JP2006211814A - 電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】カーボンブラシの温度上昇を抑制できる電動機を提供する。
【解決手段】ブラシホルダ36の一対の縦側面部36a,36a以外の位置に切欠部を設けることで、カーボンブラシ35の一対の横側面がブラシホルダ36に覆われず、切欠部を介してカーボンブラシ35の放熱性が向上するとともに、切欠部を介してカーボンブラシ35に直接電動送風機の吸込風が当たることでカーボンブラシ35が吸込風により冷却されるので、カーボンブラシ35の温度上昇を抑制できる。
【選択図】図1
【解決手段】ブラシホルダ36の一対の縦側面部36a,36a以外の位置に切欠部を設けることで、カーボンブラシ35の一対の横側面がブラシホルダ36に覆われず、切欠部を介してカーボンブラシ35の放熱性が向上するとともに、切欠部を介してカーボンブラシ35に直接電動送風機の吸込風が当たることでカーボンブラシ35が吸込風により冷却されるので、カーボンブラシ35の温度上昇を抑制できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、整流子にカーボンブラシが摺接するブラシ装置を備えた電動機に関する。
従来、例えば電動送風機などに用いられる電動機は、筒状の固定子と、回転軸および整流子を有し固定子に対して回転自在に設けられた回転子としての電機子と、整流子に先端が弾性的に押圧されてこの整流子に摺接する細長角柱状のカーボンブラシおよびこのカーボンブラシの一端部が挿入されこのカーボンブラシの他端部すなわち先端部が突出する細長角筒状のブラシホルダを有するブラシ装置とを備えている。そして、このブラシ装置では、カーボンブラシがブラシホルダにより軸方向にガイドされて摺動する(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−54941号公報(第3頁、図1−2)
一般に、電動機を動作させると、カーボンブラシと整流子との間にスパークが発生し、カーボンブラシの温度が上昇する。そして、カーボンブラシの温度が繰り返し上昇すると、カーボンブラシの寿命、すなわち電動機の寿命が短くなってしまうため、カーボンブラシの温度上昇を抑制することが望まれる。
しかしながら、上述のような電動機では、ブラシホルダに収容されたカーボンブラシの外側面全てがブラシホルダの各側面部に覆われ、カーボンブラシの殆どの部分がブラシホルダの外部に露出しないので、カーボンブラシが冷却されにくく、カーボンブラシの温度上昇を抑制することが容易でないという問題点を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、カーボンブラシの温度上昇を抑制できる電動機を提供することを目的とする。
本発明は、ブラシ装置が、互いに対向する少なくとも一対の側面を有する軸状に設けられ整流子に先端が摺接するカーボンブラシと、このカーボンブラシの一対の側面に対向する一対の側面部を備えたブラシホルダと、一対の側面および一対の側面部に設けられ、カーボンブラシをブラシホルダに対して軸方向に沿って摺動するように位置規制する位置規制部と、ブラシホルダの一対の側面部以外の位置に設けられた切欠部とを備えているものである。
本発明によれば、カーボンブラシの一対の側面とこれら一対の側面に対向するブラシホルダの一対の側面部とに位置規制部を設けることで、カーボンブラシのブラシホルダに対する摺動性を確保し、ブラシホルダの一対の側面部以外の位置に切欠部を設けることで、カーボンブラシの一対の側面以外の部分がブラシホルダに覆われず、切欠部を介してカーボンブラシに直接風が当たって温度上昇を抑制できる。
以下、本発明の第1の実施の形態の構成を図1ないし図5を参照して説明する。
図5は、電動送風機1を示し、この電動送風機1は、例えば図示しない電気掃除機、あるいは産業用ブロワなどに用いられるものである。また、この電動送風機1は、電動機としてのモータ2と、このモータ2に設けられた遠心ファン3とを備えている。
なお、以下、モータ2側を後側、遠心ファン3側を前側として説明する。
モータ2は、ケース体としてのフレーム4と、このフレーム4に取り付けられたモータ本体部5と、フレーム4に設けられた一対のブラシ装置としてのカーボンブラシ組立6とを有している。
