JP2006212321A - 超微細鉗子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】超微細鉗子を容易にかつ高精度に、しかもより一層微細に製造できるようにする。
【解決手段】超微細鉗子1の一対の鰐口部材3,4は鉗子ピン5で互いに相対回動可能に連結されている。一対の鰐口部材3,4はまったく同じものであり、これらの鰐口部材3,4には、それぞれ、一端側に所定数の歯3a,4aが形成されているとともに、他端側に連結軸3b,4bが設けられ、更に中央部に鉗子ピン5が貫通される貫通孔3c,4cが穿設されている。これらの鰐口部材3,4は、直径0.6mm以下の内視鏡8のワーキングチャンネル9に挿入可能とするために超微細鉗子1として組み立てた状態ではきわめて微細にする必要がある。このため、鰐口部材3,4に板状部材を用いるとともに、これらの板状部材に必要な成形は、せん断、鍛造、穴あけ、半抜きの塑性加工で行われる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内視鏡のワーキングチャンネルに挿入し,対象物を的確に把持したり、あるいは対象物を採取したりする超微細鉗子の製造方法の技術分野に関するものある。
従来、人体の内部に挿入されてこの人体内部を検視するために内視鏡が用いられている。また、この内視鏡には超微細鉗子が備えられており、この超微細鉗子は内視鏡の細い可撓性の管状体からなるワーキングチャンネルに挿入されて、遠隔操作により人体内部の対象物を把持,または採取するものである。
図11は、このような従来の超微細鉗子の先端部分である鰐口を示す図であり、図12は図11に示す鰐口を有する超微細鉗子を内視鏡に用いられた状態を示す図である。
図11に示すように、超微細鉗子1は、その先端部に設けられる鰐口2で対象物を把持するものである。この超微細鉗子1は一対の鰐口部材3,4を備えており、これらの鰐口部材3,4には、それぞれ、鉗子ピン5に関し一側に鋸歯状の所定数の歯3a,4aが互いに対向するように形成されているとともに、鉗子ピン5に関し他側にだぼからなる連結軸3b,4bが設けられている。そして、一対の鰐口部材3,4は鉗子ピン5で互いに相対回動可能に、つまり鰐口部材3,4の歯3a,4aが当接する閉じた状態(不図示)と歯3a,4aが離間する開いた状態(図11に示す状態)との間で開閉可能に連結されている。その場合、鰐口部材3,4の歯3a,4aの部分が対象物の把持作用を行う作用点部を構成し、また鉗子ピン5が鰐口部材3,4の回動中心となる支点部を構成し、更に連結軸3b,4bが力を加えられる力点部を構成している。
図12に示すように、この超微細鉗子1は、鰐口部材3,4の連結軸3b,4bにそれぞれ連結板6,7が連結されるとともに、これらの連結板6,7がそれぞれ図示しない遠隔操作ワイヤに連結されている。遠隔操作ワイヤは、内視鏡8のワーキングチャンネル9とこのワーキングチャンネル9に取り付けられて鰐口2を支持するスリーブ10とに挿通されている。なお、図12中、11,12はそれぞれ内視鏡8のレンズである。
このような超微細鉗子1においては、図12に示すように内視鏡8が人体内部に挿入されるとき、一緒に人体内部に挿入される。そして、内視鏡8で見ながら遠隔操作ワイヤを引き操作して鰐口部材3,4を閉じることで、それぞれの歯3a,4aの間に対象物が挟持されて把持あるいは採取される。また、遠隔操作ワイヤを押し操作して鰐口部材3,4を開くことで、挟持された対象物が解放される。
このような超微細鉗子1には、微細な対象物の把持あるいは採取が確実に行われるようにすることが求められる。特に、超微細鉗子1は医療に用いられる場合が多いが、医療に用いられる場合には人体内部に挿入された超微細鉗子1により、人体内部でかつ遠隔操作で所定の作業が行われるようになるため、安全でかつ確実な動作が行われるようにすることが重要である。
ところで、超微細鉗子1は内視鏡8のワーキングチャンネル9に用いられる関係で,鉗子1の大きさはワーキングチャンネル9の大きさに規定されるため、用いる部位により適当な大きさの鉗子1が選択されている。
