JP2006208802A - 光電変換装置、焦点検出装置、焦点検出方法、および撮像装置 - Google Patents

光電変換装置、焦点検出装置、焦点検出方法、および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄積時間のズレのない電子シャッタを実現でき、焦点検出を高速かつ高精度に行え、低輝度下での被写体やコントラスト差の少ない被写体において、より正確な合焦動作が可能な光電変換装置、焦点検出装置、焦点検出方法、および撮像装置を提供する。
【解決手段】光電変換を行う1画素を画素PD1、画素PD2と2つに分かれており、通常は画素PD1のみで光電変換する。画素PD2を使用する際には、被写体からの反射光が低く低輝度の状態で画素PD1と画素PD2を加算して使用し、縦方向の位相差を検出する1ブロックの図で位相差を検出する方向のラインに対して配線が施されており、この配線172−1〜172−m、173−1〜173−mが加算器174−1〜174−mを介してメモリ175に接続され、メモリ175は遮光されており、蓄積の終了と同時にこの配線により各画素の出力が一斉にメモリ175へと移される。
【選択図】図17

Description

本発明は、写真撮影用カメラ、ビデオカメラなどの光学機器に用いる光電変換装置、焦点検出装置、焦点検出方法、および撮像装置に関するものである。
一般に、ディジタル1眼レフカメラ等の撮像装置には、オートフォーカス(AF)機能を有し、かかるAF機能を実現するために、自動焦点検出装置(焦点検出装置)が搭載される。
図1は位相差式の焦点検出装置を備えた撮像装置としての電子カメラの簡略図である。
この電子カメラは、ハーフミラーからなるクイックリターンミラー11を有する一眼レフ構成となっており、撮影レンズ12から入射する被写体像光がクイックリターンミラー11で反射してファインダー13に導かれる。
また、クイックリターンミラー11を透過した被写体像光が副ミラー14で反射されて焦点検出装置15に導かれる。
上記したクイックリターンミラー11はシャッタレリーズに従って撮影光路外に退出移動する。
したがって、撮影レンズ12から入射する被写体像光が光電変換素子(たとえば、CCD)16によって受光される
これより、光電変換素子16により光電変換された画像信号が信号処理された後にメモリに記憶される。
図2は、上記した焦点検出装置15の構成例を示した光学系図である。
この焦点検出装置15は、基本構成として視野マスク17、コンデンサレンズ18、絞りマスク19、再結像レンズ20,21、焦点検出用センサ22より構成されている。
この焦点検出装置15は、撮影レンズ12の特定の射出面を通過した光束23a、23bが図示するように1対の被写体像光として焦点検出用センサ22の受光面に結像する。
合焦時の2つの像の間隔は、装置設計上決まる像間隔となり、焦点ずれが前ピンの場合には像間隔が広がり、後ピンの場合は像間隔が狭くなる。
したがって、焦点検出用センサ22の出力信号に基づいて合焦時の像間隔と焦点ずれ時の像間隔の差から、焦点ずれ量とずれ方向とを算出し、この算出信号に従って撮影レンズ12を移動駆動して合焦状態を得ることができる。
一方、上記した焦点検出装置に使用されている焦点検出用センサ22としては、図3に示すように、フォトダイオード24aを1列に配列したラインセンサ24、あるいは、図4に示したように、フォトダイオード25aを2次元配列したエリアセンサ25がある。
そして、上記したラインセンサ24、エリアセンサ25は、実効感度を高めるために、各画素(各フォトダイオードの受光面)が長方形に形成されている。
これは、各フォトダイオードの受光面を正方形とすると、十分な実効感度を得るためには画素ピッチが広くなり、焦点検出精度を高める上に好ましくないからである。
このことから、画素ピッチを可能な限り狭くして画素面積(画素エリア)を大きくするために、長方形画素として形成されている。
他方、画素を長方形とすると、次のような問題が生ずる。
すなわち、図5(A),(B)に示すように、斜め形状の被写体26が受光面に結像した場合、センサ出力信号のエッジに、いわゆる「エッジだれ」が生ずるようになる。
このようなセンサ出力信号のエッジだれは、図6(A),(B)に示すように、長方形画素24a(25a)を長くするほど大きくなる。
したがって、上記したようなセンサ24、25は、長方形画素24a(25a)を長くするほど画素面積が広くなり、実効感度が向上するために電荷蓄積時間が短くなる反面、斜め形状の被写体の結像によってセンサ出力値号のエッジのだれが大きくなる。
また、長方形画素24a(25a)を短くするほどセンサ出力信号のエッジのだれが少なくなる反面、実効感度の低下により電荷蓄積時間が長くなるという一長一短の特性を示す。
なお、長方形画素24a(25a)に対して平行となる垂直形状の被写体26が結像する場合は、図7(A),(B)、図8(A),(B)に示すように、長方形画素24a(25a)の長短に関係なく、エッジだれの極めて少ないセンサ出力信号となる。
上記したように、センサとしての光電変換素子には長方形画素が一長一短の特性を示すために、様々な構成のものが既に提案されている。
特に、エリアセンサとして形成されている光単変換素子としては、ライン毎の読み出しの他に、任意の2ラインを加算して読み出すことができる個体撮像素子の他に、山登り方式によりAF制御する電子カメラにおいて、各ラインを独立に読み出すモードと、2以上ラインを加算して読み出すモードとを有する焦点検出用センサ、あるいは、被写体の輝度に応じて輝度が充分な場合は画素を加算せず、輝度が比較的に低い場合は垂直方向に隣接する画素の加算を行うCCD撮像素子などがある。
しかし、上記したような撮像素子やセンサは、斜め被写体の結像による出力信号のエッジのだれが解決されておらず、また、画素エリアと電荷蓄積時間との関係が考慮されていないため、焦点検出用センサとして使用する場合、高い検出精度を得るには充分なものではなかった。
また、上述した焦点ずれ量は、光電変換素子の出力をCPUによりA/D変換したディジタルデータを用いて演算されるが、精度良く、高速で、広範囲をカバーすることができる自動焦点検出機能を実現するためには、感度・S/N比の向上が望まれる。そのためには、焦点検出用の光電変換素子から、精度良く、かつ、高速に出力信号(センサデータ)を取り出すことが必要である。
位相差式の焦点検出装置に用いられる光電変換装置は、センサデータの直流成分は不要であり、交流成分、すなわち、被写体のコントラスト成分に相当するセンサデータだけを取り出すことが望ましい。
かかる観点から本件出願人は、センサに入射する最大値および最小値の検出信号により、より精度良くセンサ信号を得るためのイメージセンサの蓄積制御、出力装置等について、下記特許文献に記載された発明を開示している。
すなわち、特許文献1において、本件出願人は、CCD撮像素子などのイメージセンサに入射する光のうち、最も強い部分光を電気的に検出し、最も弱い部分光を電気的に検出し、これらの差分に応じて増幅度が設定された差動増幅回路により光の明暗度をモニタするイメージセンサの出力装置に関する技術を提案している。
特許文献2において、本件出願人は、CCD撮像素子などのイメージセンサに入射する光のうち、最も強い部分光を電気的に検出し、最も弱い部分光を電気的に検出し、これらの差分が所定レベルに達するまでの時間に応じて、イメージセンサの電荷蓄積時間を規制するイメージセンサの電荷蓄積時間制御装置に関する技術を提案している。
特許文献3において、本件出願人は、広い測距エリアを持つ2次元センサから測光データを得ることにより、別に測光用センサを設けることなくその分のスペースを少なくでき、かつ焦点検出と被写体輝度のデータ取得動作を状況に応じて制御することにより、焦点検出および測光それぞれに最良な制御を可能とする2次元センサを用いた自動焦点検出装置に関する技術を提案している。
上記特許文献以外にも、エリアセンサ(光電変換素子)の蓄積制御技術、受光部の配置に関する技術として、以下の技術が知られているところである。
一対のエリアセンサの任意の位置にブロックを設定し、両方のエリアセンサの各ブロック毎に最大露光量検出手段と最小露光量検出手段を配置し、各ブロックの最大露光量検出手段と最小露光量検出手段により各ブロック毎に露光量を制御する技術として、たとえば、蓄積動作の開始からの各画素ブロック内の蓄積電荷量をモニタし、蓄積の制御と画素信号の出力を各画素ブロック毎に独立に実行するエリアセンサに関する技術や、各分割領域毎に蓄積レベルが所定レベルに達することを検出し、検出した結果に基づいて各画素の読み出しを開始する技術などが知られている。
また、一対のエリアセンサの一方に最大露光量検出手段、他方に最小露光量検出手段を配置させる技術として、たとえば、光電変換素子の最大値信号を検出する素子列と、最小値信号を検出する素子列とを、1対の光電変換素子列として、それぞれ分割配置し、または、連続配置された光電変換素子を1単位として、その各単位を交互に配置することにより、チップの歩留りと光電変換素子の受光部配置の自由度を向上させる技術などが知られている。
また、従来、位相差方式の焦点検出装置は複数のりニアセンサを用いて焦点検出が行われている。近年では焦点検出領域の多点化に伴いエリアセンサを用いたものもでてきている。多点化にあたり従来のリニアセンサでは焦点検出領域が固定されてしまうため、対応が難しくなっている。
従来、リニアセンサで焦点検出を行う場合、リニアセンサの蓄積領域の近傍に蓄積状態を監視するモニタ領域が設けられており、モニタ領域の蓄積レベルを出力させ、センサ外部のマイクロコンピュータなどで蓄積の停止を判断している。またエリアセンサを使用した焦点検出装置では、蓄積領域の蓄積レベルを非破壊読み出しでモニタ出力するものがある。この時のモニタ出力はセンサ内部の回路規模や制御回路の膨大になるためモニタ出力を単一の制御部で行い、各焦点検出領域毎に順次走査しながらモニタ出力を行う方式が提案されている。
また、位相差方式の焦点検出装置においては、被写体の像をセンサで受光し、その画素出力のコントラスト差から位相差を求める焦点検出を行うが、焦点検出領域のコントラスト成分のみを取り出すため、焦点検出領域の最小蓄積レベルを画素の蓄積レベルから減じて、不要な成分を除去する方法が提案されている。従来、リニアセンサを使用したものでは焦点検出領域が固定で、画素の最小蓄積レベルは検出領域内となるが、測距点の多点化に伴いエリアセンサをした場合には、その一部を使用して位相差検出を行うため検出領域以外の部分を多く含むことになり、検出領域以外に蓄積レベルが存在する場合にはコントラスト成分のみを取り出すことが可能となる。
特開昭64−85480号公報 特開平1−103077号公報 特開平10−161014号公報
ところで、上記特許文献1,2に開示した技術は、イメージセンサ、特にラインセンサに関する技術であって、撮像装置の自動焦点検出に適用させるためには、これらの特許文献に記載された技術をエリアセンサに応用する必要がある。すなわち、ラインセンサでは、被写体像の縦方向および横方向の限られたエリアの焦点検出のみしか行うことができないので、より広い範囲で精度の高い焦点検出を行うために、エリアセンサを使用する必要がある。
また、上記特許文献3に開示した技術は、エリアセンサに対してブロック毎に領域分割し、ブロック毎に独立蓄積制御を行う点については触れておらず、さらに精度の高い焦点検出が可能となる余地がある。
また、上述した技術、すなわち、両方のエリアセンサの各ブロック毎に最大露光量検出手段と最小露光量検出手段を配置し、各ブロックの最大露光量検出手段と最小露光量検出手段により各ブロック毎に露光量を制御する技術、および、一対のエリアセンサの一方に最大露光量検出手段、他方に最小露光量検出手段を配置させる技術については公知の技術であるが、このように最大露光量検出手段または最小露光量検出手段のいずれかを両方のエリアセンサに配置させると、それぞれのエリアセンサから検出信号を取り出さなければならず、配線を含めた回路規模が大きくなるという実装上の問題があり、一対のエリアセンサのうち、一方のエリアセンサにのみ最大露光量検出手段および最小露光量検出手段を配置させることが望ましい。
さらに、一方のエリアセンサにのみ最大露光量検出手段および最小露光量検出手段を配置させると、一方のエリアセンサをモニタしている間、他方のエリアセンサの蓄積を行うことができ、全体の処理時間の低減が期待できる。
エリアセンサを使用した場合の光電変換素子では、CCDセンサのように垂直転送路、水平転送路を有し、遮光されたこの転送路に蓄積電荷を転送することにより電子シャッタを行い、蓄積時間のズレの無い光電変換を行っている。
一方、CMOSタイプのエリアセンサでは光電変換部をスイッチングし各画素毎の電荷の転送が行っているが、各画素毎に蓄積時間にズレが生じてしまう。
これを回避するためには画素に遮光部を設けたり、全画素を一斉に転送する信号線を半導体内に設けることが考えられるが、そのように構成した場合、半導体のチップ面積が大きくなり、ICの大きさやコスト面で大きな負担となってしまう。
現行オートフォーカス(AF)を行う焦点検出装置では、CCDタイプの光電変換素子が殆どで、CMOSタイプを使用した場合、蓄積時間のタイムラグが発生するため画素数の多いものを使用することは実質的に難しくなっている。
CCDタイプの光電変換素子を使用した場合、その消費電力はCMOSタイプに比べ大きくなる。また上述のようにCMOSタイプの場合、一斉に蓄積を停止する電子シャッタを行おうとするとセンサチップの面積が大きくなり、コストの増大や大きな面積を必要とし実用的でないものとなってしまう。
また、一般的に、モニタ出力をセンサ外部のマイクロコンピュータ等の制御部で判断して蓄積停止を行っているが、多点化が進むにつれモニタを全焦点検出領域について判断していくのは処理的にも難しくなってくる。