フレーム4は、略有底円筒状のフレーム本体7と、このフレーム本体7の前端の開口部8に取り付けられたブリッジ部9とを有している。
フレーム本体7は、軸方向の一端である後端面すなわち底面の中心部に、円筒状のモータヘッド部11が後方に突出して設けられている。また、フレーム本体7には、モータヘッド部11の前方の両側部にカーボンブラシ組立6が取り付けられる一対のブラシ部取付孔12が設けられている。さらに、フレーム本体7には、排気用の排気開口部13が開口形成されている。
モータヘッド部11には、モータ本体部5の回転軸14の軸方向の一端部である後端部を回転可能に軸支する軸受としてのベアリング15が接着固定されているとともに、このベアリング15の後部に設けられたベアリングキャップ16およびスラストばね17がそれぞれ収容されている。
ベアリング15は、内輪に回転軸14が圧入され、外輪の側面である外側面、すなわち外周面がモータヘッド部11の内周面に接着剤により固定されている。
また、ベアリングキャップ16は、ベアリング15内への粉塵、あるいは接着剤などの侵入を防止するもので、例えば金属板などにより平面視で円形状に形成されている。
さらに、スラストばね17は、ベアリング15に予圧を加えるもので、ベアリングキャップ16の後側に配置されている。
そして、ブラシ部取付孔12は、フレーム4の両側部を中心軸方向に貫通してそれぞれ設けられている。
また、ブリッジ部9は、長手板状に形成され、フレーム本体7の前端部にフレーム本体7の径方向に架け渡して開口部8の一部を覆うように図示しない螺子などにより取り付けられている。さらに、ブリッジ部9の中央部には、前側に突出した円筒状の取付凹部19が設けられ、この取付凹部19内には、回転軸14の前端側を回転自在に軸支するベアリング21が取り付けられている。
さらに、モータ本体部5は、フレーム4の中心軸に沿って配置された回転軸14と、この回転軸14の外周面に設けられた円筒状の整流子としてのコンミュテータ22および回転子としての電機子であるアーマチュア23と、固定子としてのステータ24とを備えている。
回転軸14は、軸方向の他端部である前端部が、ディフューザである整流板25に挿通され、この前端部に遠心ファン3が設けられている。
また、コンミュテータ22は、導電性を有し、ベアリング15よりも前方の回転軸14の外周面に固定されてこの回転軸14と一体に回転するもので、外周面にカーボンブラシ組立6の先端部が弾性的に押圧されて摺接している。
さらに、アーマチュア23は、コンミュテータ22と電気的に接続されるコイル26が装着されてコンミュテータ22よりも前方の回転軸14の外周面に固定されるとともに、ステータ24の内周側に配置されている。
そして、ステータ24は、平面視四角形状のステータコア31を有し、フレーム4の軸方向の中心域に開口部13に対向して配置されている。
ステータコア31は、鉄板が多数積層されて板状に設けられ、中心部に、アーマチュア23が挿入される略四角形状の挿入孔部33が穿設されている。すなわち、この挿入孔部33は、内周部がアーマチュア23の外周面に所定の間隙を介して対向している。また、ステータコア31の内周部には、複数の固定極すなわちN極およびS極が形成される。さらに、このステータコア31の後側には、挿入孔部33の周囲に設けられた図示しない巻線部に電気的に接続された端子金具34aを固定する端子台34が設けられている。
さらに、各カーボンブラシ組立6は、カーボンブラシ35、このカーボンブラシ35を収容するブラシホルダ36、このブラシホルダ36が取り付けられるホルダ絶縁37、カーボンブラシ35に電気的に接続された端子部38、および、カーボンブラシ35を軸方向に付勢するばね39を備え、フレーム4の中心軸方向に向けてブラシ部取付孔12,12に先端部が挿入されて例えば螺子40で固定されている。
カーボンブラシ35は、図1ないし図4に示すように、互いに対向する両側をなす細長四角形状の一対の側面としての縦側面35a,35aと、これら縦側面35a,35aに略直交し互いに対向する両側をなす細長四角形状の一対の横側面35b,35bとを有する細長角柱状に形成され、基端部がブラシホルダ36に挿入され、先端部がブラシホルダ36から突出する。また、このカーボンブラシ35は、両横側面35b,35bの面積が両縦側面35a,35aの面積よりも大きくなるように形成されている。
