JP2006214869A - 塗膜劣化診断装置、塗膜劣化診断システムおよび測定プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】 診断対象となっている塗装膜が狭い場所、あるいは高い場所にあるときでも、塗装膜の状態を測定するのに必要な各装置の持ち込みを容易にして、作業性を大幅に向上させる。
【解決手段】 電流を検出するインピーダンス測定手段(PCカード)5によって、交流電圧を生成して、測定プローブ2の電極13に供給しながら、測定プローブ2の電極13と、下地金属21に接続されたアース端子4との間に流れる微弱電流を測定して、携帯端末装置6に測定結果を記憶した後、携帯端末装置6に記憶されている測定結果を有線方式、または無線方式で、ワークステーション装置7に転送し、診断サーバ装置9に解析、診断する。
【選択図】図1
【解決手段】 電流を検出するインピーダンス測定手段(PCカード)5によって、交流電圧を生成して、測定プローブ2の電極13に供給しながら、測定プローブ2の電極13と、下地金属21に接続されたアース端子4との間に流れる微弱電流を測定して、携帯端末装置6に測定結果を記憶した後、携帯端末装置6に記憶されている測定結果を有線方式、または無線方式で、ワークステーション装置7に転送し、診断サーバ装置9に解析、診断する。
【選択図】図1
Description
本発明は、塗装膜の劣化状態を測定、診断する塗膜劣化診断装置、塗膜劣化診断システムおよび測定プローブに関する。
塗装膜のインピーダンスを測定して塗装膜の劣化状態を診断する従来技術としては、特開平05−018922号公報(特許文献1)や特開平04−218757号公報(特許文献2)に記載の塗膜劣化診断法が知られている。
図8は、このような塗膜劣化診断法のうち、交流インピーダンス法を用いた塗膜劣化診断システムの一例を示すブロック図である。
この図に示す塗膜劣化診断システム101は、下地金属102に塗布された塗装膜103に取り付けられる測定プローブ104と、下地金属102に接続されるアース端子105と、インピーダンス測定装置109と、パソコン装置110とを備えている。インピーダンス測定装置109は、電圧出力回路106、電流検出回路107および制御通信回路108を備え、測定指示が入力される毎に、交流電圧を生成してアース端子105と測定プローブ104との間に交流電圧を印加しながら、これらアース端子105と測定プローブ104との間に流れる微弱電流を検出し、印加した交流電圧の電圧データ、測定された微弱電流の電流データをまとめた測定データを生成する。パソコン装置110は、解析プログラム、診断プログラムなどがインストールされ、測定開始指示が入力されたとき、インピーダンス測定装置109に測定指示を出して測定データを取り込み、予め入力されている校正データを用いて測定データを校正しながらインピーダンスを算出し、塗装膜103の劣化状態を診断する。
この塗膜劣化診断システムにおいて、塗装膜の診断を行うときは、先ず、診断対象となる塗装膜103がある場所に測定プローブ104、アース端子105、インピーダンス測定装置109、パソコン装置110を持ち込み、アース端子105を塗装膜の下地金属102に接続するとともに、測定プローブ104を塗装膜103に取り付ける。
この後、パソコン装置110から測定指示を出力して、インピーダンス測定装置109から交流電圧が出力し、アース端子105と測定プローブ104との間に交流電圧を印加しながら、これらアース端子105と測定プローブ104との間に流れる微弱電流を検出して、印加した交流電圧の電圧データ、測定された微弱電流の電流データをまとめた測定データを生成する。
次いで、インピーダンス測定装置109の測定動作が終了したとき、パソコン装置110の解析動作、診断動作を開始して、インピーダンス測定装置109から測定データを取り込ませた後、測定データを校正しながら、インピーダンスを算出し、塗装膜103の劣化状態を診断する。
特開平05−018922号公報
特開平04−218757号公報
ところで、このような塗膜劣化診断システム101では、インピーダンス測定装置109に接続されたパソコン装置110を使用して、インピーダンス測定装置109から出力される測定データを解析、診断するようにしている。このため、診断対象となっている塗装膜が狭い場所、あるいは高い場所にあるとき、パソコン装置110を持ち込むのが難しく、その分だけ、作業性が悪いという問題があった。