たとえば1つの焦点検出領域のモニタをしていた時に他の検出領域の輝度がモニタしている領域より高かった場合には飽和してしまい焦点検出の精度の悪化や検出不能につながってしまう。モニタ中に各焦点検出領域を外部制御回路から随時選択して順次走査する場合には、その選択の処理時間やモニタ出力のAD変換時間に大きく依存してしまい、飽和してしまう可能性が多分にでてしまう。
また、多点化に伴い光電変換をエリアセンサを使用し、焦点検出領域毎にモニタする場合、焦点検出領域を分割するブロック内で検出領域の近傍以外に蓄積データの最大値があると、本来の焦点検出領域の蓄積データとしては十分な光量を得られずに蓄積が停止されてしまう。
また、エリアセンサを使用し、エリアセンサを焦点検出点毎の複数のブロックに分割し、その分割されたブロックの一部を使用して焦点検出を行い、分割された領域ごとに最小蓄積レベルを検出する焦点検出装置において、最小蓄積レベルがブロックの焦点検出領域付近にある場合には、その最小蓄積レベルを各画素の蓄積レベルから減じてコントラスト成分を取り出すことができる。しかし、最小蓄積レベルが焦点検出領域付近に無い場合には、ブロックのコントラスト成分のみを取り出すことが不可能となる。このため、低輝度の被写体やコントラスト差の少ない被写体で、コントラスト成分のみを取り出すことができない。
本発明の第1の目的は、蓄積時間のズレのない電子シャッタ機能を実現でき、また、広範囲な領域に対してより高速で精度の高い自動焦点検出を可能とし、かつ省スペースとなり、しかも、低輝度の被写体やコントラスト差の少ない被写体で、コントラスト成分のみを取り出すことができ、しかも高い焦点検出精度を得られ、ひいては合焦精度の向上を図れ、また、低輝度の被写体にも焦点検出することができる光電変換装置、焦点検出装置およびその方法、並びに撮像装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、斜め被写体の結像によるセンサ出力信号のエッジのだれ特性を維持した上で、実効感度を適正にし、焦点検出精度を可能なかぎり向上させることができ、しかも高い焦点検出精度を得られ、低輝度の被写体やコントラスト差の少ない被写体で、コントラスト成分のみを取り出すことができ、ひいては合焦精度の向上を図れ、低輝度の被写体にも焦点検出することができる光電変換装置、焦点検出装置およびその方法、並びに撮像装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点の光電変換装置は、受光部が2次元に配置されたエリアセンサと、上記エリアセンサを複数のブロックに分割する分割手段と、上記分割手段により分割された各ブロックの露光最大値を検出する最大値検出手段と、上記分割手段により分割された各ブロックの露光最小値を検出する最小値検出手段と、上記分割されたブロックごとに電子シャッタを行うシャッタ手段と、上記最大値検出手段から出力される露光最大値と上記最小値検出手段から出力される露光最小値とからモニタ信号を生成し、各ブロックのモニタ信号を順次共通の出力端により出力するモニタ出力手段とを有する。
好適には、上記分割手段により分割される複数のブロックの内少なくとも1を指定するブロック選択手段、をさらに有し、上記モニタ出力手段は各ブロックのモニタ信号を共通の出力端にてブロック毎に順次出力するものであって、上記ブロック選択手段によりブロックが選択された場合には、選択されたブロックのモニタ信号を随時共通の出力端に出力する。
好適には、上記モニタ出力手段は、上記ブロック選択手段によりブロックが指定されていない場合には、上記エリアセンサから読み出された各ブロック順にモニタ信号を出力し、上記ブロック選択手段により特定のブロックが選択された場合には、ブロック順に割り込んで特定のブロックのモニタ信号を上記共通の出力端に出力する。
好適には、上記エリアセンサは一対のエリアを備えるセンサであって、上記最大値検出手段、最小値検出手段、およびモニタ出力手段とが一対のエリアセンサの内、一方のみに配置されている。
好適には、上記モニタ出力手段からのモニタ信号により一対のエリアセンサ双方の露光量を制御する手段を有する。
好適には、外部から外部最小値を入力する外部最小値入力手段と、上記最小値検出手段から出力される露光最小値と上記外部最小値入力手段から入力される外部最小値を選択的に出力する選択手段と、をさらに有し、上記モニタ出力手段は、上記最大値検出手段から出力される露光最大値と上記選択手段から出力される露光最小値または外部最小値とからモニタ信号を生成する。
本発明の第2の観点の焦点検出装置は、受光部が2次元に配置されたエリアセンサと、上記エリアセンサを複数のブロックに分割する分割手段と、上記分割手段により分割された各ブロックの露光最大値を検出する最大値検出手段と、上記分割手段により分割された各ブロックの露光最小値を検出する最小値検出手段と、上記分割されたブロックごとに電子シャッタを行うシャッタ手段と、上記最大値検出手段から出力される露光最大値と上記最小値検出手段から出力される露光最小値とからモニタ信号を生成し、各ブロックのモニタ信号を順次共通の出力端により出力するモニタ出力手段と、上記モニタ信号により全ブロックそれぞれの露光量が所定値以上に蓄積されたことを検出する露光量検出手段と、上記露光量検出手段により全ブロックが所定値以上蓄積されたことを検出した場合に上記エリアセンサの蓄積データの読み出しを指示する指示手段と、上記指示手段による指示に基づき上記エリアセンサの蓄積データを出力する蓄積データ出力手段と、上記蓄積データ出力手段により出力される蓄積データより位相差信号を生成する位相差信号生成手段とを有する。
本発明の第3の観点の撮像装置は、受光部が2次元に配置されたエリアセンサと、上記エリアセンサを複数のブロックに分割する分割手段と、上記分割手段により分割された各ブロックの露光最大値を検出する最大値検出手段と、上記分割手段により分割された各ブロックの露光最小値を検出する最小値検出手段と、上記分割されたブロックごとに電子シャッタを行うシャッタ手段と、上記最大値検出手段から出力される露光最大値と上記最小値検出手段から出力される露光最小値とからモニタ信号を生成し、各ブロックのモニタ信号を順次共通の出力端により出力するモニタ出力手段と、上記モニタ信号により全ブロックそれぞれの露光量が所定値以上に蓄積されたことを検出する露光量検出手段と、上記露光量検出手段により全ブロックが所定値以上蓄積されたことを検出した場合に上記エリアセンサの蓄積データの読み出しを指示する指示手段と、上記指示手段による指示に基づき上記エリアセンサの蓄積データを出力する蓄積データ出力手段と、上記蓄積データ出力手段により出力される蓄積データより位相差信号を生成する位相差信号生成手段と、上記位相差信号生成手段により出力される位相差信号により焦点制御を行う焦点制御手段と、上記焦点制御手段により制御される光学レンズとを有する。
本発明の第4の観点の焦点検出方法は、受光部が2次元に配置されたエリアセンサを複数のブロックに分割する分割ステップと、上記分割されたブロックごとに電子シャッタを行うシャッタステップと、上記分割された各ブロックの露光最大値を検出する最大値検出ステップと、上記分割された各ブロックの露光最小値を検出する最小値検出ステップと、上記検出した露光最大値と上記露光最小値とからモニタ信号を生成し、各ブロックのモニタ信号を順次共通の出力端により出力するモニタ出力ステップと、上記モニタ信号により全ブロックそれぞれの露光量が所定値以上に蓄積されたことを検出する露光量検出ステップと、上記露光量検出ステップにより全ブロックが所定値以上蓄積されたことを検出した場合に上記エリアセンサの蓄積データの読み出しを指示する指示ステップと、上記指示に基づき上記エリアセンサの蓄積データを出力する蓄積データ出力ステップと、上記出力される蓄積データより位相差信号を生成する位相差信号生成ステップとを有する。
本発明によれば、蓄積時間のズレのない電子シャッタを実現できる。
また、エリアセンサを使用しているので、より広範囲な領域に対して焦点検出を行うことが可能である。
本発明によれば、エリアセンサを複数のブロックに分割し、各ブロックの蓄積信号の最大値と最小値の差分をモニタする機能を有しているので、各ブロック毎の明暗度、コントラストに応じた蓄積制御が可能となるため、精度の高い焦点検出を行うことができる。
本発明によれば、一方のエリアセンサにのみ最大露光量検出手段および最小露光量検出手段を配置させているので、配線を含めた周辺回路がコンパクトになり、さらに、一方のエリアセンサをモニタしている間、他方のエリアセンサの蓄積動作を行うため、全体の処理時間が低減し、高速で高精度な焦点検出が可能となる。
本発明によれば、最大露光量検出手段および最小露光量検出手段は各ブロック毎に配され、各ブロックに対するモニタ出力を共通としているので、各ブロック間の出力回路特性のばらつきを低減でき、かつ、装置の小型化が可能となる。
さらに本発明によれば、低輝度下での被写体やコントラスト差の少ない被写体において、有効なコントラスト成分のみを抽出して相関演算が行え、より正確な合焦動作が可能となり、また、被写体やその撮影環境に対応したオートフォーカスが可能となる。
また、本発明によれば、画素エリアの狭いフォトダイオードラインまたは画素エリアの広いフォトダイオードラインを読み出し、さらには、狭い画素エリアのフォトダイオードラインと広い画素エリアのフォトダイオードラインとを加算して読み出すことができる。
この結果、実効感度が適正に維持され、焦点検出にばらつきのない高精度のセンサ出力信号を得ることができる。
また、被写体の明暗に合った画素エリア面積となり、S/Nの高い適正に対応した実効感度の焦点検出信号を得ることができる。
また、高精度のフォーカス機能を有する撮像装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に関連付けて説明する。
図9は、本発明の係る自動焦点検出装置を採用した撮像装置としての電子カメラを模式的に示す図である。
本実施形態に係る電子カメラ100は、図9に示すように、光学系110、焦点検出装置120、およびコントローラ130を有している。
なお、焦点検出装置120には、本発明に係る光電変換装置が含まれている。
光学系110は、図9に示すように、撮像レンズ111、クイックターンミラー112、フォーカシングスクリーン113、ペンタプリズム114、サブミラー115、および反射ミラー116を有する。また、図9において、117はフィルム面を示している。
この光学系110においては、被写体の像は撮像レンズ111を通りクイックターンミラー112に導かれ、上方のフォーカシングスクリーン113に結像する。
一方、クイックターンミラー112を通過した被写体の像はサブミラー115、反射ミラー116で反射し、焦点検出装置120に導かれ、焦点検出装置120内のセンサで受光される。
焦点検出装置120は、図9に示すように、反射ミラー121、再結像レンズ122、および焦点検出センサ123を有している。
図10は、焦点検出装置120における再結像レンズ122、および焦点検出センサ123による結像状態を模式的に示す図である。
図10に示すように、焦点検出装置120で、被写体から反射した光束は絞り124により絞られ再結像レンズ122に導かれる。再結像レンズ122を通った光束は、たとえば4つのセンサ面A,A’,B,B’に被写体の像を結像する。
このように焦点検出装置120は、位相差を検出するための領域を複数個備えている。
図11は、位相差を検出する原理について説明するための図である。
また、図12(A)〜(C)は、図10のA,A’面で受光した被写体像の光量分布を示す図である。
図11に示すように、被写体像は撮像レベル(対物レンズ)111の111−1、111−2を通り、116−1、116−2の位置にある反射ミラー116を通り焦点検出装置120に導かれる。焦点検出装置120に導かれた被写体像は再結像レンズ122に導かれセンサ面A,A’面に映される。
A,A’面で受光した被写体像は、図12(A)〜(C)のような光量分布の波形となる。レンズの位置により焦点の合っている図12(B)に対し、レンズの前後で図12の(A)、(C)のような光量分布になり、前側にある時は互いに近づき、後ろ側にあるときは離れた状態で被写体像が結像される。
この原理から被写体像が焦点位置からどのくらいズレているかを位相差演算し焦点検出動作を行う。
上記の原理で本実施形態においては、十字方向の位相差を検出するため、図2におけるA,A’面を水平方向の位相差を検出するエリアとし、B,B’面を垂直方向の位相差を検出するエリアとして再結像レンズ122で分光しそれぞれのエリアに被写体像を映すようにしている。
図13は、本実施形態に係る焦点検出装置の焦点検出センサ面の焦点検出領域の構成例を示す図である。
図14は、本実施形態に係る焦点検出装置の焦点検出センサにおける焦点検出領域の配置例を示す図である。
上述したように、A,A’面は水平方向の位相差を検出する領域になっており、B,B’面は垂直方向の位相差を検出する領域になっている。再結像レンズ122を通った被写体像はそれぞれA,A’、B,B’面にて受光され、A,A’面において水平方向の位相差を検出するために図13のような配置の画素領域を使用し検出を行う。
同様にB,B’面において垂直方向の位相差を検出するために図13のような配置の画素領域を使用し検出を行う。
本実施形態では、A,A’、B,B’面をエリアセンサで構成し、この各エリアセンサを15のブロックに分割している。
このように、本実施形態においては、焦点検出領域は15点とし、15点の全点において水平方向、垂直方向の位相差の検出を行う。
また、図5に示すように、焦点検出領域センサ123におけるA,A’面では垂直方向の位相差を検出するため、対になっておりAとA’面の像信号のズレを位相差として検出する。B,B’面では水平方向の位相を検出するためB,B’が対になっており像信号のズレを位相差として検出する。