なお、カーボンブラシ35は、図5に示すように、カーボンブラシ組立6をフレーム本体7に取り付けた状態で、軸方向が回転軸14に対して略直交する方向に沿うとともに、縦側面35a,35aが回転軸14の軸方向に離間され、かつ、横側面35b,35bが回転軸14の周方向に離間されるように配設される。
そして、図1および図2に示すように、カーボンブラシ35の両縦側面35a,35aのそれぞれの中央部には、ブラシホルダ36と嵌合する溝部41,41がそれぞれ軸方向に沿って直線状に設けられている。また、これら溝部41,41は、カーボンブラシ35の軸方向全体に亘って連続している。そして、カーボンブラシ35のブラシホルダ36内に挿入された基端部には、端子部38に一端部が接続された通電用のピッグテール42の他端部が埋め込まれて電気的に接続されている。
さらに、ブラシホルダ36は、収容されたカーボンブラシ35の縦側面35a,35aに対向する一対の側面部としての縦側面部36a,36aを備えるとともに、カーボンブラシ35の横側面35b,35bに臨む部分に切欠部36b,36bが設けられ、基端側がホルダ絶縁37に固定されている。
すなわち、ブラシホルダ36は、カーボンブラシ組立6をフレーム本体7に取り付けた状態で、軸方向が回転軸14に対して略直交する方向に沿うとともに、縦側面部36a,36aが回転軸14の軸方向に離間され、かつ、切欠部36b,36bが回転軸14の周方向に離間されるように配設される。換言すれば、切欠部36b,36bは、ブラシホルダ36の先端部から基端部に亘って、コンミュテータ22の回転方向の上流側および下流側にそれぞれ位置している。
そして、ブラシホルダ36の両縦側面部36a,36aには、カーボンブラシ35の両縦側面35a,35aの溝部41,41に嵌合するリブ43,43が内部に突設されている。
これらリブ43,43は、ブラシホルダ36の軸方向に沿って直線状に設けられ、ブラシホルダ36の両縦側面部36a,36aの長手方向両端部に亘って連続している。そして、これらリブ43,43と溝部41,41とにより、カーボンブラシ35をブラシホルダ36に対して軸方向に沿って摺動するように位置規制する位置規制部44が構成されている。
また、切欠部36b,36bは、例えばブラシホルダ36の両縦側面部36a,36aに略直交し互いに対向する両側全体を切り欠いて形成されている。
さらに、ホルダ絶縁37は、絶縁性の部材、例えば絶縁性を有する合成樹脂などで形成され、フレーム本体7の外側に位置するブラシホルダ36の外側部を絶縁するものであり、ブラシホルダ36の基端側が挿入されて固定される略角筒状の筒部37aと、この筒部37aと平行に隣接した貫通孔37bと、筒部37aに略直交する方向へと突設された螺子止め部37cとをそれぞれ有している。
筒部37aは、カーボンブラシ組立6をフレーム本体7に取り付けた状態で、ブラシホルダ36の先端部が突出する先端側がフレーム本体7に挿入され、かつ、基端側がフレーム本体7の外部に位置している。また、この筒部37aは、貫通孔37bと反対側の部分が、ブラシホルダ36の一方の縦側面35aに折り曲げ形成された一対の係合片部45,45により両端から挟持されることにより、ブラシホルダ36をホルダ絶縁37に一体的に固定する。
さらに、貫通孔37bは、カーボンブラシ組立6をフレーム本体7に取り付けた状態で先端側がフレーム本体7内に位置し、図5に示すように、端子金具34aが先端側から挿入される。
そして、螺子止め部37cは、図1および図2に示すように、フレーム本体7の外周部に螺子40にて螺子止めされる部分であり、螺子40が挿入される螺子孔46が穿設されている。
また、端子部38は、家庭用商用交流電源、あるいは電池などの図示しない電源部に電気的に接続されるもので、ブラシキャップ部38aと、このブラシキャップ部38aから屈曲された取付部38bとを有し、この取付部38bがホルダ絶縁37の貫通孔37bに挿入されることによりホルダ絶縁37に取り付けられる。
ブラシキャップ部38aは、ホルダ絶縁37の筒部37aの基端側を閉塞するものであり、カーボンブラシ35との間でばね39を挟持している。
また、取付部38bは、ブラシキャップ部38a側から、半球状の凸部47と、側面視で略へ字状に屈曲された端子接続部48とが順次設けられ、この端子接続部48の先端側には、切起し片49が切り起こし形成されている。
凸部47は、端子部38をホルダ絶縁37に取り付けた状態で貫通孔37bの内面に弾性的に密接されている。