また、インピーダンス測定装置109と、測定プローブ104とを接続するケーブル111として、シールドケーブルを使用し、ノイズなどの影響を避けるようにしているが、このようなシールドケーブルの特性上、あまり長くすると、シールドケーブルを構成している信号線(内部導体)と、アース(外部導体)との間のストレー容量が大きくなって、インピーダンス測定誤差が発生してしまうことから、インピーダンス測定装置109と、測定プローブ104とをあまり離すことができず、測定時の作業性が良くないという問題があった。
さらに、測定プローブ104の電極部分に取り付けられたスポンジに電解液を含浸する際、含浸量を一定にすることが難しく、含浸量が不十分で塗装膜表面に電解液が十分密着することができなかったり、含浸量が多くなり過ぎて、電極面からはみ出してしまったりし、測定結果がバラついてしまうことが多かった。
本発明は上記の事情に鑑み、診断対象となっている塗装膜が狭い場所、あるいは高い場所にあるときでも、塗装膜の状態を測定するのに必要な各装置の持ち込みを容易にして、作業性を大幅に向上させることができるとともに測定精度を大幅に向上させた塗膜劣化診断装置、塗膜劣化診断システムおよび測定プローブを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明に係る塗膜劣化診断装置は、劣化状態の測定対象となる塗装膜に対して測定プローブを介して電圧を印加するとともに、この測定プローブに流れる電流を検出してインピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、このインピーダンス測定手段で得られた測定結果を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された測定結果を、該測定結果を解析・診断して塗装膜の劣化を診断する診断サーバ装置に伝送する伝送手段と、前記インピーダンス測定手段、記憶手段および伝送手段を少なくとも収納して携帯可能な大きさに形成される筐体とを具備することを特徴としている。
また、本発明に係る塗膜劣化診断システムは、劣化状態の測定対象となる塗装膜に対して測定プローブを介して電圧を印加するとともに、この測定プローブに流れる電流を検出してインピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、このインピーダンス測定手段で得られた測定結果を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された測定結果をネットワークを介して外部に伝送する伝送手段と、前記インピーダンス測定手段、記憶手段および伝送手段を少なくとも収納して携帯可能な大きさに形成される筐体とを備えた塗膜劣化診断装置と、この塗膜劣化診断装置から伝送された測定結果を前記ネットワークを介して取り込んで解析処理または診断処理を実行する解析・診断手段と、前記ネットワークに接続された情報処理装置から配信要求があったときには、記憶している測定結果または解析・診断結果を読み出して、配信要求を出した情報処理装置に配信する配信手段とを備えた診断サーバ装置とを具備することを特徴としている。
さらに、本発明に係る測定プローブは、劣化状態の測定対象となる塗装膜に電圧を印加する電極と、この電極を囲むように配置されるガード部と、このガード部を囲むように配置されるアース部とを具備することを特徴としている。
本発明によれば、診断対象となっている塗装膜が狭い場所、あるいは高い場所にあるときでも、塗装膜の状態を測定するのに必要な装置の持ち込みを容易にして、作業性を大幅に向上させることができるとともに、測定精度を大幅に向上させることができる。
図1は本発明による塗膜劣化診断システムの一実施形態を示すブロック図である。
この図に示す塗膜劣化診断システム1は、測定プローブ2と、信号ケーブル3と、アース端子4と、インピーダンス測定手段(PCカード)5と、携帯端末装置6と、ワークステーション装置7と、LAN8と、診断サーバ装置9と、複数のクライアントPC装置10とを備えている。インピーダンス測定手段(PCカード)5と携帯端末装置6とから塗膜劣化診断装置が構成されている。