なお、図のように15のブロックに焦点検出領域を1つ配置するような構成で焦点検出を行うものとしたが、焦点検出領域の点数やその配置については自由で、多点化に対応するために1ブロックに2つの焦点検出領域を配置したり設定できるものである。
本実施形態においては、消費電力を抑えるCMOSタイプの光電変換素子を使用し、各ブロックの1ライン毎の画素に電子シャッタを行う配線を施すことにより、ブロック毎の電子シャッタが行えるようにしている。
本実施形態のセンサは焦点検出を行うセンサで、通常のカメラで使用される撮像素子とことなり全体画素の電子シャッタではなく焦点検出領域ごとに電子シャッタが行えればよいため、1ブロックのライン毎に配線することにより蓄積時間のズレのない電子シャッタが可能となっている。また、この光電変換を行い転送するスイッチング動作を対となるエリアセンサで同じトリガ信号を使用することにより位相差検出としてズレの無い蓄積を行うことが可能となっている。
また、配線をブロックのライン毎にすることによりセンサチップ面積を抑え、コスト面でも負担のないセンサとすることができる。
図15(A),(B)はCCDタイプとCMOSタイプのエリアセンサの構成例を示す図である。
図15(A)に示すCCDタイプのエリアセンサ140では水平、垂直転送路141,142があり、この部分が遮光されているため、エリアセンサ全画素での電子シャッタが行える。
一方、図15(B)のCMOSタイプのエリアセンサ150の場合、スイッチ群151,152により水平、垂直方向のスイッチングを行い走査することにより転送を行う。図15(B)において153は水平走査回路を、154は垂直走査回路、155はCDSをそれぞれ示している。
図16(A),(B)は、一般的なCCDタイプのエリアセンサとCMOSタイプのエリアセンサで蓄積を終了した時の蓄積データのズレについて説明するための図である。
図16からわかるように、CCDタイプでは一斉に蓄積データを遮光された転送路に移すことによりズレのない電子シャッタを行うことができる。
一方、CMOSタイプではスイッチングによる走査となるため歪んだ像になる。
これを本センサのように15点のブロックで位相差検出を行おうとした場合、図16(B)のように歪んでしまい、位相差を検出することが不可能となる。
そこで、本実施形態のセンサにおいては、ブロックのラインで配線を施すことによりライン内ではズレのない電子シャッタを可能としている。
図17は、本実施形態に係るセンサにおける1ブロックの画素とメモリの構成を示す図である。
図17において、PD1およびPD2は画素(光電変換素子:フォトダイオード)、171はカラムセレクタを、172−1〜172−mはPD1データの転送路(配線)、173−1〜173−mはPD2データの転送路(配線)、174−1〜174−mは加算器を、175はメモリをそれぞれ示している。
本センサにおいては、光電変換を行う1画素を画素PD1、画素PD2と2つに分かれており、通常は画素PD1のみで光電変換する。画素PD2を使用する際には、被写体からの反射光が低く低輝度の状態で画素PD1と画素PD2を加算して使用する。
図17においては、縦方向の位相差を検出する1ブロックの図で位相差を検出する方向のラインに対して配線が施されており、この配線172−1〜172−m、173−1〜173−mが加算器174−1〜174−mを介してメモリ175に接続されている。
メモリ175は遮光されており、蓄積の終了と同時にこの配線により各画素の出力が一斉にメモリ175へと移される。
この動作で1ライン間で蓄積時間にズレのない出力を得ることが可能となる。
また、センサチップの面積を小さくすることが可能となりコストの負担を軽減することが可能となる。
図18は、焦点検出装置120の焦点検出センサ123の具体的な構成例を示す図である。
上述したように、再結像レンズ122を通過した光束はセンサ123のA,A’、B,B’面に結像する。A,A’、B,B’面はフォトダイオードが2次元に配置されたエリアセンサで受光した被写体の像を光電変換する。
焦点検出センサ123で受光された被写体の像は光電変換された後、メモリに転送され焦点検出装置外部のコントローラ130の指示により出力を行う。
センサ面Aにより情報はメモリMAに転送されて記憶され、センサ面A’により情報はメモリMA’に転送されて記憶される。
センサ面Bにより情報はメモリMBに転送されて記憶され、センサ面B’により情報はメモリMB’に転送されて記憶される。
このように、センサ部では光電変換を行う受光部と光電変換された蓄積データを保持する内部メモリを有する。センサ部ではコントローラ130からの蓄積開始信号を受け蓄積を開始する。A,A′、B,B’のエリアセンサを15のブロックに分割し、その各ブロックごとに蓄積状態をモニタ回路を通して監視するモニタを行い、最大値および最小値を検出しながら蓄積を行う。適性な蓄積レベルに達した際に各ブロックごとに蓄積を終了する。各ブロックの蓄積が適性レベルに達するとセンサ内部で図17に示すようなメモリと接続された配線により1ラインごとに一斉に蓄積データがメモリに転送される。
このとき、ブロックの蓄積データのメモリへの移動は光電変換部のA,A'面またはB,B'面で対となっており、このタイミング同時で蓄積時間のズレのないデータがメモリに移動される。メモリに移された画素データは制御部である外部接続されたコントローラ130の指示に従い、出力されCPUではこの出力信号をA/D変換して位相差演算を行う。位相差演算の結果からデフォーカス量を算出し、レンズを駆動してピントを合わる。
そして、本実施形態においては、焦点センサ123には、外部から供給する蓄積レベルの外部最小値ExtMinが供給される。この外部最小値ExtMinはコントローラ130から供給するように構成することも可能である。
本実施形態の焦点検出装置120は、後で詳述するように、受光部が2次元に配置されたエリアセンサの、分割された各ブロックの露光最大値を検出する最大値検出部と、分割された各ブロックの露光最小値を検出する最小値検出部と、外部から外部最小値ExtMinを入力する外部最小値入力部と、最小値検出部から出力される露光最小値と外部最小値入力部から入力される外部最小値ExtMinを選択的に出力する選択部と、最大値検出部から出力される露光最大値と選択部から出力される露光最小値または外部最小値とからモニタ信号を生成するモニタ出力部とを含んで構成される。
また、焦点検出装置120は、分割される複数のブロックの内少なくとも1を指定するブロック選択部をさらに有し、モニタ出力部は各ブロックのモニタ信号を共通の出力端にてブロック毎に順次出力するものであって、ブロック選択部によりブロックが選択された場合には、選択されたブロックのモニタ信号を随時共通の出力端に出力する。
具体的には、モニタ出力部は、ブロック選択部によりブロックが指定されていない場合には、エリアセンサから読み出された各ブロック順にモニタ信号を出力し、ブロック選択部により特定のブロックが選択された場合には、ブロック順に割り込んで特定のブロックのモニタ信号を共通の出力端に出力する。
そして、本焦点検出装置120は、複数の領域に対応しいっせいに蓄積を開始させ、焦点検出領域内の光電変換素子の蓄積状態の最大値から最小値を差し引いたレベルをモニタし、複数の領域に対して個々もしくは一斉に蓄積を終了とすると判断する場合は蓄積を終了するように構成され、モニタをセンサ内部で各焦点検出領域毎に順番に行い、蓄積状態が所定の蓄積量を超える場合には自動的にモニタしている検出領域の蓄積を終了させる。 また、この焦点検出装置では検出領域を十字方向の位相差検出を行い、水平方向と垂直方向の位相差を検出するための分割された蓄積エリアがあり、この水平、垂直方向の蓄積エリアにおいてセンサ内部で並列的に蓄積状態をモニタし蓄積レベルを監視する。
また、モニタを行う焦点検出領域を選択し、出力させて蓄積レベルの監視を行う機能も有し、センサ内部でのモニタとモニタ出力させた蓄積レベルの監視とを切り換える。
センサ内部でのモニタにおいて、モニタ中に所定の蓄積量を超える場合には蓄積を停止し、蓄積を終了していないブロックだけをモニタする機能を有する。
この蓄積の自動停止は各焦点検出領域毎に設定する機能を有し、設定がONの検出領域だけ蓄積の停止を行う。
図19は、本実施形態に係るモニタ出力回路の構成例を示す回路図である。
モニタ出力回路180においては、最大値検出部181と最小値検出部182でブロック内の全画素から最大値、最小値を検出する。
最大値検出では最大値検出部181で画素の最大値を検出し、蓄積レベル検出部183で所定の蓄積レベルに達した場合にはモニタしているブロックの蓄積を停止させる。
一方、最小値検出では、蓄積終了後の蓄積データの出力の際に、コントラスト成分のみを抽出するため、ブロック内の最小蓄積レベルの検出を最小値検出部182で検出する。 この最小値レベルはブロックの蓄積停止がされるとセンサ内の図示しないレジスタに記憶され、蓄積データの出力の際にこの最小値レベルを演算器184で減算して増幅器185を介して出力する。
モニタの出力を行う場合はこの最大値と最小値を演算器184で減算しコントラスト成分の量を出力する。コントラスト成分が少ない場合には増幅器185で増幅し出力を行う。
この図19のモニタ出力回路180は図18のA,A’面とB,B’面の両面にありパラレルにモニタし、モニタ後、蓄積を終了すると光電変換された蓄積データは図18の内部メモリMA,MA’、MB,MB’に書き込まれ、蓄積データはコントローラ130からの指示に従いV out端子から出力し制御部でAD変換を行う。この出力データに基づき位相差演算を行い焦点検出を行う。
図20は、蓄積レベルをモニタするときの各画素の蓄積レベルと最大、最小値の検出レベルについての例を示す図である。
焦点検出領域が20画素の場合、モニタを行う各画素の蓄積レベルが図20のPixcel Dataで、モニタでは1画素目から20画素順に最大値、最小値の検出を行い、図20の右側の20画素目の最大値レベル、最小値レベルを減算したモニタが焦点検出領域のモニタ結果になる。
この最大値が所定レベルに達するとセンサでは蓄積の停止を行う。この蓄積レベルのモニタを15点の焦点検出領域について、センサ内部で順に行う。
図21、図22はセンサ内部でのモニタの状況を示す図である。
センサ内部では15点の焦点検出領域に分割されたブロックのモニタを順に行う。A,A’とB,B’面のモニタはパラレルに行われ、本実施形態ではブロックの1から15の順にモニタを行う。
各ブロックの波形はブロック内の最大値検出の波形である。A3のブロックではモニタ中に所定の蓄積レベルに達した場合で、A3ブロックの蓄積が停止され、次にA4のブロックのモニタを行う。1〜15のブロックについて蓄積中はモニタを随時行い、既に蓄積を停止したA3ブロックについてはモニタを行わず、図21のように蓄積を停止したブロックについてはそのブロックを飛ばしてモニタが行われる。
また、一般的なモニタ出力を行う場合、コントローラ130からモニタ出力を行うブロックを指定することによりモニタ出力を行う。そのとき、図22のようにセンサ内部では選択された検出方向の光電変換を行う面のブロックのモニタが行われこれを出力する。ブロックのモニタ出力が終了すると、センサ内部でのモニタは再度モニタ出力を行う前のブロックについて図のようにモニタする。
図23は、分割された焦点検出ブロック内の検出領域からはなれた画素に蓄積レベルの最大値がある場合について示す図である。
検出領域から離れた位置に蓄積レベルの最大値がある場合、センサ内部でモニタを行うと焦点検出領域の光量が不足し、被写体のコントラストがとれず、位相差演算を行った際に焦点検出不能となる。
本焦点検出装置120では、焦点検出領域を分割するブロック毎に、センサ内部でモニタを行う場合の蓄積の停止を設定する機能を有するため、焦点検出領域から離れたところに最大値が有るブロックの場合には、蓄積の停止機能をOFFに設定し、モニタを出力させて制御部で蓄積状態を判断するようにし、蓄積レベルの制御を行う。
このブロックの最大値が焦点検出領域から離れているか否かは1回目の蓄積で蓄積データとそのブロックの最小値が小さい場合離れていると判断し、2回目以降の蓄積動作で自動停止のON/OFFに設定する。
また、本実施形態に係る焦点検出装置120は、焦点検出エリアの分割されたブロック内の最小蓄積レベルが焦点検出領域の付近にない場合には外部から焦点検出領域の最小蓄積レベルと同等の電圧レベルを供給することにより、その外部からの電圧レベルを各画素の蓄積レベルから減じ、コントラスト成分のみを取り出すことを可能としている。
また、分割されたブロックの最小蓄積レベルを減じるか、外部から供給された最小蓄積レベルを減じるかをブロック毎に選択することができ、任意に設定することを可能にしている。
図24(A)〜(C)は、2はエリアセンサを15のブロックに分割した1つのブロックについてのコントラスト成分を抽出するための一例を示す図である。
本実施形態に係る焦点検出装置120においては、蓄積を開始すると各ブロックごとに蓄積状態を監視するモニタを行う。
モニタでは光電変換素子が飽和してしまうのを防ぐためにブロックの蓄積レベルの最大値を検出する。また、コントラスト成分を抽出するためにブロックの最小値を検出を行う。最大値の検出で1ブロック内の全画素の蓄積レベルを順に検出してその最大値が所定のレベルに達した場合に蓄積を停止するような構成になっている。
また、最小値の検出については最大値の検出と同様1ブロック内の全画素の蓄積レベルを順に検出してその最小値レベルを検出する。
コントラスト差の小さな被写体では不要な蓄積レベルの成分を含むため、図24(A)に示すように、本来の位相差演算で必要とするコントラストとして十分な信号が得られない。
焦点検出領域の最小蓄積レベルを減算することによりこの不要な成分は除去され、この信号を増幅して出力することにより、図24(B)に示すように、コントラスト成分のみを取り出した出力信号が得られる。
図25(A),(B)は、コントラスト成分を抽出するための最小値を減算する処理において、エリアセンサを分割する15のブロックの1ブロックにおける最小値を減算する場合と外部から最小値レベルと同等な電圧をセンサ部に供給し減算する例について説明するための図である。
