JP2006214079A - パイプクランプ用安全カバー - Google Patents

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浩一 西村
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Abstract

【課題】建設工事現場において仮設足場などを組み立てる際に使用されるパイプクランプに作業者や傍を通る一般通行人の衣服や手足などが引っ掛かって事故につながるのを防止するために当該パイプクランプに被せて使用する安全カバーの使用状態での安定性を高める。
【解決手段】弾性のある軟質合成樹脂から袋状に一体成形されたパイプクランプ用安全カバーであって、左右両側壁7a,7bと、この左右両側壁7a,7b間の周囲をパイプクランプ2に対する脱着用開口部8を残して閉じる周壁9とを有し、左右両側壁7a,7bには、前記脱着用開口部8から連設され且つ入り口が狭くなった鋼管脱着用凹入部10a,10bが形成され、この鋼管脱着用凹入部10a,10bの中心に対してカバー全体が前後対称形に構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、建設工事現場において仮設足場などを組み立てる際に使用されるパイプクランプに作業者や傍を通る一般通行人の衣服や手足などが引っ掛かって事故につながるのを防止するために当該パイプクランプに被せて使用する安全カバーに関するものである。
この種のパイプクランプ用安全カバーは、特許文献1に記載されるように従来周知のものであるが、この特許文献1に記載されるように従来のものは、ヒンジ部を備えた開閉式構造のものであって、ヒンジ部でつながった左右両側カバー部材をパイプクランプに対して被せた閉じ状態で互いに係止させる係止手段を備えたものであった。
実開平5−78821号公報
上記のような従来周知の開閉構造のパイプクランプ用安全カバーは、ヒンジ部や係止手段を備えた構造複雑なものであるだけでなく、左右両側カバー部材を展開した状態で成形しなければならないので、大型の金型が必要であり、全体として製造コストが非常に高くなるという問題点があった。
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得るパイプクランプ用安全カバーを提供することを目的とするものであって、その手段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、弾性のある軟質合成樹脂から袋状に一体成形されたパイプクランプ用安全カバーであって、左右両側壁7a,7bと、この左右両側壁7a,7b間の周囲をパイプクランプ2に対する脱着用開口部8を残して閉じる周壁9とを有し、左右両側壁7a,7bには、前記脱着用開口部8から連設され且つ入り口が狭くなった鋼管脱着用凹入部10a,10bが形成され、この鋼管脱着用凹入部10a,10bの中心に対してカバー全体が前後対称形に構成されている。
上記構成の本発明を実施するについて、具体的には、請求項2に記載のように、前記周壁9の前記脱着用開口部8に対して前後両側に位置する対向壁部9a,9bの内側に、パイプクランプ2の押さえ部材17の先端が係合する突出片13a,14aを突設することができる。この場合、請求項3に記載のように、前記周壁9の前後対向壁部9a,9bには、周方向に適当間隔を隔ててそれぞれ複数の突出片13a〜14bを突設させることができる。
また、請求項4に記載のように、脱着用開口部8の前後に位置する前記周壁9の両端部には、左右両側辺が前記左右両側壁7a,7bから切り離され且つ内向きに傾斜する舌片部16a,16bを連設することができる。
上記構成の本発明に係るパイプクランプ用安全カバーによれば、弾性のある軟質合成樹脂から袋状に一体成形されるカバーであるから、従来の開閉式のカバーと比較して構造が極めてシンプルであり、金型も小型のもので済むので安価に製造することができる。しかも使用に際しては、カバーの左右向きを気にせずに、左右両側壁の鋼管脱着用凹入部内にパイプクランプの左右両側に位置する鋼管を押し入れるように、脱着用開口部からカバー内にパイプクランプを嵌入させるだけのワンタッチ操作で、カバーをパイプクランプに装着することができ、非常に簡便に活用できる。