そして、塗装膜11の診断を行うとき、測定プローブ2、アース端子4、インピーダンス測定手段(PCカード)5、携帯端末装置6を診断対象となる塗装膜11がある場所に持ち込み、塗装膜11のインピーダンスを測定し、測定結果を携帯端末装置6に記憶する。そして、測定終了後にインピーダンス測定手段(PCカード)5から携帯端末装置6を外して、通信装置12にセットし、有線信号形式、あるいは無線信号形式で、ワークステーション装置7に測定結果を供給した後、診断サーバ装置9で塗装膜の劣化状態を診断し、各クライアント装置10に表示する。
測定プローブ2は、図2(a)、(b)に示すように、中央部分に配置された金属材によって構成され、信号ケーブル3の信号線22に接続されるカップ状の電極13と、電極13内に配置され、電解液が含浸される柱状のスポンジ14と、電極13の外側を覆うように形成された絶縁材によって構成されるカップ状の絶縁部15と、絶縁部15の外側を覆うように形成された金属材によって構成され、信号ケーブル3のガード層24に接続されるカップ状のガード部16と、ガード部16の外側を覆うように形成された絶縁材によって構成されるカップ状の絶縁部17と、絶縁部17の外側を覆うように形成された金属材によって構成され、信号ケーブル3のアース層26に接続されるカップ状のアース部18と、アース部18の下部周囲に固定され、複数の磁石19によって、診断対象となる塗装膜11の下地金属21に吸い付き、スポンジ14を塗装膜11に密着するリング20とを備えている。そして、測定プローブ2が診断対象となる塗装膜11に当接され、リング20に配置された各磁石19が塗装膜11の下地金属21に吸い付いて、電解液が含浸されたスポンジ14が塗装膜11に密着し、信号ケーブル3の信号線22を介して、電極13に交流電圧が供給されたとき、電極13と下地金属21との間のインピーダンスに応じた微弱電流が流れる。
また、信号ケーブル3は、図3(a)、(b)に示すように、中心部分に配置された金属材によって構成される信号線22と、信号線22を覆うように形成された絶縁材によって構成される絶縁層23と、絶縁層23を覆うように形成された金属材によって構成されるガード層24と、ガード層24を覆うように形成された絶縁材によって構成される絶縁層25と、絶縁層25を覆うように形成された金属材によって構成されるアース層26と、アース層26を覆うように形成された絶縁材によって構成される絶縁層27と、絶縁層27を覆うように形成される被覆28とを備えている。そして、インピーダンス測定手段(PCカード)5からガード電圧と、交流電圧とが出力されたとき、インピーダンス測定手段(PCカード)5→ガード層24→測定プローブ2のガード部16なる経路で、ガード部16にガード電圧を供給しながら、インピーダンス測定手段(PCカード)5→信号線22→測定プローブ2の電極13なる経路で、電極13に交流電圧を供給する。
また、インピーダンス測定手段(PCカード)5は、図4に示すように、制御処理、通信処理などを行うCPU29と、CPU29の動作を規定するプログラムの格納エリア、CPU29の作業エリアなどとして使用されるメモリ30と、CPU29から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換して、測定プローブ2側に交流電圧、ガード電圧などを供給する処理、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して、CPU29に供給する処理などを行うA/D・D/A変換器31と、測定プローブ2の電極13とアース端子4との間に流れる微弱電流を増幅して、A/D・D/A変換器31に供給するプリアンプ32と、バッファ33、デコーダ34などが内蔵され、CPU29、A/D・D/A変換器31、携帯端末装置6の間のデータ授受をサポートするPCカードコントローラ35とを備えている。