本来、焦点検出装置では、焦点検出を行う領域は固定でリニアセンサを用いて焦点検出が行われていたが、本実施形態では、上述したように、多点化に対応するためエリアセンサを用いて焦点検出領域を自由に設定できる構成になっている。
本実施形態のようにエリアセンサでは実際に使用する焦点検出領域以外の部分を含み、焦点検出領域部分のみを抽出して位相差演算が行わる。
図のようにエリアセンサを分割した1つのプロックに焦点検出領域が配置され、焦点検出領域以外の部分に蓄積レベルの最小値がある場合、被写体のコントラスト成分は焦点検出領域の最小値を減じたものが理想的であるがブロックの最小値を減算するため、本来の被写体の最小値でない蓄積レベルが減じられ十分なコントラスト成分が得られなくなってしまう。
この問題を回避するため、本実施形態においては、図25(A)に示すように、ブロックの最小値が被写体から離れている場合には蓄積レベルの最小値と同等のレベルを外部から供給しコントラスト成分を抽出する。
一度焦点検出領域の蓄積データを出力し、ブロックの最小値レベルと焦点検出領域の蓄積レベルに差がある場合には、焦点検出領域の最小値レベルと同等な電圧レベルを外部から供給し、焦点検出領域の蓄積レベルから減算する。
図のようにコントラスト成分のみが抽出されこの信号を増幅して出力することにより被写体の位相差検出として十分な信号が可能となり、より精度の高い焦点検出が行えることになる。
コントローラ130は、マイクロコンピュータを主体として構成され、焦点検出装置12の焦点検出センサ123と接続されており、制御信号と通信コマンドにより焦点検出センサ123を制御する。
コントローラ130の制御信号には蓄積を開始するCG信号、前記水平、垂直方向の検出方向を選択するABSEL信号、焦点検出領域を選択するAS0−AS3信号、像信号を出力するVout等がある。
焦点検出センサ123において、蓄積終了した被写体の像信号はメモリMA,MA’,MB,MB’に転送されたのち、上記制御信号と通信コマンドによりコントローラ130に出力する。出力信号は焦点センサ123からのクロツク信号に同期しコントローラ130でA/D変換し、位相差演算が行われ、焦点検出を行う。
以上のような構成で多点化した焦点検出を行う。
以下、本実施形態に係る光電変換装置を含む焦点検出装置120の具体的な構成例について説明する。
図26は、本実施形態に係る焦点検出装置(光電変換装置)120および焦点検出装置120を制御するコントローラ130の回路ブロック図の1例を示す図である。
図26に示すように、焦点検出装置120は、一対の受光面200a,200bを有するエリアセンサ200と、タイミングジェネレータ202と、シリアルインタフェース(シリアルI/F)203と、制御信号インタフェース(制御信号I/F)204と、センサ信号処理部210と、を備えて構成される。
後述するように、エリアセンサ200は、上述したように、複数のブロックに分割指定され、各ブロック毎に動作可能である。そして、エリアセンサ200が分割された各ブロック毎に、焦点検出装置120は、センサ信号処理部210を有している。
センサ信号処理部210は、最大値検出手段としての最大値検出部211と、最小値検出手段としての最小値検出部212と、最小値サンプルホールド部213と、最大値比較部214と、最大値・最小値差動部215と、センサデータ/最小値SH差動部216と、モニタ出力手段およびセンサ信号出力手段としてのセンサ出力/モニタ出力切替部217と、増幅器218とを備えて構成される(図26の破線部分)。
また、コントローラ130は、CPU131とメモリ132とを備えて構成される。コントローラ130には、上述したA/D変換器を含まれる。
以下、焦点検出装置120およびコントローラ130の上述した各構成要素について説明する。
エリアセンサ200は、2次元に配置されたCCD等の焦点検出用光電変換素子の一部であり、一対のエリアセンサ受光面200a,200bから構成されている。
上述したように、エリアセンサ200は、所定のブロック単位でそれぞれ動作可能であり、焦点検出装置120は、各ブロックの座標について、コントローラ130よりシリアルインタフェース203を通して指定される。
タイミングジェネレータ202は、エリアセンサ200を駆動するほか、焦点検出装置120内の各機能が動作する周波数に応じたパルスを発生させるパルス発生器である。
シリアルインタフェース203は、コントローラ130のCPU131とシリアル通信を行うためのインタフェース回路を含んで構成される。焦点検出装置120は、シリアル通信によりCPU130から送信される各コマンドに基づいて、エリアセンサ200の動作設定を行う。
以下、シリアル通信により送信される各コマンドについて説明する。
(1)ブロック座標指定コマンド
CPU130から、エリアセンサ200に対応する各ブロックのX,Yの座標を送信し、各ブロックの領域を決定するためのコマンドである。本コマンドを出すCPU130は、本発明の分割指定手段に相当する。
なお、本実施形態において、最大ブロック数は15ブロックであるが、15ブロック以下であれば任意の数のブロックを設定することが可能である。
なお、各ブロックの境界が接していてもよいし、各ブロックの境界が接していなくてもよい。
(2)ブロック座標読み出しコマンド
CPU130から、エリアセンサ200のブロックを指定すると、指定されたブロックの座標値を焦点検出装置120から読み出し可能とするコマンドである。
(3)各ブロック蓄積状況受信コマンド
CPU130より本コマンドを送信すると、エリアセンサ200の各ブロックが現在電荷蓄積中であるか否かの情報を読み出し可能となる。
後述するように、最大値検出部211の出力信号レベルが所定の上限値に達することにより、焦点検出装置120がブロック単位で蓄積を自動停止する場合があるので、そのような場合でも、各ブロックが電荷蓄積しているか、または、停止しているかについての情報がコントローラ130側で得られるように、本コマンドが設定されている。
(4)センサデータ出力レート選択コマンド
CPU130より本コマンドを送信することにより、エリアセンサ200のデータ出力レートを選択することが可能となる。転送レートは、本実施形態においては、マスタークロックの1/16,1/64,1/128,1/256,1/512の中から選択することが可能である。
(5)蓄積停止コマンド
CPU130が、本コマンドによりエリアセンサ200の任意のブロックを指定すると、焦点検出装置120は、指定されたブロックの電荷蓄積を停止する。
なお、本コマンドを送信するCPU130は、本発明の蓄積終了手段に相当する。
制御信号インタフェース204は、焦点検出装置120がコントローラ130と制御信号の授受を行う入出力端子を含んで構成される。
図27は、制御信号インタフェース104が有する入出力端子(端子)を示す図であり、(A)は、各端子名を、(B)は、各端子の信号の入出力を、(C)は、各端子に対応する機能を、それぞれ示す。
本実施形態においては、図27(A)の中で、CG,CH,TH,TM,AT,OM,AS1〜4,AGC0〜2の各端子を介して、制御信号の授受が行われる。
また、図27(B)においては、INと記載された端子の信号は、コントローラ130より入力する信号であり、OUTと記載された端子の信号は、コントローラ130に対して出力する信号である。
なお、図27(B)において、PWRと記載された端子であるVDDおよびVSSは、それぞれ電源電圧、接地電圧に接続された端子であり、OUTと記載されたVOUTは、後述するモニタ出力またはセンサ出力のアナログ出力端子であり、ともに制御信号ではない。
以下、図27(A)に記載した制御信号について説明する。
制御信号CGは、コントローラ130からエリアセンサ200の蓄積の開始を指示する制御信号である(Lレベル:蓄積開始,Hレベル:不蓄積)。
たとえば、コントローラ130のCPU131が、焦点検出装置120のCG端子をHレベルからLレベルに変化させると、焦点検出装置120は、制御信号インタフェース204を介してそのレベル変化を認識し、エリアセンサ200の全ブロックに対して、電荷蓄積を開始する。
なお、制御信号CGを送信するCPU131は、本発明の蓄積開始手段に相当する。
制御信号CHは、焦点検出装置120が出力する制御信号であり、各ブロックのうち少なくとも1つのブロックが蓄積中であるか否かを示す(Lレベル:全ブロックが不蓄積,Hレベル:少なくとも1ブロックが蓄積中)。上述した「各ブロック蓄積状況受信コマンド」および本制御信号により、コントローラ130は、各ブロックの蓄積状況を知ることができる。
制御信号THは、コントローラ130から転送開始を指示する制御信号である(Lレベル:転送開始,Hレベル:非転送)。通常は、蓄積終了後に、焦点検出装置120からセンサデータの転送を開始するタイミングで、転送対象のブロックが指定されて転送開始が指示される。
制御信号TMは、焦点検出装置120が出力する制御信号であり、センサデータが転送中であるか否かを示す(Lレベル:非転送,Hレベル:転送中)。
制御信号ATは、焦点検出装置120が出力するパルス波形の制御信号であり、コントローラ130のCPU131は、焦点検出装置120が出力する画素単位のセンサデータを、制御信号ATに同期させて順次A/D変換する。具体的には、CPU131は、制御信号ATがHレベルからLレベルに変化するタイミングでA/D変換を開始する。
制御信号OMは、コントローラ130より指示される制御信号であり、これにより、センサ出力/モニタ出力切替部217におけるセンサ出力またはモニタ出力の切り替えが制御される(Lレベル:モニタ出力選択,Hレベル:センサ出力(画素出力)選択)。通常は、蓄積制御中は、モニタ出力が選択され、蓄積が終了するとセンサ信号を取り出すためにセンサ出力が選択される。
制御信号AS1〜4は、コントローラ130より指示される制御信号であり、増幅器218が出力する信号VOUT(モニタ出力またはセンサ出力)に対するブロック選択が指示される。本実施形態においては、各ブロックに対応するセンサ信号処理部210に対して、信号VOUTのための出力端子が共通であるため、どのブロックについて出力するかについては、制御信号AS1〜4により、コントローラ130が選択する。
制御信号AS1〜4の各信号は、信号レベル(Lレベル:「0」,Hレベル:「1」)に応じた4ビットのデータを構成する。たとえば、AS1:「L」,AS2:「H」,AS3:「L」,AS4:「L」であれば、ブロック4が選択されたことになる(図27(C)参照)。
なお、制御信号AS1〜4を送信するCPU131は、本発明のブロック選択手段に相当する。
制御信号AGC0〜2は、コントローラ130より指示される制御信号であり、増幅器218が出力するセンサデータまたはモニタデータの増幅度を意味する。
制御信号AGC0〜2の各信号は、信号レベル(Lレベル:「0」,Hレベル:「1」)に応じた3ビットのデータを構成する。たとえば、AGC0:「L」,AGC1:「H」,AGC2:「L」であれば、20倍の増幅度(ゲイン)が指示されたことになる(図27(C)参照)。
なお、本制御信号AGC0〜2により、各ブロック毎に独立してゲインを選択することが可能である。
最大値検出部211は、図26に示すように、エリアセンサ200の受光部200bの出力信号レベルの最大値を検出する。
最小値検出部212は、図26に示すように、エリアセンサ200の受光部200bの出力信号レベルの最小値を検出する。
なお、最大値検出部211と最小値検出部212は、エリアセンサ200の1対の受光部200a,200bのいずれかの信号出力を検出すればよい。これは、再結像レンズ122によって同一像が1対のエリアセンサ受光部200a,200bの各面に形成されるので、一方の面だけをモニタすればよいからである。本実施形態では、図18に示すように、エリアセンサ受光面200bをモニタしている。
最小値サンプルホールド部213は、タイミングジェネレータ202により生成された所定の周波数の信号に同期して、最小値検出部212の出力信号S212をサンプリングして保持する(サンプルホールド)。
最大値比較部214は、エリアセンサ200の蓄積の飽和を回避するために、最大値検出部211の出力信号S211と所定の飽和レベル(停止レベル)とを比較し、出力信号S211が飽和レベルを越える場合、すなわち、エリアセンサ200の電荷蓄積が飽和レベルに達したと判断した場合には、出力信号S214をLレベルとする。
また、センサ信号処理部210は各ブロック毎に設けられ、各ブロックに対応するセンサ信号処理部210の最大値比較部214において、蓄積が飽和レベルに達したか否かが判断される。すなわち、飽和レベルに達したか否かの判断は、各ブロック独立に行われる。
焦点検出装置120は、対応する最大値比較部214の出力信号S214がHレベルからLレベルに変化したブロックに対しては、コントローラ130からの「蓄積停止コマンド」を待たずに電荷蓄積を停止させる。
飽和レベルに達した場合に焦点検出装置120側で自動的に蓄積を停止させるのは、後述するモニタ出力(VOUT)に基づくコントローラ130の蓄積制御の遅れを考慮したためである。
すなわち、コントローラ130は、後述するモニタ出力(信号S215)に基づいて蓄積を制御するが、各ブロックを時系列順に処理していくため、蓄積制御に遅れが生じる場合が想定される。この制御の遅れは、制御サイクル、被写体輝度およびコントラスト等に起因するため、制御の遅れを定量的に把握することは困難である。したがって、制御に遅れが生じた場合であっても、センサにおける蓄積の飽和を避けるため、上述したとおり、飽和レベルに達した場合には、焦点検出装置120側で自動的に蓄積動作を停止させることにしている。
最大値・最小値差動部215は、最大値検出部211の出力信号と最小値検出部212の出力信号を減算したモニタ出力(信号S215)を、センサ出力/モニタ出力切替部217を介して、増幅器218へ供給する。
