JP2006213596A5 - - Google Patents
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Description
本発明はコンクリート廃材から骨材を再生製造する方法に関する。
建造物の解体や改良・改築に伴い、多量のコンクリート廃材が発生する。このようなコ
ンクリート廃材のおよそ半数は道路舗装用路盤材や埋め戻し材等に再利用されているが、残りは殆どが廃棄処分にされている。
ンクリート廃材のおよそ半数は道路舗装用路盤材や埋め戻し材等に再利用されているが、残りは殆どが廃棄処分にされている。
一方、コンクリートには骨材が大量に含まれているが、砂利、河砂等の良質の天然骨材は採取が困難になってきており、骨材資源の枯渇問題解消とコンクリート廃材の有効活用の両面から、コンクリート廃材から含有骨材を回収し、再利用することが検討されている。
しかるに、コンクリート廃材を、例えば含有骨材の最大寸法に近い大きさ以下に破砕しただけの破砕物は、骨材に、骨材を結合していたセメントペーストが付着した粒や塊となっており、加えてセメントペーストのみからなる比較的微小な粒も混在している。この様なセメントペーストは通常の骨材に比べると強度的にもかなり低く脆弱である為、骨材として再利用するとコンクリートの強度や耐久性が著しく低下する。このため、骨材に付着したセメントペースト分や混在するセメントペースト粒を除去する種々の試みが行われている。このうち最も容易な方法として、コンクリート廃材の粗破砕物を粉砕機や研磨機等を用い、磨砕や研磨処理を行って骨材に付着したセメントペースト分を剥離し、同時に混在するセメントペースト塊を粉砕した後、セメントペースト分を減じた骨材粒を細骨材と粗骨材とに選別し回収する方法がある。しかし、この方法では骨材に付着したセメントペースト分の剥離量は磨砕や研磨処理の程度に依存するが、一方で処理中に生じる極微粉セメントペーストの増大とともに磨砕や研磨効率が低下する。また、付着セメントペースト分を一掃するために強力な磨砕や研磨処理により粗破砕物の磨砕や研磨処理を著しく進めると、回収される骨材に占める細骨材の割合が増大することに繋がり、粗骨材の再生には適し難くなる。
この発明は、コンクリート廃材から、含有骨材を再生する方法であって、付着セメントペースト、及び混入セメントペースト粒の少ない粗骨材及び細骨材を極めて簡単に製造する方法を提供することを目的とする。
前記課題解決に際し、本発明者らは、コンクリート廃材を破砕した破砕物の粒度とセメントペースト含有率との関係に着目した。本発明者らによる該関係の調査結果は、セメントペースト含有率が、破砕物粒径が5mm以上のものでは3%未満(重量比率、以下同様)であり、0.6mm以上5mm未満のものでは8%未満、0.3mm以上0.6mm未満では概ね15〜30%、0.15mm以上0.3mm未満のものでは約40%以上、0.15mm未満のものでは約70%以上であり、通常0.3mm未満、とりわけ0.15mm未満のものではセメントペーストのみからなる破砕粒が多量に含まれていた。このことから本発明者らは、粒径0.15mmのものを排除し、5mm以上の粒径のものを粗骨材、0.6〜5mmの粒径のものを細骨材としてそのまま回収し、0.15〜0.6mmの粒径のもののみを磨砕処理するだけで、セメントペースト含有量が低減された骨材を極めて簡単に得られることを見出した。
即ち、本発明は、コンクリート廃材を、最大破砕塊の最大径が、該廃材に含まれる骨材の最大径の約0.8〜約1.2倍以下の大きさに破砕し、破砕物を分級し、粒径5mm以上の粒を粗骨材、粒径0.6mm以上で5mm未満の粒を細骨材としてそれぞれ回収し、粒径0.6mm未満の粒を磨砕し、セメントペースト分を骨材粒から剥離せしめた後、粒径0.15mm以上の粒を細骨材として回収することを特徴とする再生骨材の製造方法である。
また本発明は、磨砕が、予め0.15mm未満の粒を除去し、粒径0.6mm未満で0.15mm以上の粒を磨砕することである前記の再生骨材の製造方法である。
本発明は、コンクリート廃材を破砕する際、含有最大骨材の最大径のおよそ20%前後の許容値以下の大きさにせしめたものであるため、細骨材のみならず粒子形状の良い粗骨材の同時再生にも適し、さらにこの破砕物の大きさは、多種類の破砕機や破砕工程を必要とせずに容易に得ることができる大きさであり、かつ後の工程の処理にも適した大きさであるため、生産性の著しい向上を導く。また、該破砕工程に加え、その後の工程も極めて簡易な工程と作業、及び僅かな種類の汎用装置を用いるだけでよく、このような生産コストが低く、極めて簡単な本製造方法によりセメントペースト含有量が少ない粗骨材と細骨材を、原コンクリート廃材中に含まれていたのとほぼ同じ骨材比率で得ることができる。
本発明に於けるコンクリート廃材の派生源や採取法は特に限定されないが、一般には建造物の解体や改良・改築等により発生した廃材からコンクリート廃材を任意の手段で選別する。
選別された該コンクリート廃材を、破砕機により破砕する。破砕機は対象とするコンクリート廃材の大きさに応じて適宜選定すれば良く、特に限定されるものではないが、一例として大型廃材であればジョークラッシャーやジャイレトリークラッシャー、比較的小型廃材であればインパクトクラッシャーやコーンクラッシャー等を用い、最大破砕塊の最大径が、コンクリート廃材に含まれる骨材の最大径の約0.8〜約1.2倍以下となるように破砕する。ここで最大破砕物の最大径がコンクリート廃材に含まれる骨材の最大径の約0.8倍未満では最終的に回収される粗骨材の割合が著しく低くなったり、骨材そのものが破損したり割れたりする物の割合が多くなるので好ましくなく、また同様に1.2倍を越えると骨材に付着したセメントペースト除去の為の処理時間が長くなる等、後工程の処理が困難になるので好ましくない。