また、端子接続部48は、端子部38をホルダ絶縁37に取り付けた状態で、貫通孔37b内に挿入される端子金具34aと弾性的に接触してこの端子金具34aと電気的に接続される。
さらに、切起し片49は、端子部38をホルダ絶縁37に取り付けた状態で、貫通孔37bの先端側の開口端に係合している。
またさらに、ばね39は、カーボンブラシ組立6をブラシ部取付孔12,12に取り付けた状態でブラシホルダ36の先端から突出したカーボンブラシ35の先端部をコンミュテータ22の外周面に弾性的に押圧するもので、ブラシキャップ部38aと電気的に接続されたピッグテール42が内部に挿通されている。
そして、上記カーボンブラシ35、端子部38、ばね39およびピッグテール42により、ブラシユニット51が一体的に構成されている。
一方、図5に示すように、整流板25は、遠心ファン3からの風を整流してモータ2側へと流すもので、モータ2と遠心ファン3との間に位置してブリッジ部9に取り付けられている。そして、この整流板25は、円板状の整流板本体54と、この整流板本体54に突設された固定翼としての複数のブレード55とを有している。
整流板本体54は、フレーム4の中心軸と同軸状に設けられ、回転軸14の前端部が挿通されブリッジ部9の取付凹部19の外周側が嵌合する挿通孔57が中心部に穿設されている。
各ブレード55は、整流板25の中心部から外周方向に向かうように平面渦巻き状に設けられ、整流板本体54の周方向に互いに離間されて、整流板本体54の外周部に連続する案内風路62がそれぞれの間に区画形成されている。これら案内風路62は、整流板本体54に穿設された図示しない流通孔により整流板25の前部である遠心ファン3側に連通している。
そして、遠心ファン3は、回転軸14の前端部に設けられ、この回転軸14と一体的に回転する。また、遠心ファン3は、フレーム本体7の径方向に沿って円板状に設けられた後部ファンプレート66、この後部ファンプレート66に対してフレーム本体7の軸方向に所定の間隙を介して略平行に対向する前部ファンプレート67、および、これらファンプレート66,67の間に一体に設けられたファン翼68を備えている。
後部ファンプレート66は、モータ2の回転軸14が嵌挿される嵌挿孔71が中心部に穿設されている。また、この後部ファンプレート66の後部には、回転軸14が挿通される円環状の座金である後部ファンワッシャ72が取り付けられている。さらに、この後部ファンプレート66の前部には、回転軸14が挿通される円環状の座金である前部ファンワッシャ73が取り付けられている。
一方、前部ファンプレート67には、丸孔状の通風孔77が中心部に穿設されている。この通風孔77は、各ファンワッシャ72,73の外径寸法と略等しい径寸法に形成されている。そして、この前部ファンプレート67は、通風孔77の周囲から、後部ファンプレート66に向けて拡径されている。
ファン翼68は、平面視で通風孔77の周縁部近傍から遠心ファン3の外周方向に向かうように渦巻き状に設けられ、複数の吸気風路78を区画形成する壁状に形成されている。
そして、遠心ファン3は、略筒状のファンカバー80により前側が覆われている。
このファンカバー80は、フレーム本体7の開口部8の周縁に設けられたフランジ部81に後端部が嵌合されている。また、このファンカバー80は、前面の中心部に、遠心ファン3の通風孔77に連通する吸込口82が開口形成されている。
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
電源部から端子部38へと供給された電力によりモータ2が駆動し、回転軸14が遠心ファン3などと一体に回転すると、この遠心ファン3の回転により生じる負圧により吸込口82から電動送風機1内へと空気が吸い込まれる。この吸い込まれた空気は、通風孔77を介して遠心ファン3の前部ファンプレート67と後部ファンプレート66との間の吸気風路78に流入した後、ファン翼68に沿って遠心ファン3の外周方向へと吹き出される。
遠心ファン3から吹き出された空気は、整流板25の流通孔から案内風路62へと流れ込み、整流板25のディフューザ効果によりブレード55に沿って整流されて静圧化され、モータ2側へと吹き出される。
そして、このモータ2側へと吹き出された空気は、ステータ24の外周面に沿って流れてこのステータ24を冷却するとともに、カーボンブラシ組立6の切欠部36b,36bを介してカーボンブラシ35を冷却しつつ、排気開口部13から外部へと排気される。