図28は、モニタ出力信号の時間の経過に応じた状態を例示する図であり、(A)は、出力信号S211,S212の信号レベルの時間経過に応じた変化を、(B)は、出力信号S215(モニタ出力)の信号レベルの時間経過に応じた変化を、それぞれ示す。
図28に示すように、電荷の蓄積時間が経過するとともに露光量が増加するので、最大値検出部211の出力信号S211および最小値検出部212の出力信号S212ともに、増加する(図28(A))。これらの出力信号S211,S212から差分値を演算したモニタ出力S215が、図28(B)に示すように出力される。
センサデータ/最小値SH差動部216は、エリアセンサ受光面200aのセンサ出力と最小値サンプルホールド部213でサンプルホールドされる最小値検出部212の出力信号S212の差分値を演算して出力する(信号S216)。
センサ出力/モニタ出力切替部217は、最大値・最小値差動部215の出力信号S215(モニタ出力)またはセンサデータ/最小値SH差動部216の出力信号S216(センサ出力)のいずれかの信号を選択可能とするスイッチ機能を有する。
信号選択の切り替えは、図26に示すように、コントローラ130から供給される制御信号OM(OM信号)によって行うことができる。すなわち、OM信号がHレベルのときは、センサ出力を選択し、OM信号がLレベルのときは、モニタ出力を選択する。
増幅器218は、制御信号AGC0〜2により指定される増幅度(ゲイン)により、センサ出力/モニタ出力切替部217により選択された信号(モニタ出力またはセンサ出力)を、コントローラ130のCPU131のA/D変換部に出力する(信号VOUT)。
上述したとおり、コントローラ130からの制御信号であるOM信号がLレベルのときは、センサ出力/モニタ出力切替部217はモニタ出力を選択し、増幅器218は、モニタ出力を増幅して出力する。
その際、出力端子を各ブロック毎に配設すると、端子数が膨大となり、結果として焦点検出装置120が大型化し、かつ、各端子の出力回路特性のばらつきにより各ブロックの出力信号のばらつきが発生してしまうので、これを避けるために、本実施形態では、出力端子は1端子、すなわち出力回路が全ブロックに対して共通とし、適宜ブロックを指定して出力させることとしている。
コントローラ130は、CPU131およびメモリ132を含んで構成される。
CPU131は、焦点検出装置120の各端子に制御信号を送信し、焦点検出装置120の焦点検出装置120の電荷蓄積を制御する。さらに、CPU131は、焦点検出装置120とシリアル通信を行い、エリアセンサ200に蓄積動作の設定を行う。
また、CPU131は、焦点検出装置120のエリアセンサ200において電荷蓄積中の場合には、各ブロックのモニタ出力をVOUTとして入力して、電荷蓄積を制御する。すなわち、CPU131は、モニタ出力VOUTを内蔵されたA/D変換器によりディジタル信号に変換し、蓄積レベル(蓄積量)の判定を行い、蓄積レベルが所定のレベルに達した場合には、ブロックを指定した蓄積停止コマンドを焦点検出装置120に対して送出する。
また、CPU131は、各ブロック毎に、蓄積時間とモニタ出力に応じたゲイン設定を行い、そのゲイン設定をメモリ131に記憶させる。
すなわち、被写体が暗い場合や、コントラストが低い場合には、十分な蓄積量を得るのに時間がかかるため、各ブロック毎に、蓄積時間とモニタ出力に応じた最適なゲイン設定を行う。たとえば、明暗差が大きい場合にはゲインを小さく、明暗差が小さい場合にはゲインを大きく設定する。これにより、明暗差が小さい場合でも、蓄積時間を抑制しつつ早期に所定の信号レベルを得ることができる。
エリアセンサ200において電荷蓄積停止後は、センサ出力をVOUTとして入力し、焦点検出装置120からの制御信号ADをトリガとして、入力したセンサ出力をディジタルに変換して処理する。その際、メモリ132に記憶された各ブロック毎のゲインが読み出されて適用される。
メモリ132は、EEPROM等の不揮発性メモリを含んで構成され、焦点検出装置120の増幅器218のゲイン設定値を、エリアセンサ200の各ブロック毎に記憶する。
以上、焦点検出装置120およびコントローラ130の各構成要素について説明した。
次に、本実施形態における光電変換装置の動作について、図29(A)〜(N)、図30(A)〜(N)、および図31(A)〜(N)のタイミングチャートに関連付けて説明する。
図29、図30、および図31は、本実施形態における焦点検出装置の動作を説明するためのタイミングチャートであり、(A)は焦点検出装置120の電源の起動状態を、(B)はリセット(RST)信号(L:アクティブ)を、(C)マスタクロック(MCLK)信号を、(D)はシリアルインタフェース203が行う通信状態を、(E)は制御信号CGを、(F)は制御信号CHを、(G)はエリアセンサ200の各ブロックの蓄積状態を、(H)は出力信号VOUT(モニタ出力/センサ出力)を、(I)は制御信号OMを、(J)は制御信号AS1〜4を、(K)は制御信号AGC0〜2を、(L)は制御信号THを、(M)は制御信号TMを、(N)は制御信号ATを、それぞれ示す。
なお、図29から図31にかけて、時系列的に各信号が推移する。
図29(A)に示すように、時刻t0に焦点検出装置120の電源が起動されると、ほどなくリセット信号がHレベル(図29(B))となり、所定の周波数を有するマスタークロックが動作する(図29(D))ことで、焦点検出装置120の各機能が動作可能状態となる。
まず、図29(D)が示すように、シリアルインタフェース203を介したシリアル通信により、コントローラ130が焦点検出装置120の初期設定を行う。
初期設定として、たとえば、ブロック座標指定コマンドにより、エリアセンサ200に対するブロック指定が行われる。前述したように、エリアセンサ200は、指定されたブロック毎に動作可能である。本説明においては、ブロックの指定は、各ブロックの分割領域が互いに接するように、15個のブロックに分割が行われたものとする。
図30において、時刻t1になると、コントローラ130のCPU131は、焦点検出装置120に対して電荷蓄積を指示する。すなわち、CPU131は、図30(E)に示すように、制御信号CGをHレベルからLレベルに変化させる。
これにより、焦点検出装置120は、エリアセンサ200の全ブロックの電荷蓄積を一斉に開始し、これに伴って、図30(G)に示すように、エリアセンサ200の各ブロックBLK1〜15の各ブロックが、時刻t1の後に、電荷蓄積中(Hレベル)となる。
また、図30(F)に示すように、蓄積中信号を表す制御信号CHは、少なくとも1個のブロックが電荷蓄積中であればHレベルする、すなわち、全ブロックの電荷蓄積状態のORの論理値を出力するので、時刻t1後ほどなく、制御信号CHはHレベルとなる。
図30(H)が示す蓄積量のモニタ信号(モニタ出力)VOUTは、各ブロック毎に備えられた最大値検出部211および最小値検出部212により出力される信号である最大値(信号S212),最小値(信号S212)の差分値を、最大値・最小値差動部215で演算されて出力された信号である。
その際、コントローラ130より送信される制御信号AS1〜4(図30(J))により、所定のエリアセンサ200のブロックが指定され、コントローラ130より送信される制御信号AGC0〜2(図30(K))により、指定された各ブロックに応じたゲインが指定されるので、これらの制御信号に応じたモニタ出力VOUTが出力される。
各ブロック毎のモニタ出力VOUTは、CPU131に内蔵されたA/D変換器によりディジタル信号に変換され、CPU131において蓄積レベル(蓄積量)の判定が行われる。すなわち、モニタ出力VOUTが所定のレベル以上になり蓄積レベルが十分であるか否かが判断される。
なお、蓄積動作をしている間は、ブロックのセレクト信号(AS1〜4)を切り替えた場合でも、各ブロックのモニタ信号を順次A/D変換し、その結果から、蓄積量を判断し制御する。
図30において、時刻t2になると、図30(G)に示すように、エリアセンサ200の2番目のブロック(BLK2)が、蓄積の飽和を回避するために、蓄積を自動停止(最大値自動停止)して、蓄積状態がオフ状態(Lレベル)となる。
すなわち、2番目のブロック(BLK2)のために設けられたセンサ信号処理部11の最大値検出部211の出力信号S211を、最大値比較部214において所定の飽和レベル(停止レベル)と比較し、出力信号S211が飽和レベルを越える場合、すなわち、エリアセンサ200の電荷蓄積が飽和レベルに達したと判断した場合には、出力信号S214をHレベルとする。
これにより、焦点検出装置120は、2番目のブロック(BLK2)のみエリアセンサ200の蓄積を停止させる。
なお、電荷蓄積中の間、コントローラ130のCPU131が、各ブロックが蓄積中か否かについての情報を要求する「各ブロック蓄積状況受信コマンド」を送信すると、図30(D)に示すとおり、当該コマンドを受信した焦点検出装置120は、各ブロックに対応するセンサ信号処理部210の最大値比較部214の出力信号S214をモニタして、各ブロックが蓄積中であるか否か(蓄積状態)を判断し、その結果をシリアル通信によりコントローラ130に応答する(図30(D)の「蓄積状況受信」)。
上述のように、焦点検出装置120が2番目のブロック(BLK2)のみ蓄積を停止させた場合には、コントローラ130は、上記「各ブロック蓄積状況受信コマンド」に対する応答により、2番目のブロック(BLK2)の蓄積が停止されたことを認識することができる。
図30において、時刻t3になると、CPU131は、逐次A/D変換するモニタ出力VOUTが所定レベルに達することにより、蓄積レベル(蓄積量)が十分であると判断し、焦点検出装置120に対して「蓄積停止コマンド」を送信する(図30(D)の「蓄積停止」)。
「蓄積停止コマンド」は、制御信号AS1〜4によりブロックを指定して蓄積を停止させることが可能であるが、図30のタイミングチャートに示す例では、すべてのブロックの蓄積レベルが十分であると判断し、すべてのブロックの蓄積を停止させる場合を示している。
すなわち、コントローラ130のCPU131は、全ブロックを指定した「蓄積停止コマンド」をシリアル通信により送出し、「蓄積停止コマンド」を受信した焦点検出装置120は、その後すべてのブロックの蓄積を停止する。
また、図30(F)に示すとおり、すべてのブロックの蓄積が停止され、蓄積状態がオフ状態(図30(G)のBLK1〜15がすべてLレベル)となると、各ブロックの蓄積状態の信号のOR論理値を示す制御信号CHが、HレベルからLレベルに変化するので(図30(F))、コントローラ130は、制御信号CHをモニタすることで、すべてのブロックの蓄積状態がオフ状態(蓄積停止)となったことを確認することができる。
以上の動作により、蓄積動作が完了したので、次にエリアセンサ200のセンサ信号を出力させる。エリアセンサ100のセンサ信号を出力させるためには、焦点検出装置120のセンサ出力/モニタ出力切替部217において、センサ信号を選択させる必要がある。
そのため、図30(I)に示すように、コントローラ130のCPU131は、時刻t4において、制御信号OMをLレベルからHレベルに変化させる。
これにより、焦点検出装置120では、センサ出力/モニタ出力切替部217において、モニタ信号(モニタ出力)からセンサ信号(センサ出力)への切り替えが行われ、センサデータ/最小値SH差動部216の出力信号S216、すなわち、サンプルホールドされた最小値信号(S213)とセンサ信号の差分値が増幅器218により増幅され、VOUTとして出力されることになる(図30(H))。
その際、先ず、コントローラ130は、シリアル通信により「センサデータ出力レート選択コマンド」を焦点検出装置120に対して送信し、センサ出力VOUTの転送レートを指定する。前述したとおり、転送レートは、マスタークロック(MCLK)の1/16,1/64,1/128,1/256,1/512の中から設定することが可能であり、コントローラ130のCPU131のA/D変換速度に応じた転送レートを選択・指定して、上記コマンドを送信する。
また、コントローラ130は、焦点検出装置120に出力させるブロックを制御信号AS1〜4により指定する。
そして、コントローラ130は、出力対象のブロックの増幅器218のゲインとして、メモリ132が記憶する蓄積終了時のゲインを、制御信号AGC0〜2により指定する。
各ブロックに対するゲインは、前述したとおり、明暗差が小さい場合には大きく、明暗差が大きい場合には小さく設定されているので、明暗差が小さい被写体に対するセンサ出力VOUTについても、極めて高精度にA/D変換を行うことが可能となる。
たとえば、100:90の被写体を100の分解能でA/D変換しても、90〜100の信号を得るのみであるが、10倍増幅してA/D変換すれば、0〜100の信号を得ることができ、10倍の分解能を持ったA/D変換器を使用したことと同等となり、高精度にA/D変換を行うことができる。
そして、図30(L)に示すとおり、時刻t5において、コントローラ130が制御信号THをLレベルにすると、焦点検出装置120は、制御信号AS1〜4で指定されたブロックのセンサデータの出力(センサ出力)を開始する。
その際、図30(N)に示すように、焦点検出装置120側から出力される制御信号ATに同期して、コントローラ130のCPU131は、1画素毎の出力を取り込んでA/D変換を行う。すなわち、図30(N)に示すパルス波形の制御信号ATがLレベルからHレベルに切り替わるタイミングで、焦点検出装置120が出力する画素信号が切り替わり、制御信号ATがHレベルからLレベルに変換するタイミングにおいて、各画素のセンサデータが安定したタイミングとなるので、CPU131は、制御信号ATがHレベルからLレベルに変化するタイミングでA/D変換を開始する。
図30に示す例では、図30(J)に示すように、まず1番目のブロック(BLK1)が選択され、そのセンサデータが取り込まれてA/D変換が行われている。
時刻t5以降は、図31に示すように、順次各ブロックがコントローラ130により選択され、焦点検出装置120の各ブロックのセンサデータVOUTがコントローラ130に取り込まれてA/D変換が行われる。
図31では、(J)に示すように、ブロック6および7が指定されて、各ブロックのセンサデータVOUTがコントローラ130に取り込まれてA/D変換が行われている。
なお、各ブロックのセンサデータの転送は、各ブロックのすべての画素のデータを出力し終えた時点で停止する。
また、各ブロックのすべての画素のデータ出力が終了していない場合であっても、コントローラ130側で制御信号THをLレベルからHレベルに戻すことにより、その時点で途中停止することができる。すなわち、各ブロックのセンサ出力の中で必要な部分のデータを取り出した後に、不要な部分のデータ転送を打ち切ってすみやかに次の処理を行うことができるように、コントローラ130側でデータ転送を停止させることができる(データ転送停止処理)。
これにより、データ転送時間の短縮につながり、全体の処理時間の短縮させることが可能となる。
また、図31(D)に示すように、データ転送処理を高速化するため、コントローラ130は、「センサデータ出力レート選択コマンド」によりデータ転送レートを適宜切り替える。すなわち、各ブロックのセンサデータのうち、必要な部分のデータ以外は、転送レートを最高速度に設定し、必要な部分のデータについては、CPU131がA/D変換可能な速度まで、転送レートを低減する制御を行う。
これにより、上述したデータ転送停止処理同様、センサデータ転送の短縮につながり、全体の処理時間を短縮させることが可能となる。
そして、本実施形態に係る焦点検出装置120は、複数の領域に対応しいっせいに蓄積を開始させ、焦点検出領域内の光電変換素子の蓄積状態の最大値から最小値を差し引いたレベルをモニタし、複数の領域に対して個々もしくは一斉に蓄積を終了とすると判断する場合は蓄積を終了するように構成され、モニタをセンサ内部で各焦点検出領域毎に順番に行い、蓄積状態が所定の蓄積量を超える場合には自動的にモニタしている検出領域の蓄積を終了させる。 また、この焦点検出装置では検出領域を十字方向の位相差検出を行い、水平方向と垂直方向の位相差を検出するための分割された蓄積エリアがあり、この水平、垂直方向の蓄積エリアにおいてセンサ内部で並列的に蓄積状態をモニタし蓄積レベルを監視する。
また、モニタを行う焦点検出領域を選択し、出力させて蓄積レベルの監視を行う機能も有し、センサ内部でのモニタとモニタ出力させた蓄積レベルの監視とを切り換える。
センサ内部でのモニタにおいて、モニタ中に所定の蓄積量を超える場合には蓄積を停止し、蓄積を終了していないブロックだけをモニタする機能を有する。
この蓄積の自動停止は各焦点検出領域毎に設定する機能を有し、設定がONの検出領域だけ蓄積の停止を行う。
また、焦点検出装置120は、焦点検出エリアの分割されたブロック内の最小蓄積レベルが焦点検出領域の付近にない場合には外部から焦点検出領域の最小蓄積レベルと同等の電圧レベルを供給することにより、その外部からの電圧レベルを各画素の蓄積レベルから減じ、コントラスト成分のみを取り出すことを可能としている。
また、分割されたブロックの最小蓄積レベルを減じるか、外部から供給された最小蓄積レベルを減じるかをブロック毎に選択することができ、任意に設定することを可能にしている。
上述したように、本実施形態に係る焦点検出装置120においては、蓄積を開始すると各ブロックごとに蓄積状態を監視するモニタを行う。
モニタでは光電変換素子が飽和してしまうのを防ぐためにブロックの蓄積レベルの最大値を検出する。また、コントラスト成分を抽出するためにブロックの最小値を検出を行う。最大値の検出で1ブロック内の全画素の蓄積レベルを順に検出してその最大値が所定のレベルに達した場合に蓄積を停止するような構成になっている。
また、最小値の検出については最大値の検出と同様1ブロック内の全画素の蓄積レベルを順に検出してその最小値レベルを検出する。
コントラスト差の小さな被写体では不要な蓄積レベルの成分を含むため、本来の位相差演算で必要とするコントラストとして十分な信号が得られない。
焦点検出領域の最小蓄積レベルを減算することによりこの不要な成分は除去され、この信号を増幅して出力することにより、コントラスト成分のみを取り出した出力信号を得る。
以下に、この焦点検出動作を図32,図33のフローチャートに関連付けて説明する。 図32は、本実施形態に係る動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図33は、本実施形態に係る焦点検出の蓄積状態監視動作を説明するためのフローチャートである。
まず、図27に示すように、カメラの電源をON状態とし(ST101)、焦点検出領域を選択する(ST102)。
焦点検出としては15点ありその全点を十字方向で検出することが可能で、ステップST102では、1点を選択するモードと全点を選択するモード等を選択する。
次に、被写体をとらえレリーズボタンを1段目まで押すことにより、焦点検出動作を開始する(ST103)。
焦点検出を開始すると、まず被写体の像を焦点検出装置で受光し、センサ面では蓄積を開始する(ST104)。
本実施形態における焦点検出装置120には、センサの蓄積状態を監視する機能が組み込まれており、蓄積レベルが適正な状態まで行われているかを判断しながら制御する(ST105)。
蓄積状態が適正と思われる状態になったら、蓄積の終了をする(ST106)。蓄積が終了すると焦点検出装置120のセンサでは蓄積されたデータをセンサ内部のメモリに書き込む。書き込まれたデータは制御部の指示に従いV out端子から出力する(ST107)。
このときV out端子からの出力はコントラスト成分のみを抽出して出力するため、センサ内部で位相差を検出する相関演算(ST109)を行う。相関演算から求まった焦点のズレ量からレンズを駆動する(ST110)。
このステップST104ST110を繰り返し行い合焦動作を行う。
図33は、図32の蓄積状態の監視(ST105)における詳細のフローである。
蓄積を開始すると、蓄積状態を監視するモニタを行う。センサ内にはモニタを行う回路がA,A’面とB、B’面にあり、パラレルでモニタを行う。このフローではその1つのモニタの動作フローである。
蓄積を行うエリアセンサはA,A’、B,B’面は前記図13のようにエリアセンサが15のブロックに分割され、そのブロックに焦点検出領域が1つ含まれる構成になっており、そのブロックごとにモニタが行われる。
ブロックの全画素の蓄積レベルについて最大値検出(ST1051)、最小値検出(ST1052)が行われる。
モニタを出力する場合には(ST1053)の最大値一最小値を減算しVot端子から出力される。
次に、最大値検出で蓄積レベルが所定のレベルに達しているか判断される(ST1054)。所定の蓄積レベルに達していない場合は次のブロックのモニタに移る(ST1055)。
所定のレベルに達した場合は、蓄積の停止を行うか否かを判断する(ST1056)に移る。この判断は蓄積開始前に制御部からの指示でセンサ内部で自動停止を行うかを記憶しておき、センサではこの設定により自動停止するかを判断する(ST1056)。 ここで、自動停止ONの場合は、蓄積レベルの最小値をレジスタに記憶し、ブロックの蓄積停止が行う(ST1057,ST1058)。
このレジスタに記憶された最小値は、蓄積データを出力する際に蓄積レベルから減算され、コントラスト成分として出力する為のものである。全ブロックに蓄積が停止しているか判断し、終了している場合はモニタを終了する。
終了していない場合は次のブロックのモニタを行います。順次このフローに従い全ブロックのモニタが行われる。
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の領域に対応しいっせいに蓄積を開始させ、焦点検出領域内の光電変換素子の蓄積状態の最大値から最小値を差し引いたレベルをモニタし、複数の領域に対して個々もしくは一斉に蓄積を終了とすると判断する場合は蓄積を終了するように構成され、モニタをセンサ内部で各焦点検出領域毎に順番に行い、蓄積状態が所定の蓄積量を超える場合には自動的にモニタしている検出領域の蓄積を終了させ、焦点検出装置120を有することから、以下の効果を得ることができる。
光電変換素子の蓄積を適正な蓄積レベルで蓄積を停止、より精度の高い焦点検出動作を行うことが可能となる。また従来のセンサ内部で各焦点検出方向のモニタをパラレルで行い、蓄積の停止した検出領域については飛ばしてモニタすることにより効率のよい制御が行え焦点検出領域の多点化に対応した合焦動作が可能となる。
そして、焦点検出を高速かつ高精度に行うことができ、しかも低輝度下での被写体やコントラスト差の少ない被写体において、有効なコントラスト成分のみを抽出して相関演算が行え、より正確な合焦動作が可能となる。またそのコントラスト差を抽出するための手段としてブロックの蓄積レベルの最小値を各画素の蓄積レベルから減ずるか、外部から供給される焦点検出領域の最小値レベルと同等の電圧レベルを各画素の蓄積レベルから減ずるかを選択する機能を有することにより、被写体やその撮影環境に対応したオートフォーカスが可能となる利点がある。
なお、本実施形態は、位相差検出領域において、垂直および水平方向(すなわち十字)を例に説明したが、右斜め左斜め(すなわちX字)としても同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態の光電変換装置によれば、それぞれ同一の像が形成されるエリアセンサ200の1対の受光面200a,200bと、1対のエリアセンサ受光面200a,200bのうち一方の出力の最大値を得る最大値検出部211と、最小値を得る最小値検出部212と、最大値と最小値の差分値(モニタ出力)を演算する最大値・最小値差動部115と、最小値検出部212が出力する最小値をサンプルホールドする最小値サンプルホールド部213と、最小値サンプルホールド部213によりサンプルホールドされた最小値と1対のエリアセンサ受光面200a,200bのうち他方の出力との差分値(センサ出力)を演算するセンサデータ/最小値SH差動部216と、モニタ出力またはセンサ出力のいずれかを選択して出力するセンサ出力/モニタ出力切替部217と、モニタ出力またはセンサ出力を増幅して出力する増幅器218と、CPU131を含む外部のコントローラ130とシリアル通信を行うシリアルインタフェース203と、CPU131から制御信号を受信する制御信号インタフェース204とを焦点検出装置120が有し、CPU131からの制御信号によりモニタ出力が選択されると、エリアセンサ200の電荷蓄積に応じたモニタ出力により、コントローラ130は、蓄積制御を行い、蓄積動作が完了した場合には蓄積動作を停止させると同時に、CPU131からの制御信号によりセンサ出力を選択して処理するように構成した。
その際、焦点検出装置120は、シリアル通信を介して、コントローラ130によりエリアセンサ受光面200a,200bのブロック領域(センサ座標)が指定され、指定された各ブロックに対してモニタ信号を生成するが、出力端子は全ブロックで共通とするように構成した。
したがって、以下の効果を得ることができる。
上述したように、本実施形態の光電変換装置は、最大値検出部211と最小値検出部212を、それぞれ同一の像が形成されるエリアセンサ200の1対の受光面200a,200bのどちらか一方に構成したので、それぞれのエリアセンサからモニタ信号を取り出す必要がなく、配線を含めた回路規模を極小化できる実装上の効果がある。
また、一方のエリアセンサをモニタしている間、他方のエリアセンサの蓄積動作を行うため、全体の処理時間が低減し、高速な焦点検出が可能となる。
上述したように、最大値検出部211と最小値検出部212は各ブロック毎に配され、各ブロックに対するモニタ出力端子を共通としているので、各ブロック毎にモニタ出力端子を有する場合と比較して、各ブロック間の出力回路特性のばらつきを低減でき、かつ、焦点検出装置120の小型化が可能となる。
上述のブロック領域指定(センサ座標指定)は、各エリアセンサ受光面200a,200bに対して共通の座標に設定され、一方の受光面の各ブロックの蓄積制御結果に基づいて、他方の受光面の対応する同一座標のブロックのセンサ出力が処理されるので、各ブロック毎の明暗度、コントラストに応じた精度の高い蓄積制御が可能となる。
本実施形態の焦点検出装置120は、コントローラ130からの制御信号(制御信号CG)によりエリアセンサ200の蓄積を開始し、コントローラ130からのコマンド(蓄積停止コマンド)を受信してエリアセンサ200の蓄積を終了し、蓄積が終了するとセンサ信号を出力するが、これらの動作については、ブロックを選択・指定して独立に行うので、エリアセンサ100の各ブロック単位での最適な制御を行うことが可能である。たとえば、特定のブロックの蓄積レベルが十分な状態に達した場合には、その特定のブロックのみの蓄積を停止させることが可能である。
本実施形態の光電変換装置は、コントローラ130により、蓄積時間とモニタ出力に応じた増幅器218のゲイン設定が各ブロック毎になされるので、被写体が暗い場合やコントラストが低い場合でも、蓄積時間を抑制しつつ所定の信号レベルをすみやかに得ることができる。
また、各ブロックに対するゲインは、明暗差が小さい場合には大きく、明暗差が大きい場合には小さく設定されるので、明暗差が小さい被写体に対するセンサ出力VOUTについても、極めて高精度にA/D変換を行うことが可能となる。
以上では、図26に関連付けて、広範囲な領域に対してより高速で精度の高い自動焦点検出を可能とし、かつ省スペースとなり、しかも、低輝度の被写体やコントラスト差の少ない被写体で、コントラスト成分のみを取り出すことができ、ひいては合焦精度の向上を図れ、低輝度の被写体にも焦点検出することができる焦点検出装置について説明した。
以下では、斜め被写体の結像によるセンサ出力信号のエッジのだれ特性を維持した上で、実効感度を適正にし、焦点検出精度を可能なかぎり向上させることができ、低輝度の被写体やコントラスト差の少ない被写体で、コントラスト成分のみを取り出すことができ、ひいては合焦精度の向上を図れ、低輝度の被写体にも焦点検出することができる焦点検出装置について説明する。
図34は、本実施形態に係る焦点検出装置(光電変換装置)120Aおよび焦点検出装置120Aを制御するコントローラ130Aの回路ブロック図の他例を示す図である。
この図において、300はエリアセンサ(焦点出用センサ)を示し、このエリアセンサ300にはCMOS形のイメージセンサを用い、コントローラ130によってX、Y走査するXYアドレス方式としてある。
そして、このエリアセンサ300は、各画素が長方形に形成してあるが、画素エリアの小さいフォトダイオードを配列した第1のフオトダイオードライン300aと、画素エリアの大きいフォトダイオードを配列した第2のフォトダイオードライン300bを縦方向に交互に配置した多数ラインの構成となっている。
なお、図面では説明の便宜上6ラインのものを示したが実際には多数ラインとなっている。
また、上記のエリアセンサ300は1ラインと2ラインの同時読み出しが可能になっており、読み出し構成が図35に示してある。
なお、図35は説明の便宜上エリアセンサ300を簡略的に示したが、図示するスイッチ素子(FET)SW1は第1のフォトダイオードライン300aの各々のフォトダイオードに設けられ、スイッチ素子(FET)SW2は第2のフォトダイオードライン300bの各々のフォトダイオードに設けられており、また、各々のフオトダイオードにはフローテイングゲートが接続してある。
したがって、スイッチ素子SW1のゲートにX走査パルスΦP1を第1、第3、第5・ラインにしたがって順次与えて各スイッチ素子SW1をONさせることにより、第1のフォトダイオードライン300aの画素信号を読み出すことができる。
同様に、スイッチ素子SW2のゲートにX走査パルスΦP2を第2,第4、第6・・・・ラインにしたがって順次与え各スイッチ素子SW2をONさせれば、第2のフォトダイオードライン300bの画素信号を読み出すことができる。
また、このエリアセンサ300は、第1のフォトダイオードライン300aと第2のフォトダイオードライン300bとより読み出した画素信号を一つの画素アンプAPに人力させ、この画素アンプAPの出力をY走査パルスΦVSによってONするスイッチ素子(FET)SW3を介してセンサ出力信号VOとして出力させるようになっている。
具体的には、X走査パルスΦP1を供給してスイッチ素子SW1のみをONさせれば、画素エリアの小さい第1のフォトダイオードライン300aの画素信号のみを読み出す第1読み出し回路が形成され、また、X走査パルスΦ2を供給してスイッチ素子SW2のみをONさせれば、画素エリアの大きい第2のフォダイオードライン300bの画素信号のみを読み出す第2読み出し回路が形成される。
そして、X走査パルスΦP1、ΦP2を供給してスイッチ素子SW1、SW2をONさせれば、第1のフォトダイオードライン300aと第2のフォトダイオードライン300bの画素信号を同時に読み出し、これら2ラインの画素信号を画素アンプAPで加算する第3読み出し回路が形成される。
一方、上記の焦点検出装置には、エリアセンサ300に照射される光の最大光の蓄積電荷を検出するピーク検出回路301と、その光の最小光の蓄積電荷を検出するボトム検出回路302が設けてある。
ピーク検出回路301が出力するピーク信号VPは、コンパレータ303によって停止レベル信号と比較され、ピーク信号VPが停止レベルを越えることによってコンパレータ303が出力する飽和による停止信号VSがタイミングジェネレータ304に送られる。
具体的には、最大光によってエリアセンサ300が電荷蓄積の飽和近くになったときのピーク信号V Pによってコンパレータ303が飽和による停止信号VS1を出力し、タイミングジェネレータ304がその停止信号VS1に応動してエリアセンサ300の電荷蓄積を一停止させる(第1蓄積停止手段)。
なお、コントローラ130Aは停止信号VS1を入力し、第1蓄積停止手段によって電荷蓄積が停止されたことを確認する。
また、ピーク信号VPとボトム信号VBはオペアンプ(差動増幅回路)305に入力し、これらピーク信号VPとボトム信号VBとの差信号がコントローラ130Aに送られる。
すなわち、図36、図37に示したように、ピーク信号VPとボトム信号VBは被写体のコントラスト(エリアセンサ300に照射する光の明暗差)によって変わるため、ピーク信号VPとボトム信号VBの差信号をモニタ信号V Mとして入力したコントローラ130Aが被写体のコントラストを判断する。
コントローラ130Aは上記のモニタ信号VMが予め定めた規定時間内に所定レベルに達したとき、モニタによる停止信号VS2をタイミングジェネレータ304に送り、このタイミングジエネレータ304の応動動作によってエリアセンサ300の電荷蓄積を停止させる(第2蓄積停止手段)。
また、コントローラ130Aは、モニタ信号VMが規定時間内に所定レベルに達することなく、規定時間を経過した場合、コントローラ130Aがリミット時間による停止信号VS3をタイミングジェネレータ304に送る。
タイミングジェネレータ304は、その停止信号VS3に応動し、エリアセンサ300の電荷蓄積を強制的に停止させる(第3蓄積停止手段)。
エリアセンサ300は上記した第1、第2、第3蓄積手段のいずれかの停止手段によって電荷蓄積を停止し、その後、既に述べたところの第1、第2、第3読み出し回路によって画素信号が読み出され、センサ出力信号VOとしてコントローラ130Aに送られる。
なお、コントローラ130Aはセンサ出力信号VOを入力し、このセンサ出力信号VOに従って焦点検出信号を演算する。
そして、この焦点検出信号に応動するフォーカス駆動部が撮影光学系の焦点調節用レンズを移動させて合焦させる。
第1、第2、第3読み出し回路はコントローラ31によって選択され、いずれかの読み出し回路によって読み出し動作が行われる。
具体的には、コントローラ31がカウンタによってエリアセンサ30の電荷蓄積時間、をカウントし、予め定めた時間tl、t2、t3(t1<t2<t3)と上記した第1、第2、第3蓄積停止手段の電荷蓄積停止に従って第1、第2、第3読み出し回路を選択的に動作させるようにする。
すなわち、コントローラ130Aがt1時間未満、tl〜t2時間、t2〜t3時間で第1蓄積停止手段が動作した場合、同様にt1時間未満、tl〜t2時間、t2〜t3時間で第2蓄積停止手段が動作した場合、t3時間以上で第3蓄積停止手段が動作した場合を判断し、その判断にしたがって第1、第2、第3読み出し回路のいずれかを動作させるX走査パルスとしてΦP1又はΦP2あるいはΦP1とΦP2を出力する。
図38はコントローラ130Aによって行われる上記した第1、第2、第3読み出し回路の選択動作を示したフローチャートである。
図示するように、エリアセンサ300の制御開始時にいずれの読み出し回路で読み出し状態となっているかを判断し、その読み出し回路が初期選択される(ステップST500,ST501)。
続いて、エリアセンサ300の電荷蓄積を開始させると共に電荷蓄積時間のカウントが開始する(ステップST502、ST503)。
電荷蓄積が開始した後は、飽和による停止手段(第1蓄積停止手段)によって電荷蓄積が停止したか否かの判断ステップに進み、蓄積停止が確認されたときはフラグ1(PEK STP=1)をセットする(ステップST504、ST512)。
上記のようにフラグ1をセットした後、電荷蓄積時間のカウントが停止され、初期選択されている読み出し回路によって画素信号が読み出されてセンサデータ転送が行なわれ、センサ出力V 0がコントローラ130Aに送られる(ステップST509、ST510)。
続いて、次回フォトダイオードの選択ステップST511に進み、次回走査の第1を選択してセンサ蓄積開始ステップST502にリターンする。
なお、次回走査のダイオード選択については後渉する。
一方、飽和による蓄積停止のステップST504において、時間t1以内で電荷蓄積の停止が行われないと判断したときは、モニタ信号V Mが時間t1以内に所定レベルに達したか否かを判断する(ステップST505)。
ここで、モニタ信号が所定レベルに達したことか確認されると、フラグ1(MON STP=1)をセットすると共に第2蓄積停止手段によって電荷蓄積が停止される(ステップST513、ST508)。
以後は上記同様にして蓄積時間の停止、センサデータ転送、次回フォトダイオード選択のステップST509、ST510、ST511を経てセンサ蓄積開始ステップST502にリターンする。
この動作での次回フォトダイオードの選択については後述する。
モニタ信号VMのレベルチェックのステップST505において、モニタ信号が時間t1以内に所定レベルに達しないときは、電荷蓄積時間がリミット時間t3となったか否かの判断ステップST506に進み、飽和による蓄積停止の判断とモニタレベルのチェックとを繰り返す(ステップST506、ST504、ST505)。
このように、飽和による蓄積停止の判断とモニタレベルのチェゲクとを繰り返している間に、飽和による電荷蓄積が停止されると、フラグ1(PEK STP=1)をセットし上記同様に動作し、また、モニタ信号VMが所定レンズに達すれば、フラグ1(MON STP=1)をセットし上記同様に動作する。
リミット時間t3となっても電荷蓄積が停止されずその蓄積が続く場合は、フラグ1(LMT STP=1)をセットして第3蓄積停止手段によって電荷蓄積を停止させる(ステップST506、ST513、ST508)。
その後、上記同様に蓄積時間のカウントの停止、1センサデータの転送、次回フォトダイオード選択のステップを経てセンサ蓄積開始のステップST502にリターンする(ステップST509、ST510、ST511、ST502)。
上記したように、飽和による蓄積停止(第1蓄積停止手段)、モニタ信号VMのレベルチェックによる蓄積停止(第2蓄積停止手段)、リミット時間経過による蓄積停止(第3蓄積停止手段)によってフラグ1がセットされ、このフラグ1にしたがって次回走査のフォトダイオードが選択がされる。
図39、図40はフォトダイオードの選択動作を示すフローチャートである。
これらの図面に示すように、第1蓄積停止手段で電荷蓄積が停止され、PEK STP=1のフラグ1がセットされた場合は、図39のフローチャートが実行される(ステップST601)。
すなわち、第1蓄積停止手段の蓄積停止が時間t1未満となるときは、高輝度でコントラストが低いときであるから、蓄積時間(Ctim)を優先させるために、フォトダイオードは切換えず、現状の選択されているフォトダイオードで次回走査を行う。
また、第1蓄積停止手段の蓄積停止が時間t1を越えるときは、中輝度で低コントラストの場合であるから、蓄積時間を短くするため、画素エリアを1ランク大きくしたフォトダイオードを選択する(ステップST703)。
具体的には、前回の読み出し走査が第1のフォトダイオードライン300aによって行われたときは、第2のフォトダイオードライン300bを読み出す第2読み出し回路に切換える。
同様に、前回の読み出し走査が第2のフォトダイオードライン300bで行われたとき、または、第1、第2のフォトダイオードライン300a、300bで行われたときは、第1、第2のフォトダイオードライン300a、300bを加算して読み出す第3の読み出し回路に切換える(ステップST704)。
第1蓄積停止手段の蓄積停止が時間t2を越えるときは、低輝度で低コントラストの状態であるから、電荷蓄積時間を短くするため、最大限の画素エリアとするフォトダイオードを選択する。
すなわち、前回走査のフォトダイオードが第IXは第2のフォトダイオードライン300a、300b、あるいは、第1のフォトダイオードライン300aと300bの加算であっても、第1のフォトダイオードライン300aと300bを加算して読み出す第3読み出し回路に切換える(ステップST701、ST702)。
一方、第2蓄積停止手段により電荷蓄積が停止され、MON STP=1のフラグ1がセットされた場合は図38のフローチャートが実行される。
すなわち、第2蓄積停止手段の蓄積停止がt1時間未満となるときは、高コントラストで信号成分は充分であるので、センサ出力信号のエッジ特性を向上させるため、画素エリアの狭いフォトダイオードを選択する(ステップST605、ST606)。
すなわち、前回走査したフォトダイオードが第1のフォトダイオードライン300aまた社第2のフォトダイオードライン300bであると串は第1のフォトダイオードライン300aを読み出す第1読み出し回路に切換え、前回走査が第1、第2のフォトダイオードライン300a、300bで行われたときは、第2のフォトダイオードライン300bを読み出す第2の読み出し回路に切換える。
第2蓄積停止手段の電荷停止がt1〜t2時間となるときは、中コントラストで制御上安定した状態となるので、フォトダイオードの選択は行なわず、前回走査のフォトダイオードラインの読み出し回路が維持される。
第2蓄積停止手段の電荷停止がt2時間を超える場合は、低コントラストの状態であるので蓄積時間を短くするように画素エリアの大きいフォトダイオードを選択する(ステップST603、ST604)。
すなわち、前回走査が第1のフォトダイオードライン300aであるときは第2のフォトダイオードライン300bを読み出す第2読み出し回路に、第2のフォトダイオー,ドライン300bであるときは第1、第2のフォトダイオードライン300a、300bを加算して読み出す第3読み出し回路に切換え、第3読み出し回路が選択されておれば、第3読み出し回路を維持する。
他方、第3蓄積停止手段により電荷蓄積が停止され、LMT STP=1のフラグ1がセットされる場合は、リミット時間t3以内にセンサ出力信号VOを得るため、画素エリアが最大となるようにフォトダイオードを選択する(ステップST602、ST607)。