従来、このような超微細鉗子1においては、多くの場合,鰐口2は主に丸棒状素材を切削する方法で製造されている。しかし、超微細鉗子1がきわめて微細であり、しかも超微細鉗子1の鰐口部材3,4が歯3a,4a、連結軸3b,4bおよび孔等の凹凸部を有して比較的複雑な形状を呈していることから、丸棒状素材の切削加工方法では、加工に長時間を必要とするため生産性が低いばかりでなく、歩留まりが悪く,更に熟練を要するという問題がある。
一方、近年の高度医療に対応すべく内視鏡自体の細径化が進められていることから、鉗子1の微細化も進められており、現在では、直径1.2mmのワーキングチャンネル9に適用可能な鉗子1が開発されている。しかし、更なる高度医療に対応するために、より微細な部分の対象物の把持や採取ができるように鰐口2を成形した超微細鉗子の製造方法が求められる。このため、鰐口2を前述の丸棒状素材の切削加工により加工しようとすると、鰐口2の切削加工方法では前述の問題があるため、より微細な部分の対象物のための超微細鉗子の製造が難しい。
そこで、丸棒状素材をプレスにより塑性加工することで、鰐口2の鰐口部材3,4を製造することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示の超微細鉗子の製造方法は、前述のような複雑な形状の鰐口部材3,4を塑性加工により製造するので、品質とコストとのバランスにおいて優れている。
特開平8−84734号公報。
ところで、鰐口部材3,4の歯3a,4aが形成される部分は、対象物を確実に把持するために平面にする必要がある。しかしながら、特許文献1に開示の超微細鉗子の製造方法では、丸棒状素材から鰐口部材3,4を製造していることから、丸棒状素材を弦方向に切断することで平面を形成しなければならない。このため、製造工数が多いという問題がある。しかも、超微細鉗子1がきわめて微細であることから、丸棒状素材も微細であるため、このような弦方向の切断加工は難しく、鰐口部材3,4を容易にかつ高精度に製造することが難しいばかりでなく、超微細鉗子1の微細化にも限度があるという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、超微細鉗子を容易にかつ高精度に、しかもより一層微細に製造することのできる超微細鉗子の製造方法を提供することである。
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、鉗子ピンで互いに開閉可能に連結されて対象物を把持および採取の少なくとも1つを行う鰐口部を有する一対の鰐口部材を備え、これらの鰐口部材に設けられた連結軸に遠隔操作ワイヤから一方向の操作力を加えて一対の鰐口部材を閉じることで対象物を把持および採取の少なくとも1つを行い、遠隔操作ワイヤから前記一方向と逆方向の操作力を加えて一対の鰐口部材を開くことで把持および採取の少なくとも1つを行った対象物を解放する超微細鉗子の製造方法において、
金属板材を塑性加工することにより前記鰐口部材の鰐口部を所定形状に成形するとともに前記鰐口部材の連結軸を所定形状に成形する加工、更に、塑性加工、レーザ加工、放電加工、機械加工のいずれか1つにより,前記鉗子ピンが貫通する貫通孔を成形する加工、更に、前記鰐口部の加工、前記連結軸の加工、および前記貫通孔の加工で発生したバリを除去する加工からなることを特徴としている。
また、請求項2の発明は、前記鰐口部の所定形状が所定数の歯の形状であり、これらの歯を等間隔または不等間隔で配列するとともに、前記歯の断面形状を台形または三角形に成形することを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記鰐口部の所定形状として、所定数の歯を成形することを特徴としている。
更に、請求項4の発明は、前記鰐口部の歯形成面の中央部に、長手方向に延びる凹部を成形し、前記歯を鰐口部の両側縁部に沿って成形することを特徴としている。