尚、請求項2に記載の構成によれば、挟持する鋼管の軸方向から見て左右非対称形で押さえ部材の先端が片側に突出する形状のパイプクランプの当該押さえ部材の先端とカバー周壁内面の前後何れかの突出片とを互いに係合させることができるので、カバーが鋼管の周りに回転するのを、少なくとも一方向の回転に関しては防止することができ、使用状態でのカバーの安定性を高めることができる。この場合、請求項3に記載の構成によれば、パイプクランプの押さえ部材の先端の位置が、例えば鋼管の直径が異なる場合のようにカバーの周方向に多少ばらつく状況であっても、何れかの突出片を当該押さえ部材の先端に確実に係合させて、所期の目的を達成できる。また、上下2つの突出片間に前記押さえ部材の先端を嵌合させることができるならば、カバーが鋼管の周りに正逆何れの方向に回転することも確実に防止することができ、使用状態でのカバーの安定性を一層高めることができる。
また、請求項4に記載の構成によれば、脱着用開口部の前後方向の広さを内向きに傾斜する前後一対の舌片部で十分に狭めながら、当該前後一対の舌片部はその左右両側辺が左右両側壁から切り離されて、内外何れの方向にも容易に弾性変形できる状態であるから、前後方向の広さが狭まった脱着用開口部からパイプクランプをカバー内に嵌入させる操作が容易に行え、しかもパイプクランプに被せた使用状態では、前後一対の前記舌片部によってカバーの周方向の遊びをを十分に少なくして、安定性を一層高めることができる。
以下に本発明の具体的実施例を添付図に基づいて説明すると、1は本発明の安全カバー、2はこの安全カバー1で保護されるパイプクランプであって、同一のパイプクランプ3とベース部材4において連結されている。5,6は両パイプクランプ2,3によって互いに交叉する状態で結合される2本の鋼管である。
安全カバー1は、弾性のある軟質合成樹脂から袋状に一体成形されたもので、左右両側壁7a,7bと、この左右両側壁7a,7b間の周囲をパイプクランプ2に対する脱着用開口部8を残して閉じる周壁9とを有し、左右両側壁7a,7bには、前記脱着用開口部8から連設され且つ入り口が狭くなった鋼管脱着用凹入部10a,10bが形成され、この鋼管脱着用凹入部10a,10bの中心に対してカバー全体が前後対称形に構成されている。更に詳述すれば、鋼管脱着用凹入部10a,10bは、鋼管5が丁度内嵌し得る内径の円形孔部11と、この円形孔部11から外広がりに連なる鋼管嵌入用開口縁部12とから形成され、これら円形孔部11の周縁及び鋼管嵌入用開口縁部12には外向きに補強用リブが一体成形されている。
また、前記周壁9の前記脱着用開口部8に対して前後両側に位置する対向壁部9a,9bの内側に、周方向に適当間隔を隔ててそれぞれ上下2つの突出片13a,13b及び14a,14bが一体に突設されている。これら突出片13a〜14bは、左右両側壁7a,7bをつなぐ左右方向に沿った線状のものである。更に、前記周壁9の脱着用開口部8の前後に位置する両端部には、左右両側辺が切込み15a,15bにより前記左右両側壁7a,7bから切り離され且つ内向きに傾斜する舌片部16a,16bが一体に連設されている。
パイプクランプ2,3は従来周知のもので、ほぼL形のベース部材4の一端立ち上がり部に押さえ部材17を支軸18により開閉自在に軸支すると共に、ベース部材4の他端部に前記支軸18と平行な支軸19により揺動自在に軸支された締結用ボルト20を押さえ部材17の先端二股部に嵌合させた状態で、当該ボルト20に螺嵌させたナット21で押さえ部材17をベース部材4側に押圧することにより、ベース部材4と押さえ部材17との間で鋼管5,6を挟持固定できるように構成したものである。