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、ブラシホルダ35の一対の縦側面部36a,36a以外の位置に切欠部36b,36bを設けることで、カーボンブラシ35の一対の横側面35b,35bがブラシホルダ36に覆われず、切欠部36b,36bを介してカーボンブラシ35の放熱性が向上するとともに、切欠部36b,36bを介してカーボンブラシ35に直接電動送風機1の吸込風が当たることでカーボンブラシ35がこの吸込風により冷却されるので、カーボンブラシ35の温度上昇を抑制できる。
特に、カーボンブラシ35の両横側面35b,35bに臨む部分に切欠部36b,36bを設けると、カーボンブラシの両横側面および両縦側面を覆う従来の角筒状のブラシホルダと比較してカーボンブラシ35のブラシホルダ36に対する摺動性が低下するおそれがあるものの、カーボンブラシ35の一対の縦側面35a,35aとこれら縦側面35a,35aに対向するブラシホルダ36の一対の縦側面部36a,36aとの間に位置規制部44を設けることで、カーボンブラシ35のブラシホルダ36に対する摺動性を確保できる。
そして、このようにカーボンブラシ35のブラシホルダ36に対する摺動性を確保できることで、切欠部36b,36bを大きくすることができるので、この大きくした切欠部36b,36bを介して吸込風がより効率よくカーボンブラシ35に吹き付けられ、カーボンブラシ35の冷却性をより向上できる。
さらに、切欠部36b,36bを設けることで、従来の角筒状のブラシホルダと比較して、ブラシホルダ36の密閉性が低下するので、カーボンブラシ35の先端部の外側面がブラシホルダ36の先端開口縁により削られて発生するカーボン粉がブラシホルダ36内に堆積しないため、カーボンブラシ35のブラシホルダ36に対する摺動性を向上できるとともに、このカーボン粉によりカーボンブラシ35とコンミュテータ22との間に発生するスパークを安定化でき、モータ2の使用寿命の低下を防止できる。
そして、一方の切欠部36bを、カーボンブラシ35に対してコンミュテータ22の回転方向の下流側に設けることで、コンミュテータ22の回転によりカーボンブラシ35の先端側が基端側に対して回転方向の下流側に傾斜しても、カーボンブラシ35の外側面とブラシホルダ36の先端開口縁との接触が抑制され、カーボンブラシ35がブラシホルダ36により削られることで発生するカーボン粉を抑制できる。
また、カーボンブラシ35は、横側面35b,35bの面積が縦側面35a,35aの面積よりも大きく形成されているため、これら横側面35b,35b側に切欠部36b,36bが臨むことで、カーボンブラシ35の冷却効率をより向上できる。
さらに、切欠部36bをカーボンブラシ35の両横側面35b,35bに対向する位置に、すなわち複数箇所に設けることにより、カーボンブラシ35の冷却効率をより向上できる。
そして、位置規制部44を、カーボンブラシ35の両縦側面35a,35aに設けた溝部41,41とブラシホルダ36の両縦側面部36a,36aに設けたリブ43,43との嵌合により構成することで、位置規制部44を容易に形成できる。
なお、上記第1の実施の形態において、切欠部36b,36bのいずれか一方のみを設けてブラシホルダ36の強度を確保する構成とすることも可能である。
また、図6に示すように、ブラシホルダ36の両縦側面部36a,36a間に、例えば先端部にて、両縦側面部36a,36aを連結する連結部としてのブリッジ83を設ける構成も可能である。この場合には、カーボンブラシ35の冷却性を確保しつつブラシホルダ36の強度を向上できる。
さらに、図7に示すように、ブラシホルダ36に、カーボンブラシ35の両横側面35b,35b全体に対向し両縦側面部36a,36a間を連結する両横側面部84,84を設けてブラシホルダ36を角筒状とし、これら両横側面部83,83に切欠部36b,36bを穴状に設ける構成も可能である。この場合には、ブラシホルダ36の強度、あるいは吸込風の流れなどによるカーボンブラシ35の冷却効率などを考慮して、その設ける位置および個数などを適宜設定する。
次に、第2の実施の形態を図8ないし図10を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この図8ないし図10に示す実施の形態では、カーボンブラシ35が、互いに対向する側面をなす一対の側面としての横側面85a,85aと、これら両横側面85a,85aに略直交する方向に対向する側面をなす一対の縦側面85b,85bとを有する細長角柱状に形成され、両横側面85a,85aの面積が両縦側面85b,85bの面積よりも大きくなるように形成されている。また、このカーボンブラシ35は、カーボンブラシ組立6をフレーム本体7に取り付けた状態で、軸方向が回転軸14に対して略直交する方向に沿うとともに、横側面85a,85aが回転軸14の周方向に離間され、かつ、縦側面85b,85bが回転軸14の軸方向に離間されるように配設される。
さらに、カーボンブラシ35の両横側面85a,85aのそれぞれの中央部には、軸方向に沿って溝部87,87が直線状に設けられ、カーボンブラシ35の軸方向全体に亘って連続している。
一方、ブラシホルダ36は、カーボンブラシ35の横側面85a,85aに対向する一対の側面部としての横側面部86a,86aを備えるとともに、カーボンブラシ35の縦側面85b,85bに臨む部分に切欠部86b,86bが設けられている。
すなわち、ブラシホルダ36は、カーボンブラシ組立6をフレーム本体7に取り付けた状態で、軸方向が回転軸14に対して略直交する方向に沿うとともに、横側面部86a,86aが回転軸14の周方向に離間され、かつ、切欠部86b,86bが回転軸14の軸方向に離間されるように配設される。
さらに、ブラシホルダ36の両横側面部86a,86aには、カーボンブラシ35の両横側面85a,85aの溝部87,87に嵌合するリブ88,88が内部に突設されている。
これらリブ88,88は、上記第1の実施の形態のリブ43,43と同様に、ブラシホルダ36の軸方向に沿って直線状に設けられ、ブラシホルダ36の両横側面部86a,86aの長手方向両端部に亘って連続している。また、これらリブ88,88と溝部87,87とにより、位置規制部44と同様の位置規制部89が構成されている。
そして、カーボンブラシ35の一対の横側面85a,85aとこれら横側面85a,85aに対向するブラシホルダ36の一対の横側面部86a,86aとの間に位置規制部89を設け、ブラシホルダ35の一対の横側面部86a,86a以外の位置に切欠部86b,86bを設けるなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能になる。
また、切欠部86b,86bを、回転軸14の軸方向、すなわち遠心ファン3からの吸込風の通過方向に開口するように設けることにより、遠心ファン3からの吸込風がカーボンブラシ35の両縦側面85b,85bに直接吹き付けられるので、冷却効率がより向上する。
なお、上記第2の実施の形態において、切欠部86b,86bのいずれか一方のみを設けてブラシホルダ36の強度を確保する構成とすることも可能である。
また、図11に示すように、ブラシホルダ36の両横側面部86a,86a間に、例えば先端部にて、両横側面部86a,86aを連結する連結部としてのブリッジ91を設ける構成も可能である。この場合には、カーボンブラシ35の冷却性を確保しつつブラシホルダ36の強度を向上できる。
さらに、図12に示すように、ブラシホルダ36に、カーボンブラシ35の両縦側面85b,85b全体に対向し両横側面部86a,86a間を連結する両縦側面部92,92を設けてブラシホルダ36を角筒状とし、これら両縦側面部92,92に切欠部36b,36bを穴状に設ける構成も可能である。この場合には、ブラシホルダ36の強度、あるいは吸込風の流れなどによるカーボンブラシ35の冷却効率などを考慮して、その設ける位置および個数などを適宜設定する。
そして、上記各実施の形態において、位置規制部44は、カーボンブラシ35をブラシホルダ36に対して軸方向に沿って摺動するように位置規制できれば、その構成を任意に設定でき、例えば溝部41,41とリブ43,43とのいずれか一方は、カーボンブラシ35およびブラシホルダ36の軸方向に連続していなくてもよい。
また、電動送風機1の細部は、上記構成に限定されるものではない。
さらに、モータ2は、電動送風機1以外に使用するものでもよい。
2 電動機としてのモータ
6 ブラシ装置としてのカーボンブラシ組立
22 整流子としてのコンミュテータ
23 回転子としてのアーマチュア
24 固定子としてのステータ
26 コイル
35 カーボンブラシ
35a 側面としての縦側面