更に、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1記載の超微細鉗子の製造方法で製造された前記鰐口部材と、前記超微細鉗子の前記鰐口部材以外の他の構成部材で別に製造された構成部材とを用いて、内視鏡のワーキングチャンネル内で対象物を把持する機能および採取する機能の少なくとも1つの機能を有するように構成したことを特徴としている
更に、請求項6の発明は、0.6mm以下の内視鏡のワーキングチャンネルに挿入可能に製造することを特徴としている。
このように構成された本発明の超微細鉗子の製造方法によれば、金属板材を塑性加工することで超微細鉗子の鰐口部材を成形しているので、きわめて微細な鰐口部材を成形することができる。これにより、この鰐口部材を用いて超微細鉗子を容易にかつ高精度に、しかもより一層微細に製造することができ、製造された超微細鉗子は直径0.6mm以下の、例えば0.3mm程度の内視鏡のワーキングチャンネルにも確実に挿入することが可能となる。また、先端の鰐口部材の開閉動作を正確に行うことができ,対象物を確実に把持および採取の少なくとも1つを行うことができる。
したがって、本発明の超微細鉗子を医療用鉗子として用いることで、超微細医療用鉗子の製造を容易にでき、高い生産性を得ることができる。このように生産性を向上できることから、超微細鉗子の高精度の鰐口部材を安定的に供給できるようになる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係る超微細鉗子の製造方法の実施の形態の一例で製造される超微細鉗子を示し、(a)は平面図、(b)は閉じた状態の正面図、(c)は開いた状態の正面図である。なお、前述の従来と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
図1(a)および(b)に示すように、この例の超微細鉗子1は、前述の従来と同様に一対の鰐口部材3,4を備えており、これらの鰐口部材3,4は鉗子ピン5で互いに相対回動可能に連結されている。一対の鰐口部材3,4は互いにまったく同じものであり、図2(a)および(b)に示すようにこれらの鰐口部材3,4には、それぞれ、一端側に長手方向に等間隔を置いて配置された鋸歯状の所定数の歯3a,4aからなる鰐口部が形成されているとともに、他端側に連結軸3b,4bが設けられ、更に中央部に鉗子ピン5が貫通される貫通孔3c,4cが穿設されている。所定数の歯3a,4aは、いずれも横断面形状が台形に形成されている。なお、これらの歯3a,4a横断面形状は、いずれも台形に限定されることはなく、例えば三角形状等、対象物を確実に把持および採取の少なくとも1つを行うことができるものであれば、どのような形状に形成することもできる。また、所定数の歯3a,4aの間隔も等間隔に限定されることなく、不等間隔に配置することもできる。
これらの鰐口部材3,4は、直径0.6mm以下の、例えば0.3mm程度の内視鏡8のワーキングチャンネル9に挿入可能とするために超微細鉗子1として組み立てた状態ではきわめて微細にする必要がある。このため、鰐口部材3,4に板状部材を用いるとともに、これらの板状部材に必要な成形は、せん断、鍛造、穴あけ、半抜きの塑性加工で行われる。なお、これらの加工順序は特定しなく、任意である。そして、例えば、順送り型を用いたプレス加工で行うことができる。
図3(a)に示すようにまた、鉗子ピン5は、軸部5aと、軸部5aの一端に形成された頭部5bと、軸部5aの他端部に設けられた係止溝部5cとからなっている。鉗子ピン5の係止溝部5cには、図3(b)に示す環状の鉗子ピン留めプレート13が嵌合係止されるようになっている。鉗子ピン5は確実な操作が行われるようにするため、十分な強度、寸法精度が必要であり、切削加工または転造で製造される。また、鉗子ピン留めプレート13はエッチングまたはせん断加工で製造される。
鰐口部材3,4の連結軸3b,4bにはそれぞれ連結板6,7の一端部が相対回動可能に連結されるとともに、これらの連結板6,7の他端部がともに遠隔操作ワイヤ14に連結板ピン15で相対回動可能に連結される。各連結板6,7はまったく同じものであり、図4(a)および(b)に示すようにこれらの連結板6,7には、それぞれ、一端側に連結軸3b,4bが貫通される連結孔6a,7aが穿設されているとともに、他端側に連結板ピン15が貫通される連結孔6b,7bが穿設されている。これらの連結孔6a,7a;6b,7bは、いずれも円滑な操作が可能なように成形される必要があるため、打抜き加工またはエッチング加工で製造される。