そして、これらCPU29〜PCカードコントローラ35によって、図1に示す制御通信回路37と、電圧出力回路38と、ガードドライブ回路39と、電流検出回路40とが構成されている。制御通信回路37は、アース線36を介して、アース端子4に接続され、測定プローブ2、アース端子4などを使用したインピーダンス測定処理、携帯端末装置6との通信処理などを行う。電圧出力回路38は、制御通信回路37から交流電圧出力指示が出力されているとき、指定された電圧値、指定された周波数の交流電圧を生成して、信号ケーブル3の信号線22に供給する。ガードドライブ回路39は、電圧出力回路38から交流電圧が出力されているとき、ガード電圧を生成して信号ケーブル3のガード層24に供給する。電流検出回路40は、電圧出力回路38から交流電圧が出力されて、測定プローブ2の電極13とアース端子4との間に交流電圧が印加されているとき、測定プローブ2の電極13とアース端子4との間に流れる微弱電流を検出して、制御通信回路37に電流検知信号を供給する。そして、このインピーダンス測定手段5では、携帯端末装置6から測定指示が出力されたとき、指定された電圧値、周波数を持つ交流電圧、ガード電圧を生成して、インピーダンス測定手段(PCカード)5→信号ケーブル3→測定プローブ2なる経路で、測定プローブ2に交流電圧、ガード電圧を供給し、電極13とアース端子4との間に交流電圧を印加しながら、塗装膜11を介して電極13とアース端子4との間に流れる微弱電流を検出して、波形データ形式の測定データを生成し、各コネクタ41、42を順次、介して携帯端末装置6に供給する。
携帯端末装置6は、図1に示すように、携帯自在な大きさに形成される端末装置筐体43と、端末装置筐体43上に配置され、操作画面などを表示する液晶表示器44と、端末装置筐体43上に配置され、制御指示などを入力するときに操作される各種の操作キー45と、端末装置筐体43の下部などに配置され、インピーダンス測定手段(PCカード)5のコネクタ41、または通信装置12のコネクタ46に接続されるコネクタ42と、図4に示すように、各種のデータ処理を行うCPU47、CPU47の動作を規定するプログラムの格納エリア、CPU47の作業エリアなどとして使用されるメモリ48、CPU47、メモリ48、コネクタ42などを相互に接続するシステムバス49などが搭載され、端末装置筐体43内に配置される制御基板50とを備えている。
そして、コネクタ42がインピーダンス測定手段5を構成するPCカードのコネクタ41に接続されている状態で、各操作キー45が操作されて、測定条件とともに、測定開始指示が入力されたとき、交流電圧の電圧値、周波数などを指定する測定条件データを波形形式のデータにまとめて記憶しながら、測定条件データ、測定指示をインピーダンス測定手段(PCカード)5に供給して、塗装膜11の劣化状態を測定する。インピーダンス測定手段(PCカード)5から測定結果が出力されたとき、これを取り込んで記憶する。また、コネクタ42が通信装置12のコネクタ46に接続されている状態で、各操作キー45が操作されて、送信開始指示が入力されたとき、記憶している波形形式の測定条件データ、測定結果などを通信装置12に供給し、有線信号形式または無線信号形式で、ワークステーション装置7に送信する。
ワークステーション装置7は、有線信号形式または無線信号形式で、通信装置12から送信される測定条件データ、測定結果などを取り込む通信基板と、通信基板を介して供給された測定条件データ、測定結果などをパケット形式に変換する処理などを行う情報処理基板と、LAN8を介して、診断サーバ装置9などと通信し、情報処理基板から出力されるパケット形式の測定条件データ、測定結果などを診断サーバ装置9に送信する通信基板とを備えており、有線信号形式または無線信号形式で、通信装置12から波形形式の測定条件データ、測定結果などが送信されたとき、これを取り込んだ後、複数のパケットにして、ワークステーション装置7→LAN8→診断サーバ装置9なる経路で、診断サーバ装置9に供給する。
診断サーバ装置9は、図5に示すように、LAN8を介して、パケット形式の測定条件データ、測定結果などを取り込む処理、要求された診断データなどをLAN8上に送出する処理などを行う通信基板51と、予めインストールされているプログラムなどに基づき、解析診断エンジン52を生成して、通信基板51に取り込まれた測定条件データ、測定結果などに基づき、塗装膜11の診断などを行う情報処理基板53と、情報処理基板53に接続され、インピーダンス測定手段(PCカード)5で得られた測定条件データが格納される測定条件データファイル54、各塗料とインピーダンスとの関係などを示す塗料データが格納される塗料データファイル55、インピーダンス測定手段(PCカード)5で得られた測定結果、測定条件データ、測定結果などを診断処理して得られる診断データなどが格納される測定/診断データファイル56などが格納されるハードディスク57とを備えている。