この様な大きさに破砕された破砕物を、公知の任意の分級手法、例えば楕円振動篩やジャイロシフター等を用いて分級し、粒径5mm以上のものを粗骨材、粒径0.6mm以上5mm未満のものを細骨材としてそのまま回収する。又、粒径0.15mm未満のものは大部分がセメントペースト分であるため、生産効率や骨材回収率の点から除去するのが望ましい。
粒径0.15mm未満のものを予め除去した粒径0.6mm未満の破砕物については、公知の粉砕機、例えばボールミルやロッドミル等を用いて、乾式にて磨砕処理を行い、骨材付着セメントペーストの剥離させ、並びに混在するセメントペースト粒や剥離物を粒径0.15mm未満となるように粉砕する。ここで、磨砕処理の方法としては、一般の粉砕用媒体を用いても、又はこのような粉砕媒体を用いずに被処理物のみによる共擦りを行っても良い。磨砕時間、磨砕力等は処理量や処理物の平均粒径等に応じて定めるのが望ましいが、目安の一例としては、ボールミル粉砕機を用いての共擦り処理の場合、処理物量:10Kg、ミル容積:0.07m3、処理物の平均粒径:0.3mm、ミル回転速度:40rpmである場合、処理時間は20〜30分程度とすることができる。この磨砕処理により得た粒を篩に通し、0.15mm未満の微粉を除去し、0.15mm以上の粒のみを細骨材として回収する。
以下、本発明の製造方法を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
[実施例1] 含有骨材の最大直径約25mm、粗骨材含有率44重量%、細骨材含有率35重量%のコンクリート廃材25Kgをジョークラッシャー破砕機で約27mm以下に破砕した。破砕物を振動篩により分級し、各粒度別に骨材に付着するセメントペースト含有率を調べた。破砕物の粒度分布とセメントペースト含有率を表1に示す。尚、セメントペーストの含有率は、JISR−5202に準じた化学分析法により求まるCaより算出した。
[実施例1] 含有骨材の最大直径約25mm、粗骨材含有率44重量%、細骨材含有率35重量%のコンクリート廃材25Kgをジョークラッシャー破砕機で約27mm以下に破砕した。破砕物を振動篩により分級し、各粒度別に骨材に付着するセメントペースト含有率を調べた。破砕物の粒度分布とセメントペースト含有率を表1に示す。尚、セメントペーストの含有率は、JISR−5202に準じた化学分析法により求まるCaより算出した。
分級後、粒径5mm以上の粒については粗骨材として、粒径0.6mm以上5mm未満の粒は細骨材としてそれぞれそのまま回収した。粒径0.6mm未満のものについては全量(約10Kg)を、内容積0.07m3、回転速度40rpmのボールミル磨砕機に鉄製の球形磨砕媒体総量約0.007m3と共に投入し、10分間磨砕を行った。磨砕後、被磨砕物を篩いにかけ、粒径0.15mm以上のものを細骨材として回収した。回収した0.15mm以上0.6mm未満の細骨材のセメントペースト含有量は、6.9%、比重は2.54、吸水率は2.57%であった。回収できた粗骨材及び細骨材の全量、回収率、及びセメントペースト含有量、JISA−1109、JIS A−1110に準じてそれぞれ測定した比重及び吸水率の各結果を表2に表す。
[実施例2] 前記実施例1と同様の方法で得た同様のコンクリート廃材破砕粒を振動篩により分級し、粒径5mm以上の粒については粗骨材として、粒径0.6mm以上5mm未満の粒についてはそのまま細骨材としてそれぞれ回収し、0.6mm未満の粒については全量(約10Kg)を、実施例1と同様の磨砕装置に入れ、磨砕媒体を使用せずに、回転速度40rpm、処理時間20分で共擦り磨砕処理した。磨砕後、被磨砕物を篩いにかけ、粒径0.15mm以上のものを細骨材として回収した。回収できた粗骨材及び細骨材の全量、回収率、及び実施例1と同様の方法により求めたセメントペースト含有量、比重、吸水率を表3に示す。
[比較例1] 前記実施例1と同様の方法で得た同様のコンクリート廃材破砕物を実施例1と同様のボールミル磨砕機に実施例1と同じ磨砕媒体約0.007m3と共に全て入れ、回転速度40rpmで60分間磨砕を行った。磨砕後、被磨砕物を振動篩により分級し、粒径5mm以上のものを粗骨材とし、粒径5mm未満で0.15mm以上のものを細骨材として回収した。回収できた粗骨材及び細骨材の全量、回収率、及び実施例1と同様の方法により求めたセメントペースト含有量、比重、吸水率を表4に示す。
[比較例2] 前記実施例1と同様のコンクリート廃材25Kgをジョークラッシャー破砕機で約35mm以下に破砕した。この破砕物から実施例1と同様の方法、条件で粗骨材、細骨材を回収した。回収できた粗骨材及び細骨材の全量、回収率、及び実施例1と同様の方法により求めたセメントペースト含有量、比重、吸水率を表5に示す。
[比較例3] 前記実施例1と同様のコンクリート廃材25Kgをジョークラッシャー破砕機で約15mm以下に破砕した。この破砕物から実施例1と同様の方法、条件で粗骨材、細骨材を回収した。回収できた粗骨材及び細骨材の全量、回収率、及び実施例1と同様の方法により求めたセメントペースト含有量、比重、吸水率を表6に示す。
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