そして、鰐口部材3,4と連結板6,7とによりリンク機構が構成されており、このリンク機構は、図1(b)に示すように鰐口部材3の歯3aと鰐口部材4の歯4aとが当接する閉じた状態と、図1(c)に示すように鰐口部材3の歯3aと鰐口部材4の歯4aとが離間する開いた状態との間で鰐口部材3,4を開閉する開閉機構を構成している。
図5(a)および(b)に示すように、遠隔操作ワイヤ14は断面円形状の可撓性材で形成されており、その一端部には互いに平行な一対の平坦面14a,14bが形成されているとともに、連結板ピン15が貫通される連結孔14cがこれらの平坦面14a,14bの部分を貫通して穿設されている。
遠隔操作ワイヤ14の連結板6との連結部は、平坦面14a,14bの段付き加工および連結孔14cの孔開け加工が必要であるが、段付き加工は鍛造の塑性加工、孔開け加工は打抜き加工でそれぞれ行われ、あるいはこれらの加工は切削加工で行われる。
図6(a)に示すようにまた、連結板ピン15は鉗子ピン5とほぼ同じ形状を有しており、軸部15aと、軸部15aの一端に形成された頭部15bと、軸部15aの他端部に設けられた係止溝部15cとからなっている。連結板ピン15の係止溝部15cには、図6(b)に示す環状の連結ピン留めプレート16が嵌合係止されるようになっている。
連結板ピン15は確実な操作が行われるようにするために、十分な強度および寸法精度が必要であり、切削加工または転造で製造される。また、連結板ピン留めプレート16はエッチングまたはせん断加工で製造される。
一対の鰐口部材3,4は図12に示すワーキングチャンネル9に取り付けられたスリーブ10に鉗子ピン5で回動可能に支持されている。図7に示すように、スリーブ10は筒状部材10aからなり、この筒状部材10aの一端から突出しかつ互いに対向する一対の支持アーム10b,10cを有している。各支持アーム10b,10cの先端部には、それぞれ鉗子ピン5が貫通される貫通孔10d,10eが穿設されている。
スリーブ10はリンク機構を形成するためのものであるとともに,超微細鉗子1全体を構成する外筒である。各支持アーム10b,10cおよび各貫通孔10d,10eはせん断による塑性加工、ワイヤー放電加工、またはエッチングにより製造される。
一対の鰐口部材3,4、鉗子ピン5、連結板6,7、スリーブ10、鉗子ピン留めプレート13、遠隔操作ワイヤ14、連結板ピン15、連結板ピン留めプレート16は、安全性が確保されるとともに、正確かつ確実な動作が行われるようにするために、いずれも、それらの成形寸法と許容誤差の設定を厳しくする必要があるとともに、成形各部のバリが生じることがないようにする必要がある。
そして、一対の連結板6,7の一端側の連結孔6a,7aを一対の鰐口部材3,4の連結軸3b,4bにそれぞれに嵌合させて、これらのの連結板6,7を一対の鰐口部材3,4に回動可能に連結する。また、図12に示す従来例と同様に内視鏡8のワーキングチャンネル9とこのワーキングチャンネル9に取り付けられたスリーブ10とに挿通された遠隔操作ワイヤ14の一対の平坦面14a,14bに、一対の連結板6,7の他端側をあてがい、連結板6,7の連結孔6b,7bと遠隔操作ワイヤ14の連結孔14cとを合致させた状態で連結板ピン15をこれらの連結孔6b,7b,14cに貫通させるとともに、連結板留めプレート16を係止溝部15cに嵌合係止させる。これにより、一対の連結板6,7が遠隔操作ワイヤ14に回動可能に連結される。
更に、一対の鰐口部材3,4をそれらの貫通孔3c,4cが合致するようにしてスリーブ10の一対の支持アーム10b,10cの間に配置し、この状態で、鉗子ピン5をスリーブ10の一方の貫通孔10dに貫通させるとともに、一対の鰐口部材3,4の貫通孔3c,4cに貫通させ、更にスリーブ10の他方の貫通孔10eに貫通させ、鉗子ピン留めプレート13を係止溝部5cに嵌合係止させる。これにより、一対の鰐口部材3,4がスリーブ10の一対の支持アーム10b,10cに回動可能に支持される。