そして、LAN8を介して、パケット形式の測定条件データ、測定結果などが供給されたとき、これら測定条件データ、測定結果を測定条件データファイル54、測定/診断データファイル56に各々、格納する。またこの動作と並行し、キーボードなどが操作されて、解析診断指示が入力されたとき、解析診断エンジン52によって、測定条件データファイル54に格納されている測定条件データ、測定/診断データファイルに格納されている測定結果のうち、診断対象に指定された測定条件データ、測定結果を読み出するとともに、塗料データファイル55に格納されている各塗料データを参照して、塗料種類に対応するように、測定条件データ、測定結果を校正した後、予め設定されいる演算式で、インピーダンス値を算出して、塗装膜11の劣化状態を診断し、診断結果を測定/診断データファイル56に格納する。
また、各クライアントPC装置10は、LAN8を介して、診断サーバ装置9の測定条件データファイル54、塗料データファイル55、測定/診断データファイル56に各々、格納されている波形形式の測定条件データ、塗料データ、測定結果、診断結果などを取り込む通信基板と、この通信基板によって取り込まれた測定条件データ、塗料データ、測定結果、診断結果などを画面表示する情報処理基板とを備えており、キーボードなどが操作されて、表示指示が入力されたとき、指定された測定結果に対応するデータ要求パケットを生成して、診断サーバ装置9に供給する。そして、診断サーバ装置9から指定された測定結果に対応する測定条件データ、塗料データ、測定結果、診断結果などを含むパケットが出力されたとき、これを取り込み、波形形式など、指定された表示形式で画面表示する。
このように、この実施形態では、電流を検出するインピーダンス測定手段(PCカード)5によって、交流電圧を生成して、測定プローブ2の電極13に供給しながら、測定プローブ2の電極13と、下地金属21に接続されたアース端子4との間に流れる微弱電流を測定する。そして、測定結果を携帯端末装置6に記憶した後、携帯端末装置6に記憶されている測定結果を有線方式または無線方式でワークステーション装置7に転送し、診断サーバ装置9が解析、診断するようにしている。このため、診断対象となっている塗装膜11が狭い場所、あるいは高い場所にあるときでも、塗装膜11の状態を測定するのに必要な測定プローブ2、インピーダンス測定手段(PCカード)5、携帯端末装置6などを容易に持ち込むことができ、これによって作業性を大幅に向上させることができる。
また、この実施形態では、インピーダンス測定手段(PCカード)5の測定動作で得られた測定データを波形形式のデータにまとめて、インピーダンス測定手段(PCカード)5→携帯端末装置6→ワークステーション装置7→LAN8→診断サーバ装置9なる経路で、診断サーバ装置9に転送して、記憶した後、各クライアントPC装置10からの要求に基づき、診断サーバ装置9から波形形式の測定データ、診断データなどを出力し、診断サーバ装置9→LAN8→各クライアントPC装置10なる経路で、各クライアントPC装置10に供給して、波形形式で、画面表示するようにしている。このため、各クライアントPC装置10などに特別なソフトウェアをインストールすることなく、測定作業で得られた塗装膜11に関する情報、診断結果などを見せることができるとともに、各クライアントPC装置10を情報を共有化して、塗装膜11の管理を容易にすることができる。
