定方法。
  12. 前記所定の角度を、略直角とすることを特徴とする請求項11記載の顕微ラマン分光測定方法。
  13. 前記試料の配置場所となるサンプルステージ上の所定位置に対し、前記第1の光軸と前記第2の光軸とを合わせる光軸合わせ工程を備え、
    前記光軸合わせ工程は、前記励起用レーザー光を、前記入射側対物レンズを介して前記サンプルステージ上の所定位置に集光させてその焦点位置を合わせる工程と、
    光軸合わせ用のレーザー光を、前記出射側対物レンズを介して前記サンプルステージ上の所定位置に集光させ、その焦点位置を、前記励起用レーザー光の焦点位置に合わせる工程と、を備えたことを特徴とする請求項11又は12に記載の顕微ラマン分光測定方法。

JP2005028689A 2005-02-04 2005-02-04 顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法 Expired - Fee Related JP4595571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005028689A JP4595571B2 (ja) 2005-02-04 2005-02-04 顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005028689A JP4595571B2 (ja) 2005-02-04 2005-02-04 顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006214899A true JP2006214899A (ja) 2006-08-17
JP4595571B2 JP4595571B2 (ja) 2010-12-08

Family

ID=36978249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005028689A Expired - Fee Related JP4595571B2 (ja) 2005-02-04 2005-02-04 顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4595571B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009536317A (ja) * 2006-04-05 2009-10-08 ザ サイエンス アンド テクノロジー ファシリティーズ カウンシル ラマン分析
CN115389485A (zh) * 2022-10-26 2022-11-25 中国科学技术大学 一种拉曼显微设备以及拉曼光谱检测方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09243569A (ja) * 1996-03-06 1997-09-19 Toshiba Corp 半導体基板の評価装置および評価方法
JPH11295159A (ja) * 1998-04-09 1999-10-29 Shimadzu Corp 応力測定装置
JP2000260034A (ja) * 1999-03-11 2000-09-22 Ricoh Co Ltd 光ディスク原盤露光機のフォーカス光学系調整装置
JP2004028824A (ja) * 2002-06-26 2004-01-29 Hitachi Ltd 地殻変動モニタリング装置と地殻変動モニタリングシステム
JP2006520900A (ja) * 2003-03-11 2006-09-14 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 励起システム及び焦点モニタリングシステムを備える分光分析装置及び方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09243569A (ja) * 1996-03-06 1997-09-19 Toshiba Corp 半導体基板の評価装置および評価方法
JPH11295159A (ja) * 1998-04-09 1999-10-29 Shimadzu Corp 応力測定装置
JP2000260034A (ja) * 1999-03-11 2000-09-22 Ricoh Co Ltd 光ディスク原盤露光機のフォーカス光学系調整装置
JP2004028824A (ja) * 2002-06-26 2004-01-29 Hitachi Ltd 地殻変動モニタリング装置と地殻変動モニタリングシステム
JP2006520900A (ja) * 2003-03-11 2006-09-14 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 励起システム及び焦点モニタリングシステムを備える分光分析装置及び方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009536317A (ja) * 2006-04-05 2009-10-08 ザ サイエンス アンド テクノロジー ファシリティーズ カウンシル ラマン分析
US8259902B2 (en) 2006-04-05 2012-09-04 The Science And Technology Facilities Council Raman analysis of tissue and/or calcifications
CN115389485A (zh) * 2022-10-26 2022-11-25 中国科学技术大学 一种拉曼显微设备以及拉曼光谱检测方法
CN115389485B (zh) * 2022-10-26 2023-03-10 中国科学技术大学 一种拉曼显微设备以及拉曼光谱检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4595571B2 (ja) 2010-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9410880B2 (en) Laser differential confocal mapping-spectrum microscopic imaging method and device
JP5092104B2 (ja) 分光測定装置、及び分光測定方法
US6532068B2 (en) Method and apparatus for depth profile analysis by laser induced plasma spectros copy
US7595873B1 (en) Rapid spatial averaging over an extended sample in a Raman spectrometer
WO2002006778A1 (en) System and method for epi-detected coherent anti-stokes raman scattering microscopy
WO2020075548A1 (ja) 顕微分光装置、及び顕微分光方法
KR102359863B1 (ko) 자동 초점거리 조절 라만 분광기 및 상기 라만 분광기를 이용한 측정방법
JP2005121479A (ja) 共焦点顕微分光装置
US10458917B2 (en) Method of measuring Raman scattering and related spectrometers and laser sources
KR101861919B1 (ko) 반도체의 고속 광학 검사방법
WO2011019713A1 (en) Ultra dark field microscope
KR101632672B1 (ko) 공초점 분광 현미경
JP4595571B2 (ja) 顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法
US11397109B2 (en) Apparatus for carrying out polarization resolved Raman spectroscopy
JP7325736B2 (ja) 光学測定装置
JP4595572B2 (ja) ラマン分光装置及びラマン分光測定方法
JP2008299146A (ja) 共焦点顕微分光装置
JP2010190595A (ja) レーザー分光分析装置およびそれを用いたレーザー分光分析方法
JP5536908B2 (ja) 共鳴非線形光信号を検出するための方法およびその方法を実装するための装置
JP2000055809A (ja) 顕微ラマン分光装置及び顕微ラマン分光測定方法
JP4448534B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP2009229714A (ja) コヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャートおよびその製造方法、コヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置、並びに、コヒーレント・ラマン顕微鏡の調整法
JP2006300808A (ja) ラマン分光測定装置
KR20200011836A (ko) 일체형 광학 장치
CN210571973U (zh) 一种带有光镊的显微拉曼系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100723

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4595571

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees