JP2006209988A - 電線ヒューズ - Google Patents

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Abstract

【課題】大電流遮断部を消弧剤で覆う電線ヒューズにおいて、電線ヒューズに電流が流れることでジュール熱が発生し、ヒューズ素子が伸びて中央部付近に撓みが発生する場合に、ヒューズ素子の動きを拘束しないようにしてヒューズ素子の破断を防止する。
【解決手段】大電流遮断部2と小電流溶断部3とからなるヒューズ素子4をケース内に外気と隔絶した状態で密閉収納し、該ヒューズ素子4の大電流遮断部2側における遮断部を消弧剤7で覆う。前記大電流遮断部2の外側に挿通取付けしてなる一端が閉鎖し他端が開口する円筒形状の消弧容器6と、該消弧容器6内に固化しない状態で充填した無機粒状物の消弧剤7と、該消弧剤7を封入するために、該消弧容器6の開口部にヒューズ素子4の移動を拘束しない、弾性体からなる蓋体8を、ヒューズ素子4に密着して設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、低圧配電線路の引込み線の途中に接続して使用する電線ヒューズに関するもので、詳しくは、その電線ヒューズにおける大電流遮断部と小電流溶断部を有するヒューズ素子を内蔵した2次絶縁ケースの改良に関するものである。
従来、前記のような引込み線の途中に接続して使用する電線ヒューズとして、大電流遮断部と小電流溶断部とからなるヒューズ素子を透明の外筒ケース(絶縁ケース)内に外気と隔絶した状態で密閉収納し、前記ヒューズ素子の大電流遮断部に該遮断部を覆うように消弧部材を付設した電線ヒューズが提案されている(特許文献1参照)。
この従来の電線ヒューズにおける大電流遮断部は、一端が閉塞し他端が開口する筒状の消弧容器を設け、該消弧容器内に無機粒状物からなる消弧剤と無機接着剤を充填し固化した消弧体を形成し、該消弧体と消弧容器内を挿通して配されたヒューズ素子によって構成されている。
該電線ヒューズの消弧体は、消弧容器内にて固化したことにより組立作業時に何かに当たって欠損したりすることがなく、また、大電流遮断時に発生するアークやガスの放出方向を考慮した消弧容器の形状であることから、放出したアークやガスによる絶縁ケース内周面の汚損を原因とする絶縁抵抗の低下による漏洩電流が防げ、感電事故の防止につながる。
特開2001−68010号報
しかしながら、前記従来の電線ヒューズにおいては、ヒューズ素子の両端部が接続端子により拘束された状態で電線電路へ接続されているため、電線ヒューズに電流が流れることでヒューズ素子にジュール熱が発生すると、ヒューズ素子が伸び、該ヒューズ素子の中央部付近に撓みが発生する。
そのため、従来のような固化された消弧剤で大電流遮断部が保持されているものでは、消弧部に収納されたヒューズ素子の動きが拘束され、ヒューズ素子の撓むことができる領域は消弧部外の領域である小電流溶断部の範囲のみと狭くなり、ヒューズ素子が局部的に(特に消弧部からヒューズ素子が挿出された付近において)変形してしまい破断する虞があった。
更には、ヒューズ素子の撓みに伴いヒューズ素子の周囲に固化された消弧剤が崩れ、消弧剤が消弧容器より流出し、大電流遮断性能が低下する懸念もある。
そこで本発明は、前記従来の問題点を解決する電線ヒューズを提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、大電流遮断部と小電流溶断部とからなるヒューズ素子をケース内に外気と隔絶した状態で密閉収納し、該ヒューズ素子の大電流遮断部側における遮断部を消弧剤で覆うようにした電線ヒューズにおいて、
前記大電流遮断部の外側に挿通取付けしてなる一端が閉鎖し他端が開口する円筒形状の消弧容器と、該消弧容器内に固化しない状態で充填した無機粒状物の消弧剤と、該消弧剤を封入するために、該消弧容器の開口部に、ヒューズ素子の移動を拘束しない、弾性体からなる蓋体を、ヒューズ素子に密着して設けたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記蓋体は、ヒューズ素子を把持する挿通部と、消弧容器の円筒部に保持される保持部を備え、該挿通部と保持部との間に、挿通部の移動に追従して変形する接続部を備えて形成されていることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記蓋体の接続部を、ヒューズ素子を把持する挿通部と消弧容器の円筒部に保持される保持部より薄肉に形成したことを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明において、前記蓋体の接続部の断面形状を蛇腹状に形成したことを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載の発明において、前記蓋体をゴム材料で形成し、その接続部のゴム硬度を、前記の挿通部及び保持部のゴム硬度より低く設定した事を特徴とするものである。
本発明によれば、消弧剤を消弧容器に充填後、消弧剤を固化させず、ヒューズ素子の変形による移動を拘束しない蓋体により、該消弧容器の開放端を密閉するため、ヒューズ素子にジュール熱が発生し、それによりヒューズ素子の伸びによる変形が発生した場合においても、ヒューズ素子に局部的なストレスをかけることが無い。
更に、蓋体はヒューズ素子に密着しているため、組立て時や、使用状態でジュール熱発生によるヒューズ素子の伸びでの変形が発生した場合でも、消弧剤が消弧容器より流出することもなく、大電流遮断性能も確実に保持できる。
請求項3乃至5の発明のように、前記蓋体の接続部を薄肉又は蛇腹状又はゴム硬度を低くすることによっても、前記と同様の効果を発揮できる。
本発明を実施するための最良の形態を図1乃至図8に示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の低圧配電線路の引込み線の途中に接続して使用する電線ヒューズ1を示すもので、電線ヒューズ1内には図2に示すように、大電流で遮断する大電流遮断部2と小電流で溶断する小電流溶断部3を備えたヒューズ素子4が内装されており、大電流遮断部2は消弧体5、小電流溶断部3は2次絶縁ケース12によって外気と隔絶した状態で密閉収納され、その周囲を覆うように絶縁ケース15が設けられている。
ヒューズ素子4は図2に示すように大電流遮断部2と小電流溶断部3を直列に、例えば銅などの導電材からなる同一の素材よりセージングや切削等の加工により一体的に形成されている。大電流遮断部2は、中央の一部を細くした遮断部2aと、その一端を遮断部2aより太くした、すなわち、銅線素材と同径の連結部4aと、遮断部2a間に設けられた蓄熱部2bとからなる。小電流溶断部3は、前記導電材の素材径より細くした溶断部3aと、その他端を溶断部3aよりも太くした銅線素材と同径である連結部4bと、溶断部3aの他端側と中央部に設けられた蓄熱部3b,3cとからなる。
前記ヒューズ素子4の大電流遮断部2を覆うように設けられた消弧体5は消弧容器6と消弧剤7と蓋体8から構成されている。
消弧容器6は図3に示すように、一端に消弧剤収納室6eを閉塞する底部6aを有し、該底部6aにヒューズ素子4の軸方向に沿って内側へ突出した取付部6iが形成され、該取付部の中心には、ヒューズ素子4の連結部4aの外径と合致した内径を有する挿通孔6bを形成し、前記底部6aに、他端に開口部6cを有する円筒部6dを一体形成し、前記底部6a側を基部として前記円筒部6dの外周部において前記開口部6c側へ突出した2次絶縁用ケース部6fとから形成されている。該2次絶縁用ケース部6fの軸方向突出量は前記円筒部6dより短く形成されている。
該消弧容器6は例えば、射出成形によりポリカーボネイト樹脂材料からなる耐熱性の高い透明な樹脂で形成され、消弧容器6内にケイ砂、石英砂、水酸化アルミナ等の粒状物の混合、あるいはこれらの単独物からなる無機粒状物である消弧剤7が固化されていない状態で充填されている。
また、消弧容器6の円筒部6dの開口部6cは蓋体8で閉塞されており、該蓋体8は図6に示すように、外周部に内径を前記消弧容器6の円筒部6dの外径に嵌合するように形成した保持部8aを設け、中心部に、ヒューズ素子4に密着するように、ヒューズ素子4の蓄熱部3bの外径に対してわずかに狭い内径部を備えた円筒状の挿通部8bを設け、更に、この挿通部8bと前記保持部8aにおける一端側に筒部を残した部分との間を、軸方向断面形状がZ字状となる蛇腹状の接続部8cによって結合して形成されており、接続部8cの変形によって挿通部8bが蓋体8の全方向に移動可能となっている。
また、前記接続部8cの形状はZ字状に形成された蛇腹状に限らず、断面形状が薄肉形状の山型や、波形状でもよい。また、図7に示すように蓋体8の接続部8eを平板状に形成し、該接続部8eのゴム硬度を挿通部8bや保持部8aのゴム硬度より低い材料を用いて、材質の伸縮性によって移動させてもよい。
該蓋体8は絶縁性を有する弾性材、例えば、フッ素ゴム、テフロン(登録商標)ゴムやシリコンゴム等のゴム材料や、スポンジ状態の石綿をゴム材等でコーティングした材料等で形成するが、好ましくは、耐熱性の高いシリコンゴムがよい。
また、蓋体8における前記消弧容器6が位置する側と反対側の面には、図1に示すように、無機材料からなるガラス繊維で形成され、外径が該蓋体8と略同径で、かつ、ヒューズ素子4が貫通可能な穴10aを中心に形成した柔軟性のある円形状のシート10が密着して設けられている。
更に、該シート10と蓋体8は、消弧容器6の開口端部6gと、これに対向して配置される、後述するガラス管11とによって狭持され、消弧剤7を消弧容器6内に密閉状態に保持している。
2次絶縁用ケース9は、ポリカーボネイト樹脂等の耐熱性の高い透明な素材で筒状に形成され、シート10と蓋体8の外径と合致し、かつ、消弧容器6の外径に対して蓋体8における保持部8aの筒部の厚みだけ広い内径を有する筒部9aと、該筒部9aの他端を閉塞する底部9bと、該底部9bにヒューズ素子4の軸方向に沿って内側へ突出した取付部9fが形成され、該取付部9fの中心部にはヒューズ素子4の連結部4bの外径と合致した内径を有するヒューズ素子4の挿通孔9cを備え、一端に開口部9dを形成している。
該2次絶縁用ケース9の内部には、外径が、シート10と蓋体8の外径と略同径で厚肉な円筒形状のガラス管11が挿入されており、該ガラス管11の一端は、シート10の円周部10bに当接し、他端は2次絶縁用ケース9の底部9eに接触することで、シート10と蓋体8がガラス管11の一端と消弧容器6の開口端部6gとで狭持され、消弧容器6を閉塞し、消弧剤7が外部に漏れ出さないようにすると共に、ガラス管11内を消弧容器6と隔離した中空状の空間を形成している。
また、2次絶縁用ケース9の筒部9aの開口部9dの外縁部9gには段差が設けられており、その開口部9dと、前記消弧容器6の2次絶縁用ケース部6fの開口端部6hとが密着的に嵌合しており、2次絶縁用ケース9の筒部9aと消弧容器6の2次絶縁用ケース部6fとガラス管11により2次絶縁ケース12を形成している。
ヒューズ素子4の両連結部4a,4bの端部は前記消弧容器6及び2次絶縁用ケース9の挿通孔6b,9cを通じて外部へ突出しており、該連結部4a,4bに、電線電路に圧着接続するヒューズ素子4と同じ素材(例えば、銅線素材)からなるパイプ状の接続端子13,14が連結されている。
また、前記消弧容器6と2次絶縁用ケース9と接続端子13,14は、絶縁ケース15により覆われている。該絶縁ケース15は、耐熱性の高い例えばポリカーボネイト樹脂等の透明な樹脂の射出成型により形成され、消弧容器6の2次絶縁用ケース部6fと2次絶縁用ケース9の筒部9aよりなる2次絶縁ケース12および、該2次絶縁ケース12と接続端子13,14の接続部付近の外側に沿って密着して一体的に成形されている。
電線ヒューズ1は、前記のように2次絶縁ケース12を形成する2次絶縁用ケース9の筒部9a及び消弧容器6の2次絶縁用ケース部6fと、その外面を密着して覆う絶縁ケース15との2重の外郭が設けられていることにより、大電流遮断時のおける内部圧力上昇に対応できる機械的強度が確保されている。
さらに、前記絶縁ケース15の両端部と前記接続端子13,14の隙間16にはシリコーン等のシール剤を充填することで電線ヒューズ1の内部は外気から確実に密閉的に閉鎖された状態となる。なお、絶縁ケース15や消弧容器6並びに2次絶縁用ケース9は透明な樹脂以外にも半透明や不透明な樹脂で形成してもよい。
次に、前記電線ヒューズ1の組立方法について述べる。
先ず、図2に示すヒューズ素子4を用意し、該ヒューズ素子4を、図3に示す消弧容器6の開口部6c側(蓋体8は設けられていない状態)からヒューズ素子4の大電流遮断部2側より消弧容器6内へ挿入し、該消弧容器6に設けられた挿通孔6bにヒューズ素子4の連結部4aを所定量挿通させる。
この挿通状態では、ヒューズ素子4の連結部4aの外径と挿通孔6bの内径は合致した直径からなるため、挿通取付けした消弧容器6は挿通後ヒューズ素子4に対してガタ付いたりせず、その後充填される消弧剤7も、挿通孔6bからもれ出ることはない。
次に、ヒューズ素子4を挿通取付けした消弧容器6を、その開口部6cが上向きになるように図示しない組立て治具の支持穴に差込み、ヒューズ素子4を直立状態に保持する。この直立状態でフルイ等により一定の粒度に選別された無機粒状物からなる消弧剤7、例えばケイ砂を消弧容器6の開口部6c側から消弧容器6内へ所定量充填する。
無機粒状物からなる消弧剤7の充填後、数十秒間、消弧剤7が均一に充填されるよう加振する。
次に、シリコンゴムからなる前記蓋体8を、該蓋体8の挿通部8bにヒューズ素子4を挿通させながら、前記開口部6cまでスライドさせて、図3に示すように開口端部6gに嵌合して取付ける。
次に、シート10を、該シート10の中心の穴10aにヒューズ素子4を挿通させながら上部より図5に示すように蓋体8の上面8dに装着させる。
次に、2次絶縁ケース12の一つであるガラス管11を、その開口した一端より上部から挿入した後、図4に示す2次絶縁用ケース9の筒部9aを、その開口部9d側を下向きにしてヒューズ素子4の小電流溶断部3側から挿入し、ヒューズ素子4の連結部4bを2次絶縁用ケース9の挿通孔9cに挿通するとともに、ガラス管11とシート10と蓋体8を筒部9a内に収納しながら、筒部9aの開口部9dを消弧容器6の2次絶縁用ケース部6fの開口端部6hに密着的に嵌合して取付ける。これにより、シート10と蓋体8は、ガラス管11と、消弧容器6とに加圧されて挟持され、これらの間が密着する。
以上のような組立により、ヒューズ素子4の大電流遮断部2は、固化されていない消弧剤7により周囲が覆われて消弧容器6内に密閉的に収納され、小電流溶断部3はガラス管11内の中空部に外気と隔絶した状態で密閉収納される。
その後、2次絶縁用ケース9と消弧容器6から突出したヒューズ素子4の両連結部4a,4bに、接続端子13,14を圧着接続し、図5に示す組付部品を得る。
次に、前記図5に示すように組み立てられた組付部品を射出成形の型枠内にセットし、2次絶縁ケース12及び接続端子13,14の一部の外周面に樹脂を射出成形し、図1に示すように、2次絶縁ケース12及び接続端子13,14の一部の外周面に密着した絶縁ケース15を形成する。
ヒューズ素子4の大電流遮断部2と小電流溶断部3は、2次絶縁ケース12を形成する2次絶縁用ケース9の筒部9a及び消弧容器6の2次絶縁用ケース部6fとにより、絶縁ケース15の射出成形時の圧力から保護される。
次に、絶縁ケース15の両端部と前記接続端子13,14の隙間16にシール剤を充填し、電線ヒューズ1の内部を外気から確実に密閉閉鎖して電線ヒューズ1を完成させる。
次に、前記電線ヒューズ1の溶断並びに遮断動作について説明する。
過負荷電流のような比較的小さな電流では小電流領域が動作する。つまり、過負荷電流が流れると小電流溶断部3の溶断部3aの銅線が溶融し電路が開放する。
この時、蓋体8の上面8dに被せているシート10は耐熱性のある無機材であるため、ヒューズ素子4の溶断によるアークで蓋体8が煙硝するのを防止する働きがあり、これより、電線ヒューズ1内の内部圧力の上昇を防止でき、さらには絶縁性能も確保できる。
また、短絡電流のような過大電流がヒューズ素子4に流れると大電流遮断部2の遮断部2aと小電流溶断部3が溶融気化しアークが発生する。
大電流遮断部2より発生し気化したアークは、遮断部2aを覆うように充填された消弧剤7の表面や内部に浸透しながら吸着や冷却されて、そのエネルギーは消弧剤7と消弧容器6を含む消弧体5に奪われ消弧され、これにより電路が開放する。
なお、大電流遮断の場合は、消弧剤7から高温のガスやアークの一部が放出されるが、消弧容器6を密閉する蓋体8によりそれらが遮断され、消弧体5の外部に、すなわち消弧容器6の円筒部6dと2次絶縁用ケース9の筒部9aとの間や、ガラス管11と2次絶縁用ケース9の筒部9aとの間等の空隙内に漏出することはない。
一方小電流溶断部3から発生した高温のガスやアークも同様にシート10や蓋体8により遮断され、前記空隙内へ漏出しない。したがって、ガラス管11の外周面や消弧容器6の外周面が汚損されたりせず、かかる部分において高い絶縁が確保されるため、遮断後に漏洩電流が流れることもなく安全性を高めることが可能となる。