すなわち、前回走査のフォトダイオードラインにかかわらず、常に第1、第2のフォトダイオードライン300a、300bを加算して読み出す第3読み出し回路に切換える。
なお、上記のように次回走査のフォトダイオー:ドラインを選択した後は各フラグを0に戻す(ステップST608)。
図41には上記したフォトダイオードの選択をまとめて示してある。
図34の装置によれば、焦点検出用センサは、被写体の明るさ、被写体のコントラストにしたがい第1、第2,第3読み出し手段を選択的に動作させる。
これより、画素エリアの狭いフォトダイオードラインまたは画素エリアの広いフォトダイオードラインを読み出し、さらには、狭い画素エリアのフォトダイオードラインと広い画素エリアのフォトダイオードラインとを加算して読み出すことができる。
この結果、実効感度が適正に維持され、焦点検出にばらつきのない高精度のセンサ出力信号を得ることができる。
また、上記した焦点検出装置によれば、焦点検出用センサの電荷蓄積時間に応じて第1、第2、第3読み出し手段が選択的に動作するので、被写体の明暗に合った画素エリア面積となり、S/Nの高い適正に対応した実効感度の焦点検出信号を得ることができる。
さらに、上記したように第1、第2、第3読み出し手段を選択的に動作させる焦点検出装置により撮影光学系の焦点調節手段を制御するので、高精度のフォーカス機能を有する電子撮像装置を実現することができる。
焦点検出装置を備えた一眼レフカメラの簡略図である。 焦点検出装置の光学系図である。 従来例として示したラインセンサの簡略図である。 従来例として示したエリアセンサの簡略図である。 (A)は長方形画素のセンサに斜めの被写体が結像した状態を示し、(B)は(A)の結像状態のセンサ出力信号を示す図である。 (A)は長くした長方形画素のセンサに斜めの被写体が結像した状態を示し、(B)は(A)の結像状態のセンサ出力信号を示す図である。 (A)は長方形画素のセンサに被写体が垂直に結像した状態を示し、(B)は(A)の結像状態のセンサ出力信号を示す図である。 (A)は長くした長方形画素のセンサに被写体が垂直に結像した状態を示し、(B)は(A)の結像状態のセンサ出力信号を示す図である。 本発明の係る自動焦点検出装置を採用した撮像装置としての電子カメラを模式的に示す図である。 本実施形態に係る焦点検出装置における再結像レンズおよび焦点検出センサによる結像状態を模式的に示す図である。 位相差を検出する原理について説明するための図である。 (A)〜(C)は、図10のA,A’面で受光した被写体像の光量分布を示す図である。 本実施形態に係る焦点検出装置の焦点検出センサ面の焦点検出領域の構成例を示す図である。 本実施形態に係る焦点検出装置の焦点検出センサにおける焦点検出領域の配置例を示す図である。 CCDタイプとCMOSタイプのエリアセンサの構成例を示す図である。 一般的なCCDタイプのエリアセンサとCMOSタイプのエリアセンサで蓄積を終了した時の蓄積データのズレについて説明するための図である。 本実施形態に係るセンサにおける1ブロックの画素とメモリの構成を示す図である。 本実施形態に係る焦点検出装置の焦点検出センサの具体的な構成例を示す図である。 本実施形態に係るモニタ出力回路の構成例を示す回路図である。 蓄積レベルをモニタするときの各画素の蓄積レベルと最大、最小値の検出レベルについての例を示す図である。 センサ内部でのモニタの状況を示す図である。 センサ内部でのモニタの状況を示す図である。 分割された焦点検出ブロック内の検出領域からはなれた画素に蓄積レベルの最大値がある場合について示す図である。 (A)〜(C)は、2はエリアセンサを15のブロックに分割した1つのブロックについてのコントラスト成分を抽出するための一例を示す図である。 (A),(B)は、コントラスト成分を抽出するための最小値を減算する処理において、エリアセンサを分割する15のブロックの1ブロックにおける最小値を減算する場合と外部から最小値レベルと同等な電圧をセンサ部に供給し減算する例について説明するための図である。 本実施形態に係る焦点検出装置(光電変換装置を含む)および焦点検出装置を制御するコントローラの回路ブロック図の1例を示す図である。 本実施形態における光電変換装置の各端子を例示する図であり、(A)は、各端子名を、(B)は、各端子に対応する信号の光電変換装置に対する入出力状態を、(C)は、各端子に対応する信号の機能を、それぞれ示す図である。 本実施形態の光電変換装置において、蓄積時間に対する各出力信号の変化を例示する図であり、(A)は、蓄積時間に対する出力信号S211,S212の変化を、(B)は、蓄積時間に対する出力信号S215の変化を、それぞれ示す図である。 図26の焦点検出装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 図26の焦点検出装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 図123焦点検出装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 本実施形態に係る動作の概要を説明するためのフローチャートである。 本実施形態に係る焦点検出の蓄積状態監視動作を説明するためのフローチャートである。 本実施形態に係る焦点検出装置(光電変換装置を含む)および焦点検出装置を制御するコントローラの回路ブロック図の他例を示す図である。 図34の焦点検出装置に備えたエリアセンサの簡略図である。 図37の焦点検出装置に備えたピーク検出回路が出力するピーク信号とボトム検出回路が出力するボトム信号を示す特性図である。 ピーク信号とボトム信号の差信号であるモニタ信号を示す特性図である。 図34の焦点検出装置に備えたコントローラが行うエリアセンサの電荷蓄積制御を示すフローチャートである。 図34の焦点検出装置に備えたコントローラが行う次回走査のフォトダイオード選択動作を示すフローチャートである。 図34の焦点検出装置に備えたコントローラが行う次回走査のフォトダイオード選択動作を示すフローチャートである。 図34の焦点検出装置のフォトダイオードの選択態様を示す図である。
符号の説明
100…電子カメラ、111…光学系、111…撮像レンズ、112…クイックターンミラー、113…フォーカシングスクリーン、114…ペンタプリズム、115…サブミラー、116…反射ミラー、117…フィルム面、120…焦点検出装置、122…再結像レンズ、123…焦点検出センサ、A,A’,B,B’…焦点検出領域(センサ面)、130…コントローラ、PD1,PD2…画素(光電変換素子:フォトダイオード)、171…カラムセレクタ、172−1〜172−m…PD1データの転送路(配線)、173−1〜173−m…PD2データの転送路(配線)、174−1〜174−m…加算器、175…メモリ、200…エリアセンサ、200a,200b…エリアセンサ受光面、202…タイミングジェネレータ、203…シリアルインタフェース、204…制御信号インタフェース、210…センサ信号処理部、211…最大値検出部、212…最小値検出部、213…最小値サンプルホールド部、214…最大値比較部、215…最大値・最小値差動部、216…センサデータ/最小値SH差動部、217…センサ出力/モニタ出力切替部、218…増幅器、130,130A…コントローラ、131…CPU、132…メモリ、120A…焦点検出装置、300…エリアセンサ、300a…第1のフォトダイオードライン、300b…第2のフォトダイオードライン、SW1、SW2、SW3…スイッチ素子、AP…画素アンプ、301…ピーク検出回路、302…ボトム検出回路、303…コンパレータ、304…タイミングジェネレータ、305…オペアンプ。

Claims (9)

  1. 受光部が2次元に配置されたエリアセンサと、
    上記エリアセンサを複数のブロックに分割する分割手段と、
    上記分割手段により分割された各ブロックの露光最大値を検出する最大値検出手段と、
    上記分割手段により分割された各ブロックの露光最小値を検出する最小値検出手段と、
    上記分割されたブロックごとに電子シャッタを行うシャッタ手段と、
    上記最大値検出手段から出力される露光最大値と上記最小値検出手段から出力される露光最小値とからモニタ信号を生成し、各ブロックのモニタ信号を順次共通の出力端により出力するモニタ出力手段と
    を有する光電変換装置。
  2. 上記分割手段により分割される複数のブロックの内少なくとも1を指定するブロック選択手段、をさらに有し、
    上記モニタ出力手段は各ブロックのモニタ信号を共通の出力端にてブロック毎に順次出力するものであって、上記ブロック選択手段によりブロックが選択された場合には、選択されたブロックのモニタ信号を随時共通の出力端に出力する
    請求項1記載の光電変換装置。
  3. 上記モニタ出力手段は、上記ブロック選択手段によりブロックが指定されていない場合には、上記エリアセンサから読み出された各ブロック順にモニタ信号を出力し、上記ブロック選択手段により特定のブロックが選択された場合には、ブロック順に割り込んで特定のブロックのモニタ信号を上記共通の出力端に出力する
    請求項2記載の光電変換装置。
  4. 上記エリアセンサは一対のエリアを備えるセンサであって、上記最大値検出手段、最小値検出手段、およびモニタ出力手段とが一対のエリアセンサの内、一方のみに配置されている
    請求項1乃至3のうちのいずれか一に記載の光電変換装置。
  5. 上記モニタ出力手段からのモニタ信号により一対のエリアセンサ双方の露光量を制御する手段を有する
    請求項4に記載の光電変換装置。
  6. 外部から外部最小値を入力する外部最小値入力手段と、
    上記最小値検出手段から出力される露光最小値と上記外部最小値入力手段から入力される外部最小値を選択的に出力する選択手段と、をさらに有し、
    上記モニタ出力手段は、上記最大値検出手段から出力される露光最大値と上記選択手段から出力される露光最小値または外部最小値とからモニタ信号を生成する
    請求項1乃至4のうちのいずれか一に記載の光電変換装置。
  7. 受光部が2次元に配置されたエリアセンサと、
    上記エリアセンサを複数のブロックに分割する分割手段と、
    上記分割手段により分割された各ブロックの露光最大値を検出する最大値検出手段と、
    上記分割手段により分割された各ブロックの露光最小値を検出する最小値検出手段と、
    上記分割されたブロックごとに電子シャッタを行うシャッタ手段と、
    上記最大値検出手段から出力される露光最大値と上記最小値検出手段から出力される露光最小値とからモニタ信号を生成し、各ブロックのモニタ信号を順次共通の出力端により出力するモニタ出力手段と、
    上記モニタ信号により全ブロックそれぞれの露光量が所定値以上に蓄積されたことを検出する露光量検出手段と、
    上記露光量検出手段により全ブロックが所定値以上蓄積されたことを検出した場合に上記エリアセンサの蓄積データの読み出しを指示する指示手段と、
    上記指示手段による指示に基づき上記エリアセンサの蓄積データを出力する蓄積データ出力手段と、
    上記蓄積データ出力手段により出力される蓄積データより位相差信号を生成する位相差信号生成手段と
    を有する焦点検出装置。
  8. 受光部が2次元に配置されたエリアセンサと、
    上記エリアセンサを複数のブロックに分割する分割手段と、
    上記分割手段により分割された各ブロックの露光最大値を検出する最大値検出手段と、
    上記分割手段により分割された各ブロックの露光最小値を検出する最小値検出手段と、
    上記分割されたブロックごとに電子シャッタを行うシャッタ手段と、
    上記最大値検出手段から出力される露光最大値と上記最小値検出手段から出力される露光最小値とからモニタ信号を生成し、各ブロックのモニタ信号を順次共通の出力端により出力するモニタ出力手段と
    上記モニタ信号により全ブロックそれぞれの露光量が所定値以上に蓄積されたことを検出する露光量検出手段と、
    上記露光量検出手段により全ブロックが所定値以上蓄積されたことを検出した場合に上記エリアセンサの蓄積データの読み出しを指示する指示手段と、
    上記指示手段による指示に基づき上記エリアセンサの蓄積データを出力する蓄積データ出力手段と、
    上記蓄積データ出力手段により出力される蓄積データより位相差信号を生成する位相差信号生成手段と、
    上記位相差信号生成手段により出力される位相差信号により焦点制御を行う焦点制御手段と、
    上記焦点制御手段により制御される光学レンズと
    を有する撮像装置。
  9. 受光部が2次元に配置されたエリアセンサを複数のブロックに分割する分割ステップと、
    上記分割されたブロックごとに電子シャッタを行うシャッタステップと、
    上記分割された各ブロックの露光最大値を検出する最大値検出ステップと、
    上記分割された各ブロックの露光最小値を検出する最小値検出ステップと、
    上記検出した露光最大値と上記露光最小値とからモニタ信号を生成し、各ブロックのモニタ信号を順次共通の出力端により出力するモニタ出力ステップと、
    上記モニタ信号により全ブロックそれぞれの露光量が所定値以上に蓄積されたことを検出する露光量検出ステップと、
    上記露光量検出ステップにより全ブロックが所定値以上蓄積されたことを検出した場合に上記エリアセンサの蓄積データの読み出しを指示する指示ステップと、
    上記指示に基づき上記エリアセンサの蓄積データを出力する蓄積データ出力ステップと、
    上記出力される蓄積データより位相差信号を生成する位相差信号生成ステップと
    を有する焦点検出方法。
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