上記構成の安全カバー1の使用方法を説明すると、互いに連結一体化された2つのパイプクランプ2,3のそれぞれで鋼管5,6を挟持固定することにより、鋼管5,6を互いに交叉する状態に連結したパイプクランプ使用場所において、一方のパイプクランプ2に安全カバー1が必要な状況である場合、安全カバー1を、その左右両側壁7a,7bの鋼管脱着用凹入部10a,10bの共通軸心が鋼管5と平行になる向きで、その脱着用開口部8からパイプクランプ2がカバー内に入り込むように当該パイプクランプ2に被せると同時に、鋼管脱着用凹入部10a,10b内に鋼管5を嵌入させる。このとき脱着用開口部8の周囲、即ち、前後一対の舌片部16a,16bや左右両側壁7a,7bの脱着用開口部8を形成する端辺、及び鋼管脱着用凹入部10a,10bを形成する鋼管嵌入用開口縁部12などが弾性に抗して変形せしめられる。換言すれば、安全カバー1は、上記のように脱着用開口部8の周囲の弾性変形を伴う状態でパイプクランプ2に被せると共に鋼管5を鋼管脱着用凹入部10a,10bに内嵌させることができるようなサイズに構成されている。
上記のように安全カバー1を装着するとき、当該安全カバー1が前後対称形に構成されているので、その周壁9の対向壁部9a,9bの内、どちら側がパイプクランプ2の押さえ部材17の先端部(ボルト20が嵌合するように二股状になっている端部)に隣接する向きであっても、同じ条件でパイプクランプ2に被せることができ、その結果、図1Aに示すように、当該パイプクランプ2の押さえ部材17の先端部が突出片13a〜14bの内、何れか少なくとも一つに係合することになる。図では片側の上下一対の突出片14a,14b間に押さえ部材17の先端部が嵌合し、当該押さえ部材17の先端部の下部が下側の突出片14aの上に係合し、安全カバー1が鋼管5の周りで反時計方向に回転するのを完全に阻止している。安全カバー1が鋼管5の周りで時計方向に回転することは、斜め内向きの舌片部16bの先端とパイプクランプ2のベース部材4との当接により制限されるので、安全カバー1が周方向に大きくガタつくことがなく、パイプクランプ2を覆う所期姿勢で安定することになる。
尚、成形面で無理のない範囲で突出片13a〜14bの突出高さを高くして、パイプクランプ2の押さえ部材17の先端部が上下の突出片14a,14b間(または13a,13b間)で挟まれるように構成することもできる。また、使用状態において、パイプクランプ2の押さえ部材17の先端部の下側に係合する突出片13a,14aのみとし、上側の突出片13b,14bを無くすことも可能である。
上記実施形態では、互いに連結された2つのパイプクランプ2,3の内、一方のパイプクランプ2のみに安全カバー1を装着する例を述べたが、これらパイプクランプ2,3が存在する場所の状況に照らして、他方のパイプクランプ3に安全カバー1を装着することもできるし、両方のパイプクランプ2,3の何れにも安全カバー1を装着することもできる。
A図は安全カバーの使用状態を示す一部縦断正面図であり、B図は同一部縦断側面図である。 安全カバーの斜視図である。 A図は安全カバーの縦断正面図であり、B図は安全カバーの縦断側面図である。
符号の説明
1 安全カバー
2,3 パイプクランプ
5,6 鋼管
7a,7b 左右両側壁
8 脱着用開口部
9 周壁
10a,10b 鋼管脱着用凹入部
11 円形孔部
12 鋼管嵌入用開口縁部
13a〜14b 突出片
15a,15b 切込み
16a,16b 舌片部
17 パイプクランプの押さえ部材

Claims (4)

  1. 弾性のある軟質合成樹脂から袋状に一体成形されたパイプクランプ用安全カバーであって、左右両側壁と、この左右両側壁間の周囲をパイプクランプに対する脱着用開口部を残して閉じる周壁とを有し、左右両側壁には、前記脱着用開口部から連設され且つ入り口が狭くなった鋼管脱着用凹入部が形成され、この鋼管脱着用凹入部の中心に対してカバー全体が前後対称形に構成されている、パイプクランプ用安全カバー。
  2. 前記周壁の前記脱着用開口部に対して前後両側に位置する対向壁部の内側に、パイプクランプの押さえ部材先端が係合する突出片が突設されている、請求項1に記載のパイプクランプ用安全カバー。
  3. 前記周壁の前後対向壁部の突出片は、周方向に適当間隔を隔ててそれぞれ複数突設されている、請求項2に記載のパイプクランプ用安全カバー。
  4. 前記脱着用開口部の前後に位置する周壁の両端部には、左右両側辺が前記左右両側壁から切り離され且つ内向きに傾斜する舌片部が連設されている、請求項1〜3の何れかに記載のパイプクランプ用安全カバー。
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