さらに、2次絶縁用ケース9及び絶縁ケース15は透明の材料で形成されているため、小電流遮断時や大電流遮断時における電路の開放状態を目視することができる。
また、電線ヒューズ1の使用中に、ヒューズ素子4に電流が流れることで発生するジュール熱によってヒューズ素子4は図8に示すように伸びて変形することがある。このとき、ヒューズ素子4の蓄熱部3bが蓋体8の挿通部8bに密着され、かつ、蓋体8に接続部8cが蛇腹状に形成されて容易に変形できることから、ヒューズ素子4の全方向の変形に追従して蓋体8も変形する。そのため、ヒューズ素子4の中央部付近の撓みが蓋体8によっては拘束されない。
また、消弧容器6内の消弧剤7は固化されていないため、大電流遮断部2の周囲が固定されず、ヒューズ素子4の中央部付近以外の部位も拘束されることがない。これにより、ヒューズ素子4にはストレスが与えられず局部的な屈曲による破断を防止できる。
更には、ヒューズ素子4が挿通されている蓋体8の挿通部8bに掛かるヒューズ素子4の変形による外圧は接続部8c,8eの移動によって吸収されるので、挿通部8bとヒューズ素子4の蓄熱部3bとの間に隙間が空くこともなく、消弧容器6からの消弧剤7の流出を防ぐことが出来る。したがって安定した電流遮断性能が確保できる。
なお、蓋体8の接続部8c,8eを、保持部8aと挿通部8bより可撓性を有するように薄肉に形成しても、また、該接続部8c,8eのゴム硬度を保持部8aと挿通部8bより低くしても同様の効果が得られる。
また、2次絶縁用ケース9の内部に収めたガラス管11により、特に小電流溶断領域においては、電流遮断により発生したアークがガラス管11内に密閉され、2次絶縁用ケース9の内面に直接接する事もなく汚損による絶縁破壊が防止できる。そのため、電流遮断時においても安定した絶縁性能が発揮できる。
本発明の実施例を示す電線ヒューズの軸方向断面図。 本発明の電線ヒューズに使用するヒューズ素子を示す側面図。 図1の消弧体にヒューズ素子を挿通した断面図。 図1の2次絶縁用ケースの断面図。 図3のヒューズ素子と消弧体に、図4の絶縁ケースを組付け、かつ、接続端子を接続した状態の断面図。 (a)は図3における消弧容器を塞ぐ蓋体の平面図、(b)は該蓋体の側断面図、(c)は該蓋体の底面図。 図6の蓋体の接続部をゴム硬度の低い材質を用い直線状に形成した蓋体の他の例を示すもので、(a)は平面図、(b)は側断面図、(c)は底面図を示す。 図1の電線ヒューズのヒューズ素子が撓み、蓋体の挿通部が移動した状態を示す断面図。
符号の説明
1 電線ヒューズ
2 大電流遮断部
2a 遮断部
3 小電流溶断部
4 ヒューズ素子
6 消弧容器
6c 開口部
6d 円筒部
7 消弧剤
8 蓋体
8a 保持部
8b 挿通部
8c,8e 接続部
9 2次絶縁用ケース
15 絶縁ケース

Claims (5)

  1. 大電流遮断部と小電流溶断部とからなるヒューズ素子をケース内に外気と隔絶した状態で密閉収納し、該ヒューズ素子の大電流遮断部側における遮断部を消弧剤で覆うようにした電線ヒューズにおいて、
    前記大電流遮断部の外側に挿通取付けしてなる一端が閉鎖し他端が開口する円筒形状の消弧容器と、該消弧容器内に固化しない状態で充填した無機粒状物の消弧剤と、該消弧剤を封入するために、該消弧容器の開口部に、ヒューズ素子の移動を拘束しない、弾性体からなる蓋体を、ヒューズ素子に密着して設けたことを特徴とする電線ヒューズ。
  2. 前記蓋体は、ヒューズ素子を把持する挿通部と、消弧容器の円筒部に保持される保持部を備え、該挿通部と保持部との間に、挿通部の移動に追従して変形する接続部を備えて形成されていることを特徴とする請求項1記載の電線ヒューズ。
  3. 前記蓋体の接続部を、ヒューズ素子を把持する挿通部と消弧容器の円筒部に保持される保持部より薄肉に形成したことを特徴とする請求項2記載の電線ヒューズ。
  4. 前記蓋体の接続部の断面形状を蛇腹状に形成したことを特徴とする請求項2又は3記載の電線ヒューズ。
  5. 前記蓋体をゴム材料で形成し、その接続部のゴム硬度を、前記の挿通部及び保持部のゴム硬度より低く設定した事を特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の電線ヒューズ。
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