36 ブラシホルダ
36a 側面部としての縦側面部
36b,86b 切欠部
44,89 位置規制部
85a 側面としての横側面
86a 側面部としての横側面部
6 ブラシ装置としてのカーボンブラシ組立
22 整流子としてのコンミュテータ
23 回転子としてのアーマチュア
24 固定子としてのステータ
26 コイル
35 カーボンブラシ
35a 側面としての縦側面
36 ブラシホルダ
36a 側面部としての縦側面部
36b,86b 切欠部
44,89 位置規制部
85a 側面としての横側面
86a 側面部としての横側面部
Claims (2)
- 固定子と、
コイルが装着されるとともにこのコイルに電気的に接続される整流子を有し前記固定子に対して回転自在に設けられた回転子と、
ブラシ装置とを具備し、
前記ブラシ装置は、
互いに対向する少なくとも一対の側面を有する軸状に設けられ前記整流子に先端が摺接するカーボンブラシと、
このカーボンブラシの前記一対の側面に対向する一対の側面部を備えたブラシホルダと、
前記一対の側面および前記一対の側面部に設けられ、前記カーボンブラシを前記ブラシホルダに対して軸方向に沿って摺動するように位置規制する位置規制部と、
前記ブラシホルダの一対の側面部以外の位置に設けられた切欠部とを備えている
ことを特徴とした電動機。 - 切欠部は、少なくともブラシホルダの先端にて整流子の回転方向の下流側に配設される
ことを特徴とした請求項1記載の電動機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005020126A JP2006211814A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005020126A JP2006211814A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 電動機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006211814A true JP2006211814A (ja) | 2006-08-10 |
Family
ID=36968046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005020126A Pending JP2006211814A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 電動機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006211814A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008160972A (ja) * | 2006-12-25 | 2008-07-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電動送風機及びそれを用いた電気掃除機 |
JP2020141473A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | 三菱電機株式会社 | 電動送風機及びこの電動送風機を備えた電気機器 |
-
2005
- 2005-01-27 JP JP2005020126A patent/JP2006211814A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008160972A (ja) * | 2006-12-25 | 2008-07-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電動送風機及びそれを用いた電気掃除機 |
JP2020141473A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | 三菱電機株式会社 | 電動送風機及びこの電動送風機を備えた電気機器 |
JP7092067B2 (ja) | 2019-02-28 | 2022-06-28 | 三菱電機株式会社 | 電動送風機及びこの電動送風機を備えた電気機器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20070604 |