また、この実施形態では、塗装膜11に電圧を印加する電極13を囲むようにガード部16を配置し、このガード部16を囲むようにアース部18を配置した測定プローブ2を使用し、信号線24の周囲をガード層24と、アース層26と覆った信号ケーブル3を使用して、インピーダンス測定手段(PCカード)5と、測定プローブ2とを接続するようにしている。このため、インピーダンス測定手段(PCカード)5と、測定プローブ2との間を離して、信号ケーブル長を長くしても、信号線24とアース層26との間のストレー容量の影響を排除して、測定精度を大幅に向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、円筒状に形成された測定プローブ2を使用するようにしているが、図6に示すように、薄膜状に形成された測定プローブ60を使用するようにしても良い。
この場合、測定プローブ60は、柔軟性を持つフイルム基材61、このフイルム基材61に接着または蒸着された柔軟性を持つ薄膜状の電極層(導電性物質)62によって構成され、信号ケーブル3の信号線22に接続される電極部63と、電極部63の電極層62に貼り付けられ、電解液が含浸されるスポンジ64と、電極部63の下面周囲に塗布される粘着層65と、粘着層65に剥離自在に貼り付けられる薄膜シール66と、柔軟性を持つフイルム基材67、このフイルム基材67に接着または蒸着された柔軟性を持つ薄膜状のガード層(導電性物質)68によって構成され、ガード層68側が電極部63のフイルム基材61に当接するように積層された状態で、信号ケーブル3のガード層24に接続されるガード部69と、柔軟性を持つフイルム基材70、このフイルム基材70に接着または蒸着された柔軟性を持つ薄膜状のアース層(導電性物質)71によって構成され、アース層71側がガード部69のフイルム基材67に当接するように積層された状態で、信号ケーブル3のアース層26に接続されるアース部72とを備えている。
そして、塗装膜11の劣化状態を測定するとき、測定対象となっている塗装膜11がある場所まで、測定プローブ60が持ち込まれて、薄膜シール66が剥がされ、図7(a)、(b)に示すように、測定プローブ60の粘着層65側が塗装膜11に押しつけられて、貼り付けられる。
このように、この測定プローブ60では、柔軟性を持つ、薄膜部材によって電極部63、ガード部69、アース部72を構成するようにしているので、筒状の下地金属21に塗装された塗装膜11などであっても、塗装膜11に電極層62を密着して、測定精度を大幅に向上させることができる。
また、この測定プローブ60では、電極部63に粘着層65を設け、塗装膜11の劣化状態を測定するまで、薄膜シール66で、粘着層65をシールし、塗装膜11の劣化状態を測定するとき、薄膜シール66を剥がして、粘着層65を塗装膜11に貼り付けするようにしているので、塗装膜11の劣化状態を測定していないとき、粘着層65にゴミなどが付着しないようようにすることができるとともに、取り扱いを容易にしながら、塗装膜11の劣化状態を測定するときだけ、粘着層65を介して、塗装膜11に電極部63を密着して、測定精度を大幅に向上させることができるとともに、塗装膜11から電極が剥がれ難くなり、作業性を向上させることができる。
また、スポンジ64に電解液を含浸して、薄膜シール66で封止するとき、余分な電解液をスポンジ64からはみ出して、含浸量を一定化することができ、含浸量が不足に起因する電気抵抗値の増加、含浸量が過多に起因する電極面からのはみ出しなどを防止して、測定結果のバラツキを防止することができる。
1:塗膜劣化診断システム、2:測定プローブ、3:信号ケーブル、4:アース端子、5:インピーダンス測定手段(PCカード)、6:携帯端末装置、7:ワークステーション装置、8:LAN、9:診断サーバ装置、10:クライアントPC装置、11:塗装膜、12:通信装置、13:電極、14:スポンジ、15:絶縁部、16:ガード部、17:絶縁部、18:アース部、19:磁石、20:リング、21:下地金属、22:信号線、23:絶縁層、24:ガード層、25:絶縁層、26:アース層、27:絶縁層、28:被覆、29:CPU、30:メモリ、31:A/D・D/A変換器、32:プリアンプ、33:バッファ、34:デコーダ、35:PCカードコントローラ、36:アース線、37:制御通信回路、38:電圧出力回路、39:ガードドライブ回路、40:電流検出回路、41:コネクタ、42:コネクタ、43:端末装置筐体、44:液晶表示器、45:操作キー、46:コネクタ、47:CPU、48:メモリ、49:システムバス、50:制御基板、51:通信基板、52:解析診断エンジン、53:情報処理基板、54:測定条件データファイル、55:塗料データファイル、56:測定/診断データファイル、57:ハードディスク、60:測定プローブ、61:フイルム基材、62:電極層、63:電極部、64:スポンジ、65:粘着層、66:薄膜シール、67:フイルム基材、68:ガード層、69:ガード部、70:フイルム基材、71:アース層、72:アース部。