このように一対の鰐口部材3,4が支持アーム10b,10cに回動可能に支持されるとともに、連結板6,7を介して遠隔操作ワイヤ14に連結された状態では、鰐口部材3,4の歯3a,4aの部分により対象物の把持作用を行う作用点部が構成され、また鉗子ピン5により鰐口部材3,4の回動中心となる支点部が構成され、更に連結軸3b,4bにより遠隔操作ワイヤ14から操作力を加えられる力点部が構成されている。
この例の超微細鉗子1の製造方法によれば、金属板材を塑性加工することで超微細鉗子1の鰐口部材3,4を成形しているので、きわめて微細な鰐口部材3,4を成形することができる。これにより、この鰐口部材3,4を用いて超微細鉗子1を容易にかつ高精度に、しかもより一層微細に製造することができ、製造された超微細鉗子1は直径0.6mm以下の、例えば0.3mm程度の内視鏡8のワーキングチャンネル9にも確実に挿入することが可能となる。また、先端の鰐口部材3,4の開閉動作を正確に行うことができ,対象物を確実に把持および/または採取することができる。
したがって、この例の製造方法で製造された超微細鉗子1を医療用鉗子として用いることで、超微細医療用鉗子の製造を容易にでき、高い生産性を得ることができる。このように生産性を向上できることから、超微細鉗子1の高精度の鰐口部材を安定的に供給できるようになる。
この例の超微細鉗子1の製造方法の他の構成および他の作用効果は、前述の従来の製造方法と同じである。
(製作実験)
本発明の塑性加工による超微細鉗子の製造方法により,内視鏡8の直径0.6mmのワーキングチャンネル9に挿入できる超微細医療用鉗子1を製作した。材料はすべてステンレス鋼SUS304の板状部材である。
まず鰐口部材3,4は、厚み0.3mmのステンレス板材を素材とし、このステンレス板材の加工として14工程の順送り金型加工とした。
基本的には歯3a,4aはせん断、連結軸3b,4bを構成するだぼは半抜き、貫通孔3c,4cは穴抜き、段付き部は鍛造、外周はせん断の各加工を用いた。発生したバリは砥粒中の研磨で除去した。図8に示すように、こうして製造された鰐口部材3,4は0.3mm程度の幅を有し、歯部3a,4aを始め、他の部分についてもすべて満足できるきわめて微細な鰐口部材3,4が得られた。
その他の部品については、塑性加工を中心に多様な加工法を駆使して製造した。そしてすべての加工が塑性加工で可能なこと,総合的に塑性加工が優れていることが確認された。
こうして製造された各部品を組み立てることで、図9に示すように内視鏡の直径0.6mmのワーキングチャンネル9に挿入可能な超微細鉗子1を完成させた。完成した超微細鉗子1は、その幅が比較のため撮影した0.3mmのシャープペンの芯とほぼ同じ0.3mm程度であるとともに、この超微細鉗子1の機能についても開閉が確実に行われて満足すべき結果が得られた。
図10は、本発明に係る超微細鉗子の製造方法の実施の形態の一例で製造される超微細鉗子を模式的に示す斜視図である。なお、前述の例と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
図10に示すように、この例の超微細鉗子1は、図1ないし図7に示す前述の例の超微細鉗子1において、鰐口部材3,4の歯3a,4a形成面側の中央部に長手方向に延びる凹部3d,4dが形成されていて、歯3a,4aが鰐口部材3,4の両側縁部に沿って設けられている。このように凹部3d,4dが形成されることで、両側縁部に沿って設けられた歯3a,4aによって対象物をより確実に把持および/または採取できるようになる。この例の超微細鉗子1の他の構成は図1ないし図7に示す前述の例と同じである。また、この例の超微細鉗子1の他の作用効果も図1ないし図7に示す前述の例と実質的に同じである。
本発明の超微細鉗子の製造方法は、内視鏡のワーキングチャンネルに挿入し,対象物を的確に把持したり、および/または、対象物を採取したりする超微細鉗子の製造方法に利用でき、特に医療用の超微細鉗子の製造方法に好適に利用することができる。
本発明に係る超微細鉗子の製造方法の実施の形態の一例で製造される超微細鉗子を示し、(a)は平面図、(b)は閉じた状態の正面図、(c)は開いた状態の正面図である。 図1に示す例の鰐口部材を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 (a)は図1に示す例の鉗子ピンを示す図、(b)は鉗子ピン留めプレートを示す図である。 図1に示す例の連結板を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるIVB−IVB線に沿う断面図である。 図1に示す例の遠隔操作ワイヤを示し、(a)は部分正面図、(b)は(a)における右側面図である。 (a)は図1に示す例の連結板ピンを示す図、(b)は連結板ピン留めプレートを示す図である。 図1に示す例のスリーブを示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は(a)における右側面図である。 製作実験で製造された鰐口部材を写真で示す拡大図である。 製作実験で製造された超微細鉗子を写真で示す拡大図である。 本発明に係る超微細鉗子の製造方法の実施の形態の一例で製造される超微細鉗子を模式的に示す斜視図である。 従来の超微細鉗子の先端部分である鰐口を示す図である。 図11に示す鰐口を有する超微細鉗子を内視鏡に用いられた状態を示す図である。
符号の説明
1…超微細鉗子、2…鰐口、3,4…鰐口部材、3a,4a…歯、3b,4b…連結軸、3c,4c…貫通孔、3d,4d…凹部、5…鉗子ピン、6,7…連結板、9…ワーキングチャンネル、10…スリーブ、13…鉗子ピン留めプレート、14…遠隔操作ワイヤ、15…連結板ピン、16…連結板ピン留めプレート

Claims (6)

  1. 鉗子ピンで互いに開閉可能に連結されて対象物を把持および採取の少なくとも1つを行う鰐口部を有する一対の鰐口部材を備え、これらの鰐口部材に設けられた連結軸に遠隔操作ワイヤから一方向の操作力を加えて一対の鰐口部材を閉じることで対象物を把持および採取の少なくとも1つを行い、遠隔操作ワイヤから前記一方向と逆方向の操作力を加えて一対の鰐口部材を開くことで把持および採取の少なくとも1つを行った対象物を解放する超微細鉗子の製造方法において、
    金属板材を塑性加工することにより前記鰐口部材の鰐口部を所定形状に成形するとともに前記鰐口部材の連結軸を所定形状に成形する加工、
    更に、塑性加工、レーザ加工、放電加工、機械加工のいずれか1つにより,前記鉗子ピンが貫通する貫通孔を成形する加工、
    更に、前記鰐口部の加工、前記連結軸の加工、および前記貫通孔の加工で発生したバリを除去する加工からなることを特徴とする超微細鉗子の製造方法。
  2. 前記鰐口部の所定形状は所定数の歯の形状であり、これらの歯を等間隔または不等間隔で配列するとともに、前記歯の断面形状を台形または三角形に成形することを特徴とする請求項1記載の超微細鉗子の製造方法。
  3. 前記鰐口部の所定形状として、所定数の歯を成形することを特徴とする請求項1または2記載の超微細鉗子の製造方法。
  4. 前記鰐口部の歯形成面の中央部に、長手方向に延びる凹部を成形し、前記歯を鰐口部の両側縁部に沿って成形することを特徴とする請求項3記載の超微細鉗子の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1記載の超微細鉗子の製造方法で製造された前記鰐口部材と、前記超微細鉗子の前記鰐口部材以外の他の構成部材で別に製造された構成部材とを用いて、内視鏡のワーキングチャンネル内で対象物を把持する機能および採取する機能の少なくとも1つの機能を有するように構成したことを特徴とする超微細鉗子の製造方法。
  6. 0.6mm以下の内視鏡のワーキングチャンネルに挿入可能に製造することを特徴とする請求項51記載の超微細鉗子の製造方法。
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