Claims (8)
- 劣化状態の測定対象となる塗装膜に対して測定プローブを介して電圧を印加するとともに、この測定プローブに流れる電流を検出してインピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、
このインピーダンス測定手段で得られた測定結果を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶された測定結果を、該測定結果を解析・診断して塗装膜の劣化を診断する診断サーバ装置に伝送する伝送手段と、
前記インピーダンス測定手段、記憶手段および伝送手段を少なくとも収納して携帯可能な大きさに形成される筐体と、
を具備することを特徴とする塗膜劣化診断装置。 - 請求項1に記載の塗膜劣化診断装置において、
前記記憶手段は、前記インピーダンス測定手段で得られた測定結果を波形形式で記憶する、
ことを特徴とする塗膜劣化診断装置。 - 請求項1、2のいずれかに記載の塗膜劣化診断装置において、
前記インピーダンス測定手段は、信号線の周囲をガード層とアース層とで覆った信号ケーブルを介して前記測定プローブに接続されることを特徴とする塗膜劣化診断装置。 - 劣化状態の測定対象となる塗装膜に対して測定プローブを介して電圧を印加するとともに、この測定プローブに流れる電流を検出してインピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、このインピーダンス測定手段で得られた測定結果を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された測定結果をネットワークを介して外部に伝送する伝送手段と、前記インピーダンス測定手段、記憶手段および伝送手段を少なくとも収納して携帯可能な大きさに形成される筐体とを備えた塗膜劣化診断装置と、
この塗膜劣化診断装置から伝送された測定結果を前記ネットワークを介して取り込んで解析処理または診断処理を実行する解析・診断手段と、前記ネットワークに接続された情報処理装置から配信要求があったときには、記憶している測定結果または解析・診断結果を読み出して、配信要求を出した情報処理装置に配信する配信手段とを備えた診断サーバ装置と、
を具備することを特徴とする塗膜劣化診断システム。 - 劣化状態の測定対象となる塗装膜に電圧を印加する電極と、
この電極を囲むように配置されるガード部と、
このガード部を囲むように配置されるアース部と、
を具備することを特徴とする測定プローブ。 - 請求項5に記載の測定プローブにおいて、
前記電極、ガード部およびアース部は柔軟性を持つ薄膜部材によって構成されることを特徴とする測定プローブ。 - 請求項5、6のいずれかに記載の測定プローブにおいて、
前記電極は前記塗装膜に貼り付く粘着層を持つことを特徴とする測定プローブ。 - 請求項7に記載の測定プローブにおいて、
前記粘着層は剥離自在な薄膜シールで封止されることを特徴とする測定プローブ。
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JP2005027991A Pending JP2006214869A (ja) | 2005-02-03 | 2005-02-03 | 塗膜劣化診断装置、塗膜劣化診断システムおよび測定プローブ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006214869A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2005
- 2005-02-03 JP JP2005027991A patent/JP2006214869A/ja active Pending
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